IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-管理装置および印刷システム 図1
  • 特開-管理装置および印刷システム 図2
  • 特開-管理装置および印刷システム 図3
  • 特開-管理装置および印刷システム 図4
  • 特開-管理装置および印刷システム 図5
  • 特開-管理装置および印刷システム 図6
  • 特開-管理装置および印刷システム 図7
  • 特開-管理装置および印刷システム 図8
  • 特開-管理装置および印刷システム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039179
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】管理装置および印刷システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240314BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240314BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G06F3/12 329
B41J29/38 301
G06F3/12 310
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143535
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】中野 修一
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA20
2C056EB15
2C056EB24
2C056EC28
2C061AP01
2C061AQ05
2C061HJ08
2C061HP00
2C061HQ01
2C061HV02
2C061HV26
2C061HV35
2C061HV60
(57)【要約】
【課題】収容部材に起因する不具合に対して迅速に対応できる技術を提供すること。
【解決手段】管理装置であって、印刷に用いる印刷材を収容した収容部材を着脱可能に備えた印刷装置と通信可能な通信部と、記憶部とを備え、収容部材は、収容部材の製造に関する製造情報を記憶した収容部材記憶部を有し、通信部は、印刷装置によって、収容部材に関わる不具合が発生したと判断された場合に送信される関連情報であって、不具合の内容に対して予め付与された不具合識別子と製造情報とが関連付けられた関連情報を受信し、記憶部は、受信した関連情報を蓄積する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置であって、
印刷に用いる印刷材を収容した収容部材を着脱可能に備えた印刷装置と通信可能な通信部と、記憶部とを備え、
前記収容部材は、前記収容部材の製造に関する製造情報を記憶した収容部材記憶部を有し、
前記通信部は、前記印刷装置によって、前記収容部材に関わる不具合が発生したと判断された場合に送信される関連情報であって、前記不具合の内容に対して予め付与された不具合識別子と前記製造情報とが関連付けられた関連情報を受信し、
前記記憶部は、受信した前記関連情報を蓄積する、管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の管理装置であって、
前記製造情報は、製造時期を示すロット番号を含み、
前記管理装置は、
前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に前記不具合識別子とは異なる予測識別子を付与した予測情報を作成する作成部をさらに備える、管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の管理装置であって、
前記通信部は、
前記予測識別子を前記印刷装置に送信する、管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の管理装置であって、
前記不具合識別子が同じ前記不具合の発生頻度が予め定められた基準値以上の前記ロット番号を、前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に決定する決定部をさらに備える、管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の管理装置であって、
前記関連情報は、前記不具合識別子と前記製造情報とが一組にされたデータベースとして記憶されており、
前記決定部は、
蓄積された前記関連情報から、前記不具合識別子が同じ前記関連情報を抽出する抽出ステップと、
抽出された前記関連情報における、前記ロット番号が同じ前記関連情報の占める割合を、前記発生頻度として算出する算出ステップと、
算出された前記割合が前記基準値以上の前記ロット番号を、前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に決定する決定ステップと、を含む決定処理を実行する、管理装置。
【請求項6】
請求項3から5の何れか一項に記載の管理装置と、前記印刷装置とを備える印刷システムであって、
前記印刷装置は、前記予測識別子を表示するための表示部を備える、印刷システム。
【請求項7】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記作成部は、
前記予測情報に、前記表示部に表示させるための指示メッセージを追加する、印刷システム。
【請求項8】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記管理装置は、
前記関連情報を受信した場合、受信した前記関連情報に含まれる前記ロット番号が前記予測情報に含まれるか否かを判断し、
前記予測情報に含まれると判断した場合、前記ロット番号に付与された前記予測識別子を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、受信した前記予測識別子を前記表示部に表示する、印刷システム。
【請求項9】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記管理装置は、
前記予測情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記不具合が発生したと判断した場合、受信した前記予測情報に、前記収容部材記憶部に記憶された前記ロット番号が含まれるか否かを判断し、
前記ロット番号が含まれると判断した場合、前記ロット番号に付与された前記予測識別子を前記表示部に表示する、印刷システム。
【請求項10】
請求項6に記載の印刷システムであって、
前記管理装置は、
前記予測情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記予測情報を受信すると、前記予測情報に前記収容部材記憶部に記憶された前記ロット番号が前記予測情報に含まれるか否かを判断し、
前記予測情報に含まれると判断した場合、指示メッセージを前記表示部に表示する、印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置および印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報管理サーバーと通信する印刷装置がある(特許文献1)。特許文献1に記載の印刷装置は、装着されているインクカートリッジについてのインク濃度のバラツキに関する情報を情報管理サーバーから取得する。そして、この印刷装置は、取得した情報を用いて、ユーザーに警告する間隔を変更している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-240942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の印刷装置において、同じ時期に生産されたインクカートリッジに起因して、同様の不具合が発生する場合がある。この場合、同じ時期に生産されたインクカートリッジは、同じ時期に使用される場合が多いため、短い期間に同様の不具合が多発する場合がある。そこで、インクカートリッジに起因する不具合に対して迅速に対応できる技術が求められている。この課題は、インクカートリッジだけでなく、インク以外の印刷材を用いて印刷を行う印刷装置に共通する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態によれば、管理装置が提供される。前記管理装置は、印刷に用いる印刷材を収容した収容部材を着脱可能に備えた印刷装置と通信可能な通信部と、記憶部とを備え、前記収容部材は、前記収容部材の製造に関する製造情報を記憶した収容部材記憶部を有し、前記通信部は、前記印刷装置によって、前記収容部材に関わる不具合が発生したと判断された場合に送信される関連情報であって、前記不具合の内容に対して予め付与された不具合識別子と前記製造情報とが関連付けられた関連情報を受信し、前記記憶部は、受信した前記関連情報を蓄積する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】印刷システムの構成を示すブロック図。
図2】回路基板を説明する図。
図3】不具合データベースを説明する図。
図4】決定作成処理のフローチャート。
図5】算出された割合の結果を説明する図。
図6】予測情報データベースを説明する図。
図7】印刷装置と管理装置との間のやり取りを示すシーケンス図。
図8】エラーコード決定処理のフローチャート。
図9】第2実施形態に係るシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
A.第1実施形態:
A-1.印刷システムの構成:
図1は、印刷システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、印刷システム1は、管理装置100と、複数の印刷装置200とを備える。管理装置100と、各印刷装置200とは、インターネットINTを介して通信可能に接続されている。なお、管理装置100と印刷装置200とを接続するネットワークは、インターネットINTに限られず、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などでもよい。
【0008】
管理装置100は、CPU110と、記憶部120と、通信部130とを備えるコンピューターとして構成されている。CPU110は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより種々の機能を実現する。CPU110は、機能部として、作成部112および決定部116を有する。記憶部120は、例えば、RAM、ROM、およびHDDなどにより実現される。
【0009】
記憶部120には、不具合データベース122と、予測情報データベース124と、エラーコードデータベース126とが記憶されている。不具合データベース122は、印刷装置200から送信される、後述する関連情報EIが蓄積されるデータベースである。予測情報データベース124は、後述する予測情報PIが蓄積されるデータベースである。エラーコードデータベース126は、印刷装置200にて発生する可能性のある不具合の内容と、不具合の内容に対して予め付与された、不具合識別子としてのエラーコードとが対応付けられた情報が蓄積されたデータベースである。通信部130は、インターネットINTに接続されている印刷装置200などの外部機器と情報のやり取りを行う。
【0010】
印刷装置200は、制御部210と、記憶部220と、表示部230と、通信部240とを有する。制御部210は、記憶部220に記憶されているプログラムを実行することにより、表示部230などの各部を制御する。制御部210は、例えばCPUとASIC(Specific Integrated Circuit)とが組み合わされて実現される。記憶部220は、例えばRAMやROMなどにより実現される。記憶部220には、エラーコードデータベース222が予め記憶されている。エラーコードデータベース222は、エラーコードデータベース126と同様の情報が蓄積されたデータベースである。表示部230は、情報を表示する。本実施形態において、表示部230は、タッチパネルで実現されている。なお、表示部230は、タッチパネルの他に液晶ディスプレイなどのその他のディスプレイにより実現されてもよい。通信部240は、インターネットINTに接続されている管理装置100などの外部装置と情報のやり取りを行う。
【0011】
印刷装置200は、さらに吐出ヘッド250と、収容部材としてのインクカートリッジ260とを有する。本実施形態において、印刷装置200は、インクカートリッジ260から供給される、印刷に用いる印刷材としてのインクを印刷媒体に吐出することにより、単色の印刷を行うインクジェットプリンターとして構成されている。吐出ヘッド250は、インクを記憶媒体に向かって吐出する。
【0012】
インクカートリッジ260は、印刷装置200に着脱可能に装着される。インクカートリッジ260は、回路基板270と、インク収容部290とを有する。回路基板270は、収容部材記憶部としてのIC(integrated circuit)280を有する。インク収容部290は、吐出ヘッド250へ供給するためのインクを収容する。回路基板270は、後に詳述するように、インクカートリッジ260が印刷装置200に装着された装着状態において、印刷装置200と電気的に接続する。そして、装着状態において、制御部210は、IC280に記憶されている製造情報281などの情報を読み出すことができる。また、装着状態において、制御部210は、IC280に情報を書き込むことができる。
【0013】
印刷装置200は、印刷装置200と通信可能に接続されている図示しないPCなどの情報端末から印刷指示を受け付けると、印刷指示に従って印刷する。
【0014】
図2は、回路基板270を説明する図である。図2に示すように、回路基板270は、プリント基板271にIC280が実装されている。具体的には、プリント基板271の一方の面には、IC280が実装されている。そして、プリント基板271の他方の面には、複数の端子272が形成されている。IC280と、端子272とは、図示しないプリント配線などにより、電気的に接続されている。そして、インクカートリッジ260が印刷装置200に装着されると、印刷装置200が備える印刷装置側端子と、端子272とが電気的に接続される。これにより、制御部210と回路基板270との間で、情報のやり取りを行うことが可能となる。
【0015】
上記したように、IC280には、インクカートリッジ260の製造に関する製造情報281が記憶されている。製造情報281は、IC280のウエハー番号と、IC280のロット番号と、回路基板270のロット番号と、インクカートリッジ260のロット番号との情報を含む。IC280のウエハー番号は、IC280のチップが切り出されたウエハーに対して付与されている番号である。IC280のロット番号とは、切り出されたチップがパッケージングされた後、IC280に対して付与されている番号である。回路基板270のロット番号とは、IC280などの電子部品が実装された後、回路基板270に対して付与される番号である。インクカートリッジ260のロット番号とは、回路基板270がインクカートリッジ260の外装容器に取り付けられ、インク収容部290にインクが充填され、弁機構などの部品が組み立てされてインクカートリッジ260が製造された後に、インクカートリッジ260に付与される番号である。以下の説明において、ウエハー、IC280、回路基板270、およびインクカートリッジ260を総称して製品と呼ぶ場合がある。また、ウエハー番号、ICロット番号、回路基板ロット番号、およびインクカートリッジロット番号を総称してロット番号と呼ぶ場合がある。
【0016】
本実施形態では、印刷装置200にインクカートリッジ260が装着されると、制御部210は、IC280に記憶されている製造情報281を読み出して、記憶部220に記憶する。
【0017】
本実施形態において、ロット番号とは、製造時期を示す情報である。さらに、本実施形態では、同一の製造ラインで、同じ時期に製造された製品には、同じロット番号が付される。ここで、「同じ時期」とは、例えば、製造日が同日の同じ時間帯である場合、製造日が同じである場合、製造日が同じ週である場合、などを指す。従って、同じロット番号を有する製品は、複数ある。
【0018】
図1に示す印刷装置200は、電源がオン状態に設定された後、または、予め定められた時間毎にインク収容部290のインク残量を示す使用情報を管理装置100に送信する。ここで、予め定められた時間とは、例えば24時間である。また、印刷装置200は、不具合が発生した場合には、発生した不具合の内容に対応するエラーコードを表示部230に表示する。具体的には、不具合が発生すると、制御部210は、エラーコードデータベース222を参照して該当するエラーコードを表示部230に表示させる。これにより、ユーザーは、表示されるエラーコードを見て、不具合の内容を知ることができる。
【0019】
インクカートリッジ260に起因する不具合が発生した場合に、ロット番号が同じであるインクカートリッジ260にて同様の不具合が発生する場合がある。「ロット番号が同じである場合」とは、具体的には、ウエハー番号が同じである場合、ICロット番号が同じである場合、回路基板ロット番号が同じである場合、カートリッジロット番号が同じである場合である。同じロット番号で同様の不具合が発生するのは、不具合の原因が製造工程にある場合があるからである。そこで、本実施形態では、印刷装置200に不具合が発生した場合に、印刷装置200にて発生した不具合の内容と、製造情報281とが管理装置100に送信されるように構成されている。これにより、管理装置100は、不具合が発生したインクカートリッジ260の製造情報281を収集することができる。そして、収集された製造情報281を用いて、不具合の発生を予測することができ、不具合に対して迅速に対応することができる。
【0020】
具体的には、印刷装置200の制御部210は、インクカートリッジ260に起因する不具合が発生したと判断した場合、不具合の内容に対応するエラーコードと、製造情報281とを対応付けた関連情報EIを管理装置100に送信する。管理装置100は、関連情報EIを受信すると、関連情報EIを不具合データベース122に追加して、不具合データベース122を更新する。
【0021】
インクカートリッジ260に起因する不具合として、IC280と、回路基板270と、インクカートリッジ260とのそれぞれに起因する不具合がある。IC280に起因する不具合として、IC280への情報の書き込み不可、IC280からの情報の読み出し不可、書き込んだIC280の情報の消失などがある。回路基板270に起因する不具合として、回路基板270との通信不可などがある。インクカートリッジ260に起因する不具合として、インクの供給不良、吐出ヘッド250のクリーニング回数の異常などがある。
【0022】
図3は、不具合データベース122を説明する図である。図3に示すように、不具合データベース122は、エラーコードと、ウエハー番号と、ICロット番号と、回路基板ロット番号と、カートリッジロット番号とが、一組にされた関連情報EIが蓄積されているデータベースである。
【0023】
上記のように、同じロット番号のインクカートリッジ260にて同様の不具合が発生する場合がある。そして、同じロット番号で同様の不具合が複数発生した場合には、エラーコードと、ロット番号との両者が同じ関連情報EIが複数受信される。よって、不具合データベース122を解析することにより、不具合が多発しているロット番号を特定することができる。そして、同じロット番号で、同じ不具合が発生するであろうと予測することができる。
【0024】
不具合データベース122の解析方法として、人による解析、AI(artificial intelligence)を用いた解析、プログラムを用いた解析などを挙げることができる。このうち、プログラムを用いた解析について次に説明する。
【0025】
A-2.予測情報の作成:
図4は、不具合データベース122に蓄積された情報を解析し、予測情報PIを作成するための決定作成処理のフローチャートである。図5は、算出された割合の結果を説明するための図である。図6は、予測情報データベース124を説明する図である。
【0026】
本実施形態では、管理装置100のCPU110は、予め定められた時間毎に決定作成処理を実行する。本実施形態において、予め定められた時間は、24時間である。
【0027】
図4に示す、抽出ステップS10において、決定部116は、蓄積された関連情報EIとしての不具合データベース122から、エラーコード毎に、エラーコードが同じ関連情報EIを抽出する。算出ステップS12において、決定部116は、エラーコード毎に、抽出された関連情報EIにおける同じロット番号の占める割合を算出する。
【0028】
図5は、エラーコードが「E01」について算出された割合の結果を例示している。なお、図5では、便宜上、ウエハー番号の図示が省略されている。図5に示すように、本実施形態では、不具合データベース122に含まれる同じエラーコードの関連情報EIの総数を百とした場合の同じロット番号の占める割合が、製品毎に算出される。
【0029】
図4に示す判断ステップS14にて、決定部116は、算出された割合が予め定められた基準値以上のエラーコードがあるか否かを判断する。予め定められた基準値とは、例えば80%である。判断ステップS14にて、算出された割合が基準値以上のエラーコードがあると判断した場合、決定ステップS16にて、決定部116は、割合が基準値以上であるロット番号を不具合が発生すると予測されるロット番号に決定する。このように、本実施形態では、不具合の発生頻度として、不具合データベース122に含まれる関連情報EIにおけるロット番号の割合を用いている。
【0030】
図5に示す例では、ICロット番号「I001」の割合が80%以上であるため、ICロット番号「I001」が、不具合が発生すると予測されるロット番号に決定される。図4の抽出ステップS10から決定ステップS16までを決定処理とも呼ぶ。
【0031】
ステップS18にて、作成部112は、決定部116により決定されたロット番号、すなわち、不具合が発生すると予測されるロット番号に、予測識別子としての新しいエラーコードを付与した予測情報PIを作成する。そして、作成部112は、予測情報データベース124に予測情報PIを追加して、予測情報データベース124を更新する。新しいエラーコードを新エラーコードとも呼ぶ。新エラーコードは、エラーコードデータベース126に含まれるエラーコードとは異なる。不具合が発生すると予測されるロット番号に、新エラーコードを付与することにより、後述するように、印刷装置200で同じ不具合が発生した場合における印刷装置200の利便性を向上させることができる。
【0032】
図6に示すように、予測情報データベース124は、エラーコードと、ウエハー番号と、ICロット番号と、回路基板ロット番号と、カートリッジロット番号と、新エラーコードとが一組にされた予測情報PIが蓄積されている。例えば、ICロット番号「I001」が、エラーコード「E01」の不具合が発生すると予測されるロット番号に決定された場合、ICロット番号「I001」と、エラーコード「E01」との組み合わせに対して新エラーコード「EI01」が付与される。この場合、ウエハー番号と、回路基板ロット番号と、カートリッジロット番号とは空の値が入力される。
【0033】
図4のステップS18の実行後、CPU110は、本処理ルーチンを終了する。一方、判断ステップS14にて、算出された割合が基準値以上のエラーコードがないと判断した場合、CPU110は、決定ステップS16およびステップS18をスキップして、本処理ルーチンを終了する。
【0034】
以上、決定部116により、不具合が発生すると予測されるロット番号が決定される場合を説明した。上記のように、不具合が発生すると予測されるロット番号は、人により決定されてもよい。具体的に、この場合には、管理装置100の管理者が、決定処理と同様の手順を汎用のアプリケーションプログラムを用いて行うことにより、不具合が発生すると予測されるロット番号を決定する。そして、管理者が、管理装置100に接続された図示しないキーボードなどを用いて、不具合が発生すると予測されるロット番号と新エラーコードとを管理装置100に入力する。作成部112は、入力されたロット番号と新エラーコードとを用いて予測情報PIを作成する。
【0035】
また、人による別の方法として、不具合が発生したインクカートリッジ260を用いて、不具合の原因を特定することにより、不具合が発生すると予測されるロット番号を決定されてもよい。具体的には、不具合が発生した場合に、不具合が発生したインクカートリッジ260が回収され、インクカートリッジ260の製造会社に配送される場合がある。この場合には、配送されたインクカートリッジ260の動作を検証することにより、不具合が発生すると予測される製品およびこの製品のロット番号を決定することができる。
【0036】
また、別の方法として、AIにより不具合が発生すると予測されるロット番号を決定されてもよい。上記した例では、IC280にのみ不具合の原因がある場合を説明したが、例えば、IC280と回路基板270との組み合わせにより不具合が発生する場合や、特定の環境条件により不具合が発生する場合もある。このような場合には、ロット番号だけでなく、環境条件を学習データに加えて学習させることで、さらに詳細な不具合の発生条件を特定することができる。なお、IC280と回路基板270との組み合わせにより不具合が発生する場合には、図6に示すように、ICロット番号と、回路基板ロット番号との両方を含む予測情報PIが作成される。
【0037】
A-3.予測情報の提供:
次に、作成された予測情報PIの情報が印刷装置200に提供される形態について説明する。図7は、印刷装置200で不具合が発生した場合に印刷装置200と管理装置100との間で行われるやり取りを示すシーケンス図である。図8は、エラーコード決定処理の手順を示すフローチャートである。
【0038】
図7に示すように、印刷装置200は、インクカートリッジ260に関する不具合が発生したと判断した場合、ステップS32において、関連情報EIを管理装置100に送信する。すなわち、関連情報EIに含まれるロット番号が予測情報PIに含まれると判断された場合には、新エラーコードが印刷装置200に送信される。管理装置100は、関連情報EIを受信すると、ステップS34において、受信した関連情報EIを不具合データベース122に追加して、不具合データベース122を更新する。
【0039】
ステップS36において、管理装置100は、図8に示すエラーコード決定処理を実行する。図8に示すように、ステップS42において、管理装置100は、受信した関連情報EIに含まれる各ロット番号について、予測情報データベース124内を検索することにより、ロット番号が予測情報PIに含まれるか否かを判断する。ステップS42においてロット番号が予測情報PIに含まれると判断した場合、ステップS44において、管理装置100は、印刷装置200に送信する表示情報をロット番号に付与された新エラーコードに設定し、本処理ルーチンを終了する。一方、ステップS42において、ロット番号が予測情報PIに含まれないと判断した場合、ステップS46において、印刷装置200に送信する表示情報を受信した関連情報EIに含まれるエラーコードに設定し、本処理ルーチンを終了する。
【0040】
図7に示すステップS38にて、管理装置100の通信部130は、印刷装置200に表示情報を送信する。ステップS40にて、印刷装置200は、受信した表示情報を表示部230に表示する。これにより、印刷装置200を使用しているユーザーは、印刷装置200を取り扱っているサービス店に表示情報を伝えることができる。表示されている表示情報が新エラーコードである場合には、サービス店は、不具合が特定のロット番号に起因していると把握することができる。よって、インクカートリッジ260の交換など、迅速に対応することができ、印刷装置200の利便性を向上させることができる。
【0041】
以上、説明した第1実施形態によれば、管理装置100は、エラーコードとロット番号とが関連付けられた関連情報EIを記憶部120に蓄積する。よって、関連情報EIが蓄積された不具合データベース122を解析することにより、不具合の発生頻度が高いロット番号を特定することができる。そして、不具合の発生頻度が高いロット番号において、同様の不具合が発生するであろうと予測することができる。これにより、不具合に対して迅速に対応することができる。
【0042】
また、作成部112は、不具合が発生すると予測されるロット番号に新エラーコードを付した予測情報PIを作成する。これにより、発生した不具合がロット番号に起因する不具合であるか否かを効率的に検索することができる。
【0043】
また、通信部130は、ステップS38において、新エラーコードを表示情報として印刷装置200に送信する。これにより、サービス店を介した情報提供よりも早期に、ロット番号に起因した不具合であることを示す新エラーコードを印刷装置200に提供することができる。
【0044】
また、決定部116は、決定ステップS16において、エラーコードが同じ不具合の発生頻度としての割合が基準値以上のロット番号を、不具合が発生すると予測されるロット番号に決定する。これにより、発生頻度を用いて不具合が発生すると予測されるロット番号を決定することができる。
【0045】
また、決定部116は、抽出ステップS10にて抽出した同じエラーコードの関連情報EIのうち、算出ステップS12にて算出した同じロット番号の占める割合が基準値以上のロット番号を、決定ステップS16にて、不具合が予測されるロット番号に決定する。これにより、算出された割合と基準値とを比較することにより、不具合が予測されるロット番号を決定することができる。
【0046】
また、印刷装置200は、新エラーコードを表示するための表示部230を備える。これにより、ユーザーは、表示部230に表示される新エラーコードにより、不具合がロット番号に起因していると知ることができる。
【0047】
また、管理装置100は、ステップS42にて、受信した関連情報EIに含まれるロット番号が予測情報PIに含まれると判断すると、ステップS38にて、ロット番号に付与されている新エラーコードを含む表示情報を印刷装置200に送信する。そして、印刷装置200は、ステップS40にて、受信した新エラーコードを表示部230に表示する。これにより、印刷装置200は、予測情報データベース124の情報量よりも少ない情報量の新エラーコードを受信して、受信した新エラーコードを表示することができる。
【0048】
B.第2実施形態:
図9は、本実施形態に係る、印刷装置200と管理装置100との間で行われるやり取りを示すシーケンス図である。本実施形態は、不具合の発生時期とは同期せずに、予測情報データベース124の情報が印刷装置200に予め送信される点が第1実施形態とは異なる。第1実施形態と同様の構成には、同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
【0049】
図9に示す印刷装置200は、ステップS52において、インク収容部290のインク残量を示す使用情報を管理装置100に送信する。管理装置100は、使用情報を受信すると、ステップS54において、予測情報データベース124に含まれるすべての予測情報PIを印刷装置200に送信する。印刷装置200は、予測情報PIを受信すると、ステップS56において、受信した予測情報PIを記憶部220に記憶する。
【0050】
印刷装置200は、インクカートリッジ260に関する不具合が発生したと判断した場合、ステップS58において、関連情報EIを管理装置100に送信する。関連情報EIを受信すると、ステップS60において、管理装置100は、受信した関連情報EIを不具合データベース122に追加して、不具合データベース122を更新する。
【0051】
また、印刷装置200は、インクカートリッジ260に関する不具合が発生したと判断した場合、ステップS62において、記憶部220に記憶されている予測情報PIを参照して、エラーコード決定処理を実行する。ステップS62にて実行されるエラーコード決定処理は、参照される予測情報PIが、管理装置100の予測情報データベース124に含まれる情報ではなく、記憶部220に記憶された予測情報PIである点以外、第1実施形態に係るエラーコード決定処理と同様であるので説明を省略する。
【0052】
印刷装置200は、ステップS64にて、設定した表示情報を表示部230に表示する。これにより、第1実施形態と同様に、印刷装置200を使用しているユーザーは、印刷装置200を取り扱っているサービス店に表示情報を伝えることができる。
【0053】
以上説明した第2実施形態によれば、印刷装置200は、不具合が発生したと判断した場合、受信した予測情報PIに、IC280に記憶された製造情報281のロット番号が含まれるか否かを判断する。そして、予測情報PIにロット番号が含まれると判断した場合、ロット番号に付与された新エラーコードを表示部230に表示する。これにより、印刷装置200は予測情報PIを予め記憶しているため、印刷装置200と管理装置100との通信に障害が発生した場合においても、新エラーコードを表示部230に表示することができる。
【0054】
C.他の実施形態:
C-1.他の実施形態1:
上記第1実施形態では、作成部112は、不具合が発生すると予測されるロット番号に、新エラーコードを付与した予測情報PIを作成する。作成部112が、ロット番号と新エラーコードとの情報に加え、印刷装置200を使用するユーザーに対する指示メッセージを追加して、予測情報PIを作成してもよい。具体的な指示メッセージの内容として、「サービス店に連絡して下さい」や、「インクカートリッジを交換して下さい」などを用いることができる。これにより、ユーザーは、不具合の対応方法を知ることができるので、印刷装置200の利便性をさらに向上させることができる。本実施形態は、表示部230の表示可能な情報量が多い場合に有用である。
【0055】
C-2.他の実施形態2:
また、上記第2実施形態では、印刷装置200は、不具合の発生を契機として、装着されているインクカートリッジ260のロット番号が、予測情報PIに含まれているか否かを判断する。他の実施形態として、印刷装置200は、予測情報PIの受信を契機として、予測情報PIに装着されているインクカートリッジ260のロット番号が含まれているか否かを判断してもよい。そして、印刷装置200は、予測情報PIに含まれると判断した場合、インクカートリッジ260の交換を促す指示メッセージを表示部230に表示してもよい。これにより、ユーザーは、不具合が発生する前に、装着されているインクカートリッジ260が不具合を発生させる可能性が高いことを知ることができる。例えば、不具合を発生させる可能性が高いことが予想される場合に、本実施形態を行うとよい。これにより、従来のサービス店を介した連絡よりも、確実に不具合に関する情報をユーザーに提供することができる。
【0056】
C-3.他の実施形態3:
上記第1実施形態では、決定部116は、発生頻度として、エラーコードが同じ不具合のロット番号の割合を用いて、不具合が発生すると予測されるロット番号を決定する。他の形態として、発生頻度として、エラーコードとロット番号との両者が同じ関連情報EIを受信した時刻の間隔を用いてもよい。具体的には、この間隔が予め定められた時間よりも短い場合に、発生頻度が基準値以上であると判断してもよい。
【0057】
C-4.他の実施形態4:
上記第1実施形態では、判断ステップS14にて使用される基準値は、固定値である。他の実施形態として、判断ステップS14にて使用される基準値が、母数である、不具合データベース122に記憶されている関連情報EIの総数に応じて変更されてもよい。また、母数が予め定められた値よりも大きい場合に、判断ステップS14を実行するフローとしてもよい。これにより、不具合が発生すると予測されるロット番号の予測精度を向上させることができる。
【0058】
C-5.他の実施形態5:
上記した第1実施形態では、エラーコード決定処理のステップS42において、関連情報EIに含まれるロット番号に新エラーコードが付与されているか否かを判断している。他の形態として、ロット番号だけでなく、関連情報EIに含まれるロット番号とエラーコードとの組み合わせに対して、新エラーコードが付与されているか否かを判断してもよい。これにより、印刷装置200にて発生している不具合を、ロット番号に起因する不具合であるか否かを精度よく判断することができる。
【0059】
C-6.他の実施形態6:
上記第1実施形態では、製造情報281は、製造時期を示すロット番号を含む。製造情報281の内容はこれに限られない。例えば、製造情報281が、ロットに対して付与されるロット番号とは別に、製造日の情報を含んでいてもよい。また、製造情報281が、ロット番号とは別に、製造ラインを特定するための情報を含んでいてもよい。製造日が同じであっても、異なるロット番号が付される場合には、ロット番号ではなく、製造日を用いて、同じ製造時期の製品を特定してもよい。また、異なる製造ラインであっても、同じロット番号が付される場合には、製造ラインを特定する情報と、製造日とを用いて、同じ製造ラインおよび同じ製造時期の製品を特定してもよい。また、製造情報281に、ロット番号、製造日、および製造ラインなどの複数の情報が含まれる場合、これらの情報は1つの統合された情報であってもよく、複数に分割された情報であってもよい。
【0060】
C-7.他の実施形態7:
上記第2実施形態では、印刷装置200における不具合の発生を契機として、印刷装置200から関連情報EIが送信される。他の形態として、印刷装置200が、間隔を空けて繰り返し送信する使用情報に、関連情報EIを含めて送信してもよい。この場合、管理装置100が決定作成処理を行う時間間隔は、印刷装置200から使用情報が送信される時間間隔と同程度が好ましい。不具合データベース122の情報量が増えた時点で再び解析を行うことで、解析を効率的に行うことができるからである。
【0061】
C-8.他の実施形態8:
上記第1実施形態では、印刷装置200は、印刷装置200のプリンタードライバーがインストールされているPCを介さずに管理装置100と情報のやり取りを行う。他の形態として、印刷装置200がこのPCを介して管理装置100と情報のやり取りを行ってもよい。
【0062】
C-9.他の実施形態9:
上記第1実施形態では、印刷装置200は、印刷材としてのインクを収容したインクカートリッジ260を備えるインクジェットプリンターである。印刷装置は、インクジェットプリンターに限られず、例えば印刷材としてのトナーを収容したカートリッジを備えるレーザープリンターなどでもよい。また、上記第1実施形態では、印刷装置200は、1つのインクカートリッジ260を備えるモノクロプリンターであるが、複数のインクカートリッジ260を備えるカラープリンターでもよい。
【0063】
D.他の形態:
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、以下に記載する各形態中の技術的特徴に対応する実施形態の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0064】
(1)本開示の第1形態によれば、管理装置が提供される。前記管理装置は、印刷に用いる印刷材を収容した収容部材を着脱可能に備えた印刷装置と通信可能な通信部と、記憶部とを備え、前記収容部材は、前記収容部材の製造に関する製造情報を記憶した収容部材記憶部を有し、前記通信部は、前記印刷装置によって、前記収容部材に関わる不具合が発生したと判断された場合に送信される関連情報であって、前記不具合の内容に対して予め付与された不具合識別子と前記製造情報とが関連付けられた関連情報を受信し、前記記憶部は、受信した前記関連情報を蓄積する。この形態によれば、記憶部が蓄積している関連情報を用いて、不具合の発生頻度が高い収容部材を特定することができる。そして、不具合の発生頻度が高い収容部材において、同様の不具合が発生するであろうと予測することができる。よって、不具合に対して迅速に対応することができる。
【0065】
(2)上記形態において、前記製造情報は、製造時期を示すロット番号を含み、前記管理装置は、前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に前記不具合識別子とは異なる予測識別子を付与した予測情報を作成する作成部をさらに備えてもよい。この形態によれば、発生した不具合がロット番号に起因する不具合であるか否かを効率的に検索することができる。
【0066】
(3)上記形態において、前記通信部は、前記予測識別子を前記印刷装置に送信してもよい。この形態によれば、サービス店を介した情報提供よりも早期に、ロット番号に起因した不具合であることを示す予測識別子を印刷装置に提供することができる。
【0067】
(4)上記形態において、前記不具合識別子が同じ前記不具合の発生頻度が予め定められた基準値以上の前記ロット番号を、前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に決定する決定部をさらに備えてもよい。この形態によれば、発生頻度を用いて不具合が発生すると予測されるロット番号を決定することができる。
【0068】
(5)上記形態において、前記関連情報は、前記不具合識別子と前記製造情報とが一組にされたデータベースとして記憶されており、前記決定部は、蓄積された前記関連情報から、前記不具合識別子が同じ前記関連情報を抽出する抽出ステップと、抽出された前記関連情報における、前記ロット番号が同じ前記関連情報の占める割合を、前記発生頻度として算出する算出ステップと、算出された前記割合が前記基準値以上の前記ロット番号を、前記不具合が発生すると予測される前記ロット番号に決定する決定ステップと、を含む決定処理を実行してもよい。この形態によれば、算出された割合と基準値とを比較することにより、不具合が予測されるロット番号を決定することができる。
【0069】
(6)上記形態の管理装置と、前記印刷装置とを備える印刷システムにおいて、前記印刷装置は、前記予測識別子を表示するための表示部を備えてもよい。この形態によれば、ユーザーは、表示部230に表示される予測識別子により、不具合がロット番号に起因していると知ることができる。
【0070】
(7)上記形態において、前記作成部は、前記予測情報に、前記表示部に表示させるための指示メッセージを追加してもよい。この形態によれば、ユーザーは、不具合の対応方法を知ることができるので、印刷装置の利便性をさらに向上させることができる。
【0071】
(8)上記形態において、前記管理装置は、前記関連情報を受信した場合、受信した前記関連情報に含まれる前記ロット番号が前記予測情報に含まれるか否かを判断し、前記予測情報に含まれると判断した場合、前記ロット番号に付与された前記予測識別子を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、受信した前記予測識別子を前記表示部に表示してもよい。この形態によれば、印刷装置は、蓄積された予測情報の情報量よりも少ない情報量の予測識別子を受信して、受信した予測識別子を表示することができる。
【0072】
(9)上記形態において、前記管理装置は、前記予測情報を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記不具合が発生したと判断した場合、受信した前記予測情報に、前記収容部材記憶部に記憶された前記ロット番号が含まれるか否かを判断し、前記ロット番号が含まれると判断した場合、前記ロット番号に付与された前記予測識別子を前記表示部に表示してもよい。この形態によれば、印刷装置は予測情報を予め記憶しているため、印刷装置と管理装置との通信に障害が発生した場合においても、予測識別子を表示部に表示することができる。
【0073】
(10)上記形態において、前記管理装置は、前記予測情報を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記予測情報を受信すると、前記予測情報に前記収容部材記憶部に記憶された前記ロット番号が前記予測情報に含まれるか否かを判断し、前記予測情報に含まれると判断した場合、指示メッセージを前記表示部に表示してもよい。この形態によれば、ユーザーは、不具合が発生する前に、装着されている収容部材が不具合を発生させる可能性が高いことを知ることができる。
【0074】
本開示は、上記形態の他に、管理装置の制御方法、印刷装置、印刷装置の制御方法などの形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…印刷システム、100…管理装置、110…CPU、112…作成部、116…決定部、120,220…記憶部、122…不具合データベース、124…予測情報データベース、126,222…エラーコードデータベース、130,240…通信部、200…印刷装置、210…制御部、230…表示部、250…吐出ヘッド、260…インクカートリッジ、270…回路基板、271…プリント基板、272…端子、280…IC、281…製造情報、290…インク収容部、EI…関連情報、PI…予測情報、INT…インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9