(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039232
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】サーバ冷却システム
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240314BHJP
H05K 7/18 20060101ALI20240314BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H05K7/20 Q
H05K7/20 H
H05K7/20 U
H05K7/18 K
G06F1/20 A
G06F1/20 B
G06F1/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143625
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】原 伸英
(72)【発明者】
【氏名】大谷 雄一
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA07
5E322AA11
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
5E322DA01
5E322DB06
5E322EA05
5E322FA01
(57)【要約】
【課題】コンパクト化を達成しつつ、発熱体を効率良く冷却することができるサーバ冷却システムを提供する。
【解決手段】サーバ冷却システムは、ラックと、ラック内に上下方向に配列されるように収容され、それぞれ発熱体を有する複数のサーバと、各発熱体を冷却可能な冷却装置と、を備え、冷却装置は、各サーバの発熱体に対応するように複数設けられて、対応する発熱体に接触するコールドプレートと、各コールドプレートにそれぞれ冷媒を供給する冷媒供給路と、各コールドプレートを経由した冷媒を排出する冷媒排出路と、各冷媒排出路を経由した冷媒を冷却して、冷媒供給路に導入する冷却部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックと、
前記ラック内に上下方向に配列されるように収容され、それぞれ発熱体を有する複数のサーバと、
各前記発熱体を冷却可能な冷却装置と、
を備え、
前記冷却装置は、
各前記サーバの前記発熱体に対応するように複数設けられて、対応する前記発熱体に接触するコールドプレートと、
各前記コールドプレートにそれぞれ冷媒を供給する冷媒供給路と、
各前記コールドプレートを経由した前記冷媒を排出する冷媒排出路と、
各前記冷媒排出路を経由した前記冷媒を冷却して、前記冷媒供給路に導入する冷却部と、
を有するサーバ冷却システム。
【請求項2】
各前記コールドプレートは、複数の前記発熱体に接するように設けられ、
複数の前記コールドプレートは、
前記冷媒が単相の状態で流れる単相コールドプレートと、
前記単相コールドプレートと前記冷媒の流れる方向に直列に接続されて、前記冷媒が沸騰して前記冷媒が液相と気相の二相の状態で流れる沸騰コールドプレートと、
を含む請求項1に記載のサーバ冷却システム。
【請求項3】
前記単相コールドプレートは、前記沸騰コールドプレートよりも前記冷媒供給路側に設けられ、前記冷媒が液相の状態で流れる、請求項2に記載のサーバ冷却システム。
【請求項4】
前記単相コールドプレートは、前記沸騰コールドプレートよりも前記冷媒排出路側に設けられ、前記冷媒が気相の状態で流れる、請求項2に記載のサーバ冷却システム。
【請求項5】
前記冷却装置は、
前記ラックに併設されて、前記発熱体を通過させるように空気を引き込むファンと、
前記ラックと前記ファンとの間に設けられ、前記発熱体を通過した空気を冷却する第二冷却部と、
を有し、
前記第二冷却部は、前記第二冷却部の周囲の空気と熱交換を行う第二冷媒が流れる冷却コイルを有する、請求項1に記載のサーバ冷却システム。
【請求項6】
前記冷却部は、前記冷却コイルに設けられ、前記冷媒と前記第二冷媒とで熱交換を行う、前記請求項5に記載のサーバ冷却システム。
【請求項7】
前記冷却部は、前記ファンの上方に位置する、請求項5に記載のサーバ冷却システム。
【請求項8】
前記冷却装置は、前記ラックの天板に設けられて、前記ラック内の空気を上方に排出する第二ファンを有し、
前記冷却部は、前記ラック内の全ての前記サーバの上方であって、前記第二ファンの下方に設けられている、請求項5に記載のサーバ冷却システム。
【請求項9】
前記冷却部は、全ての前記サーバの上方に設けられ、
前記冷却装置は、
前記第二冷却部と連通して前記第二冷媒を前記冷却部に導く供給連通管と、
前記冷却部と連通して前記冷却部から前記第二冷媒を排出する排出連通管と、
を有する、請求項5に記載のサーバ冷却システム。
【請求項10】
前記ラックは、複数設けられ、
前記冷却装置は、
複数の前記ラック内の前記サーバのそれぞれに設けられた各前記冷媒供給路と一の前記冷却部とを接続し、前記冷却部で冷却された前記冷媒を各前記冷媒供給路に分配する分配流路と、
複数の前記ラック内の前記サーバのそれぞれに設けられた各前記冷媒排出路と一の前記冷却部とを接続し、各前記冷媒排出路から前記冷媒を集めて一の前記冷却部に前記冷媒を導く集合流路と、
を有する、請求項1に記載のサーバ冷却システム。
【請求項11】
前記ラックよりも上方に位置し、内部を空気が流れるダクトをさらに備え、
前記冷却部は、前記ダクト内に設けられている、請求項10に記載のサーバ冷却システム。
【請求項12】
前記冷却装置は、
前記冷却部に前記冷媒を冷却する第三冷媒を供給する第三冷媒供給路と、
前記冷却部から前記第三冷媒を排出する第三冷媒排出路と、
を有する、請求項11に記載のサーバ冷却システム。
【請求項13】
前記冷却部は、前記ダクト内を流れる空気によって前記冷媒を冷却する、請求項11に記載のサーバ冷却システム。
【請求項14】
前記冷却部は、前記ラック同士の間に設けられている、請求項10に記載のサーバ冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバは、メモリ類や、GPU、CPUチップ等の発熱体を有する。サーバ内の発熱体を冷却する方式として、例えばラックに冷却コイルを設置し、風を流して冷却するリアドア方式(例えば特許文献1参照)や、チップ(発熱体)に受熱装置を設置し、この受熱装置に冷媒を供給してチップを冷却するチップ冷却方式(例えば特許文献2参照)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6649098号公報
【特許文献2】特許第5949924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リアドア方式では、例えば1チップ当たり100Wを超える高負荷の発熱体を冷却する場合、大風量の空気を流す必要がある。このため、消費電力が増大し、冷却効率化が悪くなる。一方で、チップ冷却方式では、発熱体毎に冷却デバイスを設置する必要がある。このため、発熱体の数が多いと部品点数が多くなり、冷却システムをコンパクトに設計することができない。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、コンパクト化を達成しつつ、発熱体を効率良く冷却することができるサーバ冷却システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示に係るサーバ冷却システムは、ラックと、前記ラック内に上下方向に配列されるように収容され、それぞれ発熱体を有する複数のサーバと、各前記発熱体を冷却可能な冷却装置と、を備え、前記冷却装置は、各前記サーバの前記発熱体に対応するように複数設けられて、対応する前記発熱体に接触するコールドプレートと、各前記コールドプレートにそれぞれ冷媒を供給する冷媒供給路と、各前記コールドプレートを経由した前記冷媒を排出する冷媒排出路と、各前記冷媒排出路を経由した前記冷媒を冷却して、前記冷媒供給路に導入する冷却部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示のサーバ冷却システムによれば、コンパクト化を達成しつつ、発熱体を効率良く冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の第一実施形態に係るサーバ冷却システムの構成図である。
【
図2】本開示の第一実施形態に係るサーバの内部を示す図である。
【
図3】本開示の第一実施形態の変形例に係るサーバの内部を示す図である。
【
図4】本開示の第二実施形態に係るサーバ冷却システムを斜方から見た構成図である。
【
図5】本開示の第二実施形態に係るサーバ冷却システムを側方から見た構成図である。
【
図6】本開示の第二実施形態の第一変形例に係るサーバ冷却システムの構成図である。
【
図7】本開示の第二実施形態の第二変形例に係るサーバ冷却システムの構成図である。
【
図8】本開示の第二実施形態の第三変形例に係るサーバ冷却システムの構成図である。
【
図9】本開示の第三実施形態に係るサーバ冷却システムの配置図である。
【
図10】本開示の第三実施形態に係るサーバ冷却システムの構成図である。
【
図11】本開示の第三実施形態の第一変形例に係るサーバ冷却システムの配置図である。
【
図12】本開示の第三実施形態の第二変形例に係るサーバ冷却システムの配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第一実施形態>
以下、本開示の実施形態に係るサーバ冷却システム1について、
図1、
図2を参照して説明する。サーバ冷却システム1は、例えばデータセンターのサーバ20に使用される。
図1に示すように、サーバ冷却システム1は、ラック10と、複数のサーバ20と、冷却装置2と、を備える。
【0010】
(ラック)
ラック10は、上下方向D1に延びる形状をなしている。ラック10は、複数のサーバ20を上下方向D1に配列して収容可能とされている。ラック10は、フレーム11と、底板12と、側板13と、天板14と、を備える。
【0011】
フレーム11は、直方体状をなしている。
底板12は、フレーム11の底部に設けられ、ラック10の底部をなしている。
側板13は、フレーム11の側部に設けられている。側板13は、上下方向D1に垂直な方向に一対対向するように設けられている。一対の側板13の下端同士は、底板12によって接続されている。
天板14は、フレーム11の上部に設けられている。天板14は、一対の側板13の上端同士を接続している。
【0012】
以下、一対の側板13同士の対向方向を「左右方向D2」とし、上下方向D1及び左右方向D2に垂直な方向を「前後方向D3」とする。
【0013】
(サーバ)
複数のサーバ20は、ラック10内に上下方向D1に配列されるように収容されている。本実施形態では、サーバ20は、ラック10内に例えば5つ収容されている。なお、ラック10内に収容されるサーバ20の個数は適宜変更可能である。
図2に示すように、サーバ20は、ケーシング21と、基板22と、発熱体23と、を備える。
【0014】
(ケーシング)
ケーシング21は、水平方向に延在する直方体状に形成されている。ケーシング21は、側板13に固定されている。ケーシング21の前面及び後面には、ケーシング21を貫通する複数の通気孔24が設けられている(
図1参照)。ケーシング21内には、基板22及び発熱体23が収容されている。
【0015】
(基板)
基板22は、複数の電子部品が設置されたプリント基板である。基板22は、水平方向に延在している。
【0016】
(発熱体)
発熱体23は、基板22上に設置された電子部品である。発熱体23は、基板22上に複数設けられている。複数の発熱体23は、発熱量が比較的少ない低温発熱体23aと、発熱量が比較的多い高温発熱体23bと、を含む。
【0017】
低温発熱体23aは、例えば100W以下の低負荷の発熱体23である。低温発熱体23aの例として、メモリ類等が挙げられる。低温発熱体23aは、例えば前後方向D3後側に複数設けられている。複数の低温発熱体23aは、左右方向D2に延びる列を形成するように配置されている。低温発熱体23aの列は、前後方向D3に並んで二列形成されている。
【0018】
高温発熱体23bは、例えば100Wを超える高負荷の発熱体23である。高温発熱体23bの例として、CPUやGPU等のチップが挙げられる。高温発熱体23bは、例えば前後方向D3前側に複数設けられている。複数の高温発熱体23bは、左右方向D2に延びる列を形成するように配置されている。高温発熱体23bの列は、前後方向D3に並んで二列形成されている。
【0019】
(冷却装置)
冷却装置2は、サーバ20内の各発熱体23を冷却可能とされている。冷却装置2は、コールドプレート30と、冷媒供給路40と、冷媒接続路50と、冷媒排出路60と、冷却部70と、を有する。
【0020】
(コールドプレート)
コールドプレート30は、各サーバ20の発熱体23に対応するように複数設けられている。コールドプレート30は、対応する発熱体23に接触する。
【0021】
各コールドプレート30は、複数の発熱体23に跨って接するように設けられている。コールドプレート30は、水平方向に延在する矩形板状に形成されている。コールドプレート30は、左右方向D2に延びている。コールドプレート30は、例えばAM(Additive Manufacturing)技術によって製造される。コールドプレート30には、発熱体23と対向する面に溝部(不図示)が形成されて、この溝に発熱体23が嵌め込まれている。コールドプレート30の内部には、発熱体23を冷却するための冷媒R1が封入される。
【0022】
冷媒R1として、例えば水やフロリナート等が挙げられる。コールドプレート30には冷媒供給路40から冷媒R1が供給され、コールドプレート30から冷媒排出路60を通じて冷媒R1が排出される。
【0023】
複数のコールドプレート30は、単相コールドプレート30aと、沸騰コールドプレート30bと、を含む。
【0024】
単相コールドプレート30aでは、冷媒R1が単相の状態で流れる。本実施形態では、単相コールドプレート30aは、冷媒R1の流れ方向で沸騰コールドプレート30bよりも冷媒供給路40側に設けられている。単相コールドプレート30aは、低温発熱体23aの各列に設けられている。単相コールドプレート30aは、対応する低温発熱体23aの列に沿うように配置されている。単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が低温発熱体23aからの熱を受けて、沸騰することなく液相の状態で流れる。
【0025】
沸騰コールドプレート30bは、単相コールドプレート30aと冷媒R1の流れる方向に直列に接続されている。沸騰コールドプレート30bは、高温発熱体23bの各列に設けられている。沸騰コールドプレート30bは、対応する高温発熱体23bの列に沿うように配置されている。沸騰コールドプレート30bでは、冷媒R1が高温発熱体23bからの熱を受けて沸騰する。このため、沸騰コールドプレート30bでは、冷媒R1が液相と気相の二相の状態で流れる。
【0026】
(冷媒供給路)
冷媒供給路40は、各コールドプレート30にそれぞれ冷媒R1を供給する。冷媒供給路40は、上下方向D1に並んで複数設けられている。冷媒供給路40は、サーバ20毎にそれぞれ設けられている。冷媒供給路40は、冷媒供給ヘッダ41と、冷媒供給分岐管42と、を備える。
【0027】
冷媒供給ヘッダ41は、冷却部70と接続されている。冷媒供給ヘッダ41には、冷却部70から冷媒R1が供給される。冷媒供給ヘッダ41は、サーバ20のケーシング21を貫通している。
【0028】
冷媒供給分岐管42は、各冷媒供給ヘッダ41に複数設けられている。冷媒供給分岐管42は、ケーシング21内の複数のコールドプレート30に接続されている。冷媒供給分岐管42は、冷媒供給ヘッダ41から接続先の各コールドプレート30に冷媒R1を供給する。本実施形態では、冷媒供給分岐管42は、複数のコールドプレート30のうち単相コールドプレート30aに接続されている。冷媒供給分岐管42は、単相コールドプレート30a毎に1本ずつ設けられている。冷媒供給分岐管42は、対応する単相コールドプレート30aの長手方向中央部に接続されている。
【0029】
(冷媒接続路)
冷媒接続路50は、単相コールドプレート30aの長手方向中央部と沸騰コールドプレート30bの長手方向中央部とを接続している。本実施形態では、冷媒接続路50は、単相コールドプレート30aから沸騰コールドプレート30bに冷媒R1を導く。
【0030】
(冷媒排出路)
冷媒排出路60は、各コールドプレート30を経由した冷媒R1を排出する。冷媒排出路60は、上下方向D1に並んで複数設けられている。冷媒排出路60は、サーバ20毎にそれぞれ設けられている。冷媒排出路60は、冷媒排出ヘッダ61と、冷媒排出分岐管62と、を備える。
【0031】
冷媒排出ヘッダ61は、冷却部70と接続されている。冷媒排出ヘッダ61は、サーバ20のケーシング21を貫通している。
【0032】
冷媒排出分岐管62は、各冷媒排出ヘッダ61に複数設けられている。冷媒排出分岐管62は、ケーシング21内の複数のコールドプレート30に接続されている。冷媒排出分岐管62は、接続先の各コールドプレート30から冷媒排出ヘッダ61に冷媒R1を排出する。冷媒排出ヘッダ61に排出された冷媒R1は、冷却部70に導かれる。本実施形態では、冷媒排出分岐管62は、複数のコールドプレート30のうち沸騰コールドプレート30bに接続されている。冷媒排出分岐管62は、沸騰コールドプレート30b毎に1本ずつ設けられている。冷媒排出分岐管62は、対応する沸騰コールドプレート30bの長手方向中央部に接続されている。一のサーバ20について、冷媒排出分岐管62とコールドプレート30との接続口は、冷媒供給分岐管42とコールドプレート30との接続口よりも上方に位置することが望ましい。
【0033】
(冷却部)
冷却部70は、各冷媒排出路60を経由した冷媒R1を冷却して、冷却した冷媒R1を各冷媒供給路40に導入する。冷却部70は、例えば縦置きの冷却水循環装置(CDU:Coolant Distribution Unit)である。冷却部70は、冷却装置2の冷却サイクル内の冷媒R1の圧損を低減させる観点から、ラック10と接近して配置させることが望ましい。冷却部70は、冷却部ケーシング71と、熱交換器72と、第一メインヘッダ73と、第一接続管74と、第二メインヘッダ75と、第二接続管76と、ポンプ77と、を有する。
【0034】
冷却部ケーシング71には、熱交換器72、第一メインヘッダ73、第一接続管74、第二メインヘッダ75、第二接続管76、及びポンプ77が収容されている。本実施形態では、冷却部ケーシング71は、上下方向D1に延びる直方体状に形成されている。
【0035】
熱交換器72は、各冷媒排出路60からの冷媒R1を冷却し、凝縮する凝縮器である。本実施形態の熱交換器72には、冷却水Wが供給される。熱交換器72は、冷却水Wと冷媒R1と熱交換を行うことにより、冷媒R1を冷却する。熱交換器72は、冷却部ケーシング71内の上部に設けられている。
【0036】
第一メインヘッダ73は、熱交換器72に接続されている。第一メインヘッダ73には、複数の冷媒供給路40が接続されている。第一メインヘッダ73は、熱交換器72で冷却された冷媒R1を各冷媒供給路40に導く。第一メインヘッダ73は、上下方向D1に延びている。本実施形態では、第一メインヘッダ73の下端が、熱交換器72と第一接続管74によって接続されている。
【0037】
第二メインヘッダ75は、熱交換器72に接続されている。第二メインヘッダ75には、複数の冷媒排出路60が接続されている。第二メインヘッダ75は、各コールドプレート30を通過して加熱され、各冷媒排出路60を通じて排出された冷媒R1を熱交換器72に導く。第二メインヘッダ75は、上下方向D1に延びている。本実施形態では、第二メインヘッダ75の上端が、熱交換器72と第二接続管76によって接続されている。
【0038】
ポンプ77は、熱交換器72で冷却された冷媒R1を各冷媒供給路40に向けてに圧送する。ポンプ77は、冷却部ケーシング71内の下部であって、第一接続管74に設けられている。
【0039】
(冷媒の循環)
続いて、サーバ冷却システム1内の冷媒R1の循環について説明する。
まず、冷却部70内の液相の冷媒R1がポンプ77によって圧送され、第一メインヘッダ73によって各冷媒供給路40に分配される。冷媒R1は、冷媒供給ヘッダ41によって各冷媒供給分岐管42にさらに分配され、接続先のコールドプレート30に分配される。コールドプレート30では、冷媒R1は発熱体23と熱交換を行う。これにより、発熱体23は冷却され、冷媒R1は加熱される。
【0040】
本実施形態では、冷媒供給分岐管42からの冷媒R1は、まず単相コールドプレート30aに供給される。単相コールドプレート30aでは、冷媒R1が液相のまま低温発熱体23aと熱交換を行う。これにより、低温発熱体23aは冷却され、冷媒R1は加熱される。
【0041】
その後、冷媒R1は、冷媒接続路50を通って下流側の沸騰コールドプレート30bに供給される。沸騰コールドプレート30bでは、冷媒R1は高温発熱体23bと熱交換を行う。これにより、高温発熱体23bは冷却され、冷媒R1は加熱される。この時、沸騰コールドプレート30b内の一部の冷媒R1は、高温発熱体23bの熱によって沸騰し、蒸発する。このため、沸騰コールドプレート30b内では、冷媒R1は、液相と気相の二相で存在する。
【0042】
コールドプレート30を通過した冷媒R1は、冷媒排出路60を通じて冷却部70に戻される。各冷媒排出路60を通じて排出された冷媒R1は、第二メインヘッダ75に集められる。第二メインヘッダ75内の冷媒R1は、第二接続管76を通って熱交換器72に導かれる。
【0043】
熱交換器72では、冷媒R1と冷却水Wとによって熱交換が行われる。これにより、コールドプレート30で加熱された冷媒R1が冷却される。これにより、気相の冷媒R1が凝縮されて、液相となる。熱交換器72内の液相の冷媒R1は、第一接続管74によって再び第一メインヘッダ73に導かれ、各冷媒供給路40に分配される。このようにして、冷媒R1はサーバ冷却システム1内を循環する。
【0044】
(作用効果)
本実施形態のサーバ冷却システム1によれば、以下の作用効果が発揮される。
本実施形態では、サーバ冷却システム1は、各発熱体23を冷却可能な冷却装置2を備える。冷却装置2は、コールドプレート30と、冷媒供給路40と、冷媒排出路60と、冷却部70と、を有する。コールドプレート30は、各サーバ20の発熱体23に対応するように複数設けられて、対応する発熱体23に接触する。冷媒供給路40は、各コールドプレート30にそれぞれ冷媒R1を供給する。冷媒排出路60は、各コールドプレート30を経由した冷媒R1を排出する。冷却部70は、各冷媒排出路60を経由した冷媒R1を冷却して、冷媒供給路40に導入する。
【0045】
冷媒R1は、各コールドプレート30内で発熱体23と熱交換を行い、発熱体23の熱を吸収する。これにより、発熱体23は冷却され、冷媒R1は加熱される。本実施形態では、加熱された冷媒R1は、各冷媒排出路60を通じて冷却部70に導かれる。冷媒R1は、冷却部70によって冷却され、冷媒供給路40を通じて再び各コールドプレート30に供給される。このように、各コールドプレート30で加熱された冷媒R1は、冷却部70でまとめて冷却される。このように、本実施形態によれば、コンパクト化を達成しつつ、発熱体23を効率良く冷却することができる。
【0046】
本実施形態では、各コールドプレート30は、複数の発熱体23に接するように設けられている。複数のコールドプレート30は、冷媒R1が単相の状態で流れる単相コールドプレート30aと、冷媒R1が沸騰して冷媒R1が液相と気相の二相の状態で流れる沸騰コールドプレート30bと、を含む。沸騰コールドプレート30bは、単相コールドプレート30aと冷媒R1の流れる方向に直列に接続されている。
【0047】
上記構成により、コールドプレート30は複数の発熱体23に接している。このため、発熱体23毎にコールドプレート30が1つずつ設けられている場合と比較して、コールドプレート30の数を削減することができる。よって、サーバ冷却システム1の部品点数を削減することができる。さらに、複数のコールドプレート30は、直列に接続された単相コールドプレート30aと沸騰コールドプレート30bとを含む。これにより、サーバ冷却システム1は、冷媒R1と発熱体23との熱交換を段階的に行うことができる。これにより、サーバ冷却システム1は、冷却対象の発熱体23の配置に合わせて冷媒R1をカスケード利用することができる。よって、サーバ冷却システム1の冷却効率をより一層向上させることができる。
【0048】
本実施形態では、単相コールドプレート30aは、沸騰コールドプレート30bよりも冷媒供給路40側に設けられ、冷媒R1が液相の状態で流れる。
【0049】
上記構成では、単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が液相の状態で発熱体23と熱交換を行う。その後、冷媒R1は、単相コールドプレート30aを通過して沸騰コールドプレート30bに供給される。冷媒R1は、沸騰コールドプレート30b内で発熱体23から熱を受けて沸騰し、蒸発する。これにより、沸騰コールドプレート30bでは、発熱体23から冷媒R1の気化熱が奪われるため、発熱体23が強力に冷却される。
本実施形態では、メモリ類等の低温発熱体23aに単相コールドプレート30aが設けられ、CPUやGPUのチップ等の高温発熱体23bに沸騰コールドプレート30bが設けられている。このため、低温発熱体23aの冷却を液相の冷媒R1で行った後、高温発熱体23bの冷却を冷媒R1の気化によって冷却することができる。よって、サーバ冷却システム1は、発熱量の異なる発熱体23を十分かつ、効率良く冷却することができる。
【0050】
(第一実施形態の変形例)
続いて、第一実施形態の変形例に係るサーバ冷却システム1Aについて、
図3を参照して説明する。
図3に示すように、本変形例の冷却装置2Aでは、低温発熱体23aは、例えば前後方向D3前側に複数設けられている。高温発熱体23bは、例えば前後方向D3後側に複数設けられている。このため、複数のコールドプレート30のうち、単相コールドプレート30aが前後方向D3前側に設けられ、沸騰コールドプレート30bが前後方向D3後側に設けられている。
【0051】
沸騰コールドプレート30bには、冷媒供給路40が接続されている。沸騰コールドプレート30bでは、冷媒供給路40から供給された冷媒R1が高温発熱体23bからの熱を受けて沸騰する。このため、沸騰コールドプレート30bでは、冷媒R1が液相と気相の二相の状態で流れる。液相の冷媒R1は、沸騰コールドプレート30bで完全に気相に変化する。
【0052】
本変形例では、単相コールドプレート30aは、冷媒R1の流れ方向で沸騰コールドプレート30bよりも冷媒排出路60側に設けられている。単相コールドプレート30aには、冷媒排出路60が接続されている。単相コールドプレート30aには、沸騰コールドプレート30bを通過して完全に気化した冷媒R1が供給される。単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が、気相の状態で流れる。
【0053】
本変形例のサーバ冷却システム1Aによれば、以下の作用効果が発揮される。
本変形例では、単相コールドプレート30aは、沸騰コールドプレート30bよりも冷媒排出路60側に設けられ、冷媒R1が気相の状態で流れる。
【0054】
上記構成では、沸騰コールドプレート30b内では、発熱体23から熱を受けて沸騰し、蒸発する。その後、気相の冷媒R1が単相コールドプレート30aに供給される。このため、単相コールドプレート30a内では、気相の冷媒R1が流れる。これにより、単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が高流速で流れる。このため、単相コールドプレート30aに接続される低温発熱体23aは、より一層効率良く冷却される。
【0055】
<第二実施形態>
以下、本開示の第二実施形態に係るサーバ冷却システム201について、
図4、
図5を参照して説明する。前述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0056】
(サーバ冷却システム)
図4、
図5に示すように、本実施形態のサーバ冷却システム201は、ラック10と、複数のサーバ20と、冷却装置202と、を備える。本実施形態では、サーバ20は、ラック10内の上部に空間を空けて、複数(例えば4つ)設けられている。各サーバ20は、複数の発熱体23を有する。複数の発熱体23は、低温発熱体23aと、高温発熱体23bと、を含む。
なお、
図4では、冷却装置202の構成の一部が省略されている。
【0057】
(冷却装置)
冷却装置202は、コールドプレート230と、冷媒供給路240と、冷媒排出路260と、冷却部270と、ファンケーシング203と、ファン204と、第二冷却部280と、第一接続ヘッダ205と、第二接続ヘッダ206と、を有する。
【0058】
(コールドプレート)
コールドプレート230は、各サーバ20の発熱体23に対応するように複数設けられている。コールドプレート230は、対応する発熱体23に接触している。本実施形態では、コールドプレート230は、発熱体23のうち高温発熱体23bに設けられている。
【0059】
(冷媒供給路)
冷媒供給路240は、サーバ20毎に設けられている。冷媒供給路240は、対応する各コールドプレート230に接続され、冷却部270から各コールドプレート230にそれぞれ冷媒R1を供給する。本実施形態では、冷媒供給路240は、水平方向に延びている。
【0060】
(冷媒排出路)
冷媒排出路260は、サーバ20毎に設けられている。冷媒排出路260は、対応する各コールドプレート230に接続され、各コールドプレート230を経由した冷媒R1を冷却部270に排出する。
また、一のサーバ20について、冷媒排出路260とコールドプレート230との接続口は、冷媒供給路240とコールドプレート230との接続口よりも上方に位置することが望ましい。
【0061】
(冷却部)
冷却部270は、各冷媒排出路260を経由した冷媒R1を冷却して、冷媒供給路240に導入する。冷却部270の詳細な構成については、後述する。
【0062】
(ファンケーシング)
ファンケーシング203は、ラック10の後方に配置されている。ファンケーシング203は、上下方向D1に延びる直方体状に形成され、前後方向D3両側に開口している。
【0063】
(ファン)
ファン204は、ファンケーシング203内に上下方向D1に並んで複数設けられている。ファン204は、ラック10に併設されている。ファン204は、少なくともサーバ20毎に設けられ、対応するサーバ20と前後方向D3に対向するように配置されている。本実施形態では、ファン204は、ラック10内上部のサーバ20が配置されていない空間と前後方向D3に重なる上下方向D1位置にも配置されている。ファン204は、サーバ20内の発熱体23を通過させるように空気Aを引き込む。
【0064】
(第二冷却部)
第二冷却部280は、ラック10とファン204との間に設けられている。第二冷却部280は、発熱体23を通過した空気Aを冷却する。第二冷却部280は、冷却コイル281を有する。
【0065】
(冷却コイル)
冷却コイル281は、ファンケーシング203の前側の開口に設置されている。冷却コイル281は、上下方向D1及び左右方向D2に延在している。冷却コイル281は、例えばフィンチューブ型の冷却コイルである。冷却コイル281には、第二冷却部280の周囲の空気Aと熱交換を行う第二冷媒R2が流れる。第二冷媒R2として、例えば水等が挙げられる。
【0066】
(冷却部の構成)
冷却部270は、冷却コイル281に設けられ、冷媒R1と冷却コイル281を流れる第二冷媒R2とで熱交換を行い、冷媒R1を冷却する。冷却部270は、ジャケット271を有する。
【0067】
(ジャケット)
ジャケット271は、ラック10内上部のサーバ20が配置されていない空間と前後方向D3に重なる上下方向D1位置に配置されている。ジャケット271内部には、冷却コイル281の一部が配置されている。ジャケット271には、後述する第一接続ヘッダ205及び第二接続ヘッダ206を介して、各冷媒供給路240及び各冷媒排出路260が接続されている。ジャケット271内には、冷媒排出路260を通じて排出された冷媒R1が供給される。ジャケット271内では、冷媒R1と冷却コイル281内の第二冷媒R2とで熱交換が行われ、冷媒R1が冷却される。ジャケット271内で冷却された冷媒R1は、各冷媒供給路240から各サーバ20に供給される。
【0068】
(第一接続ヘッダ)
第一接続ヘッダ205は、ジャケット271と、複数の冷媒供給路240とを接続している。第一接続ヘッダ205は、ジャケット271内で冷却された冷媒R1を各冷媒供給路240に導く。第一接続ヘッダ205は、上下方向D1に延びている。
【0069】
(第二接続ヘッダ)
第二接続ヘッダ206は、ジャケット271と、複数の冷媒排出路260とを接続している。第二接続ヘッダ206は、各コールドプレート30を通過して加熱され、各冷媒排出路260を通じて排出された冷媒R1を、ジャケット271内に導く。第二接続ヘッダ206は、上下方向D1に延びている。
【0070】
(冷媒の循環)
続いて、サーバ冷却システム201内の冷媒R1の循環について説明する。
まず、ジャケット271内の冷媒R1が、第一接続ヘッダ205によって各冷媒供給路240に分配される。冷媒R1は、各冷媒供給路240の接続先のコールドプレート230に供給される。コールドプレート230では、冷媒R1は発熱体23と熱交換を行う。これにより、発熱体23は冷却され、冷媒R1は加熱される。
【0071】
各コールドプレート230を通過した冷媒R1は、冷媒排出路260によって第二接続ヘッダ206に集められる。そして、冷媒R1は、ジャケット271に戻される。
【0072】
ジャケット271内では、冷媒R1と第二冷媒R2とによって熱交換が行われる。これにより、コールドプレート230で加熱された冷媒R1が冷却される。ジャケット271内の液相の冷媒R1は、再び各冷媒供給路240に分配される。このようにして、冷媒R1はサーバ冷却システム201内を循環する。
【0073】
なお、冷媒R1は、コールドプレート230内で沸騰して気化し、ジャケット271内で凝縮されて、サーバ冷却システム201のサイクル内を液相と気相の二相で循環してもよい。この場合、コールドプレート230内で生じる気相の冷媒R1の上昇流によって、冷媒R1はサーバ冷却システム201内を自然循環する。一方で、冷媒R1は、コールドプレート230内で沸騰せずに、サーバ冷却システム201のサイクル内を単相で循環してもよい。この場合、サーバ冷却システム201内の、例えば第一接続ヘッダ205に冷媒R1を圧送するポンプ(不図示)を設置して、冷媒R1を強制的に循環させてもよい。
【0074】
(作用効果)
本実施形態のサーバ冷却システム201によれば、以下の作用効果が発揮される。
本実施形態では、冷却装置202は、ファン204と、第二冷却部280と、を有する。ファン204は、ラック10に併設されて、発熱体23を通過させるように空気Aを引き込む。第二冷却部280は、ラック10とファン204との間に設けられ、発熱体23を通過した空気Aを冷却する。第二冷却部280は、第二冷却部280の周囲の空気Aと熱交換を行う第二冷媒R2が流れる冷却コイル281を有する。
【0075】
上記構成によれば、サーバ冷却システム201は、ファン204によって空気Aを引き込み、発熱体23に空気Aを通過させることができる。これにより、サーバ冷却システム201は、コールドプレート230内の冷媒R1と、ファン204によって引き込まれた空気Aの両方で発熱体23を冷却することができる。
【0076】
例えば、本実施形態のように、コールドプレート230を発熱体23のうち高温発熱体23bに設置されることにより、サーバ冷却システム201は、冷媒R1とファン204によって引き込まれた空気Aとの両方で、高温発熱体23bを冷却できる。よって、サーバ冷却システム201は、発熱体23のうち低温発熱体23aのみを冷却可能な程度の風量の設定値で、低温発熱体23a及び高温発熱体23bの両方を冷却することができる。よって、サーバ冷却システム201は、ファン204の駆動にかかる消費電力を低減することができる。さらに、ファン204の騒音も低減されるので、作業環境が改善される。
【0077】
本実施形態では、冷却部270は、冷却コイル281に設けられ、冷媒R1と第二冷媒R2とで熱交換を行う。
【0078】
上記構成によれば、発熱体23と熱交換を行って加熱された冷媒R1は、冷却コイル281内の第二冷媒R2によって冷却される。このため、加熱された冷媒R1を冷却するための装置を別途設ける必要がなくなる。よって、サーバ冷却システム201の小型化を達成し、省スペース化を実現することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、冷媒供給路240は、水平方向に延びる場合について説明したが、これに限られない。ただし、本実施形態のように、冷媒R1が対流によってサーバ冷却システム201のサイクル内を自然循環する場合は、冷媒供給路240は、水平方向に延びる形状、又は前後方向D3前側に向かうにしたがって下方に位置するように延びる下り勾配形状に形成されている必要がある。
ただし、冷媒R1が例えばポンプ(不図示)等によって強制的に循環される場合は、この限りではなく、冷媒供給路240が例えば前後方向D3前側に向かうしたがって上方に位置するように延びる上り勾配形状に形成されていても、冷媒R1はサーバ冷却システム201のサイクル内を循環することができる。
【0080】
(第二実施形態の第一変形例)
続いて、第二実施形態の第一変形例に係るサーバ冷却システム201Aについて、
図6を参照して説明する。
図6に示すように、本変形例では、第一実施形態の場合と同様に、複数のサーバ20がラック10内に、上下方向D1に略均等に並べられている。サーバ20は、例えば5つ配置されている。なお、後述する各変形例でも、複数のサーバ20は、第一実施形態の場合と同様に並べられている。本変形例の冷却装置202Aでは、冷却部270は、ファン204の上方に位置している。冷却部270は、ジャケット271と、ジャケット271内に設けられた不図示の冷却用のコイルと、を有する。ジャケット271内には、各冷媒排出路260から第二接続ヘッダ206を介して冷媒R1が供給される。ジャケット271内では、供給された冷媒R1が内部の冷却用のコイル(不図示)とジャケット271の外部の空気Aによって冷却される。
【0081】
本変形例のサーバ冷却システム201Aによれば、以下の作用効果が発揮される。
本変形例では、冷却部270は、ファン204の上方に位置する。
【0082】
上記構成によれば、冷却部270がファン204による空気Aの流れを妨げない。このため、サーバ冷却システム201Aは、発熱体23の空冷をより効率良く行うことができる。さらに、ファン204の駆動による騒音が低減されるので、作業環境がより一層改善される。
【0083】
(第二実施形態の第二変形例)
続いて、第二実施形態の第二変形例に係るサーバ冷却システム201Bについて、
図7を参照して説明する。
図7に示すように、本変形例では、冷却装置202Bは、第二ファン207をさらに有する。
【0084】
第二ファン207は、ラック10の天板14に設けられている。第二ファン207は、ラック10内の空気Aを上方に排出する。
【0085】
冷却部270は、ラック10内であって、ラック10内の全てのサーバ20の上方に設けられている。さらに、冷却部270は、第二ファン207の下方に設けられている。
【0086】
本変形例のサーバ冷却システム201Bによれば、以下の作用効果が発揮される。
本変形例では、冷却装置202Bは、第二ファン207を有する。第二ファン207は、ラック10の天板14に設けられて、ラック10内の空気Aを上方に排出する。冷却部270は、ラック10内の全てのサーバ20の上方であって、第二ファン207の下方に設けられている。
【0087】
上記構成によれば、サーバ冷却システム201Bは、第二ファン207によって冷却部270のジャケット271に空気Aを送ることができる。ジャケット271内の冷媒R1は、第二ファン207によって送風された空気Aによって冷却される。また、冷却部270及び第二ファン207がラック10に設けられているため、冷却装置202Bをコンパクト化することができる。よって、サーバ冷却システム201Bの小型化を達成し、サーバ冷却システム201Bの省スペース化を実現することができる。
【0088】
(第二実施形態の第三変形例)
続いて、第二実施形態の第三変形例に係るサーバ冷却システム201Cについて、
図8を参照して説明する。
図8に示すように、本変形例では、冷却部270は、ラック10内であって、ラック10内の全てのサーバ20の上方に設けられている。冷却部270は、前後方向D3に延びるように配置されている。冷却部270は、傾けて配置されている。このため、冷却部270の前端部は、冷却部270の後端部よりも上方に位置している。冷却部270の後端部には、第一接続ヘッダ205が接続され、冷却部270の前端部には、各第二接続ヘッダ206が接続されている。冷却部270は、例えばプレート式の熱交換器である。
【0089】
冷却装置202Cは、供給連通管208と、排出連通管209と、をさらに備える。
供給連通管208は、冷却部270と第二冷却部280の冷却コイル281とを接続する。供給連通管208は、第二冷却部280の冷却コイル281と連通して第二冷媒R2を冷却部270に導く。
排出連通管209は、冷却部270に設けられている。排出連通管209は、冷却部270と連通して冷却部270から第二冷媒R2を冷却部270の外部に排出する。
【0090】
本変形例のサーバ冷却システム201Cによれば、以下の作用効果が発揮される。
本変形例では、冷却部270は、ラック10内の全てのサーバ20の上方に設けられている。冷却装置202Cは、供給連通管208と、排出連通管209と、を有する。供給連通管208は、第二冷却部280と連通して第二冷媒R2を冷却部270に導く。排出連通管209は、冷却部270と連通して冷却部270から第二冷媒R2を排出する。
【0091】
上記構成によれば、冷却部270は、全てのサーバ20の上方に設けられている。このため、サーバ20の上方のデッドスペースを活用し、冷却装置202Cをコンパクト化することができる。
また、サーバ冷却システム201Cは、冷却コイル281の第二冷媒R2を冷却部270に導くことができる。これにより、冷媒R1は、第二冷媒R2との熱交換によって冷却される。このため、冷却部270の構成を簡素化することができる。よって、冷却装置202Cをより一層コンパクトに設計することができる。
このように、本変形例によれば、サーバ冷却システム201Cの小型化を達成し、サーバ冷却システム201Cの省スペース化を実現することができる。
【0092】
なお、本変形例では、冷却部270は、ラック10内に設けられているとしたが、これに限られない。冷却部270は、ラック10外に設けられていてもよい。
【0093】
<第三実施形態>
以下、本開示の第三実施形態に係るサーバ冷却システム301について、
図9、
図10を参照して説明する。前述した第一実施形態と同様の構成については、同一の名称及び同一の符号を付す等して説明を適宜省略する。
【0094】
図9、
図10に示すように、本実施形態のサーバ冷却システム301は、ラック10と、ダクト303と、複数のサーバ20と、冷却装置302と、を備える。
【0095】
(ラック)
ラック10は、室内に複数設けられ、複数の列を形成している。
【0096】
(ダクト)
ダクト303は、ラック10よりも上方に位置している。ダクト303は、ラック10の列の間に位置し、水平面に沿って一列に延びている。ダクト303の内部には、空気Aが流れる。
【0097】
(冷却装置)
冷却装置302は、コールドプレート330と、冷媒供給路340と、冷媒排出路360と、冷却部370と、分配流路380と、集合流路390と、第三冷媒供給路304と、第三冷媒排出路305と、を有する。
【0098】
(コールドプレート)
コールドプレート330は、各サーバ20の発熱体23に対応するように複数設けられている。コールドプレート330は、対応する発熱体23に接触している。
【0099】
(冷媒供給路)
冷媒供給路340は、サーバ20毎に設けられている。冷媒供給路340は、対応する各コールドプレート330に接続され、冷却部370から各コールドプレート330にそれぞれ冷媒R1を供給する。
【0100】
(冷媒排出路)
冷媒排出路360は、サーバ20毎に設けられている。冷媒排出路360は、対応する各コールドプレート330に接続され、各コールドプレート330を経由した冷媒R1を冷却部370に排出する。
また、一のサーバ20について、冷媒排出路360とコールドプレート330との接続口は、冷媒供給路340とコールドプレート330との接続口よりも上方に位置することが望ましい。
【0101】
(冷却部)
冷却部370は、ダクト303内に複数設けられている。冷却部370の設置数は、ラック10の設置数よりも少ない。冷却部370は、複数のラック10内のサーバ20の発熱を冷却する。
【0102】
(分配流路)
分配流路380は、複数のラック10内のサーバ20のそれぞれに設けられた各冷媒供給路340と一の冷却部370とを接続している。分配流路380は、冷却部370で冷却された冷媒R1を各冷媒供給路340に分配する。分配流路380は、第一分配ライン381と、第二分配ライン382と、第三分配ライン383と、を有する。
【0103】
第一分配ライン381は、ラック10毎に設けられている。第一分配ライン381には、対応するラック10内の各サーバ20から延びる各冷媒供給路340が接続されている。本実施形態の第一分配ライン381は、上下方向D1に延びている。
【0104】
第二分配ライン382は、複数の第一分配ライン381を連通させている。
第三分配ライン383は、第二分配ライン382と冷却部370とを接続している。
【0105】
(集合流路)
集合流路390は、複数のラック10内のサーバ20のそれぞれに設けられた各冷媒排出路360と一の冷却部370とを接続している。集合流路390は、各冷媒排出路360から冷媒R1を集めて一の冷却部370に冷媒R1を導く。集合流路390は、第一集合ライン391と、第二集合ライン392と、第三集合ライン393と、を有する。
【0106】
第一集合ライン391は、ラック10毎に設けられている。第一集合ライン391には、対応するラック10内の各サーバ20から延びる各冷媒排出路360が接続されている。本実施形態の第一集合ライン391は、上下方向D1に延びている。
【0107】
第二集合ライン392は、複数の第一集合ライン391を連通させている。
第三集合ライン393は、第二集合ライン392と冷却部370とを接続している。
【0108】
(第三冷媒供給路)
第三冷媒供給路304は、各冷却部370に冷媒R1を冷却する第三冷媒R3を供給する。第三冷媒供給路304は、ダクト303内に設けられている。第三冷媒供給路304は、ダクト303の延在方向に延びている。
【0109】
(第三冷媒供給路)
第三冷媒排出路305は、各冷却部370から第三冷媒R3を排出する。第三冷媒排出路305は、ダクト303内に設けられている。第三冷媒排出路305は、ダクト303の延在方向に延びている。
【0110】
(冷媒の循環)
続いて、サーバ冷却システム301内の冷媒R1の循環について説明する。
まず、冷却部370の冷媒R1が、分配流路380によって各冷媒供給路340に分配される。冷媒R1は、各冷媒供給路340の接続先のコールドプレート330に供給される。コールドプレート330では、冷媒R1は発熱体23と熱交換を行う。これにより、発熱体23は冷却され、冷媒R1は加熱される。
【0111】
各コールドプレート330を通過した冷媒R1は、冷媒排出路260から集合流路390に集められる。そして、冷媒R1は、冷却部370に戻される。
【0112】
冷却部370では、冷媒R1と第三冷媒R3とによって熱交換が行われる。これにより、コールドプレート230で加熱された冷媒R1が冷却される。冷却部370内の液相の冷媒R1は、分配流路380を通じて、再び各冷媒供給路340に分配される。このようにして、冷媒R1はサーバ冷却システム301内を循環する。
【0113】
(作用効果)
本実施形態のサーバ冷却システム301によれば、以下の作用効果が発揮される。
本実施形態では、ラック10は、複数設けられている。冷却装置302は、分配流路380と、集合流路390と、を有する。分配流路380は、複数のラック10内のサーバ20のそれぞれに設けられた各冷媒供給路340と一の冷却部370とを接続している。分配流路380は、冷却部370で冷却された冷媒R1を各冷媒供給路340に分配する。集合流路390は、複数のラック10内のサーバ20のそれぞれに設けられた各冷媒排出路360と一の冷却部370とを接続している。集合流路390は、各冷媒排出路360から冷媒R1を集めて一の冷却部370に冷媒R1を導く。
【0114】
上記構成によれば、サーバ冷却システム301は、複数のラック10に収容されたサーバ20の発熱を、一の冷却部370によってまとめて冷却することができる。したがって、サーバ冷却システム301の冷却効率を向上させることができる。
【0115】
本実施形態では、サーバ冷却システム301は、ダクト303をさらに備える。ダクト303は、ラック10よりも上方に位置し、内部を空気Aが流れる。冷却部370は、ダクト303内に設けられている。
【0116】
上記構成によれば、冷却部370で冷媒R1が漏洩したとしても、冷媒R1がサーバ20に流入することがない。よって、サーバ冷却システム301は、冷媒R1の漏洩からサーバ20を保護することができる。
【0117】
本実施形態では、冷却装置302は、第三冷媒供給路304と、第三冷媒排出路305と、を有する。第三冷媒供給路304は、冷却部370に冷媒R1を冷却する第三冷媒R3を供給する。第三冷媒排出路305は、冷却部370から第三冷媒R3を排出する。
【0118】
上記構成によれば、冷却部370は、ダクト303内を流れる空気Aによってだけでなく、第三冷媒R3と冷媒R1との熱交換によって冷媒R1を冷却することができる。よって、サーバ冷却システム301は、冷媒R1を良好に冷却することができる。さらに、本実施形態によれば、冷却部370が人の通行を妨げることがないので、作業環境が改善される。
【0119】
(第三実施形態の第一変形例)
続いて、第三実施形態の第一変形例に係るサーバ冷却システム301Aについて、
図11を参照して説明する。
図11に示すように、本変形例の冷却装置302Aでは、冷却部370は、ダクト303内を流れる空気Aによって冷媒R1を冷却する。本変形例の冷却部370は、例えばフィンチューブ型の熱交換器である。
【0120】
これにより、冷媒R1は、ダクト303内を流れる空気Aのみによって冷却される。このため、冷却部370を簡素化できる。また、ラック10に横置きで空冷用のファンが設置されるリアドア方式の冷却と比較して、送風時の騒音が低減されるので、作業環境が改善される。
【0121】
(第三実施形態の第二変形例)
続いて、第三実施形態の第二変形例に係るサーバ冷却システム301Bについて、
図12を参照して説明する。
図12に示すように、本変形例の冷却装置302Bでは、冷却部370は、ラック10同士の間に設けられている。冷却部370の例として、縦置きのCDUが挙げられる。
【0122】
これにより、ラック10と冷却部370とを効率良く配置することができる。よって、サーバ冷却システム301Bのレイアウト性が向上し、作業環境が改善される。
【0123】
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0124】
<付記>
各実施形態に記載のサーバ冷却システム1,1A,201,201A,201B,201C,301,301A,301Bは、例えば以下のように把握される。
【0125】
(1)第1の態様に係るサーバ冷却システム1,1A,201,201A,201B,201C,301,301A,301Bは、ラック10と、前記ラック10内に上下方向D1に配列されるように収容され、それぞれ発熱体23を有する複数のサーバ20と、各前記発熱体23を冷却可能な冷却装置2,2A,202,202A,202B,202C,302,302A,302Bと、を備え、前記冷却装置2,2A,202,202A,202B,202C,302,302A,302Bは、各前記サーバ20の前記発熱体23に対応するように複数設けられて、対応する前記発熱体23に接触するコールドプレート30,230,330と、各前記コールドプレート30,230,330にそれぞれ冷媒R1を供給する冷媒供給路40,240,340と、各前記コールドプレート30,230,330を経由した前記冷媒R1を排出する冷媒排出路60,260,360と、各前記冷媒排出路60,260,360を経由した前記冷媒R1を冷却して、前記冷媒供給路40,240,340に導入する冷却部70,270,370と、を有する。
【0126】
冷媒R1は、各コールドプレート30,230,330内で発熱体23と熱交換を行い、発熱体23の熱を吸収する。これにより、発熱体23は冷却され、冷媒R1は加熱される。本態様では、加熱された冷媒R1は、各冷媒排出路60,260,360を通じて冷却部70,270,370に導かれる。冷媒R1は、冷却部70,270,370によって冷却され、冷媒供給路40,240,340を通じて再び各コールドプレート30,230,330に供給される。このように、各コールドプレート30,230,330で加熱された冷媒R1は、冷却部70,270,370でまとめて冷却される。
【0127】
(2)第2の態様のサーバ冷却システム1,1Aは、(1)のサーバ冷却システム1,1Aであって、各前記コールドプレート30は、複数の前記発熱体23に接するように設けられ、複数の前記コールドプレート30は、前記冷媒R1が単相の状態で流れる単相コールドプレート30aと、前記単相コールドプレート30aと前記冷媒R1の流れる方向に直列に接続されて、前記冷媒R1が沸騰して前記冷媒R1が液相と気相の二相の状態で流れる沸騰コールドプレート30bと、を含んでもよい。
【0128】
上記構成により、コールドプレート30は複数の発熱体23に接している。このため、発熱体23毎にコールドプレート30が1つずつ設けられている場合と比較して、コールドプレート30の数を削減することができる。さらに、複数のコールドプレート30は、直列に接続された単相コールドプレート30aと沸騰コールドプレート30bとを含む。これにより、サーバ冷却システム1,1Aは、冷媒R1と発熱体23との熱交換を段階的に行うことができる。
【0129】
(3)第3の態様のサーバ冷却システム1は、(2)のサーバ冷却システム1であって、前記単相コールドプレート30aは、前記沸騰コールドプレート30bよりも前記冷媒供給路40側に設けられ、前記冷媒R1が液相の状態で流れてもよい。
【0130】
上記構成では、単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が液相の状態で発熱体23と熱交換を行う。その後、冷媒R1は、単相コールドプレート30aを通過して沸騰コールドプレート30bに供給される。冷媒R1は、沸騰コールドプレート30b内で発熱体23から熱を受けて沸騰し、蒸発する。これにより、沸騰コールドプレート30bでは、発熱体23から冷媒R1の気化熱が奪われるため、発熱体23が強力に冷却される。
【0131】
(4)第4の態様のサーバ冷却システム1Aは、(2)のサーバ冷却システム1Aであって、前記単相コールドプレート30aは、前記沸騰コールドプレート30bよりも前記冷媒排出路60側に設けられ、前記冷媒R1が気相の状態で流れてもよい。
【0132】
上記構成では、沸騰コールドプレート30b内では、発熱体23から熱を受けて沸騰し、蒸発する。その後、気相の冷媒R1が単相コールドプレート30aに供給される。このため、単相コールドプレート30a内では、気相の冷媒R1が流れる。これにより、単相コールドプレート30a内では、冷媒R1が高流速で流れる。
【0133】
(5)第5の態様のサーバ冷却システム201,201A,201B,201Cは、(1)のサーバ冷却システム201,201A,201B,201Cであって、前記冷却装置202,202A,202B、202Cは、前記ラック10に併設されて、前記発熱体23を通過させるように空気Aを引き込むファン204と、前記ラック10と前記ファン204との間に設けられ、前記発熱体23を通過した空気Aを冷却する第二冷却部280と、を有し、前記第二冷却部280は、前記第二冷却部280の周囲の空気Aと熱交換を行う第二冷媒R2が流れる冷却コイル281を有してもよい。
【0134】
上記構成によれば、サーバ冷却システム201,201A,201B,201Cは、ファン204によって空気Aを引き込み、発熱体23に空気Aを通過させることができる。これにより、サーバ冷却システム201,201A,201B,201Cは、コールドプレート230内の冷媒R1と、ファン204によって引き込まれた空気Aの両方で発熱体23を冷却することができる。
【0135】
(6)第6の態様のサーバ冷却システム201は、(5)のサーバ冷却システム201であって、前記冷却部270は、前記冷却コイル281に設けられ、前記冷媒R1と前記第二冷媒R2とで熱交換を行ってもよい。
【0136】
上記構成によれば、発熱体23と熱交換を行って加熱された冷媒R1は、冷却コイル281内の第二冷媒R2によって冷却される。このため、加熱された冷媒R1を冷却するための装置を別途設ける必要がなくなる。
【0137】
(7)第7の態様のサーバ冷却システム201Aは、(5)のサーバ冷却システム201Aであって、前記冷却部270は、前記ファン204の上方に位置してもよい。
【0138】
上記構成によれば、冷却部270がファン204による空気Aの流れを妨げない。
【0139】
(8)第8の態様のサーバ冷却システム201Bは、(5)のサーバ冷却システム201Bであって、前記冷却装置202Bは、前記ラック10の天板14に設けられて、前記ラック10内の空気Aを上方に排出する第二ファン207を有し、前記冷却部270は、前記ラック10内の全ての前記サーバ20の上方であって、前記第二ファン207の下方に設けられていてもよい。
【0140】
上記構成によれば、サーバ冷却システム201Bは、第二ファン207によって冷却部270に空気Aを送ることができる。冷却部270内の冷媒R1は、第二ファン207によって送風された空気Aによって冷却される。また、冷却部270及び第二ファン207がラック10に設けられているため、冷却装置202Bをコンパクト化することができる。
【0141】
(9)第9の態様のサーバ冷却システム201Cは、(5)のサーバ冷却システム201Cであって、前記冷却部270は、全ての前記サーバ20の上方に設けられ、前記冷却装置2は、前記第二冷却部280と連通して前記第二冷媒R2を前記冷却部270に導く供給連通管208と、前記冷却部270と連通して前記冷却部270から前記第二冷媒R2を排出する排出連通管209と、を有してもよい。
【0142】
上記構成によれば、冷却部270は、全てのサーバ20の上方に設けられている。このため、サーバ20の上方のデッドスペースを活用し、冷却装置202Cをコンパクト化することができる。
また、サーバ冷却システム201Cは、冷却コイル281の第二冷媒R2を冷却部270に導くことができる。これにより、冷媒R1は、第二冷媒R2との熱交換によって冷却される。
【0143】
(10)第10の態様のサーバ冷却システム301,301A,301Bは、(1)のサーバ冷却システム301,301A,301Bであって、前記ラック10は、複数設けられ、前記冷却装置302,302A,302Bは、複数の前記ラック10内の前記サーバ20のそれぞれに設けられた各前記冷媒供給路340と一の前記冷却部370とを接続し、前記冷却部370で冷却された前記冷媒R1を各前記冷媒供給路340に分配する分配流路380と、複数の前記ラック10内の前記サーバ20のそれぞれに設けられた各前記冷媒排出路360と一の前記冷却部370とを接続し、各前記冷媒排出路360から前記冷媒R1を集めて一の前記冷却部370に前記冷媒R1を導く集合流路390と、を有してもよい。
【0144】
上記構成によれば、サーバ冷却システム301,301A,301Bは、複数のラック10に収容されたサーバ20の発熱を、一の冷却部370によってまとめて冷却することができる。
【0145】
(11)第11の態様のサーバ冷却システム301,301Aは、(10)のサーバ冷却システム301,301Aであって、前記ラック10よりも上方に位置し、内部を空気Aが流れるダクト303をさらに備え、前記冷却部370は、前記ダクト303内に設けられていてもよい。
【0146】
上記構成によれば、冷却部370で冷媒R1が漏洩したとしても、冷媒R1がサーバ20に流入することがない。さらに、本態様によれば、冷却部370が人の通行を妨げることがない。
【0147】
(12)第12の態様のサーバ冷却システム301は、(11)のサーバ冷却システム301であって、前記冷却装置302は、前記冷却部370に前記冷媒R1を冷却する第三冷媒R3を供給する第三冷媒供給路304と、前記冷却部370から前記第三冷媒R3を排出する第三冷媒排出路305と、を有してもよい。
【0148】
上記構成によれば、冷却部370は、第三冷媒R3と冷媒R1との熱交換によって冷媒R1を冷却することができる。
【0149】
(13)第13の態様のサーバ冷却システム301Aは、(11)のサーバ冷却システム301Aであって、前記冷却部370は、前記ダクト303内を流れる空気Aによって前記冷媒R1を冷却してもよい。
【0150】
これにより、冷媒R1は、ダクト303内を流れる空気Aのみによって冷却される。また、ラック10に横置きで空冷用のファンが設置するリアドア冷却と比較して、送風時の騒音が低減される。
(14)第14の態様のサーバ冷却システム301Bは、(10)のサーバ冷却システム301Bであって、前記冷却部370は、前記ラック10同士の間に設けられていてもよい。
【0151】
これにより、ラック10と冷却部370とを効率良く配置することができる。
【符号の説明】
【0152】
1…サーバ冷却システム 2…冷却装置 10…ラック 11…フレーム 12…底板 13…側板 14…天板 20…サーバ 21…ケーシング 22…基板 23…発熱体 23a…低温発熱体 23b…高温発熱体 24…通気孔 30…コールドプレート 30a…単相コールドプレート 30b…沸騰コールドプレート 40…冷媒供給路 41…冷媒供給ヘッダ 42…冷媒供給分岐管 50…冷媒接続路 60…冷媒排出路 61…冷媒排出ヘッダ 62…冷媒排出分岐管 70…冷却部 71…冷却部ケーシング 72…熱交換器 73…第一メインヘッダ 74…第一接続管 75…第二メインヘッダ 76…第二接続管 77…ポンプ 1A…サーバ冷却システム 2A…冷却装置 201…サーバ冷却システム 202…冷却装置 203…ファンケーシング 204…ファン 205…第一接続ヘッダ 206…第二接続ヘッダ 230…コールドプレート 240…冷媒供給路 260…冷媒排出路 270…冷却部 271…ジャケット 280…第二冷却部 281…冷却コイル 201A…サーバ冷却システム 202A…冷却装置 201B…サーバ冷却システム 202B…冷却装置 207…第二ファン 201C…サーバ冷却システム 202C…冷却装置 208…供給連通管 209…排出連通管 301…サーバ冷却システム 302…冷却装置 303…ダクト 304…第三冷媒供給路 305…第三冷媒排出路 330…コールドプレート 340…冷媒供給路 360…冷媒排出路 370…冷却部 380…分配流路 381…第一分配ライン 382…第二分配ライン 383…第三分配ライン 390…集合流路 391…第一集合ライン 392…第二集合ライン 393…第三集合ライン 301A…サーバ冷却システム 302A…冷却装置 301B…サーバ冷却システム 302B…冷却装置 A…空気 D1…上下方向 D2…左右方向 D3…前後方向 R1…冷媒 R2…第二冷媒 R3…第三冷媒 W…冷却水