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特開2024-39248情報処理プログラム及び情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039248
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】情報処理プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
H04N1/00 002B
H04N1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143656
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本城 弘樹
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA30
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB32
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC11
5C062AC22
5C062AE02
5C062AE03
5C062AF02
5C062AF12
5C062AF15
(57)【要約】
【課題】作業者が複数の仮想装置に対する作業を許可されている場合に、誤って対象外装置に対応する仮想装置に対して作業を行ってしまうことを防止する情報処理プログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理プログラムは、複数の物理的な装置のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を受け付け、保守作業として、複数の物理的な装置のそれぞれと1対1に対応して設けられた複数の仮想装置に対して作業を行うことが可能な作業者に対して、対象装置に対応する仮想装置の作業のみを許可し、複数の物理的な装置のうち対象装置以外の対象外装置に対応する仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物理的な装置のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を受け付け、
前記保守作業として、前記複数の物理的な装置のそれぞれと1対1に対応して設けられた複数の仮想装置に対して作業を行うことが可能な作業者に対して、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業のみを許可し、前記複数の物理的な装置のうち前記対象装置以外の対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項2】
前記作業者に、前記保守指示において指定された期間は、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を許可し、前記指定された期間以外は前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記指定された期間が経過すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための請求項2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記作業者が前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を終了すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、予め定められたユーザに通知する、処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、前記対象装置の管理者に通知する、処理をコンピュータに実行させるための請求項5に記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記保守指示を受け付けると、前記作業者に、前記保守指示に係る前記保守作業の内容を通知する、
処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
前記作業者が作業を行う前記仮想装置を識別する仮想装置情報が、当該作業者を識別する作業者情報と予め関連付けて記憶されている場合は当該作業を許可し、前記仮想装置情報が、前記作業者情報と予め関連付けて記憶されていない場合は当該作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理プログラムを記憶した情報処理装置と、
前記複数の物理的な装置と、
を備えた、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1又は複数の保守対象装置と1又は複数の作業担当者用情報端末装置とを含む保守作業システムを管理するための保守作業システム管理装置が開示されている。この保守作業システム管理装置は、保守対象装置ごとに、保守作業を許可するために必要な作業許可情報を記憶するための記憶手段を含む。また、この保守作業システム管理装置は、保守対象装置を特定する装置識別情報を含む、作業許可情報の送信依頼に応答して、前記装置識別情報により特定される装置のための作業許可情報を前記記憶手段から読出し、所定のコード化方法により画像コード化するための画像コード化手段を含む。また、この保守作業システム管理装置は、前記画像コード化手段により画像コード化された情報を、前記送信依頼に基づいて特定される送信先に対して送信するための送信手段を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-332093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クラウド上に設置された仮想装置を経由して、当該仮想装置と1対1に対応して設けられた物理的な装置の保守作業を行うことができる技術が想定されている。この場合作業者は、対象装置が設置された場所へ行かずに仮想装置に対して作業を行うことで、当該仮想装置に対応する対象装置の保守作業を行うことができる。しかし、この作業者が複数の仮想装置に対して作業を行うことができる場合、誤って対象装置以外の対象外装置に対応する仮想装置に対して作業を行ってしまう可能性があった。
【0005】
本開示は、作業者が複数の仮想装置に対する作業を許可されている場合に、誤って対象外装置に対応する仮想装置に対して作業を行ってしまうことを防止する情報処理プログラム及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理プログラムは、複数の物理的な装置のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を受け付け、前記保守作業として、前記複数の物理的な装置のそれぞれと1対1に対応して設けられた複数の仮想装置に対して作業を行うことが可能な作業者に対して、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業のみを許可し、前記複数の物理的な装置のうち前記対象装置以外の対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
第2態様に係る情報処理プログラムは、第1態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記作業者に、前記保守指示において指定された期間は、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を許可し、前記指定された期間以外は前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【0008】
第3態様に係る情報処理プログラムは、第2態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記指定された期間が経過すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【0009】
第4態様に係る情報処理プログラムは、第1態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記作業者が前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を終了すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
第5態様に係る情報処理プログラムは、第1態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、予め定められたユーザに通知する、処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
第6態様に係る情報処理プログラムは、第5態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、前記対象装置の管理者に通知する、処理をコンピュータに実行させる。
【0012】
第7態様に係る情報処理プログラムは、第1態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記保守指示を受け付けると、前記作業者に、前記保守指示に係る前記保守作業の内容を通知する、処理をコンピュータに実行させる。
【0013】
第8態様に係る情報処理プログラムは、第1態様に係る情報処理プログラムにおいて、前記作業者が作業を行う前記仮想装置を識別する仮想装置情報が、当該作業者を識別する作業者情報と予め関連付けて記憶されている場合は当該作業を許可し、前記仮想装置情報が、前記作業者情報と予め関連付けて記憶されていない場合は当該作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させる。
【0014】
第9態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理プログラムを記憶した情報処理装置と、前記複数の物理的な装置と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
第1態様及び第9態様によれば、作業者が複数の仮想装置に対する作業を許可されている場合に、誤って対象外装置に対応する仮想装置に対して作業を行ってしまうことを防止する。
【0016】
第2態様によれば、作業者が仮想装置の作業を実施できる期間を指定することができる。
【0017】
第3態様によれば、指定された期間が経過すると、作業者が仮想装置に対して作業をすることを禁止することができる。
【0018】
第4態様によれば、作業者が仮想装置の作業を終了すると、作業者が当該仮想装置に対して作業をすることを禁止することができる。
【0019】
第5態様によれば、作業者が対象外装置に対応する仮想装置の作業を実行しようとした旨を把握することができる。
【0020】
第6態様によれば、作業者が対象外装置に対応する仮想装置の作業を実行しようとした旨を、対象装置の管理者が把握することができる。
【0021】
第7態様によれば、作業者が事前に保守作業の内容を把握することができる。
【0022】
第8態様によれば、仮想装置情報が作業者情報と予め関連付けて記憶されているか否かによって、仮想装置に対応する作業を許可するか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る画像形成システムにおける画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る画像形成システムにおけるクラウドサーバ、管理者端末、及び通信端末の電気系の要部構成を示すブロック図である。
図4】作業者が複数の仮想装置に対する作業を許可されている状況を示す図である。
図5】実デバイスが新たに設置される場合に行われる処理を説明するための図である。
図6】作業者データベースの構成を示す図である。
図7】管理者が対象装置の保守作業を作業者に指示する場合に行われる処理を説明するための図である。
図8】指示情報が記憶された作業者データベースの構成を示す図である。
図9】作業者が仮想装置に対して作業を行う場合を説明するための図である。
図10】実施形態に係る画像形成システムのクラウドサーバで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る画像形成システムのクラウドサーバで行われる処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成システムの概略構成を示す図である。本実施形態では、画像形成システム10を情報処理システムの一例として説明する。
【0025】
本実施形態に係る画像形成システム10は、図1に示すように、物理的な装置の一例としての画像形成装置12、情報処理装置の一例としてのクラウドサーバ14、管理者端末15、及び通信端末16を備えている。画像形成システム10は、複数の画像形成装置12A、12B、・・・を備えている。図1に示す例では、画像形成システム10は、画像形成装置12を2つ備えている。しかし、この例に限られない。画像形成システム10は、画像形成装置12を2つより多く備えてもよい。以下では、画像形成装置12A、12B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「画像形成装置12」と総称する。また、図1に示す例では、画像形成システム10は、画像形成装置12Aに接続された管理者端末15Aと、画像形成装置12Bに接続された管理者端末15Bとを備えている。しかし、この例に限られない。画像形成システム10は、管理者端末15を2つより多く備えてもよい。以下では、管理者端末15A、15B、・・・を区別することなく説明する場合は単に「管理者端末15」と総称する。また、通信端末16の数も図1に示す数に限定されない。
【0026】
画像形成装置12、及びそれぞれの画像形成装置12を管理する管理者が所有する管理者端末15は、LAN(Local Area Network)、イントラネット等の内部通信回線17に各々接続されている。また、内部通信回線17及びクラウドサーバ14は、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の外部通信回線18に各々接続されている。また、作業者が携帯する通信端末16は、内部通信回線17及び外部通信回線18の各々に接続可能とされている。そして、画像形成装置12、クラウドサーバ14、管理者端末15、及び通信端末16の各々は、内部通信回線17及び外部通信回線18を介して各種データの送受信を相互に行うことが可能とされている。なお、管理者端末15及び通信端末16の一例としては、スマートフォン等の携帯電話や、ノートPC(Personal computer)等が適用される。
【0027】
図2は、本実施形態に係る画像形成システム10における画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0028】
本実施形態に係る画像形成装置12は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0029】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、及び操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施の形態に係る画像形成装置12では、HDD26を備える例を説明するが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部を備えてもよい。
【0030】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、原稿読取部46による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御する読取制御部32と、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する画像形成制御部34と、を備えている。また、画像形成装置12は、内部通信回線17に接続され、当該内部通信回線17に接続された他の装置と通信データの送受信を行う通信回線インタフェース(通信回線I/F)部36、及び各種画像処理を行う画像処理部44を備えている。また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線インタフェース部36、ファクシミリインタフェース部38、及び画像処理部44がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0031】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部46及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線インタフェース部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。なお、以下では、用紙に画像を形成することを印刷と称する場合がある。
【0032】
続いて、本実施形態に係る画像形成システム10における、クラウドサーバ14、管理者端末15、及び通信端末16の電気系の要部構成について説明する。図3は、本実施形態に係る、クラウドサーバ14、管理者端末15、及び通信端末16の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、クラウドサーバ14、管理者端末15、及び通信端末16は基本的には一般的なコンピュータの構成とされているので、クラウドサーバ14を代表して説明して、管理者端末15及び通信端末16の説明は省略し、対応する符号のみを図3に示す。
【0033】
本実施の形態に係るクラウドサーバ14は、図3に示すように、CPU14A、ROM14B、RAM14C、ストレージ14D、操作部14E、表示部14F、及び通信回線インタフェース(I/F)部14Gを備えている。CPU14Aは、クラウドサーバ14の全体の動作を司る。ROM14Bは、各種制御を行う情報処理プログラム200や各種パラメータ等が予め記憶される。RAM14Cは、CPU14Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ストレージ14Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。操作部14Eは各種の情報を入力するために用いられる。表示部14Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線インタフェース部14Gは、外部通信回線18に接続され、当該外部通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ14の各部はシステムバス14Hにより電気的に相互に接続されている。本実施形態に係るクラウドサーバ14では、ストレージ14Dを記憶部として備えるが、ストレージ14Dとしては、例えば、HDDやフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部が適用される。ストレージ14Dには後述する作業者データベース300が記憶されている。なお管理者端末15及び通信端末16の通信回線インタフェース部15G、16Gは、内部通信回線17に接続され、当該内部通信回線17に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。
【0034】
以上の構成により、本実施の形態に係るクラウドサーバ14は、CPU14Aにより、ROM14B、RAM14C、及びストレージ14Dに対するアクセス、操作部14Eを介した各種データの取得、表示部14Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ14は、CPU14Aにより、通信回線インタフェース部14Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0035】
上述のように構成された本実施形態に係る画像形成システム10では、例えば、画像形成装置12及び管理者端末15が社内に設けられる。そして、通信端末16により外部からクラウドサーバ14経由で画像形成装置12の利用が可能とされている。
【0036】
クラウドサーバ14は、画像形成装置12と連携して画像形成装置12として機能する仮想装置の機能を提供する。すなわち、本実施形態に係る画像形成システム10では、クラウドサーバ14側のCPU14Aが物理的な装置と1対1に対応して設けられ、かつアプリケーションと物理的な装置との情報の送受信を仲介する仮想装置として機能する。なお、以下では、物理的な装置の一例としての画像形成装置12を実デバイス12と称する場合がある。
【0037】
仮想装置50は、実デバイス12と予め定めたタイミングで同期する。同期対象のデータの一例としては、履歴データ、状態データ、設定情報、及び機器名や機種名といったマシン情報等のメタデータを同期対象として同期する。仮想装置50と実デバイス12が同期することで、通信端末16等によってリモートから実デバイス12の状況を見たり、設定を変更したりすることが可能となる。
【0038】
また、仮想装置50は、外部サービスとの間でAPI(Application Programming Interface)を介して処理を行う。外部サービスの一例としては、機械管理サービスや、プリントサービスなどがある。
【0039】
機械管理サービスは、別事業所や別の国にいる機械管理者が、機械管理サービスにアクセスし、マシンの状態を確認したり、設定変更を行ったりする。機械管理サービスは、仮想装置50と情報を送受信する。機械管理サービスは、仮想装置50へ状態確認の要求を行うと、仮想装置50は状態情報を返す。仮想装置50へ設定変更の要求を行うと、仮想装置50の設定情報を更新する。実デバイス12は、仮想装置50と同期した際に、更新された設定情報を取得して、実デバイス12の設定を変更する
【0040】
プリントサービスは、通信端末16等のモバイル端末からプリントサービスに印刷データをアップロードし、仮想装置50経由で印刷ジョブを取得した実デバイス12で印刷する。
【0041】
作業者は、実デバイス12が設置された場所へ行かずに、実デバイス12に対応する仮想装置50に対して作業を行うことで、実デバイス12の保守作業を行うことができる。
【0042】
図4は、作業者が仮想装置50A及び仮想装置50Bに対する作業を許可されている状況を示す。
【0043】
保守作業を指示する保守指示を受け付けると、以下の手順に沿うことで、作業者は、実デバイス12に対応する仮想装置50に対して作業を行うことが可能となる。
(1)X社のオフィスに設置された実デバイス12Aを管理する管理者Aは、対象装置としての実デバイス12Aに対する保守作業を、作業者に対して指示する。
(2)作業者は、X社のオフィスへ行かずに仮想装置50Aに対して作業を行うことで、実デバイス12Aの保守作業を行うことができる。しかし、この作業者は仮想装置50Bに対しても作業を行うことができるため、誤って仮想装置50Bに対して作業を行ってしまう可能性がある。
【0044】
そこで、本実施形態では、クラウドサーバ14に記憶された情報処理プログラム200が、複数の画像形成装置12のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を受け付け、保守作業として、複数の仮想装置50に対して作業を行うことが可能な作業者に対して、対象装置に対応する仮想装置50の作業のみを許可し、複数の画像形成装置12のうち対象装置以外の対象外装置に対応する仮想装置50の作業を禁止する。
【0045】
次に、本実施形態の情報処理システム100で行われる処理を説明する。図5は、実デバイス12が新たに設置される場合に行われる処理を説明するための図である。
【0046】
実デバイス12AがX社のオフィスに設置され、かつ実デバイス12BがY社のオフィスに設置されると、以下の手順に沿うことで、作業者は、実デバイス12Aに対応する仮想装置50A、及び実デバイス12Bに対応する仮想装置50Bに対して作業を行うことが可能となる。
(1)作業者は、当該作業者を識別する作業者情報、及び当該作業者が携帯する通信端末16の連絡先を示す連絡先情報を、実デバイス12A及び実デバイス12Bにそれぞれ登録する。
(2)作業者は実デバイス12Aに対応する仮想装置50Aと、実デバイス12Bに対応する仮想装置50Bと、をクラウド56上に生成する。
(3)仮想装置50は、実デバイス12から受け付けた作業者情報、連絡先情報、及び当該実デバイス12を識別する物理装置情報と、仮想装置50を識別する仮想装置情報とを、作業者データベース300に関連付けて記憶する。
【0047】
図6に、作業者データベース300を示す。図6に示す通り、作業者データベース300には、作業者情報、連絡先情報、物理装置情報、及び仮想装置情報がそれぞれ関連付けて記憶されている。図6に示す例では、CeUser1との作業者情報で識別される作業者は、仮想装置50A及び仮想装置50Bに対する作業が許可されている。なお、図6に示す例では、連絡先情報としてメールアドレスを適用している。しかし、この例に限られない。連絡先情報として電話番号等を適用してもよい。
【0048】
次に、管理者が作業者に対象装置の保守作業を指示する手順について説明する。図7は、管理者Aが対象装置としての実デバイス12Aの保守作業を作業者に指示する場合に行われる処理を説明するための図である。
【0049】
管理者Aは、以下の手順に沿って、作業者に対象装置としての実デバイス12Aの保守作業を指示する。以下では、管理者が作業者に指示した保守作業の指示を保守指示という。
(1)管理者Aは、対象装置である実デバイス12Aのユーザインタフェース22Aを介して、実デバイス12Aに対する保守作業を指示する。具体的に、管理者Aは、ユーザインタフェース22Aに、保守作業の内容と、作業を許可する期間と、接続を許可する設定及び機能の範囲と、を入力する。以下では、管理者が指示をする保守作業の内容を指示内容といい、作業を許可する期間を指定期間といい、接続を許可する設定及び機能の範囲を許可範囲という。そして、指示内容、指定期間、及び許可範囲を総称して指示情報という。
(2)実デバイス12Aは、管理者から入力を受け付けた指示情報に加えて、当該実デバイス12Aを識別する物理装置情報を、当該実デバイス12Aに対応する仮想装置50Aに送信する。
(3)仮想装置50Aは、実デバイス12Aを識別する物理装置情報と関連付けて、指示情報及び状況を作業者データベース300に記憶する。状況とは、関連付けて記憶された作業者情報に係る作業者に対して、仮想装置情報に係る仮想装置50Aに対する作業を禁止しているか許可しているかを示す情報である。(3)の時点では、仮想装置50Aは、関連付けて記憶された作業者情報に係る作業者に対して、仮想装置情報に係る仮想装置50Aに対する作業を禁止している旨を作業者データベース300に記憶する。
【0050】
図8に、指示情報が記憶された作業者データベース300を示す。図8に示す通り、作業者データベース300には、作業者情報、連絡先情報、物理装置情報、及び仮想装置情報に加えて、指示情報及び状況がそれぞれ関連付けて記憶されている。本実施形態では、仮想装置50に対する作業を禁止している場合は状況として「禁止」を記憶し、仮想装置50に対する作業を許可している場合は状況として「許可」を記憶する。
【0051】
次に、作業者が対象装置である実デバイス12Aに対応する仮想装置50Aに対して作業を行う場合を説明する。図9は、作業者が仮想装置50Aに対して作業を行う場合を説明するための図である。
【0052】
作業者データベース300に指示情報が記憶されると、以下の手順に沿って処理が行われることで、作業者は対象装置に対応する仮想装置50に対して作業を行うことができるようになる。
(1)クラウドサーバ14は、通信端末16に対して、指示情報、及び当該指示情報と関連付けて記憶されている仮想装置情報を通知する。
(2)作業者は、通信端末16を介して、通知された仮想装置情報に係る仮想装置50Aに対して、通知された指示情報に含まれる指示内容の作業を指定期間に実施する許可申請を、クラウドサーバ14に対して送信する。
(3)クラウドサーバ14は、通信端末16から受信した許可申請に係る仮想装置50Aに対応する実デバイス12Aに対して、許可申請を転送する。
(4)実デバイス12Aは、クラウドサーバ14から受信した許可申請を管理者端末15Aに対して転送する。
(5)管理者Aは、実デバイス12Aのユーザインタフェース22Aを介して、許可申請に係る仮想装置50Aに対する指示内容の作業を指定期間に実施することを許可する。
(6)実デバイス12Aは、許可申請に係る仮想装置50Aに対する指示内容の作業を指定期間に実施することが許可された旨を、当該実デバイス12Aに対応する仮想装置50Aに送信する。
(7)仮想装置50Aは、作業者データベース300において、許可申請に係る指示情報と関連付けて記憶された状況を、禁止から許可に更新する。
(8)クラウドサーバ14は、通信端末16に対して、許可申請に係る仮想装置50Aに対して、指示内容の作業を指定期間に実施することが許可された旨を通知する。
【0053】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成システム10のクラウドサーバ14で行われる具体的な処理について説明する。図10は、本実施形態に係る画像形成システム10のクラウドサーバ14で行われる情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。CPU14AがROM14Bから情報処理プログラム200を読み出して、RAM14Cに展開して実行することにより、情報処理が行なわれる。なお、ここでは、作業者が複数の仮想装置50に対して作業を行うことが予め許可されている場合について説明する。
【0054】
ステップS100では、CPU14Aが、複数の実デバイス12のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を、当該対象装置から受け付けるまで待機する。
【0055】
ステップS102では、CPU14Aが、対象装置を識別する物理装置情報と関連付けて、保守指示に係る指示情報、及び状況が禁止である旨を作業者データベース300に記憶する。
【0056】
ステップS104では、CPU14Aが、保守指示に係る指示情報(指示内容、指定期間、及び許可範囲)、及び対象装置に対応する仮想装置50を識別する仮想装置情報を通信端末16に通知する。
【0057】
ステップS106では、CPU14Aが、通信端末16から、対象装置に対応する仮想装置50に対して、通知した指示情報に含まれる指示内容の作業を指定期間に実施する許可申請を受け付けるまで待機する。CPU14Aが、通信端末16から許可申請を受け付けると(ステップS106:YES)、ステップS108に移行する。
【0058】
ステップS108では、CPU14Aが、対象装置に対して、通信端末16から受け付けた許可申請を送信する。
【0059】
ステップS110では、CPU14Aが、対象装置から、当該対象装置に対応する仮想装置50に対する指示内容の作業を指定期間に実施することを許可する通知を受け付けるまで待機する。CPU14Aが、対象装置から、当該対象装置に対応する仮想装置50に対する指示内容の作業を指定期間に実施することを許可する指示を受け付けると(ステップS110:YES)、ステップS112に移行する。
【0060】
ステップS112では、CPU14Aが、作業者データベース300において、許可申請に係る指示情報と関連付けて記憶された状況を、禁止から許可に更新する。
【0061】
ステップS114では、CPU14Aが、通信端末16に対して、対象装置に対応する仮想装置50に対して、指示内容の作業を指定期間に実施することが許可された旨を通知する。
【0062】
ステップS116では、CPU14Aが、通信端末16から何れかの仮想装置50に対する作業を受け付けるまで待機する。言い換えると、作業者が何れかの仮想装置50の作業を実行しようとするまで待機する。CPU14Aが、通信端末16から何れかの仮想装置50に対する作業を受け付けると(ステップS116:YES)、ステップS118に移行する。
【0063】
ステップS118では、CPU14Aが、受け付けた作業は対象装置に対応する仮想装置50に対する作業であるか否かを判定する。具体的に、ステップS116において作業を受け付けた仮想装置50を識別する仮想装置情報が、作業者データベース300において、作業者を識別する作業者情報と予め関連付けて記憶されているか否かを判定する。CPU14Aは、受け付けた作業が対象装置に対応する仮想装置50に対する作業である場合(ステップS118:YES)、ステップS120に移行する。一方、CPU14Aは、受け付けた作業が対象装置に対応する仮想装置50に対する作業でない場合(ステップS118:NO)、すなわち対象装置以外の対象外装置に対応する仮想装置50に対する作業である場合、ステップS124に移行する。
【0064】
ステップS120では、CPU14Aが、作業を受け付けた日時は指定期間内であるか否かを判定する。具体的に、ステップS116において作業を受け付けた日時が、作業者データベース300において、作業者を識別する作業者情報、及び仮想装置情報と予め関連付けて記憶されている指定期間内であるか否かを判定する。CPU14Aは、作業を受け付けた日時が指定期間内である場合(ステップS120:YES)、ステップS122に移行する。CPU14Aは、作業を受け付けた日時が指定期間外である場合(ステップS120:NO)、ステップS124に移行する。
【0065】
ステップS122では、CPU14Aが、状況は許可として記憶されているか否かを判定する。具体的に、作業者データベース300において、作業者を識別する作業者情報、指定期間、及び仮想装置情報と関連付けて記憶された状況が許可として記憶されているか否かを判定する。CPU14Aは、状況が許可として記憶されている場合(ステップS122:YES)、ステップS128に移行する。一方、CPU14Aは、状況が許可として記憶されていない場合(ステップS122:NO)、ステップS124に移行する。
【0066】
ステップS124では、CPU14Aが、通信端末16に対して、仮想装置50に対する作業を禁止する旨を通知する。
【0067】
ステップS126では、CPU14Aが、予め定められたユーザとしての、対象装置を管理する管理者が所有する管理者端末15に、作業者が対象装置に対応する仮想装置50に対して、指定期間内に作業を実行していない旨を通知する。そして、CPU14Aは、本情報処理を終了する。すなわち、CPU14Aは作業者が実行しようとした仮想装置50の作業を禁止する。
【0068】
ステップS128では、CPU14Aが、対象装置に、作業者が対象装置に対応する仮想装置50に対して、指定期間内に作業を実行することが許可された旨を通知し、作業者が実行しようとした仮想装置50の作業を許可する。
【0069】
ステップS130では、CPU14Aが、作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了するまで待機する。CPU14Aは、作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了すると(ステップS130:YES)、ステップS132に移行する。
【0070】
ステップS132では、CPU14Aが、対象装置を管理する管理者が所有する管理者端末15に、作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了した旨を通知する。
【0071】
ステップS134では、CPU14Aが、管理者端末15から指示情報を削除する指示を受け付けるまで待機する。CPU14Aが、管理者端末15から指示情報を削除する指示を受け付けると(ステップS134:YES)、ステップS136に移行する。
【0072】
ステップS136では、CPU14Aが、作業者データベース300において、許可申請に係る指示情報及び状況を削除する。この処理により、作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了すると、CPU14Aは作業者に対して、許可していた仮想装置50の作業を禁止することができるようになる。そして、本情報処理を終了する。
【0073】
なお、上記の実施形態では、クラウドサーバ14は、作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了すると、作業者に対して、許可していた仮想装置50の作業を禁止する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、クラウドサーバ14は、指定期間が経過すると、作業者に対して、許可していた仮想装置50の作業を禁止してもよい。この場合は、図11の情報処理が行われる。図11は、本実施形態に係る画像形成システム10のクラウドサーバ14で行われる情報処理の変形例の流れの一例を示すフローチャートである。図11は、図10に示した情報処理のステップS130及びステップS132に代えて、ステップS131及びステップS133を適用している点が異なっている。
【0074】
ステップS131では、CPU14Aは、指定期間が経過するまで待機する。CPU14Aは、指定期間を経過すると(ステップS131:YES)、ステップS133に移行する。
【0075】
ステップS133では、CPU14Aが、対象装置を管理する管理者が所有する管理者端末15に、指定期間が経過した終了した旨を通知する。
【0076】
なお、上記の実施形態では、クラウドサーバ14は、保守指示を、実デバイス12を管理する管理者からユーザインタフェース22Aを介して受け付けていた。しかし、この例に限られない。クラウドサーバ14は、保守指示を、実デバイス12を利用しているユーザからユーザインタフェース22Aを介して受け付けてもよい。また、クラウドサーバ14は、保守指示を、実デバイス12を管理する管理者が所有する管理者端末15から受け付けてもよい。
【0077】
また、上記の実施形態では、クラウドサーバ14は、保守指示を受け付けた後、対象装置から、当該対象装置に対応する仮想装置50に対する作業を指定期間に実施することを許可する通知を受け付けた場合に、作業者に対して、当該作業を許可していた。しかし、この例に限られない。クラウドサーバ14は、対象装置から当該通知を受け付けたか否かに関わらず、対象装置に対応する仮想装置50の作業を指定期間に実施することを許可してもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、保守指示が仮想装置50に対する作業を許可する指定期間を含んでいた。しかし、この例に限られない。保守指示は指定期間を含めなくてもよい。
【0079】
また、上記の実施形態では、作業者が対象外装置に対応する仮想装置50の作業を実行しようとすると、クラウドサーバ14は対象装置を管理する管理者に通知していた。しかし、この例に限られない。作業者が対象外装置に対応する仮想装置50の作業を実行しようとすると、クラウドサーバ14は当該対象外装置を管理する管理者に通知してもよい。また、実デバイス12を利用しているユーザが保守指示を行った場合に、作業者が対象外装置に対応する仮想装置50の作業を実行しようとすると、クラウドサーバ14は当該ユーザにその旨を通知してもよい。この場合、クラウドサーバ14は、対象装置のユーザインタフェース22Aに、作業者が対象装置に対応する仮想装置50に対して、指定期間内に作業を実行していない旨を表示させる。
【0080】
また、上記の実施形態では、指定期間が経過した後、又は作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了した後に、管理者端末15から指示情報を削除する指示を受け付けた場合は、クラウドサーバ14が指示情報を削除していた。しかし、この例に限られない。指定期間が経過した後、又は作業者が対象装置に対応する仮想装置50の作業を終了した後は、管理者端末15から上記指示を受け付けたか否かに関わらず、クラウドサーバ14は指示情報を削除してもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、画像形成装置12を物理的な装置の一例として説明したが、物理的な装置は画像形成装置12に限定されるものではない。例えば、画像処理装置等の他の装置を物理的な装置として適用してもよい。
【0082】
また、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0083】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0084】
また、上記の実施形態に係る画像形成システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0085】
また、本開示は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0086】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(((1)))
複数の物理的な装置のうち一の対象装置に対する保守作業を指示する保守指示を受け付け、
前記保守作業として、前記複数の物理的な装置のそれぞれと1対1に対応して設けられた複数の仮想装置に対して作業を行うことが可能な作業者に対して、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業のみを許可し、前記複数の物理的な装置のうち前記対象装置以外の対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【0087】
(((2)))
前記作業者に、前記保守指示において指定された期間は、前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を許可し、前記指定された期間以外は前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための(((1)))に記載の情報処理プログラム。
【0088】
(((3)))
前記指定された期間が経過すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための(((2)))に記載の情報処理プログラム。
【0089】
(((4)))
前記作業者が前記対象装置に対応する前記仮想装置の作業を終了すると、前記作業者に対して、許可していた前記仮想装置の作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための(((1)))又は(((2)))に記載の情報処理プログラム。
【0090】
(((5)))
前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、予め定められたユーザに通知する、処理をコンピュータに実行させるための(((1)))~(((4)))の何れか1つに記載の情報処理プログラム。
【0091】
(((6)))
前記作業者が前記対象外装置に対応する前記仮想装置の作業を実行しようとすると、前記対象装置の管理者に通知する、処理をコンピュータに実行させるための(((5)))に記載の情報処理プログラム。
【0092】
(((7)))
前記保守指示を受け付けると、前記作業者に、前記保守指示に係る前記保守作業の内容を通知する、
処理をコンピュータに実行させるための(((1)))~(((6)))の何れか1つに記載の情報処理プログラム。
【0093】
(((8)))
前記作業者が作業を行う前記仮想装置を識別する仮想装置情報が、当該作業者を識別する作業者情報と予め関連付けて記憶されている場合は当該作業を許可し、前記仮想装置情報が、前記作業者情報と予め関連付けて記憶されていない場合は当該作業を禁止する、処理をコンピュータに実行させるための(((1)))~(((7)))の何れか1つに記載の情報処理プログラム。
【0094】
(((9)))
(((1)))~(((8)))の何れか1つに記載の情報処理プログラムを記憶した情報処理装置と、
前記複数の物理的な装置と、
を備えた、情報処理システム。
【0095】
(((1)))及び(((9)))によれば、作業者が複数の仮想装置に対する作業を許可されている場合に、誤って対象外装置に対応する仮想装置に対して作業を行ってしまうことを防止する。
【0096】
(((2)))によれば、作業者が仮想装置の作業を実施できる期間を指定することができる。
【0097】
(((3)))によれば、指定された期間が経過すると、作業者が仮想装置に対して作業をすることを禁止することができる。
【0098】
(((4)))によれば、作業者が仮想装置の作業を終了すると、作業者が当該仮想装置に対して作業をすることを禁止することができる。
【0099】
(((5)))によれば、作業者が対象外装置に対応する仮想装置の作業を実行しようとした旨を把握することができる。
【0100】
(((6)))によれば、作業者が対象外装置に対応する仮想装置の作業を実行しようとした旨を、対象装置の管理者が把握することができる。
【0101】
(((7)))によれば、作業者が事前に保守作業の内容を把握することができる。
【0102】
(((8)))によれば、仮想装置情報が作業者情報と予め関連付けて記憶されているか否かによって、仮想装置に対応する作業を許可するか否かを判定することができる。
【符号の説明】
【0103】
10 画像形成システム
12 実デバイス(画像形成装置)
14 クラウドサーバ
14A CPU
15 管理者端末
16 通信端末
50 仮想装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11