(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039125
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】外構設計支援システム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240314BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20240314BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20240314BHJP
【FI】
G06F30/13
G06Q50/08
G06F30/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143438
(22)【出願日】2022-09-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名:株式会社タカショー、刊行物名:タカショーカタログ「新製品ダイジェスト2022」、発行日:令和4年2月1日 〔刊行物等〕 令和4年5月20日、6月13日、9月8日にウェブサイトに掲載 〔刊行物等〕 令和4年7月28日にウェブサイトに掲載
(71)【出願人】
【識別番号】592089755
【氏名又は名称】株式会社タカショー
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(72)【発明者】
【氏名】高岡 伸夫
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146BA01
5B146DL02
5B146DL08
5B146EC04
5L049CC07
(57)【要約】
【課題】納まりやフレームのサイズ、格子の幅や隙間の寸法、更には、フレームや格子の色を指定するだけで、門扉やフェンスのシミュレーション画像を簡単に作成できる設計支援システムを提供する。
【解決手段】本発明に係る門扉の外構設計支援システムは、矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉の設計を支援するシステムであり、設計支援用のウェブサイトが開設されたウェブサーバと、設計者がウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末とを備えている。ウェブサーバのデータベースには、門扉やフェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、また格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更にフレームと格子の色に関するデータが格納されており、ユーザ端末からデータが送信されたとき、ウェブサーバは、受信したデータに基づいて門扉やフェンスのシミュレーション画像を作成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉の設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記門扉のフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする外構設計支援システム。
【請求項2】
前記門扉のシミュレーション画像において、格子は長手方向が水平となるように配列され、かつ最上段の格子の位置と前記フレームの上枠の位置が略一致し、最下段の格子が前記フレームの下枠からはみ出さないように設置される、請求項1に記載の外構設計支援システム。
【請求項3】
前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から、前記格子の幅と隙間の寸法を指定するデータを受信したとき、指定された幅の格子が指定された隙間の寸法で前記フレーム全体に配列された門扉のシミュレーション画像を作成する機能を備える、請求項2に記載の外構設計支援システム。
【請求項4】
前記シミュレーション画像のうち、鍵およびレバーハンドルが配置されたフレームのエリアと、前記隙間を隔てて配置された格子の一部が重なる場合、格子が前記エリアから外れるように格子の長さを短くする、請求項1乃至3のいずれかに記載の外構設計支援システム。
【請求項5】
前記データベースには、更に、前記シミュレーション画像を構成する各部材の名称と金額に関するデータが格納されており、前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から要求された場合には、前記各部材の名称と金額を列記した見積書を作成し、当該見積書のデータを前記ユーザ端末に送信する、請求項4に記載の外構設計支援システム。
【請求項6】
矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられたフェンスの設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記フェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいてフェンスのシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする外構設計支援システム。
【請求項7】
前記フェンスのシミュレーション画像において、格子は長手方向が水平となるように配列され、かつ最上段の格子の位置と前記フレームの上枠の位置が略一致し、最下段の格子が前記フレームの下枠からはみ出さないように設置される、請求項6に記載の外構設計支援システム。
【請求項8】
前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から、前記格子の幅と隙間の寸法を指定するデータを受信したとき、指定された幅の格子が指定された隙間の寸法で前記フレーム全体に配列されたフェンスのシミュレーション画像を作成する機能を備える、請求項7に記載の外構設計支援システム。
【請求項9】
前記フェンスとして、上段のフェンスと下段のフェンスが上下方向に配置された2段納まりのフェンスを採用した場合、当該上段および下段のフェンスのフレームに取り付けられる格子の幅と色、ならびに隙間寸法は個別に指定できる、請求項8に記載の外構設計支援システム。
【請求項10】
前記格子の幅や隙間の寸法によって、前記フレームの縦桟への格子の取り付けができない場合、前記ユーザ端末のディスプレイの画面に、異なる格子の幅や隙間の寸法の入力を促す表示がなされる、請求項6に記載の外構設計支援システム。
【請求項11】
矩形状のフレームに長方形状の格子が、長手方向が水平となるように隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉およびフェンスの設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記門扉およびフェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、ならびにフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記門扉のフレームの納まりとサイズ、および前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、
前記門扉と高さが等しく、かつフレームに前記門扉の格子と同じ幅および色の格子が同じ隙間寸法で取り付けられ、前記門扉と格子の通りが同じになるフェンスのシミュレーション画像を作成し、
前記門扉のシミュレーション画像のデータと前記フェンスのシミュレーション画像のデータを、前記ユーザ端末に送信することを特徴とする外構設計支援システム。
【請求項12】
矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉の設計を支援する外構設計支援システムに用いられ、設計支援用のウェブサイトが開設され、前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続され、更に、設計者がアクセスするために使用するユーザ端末とネットワークを介して接続されたウェブサーバであって、
前記データベースには、前記門扉のフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームおよび格子の色を指定するデータが送信されたとき、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とするウェブサーバ。
【請求項13】
矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられたフェンスの設計を支援する外構設計支援システムに用いられ、設計支援用のウェブサイトが開設され、前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続され、更に、設計者がアクセスするために使用するユーザ端末とネットワークを介して接続されたウェブサーバであって、
前記データベースには、前記フェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、受信したデータに基づいてフェンスのシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とするウェブサーバ。
【請求項14】
矩形状のフレームに長方形状の格子が、長手方向が水平となるように、隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉およびフェンスの設計を支援する外構設計支援システムに用いられ、設計支援用のウェブサイトが開設され、前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続され、更に、設計者がアクセスするために使用するユーザ端末とネットワークを介して接続されたウェブサーバであって、
前記データベースには、前記門扉およびフェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、ならびにフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記門扉のフレームの納まりとサイズ、および前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、
前記門扉と高さが等しく、かつフレームに前記門扉の格子と同じ幅および色の格子が同じ隙間寸法で取り付けられ、前記門扉と格子の通りが同じになるフェンスのシミュレーション画像を作成し、
前記門扉のシミュレーション画像のデータと前記フェンスのシミュレーション画像のデータを、前記ユーザ端末に送信することを特徴とするウェブサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として門扉とフェンスを対象とする外構の設計支援システム、およびそれに用いるウェブサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
門扉やフェンスは、アルミ製の矩形状のフレームに、複数本の格子を、水平方向または垂直方向に隙間を隔てて取り付けたものが多い。
【0003】
上述した門扉やフェンスの注文を受けた場合、施工業者や工務店は、市販の商品のカタログを購入希望者に提示し、その中から好みのものを選んでもらい、それを生産者に発注するのが一般的である。
【0004】
これに対し、顧客からオリジナルな形状や色の門扉・フェンスの注文を受けた場合、一部の施工業者や工務店は、注文内容に応じて設計図を作成し、それを顧客に提示してイメージを確認してもらっていた。
【0005】
しかし、このような設計方法では、格子の幅や隙間の寸法、更にはフレームや格子の色を変えながら作図を繰り返す必要があり、設計に多大の時間を要するため、一般に採用されるには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、コンピュータを用いて、門扉を含む外構の設計を支援するシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の設計支援システムでは、敷地の情報や外構の情報を入力すると、敷地内に外構が設置されたシミュレーション画像が自動的に作成されるため、設計作業にかかる時間の短縮化を実現できる。
【0008】
しかし、特許文献1記載の設計支援システムでは、単に、作製済の門扉を敷地内に配置するだけであるため、顧客の要望に柔軟に対応することが難しく、門扉やフェンスの設計については、従来の方法を踏襲せざるを得なかった。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、納まりやフレームのサイズ、格子の幅や隙間の寸法、更には、フレームや格子の色を指定するだけで、門扉やフェンスのシミュレーション画像を簡単に作成できる設計支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る門扉の外構設計支援システムは、矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉の設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記門扉のフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする。
【0011】
ここで、前記門扉のシミュレーション画像において、格子は長手方向が水平となるように配列され、かつ最上段の格子の位置と前記フレームの上枠の位置が略一致し、最下段の格子が前記フレームの下枠からはみ出さないように設置されることが好ましい。
【0012】
また前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から、前記格子の幅と隙間の寸法を指定するデータを受信したとき、指定された幅の格子が指定された隙間の寸法で前記フレーム全体に配列された門扉のシミュレーション画像を作成する機能を備えることが好ましい。
【0013】
また前記シミュレーション画像のうち、鍵およびレバーハンドルが配置されたフレームのエリアと、前記隙間を隔てて配置された格子の一部が重なる場合、格子が前記エリアから外れるように格子の長さを短くすることが好ましい。
【0014】
前記データベースには、更に、前記シミュレーション画像を構成する各部材の名称と金額に関するデータが格納されており、前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から要求された場合には、前記各部材の名称と金額を列記した見積書を作成し、当該見積書のデータを前記ユーザ端末に送信することが好ましい。
【0015】
また本発明にかかるフェンスの外構設計支援システムは、矩形状のフレームに長方形状の格子が隙間を隔てて複数本取り付けられたフェンスの設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記フェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、およびフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記フレームの納まりとサイズ、前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいてフェンスのシミュレーション画像を作成すると共に、当該画像のデータを前記ユーザ端末に送信することを特徴とする。
【0016】
ここで、前記フェンスのシミュレーション画像において、格子は長手方向が水平となるように配列され、かつ最上段の格子の位置と前記フレームの上枠の位置が略一致し、最下段の格子が前記フレームの下枠からはみ出さないように設置されることが好ましい。
【0017】
また前記ウェブサーバは、前記ユーザ端末から、前記格子の幅と隙間の寸法を指定するデータを受信したとき、指定された幅の格子が指定された隙間の寸法で前記フレーム全体に配列されたフェンスのシミュレーション画像を作成する機能を備えることが好ましい。
【0018】
また、前記フェンスとして、上段のフェンスと下段のフェンスが上下方向に配置された2段納まりのフェンスを採用した場合、当該上段および下段のフェンスのフレームに取り付けられる格子の幅と色、ならびに隙間寸法は個別に指定できることが好ましい。
【0019】
また前記格子の幅や隙間の寸法によって、前記フレームの縦桟への格子の取り付けができない場合、前記ユーザ端末のディスプレイの画面に、異なる格子の幅や隙間の寸法の入力を促す表示がなされることが好ましい。
【0020】
更に、本発明に係る門扉とフェンスの外構設計支援システムは、矩形状のフレームに長方形状の格子が、長手方向が水平となるように隙間を隔てて複数本取り付けられた門扉およびフェンスの設計を支援する外構設計支援システムであって、
設計支援用のウェブサイトが開設され、かつ前記フレームおよび格子に関する情報が格納されたデータベースが接続されたウェブサーバと、
設計者が前記ウェブサイトにアクセスするために使用するユーザ端末と、
前記ウェブサーバおよびユーザ端末を相互通信可能な状態で接続するネットワークと、を備え、
前記データベースには、前記門扉およびフェンスのフレームの形状を示すデータが、納まり毎、ならびにフレームのサイズ毎に複数格納され、前記格子の形状を示すデータが、幅および長さ毎に複数格納され、更に、前記フレームと格子の色に関するデータが格納されており、
前記ユーザ端末から、前記門扉のフレームの納まりとサイズ、および前記格子の幅と隙間の寸法、ならびに前記フレームと格子の色を指定するデータが送信されたとき、前記ウェブサーバは、受信したデータに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成すると共に、
前記門扉と高さが等しく、かつフレームに前記門扉の格子と同じ幅および色の格子が同じ隙間寸法で取り付けられ、前記門扉と格子の通りが同じになるフェンスのシミュレーション画像を作成し、
前記門扉のシミュレーション画像のデータと前記フェンスのシミュレーション画像のデータを、前記ユーザ端末に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る外構設計支援システムを用いれば、納まり、フレームのサイズ、格子の幅と隙間の寸法、および色が異なる門扉やフェンスのシミュレーション画像を簡単に作成できる。
【0022】
また、このようにして作成した門扉やフェンスのシミュレーション画像を活用すれば、施工業者や工務店の負担を軽減できるだけでなく、設計に入る前段階でも外観やデザインのイメージを確認できるため、顧客との間の商談に活用できる。
【0023】
更に、作成した門扉やフェンスのシミュレーション画像によって、顧客の好みを十分確認できるため、設置後に、顧客から不満が出るのを極力減らすことができる。併せて、門扉やフェンスの設計にかかる時間の大幅な削減が可能となり、必要に応じて見積書を入手できることから、発注作業も簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る外構設計支援システムの基本的な構成を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る外構設計支援システムにおいて、データベースに格納された門扉のフレームの形状を示す図である。
【
図3】データベースに格納された格子の形状を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る外構設計支援システムにより作製された門扉のシミュレーション画像(その1)を示す図である。
【
図5】実施の形態1に係る外構設計支援システムにより作製された門扉のシミュレーション画像(その2)を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る外構設計支援システムによって門扉の設計を行う際の手順を示すフローチャートである。
【
図7】設計データ入力ページの画面を示す図(その1)である。
【
図8】設計データ入力ページの画面を示す図(その2)である。
【
図9】設計データ入力ページの画面を示す図(その3)である。
【
図10】設計データ入力ページの画面を示す図(その4)である。
【
図11】設計データ入力ページの画面を示す図(その5)である。
【
図12】実施の形態1に係る外構設計支援システムにより作成された見積書を示す図である。
【
図13】設計データ入力ページの画面を示す図(その6)である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係る外構設計支援システムにおいて、データベースに格納されたフェンスの形状を示す図である。
【
図15】実施の形態2に係る外構設計支援システムにより作成されたフェンスのシミュレーション画像を示す図である。
【
図16】実施の形態2における設計データ入力ページの画面を示す図である。
【
図17】本発明の実施の形態3に係る外構設計支援システムにおける設計データ入力ページの画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態に係る外構設計支援システム(以降、「設計支援システム」と略す)について、図面を参照して説明する。
【0026】
本発明に係る設計支援システムは、門扉およびフェンスとして、フレームに、複数の格子が隙間を隔てて配列されたものを対象としている。門扉およびフェンスについて、水平方向の格子が縦に配列されたものと、垂直方向の格子が横に配列されたものがある。本発明に係る設計支援システムは、いずれの配列に対しても適用できるが、実施の形態では、水平方向の格子が縦に配列されたものを設計の対象とする。
【0027】
(実施の形態1)
<設計支援システムの構成と機能>
図1に、本発明の実施の形態1に係る設計支援システムの基本的な構成を示す。本実施の形態では、外構のうち門扉の設計を支援する場合について説明する。
【0028】
設計支援システム1は、門扉やフェンス等の外構の製造や販売を行う事業者2が所有もしくは管理するウェブサーバ21およびオペレータ端末22、門扉やフェンスの設計に携わる施行業者や工務店が使用するユーザ端末3、ならびにこれらの機器を相互通信可能な状態で接続する広域ネットワーク(例えばインターネット)4で構成されている。以下、システムを構成する各部材について説明する。
【0029】
ウェブサーバ21にはウェブサーバソフトがインストールされ、門扉の設計支援を行うウェブサイト211が開設されている。門扉の設計に際し、施工業者や工務店は、ユーザ端末3を用いてウェブサイト211にアクセスする。
【0030】
図示しないが、ウェブサーバ21は、CPUで構成された処理手段と、ROM、RAM、ハードディスク等で構成された記憶手段を備えている。処理手段は、記憶手段に格納された設計支援用のソフトウェアを実行して、門扉のシミュレーション画像を作成する。また記憶手段には、ウェブサイト211の画面を構成するコンテンツデータが格納されている。
【0031】
ウェブサーバ21にはデータベース(以降、「DB」という)23が接続され、当該DB23には、門扉のシミュレーション画像を作成する上で必要な、納まりやサイズ毎のフレームの形状を示すデータ、幅の異なる格子の形状を示すデータ、および模様を含む色のデータが格納されている。
【0032】
またウェブサーバ21には、DB23の書き込みおよび読み出しを制御するデータベースマネジメントシステムソフトが予めインストールされている。施工業者や工務店において門扉の設計を担当する者(以降、「設計者」と略す)が門扉のシミュレーション画像を作成する場合、ユーザ端末3を用いてウェブサイト211にアクセスし、DB23に格納されたデータを読み出す。
【0033】
なお、ユーザ端末3を取り扱う「設計者」として、直接的には、施行業者や工務店で門扉やフェンスの設計に従事する者が該当するが、本実施の形態では、門扉やフェンスの販売について、シミュレーション画像を用いて顧客と折衝を行う者、例えば販売店や代理店の担当者も含まれるものとする。
【0034】
門扉の設計を行う設計者は、ユーザ端末3を用いてウェブサイト211にアクセスし、後述する設計データの入力ページを開いて必要なデータを入力する。ウェブサーバ21の処理手段(図示せず)は、設計支援用のソフトウェアを用いて、入力された納まりおよびサイズのフレームの形状を示すデータ、指定された幅と長さの格子の形状を示すデータ、および模様を含む色データを読み出すと共に、フレームに指定された隙間の寸法で格子を配列して、門扉のシミュレーション画像を作成し、その画像データをユーザ端末3に送信する。
【0035】
なお、本実施の形態では、ウェブサーバ21として、外構の製造・販売を行う事業者2が所有または管理するサーバを用いているが、必ずしも事業者が所有・管理するサーバでなくてもよく、クラウドサーバのようなレンタルサーバを使用してもよい。
【0036】
外構製造・販売事業者2がウェブサイト211の管理のために使用するオペレータ端末22はパーソナルコンピュータ(以降「PC」という)で構成されており、ウェブサイト211のページを閲覧するためのウェブブラウザソフトがインストールされている。施工業者や工務店で設計者が使用するユーザ端末3も、オペレータ端末22と同様にPCで構成され、予めウェブブラウザソフトがインストールされている。
【0037】
<シミュレーション画像の構成>
次に、ウェブサーバ21で作成される門扉のシミュレーション画像について、
図2~
図5を参照して説明する。
【0038】
図2は、DB23に格納されている門扉のフレームの形状を示すデータ(以降、「形状データ」と略す)の例を示し、
図2(a)は、両開き納まりの門扉の形状データ、
図2(b)は、片開き納まりの門扉の形状データである。図示しないが、これ以外の形状データとして親子開き納まりの門扉の形状データがある。
【0039】
DB23には、上述した3種類の納まりの門扉について、サイズの異なる複数の形状データが格納されており、シミュレーション画像を作成する際には、ユーザ端末3で指定された納まりおよびサイズの門扉の形状データがDB23から読み出される。
【0040】
具体的に説明すると、
図2(a)は、両開き納まり(柱仕様、内開き)の門扉5aの代表的な形状データを示し、左右に配置された矩形状の2枚のフレーム51が、それぞれ丁番52によって支柱50に取り付けられている。また右側のフレーム51の中央部には、レバーハンドル53と錠54が取り付けられている。なお、フレーム51の下方に水平に引かれた直線Gは、支柱50が土中に埋設されたときの地表面の位置を示している。
【0041】
同様に、
図2(b)は、片開き納まり(柱仕様、左勝手、内開き)の門扉5bの代表的な形状データを示し、長方形状の1枚のフレーム51が、丁番52によって支柱50に取り付けられている。またフレーム51の左側縦枠の中央部には、レバーハンドル53と錠54が取り付けられ、図示しないが、左側に配置された支柱50の対応する箇所に、レバーハンドル53および錠54に係合する部材が取り付けられている。
【0042】
DB23には、例えば両開き納まりのフレーム5aについて、高さと幅のいずれかかが異なる複数種類のフレームの形状データが格納されており、シミュレーション画像を作成する際、設計者は、ユーザ端末3を用いて、この中から所望の納まり、高さおよび幅のフレームを指定し、そのデータを読み出す。
【0043】
片開き納まりのフレームおよび親子開き納まりのフレームについても、DB23に高さと幅のいずれかが異なる複数種類のフレームの形状データが格納されている。シミュレーション画像を作成する際、設計者は、両開き納まりのフレームの場合と同様に、ユーザ端末3を用いて、所望の納まり、高さおよび幅のフレームを選択して、DB23からそのデータを読み出す。
【0044】
DB23には、フレームの形状データ以外に、
図3に示す格子6の形状データが格納されている。具体的に説明すると、DB23には、格子6の形状データとして、フレームの形状データに合わせて、長さが異なり、かつ
図3に示すように幅の異なる、複数種類の格子の形状データ(6a~6g)が格納されている。
【0045】
図4を参照して、ユーザ端末3からの入力データに基づいて門扉のシミュレーション画像を作成する方法について説明する。設計者がユーザ端末3を用いて所望の納まり、高さおよび幅の門扉のフレームを指定し、更に、格子の幅と隙間の寸法を指定すると、ウェブサーバ21は、
図4に示すように、門扉5bの形状データに、指定された幅の格子6が、指定された隙間を隔てて配列された門扉のシミュレーション画像を作成する。
【0046】
図4では、ウェブサーバの機能を説明するため、片開き納まりの門扉のフレーム5bに、幅の異なる格子6d、6bおよび6eを、異なる隙間の寸法で配列したシミュレーション画像を示す。
【0047】
シミュレーション画像は、門扉のフレーム5bのデータと、最上段に配列された格子6dのデータ、および次段の格子6bとの隙間の寸法のデータが入力された段階で作成される。
【0048】
DB23には、フレーム5と格子6に付される色(カラー)のデータが格納されており、引き続いて、ユーザ端末3からフレームと格子の色に関するデータが入力されたとき、ウェブサーバ21は、DB23から当該色の情報を読み出し、フレームおよび格子に指定された色を付したシミュレーション画像を作成し、ユーザ端末3に送信する。
【0049】
次に、格子6bおよび6eについて、フレームに格子6dを配置したときと同様の手順で格子の幅と色、および隙間の寸法を指定すれば、フレーム51に格子6d、6bおよび6eが配列されたカラーのシミュレーション画像が作成され、そのデータがユーザ端末に送信される。
【0050】
図4では、それ以下の格子が省略されているが、上述した手順を繰り返すことにより、フレーム41の上枠から下枠まで格子が配列されたシミュレーション画像が作成される。また図示しないが、それぞれの格子6は、取付部材によってフレーム51に取り付けられている。
【0051】
ウェブサーバの機能として、上述した基本的機能以外に、指定された幅の格子を指定された隙間の寸法でフレーム全体に配列する機能がある。
【0052】
上述した様に、ウェブサーバ21は、1本の格子のデータが入力される都度、シミュレーション画像を作成する機能を備えているが、通常、門扉の格子は、1種類の幅の格子を所定の隙間寸法で複数枚配列するか、2種類の幅の格子を所定の隙間寸法で交互に配列する場合が多い。このような場合を考慮し、ウェブサーバ21は、格子をフレームの上段から下段まで配列する機能を備えている。
【0053】
この機能を用いると、
図5(a)に示すように、最上段の格子6の位置が門扉のフレーム5bの上枠の位置と略一致する位置に設置され、その下に、指定された幅の格子6が指定された隙間寸法で配列されたシミュレーション画像が作成される。
【0054】
フレーム5bの下枠近傍においては、格子6とフレーム5bの下枠の位置が一致しない場合が大半である。最下段の格子6の位置がフレーム5bの下枠より下になる場合は、
図5(a)に示すように、最下段の格子6がフレーム5bの下枠からはみ出さないようにする。
【0055】
ウェブサーバ21の更なる機能として、門扉の構造を考慮し、レバーハンドル53と鍵54が取り付けられた部分にかかる格子6を省略する機能がある。
【0056】
図5(b)は、
図5(a)に示したシミュレーション画像のうちレバーハンドル53と錠54が取り付けられた部分Xを拡大して示した図である。
図5(b)に一点鎖線で示したように、レバーハンドル53と錠54が取り付けられた箇所を含むように長方形のエリア55が指定される。
【0057】
上述した様に、格子6は、ユーザ端末3で指定した幅および隙間寸法で門扉のフレーム5bの上端部から配置されるため、中間部に配置された格子6の一部がエリア55と重なり、格子の取付ができなくなる場合がある。
【0058】
このため、ウェブサーバ21の処理手段は、
図5(b)に示すように、格子6の一部がエリア55と重なる場合は、格子6の左端の位置を右にずらし、すなわち格子の長さを短くして、レバーハンドル53や錠54の機能が妨げられないようにしている。
【0059】
なお、
図5に示したシミュレーション画像では、フレーム51や格子6の色について言及していないが、上述した様に、実際のシミュレーション画像では、ユーザ端末3で指定した色がフレーム51と格子6に付され、外観上、実際に設置される門扉に酷似したシミュレーション画像が得られる。
【0060】
上述の手順を経て作成されたシミュレーション画像の形状データおよび色データに基づいて、各構成部材が工場等で製造され、かつ組み立てられて、ユニット化された状態で搬送されるため、設置現場における組立作業を最小限に留めることができる。
【0061】
結果として、本実施の形態に係る設計支援システムを用いれば、設計者がユーザ端末3の画面を見ながら、門扉の納まりやフレームのサイズ、格子の幅と隙間の寸法、更に模様を含めたフレームや格子の色を指定することで、門扉が地面に設置された状態を示すシミュレーション画像を得ることができる。設計者は、設計の都度、シミュレーション画像で門扉の設置状態を確認できるため、設計作業の大幅な効率化を実現できる。
【0062】
<シミュレーション画像作成の手順>
次に、
図6のフローチャートならびに
図7~
図13の画面レイアウト図を参照して、施工業者等の設計者が、ユーザ端末3からウェブサイト21にアクセスして門扉のシミュレーション画像を作成し、更に見積書を入手するまでの手順を説明する。
【0063】
最初に、設計者は、ユーザ端末3およびインターネット4を介して、外構製造・販売事業者2が開設しているウェブサイト21にアクセスする(ステップS11)。ウェブサーバ21は、これに応答して、シミュレーション画像の選択ページのデータをユーザ端末3に送信する(ステップS21)。
【0064】
図7に、シミュレーション画像の選択ページの画面レイアウトを示す。画面の上部には、本設計支援システムによって設計された門扉とフェンスを含む外構の画像が表示されている。一方、画面の下部には、設計支援の対象となる外構が何であるか、すなわち、門扉、フェンス、および門扉とフェンスの連結のいずれのシミュレーション画像を選択するかを決めるボタンB1~B3が表示されている。
【0065】
本実施の形態では、門扉の設計支援を行うため、設計者は、マウス等のポインターを用いて「門扉」のボタンB1を選択する(ステップS12)。
【0066】
すると、門扉が選択されたことがウェブサーバ21に送信され、
図8に示す門扉の入力ページがユーザ端末3に送信され、ディスプレイの画面に表示される(ステップS22)。
【0067】
図8の上半分のエリアA0には、入力されたデータに基づいて作成されたシミュレーション画像が表示される。入力用ページを開いた段階では、それぞれのデータについてデフォルト値に基づいてシミュレーション画像が作成され、表示される。
【0068】
図8に示したデータ入力ページの下半分には、入力が必要な項目(「納まり」「サイズ」「格子・カラー」「見積」)がタブバー(T1~T4)で表示され、ポインターによりいずれかのタブバーを選択すると、タブバー毎のデータ入力欄が表示される。
【0069】
設計者は、画面に表示された順序に従い、シミュレーション画像の作成に必要なデータを選択し、または入力する(ステップS13)。
【0070】
最初に「納まり」のタグバーT1を選択すると、
図8に示す画面が表示される。
図8の画面には「納まり」として、「片開き納まり」「両開き納まり」「親子開き納まり」が表示され、ラジオボタンにより、いずれかの納まりを選択する。本実施の形態では、「片開き納まり」を選択した。
【0071】
「納まり」のエリアA1には、「カラー」としてフレームの色を指定するプルダウンメニューP1が配置されており、設計者は、プルダウンメニューを開いて気に入った色を選択する。なお、色を入力する場合、別ウィンドウを開いて選択することもできる。
【0072】
次に、設計者は「柱仕様」のエリアA2を選択し、ラジオボタンにより、「柱仕様」「直付仕様」のいずれかを選択する。また「柱仕様」の場合は、プルダウンメニューから柱の色を選択する。
【0073】
「納まり」のエリアA2には、エリアA1と同様に、「カラー」として支柱の色を指定するプルダウンメニューが配置されており、設計者は、プルダウンメニューを開いて気に入った色を選択する。
【0074】
設計者は、同様の手順で、「勝手」のエリアA3および「開き方」のエリアA4について、ラジオボタンによりいずれかを選択し、入力作業を終了する。入力画面のエリアA0には、データが選択される毎に、選択されたデータに基づいて作成された門扉のシミュレーション画像が表示される。
【0075】
続いて、設計者が「サイズ」のタブバーT2を選択すると、ディスプレイに
図9に示す画面が表示される。設計者は、ラジオボタンを用いてエリアA5の門扉の「高さ」とエリアA6の「幅」を選択する(ステップA13)。
【0076】
次に、設計者は、
図10に示す「格子・カラー」のタブバーT3を開き、格子に関するデータを選択もしくは入力する(ステップA13)。
【0077】
具体的には、エリアA7において、1種類の幅の格子「1種類」を用いるか、2種類の幅の格子が交互に配置された格子「2種類交互」を用いるか、もしくはそれぞれの格子の幅として設計者が指定する幅「フリー」を用いるか、いずれかをラジオボタンで選択する。
【0078】
次に、エリアA8において、「1種類目」の格子として幅の「サイズ」をラジオボタンで選択し、格子の色「カラー」をプルダウンメニューP3により指定する。なお、「2種類交互」を選択した場合の2種類目の格子の幅は予め定められている。
【0079】
更に、エリアA9において、設計者は、格子間の「隙間」の寸法を入力する。通常、隙間の寸法は均等割りであるが、エリアA7において「フリー」を選択した場合は、それぞれの隙間の寸法を自由「フリー」に設定することができる。「フリー」の設定については、後に図面を用いて詳述する。
【0080】
ユーザ端末3から、シミュレーション画像の作成に必要なデータが入力される毎に(ステップS13)、入力データを受信したウェブサーバ12は、DB23から、入力データに一致する門扉のフレームおよび格子の形状データ、ならびに模様を含む色データを読み出してシミュレーション画像を作成する(ステップS23)。
【0081】
作成されたシミュレーション画像はユーザ端末3に送信され、入力画面のエリアA0に表示される(ステップS14)。設計者は、画面に表示されたシミュレーション画像により、門扉が地表に設置された状態を確認できる。
【0082】
設計者は、画面に表示されたシミュレーション画像が気に入らない場合は、上述の手順を繰り返して、より満足できるシミュレーション画像を得る(ステップS15でYes、ステップS13、S23、S14)。
【0083】
続いて、
図11に示すように、設計者が「見積」のタブバーT4を開くと、エリアA10に施工業者や工務店の名称を入力する欄が表示され、エリア11に、シミュレーション画像を構成する部材(すなわちフレーム、支柱、格子)の名称と色、個々の部材の金額、更には、これらの合計金額が表示される。
【0084】
設計者は、エリアA11に表示された内容により、希望する門扉を設置するのに、どのような部材が必要であり、また合計金額がいくらになるかを確認できる。
【0085】
見積書の発行を希望する設計者は、ポインターを用いて「PDF出力」のボタンB4をクリックすると、
図12に示すフォーマットの見積書が画面に表示される(ステップS16、S24)。
【0086】
見積書は、3つのエリアに分かれており、エリアA12には各部材の合計金額が記載され、エリアA13には個々の部材の名称、色および金額が列記され、エリアA14には、上述の部材で構成されたシミュレーション画像が表示される。
【0087】
画面に表示された見積書を印刷し、外構製造・販売事業者に発注すれば、門扉の設置に必要な全ての部材をそろえることができる(ステップS16)。また一部の部材については、工場でユニット化した後に設置現場に搬送することで、施工時間の短縮化が図れる。
【0088】
前述したように、シミュレーション画像の作成において、格子の幅と色および隙間寸法については、格子1枚毎に変えることができる。その場合、
図13に示すように「格子・カラー」のタフバーT3を選択し、エリアA7の「フリー」のボタンを選択する。そうすると、エリアA7の下段に格子ごとの幅とカラーを入力するエリアA15が表示される。設計者は、エリアA15に表示されたサイズ、カラーから所望の値を選択し、更に隙間の寸法を入力する。
【0089】
エリアA15は、下段に表示された「格子を追加」のボタンB5をクリックすることにより追加できるため、所望の数の格子について、幅、カラーおよび隙間寸法を入力すれば、オリジナルな構成、色および配置のシミュレーション画像を作成できる。
【0090】
エリアA0の右端に置かれた枠S1には、フレーム上に格子を設置するスペースとして残された距離がどれだけあるかが表示される。設計者は、その値を見ながら、格子の配列を進め、最下段の格子がフレームの下枠からはみ出した場合は、「最終の格子を削除」のボタンB6をクリックして、格子の数を調節する。
【0091】
(実施の形態2)
実施の形態1では、門扉の設計を支援するためのシミュレーション画像の作成について説明したが、本実施の形態では、フェンスの設計を支援するためのシミュレーション画像の作成について説明する。
【0092】
設計支援システムの構成は、
図1に示した構成と変わりないが、DB23には、フェンスのフレームの形状データとフェンス用の格子の形状データおよび模様を含む色データが格納されている。
【0093】
図14(a)は、1段納まりのフェンスのフレーム7aの代表的な形状データを示し、
図14(b)は、2段納まりのフェンスのフレーム7bの代表的な形状データを示す。2段納まりのフェンス7bは、1段納まりのフェンス7aを上下方向に重ねたものである。フレーム71は、フリーポール72を地中に埋設することによって設置される。
【0094】
これらのうち2段納まりのフェンスは、重量や施工性を考慮し、工場でユニット化して出荷し易いように、上段と下段に分けたものである。なお、2段納まりを選択した場合、上段と下段のフレームに取り付けられる格子の幅と色、更には、隙間の寸法を個別に設定することができる。
【0095】
図15に、1段納まりのフレーム7aに格子6を所定の隙間寸法で取り付けたフェンスのシミュレーション画像を示す。格子6は、
図5で説明したのと同様に、最上段の格子6の位置が、フレーム71の上枠の位置と一致した状態で設置され、2段目以降の格子が、その下部に所定の隙間寸法を隔てて配置される。
【0096】
実施の形態1で説明した門扉と同様に、フェンスは2種類の幅の格子を所定の隙間寸法で複数枚配列することができる。また2段納まりのフェンス7bの下段のフェンスについても、最上段の格子6の位置がフェンスのフレーム71の上枠の位置と一致するように配置される。
【0097】
フェンスの設計支援の流れを説明すると、設計者は、ポインターを用いて
図7の選択ページから「フェンス」のボタンB2を選択する(
図6のステップS12)。すると、フェンスが選択されたことがウェブサーバ21に送信され、
図16に示すフェンスの入力ページのデータがユーザ端末に送信され、ディスプレイの画面に表示される(
図6のステップS22)。
図16にフェンスのデータ入力ページを示す。
【0098】
データ入力ページの構成は門扉のそれと変わらず、「納まり」「サイズ」「格子・カラー」および「見積」のタブバー(T1~T4)で構成され、「納まり」のエリアA17には「1段納まり」と「2段納まり」のいずれかを選択するラジオボタンが含まれる。
【0099】
フェンスにおけるシミュレーション画像作成の手順および見積書作成の手順は、
図6を用いて説明した門扉のシミュレーション画像作成の手順および見積書作成の手順と変わらないため、説明を省略する。
【0100】
なお、入力ページの「納まり」のエリアA17において「2段納まり」を選択した場合、格子を取り付ける縦桟が上フレームと下フレームで途切れており、その継ぎ目に格子が配置されると、格子を桟に取り付けることができなくなる。その場合、
図16に示すように、エリアA0の左端に表示された枠S2に「NG」と表示される。この表示は、格子の幅や隙間の寸法について別の値の入力を促すもので、縦桟への格子の取り付けが可能な幅や寸法が入力された場合、枠S2の表示が「OK」に変る。
【0101】
(実施の形態3)
実施の形態1および2では、門扉とフェンスを独立して設計する場合について説明したが、本実施の形態では、門扉の設計とフェンスの設計を連携して行う場合について説明する。
【0102】
実施の形態1では、門扉について単独のシミュレーション画像を作成した。これに対し、本実施の形態では、
図6に示した手順で門扉のシミュレーション画像を作成すると、門扉のフレームと高さが一致し、かつ格子の幅と隙間の寸法が一致して、門扉とフェンスの格子の通りが同じになり、更に、門扉とフレームおよび格子の色が一致した2段納まりのフェンスのシミュレーション画像が同時に作成される。
【0103】
本実施の形態において、設計者は、門扉とフェンスが連結したものを設計するため、ポインターを用いて、
図7の選択ページから「連結」のボタンを選択する(
図6ステップS12)。すると、「連結」が選択されたことがウェブサーバ21に送信され、
図17に示す「連結」の入力ページのデータがユーザ端末3に送信され、ディスプレイに表示される(同ステップS22)。
【0104】
図17のエリアA0に、本実施の形態に係る設計支援システムにより作成されたシミュレーション画像を示す。図において、中央部には、実施の形態1で説明した方法により作成された門扉5のシミュレーション画像が表示され、その左右に、門扉5とフレームの高さおよび格子の幅と隙間寸法が等しく、更にフレームと格子の色が等しいフェンス7のシミュレーション画像が表示される。
【0105】
図17のエリアA0に示したように、2段納まりのフェンス7のフレームの高さは門扉5のフレームの高さと等しく、またそれぞれのフレームには、門扉5の格子の幅および隙間の寸法が等しく、門扉とフェンスの格子の通りが同じになり、かつ同じ色の格子6が取り付けられているため、門扉5とフェンス7の間で統一感のあるコーディネイトを実現できる。
【0106】
図17に示すように、入力ページの構成は門扉の入力ページの構成と変わらない。違うのは、実施の形態2で説明したのと同様に、2段納まりのフェンスの格子の幅および隙間寸法によっては、縦桟への格子の取り付けができない場合があり、その場合、エリアA0に配された枠S3に「NG」と表示される点である。この表示は、フェンスの2段納まりの場合と同様に、枠S3の教示が「OK」となる格子の幅と隙間の寸法の入力を促すものである。
【0107】
上述したように本実施の形態では、門扉5のシミュレーション画像を作成する際、統一感があるフェンス7のシミュレーション画像が、門扉の左右に自動的に配置され、門扉5とフェンス7で統一感のあるコーディネイトを実現できるため、設計において大いに参考となる。
【0108】
なお、本実施の形態では、片開き納まりの門扉の左右に、2段納まりのフェンスが配置されたシミュレーション画像を作成する場合について説明したが、両開き納まりや親子開き納まりの門扉、更に1段納まりのフェンスを採用した場合でも、片開き納まりの門扉と同様の方法で、門扉とフェンスが直結したシミュレーション画像を作成することができる。
【符号の説明】
【0109】
1 設計支援システム
2 外構製造・販売事業者
3 ユーザ端末
4 ネットワーク
5、5a、5b 門扉
6、6a~6g 格子
7、7a、7b フェンス
21 ウェブサーバ
22 オペレータ端末
23 DB
50 支柱
51、71 フレーム
52 丁番
53 レバーハンドル
54 鍵
55 鍵等取付けエリア
72 フリーポール
A0~A17 エリア
B1~B6 ボタン
T1~T4 タブバー