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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039228
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】チューブ容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 35/10 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
B65D35/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143621
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田切 俊
(72)【発明者】
【氏名】田窪 陽子
(72)【発明者】
【氏名】稲川 義則
(72)【発明者】
【氏名】森田 皓介
【テーマコード(参考)】
3E065
【Fターム(参考)】
3E065AA02
3E065BA11
3E065BB02
3E065CA20
3E065DA05
3E065DA11
3E065DB05
3E065DC01
3E065DD05
3E065FA06
3E065GA10
3E065HA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】チューブ容器がキャップ部側から垂直落下したときに、落下地点との衝突により発生する衝撃によって筒状体が破損することを抑制する。
【解決手段】本開示に基づくチューブ容器は、筒状体と、注出部20と、キャップ部30とを備えている。注出部20は、筒状体の軸方向における一方端部13に接合され、筒状体に収容された内容物を注出可能である。キャップ部30は、注出部20に対して着脱可能に取り付けられている。注出部20は、内容物を注出するための注出口21と、上記軸方向から見た時に注出口21を中心として注出口21から径方向に拡がる肩部22と、該肩部22から上記軸方向に沿って延出する延出部23とを有している。延出部23は、外周側で筒状体と接合する接合部231と、接合部231から上記軸方向に沿って肩部側とは反対側に延びて筒状体と接合していない先端部232とを有している。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシートを湾曲または屈曲させて、前記シートの面方向における第1の側端部と、該第1の側端部の反対に位置する前記シートの第2の側端部とを、前記シートの厚さ方向に互いに重ね合わせて溶着させることで形成された帯状の溶着部を有する、筒状体と、
前記筒状体の軸方向における一方端部に接合され、前記筒状体に収容された内容物を注出可能な注出部と、
前記注出部に対して着脱可能に取り付けられたキャップ部とを備え、
前記注出部は、前記内容物を注出するための注出口と、前記軸方向から見た時に前記注出口を中心として前記注出口から径方向に拡がる肩部と、該肩部から前記軸方向に沿って延出する延出部とを有し、
前記延出部は、外周側で前記筒状体と接合する接合部と、該接合部から前記軸方向に沿って肩部側とは反対側に延びて前記筒状体と接合していない先端部とを有している、チューブ容器。
【請求項2】
前記先端部が、前記筒状体と離隔している、請求項1に記載のチューブ容器。
【請求項3】
前記肩部の外表面または内表面には、凹部または凸部が形成されている、請求項1に記載のチューブ容器。
【請求項4】
前記肩部の前記外表面は滑らかに形成され、前記肩部の前記内表面上に前記凸部が形成されている、請求項3に記載のチューブ容器。
【請求項5】
前記キャップ部は、前記注出口に当接する天面部と、前記軸方向から見たときの前記天面部の周端縁から延びつつ前記注出部の周りに位置する周側部とを有し、
前記周側部は、前記接合部との間に前記筒状体の前記一方端部の少なくとも一部が位置するように構成されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチューブ容器。
【請求項6】
前記キャップ部は、前記注出口に当接する天面部と、前記軸方向から見たときの前記天面部の周端縁から延びつつ前記注出部の周りに位置する周側部とを有し、
前記天面部は、前記注出口と嵌合する嵌合部と、前記軸方向から見て前記嵌合部を取り囲むように位置しつつ前記周側部と連続する環状端面部とを有し、
前記環状端面部の少なくとも一部が、前記嵌合部と比較して、前記軸方向において前記筒状体からより離れて位置している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチューブ容器。
【請求項7】
前記キャップ部は、前記注出口に当接する天面部と、前記軸方向から見たときの前記天面部の周端縁から延びつつ前記注出部の周りに位置する周側部とを有し、
前記天面部は、前記注出口と嵌合する嵌合部と、前記軸方向から見て前記嵌合部を取り囲むように位置しつつ前記周側部と連続する環状端面部と、前記嵌合部および前記環状端面部を互いに接続する少なくとも1つの梁部とを有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチューブ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チューブ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のチューブ容器が、特許第6976032号公報(特許文献1)、特開2021-138458号公報(特許文献2)および特開2020-117232号公報(特許文献3)に開示されている。
【0003】
たとえば、特許文献1に開示されたチューブ容器は、内容物を注出する注出ユニットと、注出ユニットに溶着されて内容物を収容するための胴部と、から構成されている。胴部は、多層構造のフィルムによって形成された筒体によって形成されている。胴部は、背面シール部を備えている。背面シール部は、矩形状のフィルムの両側の側縁が重ね合わされ、重ね合わされた側縁が溶着された部位である。注出ユニットは、注出口部と、この注出口部から径方向の外側に張り出す肩部とによって構成されている。注出ユニットは、注出口部に対してキャップが着脱可能に構成されている。胴部の軸方向の一端の内面は、前記肩部の外周面に溶着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6976032号公報
【特許文献2】特開2021-138458号公報
【特許文献3】特開2020-117232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チューブ容器は、内容物が収容された状態かつキャップが注出口に取り付けられた状態で落下したときに、落下地点との衝突によって受ける衝撃により破損しないことが望ましい。従来のチューブ容器は、キャップ部側が下方を向き、かつ、筒状体(胴部)の軸方向が鉛直方向に沿う方向になっている状態で落下したときに、上記衝撃による筒状体の破損が発生する可能性が高かった。
【0006】
このときの筒状体が破損するメカニズムは以下のように考えられる。上記衝撃は、キャップから、注出部に伝わる。そして、注出部のうち注出口側とは反対側の先端に、衝撃による応力が集中する。この集中応力により、筒状体のうち上記先端と接合している箇所を起点として、筒状体が破損するものと考えられる。
【0007】
本開示は上記の課題に鑑みてなされたものであり、キャップ部側が下方を向き、かつ、筒状体の軸方向が鉛直方向に沿っている状態で落下したときに、落下地点との衝突によって筒状体が破損することを抑制できる、チューブ容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に基づくチューブ容器は、筒状体と、注出部と、キャップ部とを備えている。筒状体は、一枚のシートを湾曲または屈曲させて、当該シートの面方向における第1の側端部と、第1の側端部の反対に位置する上記シートの第2の側端部とを、上記シートの厚さ方向に互いに重ね合わせて溶着させることで形成された帯状の溶着部を有する。注出部は、筒状体の軸方向における一方端部に接合され、筒状体に収容された内容物を注出可能である。キャップ部は、注出部に対して着脱可能に取り付けられている。注出部は、内容物を注出するための注出口と、上記軸方向から見た時に注出口を中心として注出口から径方向に拡がる肩部と、肩部から上記軸方向に沿って延出する延出部とを有している。延出部は、外周側で筒状体と接合する接合部と、接合部から上記軸方向に沿って肩部側とは反対側に延びて筒状体と接合していない先端部とを有している。
【発明の効果】
【0009】
本開示に基づくチューブ容器は、キャップ部側が下方を向き、かつ、筒状体の軸方向が鉛直方向に沿っている状態で落下したときに、落下地点との衝突によって筒状体が破損することが抑制されている。具体的には、上記衝突による衝撃は、キャップ部を介して注出口に伝わる。注出口に伝わったその衝撃は、上記軸方向において肩部を介して延出部に伝わる。当該延出部に伝わった衝撃は、さらに、接合部から筒状体に伝わる。ここで、本開示に基づくチューブ容器においては、上記軸方向に沿って伝わる上記衝撃が、接合部から筒状体に伝わるだけでなく、延出部の先端部にも伝わる。先端部は筒状体と接合されていないため、上記衝撃は先端部の振動に変換され時間経過により減衰する。このため、接合部から筒状体へ伝わる衝撃は小さくなり、接合部と筒状体との接合端縁における集中応力も小さくなる。よって、上記衝撃による筒状体の破損が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態1に係るチューブ容器を示す正面図である。
図2】本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す正面図である。
図3】本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す側面図である。
図4図1の筒状体をIV-IV線矢印方向から見た断面図である。
図5】本開示の実施形態1に係る筒状体および注出部の分解斜視図である。
図6】本開示の実施形態1に係る筒状体を構成するシートの部分断面図である。
図7】本開示の実施形態1に係る筒状体を構成するシートが第3基材層をさらに含む場合の、シートの部分断面図である。
図8図1の筒状体をVIII-VIII線矢印方向から見た部分断面図である。
図9図8の領域IXを拡大して示す部分断面図である。
図10図8の領域Xを拡大して示す部分断面図である。
図11】本開示の実施形態1の第1変形例に係る筒状体の部分断面図である。
図12図1のチューブ容器をXII-XII線矢印方向から見たときの、部分断面図である。
図13】本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。
図14】本開示の実施形態1の第2変形例に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。
図15】本開示の実施形態1の第3変形例に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。
図16】本開示の実施形態1に係るチューブ容器のキャップ部を示す斜視図である。
図17】本開示の実施形態1に係るチューブ容器の製造方法を示すフロー図である。
図18】重ね合わせ工程および超音波溶着工程におけるシートを示す模式的な図である。
図19】本開示の実施形態1に係るチューブ容器の製造方法に使用される超音波ホーンを、アンビルとの対向方向から見た平面図である。
図20図19の超音波ホーンをXX-XX線矢印方向から見た断面図である。
図21】本開示の実施形態1において凹凸形状の凸部が互いに接続されている超音波ホーンを示す平面図である。
図22】注出部接合工程において、インサート成形により注出部を筒状体に接合するときの金型および筒状体を示す模式的な断面図である。
図23】圧縮成形による注出部接合工程を示すフロー図である。
図24】圧縮成形により注出部を筒状体に接合するときの金型、成型材料および筒状体を示す模式的な断面図である。
図25】超音波溶着による注出部接合工程を示すフロー図である。
図26】超音波溶着により注出部を筒状体に接合するときに用いる装置を示す模式的な断面図である。
図27】本開示の実施形態2に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す正面図である。
図28】本開示の実施形態3に係るチューブ容器の部分断面図である。
図29】本開示の実施形態3における注出部を延出部側から見た底面図である。
図30】本開示の実施形態3における注出部を示す斜視図である。
図31】本開示の実施形態4に係るチューブ容器を示す正面図である。
図32】本開示の実施形態5に係るチューブ容器の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の各実施形態に係るチューブ容器について説明する。以下の各実施形態の説明においては、図中の同一部分または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0012】
(実施形態1)
<チューブ容器>
図1は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器を示す正面図である。図2は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す正面図である。図3は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す側面図である。図1から図3に示すように、チューブ容器1は、筒状体10と、注出部20と、キャップ部30とを備えている。
【0013】
本実施形態に係るチューブ容器1は、内容物を収容した状態であって、キャップ部側が下方を向き、かつ、筒状体10の軸方向が鉛直方向に沿っている状態で落下したときに、チューブ容器1と落下地点との衝突による筒状体10の破損が抑制されている。以下、本明細書において、上記のようなチューブ容器1の落下を単に「垂直落下」という場合がある。
【0014】
[筒状体]
図4は、図1の筒状体をIV-IV線矢印方向から見た断面図である。図1から図4に示すように、筒状体10は、シート基部11と、溶着部12と、一方端部13と、他方端部14と、を有している。
【0015】
図5は、本開示の実施形態1に係る筒状体および注出部の分解斜視図である。図4および図5に示すように、シート基部11は、一枚のシートSの面方向DPにおける第1の側端部SE1と、該第1の側端部SE1の反対に位置する上記シートSの第2の側端部SE2との間に位置している。溶着部12は、上記シートSを湾曲または屈曲させて、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とを上記シートSの厚さ方向に互いに重ね合わせて溶着させることで形成されている。上記厚さ方向とは、シートSの面方向DPに直交する方向である。
【0016】
このように、本実施形態において、筒状体10は一枚のシートSからなる。まず、シートSの詳細について説明する。
【0017】
第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とを互いに溶着させる前の状態のシートSは、シートSの厚さ方向から見て、矩形状の外形を有している。ただし、シートSは、湾曲または屈曲させることで筒状体10を形成できるものであれば、厚さ方向から見たときの形状は限定されない。
【0018】
図6は、本開示の実施形態1に係る筒状体を構成するシートの部分断面図である。図6に示すように、シートSは、第1基材層SL1を少なくとも含んでいる。第1基材層SL1は、筒状体10の径方向において、筒状体10の中心側に位置している。すなわち、第1基材層SL1は、筒状体10の最内層である。
【0019】
第1基材層SL1は、樹脂成分を主成分として含んでおり、たとえば、ポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主成分として含んでいる。リサイクル性を向上させる観点からは、第1基材層SL1はポリエステル系樹脂を主成分として含んでいることが好ましい。
【0020】
第1基材層SL1がポリオレフィン系樹脂を主成分として含む場合、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンポリマー等が挙げられる。リサイクル性の観点から、第1基材層SL1のポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンであることが好ましい。
【0021】
第1基材層SL1がポリエステル系樹脂を主成分として含む場合、当該ポリエステル系樹脂としては、チューブ容器1の筒状体10として使用できるものであれば特に限定されない。ポリエステル系樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG、グリコール成分の一部がシクロヘキサンジメタノール(CHDM)またはネオペンチルグリコール等で変性されたポリエチレンテレフタレート)、ポリ乳酸等が挙げられる。第1基材層SL1は、樹脂成分としてポリエステル系樹脂のみを含んでいることが好ましい。
【0022】
筒状体10のリサイクル性の観点からは、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂は、ホモポリエチレンテレフタレート、もしくは、エチレングリコールとテレフタル酸と第3成分とを共重合させてなる共重合ポリエチレンテレフタレートなどのポリエチレンテレフタレート、または、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。また、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂は、溶着部12におけるシートS同士を比較的低いエネルギーで互いに溶着させる観点、および、超音波振動を効率良く伝達させる観点から、非晶性のポリエステル系樹脂(非晶性のポリエチレンテレフタレート、および、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートなど)であることが好ましい。よって、第1基材層SL1は、筒状体10のリサイクル性および溶着部12におけるシートSの接着性の両観点から、非晶性のホモポリエチレンテレフタレートであることが最も好ましい。環境負荷低減の観点からは、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂が、リサイクル原料またはバイオマス原料からなることが好ましいが、筒状体10の内側に内容物を収容させる場合には、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂は、バージン原料からなることが好ましい。
【0023】
また、第1基材層SL1は、単層フィルムでもよいし、または、積層フィルムの一部であってもよい。第1基材層SL1を構成するフィルム(単層フィルムまたは積層フィルム)は、無延伸、一軸延伸、または、二軸延伸フィルムであってもよい。筒状体10におけるシートS同士の接着性および筒状体10と注出部20との接合強度をより向上させる観点から、第1基材層SL1は、無延伸または一軸延伸フィルムで構成されていることが好ましく、無延伸フィルムで構成されていることがより好ましい。筒状体10と注出部20との接合強度が全体的に向上することにより、チューブ容器1の垂直落下の際、落下地点とチューブ容器1との衝突によって、筒状体10と注出部20との接合強度が低い箇所を起点として筒状体10が破損することを抑制できる。
【0024】
本実施形態において、シートSは、第2基材層SL2をさらに含んでいる。第2基材層SL2は、第1基材層SL1に積層されている。第2基材層SL2は、第1基材層SL1から見て筒状体10の径方向外側に位置している。シートSは、第2基材層SL2を含んでいなくてもよい。
【0025】
本実施形態において、第2基材層SL2は、樹脂成分を主成分として含んでおり、たとえば、ポリエステル系樹脂またはポリオレフィン系樹脂を主成分として含んでいる。リサイクル性を向上させる観点からは、第2基材層SL2は、第1基材層SL1と同様に、ポリエステル系樹脂を主成分として含んでいることが好ましい。
【0026】
第2基材層SL2のポリオレフィン系樹脂としては、第1基材層SL1のポリオレフィン系樹脂と同様のものを用いることができる。リサイクル性の観点から、第2基材層SL2のポリオレフィン系樹脂はポリプロピレンであることが好ましい。
【0027】
第2基材層SL2のポリエステル系樹脂としては、第1基材層SL1のポリエステル系樹脂と同様のものを用いることができる。第2基材層SL2は、樹脂成分としてポリエステル系樹脂のみを含んでいることが好ましい。筒状体10およびチューブ容器1のリサイクル性の観点からは、第2基材層SL2のポリエステル系樹脂は、ホモポリエチレンテレフタレート、もしくは、エチレングリコールとテレフタル酸と第3成分とを共重合させてなる共重合ポリエチレンテレフタレートなどのポリエチレンテレフタレート、または、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。環境負荷低減の観点からは、第2基材層SL2におけるポリエステル系樹脂が、リサイクル原料またはバイオマス原料からなることが好ましいが、筒状体10の製造費用低減の観点からは、第2基材層SL2におけるポリエステル系樹脂は、バージン原料からなることも好ましい。
【0028】
第2基材層SL2は、単層フィルムであってもよいし、積層フィルムの一部であってもよい。第2基材層SL2を構成する単層フィルムまたは積層フィルムは、無延伸、一軸延伸、または、二軸延伸フィルムであってもよい。筒状体10を強靭に保ちつつ径方向厚さをより薄くする観点から、第2基材層SL2を構成するフィルムは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。また、シートSが後述するバリア層BLを含む場合には、第2基材層SL2を構成するフィルムが二軸延伸フィルムであることにより、バリア層BLの割れなどを抑制できる。第2基材層SL2が積層フィルムの一部である場合、第2基材層SL2は、第1基材層SL1とともに積層フィルムの一層として構成されていてもよく、接着剤層などを介することなく直接第1基材層SL1に積層されていてもよい。
【0029】
本実施形態において、シートSは、バリア層BLをさらに含んでいる。バリア層BLは、第2基材層SL2から見て第1基材層SL1側に位置しているが、第2基材層SL2から見て第1基材層SL1とは反対側に位置していてもよい。なお、シートSは、バリア層BLを含んでいなくてもよい。
【0030】
バリア層BLを構成する材料は特に限定されない。バリア層BLとしては、シリカバリア層もしくはアルミナバリア層などのセラミックバリア層、または、アルミバリア層などの金属バリア層などが挙げられる。本実施形態において、バリア層BLは、第2基材層SL2(具体的には第2基材層SL2を構成するフィルム)に蒸着により積層されている。
【0031】
本実施形態において、シートSは、接着剤層ALをさらに含んでいる。接着剤層ALは、第1基材層SL1と第2基材層SL2との間に位置している。より具体的には、接着剤層ALは、第1基材層SL1とバリア層BLとの間に位置し、これらを互いに接合する。バリア層BLが第1基材層SL1と第2基材層SL2との間に位置していない場合には、接着剤層ALは、第1基材層SL1と第2基材層SL2とを互いに接合する。接着剤層ALを構成する接着剤は特に限定されないが、ドライラミネート用接着剤を用いることが好ましい。ドライラミネート用接着剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0032】
シートSは、さらに他の層を含んでいてもよい。図7は、本開示の実施形態1に係る筒状体を構成するシートが第3基材層をさらに含む場合の、シートの部分断面図である。図7に示すように、たとえば、シートSは、樹脂成分を主成分として含む第3基材層SL3をさらに含んでいてもよい。シートSが第3基材層SL3をさらに含んでいる場合、第3基材層SL3は、図7に示すように第2基材層SL2から見て第1基材層SL1の反対側に積層されていてもよいし、第1基材層SL1と第2基材層SL2との間に位置していてもよい。
【0033】
第3基材層SL3は、ポリオレフィン系樹脂またはポリエステル系樹脂を主成分として含んでいてもよい。第3基材層SL3の樹脂成分としては、ポリオレフィン系樹脂、または、第1基材層SL1および第2基材層SL2の主成分として採用可能なポリオレフィン系樹脂およびポリエステル系樹脂と同様のものが使用可能である。第3基材層SL3が、第2基材層SL2から見て第1基材層SL1の反対側に積層されている場合、溶着部12におけるシートS同士の接着性の観点から、第3基材層SL3は、第1基材層SL1の主成分と同種の樹脂成分を主成分として含むことが好ましい。これにより、溶着部12において、第1基材層SL1と第3基材層SL3とが互いに溶着し、溶着部12においてシートS同士の接合強度をより向上させることができる。
【0034】
第3基材層SL3の主成分として採用可能なポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレートまたはグリコール変性ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。環境負荷低減の観点からは、第3基材層SL3におけるポリエステル系樹脂が、リサイクル原料またはバイオマス原料からなることが好ましいが、筒状体10の製造費用低減の観点からは、第3基材層SL3におけるポリエステル系樹脂は、バージン原料からなることも好ましい。
【0035】
第3基材層SL3は、単層フィルムでもよいし、または積層フィルムの一部であってもよい。第3基材層SL3を構成するフィルム(単層フィルムまたは積層フィルム)は、無延伸フィルム、一軸延伸フィルム、または、二軸延伸フィルムのいずれから構成されていてもよい。筒状体10におけるシートS同士の接着性(すなわち、溶着部12における第1基材層SL1と第3基材層SL3との溶着の容易さ)の観点から、第3基材層SL3は、無延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムで構成されていることが好ましく、無延伸フィルムで構成されていることがより好ましい。
【0036】
シートSが第3基材層SL3を含む場合、シートSは、第2の接着剤層AL2をさらに含んでいる。図7に示す例においては、第2の接着剤層AL2が、第2基材層SL2と第3基材層SL3との間に位置しており、これらを互いに接合する。第2の接着剤層AL2を構成する接着剤は特に限定されないが、ドライラミネート用接着剤を用いることが好ましい。ドライラミネート用接着剤としては、従来公知のものを使用することができる。
【0037】
シートSは、意匠性向上のための印刷層をさらに含んでいてもよい。印刷層は、たとえば第2基材層SL2から見て第1基材層SL1とは反対側に位置していてもよいし、第1基材層SL1と第2基材層SL2との間に位置していてもよいし、第1基材層SL1から見て第2基材層SL2とは反対側に位置していてもよい。シートSが第3基材層SL3を含む場合は、印刷層は、第3基材層SL3から見て第2基材層SL2とは反対側に位置していてもよい。印刷層は、たとえばインキからなる。インキとしては、たとえば油性インキ(溶媒に有機溶剤を用いた溶剤系インキを含む)、水性インキ(水分散系のエマルジョンインキを含む)、または、UV硬化型インキなどが挙げられる。
【0038】
シートSは、アンカーコート層をさらに含んでいてもよい。アンカーコート層は、印刷層と他の層との間に位置する。アンカーコート層は、印刷層と他の層との接着性を高める。アンカーコート層は従来公知のアンカーコート剤等により形成できる。
【0039】
シートSの合計厚さは、シートSを筒状に形成する観点およびチューブ容器1の取扱性の観点から、たとえば12μm以上300μm以下であることが好ましい。これにより、筒状体10を容器の一部として用いる場合には、容器に収容された内容物を押し出すようにして注出可能なスクイズ性を、筒状体10に付与できる。ひいては、シートSが、ポリエステル系樹脂を主成分として含む第1基材層SL1を少なくとも含んでいるため、シートSの合計厚さが12μm以上300μm以下であることにより、筒状体10に折罫線を容易に形成することができる。これにより、筒状体10に良好なスクイズ性を付与できる。
【0040】
また、第1基材層SL1の厚さは、たとえば10μm以上300μm以下であることが好ましい。第2基材層SL2の厚さは、たとえば5μm以上200μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。シートSが、互いに積層された複数の層を含む場合、第1基材層SL1は、筒状体10の最内層であって溶着の際に必ず他の層と接着することになる観点から、第2基材層SL2より厚いことが好ましい。これにより、溶着部12における溶着の際に、第2基材層SL2に含まれる樹脂成分がシートS同士の溶着の強度に与える影響を小さくできる。具体的には、第2基材層SL2が比較的薄いことで、溶着の際に第2基材層SL2が第1基材層SL1に混ざり合うため、第2基材層SL2に含まれる樹脂成分による上記の影響が小さくなるものと考えられる。当該影響をより小さくする観点から、第1基材層SL1の厚さは、第2基材層SL2の厚さの1.5倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましく、5倍以上であることがさらに好ましい。第1基材層SL1は、シートSにおいて最も厚い層であってもよい。なお、本明細書において、シートSおよびこれらを構成する層の厚さとは、筒状体10を形成する前の状態のシートSおよびこれら構成する厚さをいい、シート基部11における、延在部113(詳細は後述)を構成する層の、筒状体10の径方向厚さに相当する。
【0041】
シートSが第3基材層SL3をさらに含む場合、第3基材層SL3の厚さは、たとえば10μm以上300μm以下であることが好ましい。第3基材層SL3の厚さは、第1基材層SL1と同じであってもよい。これにより、第1基材層SL1を構成するフィルムと同じフィルムにて第3基材層SL3を構成することが可能なる。なお、第3基材層SL3の厚さは第1基材層SL1の厚さと異なっていてもよい。第3基材層SL3の厚さは、第1基材層SL1より厚いことも好ましい。第3基材層SL3の厚さが第1基材層SL1より厚いことで、シートSが第1基材層SL1側において凹状にカールしやすくなり、シートSの筒状化がより容易となる。第3基材層SL3は、シートSにおいて最も厚い層であってもよい。第3基材層SL3は、第2基材層SL2より厚いことが好ましい。
【0042】
次に、シート基部11および溶着部12の詳細について説明する。図8は、図1の筒状体をVIII-VIII線矢印方向から見た部分断面図である。図9は、図8の領域IXを拡大して示す部分断面図である。図10は、図8の領域Xを拡大して示す部分断面図である。
【0043】
図1図4および図8から図10に示すように、シート基部11は、第1基端部111と、第2基端部112と、延在部113とを有している。
【0044】
第1基端部111は、シートSにおいて第2の側端部SE2と連続している部分である。第2基端部112は、シートSにおいて第1の側端部SE1と連続している部分である。第1基端部111および第2基端部112は、それぞれ溶着部12に沿って、筒状体10の一方端部13から他方端部14にかけて延びている(図1および図2参照)。
【0045】
第1基端部111および第2基端部112の径方向厚さは、筒状体10を形成する前の状態のシートSの厚さ(延在部113の径方向厚さ)と異なっている。図8に示す断面視においては、第1基端部111の径方向厚さは、筒状体10を形成する前の状態のシートSの厚さ(延在部113の径方向厚さ)より厚いが、薄くなっていてもよい。また、第2基端部112の径方向厚さは、筒状体10を形成する前の状態のシートSの厚さ(延在部113の径方向厚さ)よりわずかに薄いが、厚くなっていてもよい。
【0046】
延在部113は、シートSの面方向DP(筒状体10の周方向DC)において第1基端部111と第2基端部112との間に位置している部分である。延在部113は、筒状体10の軸方向から見て、略C字状の外形を有している。筒状体10の径方向における延在部113の厚さは、筒状体10形成前のシートSの厚さと等しい。
【0047】
帯状の溶着部12は、上記シートSを湾曲または屈曲させて、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とを上記シートSの厚さ方向に互いに重ね合わせて溶着させることで形成されている。本実施形態においては、第1の側端部SE1の外周面と、第2の側端部SE2の内周面とが、互いに溶着されている。溶着部12は、筒状体10の軸方向に沿って延びている。溶着部12は、一方端部13から他方端部14まで連続的に延びている。
【0048】
上述したように、溶着部12は、第1先端縁121と、第2先端縁122と、溶着部外周面123と、溶着部内周面124とを有している。
【0049】
図8および図9に示すように、第1先端縁121は、筒状体10の周方向DCにおける第1の側端部SE1の先端縁である。第1先端縁121は、第1基端部111と接合している。これにより、筒状体10の軸方向から見たときの溶着部12の溶着長さが比較的長くなる。ひいては、溶着部12に剥離の応力がかかったときに、この応力が分散される。さらに、第1先端縁121は、上記周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置している。これにより、第1先端縁121が外部に接触する機会を低減できる。特に、本実施形態においては、第1の側端部SE1の外周面と、第2の側端部SE2の内周面とが、互いに溶着されている。したがって、第1先端縁121が、上記周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置していることにより、筒状体10が容器の一部として構成されている際に、容器の内容物が第1先端縁121と接触する機会を低減できる。このとき、第1先端縁121の少なくとも一部が、周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置していればよい。第1先端縁121のうち、周方向DCから見て第1基端部111の厚み内に位置している部分の厚さは、シートSの厚さ(延在部113の径方向厚さ)の1/10以上であればよく、好ましくは1/4以上、より好ましくは1/3以上である。そして、図8および図9に示すように、第1先端縁121の全部が、周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置していることが最も好ましい。また、第1の側端部SE1における第1基材層SL1と第2基材層SL2との境界部SBは、周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内にて第1基端部111と接している。これにより、筒状体10が容器の一部として構成されている際に、容器の内容物が第1の側端部SE1における境界部SBに接触しにくくなる。ひいては、内容物が境界部SBに接触することによる第1基材層SL1と第2基材層SL2との層間剥離の発生を抑制できる。なお、第1先端縁121は、筒状体10の軸方向における一方端部13から他方端部14まで延びている(図1および図2参照)。
【0050】
図8および図10に示すように、第2先端縁122は、第2の側端部SE2の周方向DCにおける先端縁である。第2先端縁122は、第2基端部112と接合している。第2先端縁122は、周方向DCに沿う方向から見て、第2基端部112の厚み内に位置している。このとき、第2先端縁122の少なくとも一部が、周方向DCに沿う方向から見て、第2基端部112の厚み内に位置していればよい。そして、図8および図10に示すように、第2先端縁122の全部が、周方向DCに沿う方向から見て、第2基端部112の厚み内に位置していることが好ましい。また、第2の側端部SE2における第1基材層SL1と第2基材層SL2との境界部SBは、周方向DCに沿う方向から見て、第2基端部112の厚み内にて第2基端部112と接している。なお、第2先端縁122は、筒状体10の軸方向における一方端部13から他方端部14まで延びている(図1および図2参照)。
【0051】
第1の側端部SE1と第2の側端部SE2との境界面Bにおいては、第1先端縁121から第2先端縁122に至るまで筒状体10の内周側と外周側とが連通しないように、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とが互いに気密に溶着されている。
【0052】
図8に示すように、溶着部外周面123は、筒状体10の径方向外側を向いている。溶着部外周面123は、第2の側端部SE2で構成されている。溶着部外周面123には、凹凸が形成されている。すなわち、第2の側端部SE2には、径方向外側において凹凸が形成されている。
【0053】
溶着部12においては、前記筒状体10の一方端部13から他方端部14にかけて、前記溶着部外周面123の前記周方向DCの全体に凹凸が形成されている(図1および図2参照)。そして、溶着部12において、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2との境界面Bは、溶着部外周面123の凹凸の形状に沿うように延びている。
【0054】
本実施形態において、溶着部外周面123に形成された凹凸における凸部123Aは、筒状体10の径方向から見て、格子状に形成されている。ただし、筒状体10の径方向から見たときの凸部123Aの形状は特に限定されない。溶着部外周面123には、凹部が格子状に形成されていてもよい。溶着部外周面123に形成された凹凸における凸部123Aまたは凹部が、格子状に形成されていることにより、筒状体10の周方向DCおよび軸方向に沿う方向のいずれにおいても、境界面Bの面積を引き延ばすことができる。凸部123Aまたは凹部は、筒状体10の径方向から見て、複数のドット状に形成されていてもよいし、互いに平行な複数の線状に形成されていてもよい。また、溶着部外周面123に形成された凹凸における凸部123Aの高さ寸法は、筒状体10形成前のシートSの厚さ(113の厚さ)の寸法より大きくなっている。そして、溶着部外周面123に形成された凹凸における凸部123Aの高さ寸法は、筒状体10形成前のシートSの厚さ(延在部113の厚さ)の寸法の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.5倍以上がさらに好ましい。凸部123Aの高さ寸法が大きくなるほど、凹凸の形状に沿うように延びている境界面Bの面積が大きくなり、溶着部12にかかる剥離応力が分散され、溶着部12の強度が向上する。
【0055】
なお、シートSが、第2基材層SL2から見て第1基材層SL1とは反対側に位置する層として、バリア層、および/または、印刷層およびアンカーコート層を有している場合、これらの層は、部分的に溶融した第1の側端部SE1の第2基材層SL2または第2の側端部SE2の第1基材層SL1と混ざり合う。このように、溶着部12においては、シートSが径方向における最も最外層にシーラント層を有していなくても、超音波溶着により第1基材層SL1と第2基材層SL2とを互いに溶着させることができる。結果として、シーラント層が不要となるぶん、筒状体10の径方向厚さを薄くすることができる。
【0056】
一方、溶着部内周面124は、筒状体10の径方向内側を向いている。溶着部内周面124は、周方向DCに沿うように滑らかである。上記のような溶着部外周面123および溶着部内周面124を有するため、溶着部12は、径方向厚さが比較的厚い部分(凸部123Aが位置している部分)と、径方向厚さが比較的薄い部分とを有している。溶着部12において、径方向厚さが最も厚い部分の径方向厚さ寸法は、たとえば、シート基部11の延在部113の径方向厚さ寸法(すなわち、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とを互いに溶着させる前の状態のシートSの厚さ寸法)の、2倍超かつ3倍以下である。溶着部12において、径方向厚さが最も薄い部分の径方向厚さ寸法は、たとえば、シート基部11の延在部113の径方向厚さ寸法(すなわち、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とを互いに溶着させる前の状態のシートSの厚さ寸法)の0.5倍以上1.5倍以下である。
【0057】
筒状体10は、筒状体10の軸方向における一方端部13において、注出部20と接合している。一方端部13は、注出部20と接合されることで、可撓性を有さず、その外形形状を維持可能に構成されていてもよい。一方端部13は、筒状体10の軸方向から見て、円環状の外形を有している。一方端部13は、筒状体10の軸方向から見て、多角形環状の外形を有していてもよい。
【0058】
筒状体10の軸方向における一方端部13は、当該軸方向におけるシート基部11の一方端部と、溶着部12の一方端部とからなる。一方端部13においても、第1先端縁121は、上記周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置することが好ましい。これにより、一方端部13の第1先端縁121近傍において筒状体10の表面(本実施形態においては内表面)が比較的滑らかになり、筒状体10と他の部品(具体的には注出部20)との接合が容易となる。また、一方端部13においても、第2先端縁122は、周方向DCに沿う方向から見て、第2基端部112の厚み内に位置してもよい。また、本実施形態においては、一方端部13においても、溶着部外周面123に凹凸が形成されており、溶着部内周面124が周方向DCに沿うように滑らかである。このため、一方端部13において筒状体10の内周面と注出部20との接合が容易になる。
【0059】
筒状体10において、筒状体10の軸方向における他方端部14は、閉止されている。本実施形態においては、他方端部14において筒状体10の軸方向に直交する方向に対向するシートS同士が、互いに溶着されることで、筒状体10が他方端部14において閉止されている。他方端部14は、筒状体10の軸方向に交差する方向に延びている。なお、筒状体10の他方端部14における閉止方法は、上記の態様に限定されない。シートSとは異なる部材で成形された底部などが、他方端部14に接合されることで、筒状体10の他方端部14が閉止されてもよい。
【0060】
なお、本実施形態において、溶着部外周面123に凹凸形状が形成されていたが、溶着部内周面124に凹凸形状が形成されていてもよい。図11は、本開示の実施形態1の第1変形例に係る筒状体の部分断面図である。図11においては、図8と同様の断面視にて、本実施形態の第1変形例に係る筒状体10aを示している。図11に示すように、本変形例においては、溶着部外周面123aが周方向DCに沿うように滑らかである。そして、溶着部内周面124aに、凹凸が形成されている。溶着部12において、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2との境界面Bは、溶着部内周面124aの凹凸の形状に沿うように延びている。本変形例において、溶着部内周面124aにおける凹凸形状の凸部124Aおよび凹部は、本実施形態における凹凸形状の凸部123Aおよび凹部と同様の外形を有していてもよい。また、溶着部内周面124aに形成された凹凸における凸部124Aの高さ寸法は、筒状体10形成前のシートSの厚さ(延在部113の厚さ)の寸法より大きくなっている。そして、溶着部内周面124aに形成された凹凸における凸部124Aの高さ寸法は、筒状体10形成前のシートSの厚さ(延在部113の厚さ)の寸法の1.1倍以上が好ましく、1.2倍以上がより好ましく、1.5倍以上がさらに好ましい。凸部124Aの高さ寸法が大きくなるほど、凹凸の形状に沿うように延びている境界面Bの面積が大きくなり、溶着部12にかかる剥離応力が分散され、溶着部12の強度が向上する。
【0061】
なお、本実施形態の第1変形例においては、溶着部外周面123aが、第1の側端部SE1で構成されており、溶着部内周面124aが、第2の側端部SE2で構成されている。本変形例においても、第1先端縁121は、上記周方向DCに沿う方向から見て、第1基端部111の厚み内に位置している。
【0062】
[注出部]
図12は、図1のチューブ容器をXII-XII線矢印方向から見たときの、部分断面図である。図1から図3図5および図12に示すように、注出部20は、筒状体10の軸方向における一方端部13に接合されている。より具体的には、注出部20は、筒状体10の一方端部13の径方向内側に位置している。これにより、注出部20は、筒状体10に収容された内容物を注出可能である。本実施形態においては、注出部20も内容物を収容可能な形状を有しており、チューブ容器1は、筒状体10と注出部20とで形成された内容物を収容可能である。
【0063】
注出部20は、注出口21と、肩部22と、延出部23とを有している。注出口21は、内容物を注出するために設けられている。換言すれば、注出口21は、キャップ部30が取り外された状態のチューブ容器1の内部と外部とを互いに連通させている。注出口21は、筒状体10の軸方向に沿って延び、略筒状の外形を有している。
【0064】
注出口21は、接続端部211と、注出端部212と、被係止部213とを有している(図12参照)。接続端部211は、筒状体10の軸方向における注出口21の一方端部であり、肩部22と接続している。注出端部212は、上記軸方向における注出口21の他方端部である。筒状体10(チューブ容器1)が流動性を有する内容物を収容している場合、キャップ部30が取り外された状態で筒状体10の外側から内容物が押しつぶされることで、接続端部211から注出端部212に向かう方向に内容物が流動する。これにより、注出端部212から内容物が注出される。
【0065】
被係止部213は、注出口21の外周面上に形成されている。被係止部213は、キャップ部30と係止可能に構成されている。本実施形態において、被係止部213は、注出口21の外周面上おいて周方向に沿って延びる凹条の外形を有している。被係止部213は、螺旋状に延びるように形成された雄ネジであってもよい。
【0066】
肩部22は、筒状体10の軸方向から見た時に注出口21を中心として注出口21(接続端部211)から径方向に拡がっている。本実施形態において、肩部22は、上記軸方向から見たときの外形が円形上であるが、楕円形状または多角形状であってもよい。また、本実施形態において肩部22は、略円錐台状の外形を有しているが、円盤状の外形を有していてもよい。
【0067】
本実施形態において、肩部22の外表面221および内表面222は滑らかに形成されている。換言すれば、肩部22の外表面221の全体および内表面222の全体が、互いに略平行となるように拡がっている。なお、肩部22は、設計上、外表面221および内表面222が滑らかに形成されているものであればよく、製造上発生するバリなどのわずかな凹凸が外表面221および内表面222に形成されていてもよい。
【0068】
肩部22の厚みは特に限定されないが、たとえば0.5mm以上2.0mm以下である。なお、肩部22の厚みとは、肩部22の外表面221のある点から、内表面222までの最短の長さである。
【0069】
延出部23は、肩部22から、筒状体10の軸方向に沿って延出している。延出部23は、上記軸方向から見て、環状の外形を有している(図5および図12など参照)。
【0070】
図13は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。図12および図13に示すように、延出部23は、接合部231と、先端部232と、基端部233とを有している。
【0071】
接合部231は、上記軸方向から見たときの外周側で筒状体10と接合している。本実施形態において、接合部231は直接的に筒状体10と接合しているが、接合部231は、注出部20に被覆される他の層を介して筒状体10と接合していてもよい。たとえば、注出部20の外面上には、ガスバリア層が被覆されていてもよい。また、注出部20が厚み方向において多層構造となっている場合は、注出部20において互いに隣り合う2層の間に、ガスバリア層が設けられていてもよい。
【0072】
接合部231は、内周側に形成された段部231Aを有している。段部231Aが形成されていることにより、段部231Aから見て接合部231のうち肩部側とは反対側に位置する部分の厚みが、段部231Aから見て接合部231のうち肩部側に位置する部分の厚みより、薄くなっている。このように接合部231を強度が低下しすぎない範囲で薄肉化することで、注出部20の製造時における環境負荷が低減される。接合部231の厚みは、たとえば0.5mm以上2.0mm以下である。
【0073】
先端部232は、接合部231から筒状体10の軸方向に沿って肩部側(基端部233側)とは反対側に延びている。先端部232は、筒状体10と接合していない。
【0074】
チューブ容器1が垂直落下したとき、落下地点とチューブ容器1(キャップ部30)との衝突による衝撃は、キャップ部30を介して注出口21に伝わる。注出口21に伝わったその衝撃は、上記軸方向において肩部22を介して延出部23に伝わる。当該延出部23に伝わった衝撃は、さらに、接合部231から筒状体10に伝わる。ここで、本実施形態に係るチューブ容器1においては、上記軸方向に沿って伝わる上記衝撃が、接合部231から筒状体10に伝わるだけでなく、延出部23の先端部232にも伝わる。先端部232は筒状体10と接合されていないため、上記衝撃は先端部232の振動に変換され時間経過により減衰する。このため、接合部231から筒状体10へ伝わる衝撃は小さくなり、接合部231と筒状体10との接合端縁における集中応力も小さくなる。よって、上記衝撃による筒状体10の破損が抑制される。
【0075】
そして、先端部232は、筒状体10と離隔している。これにより、チューブ容器1の垂直落下時に、上記衝撃が先端部232から筒状体10に伝わることをさらに抑制できる。ひいては、上記衝撃による筒状体10の破損がさらに抑制され得る。なお、先端部232は、筒状体10と接合しない状態で、筒状体10と密に接していてもよい。このとき、先端部232の外周面は、接合部231の外周面との間に段差が形成されておらず、上記軸方向において接合部231の外周面と並んで位置してもよい。
【0076】
また、本実施形態において、先端部232の内周面および外周面は、互いに平行に延びている。このため、先端部232の内周面および外周面は、いずれも上記軸方向に沿って延びている。また、先端部232の厚みは、接合部231の厚みより薄くなるように形成されている。このように先端部232を強度が低下しすぎない範囲で薄肉化することで、注出部20の製造時における環境負荷が低減される。
【0077】
基端部233は、接合部231および肩部22を互いに接続している。基端部233の厚みは、接合部231の厚みよりわずかに大きい。また、上記軸方向から見て、基端部233の外周面は、接合部231の外周面より、筒状体10を構成するシートSの厚さのぶん径方向外側に位置している。このため、筒状体10の一方端部13の端縁が他の物品などに接触する機会を低減し、筒状体10が注出部20から剥離することを抑制できる。
【0078】
なお、延出部23は、基端部233を有していなくてもよい。この場合、接合部231が肩部22と直接接続していてもよい。さらに、接合部231が肩部22と直接接続している場合、筒状体10の一方端部13は、肩部22の外表面221の一部にも接合していてもよい。
【0079】
本実施形態において、延出部23の先端縁234(すなわち、先端部232の先端縁)は、筒状体10の軸方向に直交する仮想平面上に位置している。換言すれば、延出部23の上記軸方向における長さは、上記軸方向に直交する方向から見て略一定である。また、先端縁234は、面取りされた形状を有しており、具体的には曲面状に面取りされている。
【0080】
また、接合部231および先端部232の形状は、上述の本実施形態における形状に限定されない。図14は、本開示の実施形態1の第2変形例に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。たとえば図14に示すように、本開示の実施形態1の第2変形例においては、先端部232bの内周面および外周面が、肩部22から離れるに従って互いに近づくように延びている。これにより、先端部232bの厚みは、肩部22から離れるに従って薄くなるように形成されている。このため、注出部20が後述するように射出成形にて形成される場合には、先端部232bの内周面および外周面の少なくとも一方が抜き勾配として機能することができる。
【0081】
図15は、本開示の実施形態1の第3変形例に係るチューブ容器の、筒状体と注出部との接合箇所を拡大して示す部分断面図である。たとえば図15に示すように、本開示の実施形態1の第3変形例においては、接合部231cが、内周側において段部を有していない。接合部231cの内周面は、肩部22から離れるに従って接合部231cの外周面に徐々に近づくように延びている。また、先端部232cの内周面および外周面は、本実施形態の第2変形例と同様の関係を有しているとともに、先端部232cの内周面は、接合部231cの内周面と滑らかに接続している。これにより、注出部20が後述するように射出成形にて形成される場合には、先端部232cの内周面および接合部231cの内周面が抜き勾配として機能することができる。
【0082】
本開示の実施形態1に係るチューブ容器1において、注出部20は、樹脂組成物からなる。注出部20は、チューブ容器1のリサイクル性の観点から、ポリエステル系樹脂を主成分として含む樹脂組成物からなることが好ましい。
【0083】
注出部20におけるポリエステル系樹脂は、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂と同様のものが使用可能である。チューブ容器1のリサイクル性の観点からは、注出部20のポリエステル系樹脂は、ホモポリエチレンテレフタレート、もしくは、エチレングリコールとテレフタル酸と第3成分とを共重合させてなる共重合ポリエチレンテレフタレートなどのポリエチレンテレフタレート、または、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。また、注出部20におけるポリエステル系樹脂は、注出部20の成形性の観点から、非晶性のポリエステル系樹脂(非晶性のポリエチレンテレフタレート、および、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートなど)であることが好ましい。なお、注出部20におけるポリエステル系樹脂は、結晶性のポリエステル系樹脂(たとえば、結晶性のポリエチレンテレフタレート)であってもよい。チューブ容器1のリサイクル性の観点から、注出部20を構成する樹脂組成物は、樹脂成分としてポリエステル系樹脂のみを含んでいることが好ましい。注出部20を構成する樹脂組成物は、従来公知の添加剤をさらに含んでいてもよい。また、環境負荷低減の観点からは、当該樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂が、リサイクル原料またはバイオマス由来の原料からなることが好ましいが、注出部20の製造費用低減の観点からは、当該樹脂組成物におけるポリエステル系樹脂は、バージン原料からなることも好ましい。
【0084】
注出部20を成形するために使用される、ポリエステル系樹脂材料の固有粘度(IV)の値は、JIS規格(K7390-1:2015)に準拠して測定したときに、たとえば0.60以上0.90以下であればよい。IV値が0.60以上0.90以下であれば、注出部20の成形が容易となる。
【0085】
[キャップ部]
図1および図2に示すように、キャップ部30は、注出部20に対して着脱可能に取り付けられている。
【0086】
図16は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器のキャップ部を示す斜視図である。図12および図16に示すように、キャップ部30は、天面部31と、周側部32とを有している。天面部31は、筒状体10の軸方向において、注出口21(注出端部212)に当接している。周側部32は、軸方向から見たときの天面部31の周端縁から延びつつ注出部20の周りに位置している。
【0087】
天面部31は、嵌合部311と、環状端面部312と、少なくとも1つの梁部313とを有している。
【0088】
天面部31のうち、嵌合部311が、上記軸方向において注出端部212に当接している。また、嵌合部311は、注出口21と着脱可能に嵌合する。本実施形態において嵌合部311は筒状体10の軸方向に伸びる係止部311Aを有している。係止部311Aは、注出口21の被係止部213と係止する。本実施形態において、係止部311Aは具体的にはいわゆるスナップフィットである。なお、被係止部213が雄ネジである場合、係止部311Aは雌ネジである。
【0089】
環状端面部312は、上記軸方向から見て嵌合部311を取り囲むように位置しつつ周側部32と連続している。環状端面部312の少なくとも一部は、嵌合部311と比較して、上記軸方向において筒状体10からより離れて位置している。これにより、チューブ容器1の垂直落下時に、嵌合部311より先に環状端面部312が落下地点と衝突しやすくなる。このため、嵌合部311が落下地点と直接衝突する場合と比較して、嵌合部311を介して注出部20(注出口21)に伝わる衝撃を小さくできる。ひいては、上記衝撃による筒状体10の破損がさらに抑制され得る。
【0090】
より具体的には、環状端面部312の全体が、嵌合部311と比較して、上記軸方向において筒状体10からより離れて位置している。このため、嵌合部311は、キャップ部30の外側から見て凹状に形成されている。また、本実施形態において、環状端面部312は、上記軸方向に直交する仮想平面に沿うように延びている。
【0091】
なお、環状端面部312は、キャップ部30の外側から見た時に、嵌合部311と同一の仮想平面に沿うように延びていてもよい。すなわち、天面部31は、外側の面が筒状体10の軸方向に直交する方向延びる平面となるように構成されていてもよい。
【0092】
梁部313は、嵌合部311および環状端面部312を互いに接続する。これにより、チューブ容器1の垂直落下時に、環状端面部312への衝撃が梁部313を介して嵌合部311に伝わるときに、梁部313が板バネのように撓むことで、上記衝撃が緩和される。このため、嵌合部311から注出口21に伝わる衝撃をより小さくできる。ひいては、上記衝撃による筒状体10の破損がさらに抑制され得る。
【0093】
梁部313は、天面部31において嵌合部311と環状端面部312との間に少なくとも1つの貫通孔313Aが形成されることで設けられる。梁部313は、上記軸方向から見て嵌合部311を中心とする径方向に沿って延びている。
【0094】
本実施形態において、天面部31は、複数の貫通孔313Aが形成されることにより、複数の梁部313を有している。複数の梁部313は、上記軸方向から見て嵌合部311を中心とする周方向において互いに離隔して並んでいる。なお、天面部31は、必ずしも貫通孔313Aが形成されていなくてもよい。すなわち、天面部31は、梁部313を有していなくてもよい。
【0095】
周側部32は、接合部231との間に筒状体10の一方端部13の少なくとも一部が位置するように構成されている。これにより、チューブ容器1の垂直落下時に、筒状体10の一方端部13が、接合部231から剥離することを抑制できる。なお、より具体的には、周側部32は、接合部231との間に筒状体10の一方端部13の全体が位置するように構成されている。周側部32は、筒状体10の一方端部13と接するように位置している。
【0096】
さらに、周側部32は、先端部232と間に一方端部13の少なくとも一部が位置するように構成され、具体的には一方端部13の全体が位置するように構成されている。さに、周側部32は、軸方向において延出部23の先端縁234にまたがるように位置している。
【0097】
なお、本実施形態においては、周側部32は、接合部231との間に筒状体10の一方端部13の少なくとも一部が位置するように構成されているが、たとえば、周側部32は、基端部233の外周側に位置せず、基端部233から見て接合部231の反対側にのみ位置していてもよい。
【0098】
周側部32は、その内面上に形成された少なくとも1つのリブ321を有していてもよい。当該構成によれば、落下地点にチューブ容器1(キャップ部30)が衝突したときの衝撃が周側部32において上記軸方向に沿って伝搬する際に、リブ321によってその衝撃の伝達方向を乱れさせることができる。よって、周側部32から肩部22、延出部23または筒状体10へ伝わる衝撃を小さくすることができる。
【0099】
リブ321は、上記軸方向にから見た時の注出口21を中心とする周方向に沿って延びている。周側部32は、上記軸方向に並んだ複数のリブ321を有している。なお、周側部32の内周面上にはリブ321が形成されていなくてもよい。
【0100】
本実施形態に係るキャップ部30においては、互いに組み合わせ可能な上述の構成を適宜組み合わせてもよい。しかしながら本実施形態においては、周側部32が接合部231との間に筒状体10の一方端部13の少なくとも一部が位置するように構成されていることが好ましく、さらには、周側部32がこのように構成されているとともに、環状端面部312の少なくとも一部が嵌合部311と比較して、上記軸方向において筒状体10からより離れて位置し、かつ、天面部31が、嵌合部311および環状端面部312を互いに接続する少なくとも1つの梁部313を有していることが特に好ましい。
【0101】
本開示の実施形態1に係るチューブ容器1において、キャップ部30は、樹脂組成物からなる。キャップ部30は、チューブ容器1のリサイクル性の観点から、ポリエステル系樹脂を主成分として含む樹脂組成物からなることが好ましい。
【0102】
キャップ部30におけるポリエステル系樹脂は、第1基材層SL1におけるポリエステル系樹脂と同様のものが使用可能である。チューブ容器1のリサイクル性の観点からは、キャップ部30のポリエステル系樹脂は、ホモポリエチレンテレフタレート、もしくは、エチレングリコールとテレフタル酸と第3成分とを共重合させてなる共重合ポリエチレンテレフタレートなどのポリエチレンテレフタレート、または、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましく、ホモポリエチレンテレフタレートであることがより好ましい。また、キャップ部30におけるポリエステル系樹脂は、キャップ部30の成形性の観点から、非晶性のポリエステル系樹脂(非晶性のポリエチレンテレフタレート、および、グリコール変性ポリエチレンテレフタレートなど)であることが好ましい。
【0103】
<内容物入りチューブ容器>
チューブ容器1は、上述したように、筒状体10と、注出部20とで形成された内部空間に内容物を収容可能である。内容物は特に限定されないが、従来公知のチューブ容器に収容されるものであってもよい。内容物としては、たとえば、化粧料、食品、医薬品、または、口腔用組成物などが挙げられる。当該内容物は、ポリオレフィン系樹脂に吸着可能な油溶性化合物、油性成分、揮発性油性成分、香料または甘味料のうち少なくとも1つ、または、界面活性剤を含有してもよい。本実施形態に係るチューブ容器1は、内容物と直接接触する樹脂がポリエステル系樹脂であるため、ポリオレフィン系樹脂に吸着可能な上記成分がチューブ容器1に吸着したり、チューブ容器1がこれらの成分を吸収して膨潤することを比較的抑制できる。また、溶着部12が強固に接合されているため、界面活性剤が溶着部12から外部へ漏出することを抑制できる。
【0104】
油溶性化合物としては、たとえば、DL-α-トコフェロール、D-δ-コフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、コハク酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸DL-α-トコフェロール、リノール酸DL-α-トコフェロール等のトコフェロール類;3-メチル-4-イソプロピルフェノール(別名イソプロピルメチルフェノール)等が挙げられる。油溶性化合物は、たとえば、上記内容物が医薬品、食品、化粧料である場合に、上記内容物に含まれる。上記トコフェロール類は、いわゆるビタミンEおよびその誘導体であり、老化防止作用、末梢血管拡張作用、血行促進作用等を期待して上記内容物に配合される。3-メチル-4-イソプロピルフェノールは、殺菌剤、防腐剤として、アクネ化粧料等の化粧料および医薬品等に配合される。
【0105】
油性成分としては、たとえば、ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、大豆油、茶実油、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン、液状ラノリン、ホホバロウ、硬質ラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル等の天然油脂類;流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系油脂類;流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系油脂類;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル-2-エチルヘキサノエート、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル等の合成油性成分;および、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサン等の環状ポリシロキサン、3次元網目構造を形成することが可能なシリコーン樹脂、シリコーンゴム等の、シリコーン類が挙げられる。これらの油性成分は、たとえば、内容物が化粧料である場合に、上記内容物に含まれる。
【0106】
揮発性油性成分としては、比較的低分子量のシリコーン油、比較的低分子量の炭化水素油、エーテル油等が挙げられる。シリコーン油としては、直鎖状シリコーンまたは環状シリコーンが挙げられる。シリコーン油としては、具体的には、鎖状ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサンが挙げられる。鎖状ジメチルポリシロキサンとしては、直鎖、分岐鎖のいずれでもよく、直鎖のものとしては、ジメチルポリシロキサン(1.5cs)、ジメチルポリシロキサン(2cs)等が挙げられ、分岐鎖のもとしては、メチルトリメチコン、トリス(トリメチルシリル)メチルシラン、テトラキス(トリメチルシリル)シラン等が挙げられる。環状ジメチルポリシロキサンとしては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。炭化水素としては、イソドデカン、イソトリデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン等が挙げられ、エーテル油としては、エチルパーフルオロブチルエーテル等が挙げられる。これらの揮発性油性成分は、主に、内容物が日焼け止め水中油型乳化化粧料などの化粧料である場合に、上記内容物に含まれる。
【0107】
香料としては、たとえば、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、クローブ油、タイム油、セージ油、レモン油、オレンジ油、ハッカ油、カルダモン油、コリアンダー油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローズマリー油、ローレル油、カモミル油、キャラウェイ油、マジョラム油、ベイ油、レモングラス油、オリガナム油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、グレープフルーツ油、スウィーティー油、柚油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ピメント油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、ナツメグ等の天然香料もしくはこれら天然香料の加工処理(前溜部カット、後溜部カット、分留、液液抽出、エッセンス化、粉末香料化等)した香料;カンファー、メントール、カルボン、ベンジルサクシネート、アネトール、シネオール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、オイゲノール、メチルオイゲノール、3-l-メントキシプロパン-1,2-ジオール、チモール、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、N-置換-パラメンタン-3-カルボキサミド、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルフェニルグリシデート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルファイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルチオアセテート、オシメン、n-デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、エチルリナロール、ワニリン、ベンズアルデヒド、等の単品香料;および、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、フルーツミックスフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー等の調合香料等が挙げられる。これらの香料は、たとえば、上記内容物が口腔用組成物である場合に、上記内容物に含まれる。また、香料は、わさび、からし、マスタード等の食品の香気成分として上記内容物に含まれるものであってもよい。
【0108】
甘味料としては、たとえば、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これらの甘味料は、たとえば、上記内容物が口腔用組成物である場合に、上記内容物に含まれる。
【0109】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、N-アシルサルコシン酸、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、リン酸エステル塩、スルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、N-アシルグルタミン酸塩、硫酸化油、POE-アルキルエーテルカルボン酸、POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、および、カゼインナトリウム等が挙げられる。カチオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE -アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、および、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。両性界面活性剤としては、イミダゾリン系両性界面活性剤およびベタイン系界面活性剤等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルキロールアミド、および、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0110】
<チューブ容器の製造方法>
次に、本開示の実施形態1に係るチューブ容器1の製造方法について説明する。図17は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の製造方法を示すフロー図である。図17に示すように、本実施形態に係るチューブ容器1の製造方法は、シート準備工程S1と、重ね合わせ工程S2と、超音波溶着工程S3と、注出部接合工程S4と、キャップ部取り付け工程S5と、端部接合工程S6とを備えている。
【0111】
シート準備工程S1においては、複数の層を互いに積層することで、シートSを準備する。たとえば、単層フィルムからなる第1基材層SL1と、バリア層BLが蒸着された単層フィルムからなる第2基材層SL2とを、ドライラミネートにより接着剤層ALで接合することで、シートSを準備してもよい。第1基材層SL1および第2基材層SL2を含む市販の積層フィルムを準備してもよい。
【0112】
図18は、重ね合わせ工程および超音波溶着工程におけるシートを示す模式的な図である。図18に示すように、重ね合わせ工程S2においては、準備されたシートSが、筒状に形成されつつ、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とが互いに重ね合わされる。
【0113】
超音波溶着工程S3においては、筒状に形成されたシートSの径方向内側および径方向外側のうち一方側に位置させた超音波ホーン5と、径方向内側および径方向外側のうち他方側に位置させたアンビル6とにより、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2を挟み込むことでこれらを互いに超音波溶着させる。このとき、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2は、超音波ホーン5からの超音波により振動されつつ、超音波ホーン5およびアンビル6によりシートSの厚さ方向に加圧される。本実施形態においては、超音波ホーン5がシートSの径方向外側に位置し、アンビル6がシートSの径方向内側に位置している。なお、超音波ホーン5がシートSの径方向内側に位置し、アンビル6がシートSの径方向外側に位置してもよい。
【0114】
超音波ホーン5およびアンビル6の少なくとも一方は、シートSを挟み込む際にシートSに押し付けるための凹凸形状51を有している。本実施形態においては、超音波ホーン5のみが凹凸形状51を有している。なお、超音波ホーン5およびアンビル6の両方が当該凹凸形状を有していてもよいし、アンビル6のみが凹凸形状を有していてもよい。
【0115】
本実施形態においては、凹凸形状51を有する超音波ホーン5が、筒状に形成されたシートSの径方向外側に位置し、アンビル6が、筒状形成されたシートSの径方向内側に位置する。このため、溶着部外周面123に、超音波ホーン5の凹凸形状51に沿うように凹凸が形成される。また、凹凸形状51を有する超音波ホーン5が、シートSの径方向内側に位置し、アンビル6が、シートSの径方向外側に位置してもよい。この場合、本実施形態の第1変形例のように、溶着部内周面124に、凹凸形状51に沿うように凹凸が形成される(図11参照)。また、本実施形態においては、この凹凸形状51の凸部511により、第2の側端部SE2が、複数の箇所において局所的に第1の側端部SE1に押し込まれる。これにより、溶着時において互いの樹脂成分が部分的に入り交じる。ひいては、第1の側端部SE1と第2の側端部SE2とが互いに強固に溶着される。
【0116】
凹凸形状51は、筒状に形成されたシートSの径方向から見て第1の側端部SE1および第2の側端部SE2の全体と重なるように位置する。これにより、本実施形態においては、溶着部12において、周方向DCの全体に凹凸が形成される。また、筒状に形成されたシートSの径方向から見て、筒状に形成されたシートSの周方向における凹凸形状51の幅寸法は、シートSにおいて第1の側端部SE1および第2の側端部SE2が互いに重なっている領域の幅寸法より大きいことが好ましい。これにより、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2が互いに重なっている領域の幅寸法の長さが設計寸法から変化したり、超音波ホーン5およびアンビル6の位置ずれが生じた場合においても、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2をより確実に互いに溶着させることができる。
【0117】
図19は、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の製造方法に使用される超音波ホーンを、アンビルとの対向方向から見た平面図である。図20は、図19の超音波ホーンをXX-XX線矢印方向から見た断面図である。
【0118】
図19および図20に示すように、凹凸形状51の凸部511の高さ寸法DHは、シートSの厚さの寸法より大きいことが好ましい。高さ寸法DHは、シートSの厚さの寸法の1.1倍以上でことがより好ましく、1.2倍以上であることがさらに好ましく、1.5倍以上であることが最も好ましい。凸部511にて第1の側端部SE1および第2の側端部SE2の重ね合わせた部分を局所的に加圧することで、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2との重ね合わせ面に、超音波による摩擦熱がかかりやすくなる。そして、高さ寸法DHがシートSの厚さの寸法より大きければ、溶融した第1の側端部SE1および第2の側端部SE2の両方が凸部511間に流れ込みやすくなる。ひいては、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2の境界面Bが、凹凸形状51に沿うように容易に変形する。これにより、上記境界面Bの面積が大きくなり、溶着部12にかかる剥離応力がより分散され、溶着部12の強度がより向上する。当該高さ寸法DHは、シートSの厚さの寸法の3倍以下であることが好ましい。高さ寸法DHが3倍以下であれば、凸部511がシートSを貫通することを抑制できる。高さ寸法DHは、たとえば300μm程度である。
【0119】
複数の凸部511の各々の形状は特に限定されないが、たとえば、略四角錐状であることが好ましい。また、複数の凸部511は、超音波ホーン5とアンビル6との対向方向から見て、一方向およびこれに直交する方向に沿って並ぶように位置している。これにより、溶着部12の凸部123Aが、格子状に形成される。
【0120】
複数の凸部511の頂点同士の離隔距離の寸法DWは、0.4mm以上2.0mm以下であることが好ましい。離隔距離の寸法DWが0.4mm以上であれば、シートSの樹脂成分がより流れこみやすくなる。離隔距離の寸法DWが2.0mm以下であれば、凸部511同士の間に流れ込んだ樹脂成分が凹凸形状51から漏出することを抑制できる。なお、凹凸形状51は、第1の側端部SE1および第2の側端部SE2の全体と重なるように形成されていなくてもよいが、これらの全体と重なるように形成されていることが好ましい。
【0121】
なお、凹凸形状51は、上述の形状に限定されない。図21は、本開示の実施形態1において凹凸形状の凸部が互いに接続されている超音波ホーンを示す平面図である。図21に示すように、上記対向方向から見て、複数の凸部511はそれぞれ最も近くに位置する凸部511と接続されていてもよい。すなわち、凸部511が、凹凸形状51全体に拡がる格子状に形成されていてもよい。この場合、凹凸形状51において凸部511で構成された格子の各交差点511Cは、0.4mm以上2.0mm以下の間隔で並んでいることが好ましい。これにより、シートSの樹脂成分が凹凸形状51の凹部により流れこみやすくなる。
【0122】
注出部接合工程S4においては、筒状体10に注出部20が接合される。本実施形態において、注出部20は、いわゆるインサート成形により筒状体10に接合される。図17に示すように、注出部接合工程S4は、筒状体配置工程S41と、射出成形工程S42とを有している。
【0123】
図22は、注出部接合工程において、インサート成形により注出部を筒状体に接合するときの金型および筒状体を示す模式的な断面図である。図22に示すように、筒状体配置工程S41においては、金型7の内部に筒状体10が配置される。具体的には、筒状体10の一方端部13が少なくとも金型7の内部に配置される。射出成形工程S42においては、内部に筒状体10の一方端部13が配置された状態で金型7内において筒状体10(の一方端部13)上に溶融した樹脂組成物を充填することで、筒状体10上に注出部20を射出成形する。
【0124】
なお、注出部接合工程S4においては、上記のインサート成形に代えて、いわゆる圧縮成型により注出部20が筒状体10に接合されてもよい。図23は、圧縮成形による注出部接合工程を示すフロー図である。図24は、圧縮成形により注出部を筒状体に接合するときの金型、成型材料および筒状体を示す模式的な断面図である。
【0125】
図23および図24に示すように、圧縮成形による注出部接合工程S4は、筒状体配置工程S41a、成形材料配置工程S42aおよび圧縮成形工程S43aを有する。筒状体配置工程S41aにおいては、第1の金型71a上に筒状体10が配置される。成形材料配置工程S42aにおいては、第1の金型71a上に樹脂組成物からなる成形材料Mが配置される。圧縮成形工程S43aにおいては、第1の金型71aと、成形材料Mを介して第1の金型71aと対向するように配置された第2の金型72aとにより成形材料Mを圧縮加工することで、筒状体10(の一方端部13)上に注出部20が圧縮成形される。
【0126】
さらに、注出部接合工程S4においては、上記のインサート成形および圧縮成形に代えて、超音波溶着により注出部20が筒状体10に接合されてもよい。超音波溶着により注出部20が筒状体10に接合される場合は、肩部22にも筒状体10の一方端部13が接合されることが好ましい。このため、当該超音波溶着においては、肩部22にも一方端部13が接合される場合について説明する。
【0127】
図25は、超音波溶着による注出部接合工程を示すフロー図である。図25に示すように、注出部20を接合する工程S4は、成形された注出部20を準備する工程S41bと、準備された注出部20を、筒状体10と超音波により溶着させる工程S42bとを有する。注出部20の成形方法は、射出成形または圧縮成形など、従来公知の方法を採用できる。
【0128】
図26は、超音波溶着により注出部を筒状体に接合するときに用いる装置を示す模式的な断面図である。図26に示すように、注出部超音波溶着工程S42bにおいては、注出部用アンビル81を筒状体10の内部に配置し、かつ、注出部用アンビル81の上部に注出部20を載置する。注出部用アンビル81の上部は、注出口21の内面、肩部22の内面、および延出部23の内面に沿う外形を有している。このため、注出部用アンビル81上の注出部20は容易に位置決めされる。また、筒状体10の一方端部13の径方向内側に、注出部20の延出部23のうち接合部231が少なくとも位置するように、注出部用アンビル81が配置される。筒状体10の径方向から見て、一方端部13は延出部23より上方に突出している。
【0129】
そして、筒状体10の一方端部13側から、筒状体10の軸方向に沿って、一方端部13に注出部用超音波ホーン82を押し当てる。このとき、一方端部13は、筒状体10の径方向内側に向かって折り曲がる。折り曲がった一方端部13は、肩部22の一部に沿うように位置する。肩部22の一部および延出部23の接合部231に沿って位置した一方端部13は、上述のように配置された注出部用アンビル81と、一方端部13を折り曲げた注出部用超音波ホーン82とによって挟み込まれる。この状態で、注出部20の肩部22の一部および接合部231と、一方端部13とが、注出部用超音波ホーン82により互いに超音波溶着される。
【0130】
キャップ部取り付け工程S5においては、予め成形されたキャップ部30を、注出部20に取り付ける。キャップ部30の成形方法は、射出成形または圧縮成形など、従来公知の方法を採用できる。端部接合工程S6においては、筒状体10の軸方向に直交する方向において互いに対向する一対のシートS同士を、他方端部14にて溶着させる。このとき、一対のシートSは、互いに超音波溶着させることが好ましい。
【0131】
このようにして、本実施形態に係るチューブ容器1が製造される。なお、内容物入りチューブ容器を製造する場合は、たとえば、注出部接合工程S4またはキャップ部取り付け工程S5の後、端部接合工程S6の前に、筒状体10の内部に他方端部14側から内容物を充填すればよい。
【0132】
本開示の実施形態1に係る筒状体10およびこれを備えたチューブ容器1は、リサイクル性に優れる。よって、本開示の実施形態1に係る筒状体10およびこれを備えたチューブ容器1は、SDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、プラスチックごみの削減に大きく貢献することができる。
【0133】
上述したように、本実施形態においては、接合部231が、外周側で筒状体10と接合している。先端部232は、接合部231から軸方向に沿って肩部側とは反対側に延びている。先端部232は、筒状体10と接合していない。先端部232は、筒状体10と離隔している。
【0134】
本実施形態に係るチューブ容器1が垂直落下したとき、落下地点とチューブ容器1(キャップ部30)との衝突による衝撃は、キャップ部30を介して注出口21に伝わる。注出口21に伝わったその衝撃は、上記軸方向において肩部22を介して延出部23に伝わる。当該延出部23に伝わった衝撃は、さらに、接合部231から筒状体10に伝わる。ここで、本実施形態に係るチューブ容器1においては、上記の構成により、上記軸方向に沿って伝わる上記衝撃が、接合部231から筒状体10に伝わるだけでなく、延出部23の先端部232にも伝わる。先端部232は筒状体10と接合されていないため、上記衝撃は先端部232の振動に変換され時間経過により減衰する。このため、接合部231から筒状体10へ伝わる衝撃は小さくなり、接合部231と筒状体10との接合端縁における集中応力も小さくなる。よって、上記衝撃によって筒状体10の破損が抑制される。
【0135】
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2に係るチューブ容器について説明する。本開示の実施形態2に係るチューブ容器は、延出部の先端縁に係る形状が主に、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の構成と異なっている。このため、本開示の実施形態1に係るチューブ容器と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0136】
図27は、本開示の実施形態2に係るチューブ容器の、キャップ部が取り外された状態を示す正面図である。図27に示すように、本開示の実施形態2に係るチューブ容器1dにおいて、延出部23dは、第1延出部23Aと、他方側に位置する第2延出部23Bとからなる。第1延出部23Aは、軸方向から見たときの延出部23dの幾何中心点を通りつつ軸方向に平行に延びる仮想平面VPに関して一方側に位置し、第2延出部23Bはその他方側に位置している。
【0137】
第1延出部23Aの重量は、第2延出部23Bの重量より大きい。当該構成によれば、第1延出部23Aの重量が第2延出部23Bの重量より大きくなるため、チューブ容器1dが垂直落下したときに、チューブ容器1全体が鉛直方向に関して第1延出部側に傾く。第1延出部側で傾いた状態で、チューブ容器1d(具体的にはキャップ部30)が落下地点と衝突する。このため、衝突による衝撃力のうち、軸方向への分力が小さくなる。このため、延出部23dを介して筒状体10へ伝わる衝撃も小さくなる。よって、上記衝撃によって筒状体10の破損がさらに抑制される。
【0138】
また、第1延出部23Aにおける先端縁234dが、第2延出部23Bにおける先端縁234dより、軸方向において肩部22から遠くに位置している。これにより、第1延出部23Aの重量を第2延出部23Bの重量と比較して容易に大きくすることができる。
【0139】
より具体的には、先端縁234dは、上記仮想平面に直交しない他の仮想平面に沿って延びている。これにより、第1延出部23Aの重量を第2延出部23Bの重量と比較してより容易に大きくすることができる。
【0140】
なお、第1延出部23Aの重量を、第2延出部23Bの重量より大きくするための構成は、上述の構成に限定されない。たとえば、先端縁234d全体が軸方向に直交する方向に延びる場合には、第1延出部23Aの厚みを、第2延出部23Bの厚みより厚くすることで、第1延出部23Aの重量を、第2延出部23Bの重量より大きくしてもよい。
【0141】
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3に係るチューブ容器について説明する。本開示の実施形態3に係るチューブ容器は、肩部の構成が、本開示の実施形態1に係るチューブ容器の構成と異なっている。このため、本開示の実施形態1に係るチューブ容器と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0142】
図28は、本開示の実施形態3に係るチューブ容器の部分断面図である。図28においては、図12と同様の断面視にて図示している。図29は、本開示の実施形態3における注出部を延出部側から見た底面図である。図30は、本開示の実施形態3における注出部を示す斜視図である。
【0143】
図28から図30に示すように、肩部22eの外表面221eまたは内表面222eには、凹部または凸部が形成されている。チューブ容器1が垂直落下して、落下地点とチューブ容器1(キャップ部30)が衝突したときの衝撃が、注出口21から肩部22eを介して延出部23に伝達される際に、肩部22eにおける衝撃の伝達方向を凹部または凸部によって乱れさせることができる。よって、延出部23へ伝わる衝撃を小さくできる。ひいては、接合部231から筒状体10へ伝わる衝撃も小さくなり、上記衝撃による筒状体10の破損がさらに抑制される。
【0144】
なお、本実施形態においては、肩部22eの外表面221eは滑らかに形成され、肩部22eの内表面222e上に凸部223eが形成されている。当該構成によれば、肩部22eの外表面221eが滑らかに形成されるため、肩部22eの手触り感が向上する。また、肩部22eの内表面222eに凸部223eが形成されるため、凹部が形成される場合と比較して肩部22eの厚さが薄くなりすぎることを抑制できる。ひいては、肩部22eの強度を向上できる。
【0145】
より具体的には、凸部223eは、リブ状に形成されている。凸部223eは、上記軸方向から見たときに注出口21を中心とする周方向に沿うように延びている。凸部223eは、上記軸方向から見て円環状に延びていてもよい。また、凸部223eは、凸部223eが延びる方向から見て、その角部が面取りされた形状を有しており、具体的には角部が曲面状に面取りされている(図28を参照)。これにより、注出部20が衝撃を受けた時に、凸部223eを起点として注出部20に亀裂が発生しないようすることができる。
【0146】
本実施形態において、肩部22eの内表面222eには、複数の凸部223eが形成されている。複数の凸部223eの各々は、上記軸方向から見て、注出口21を中心とする一の円に沿うように延び、かつ、互いに離隔していてもよい。ただし、上記軸方向から見て、ある径の円に沿うように延びる凸部223eは1つであることが好ましく、より好ましくは、ある径の円に沿うように1つの凸部223eが切れ目なく円環状に延びていることが好ましい。複数の凸部223eは、注出口21を中心とする径方向に並んで位置していてもよい。本実施形態において、複数の凸部223eの各々は、上記軸方向から見て、注出口21を中心として互いに径の異なる複数の仮想同心円のいずれかに沿って延びるように形成されている。上記軸方向から見て、複数の凸部223eの各々が、注出口21を中心として互いに同心円状となるように配置されつつ、切れ目のない円環状に形成されていることも好ましい。
【0147】
(実施形態4)
次に、本開示の実施形態4に係るチューブ容器について説明する。本開示の実施形態4に係るチューブ容器は、キャップ部の構成の一部のみが、本開示の実施形態1に係るチューブ容器1と異なっている。よって、本開示の実施形態1に係るチューブ容器1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0148】
図31は、本開示の実施形態4に係るチューブ容器を示す正面図である。図31に示すように、本開示の実施形態4に係るチューブ容器1fにおいては、天面部31fの外表面が、筒状体10の軸方向に直交する方向と非平行となるように延びている。
【0149】
上記の構成により、チューブ容器1が、垂直落下したときに、天面部31fのうち最も筒状体10から離れた部分が最初に落下地点に衝突する。このとき、天面部31fが受けた衝撃の一部は、傾斜した天面部31fの外表面に沿う方向にも分かれて伝わる。よって、当該衝撃が筒状体10と注出部20との接合箇所に伝わることを抑制できる。ひいては、上記衝撃による筒状体10の破損がさらに抑制される。
【0150】
より具体的には、環状端面部312fの外表面が、筒状体10の軸方向に直交する方向と非平行となるように平面状に延びている。
【0151】
(実施形態5)
次に、本開示の実施形態5に係るチューブ容器について説明する。本開示の実施形態5に係るチューブ容器は、キャップ部の構成の一部のみが、本開示の実施形態1に係るチューブ容器1と異なっている。よって、本開示の実施形態1に係るチューブ容器1と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0152】
図32は、本開示の実施形態5に係るチューブ容器の部分断面図である。図32においては、図12と同様の断面視にて図示している。図32に示すように、本開示の実施形態5に係るチューブ容器1gにおいては、天面部31gが、少なくとも1つの突出部315gをさらに有している。本実施形態においては、天面部31gが複数の突出部315gを有している。突出部315gは、筒状体10の軸方向から見てキャップ部30の中央を中心とする周方向に並んで配置されている。
【0153】
突出部315gは、筒状体10の軸方向に沿う方向であって環状端面部312gから外側に向かって突出している。これにより、チューブ容器1が垂直落下したときに、突出部315gが最初に落下地点に衝突する。このとき、突出部315gが当該衝撃により潰れることで、キャップ部30の他の部分に衝撃が伝搬することを抑制できる。ひいては、当該衝撃が筒状体10と注出部20との接合箇所に伝わることを抑制できる。
【0154】
(付記)
以上のように、本開示の実施形態は以下のような開示を含む。
【0155】
[構成1]
一枚のシート(S)を湾曲または屈曲させて、前記シート(S)の面方向(DP)における第1の側端部(SE1)と、該第1の側端部(SE1)の反対に位置する前記シート(S)の第2の側端部(SE2)とを、前記シート(S)の厚さ方向に互いに重ね合わせて溶着させることで形成された帯状の溶着部(12)を有する、筒状体(10)と、
前記筒状体(10)の軸方向における一方端部(13)に接合され、前記筒状体(10)に収容された内容物を注出可能な注出部(20)と、
前記注出部(20)に対して着脱可能に取り付けられたキャップ部(30)とを備え、
前記注出部(20)は、前記内容物を注出するための注出口(21)と、前記軸方向から見た時に前記注出口(21)を中心として前記注出口(21)から径方向に拡がる肩部(22)と、該肩部(22)から前記軸方向に沿って延出する延出部(23)とを有し、
前記延出部(23)は、外周側で前記筒状体(10)と接合する接合部(231)と、該接合部(231)から前記軸方向に沿って肩部側とは反対側に延びて前記筒状体(10)と接合していない先端部(232)とを有している、チューブ容器。
【0156】
[構成2]
前記先端部(232)が、前記筒状体(10)と離隔している、構成1に記載のチューブ容器。
【0157】
[構成3]
前記肩部(22e)の外表面(221e)または内表面(222e)には、凹部または凸部が形成されている、構成1または構成2に記載のチューブ容器。
【0158】
[構成4]
前記肩部(22e)の前記外表面(221e)は滑らかに形成され、前記肩部(22e)の前記内表面(222e)上に前記凸部(223e)が形成されている、構成3に記載のチューブ容器。
【0159】
[構成5]
前記キャップ部(30)は、前記注出口(21)に当接する天面部(31)と、前記軸方向から見たときの前記天面部(31)の周端縁から延びつつ前記注出部(20)の周りに位置する周側部(32)とを有し、
前記周側部(32)は、前記接合部(231)との間に前記筒状体(10)の前記一方端部(13)の少なくとも一部が位置するように構成されている、構成1から構成4のいずれか1つに記載のチューブ容器。
【0160】
[構成6]
前記キャップ部(30)は、前記注出口(21)に当接する天面部(31)と、前記軸方向から見たときの前記天面部(31)の周端縁から延びつつ前記注出部(20)の周りに位置する周側部(32)とを有し、
前記天面部(31)は、前記注出口(21)と嵌合する嵌合部(311)と、前記軸方向から見て前記嵌合部(311)を取り囲むように位置しつつ前記周側部(32)と連続する環状端面部(312)とを有し、
前記環状端面部(312)の少なくとも一部が、前記嵌合部(311)と比較して、前記軸方向において前記筒状体(10)からより離れて位置している、構成1から構成5のいずれか1つに記載のチューブ容器。
【0161】
[構成7]
前記キャップ部(30)は、前記注出口(21)に当接する天面部(31)と、前記軸方向から見たときの前記天面部(31)の周端縁から延びつつ前記注出部(20)の周りに位置する周側部(32)とを有し、
前記天面部(31)は、前記注出口(21)と嵌合する嵌合部(311)と、前記軸方向から見て前記嵌合部(311)を取り囲むように位置しつつ前記周側部(32)と連続する環状端面部(312)と、前記嵌合部(311)および前記環状端面部(312)を互いに接続する少なくとも1つの梁部(313)とを有する、構成1から構成6のいずれか1つに記載のチューブ容器。
【0162】
上記の実施形態においては、互いに組み合わせ可能な構成を適宜組み合わせてもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0163】
1,1d,1f,1g チューブ容器、10,10a 筒状体、11 シート基部、111 第1基端部、112 第2基端部、113 延在部、12 溶着部、121 第1先端縁、122 第2先端縁、123,123a 溶着部外周面、123A 凸部、124,124a 溶着部内周面、124A 凸部、13 一方端部、14 他方端部、20 注出部、21 注出口、211 接続端部、212 注出端部、213 被係止部、22,22e 肩部、221,221e 外表面、222,222e 内表面、223e 凸部、23,23d 延出部、23A 第1延出部、23B 第2延出部、231,231c 接合部、231A 段部、232,232b,232c 先端部、233 基端部、234,234d 先端縁、30 キャップ部、31,31f,31g 天面部、311 嵌合部、311A 係止部、312,312f,312g 環状端面部、313 梁部、313A 貫通孔、315g 突出部、32 周側部、321 リブ、5 超音波ホーン、51 凹凸形状、511 凸部、511C 交差点、6 アンビル、7 金型、71a 第1の金型、72a 第2の金型、81 注出部用アンビル、82 注出部用超音波ホーン、AL 接着剤層、AL2 第2の接着剤層、B 境界面、BL バリア層、M 成形材料、S シート、SB 境界部、SE1 第1の側端部、SE2 第2の側端部、SL1 第1基材層、SL2 第2基材層、SL3 第3基材層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図20
図21
図22
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32