(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039124
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】発泡体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08J 9/14 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
C08J9/14 CES
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143437
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000214788
【氏名又は名称】DMノバフォーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 祐治
(72)【発明者】
【氏名】左子 勝一朗
【テーマコード(参考)】
4F074
【Fターム(参考)】
4F074AA24
4F074AA98
4F074AB01
4F074AD11
4F074AD13
4F074AG11
4F074BA37
4F074BA38
4F074BC12
4F074CA22
4F074DA02
4F074DA08
4F074DA13
4F074DA15
4F074DA22
4F074DA33
4F074DA39
4F074DA43
4F074DA45
4F074DA49
(57)【要約】
【課題】柔軟性及び耐熱性に優れる発泡体及びその製造方法の提供。
【解決手段】発泡体は、樹脂組成物から形成されている。この樹脂組成物の基材樹脂はポリプロピレン系樹脂である。このポリプロピレン系樹脂は、数平均分子量Mnが100,000以上250,000以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下である。この発泡体の連続気泡率は10体積%以上である。発泡体は、基材樹脂を含む樹脂組成物を準備すること、及び、この樹脂組成物を発泡成形することにより製造される。基材樹脂は、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂Aと、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂Bと、の混合樹脂である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂組成物から形成されており、
上記樹脂組成物の基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、
上記ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnが100,000以上250,000以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下であり、
以下の方法で測定される連続気泡率が10体積%以上である、発泡体。
(連続気泡率の測定方法)予め重量を測定した発泡体を水に浸漬して、-400mmHgの減圧下で1分間静置した後、大気圧に戻して取り出した発泡体の表面に付着した水を除去して重量を測定し、下記式に基づいて連続気泡率を算出する。
A={(W2-W1)/d3}/(W1/d1-W1/d2)×100
(式中、Aは連続気泡率(体積%)であり、W1は試験前の発泡体の重量(g)であり、W2は試験後の発泡体の重量(g)であり、d1は発泡体の見掛密度(g/cm3)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)であり、d3は測定時の水の密度(g/cm3)である。)
【請求項2】
上記連続気泡率Aと発泡倍率Bとが、下記式を満たす、請求項1に記載の発泡体。
A×B/100≧10
【請求項3】
上記発泡倍率Bが10倍以上50倍以下である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項4】
デュロメータ(タイプF0)により測定した硬度が80以下である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項5】
50%圧縮硬さが4.0N/cm2以下である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項6】
上記ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマー、及び、プロピレン含有量が90重量%以上のオレフィン-プロピレンコポリマーから選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項7】
上記基材樹脂が、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、の混合樹脂である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項8】
上記樹脂組成物がさらに核剤を含んでおり、この核剤の量が、上記基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上5.0重量部以下である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項9】
上記樹脂組成物が、脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上をさらに含み、この脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルの合計量が、上記基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上20重量部以下である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項10】
基材樹脂を含む樹脂組成物を準備すること、
及び
上記樹脂組成物を発泡成形すること
を有しており、
上記基材樹脂が、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、の混合樹脂である、請求項1に記載の発泡体の製造方法。
【請求項11】
上記混合樹脂の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下となる比率で、上記ポリプロピレン系樹脂(1)と上記ポリプロピレン系樹脂(2)とを混合する、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
上記基材樹脂100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下の発泡剤を配合して押出発泡成形する、請求項10に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡体に関する。詳細には、本開示は、樹脂発泡体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡体は、弾力性、柔軟性、断熱性等の性質を利用して、包装材、断熱材、緩衝材等の各種用途で多用されている。
【0003】
例えば、特開2007-182500号公報(特許文献1)には、マトリックスを構成する第一のオレフィン系樹脂と、このマトリックスに分散する第二のオレフィン系樹脂とで構成され、第二のオレフィン系樹脂の融点又は軟化点が、第一のオレフィン系樹脂の融点又は軟化点より高い、発泡体用樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、マトリックスを形成する第一のオレフィン系樹脂として、ポリエチレン系樹脂が用いられている。また、特開2006-219541号公報(特許文献2)には、ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂とで構成され、ポリオレフィン系樹脂のメルトフローインデックスと、ポリエチレン系樹脂のメルトフローインデックスとが、所定の関係を満たす発泡体用樹脂組成物が開示されている。
【0004】
近年、発泡体用途の多様化によって、熱成形による二次加工が必要とされる場合があり、また、高温環境下での使用が求められる場合がある。特許文献1及び2に開示された発泡体用樹脂組成物では、いずれもポリエチレン系樹脂が使用されている。ポリエチレン系樹脂を含む発泡体の耐熱性は、十分満足できるものではない。
【0005】
特開2002-114862号公報(特許文献3)では、メルトテンションが異なる2種類のポリプロピレン系樹脂からなる発泡成形体用樹脂組成物と、この組成物を発泡成形させてなる、内部に連続気泡を有する発泡成形体が開示されている。この発泡成形体は、耐久性、特に耐摩耗性に優れた、汚水処理装置に用いる微生物固定化用担体に好適であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-182500号公報
【特許文献2】特開2006-219541号公報
【特許文献3】特開2002-114862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、包装材、緩衝材、充填材(隙間又は目地部に充填するための充填材、合併浄化槽用の充填材など)等に適用するためには、特に優れた柔軟性が必要である。特許文献3に開示された発泡体の柔軟性は、十分満足できるものではない。
【0008】
本開示の目的は、優れた柔軟性を有し、かつ、耐熱性の高い発泡体及びその製造方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示者らは、分散度の小さい基材樹脂を含む樹脂組成物では、発泡成形時に生成する気泡が冷却時の歪みに追随しにくく、破泡しやすいことに着目して、本開示の構成に到達した。
【0010】
即ち、本開示の発泡体は、樹脂組成物から形成されている。この樹脂組成物の基材樹脂は、ポリプロピレン系樹脂である。このポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnは100,000以上250,000以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnは1.5以上3.5以下である。この発泡体の連続気泡率は10体積%以上である。連続気泡率は、以下の方法により求められる。
(連続気泡率の測定方法)予め重量を測定した発泡体を水に浸漬して、-400mmHgの減圧下で1分間静置した後、大気圧に戻して取り出した発泡体の表面に付着した水を除去して重量を測定し、下記式に基づいて連続気泡率を算出する。
A={(W2-W1)/d3}/(W1/d1-W1/d2)×100
(式中、Aは連続気泡率(体積%)であり、W1は試験前の発泡体の重量(g)であり、W2は試験後の発泡体の重量(g)であり、d1は発泡体の見掛密度(g/cm3)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)であり、d3は測定時の水の密度(g/cm3)である。)
【0011】
この発泡体の製造方法は、基材樹脂を含む樹脂組成物を準備すること、及び、この樹脂組成物を発泡成形すること、を有している。この基材樹脂は、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)との混合樹脂である。
【発明の効果】
【0012】
本開示の製造方法によれば、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として、連続気泡率の高い発泡体を得ることができる。この発泡体は、柔軟性及び耐熱性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施例に用いた基材樹脂のGPCクロマトグラムである。
【
図2】
図2は、比較例に用いた機材樹脂のGPCクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせは、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
【0015】
なお、本願明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」の意味であり、「体積%」は「vol%」と記載される場合があり、「重量部」は「phr」と記載される場合がある。特に注釈のない限り、試験温度は全て室温(20℃±5℃)である。
【0016】
[発泡体]
本開示の一実施形態に係る発泡体は、樹脂組成物から形成されている。この樹脂組成物の基材樹脂は、ポリプロピレン系樹脂である。このポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnは100,000以上250,000以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnは、1.5以上3.5以下である。この分子量及び分散度の測定方法は、実施例にて後述する。
【0017】
この発泡体は、以下の方法で測定される連続気泡率が10体積%以上である。ここで、連続気泡率とは、発泡体中の気泡の全体積に対する連続気泡が占める体積の割合を意味する。
(連続気泡率の測定方法)予め重量を測定した発泡体を水に浸漬して、-40mmHgの減圧下で1分間静置した後、大気圧に戻して取り出した発泡体の表面に付着した水を除去して重量を測定し、下記式に基づいて連続気泡率を算出する。
A={(W2-W1)/d3}/(W1/d1-W1/d2)×100
(式中、Aは連続気泡率(体積%)であり、W1は試験前の発泡体の重量(g)であり、W2は試験後の発泡体の重量(g)であり、d1は発泡体の見掛密度(g/cm3)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)であり、d3は測定時の水の密度(g/cm3)である。)
【0018】
この発泡体では、基材樹脂であるポリプロピレン系樹脂により優れた耐熱性が付与される。さらにこの発泡体では、10体積%以上の連続気泡率を有することにより、ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とするにもかかわらず、包装材、緩衝材、目地剤等の充填材に適した柔軟性が得られうる。
【0019】
柔軟性向上の観点から、発泡体の連続気泡率は10体積%以上であり、20体積%以上が好ましく、30%体積%以上がより好ましく、40体積%以上がさらに好ましく、50体積%以上が特に好ましい。連続気泡率は高い程好ましく、上限値は特に限定されないが、形状安定性の観点から90体積%以下が好ましい。
【0020】
好ましくは、この発泡体では、連続気泡率Aと発泡倍率Bとが、下記式を満たす。
A×B/100≧10
換言すれば、この発泡体の連続気泡率Aと発泡倍率Bとから下記式により算出される値Cが、10以上である。
C=A×B/100
【0021】
値Cが10以上である発泡体は、柔軟性に優れている。柔軟性向上の観点から、値Cは、15以上がより好ましく、18以上がさらに好ましく、20以上が特に好ましい。
【0022】
発泡体の発泡倍率とは、発泡成形による体積増加率として定義される。具体的には、発泡倍率は、発泡体の体積V1(cm3)であり、発泡体の重量W1(g)及び発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度d(g/cm3)を用いて、以下の式により求められる。
B=V1/(W1/d2)
【0023】
本開示の効果が得られる限り、発泡体の発泡倍率は特に限定されない。例えば、発泡体の発泡倍率は、10倍以上であってよく、20倍以上であってよく、また、100倍以下であってよく、90倍以下であってよく、70倍以下であってよく、50倍以下であってよい。好ましい一態様としては、発泡倍率10倍以上50倍以下において、前述した範囲の連続気泡率を有する発泡体である。
【0024】
発泡体の密度(見掛密度)は0.05g/cm3以下が好ましく、0.005~0.05g/cm3であってよく、0.01~0.05g/cm3であってよく、0.02~0.05g/cm3であってよい。発泡体の見掛密度は、JIS K6767に準じて測定される。
【0025】
好ましくは、この発泡体は、デュロメータ(タイプF0)により測定した硬度が80以下である。柔軟性向上の観点から、発泡体の硬度(F0)は、75以下がより好ましく、70以下がさらに好ましい。形状安定性及び耐久性の観点から、好ましい硬度(F0)は20以上である。発泡体の硬度は、JIS K6253に準じて測定される。
【0026】
好ましくは、この発泡体は、50%圧縮硬さが4.0N/cm2以下である。本開示における50%圧縮硬さとは、試験片の厚みが50%まで圧縮されるときの抗力であり、JIS K6767の記載に準じた圧縮試験により測定される。柔軟性向上の観点から、発泡体の50%圧縮硬さは、3.5N/cm2以下がより好ましく、3.0N/cm2以下がさらに好ましく、2.5N/cm2以下が特に好ましい。形状安定性の観点から、好ましい50%圧縮硬さは1.5N/cm2以上である。
【0027】
発泡体の機械的強度は特に限定されず、用途に応じて適宜選択される。例えば、発泡体の引張強さは、50N/cm2以上であってよく、60N/cm2以上であってよく、また、100N/cm2以下であってよく、90N/cm2以下であってよい。発泡体の破断伸びは、20%以上であってよく、25%以上であってよく、また、100%以下であってよく、90%以下であってよい。発泡体の引張強さ及び破断伸びは、JIS K6767の記載に準じた引張試験により測定される。
【0028】
本開示の効果が得られる限り、発泡体の形状は特に制限されず、例えば、棒状、紐状等の一次元的形状であってよく、シート状、フィルム状、二次元網目(ネット)状等の二次元的形状であってよく、ブロック状、板状、三次元網目状、パイプ状等の三次元的形状であってよい。また、発泡体の表面は平滑であってもよく、凹凸を有していてもよい。
【0029】
[樹脂組成物]
発泡体をなす樹脂組成物は、基材樹脂としてポリプロピレン系樹脂を含む。換言すれば、発泡体は、基材樹脂の主成分がポリプロピレン系樹脂である樹脂組成物から形成される。なお、「主成分」とは、基材樹脂全体に対して、ポリプロピレン系樹脂が90重量%以上、好ましくは95重量%以上含まれていることを意味する。基材樹脂がポリプロピレン系樹脂のみ(即ち、100重量%)であってもよい。
【0030】
ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnは100,000以上250,000以下であるところ、柔軟性向上の観点から、ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnは220,000以下が好ましく、200,000以下がより好ましい。形状安定性の観点から、ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnは、110,000以上が好ましく、120,000以上がより好ましい。
【0031】
ポリプロピレン系樹脂の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnは1.5以上3.5以下であるところ、柔軟性向上の観点から、ポリプロピレン系樹脂の分散度Mw/Mnは、3.3以下が好ましく、3.1以下がより好ましい。入手容易との観点から、ポリプロピレン系樹脂の分散度Mw/Mnは、1.6以上が好ましく、1.8以上がより好ましい。
【0032】
ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量Mwは特に限定されないが、柔軟性向上の観点から、520,000以下が好ましく、510,000以下がより好ましい。形状安定性の観点から、ポリプロピレン系樹脂の重量平均分子量Mwは、350,000以上が好ましく400,000以上がより好ましい。
【0033】
好ましくは、ポリプロピレン系樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により得られるクロマトグラムにおいて、単峰性のピークを示すことが好ましく、単峰性であり、かつショルダーを有していないピークを示すことがより好ましい。ここで、「単峰性」とは、得られるクロマトグラムが唯一つの極大を示す形状であることを意味する。
【0034】
数平均分子量Mn及び分散度Mw/Mnが前述の範囲を満たす限り、ポリプロピレン系樹脂の種類は特に限定されない。例えば、ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマー、及び、プロピレン含有量が90重量%以上のオレフィン-プロピレンコポリマーから選択される1種又は2種以上であってよい。オレフィン-プロピレンコポリマーにおけるオレフィンとしては、エチレン、ブテン、イソブテン、ペンテン、ヘキセン等のα-オレフィンが例示される。オレフィン-プロピレンコポリマーは、ランダム共重合体であってよく、ブロック共重合体であってよく、また、2元重合体であってよく、3元重合体であってよい。
【0035】
本開示の効果が得られる限り、基材樹脂が、物性の異なる2種以上のポリプロピレン系樹脂を含んでもよい。例えば、基材樹脂が、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、の混合樹脂であってもよい。本開示の効果を阻害しない範囲内で、樹脂組成物が、前述したポリプロピレン系樹脂以外の他の樹脂を含んでもよい。
【0036】
発泡体をなす樹脂組成物が、さらに核剤を含んでもよい。核剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、タルク、ゼオライト、チタン酸カリウム等が挙げられる。核剤の量は、基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上であってよく、0.3重量部以上であってよく、0.5重量部以上であってよく、また、5.0重量部以下であってよく、4.0重量部以下であってよい。
【0037】
発泡体をなす樹脂組成物が、脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上をさらに含んでもよい。脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルの合計量は、基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上であってよく、0.5重量部以上であってよく、1.0重量部以上であってよく、また、20重量部以下であってよく、15重量部以下であってよい。
【0038】
脂肪酸アミドとしては、例えば、カプリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド等の炭素数16~24の飽和脂肪酸の酸アミド;オレイン酸アミド等の炭素数16~24の不飽和脂肪酸の酸アミド;エチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンジアミン-ジステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド;エチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミドが挙げられる。2種以上を併用してもよい。
【0039】
脂肪酸エステルとしては、炭素数10~30の飽和又は不飽和脂肪酸と、炭素数1~10の一価アルコール又は多価アルコールとのエステルが挙げられる。具体的には、ブチルステアレート、2-エチルヘキシルベヘネート、ブチルオレエート、エチレングリコールモノステアリン酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル、グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル等が挙げられる。2種以上を併用してもよい。
【0040】
本開示の効果を阻害しない範囲で、発泡体をなす樹脂組成物が、さらに、界面活性剤、無機充填剤、安定剤、着色剤、滑剤等既知の添加剤を含んでもよい。
【0041】
[発泡体の製造方法]
本開示の発泡体は、基材樹脂を含む樹脂組成物を準備すること、及び、この樹脂組成物を発泡成形することを含む製造方法により製造される。この製造方法において、基材樹脂は、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、の混合樹脂である。換言すれば、本開示の製造方法は、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、必要に応じて、核剤、脂肪酸アミド又は脂肪酸エステル等の添加剤を配合して、樹脂組成物を準備することを含む。この樹脂組成物を発泡成形することにより、高い連続気泡率が達成され、柔軟性及び耐熱性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡体が得られる。
【0042】
本開示の効果が得られる限り、ポリプロピレン系樹脂(1)とポリプロピレン系樹脂(2)との混合比率は特に限定されず、例えば、5~95重量%/95~5重量%の範囲で選択することができる。柔軟性に優れた発泡体が得られるとの観点から、混合樹脂の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下となる比率で、ポリプロピレン系樹脂(1)とポリプロピレン系樹脂(2)とを混合することが好ましい。
【0043】
この製造方法では、樹脂組成物を発泡成形する方法は特に限定されず、押出成形方法、押出発泡成形方法、射出成形方法等が用いられてよい。樹脂組成物を発泡させる方法も特に限定されず、例えば、反応生成ガスを利用する方法、発泡剤を使用する方法、可溶性物質を除去する方法などが挙げられる。成形性及び汎用性の観点から、発泡剤を使用する方法が好ましく、樹脂組成物に発泡剤を配合して押出発泡成形することがより好ましい。
【0044】
発泡剤としては特に限定されず、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類、HFC-134a、HCFC-142a、HCFC-22、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、メチルエーテル、エチルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、炭酸ガス、窒素ガス等の揮発型発泡剤、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩、アゾ化合物、スルホニルヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の分解性発泡剤を、適宜選択して用いることができる。1種又は2種以上を混合して使用してもよい。炭酸塩、炭酸水素塩及びニトロソ化合物等の分解性発泡剤は、その種類に応じて発泡助剤と組み合わせて使用してもよい。発泡助剤としては、クエン酸、シュウ酸等の有機酸が例示される。
【0045】
発泡剤の配合量は特に限定されず、使用する発泡剤の種類、所望の発泡倍率等に応じて適宜設定することができる。例えば、基材樹脂100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下の発泡剤を配合して押出発泡成形することにより、本開示の発泡体が得られうる。具体的には、既知の押出機に、ポリオレフィン系樹脂(1)及びポリエチレン系樹脂(2)を含む樹脂組成物を投入して溶融混練し、この押出機の途中部から発泡剤を注入してさらに溶融混練した後、低圧域(通常、大気圧下)に押し出すことにより、発泡体を得ることができる。
【0046】
押出発泡成形に用いる装置は特に限定されず、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等を使用することができる。また、押出等の成形条件も特に限定はなく、樹脂組成物及び発泡剤の種類、発泡体の用途等に応じて適宜選択される。例えば、樹脂組成物の溶融混練温度は、120~300℃であってよく、130~280℃であってよく、140~260℃であってよい。また、成形圧力は、1~50MPaであってよく、2~40MPaであってよく、2.5~20MPaであってよく、5~10MPaであってよい。
【0047】
[用途]
本開示の発泡体は、柔軟性及び耐熱性に優れている。この発泡体は、特に高い連続気泡率に由来する柔軟性を利用して、例えば、軽量物用緩衝材、果実用緩衝材、目地剤等の充填材(構造物の隙間又は目地部に充填するためのシーリング構造の充填材として、シーリング材と組み合わせることにより、シール材の使用量を低減できるのでシール構造を軽量化できる)、包装材、緩衝材(又はクッション材)、マット用部材(マットレス、カーペット等)、ろ過材、浄化槽用担持体、シール材(ボックスカルバート、コンクリート製品用等に使用できる被覆発泡材の芯材)、セパレータ(電池用セパレータ等)のような種々の用途に使用することができる。
【実施例0048】
以下、実施例によって本開示の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本開示が限定的に解釈されるべきではない。
【0049】
[実施例1]
ポリプロピレンPP1(日本ポリプロ社製の商品名「WFX4M」)、ポリプロピレンPP2(日本ポリプロ社製の商品名「WFX6」)、ステアリン酸モノグリセライド(日光ケミカル社製)及び核剤(日本タルク社製のタルク、商品名「ミクロエースK-1」)を、下表1に示す配合となるように、φ40mmの単軸押出機に投入し、温度180℃、圧力3MPaで溶融混練した。続いて、単軸押出機の先端近くに設けた発泡剤注入口から、ポリプロピレンPP1及びPP2の総量100重量部に対して、10重量部のブタンを注入して混合した後、ダイスから大気中に押し出すことにより、実施例1の発泡体(直径10mmの円柱状)を得た。
【0050】
[実施例2-8及び比較例1-4]
下表1及び2に示される配合に変更した他は実施例1と同様にして、実施例2-8及び比較例1-4の発泡体を得た。
【0051】
[発泡体の物性]
実施例1-8及び比較例1-4の発泡体について、以下の方法及び条件にて、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw、分散度Mw/Mn、見掛密度、連続気泡率、発泡倍率、引張強さ、破断伸び、硬度(F0)及び50%圧縮硬さを測定した。また、各発泡体の耐熱性を評価した。評価結果が、下表1及び2に示されている。
【0052】
(a)分子量及び分散度
実施例及び比較例の発泡体から採取した試験片を、o-ジクロロベンゼン(富士フイルム和光純薬社製)に溶解して、濃度1mg/mlの溶液を調製し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw及び分散度Mw/Mnを測定した。測定装置及び測定条件は、以下の通りである。
図1は、実施例1のGPCクロマトグラムであり、
図2は、比較例1のGPCクロマトグラムである。
装置:東ソー社製のGPC装置
検出器:示差屈折計(RI)
カラム:東ソー社製のTSKgel(4本)
移動相:o-ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:0.4mL
標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0053】
(b)見掛密度
実施例及び比較例の発泡体の見掛密度(g/cm3)及び各発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)を、JIS K6767に記載された方法に準じて測定し、3回測定した平均値を算出した。
【0054】
(c)連続気泡率
実施例及び比較例の発泡体から試験片採取して、重量W1(g)を測定した。次に、各試験片を蒸留水(25℃±1℃)に浸漬して、-400mmHgの減圧下に1分間静置して、連続気泡構造の中に水を浸透させた。その後、大気圧に戻して取り出した発泡体の表面に付着した水を除去して、重量W2(g)を測定し、下記式に基づいて連続気泡率Aを算出した。3回測定した平均値を求めて、連続気泡率(vol%)とした。
A={(W2-W1)/d3}/(W1/d1-W1/d2)×100
なお、式中、Aは連続気泡率(体積%)であり、W1は試験前の発泡体の重量(g)であり、W2は試験後の発泡体の重量(g)であり、d1は発泡体の見掛密度(g/cm3)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)であり、d3は測定時の水の密度(g/cm3)である。
【0055】
(d)発泡倍率
実施例及び比較例の発泡倍率(倍)を、下記式に基づいて算出した。
B=V1/(W1/d2)
なお、式中、V1は発泡体の体積(cm3)であり、W1は発泡体の重量(g)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)である。
【0056】
(e)引張強さ及び破断伸び
JIS K6767に記載された方法に準じて引張試験をおこない、実施例及び比較例の発泡体の押出方向(MD方向)の引張強さ(N/cm2)及び破断伸び(%)を求めた。測定装置及び測定条件は、以下の通りである。3回測定した平均値を、引張強さ(N/cm2)及び破断伸び(%)とした。
装置:引張試験機(島津製作所製社製)
チャック間距離:40mm
引張速度:500mm/分
試験温度:25℃±1℃
【0057】
(f)硬度(F0)
実施例及び比較例の発泡体から、厚み3mmの試験片を切り出した。各試験片の硬度を、デュロメーター(テクロック社製のゴム硬度計、タイプF0)を用いて、JIS K6253に準拠して測定した。3回測定した平均値を、発泡体の硬度(F0)として求めた。
【0058】
(g)50%圧縮硬さ
実施例及び比較例の発泡体から試験片(厚み25mm)を採取して、JIS K6767の記載に準拠して圧縮試験をおこなった。測定には、万能材料試験機(島津製作所社製)を使用し、試験温度25℃±1℃で、試験片の厚みを50%圧縮させたときの抗力(N/cm2)を測定した。3回測定した平均値を、50%圧縮硬さ(N/cm2)とした。
【0059】
(h)耐熱性
実施例及び比較例の発泡体から直方体状に試験片を切り出して、120℃のオーブンに静置して、5分間加熱した。加熱前後の寸法を測定し、押出方向(MD方向)及び押出に対して直交する方向(TD方向)の熱収縮率(%)を求めることにより、各発泡体の耐熱性を評価した。表1中、「長さ」は押出方向の熱収縮率(%)であり、「長辺」及び「短辺」は、それぞれ押出方向に直交する断面の長辺及び短辺の熱収縮率(%)である。いずれも、3回測定した平均値である。正の数値は加熱後の収縮を示し、負の数値は加熱後の膨張を示す。数値が小さい程、加熱による変形が少なく、耐熱性が高いことを意味する。通常、2%未満の熱収縮率(熱膨張率)は、実用上十分な耐熱性を有しているとみなされる。
【0060】
【0061】
【0062】
表1及び2に示された化合物の詳細は、以下の通りである。
PP1:日本ポリプロ社製のポリプロピレン、商品名「WFX4M」、数平均分子量(Mn)183,524、重量平均分子量(Mw)516,023、分散度(Mw/Mn)2.81、ピークトップ分子量(Mp)396,032
PP2:日本ポリプロ社製のポリプロピレン、商品名「WFX6」、数平均分子量(Mn)134,378、重量平均分子量(Mw)369,681、分散度(Mw/Mn)2.75、ピークトップ分子量(Mp)281,669
PP3:日本ポリプロ社製のポリプロピレン、商品名「MFX3」、数平均分子量(Mn)98,737、重量平均分子量(Mw)572,636、分散度(Mw/Mn)5.80、ピークトップ分子量(Mp)170,687
PP4:日本ポリプロ社製のポリプロピレン、商品名「MFX6」、数平均分子量(Mn)90,361、重量平均分子量(Mw)434,032、分散度(Mw/Mn)4.80、ピークトップ分子量(Mp)162,354
ステアリン酸モノグリセライド:理研ビタミン社製
ステアリン酸アミド:日本油脂社製
核剤:日本タルク社製のタルク、商品名「ミクロエースK-1」
【0063】
表1及び2に示されるように、実施例の発泡体は、比較例の発泡体に比べて柔軟であり、比較例と同様に、加熱による変形が少ない。この評価結果から、本開示の優位性は明らかである。
【0064】
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態を開示する。
【0065】
[項目1]
樹脂組成物から形成されており、
上記樹脂組成物の基材樹脂がポリプロピレン系樹脂であり、
上記ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量Mnが100,000以上250,000以下であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下であり、
以下の方法で測定される連続気泡率が10体積%以上である、発泡体。
(連続気泡率の測定方法)予め重量を測定した発泡体を水に浸漬して、-400mmHgの減圧下で1分間静置した後、大気圧に戻して取り出した発泡体の表面に付着した水を除去して重量を測定し、下記式に基づいて連続気泡率を算出する。
A={(W2-W1)/d3}/(W1/d1-W1/d2)×100
(式中、Aは連続気泡率(体積%)であり、W1は試験前の発泡体の重量(g)であり、W2は試験後の発泡体の重量(g)であり、d1は発泡体の見掛密度(g/cm3)であり、d2は発泡体を形成する樹脂組成物の見掛密度(g/cm3)であり、d3は測定時の水の密度(g/cm3)である。)
【0066】
[項目2]
上記連続気泡率Aと発泡倍率Bとが、下記式を満たす、項目1に記載の発泡体。
A×B/100≧10
【0067】
[項目3]
上記発泡倍率Bが10倍以上50倍以下である、項目1又は2に記載の発泡体。
【0068】
[項目4]
デュロメータ(タイプF0)により測定した硬度が80以下である、項目1から3のいずれかに記載の発泡体。
【0069】
[項目5]
50%圧縮硬さが4.0N/cm2以下である、項目1から4のいずれかに記載の発泡体。
【0070】
[項目6]
上記ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンホモポリマー、及び、プロピレン含有量が90重量%以上のオレフィン-プロピレンコポリマーから選択される1種又は2種以上である、項目1から5のいずれかに記載の発泡体。
【0071】
[項目7]
上記基材樹脂が、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂(1)と、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂(2)と、の混合樹脂である、項目1から6のいずれかに記載の発泡体。
【0072】
[項目8]
上記樹脂組成物がさらに核剤を含んでおり、この核剤の量が、上記基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上5.0重量部以下である、項目1から7のいずれかに記載の発泡体。
【0073】
[項目9]
上記樹脂組成物が、脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上をさらに含み、この脂肪酸アミド及び脂肪酸エステルの合計量が、上記基材樹脂100重量部に対し、0.1重量部以上20重量部以下である、項目1から8のいずれかに記載の発泡体。
【0074】
[項目10]
基材樹脂を含む樹脂組成物を準備すること、
及び
上記樹脂組成物を発泡成形すること
を有しており、
上記基材樹脂が、数平均分子量155,000以上250,000以下であるポリプロピレン系樹脂Aと、数平均分子量100,000以上155,000未満であるポリプロピレン系樹脂Bと、の混合樹脂である、項目1から9のいずれかに記載の発泡体の製造方法。
【0075】
[項目11]
上記混合樹脂の、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとから求められる分散度Mw/Mnが1.5以上3.5以下となる比率で、上記ポリプロピレン系樹脂Aと上記ポリプロピレン系樹脂Bとを混合する、項目10に記載の製造方法。
【0076】
[項目12]
上記基材樹脂100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下の発泡剤を配合して押出発泡成形する、項目10又は11に記載の製造方法。