(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039261
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】分析システムおよび分析方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20240314BHJP
【FI】
G06Q30/02 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143676
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 耕平
(72)【発明者】
【氏名】西野 紗織
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】商品等の分析内容もしくはカテゴリに応じて、商品等で使用するデザイン案を様々な観点で分析するための技術を提供する。
【解決手段】分析システム100は、商品またはサービスのデザイン候補となり得る複数の分析対象130と、分析対象の分析に関する選択とを取得するための取得部と、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択するための分析項目選択部と、1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析するための分析部と、複数の分析対象の分析結果140を出力するための出力部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品またはサービスの分析システムであって、
前記商品または前記サービスのデザイン候補となり得る複数の分析対象と、前記分析対象の分析に関する選択とを取得するための取得部と、
前記分析に関する選択に基づいて、前記分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択するための分析項目選択部と、
前記1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析するための分析部と、
前記複数の分析対象の分析結果を出力するための出力部とを備える、分析システム。
【請求項2】
前記分析結果と、前記1つ以上の評価項目の組み合わせとを関連付けた第1のテーブルをさらに備え、
前記分析に関する選択は、前記分析結果の選択であり、
前記分析項目選択部は、前記第1のテーブルを参照することで、前記分析に関する選択に基づいて、前記分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する、請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
前記商品または前記サービスのカテゴリと、前記1つ以上の評価項目の組み合わせとを関連付けた第2のテーブルをさらに備え、
前記分析に関する選択は、前記カテゴリの選択であり、
前記分析項目選択部は、前記第2のテーブルを参照することで、前記分析に関する選択に基づいて、前記分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する、請求項1に記載の分析システム。
【請求項4】
前記カテゴリに関連付けられた前記1つ以上の評価項目の組み合わせは、
前記カテゴリの属性に基づく評価項目と、
分析方法に基づく評価項目とを含み、
前記分析方法に基づく評価項目は、複数のカテゴリに対して関連付け可能に構成される、請求項3に記載の分析システム。
【請求項5】
前記出力部は、前記分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目とを選択したことに基づいて、
前記第1の評価項目を第1の軸とし、前記第2の評価項目を第2の軸とした2次元空間を表示し、
前記2次元空間に、前記複数の分析対象の各々の分析結果をプロットする、請求項1に記載の分析システム。
【請求項6】
前記出力部は、前記分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目と第3の評価項目とを選択したことに基づいて、
前記第1の評価項目を第1の軸とし、前記第2の評価項目を第2の軸とした2次元空間を表示し、
前記2次元空間に、前記複数の分析対象の各々の分析結果をプロットし、
前記プロットは、前記複数の分析対象の各々における前記第3の評価項目の値を視覚的に示す、請求項1に記載の分析システム。
【請求項7】
前記出力部は、前記分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目と第3の評価項目と第4の評価項目とを選択したことに基づいて、
前記第1の評価項目を第1の軸とし、前記第2の評価項目を第2の軸とし、前記第3の評価項目を第3の軸とした3次元空間を表示し、
前記3次元空間に、前記複数の分析対象の各々の分析結果をプロットし、
前記プロットは、前記複数の分析対象の各々における前記第4の評価項目の値を視覚的に示す、請求項1に記載の分析システム。
【請求項8】
各前記プロットは、前記複数の分析対象の各々のデザインの表示を含む、請求項5~7のいずれかに記載の分析システム。
【請求項9】
前記取得部は、前記複数の分析対象の分析結果の表示の中から選択された分析対象のデザインの注文の入力を取得可能に構成される、請求項1に記載の分析システム。
【請求項10】
商品またはサービスの分析方法であって、
前記商品または前記サービスのデザイン候補となり得る複数の分析対象と、前記分析対象の分析に関する選択とを取得するステップと、
前記分析に関する選択に基づいて、前記分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択するステップと、
前記1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析するステップと、
前記複数の分析対象の分析結果を出力するステップとを含む、分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分析システムに関し、より特定的には、デザインについての分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業は、自社の商品またはサービス(以下、商品およびサービスを総称して「商品等」と呼ぶこともある)において、様々なデザインのパッケージ、広告、ロゴ等を使用する。企業は、一般的に、複数のデザイン案の中から使用するデザインを決定する。企業は、販売戦略、商品等のカテゴリ等に応じて、商品等に使用するデザインを適切に決定する必要がある。
【0003】
また、近年、機械学習に関する技術が飛躍的に発展している。いくつかの企業は、当該機械学習を各種コンテンツがユーザに与える印象等の分析に使用し始めている。
【0004】
コンテンツがユーザに与える印象等を分析する技術に関し、例えば、特開2022-013346号公報(特許文献1)は、印象評価のための学習装置を開示している。当該学習装置は、「学習装置の訓練データ取得手段は、入力データと、複数の項目を含む正解データと、が対応付けられた訓練データを取得する。共起性データ取得手段は、項目間の共起性に関する共起性データを取得する。学習手段は、訓練データと、共起性データと、に基づいて、推定モデルの学習を行う」というものである([要約]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によると、商品等の分析内容もしくはカテゴリに応じて、商品等で使用するデザイン案を様々な観点で分析することができない。したがって、商品等の分析内容もしくはカテゴリに応じて、商品等で使用するデザイン案を様々な観点で分析するための技術が必要とされている。
【0007】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、商品等の分析内容もしくはカテゴリに応じて、商品等で使用するデザイン案を様々な観点で分析するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従うと商品またはサービスの分析システムが提供される。分析システムは、商品またはサービスのデザイン候補となり得る複数の分析対象と、分析対象の分析に関する選択とを取得するための取得部と、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択するための分析項目選択部と、1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析するための分析部と、複数の分析対象の分析結果を出力するための出力部とを備える。
【0009】
ある局面において、分析システムは、分析結果と、1つ以上の評価項目の組み合わせとを関連付けた第1のテーブルをさらに備える。分析に関する選択は、分析結果の選択である。分析項目選択部は、第1のテーブルを参照することで、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する。
【0010】
ある局面において、分析システムは、商品またはサービスのカテゴリと、1つ以上の評価項目の組み合わせとを関連付けた第2のテーブルをさらに備える。分析に関する選択は、カテゴリの選択である。分析項目選択部は、第2のテーブルを参照することで、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する。
【0011】
ある局面において、カテゴリに関連付けられた1つ以上の評価項目の組み合わせは、カテゴリの属性に基づく評価項目と、分析方法に基づく評価項目とを含む。分析方法に基づく評価項目は、複数のカテゴリに対して関連付け可能に構成される。
【0012】
ある局面において、出力部は、分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目とを選択したことに基づいて、第1の評価項目を第1の軸とし、第2の評価項目を第2の軸とした2次元空間を表示し、2次元空間に、複数の分析対象の各々の分析結果をプロットする。
【0013】
ある局面において、出力部は、分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目と第3の評価項目とを選択したことに基づいて、第1の評価項目を第1の軸とし、第2の評価項目を第2の軸とした2次元空間を表示し、2次元空間に、複数の分析対象の各々の分析結果をプロットする。プロットは、複数の分析対象の各々における第3の評価項目の値を視覚的に示す。
【0014】
ある局面において、出力部は、分析項目選択部が第1の評価項目と第2の評価項目と第3の評価項目と第4の評価項目とを選択したことに基づいて、第1の評価項目を第1の軸とし、第2の評価項目を第2の軸とし、第3の評価項目を第3の軸とした3次元空間を表示し、3次元空間に、複数の分析対象の各々の分析結果をプロットする。プロットは、複数の分析対象の各々における第4の評価項目の値を視覚的に示す。
【0015】
ある局面において、各プロットは、複数の分析対象の各々のデザインの表示を含む。
【0016】
ある局面において、取得部は、複数の分析対象の分析結果の表示の中から選択された分析対象のデザインの注文の入力を取得可能に構成される。
【0017】
他の実施の形態に従うと商品またはサービスの分析方法が提供される。分析方法は、商品またはサービスのデザイン候補となり得る複数の分析対象と、分析対象の分析に関する選択とを取得するステップと、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択するステップと、1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析するステップと、複数の分析対象の分析結果を出力するステップとを含む。
【発明の効果】
【0018】
ある実施の形態に従うと、商品等の分析内容もしくはカテゴリに応じて、商品等で使用するデザイン案を様々な観点で分析することが可能である。
【0019】
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本実施の形態に従う分析システム100の動作概要の一例を示す図である。
【
図2】本実施の形態に従う分析システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に従う分析システム100の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図4】共通評価テーブル311の構成の一例を示す図である。
【
図5】カテゴリ別評価テーブル312の構成の一例を示す図である。
【
図6】カスタム評価テーブル313の構成の一例を示す図である。
【
図7】第1の分析結果700の一例を示す図である。
【
図8】第2の分析結果800の一例を示す図である。
【
図9】第3の分析結果900の一例を示す図である。
【
図10】分析システム100の内部処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0022】
<A.システム構成>
まず、
図1~
図3を参照して、本実施の形態に従う分析システムの動作概要、ハードウェア構成、機能構成の一例について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に従う分析システム100の動作概要の一例を示す図である。
図1を参照して、分析システム100の全体像および動作概要について説明する。また、本明細書における各種用語についても併せて説明する。
【0024】
分析システム100は、商品等において使用される1つ以上のデザイン候補を分析し、分析結果をユーザに提供する。
【0025】
本明細書において、「システム」は、1または複数の装置からなる構成、サーバ、クラウド環境に構築された仮想マシンもしくはコンテナ、または、これらの少なくとも一部からなる構成を包含する。また、装置は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ装置、タブレット、スマートフォン等の情報処理装置を含んでいてもよく、また、これらの組合せであってもよい。ある局面において、システムは、ディスプレイおよびキーボード等の入出力機器と接続されて、ユーザに使用されてもよい。他の局面において、システムは、ネットワークを介して、クラウドサービスまたはウェブアプリケーションとして、ユーザに各種機能を提供してもよい。この場合、ユーザは、自身の端末にインストールされたブラウザまたはクライアントソフトウェアを介して、システムの機能を使用し得る。
【0026】
本明細書において、「デザイン」は、画像、立体形状、映像、音声、UI(User Interface)またはこれらの組み合わせを包含する。また、「デザイン候補」は、商品等に使用されるデザインの候補である。また、デザイン候補は、複数の画像等の同一フォーマットのデザインのみを含んでいてもよい。さらに、デザイン候補は、画像、立体形状、映像等の異なるフォーマットのデザインを含んでいてもよい。これ以降、デザイン候補に含まれる任意のフォーマットのデータ(個別のデザイン)を「分析対象」と呼ぶ。
【0027】
学習済エンジン120は、デザイン候補に含まれる各分析対象を分析して、分析結果を出力する。分析システム100は、学習済エンジン120の分析結果をまとめて視覚的な分析結果をユーザに提供する。これ以降、区別のために、学習済エンジン120の出力を「評価項目」と呼ぶ。また、分析システム100がユーザに提示する最終データを「分析結果」と呼ぶ。より具体的には、学習済エンジン120は、評価項目における各分析対象の値(評価値)を出力する。また、分析システム100が提供する分析結果は、各分析対象における各評価項目の値を視覚的に表したものである。
【0028】
ある局面において、分析システム100は、1つ以上の学習済エンジン120と連携してもよい。例えば、各学習済エンジン120は、入力が共通であり、出力が異なる。より具体的には、各学習済エンジンは、各分析対象を共通の入力として取得する。ただし、各学習済エンジンは、各分析対象についての異なる観点(評価項目)での分析結果を出力する。例えば、第1の学習済エンジンは、各分析対象が顧客に与える中長期的好意について評価項目を出力し、また、第2の学習済エンジンは、各分析対象が顧客に与える記憶定着について評価項目を出力する。さらに、第3の学習済エンジンは、商品等のカテゴリに特有の評価項目を出力する。分析システム100は、ユーザから入力された要望(分析対象の分析に関する選択)に基づいて、最適な1つ以上の学習済エンジン120を選択し得る。そして、分析システム100は、複数の評価項目を合せた分析結果を視覚的にユーザに提示し得る。「分析対象の分析に関する選択」は、分析の観点の選択である。分析対象の分析に関する選択は、一例として、分析内容の選択、商品等のカテゴリの選択を含む。
【0029】
他の局面において、学習済エンジン120は、入力に応じて、異なる評価項目(中長期的好意、記憶定着、商品等のカテゴリごとの分析結果)またはこれらの組み合わせを出力してもよい。この場合、分析システム100は、ユーザから入力された要望(分析対象の分析に関する選択)に基づいて、学習済エンジン120に入力するパラメータを変更するだけでよい。
【0030】
さらに、他の局面において、1つ以上の学習済エンジン120は、分析システム100と同一のハードウェア上に配置されてもよい。また、1つ以上の学習済エンジン120は、分析システム100とは異なるハードウェア上に配置されてもよい。さらに、一部の学習済エンジン120は分析システム100と同一のハードウェア上に配置され、残りの学習済エンジン120は分析システム100とは異なるハードウェア上に配置されてもよい。
【0031】
「分析内容の選択」は、商品等に使用されるデザインが顧客に与える影響または印象についての分析の選択である。一例として、分析内容は、商品愛着力、顧客コミットメント、顧客エンゲージメント、トライアル誘因力、購入引上げ力、購入訴求力等の分析方法を含む。ユーザ110は、顧客との結びつきが重要となる長期利用を視野に入れた商品等のデザインを検討する場合、商品愛着力、顧客コミットメント、顧客エンゲージメント等を、分析内容として選択し得る。また、ユーザ110は、季節限定の商品等の短期的な売上成果を前提とした商品等のデザインを検討する場合、トライアル誘因力、購入引上げ力、購入訴求力等を分析内容として選択し得る。分析システム100は、分析内容の選択を入力された場合、選択された分析に必要とされる評価項目を得るように、1つ以上の学習済エンジン120を選択、または、学習済エンジン120に入力するパラメータを選択し得る。
【0032】
「商品等のカテゴリの選択」は、商品等の種類の選択である。商品等の種類は、一例として、食品、家電、携帯電話、流通等を含む。分析システム100は、商品等のカテゴリの選択を入力された場合、商品等のカテゴリに必要とされる評価項目を得るように、1つ以上の学習済エンジン120を選択、または、学習済エンジン120に入力するパラメータを選択し得る。
【0033】
次に、分析システム100の典型的な動作例について説明する。ステップS1において、ユーザ110は、デザイン候補130(1つ以上の分析対象を含む)を分析システム100に入力する。さらに、ユーザ110は、分析対象の分析に関する選択を分析システム100に入力する。
【0034】
例えば、ユーザ110は、既存のスープ商品について、顧客に長期にわたって購入してもらいたいとする。この場合、ユーザ110は、スープ商品のパッケージ画像等(分析対象)と、商品愛着力等の分析内容(分析対象の分析に関する選択)とを分析システム100に入力し得る。
【0035】
デザイン候補130は、1つまたは複数の分析対象(デザイン案)を含む。分析対象は、画像、映像、音声、UI、インタラクティブコンテンツ等の任意のデータを含み得る。また、デザイン候補130に含まれる各デザイン案のフォーマットは異なっていてもよい(画像および映像等が混在してもよい)。
【0036】
分析システム100がウェブアプリケーションまたはクラウドサービスとして提供される場合、ユーザ110は、自身の端末のブラウザ機能等を介して、分析システム100が提供する機能にアクセスする。また、分析システム100がスタンドアロンのアプリケーションとして提供される場合、ユーザ110は、分析システム100がインストールされた端末を操作して、分析システム100が提供する機能にアクセスする。
【0037】
ステップS2において、分析システム100は、分析対象の分析に関する選択に基づいて、必要な評価項目を選択する。評価項目の選択の詳細については、
図4~
図6を参照して後述する。
【0038】
次に、分析システム100は、複数の学習済エンジン120が存在する場合、必要な評価項目に基づいて、使用する学習済エンジン120を選択する。または、分析システム100は、複数の分析機能を持つ学習済エンジン120を使用する場合、必要な評価項目に基づいて、学習済エンジン120に入力するパラメータ(分析方法の選択等)を変更する。
【0039】
分析システム100は、1つ以上の学習済エンジン120から、分析結果の表示に必要となる、各分析対象についての各評価項目の値を取得する。例えば、分析システム100は、各パッケージ画像(各分析対象)の記憶定着の値(第1の評価項目の値)および中長期的好意の値(第2の評価項目の値)を取得する。
【0040】
ステップS3において、分析システム100は、複数の評価項目の分析結果を視覚的に表した表示140をユーザ110に提示する。表示140は、選択された評価項目の数に応じて、フォーマットが変化し得る。
図1の例では、分析システム100は、第1の評価項目を第1の軸とし、第2の評価項目を第2の軸とした2次元空間を表示し、さらに、2次元空間に、複数の分析対象の各々の分析結果をプロットしている。ある局面において、各プロットは、複数の分析対象の各々のデザイン(パッケージ等)の表示を含んでいてもよい。表示140のバリエーションについては、
図7~
図9を参照して後述する。
【0041】
ステップS4において、ユーザ110は、複数の分析対象の分析結果の表示140を参照して、デザイン候補130の中から最終デザイン150を選択し得る。すなわち、分析システム100は、表示140(複数の分析対象の分析結果の表示)の中から選択された分析対象のデザインの注文の入力を取得可能に構成される。分析システム100は、ユーザ110から最終デザイン150の選択入力を取得する。
【0042】
ある局面において、分析システム100は、選択された最終デザイン150を用いてパッケージ等の量産を受け付ける機能を備えていてもよい。他の局面において、分析システム100は、入力された最終デザイン150を量産に使用できるフォーマットに変換またはデザインし直す処理を受け付ける機能を備えていてもよい。さらに、他の局面において、分析システム100は、これらの両方の機能を備えていてもよい。いずれの場合も、分析システム100は、分析システム100を運営する企業または外部の企業に、パッケージ等の量産依頼、または、入力されたデザインを量産に使用できるフォーマットに変換またはデザインし直す処理の依頼を出力し得る。
【0043】
ステップS5において、分析システム100は、ユーザ110に最終商品を納品する。最終商品は、量産されたパッケージ等、フォーマットに変換もしくはデザインし直された画像等、または、それらの両方を含み得る。
【0044】
上記の通り、本実施の形態に従う分析システム100は、ユーザから入力された要望(分析対象の分析に関する選択)に基づいて、必要となる評価項目を選択する。また、分析システム100は、選択された各評価項目からなる分析結果を視覚的にユーザ110に提示し得る。これにより、ユーザは、分析に関する専門知識(マーケティングまたはデータ分析等の知識)を有することなく、所望の結果(商品愛着力等の分析結果)を取得することができる。また、ユーザは、視覚的に示される分析結果を参照することで、デザイン候補の中から本番で使用するデザインを容易に選択し得る。
【0045】
図2は、本実施の形態に従う分析システム100のハードウェア構成の一例を示す図である。分析システム100は、プロセッサ1と、メモリ2と、ストレージ3と、外部機器IF(Interface)4と、入力IF5と、出力IF6と、通信IF7とを含む。
【0046】
プロセッサ1は、分析システム100の各種機能を実現するためのプログラムを実行し得る。プロセッサ1は、例えば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、例えば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはこれらの組み合わせ等によって構成されてもよい。
【0047】
メモリ2は、プロセッサ1によって実行されるプログラムと、プロセッサ1によって参照されるデータとを格納する。ある局面において、メモリ2は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)等によって実現されてもよい。
【0048】
ストレージ3は、不揮発性メモリであり、プロセッサ1によって実行されるプログラムおよびプロセッサ1によって参照されるデータを格納してもよい。その場合、プロセッサ1は、ストレージ3からメモリ2に読み出されたプログラムを実行し、ストレージ3からメモリ2に読み出されたデータを参照する。ある局面において、ストレージ3は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリー等によって実現されてもよい。
【0049】
外部機器IF4は、プリンター、スキャナーおよび外付けHDD等の任意の外部機器に接続され得る。ある局面において、外部機器IF4は、USB(Universal Serial Bus)端子等によって実現されてもよい。
【0050】
入力IF5は、キーボード、マウス、タッチパッドまたはゲームパッド等の任意の入力装置に接続され得る。ある局面において、入力IF5は、USB端子、PS/2端子およびBluetooth(登録商標)モジュール等によって実現されてもよい。
【0051】
出力IF6は、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の任意の出力装置に接続され得る。ある局面において、出力IF6は、USB端子、D-sub端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)端子およびディスプレイポート端子等によって実現されてもよい。
【0052】
通信IF7は、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して他の機器と接続される。ある局面において、通信IF7は、有線LAN(Local Area Network)ポートおよびWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)モジュール等によって実現されてもよい。他の局面において、通信IF7は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルを用いてデータを送受信してもよい。
【0053】
図3は、本実施の形態に従う分析システム100の機能ブロックの一例を示す図である。ある局面において、分析システム100は、
図2に示されるハードウェア上プログラムを実行することで、
図3に示される各機ブロックを実現してもよい。他の局面において、
図3に示される各機能ブロックの一部は、ハードウェアとして実現されもよい。この場合、分析システム100は、
図2の構成に加えて、一部の機能ブロックを実現するためのハードウェア構成をさらに含む。
【0054】
分析システム100は、主な機能ブロックとして、取得部301と、分析項目選択部302と、分析部303と、出力部304と、記憶領域305とを備える。また、記憶領域305は、共通評価テーブル311と、カテゴリ別評価テーブル312と、カスタム評価テーブル313と、1つ以上の学習済エンジン314とを含む。また、分析システム100は、外部サーバ350と連携可能に構成される。外部サーバ350は、学習済エンジン351A,351B,351C(総称する場合は「学習済エンジン351」と呼ぶ)を備える。なお、学習済エンジン351A,351B,351Cは一例であり、外部サーバ350は、任意の数の学習済エンジンを備えていてもよい。
【0055】
取得部301は、ユーザ110の端末から、デザイン候補130(1つ以上の分析対象を含む)と、分析対象の分析に関する選択とを取得する。取得部301は、取得したデザイン候補130および分析対象の分析に関する選択を分析項目選択部302に出力する。分析システム100がウェブアプリケーションまたはクラウドサービスの場合、取得部301は、HTML(Hyper Text Markup Language)等で作成されたUIを介して、ユーザ110の入力を受け付ける。分析システム100がスタンドアロンのアプリケーションの場合、取得部301は、ユーザ110が使用する端末にインストールされたアプリケーションのUIを介して、ユーザ110の入力を受け付ける。また、取得部301は、
図7~
図9に示されるような複数の分析対象の分析結果の表示の中から選択された分析対象のデザインの注文の入力を取得可能に構成される。
【0056】
分析項目選択部302は、分析に関する選択に基づいて、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する。より具体的には、分析項目選択部302は、記憶領域305内の1つ以上のテーブルを参照し、分析対象の分析に必要となる1つ以上の評価項目を選択する。分析項目選択部302は、分析に関する選択と、選択した1つ以上の評価項目とを分析部303に出力する。ある局面において、分析に関する選択と、1つ以上の評価項目の組み合わせとが1対1に対応付けされている場合(対応付け情報がストレージ3等に格納されている場合)、分析項目選択部302は、選択した1つ以上の評価項目のみを分析部303に出力してもよい。この場合、分析部303は、入力された1つ以上の評価項目の組み合わせに基づいて、当該組み合わせに対応する分析内容(分析に関する選択)を判別し得る。
【0057】
ある局面において、分析システム100は、分析対象の分析に関する選択の内容(商品等のカテゴリの選択、分析内容の選択、または、これらの組み合わせ)に応じて、参照するテーブルを変更し得る。例えば、分析に関する選択が「商品愛着力」である場合、分析項目選択部302は、共通評価テーブル311を参照し、「商品愛着力」の分析に必要となる評価項目を取得する。ある局面において、分析システム100は、商品等のカテゴリに関係なく、分析対象(デザイン)が顧客に与える「商品愛着力、顧客コミットメント、顧客エンゲージメント」等の影響を分析する場合は、共通評価テーブル311を参照し得る。他の局面において、分析システム100は、商品等のカテゴリ「食品、家電、携帯電話、流通等」ごとに重要となる評価項目について取得する場合は、カテゴリ別評価テーブル312を参照し得る。さらに他の局面において、分析システム100は、商品等のカテゴリおよび分析内容の組み合わせに応じて、カスタム評価テーブル313を参照し得る。商品等のカテゴリおよび分析内容の組み合わせは、例えば、商品等のカテゴリ「食品」と、分析内容「商品愛着力」との組み合わせ等である。
【0058】
分析部303は、選択された1つ以上の評価項目に基づいて、複数の分析対象を分析する。より具体的には、分析部303は、学習済エンジン314および/または学習済エンジン351にパラメータを入力する。分析項目選択部302は、各学習済エンジン314,351から、複数の分析対象の各々の1つ以上の評価項目の値を取得する。例えば、複数の分析対象が、分析対象A,B,C,D,E(デザイン案A~E)の5つの分析対象を含み、1つ以上の評価項目が、第1の評価項目(記憶定着等)と、第2の評価項目(中長期的好意等)とを含むとする。この場合、分析部303は、分析対象A,B,C,D,E(デザイン案A~E)ごとに、第1の評価項目(記憶定着等)の値および第2の評価項目(中長期的好意等)の値を取得する。分析部303は、取得した複数の分析対象の各々の1つ以上の評価項目の値を、分析結果として表示可能なフォーマットに整えたデータとして、出力部304に出力する。
【0059】
出力部304は、取得したデータを読み込んで、視覚的に表現された分析結果をユーザ110に提示する。ある局面において、出力部304は、ユーザ110の端末のブラウザに、分析結果を表示してもよい。他の局面において、出力部304は、視覚的に表現された分析結果をダウンロードするためのリンクをユーザ110の端末に提供してもよい。
【0060】
記憶領域305は、各種テーブル、学習済エンジン314を格納するための記憶領域である。ある局面において、記憶領域305は、データベース管理システム(DBMS:Database Management System)の管理領域を含んでいてもよい。この場合、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313は、リレーショナルデータベースとして実現される。他の局面において、記憶領域305は、NoSQL型の任意のフォーマットのデータベースシステムの管理領域であってもよいし、単なる記憶領域であってもよい。
【0061】
共通評価テーブル311は、商品等のカテゴリに依存しない共通の評価項目を含む。商品等のカテゴリに依存しない共通の評価項目は、例えば、商品愛着力、顧客コミットメント、顧客エンゲージメント、トライアル誘因力、購入引上げ力、購入訴求力等である。分析項目選択部302は、商品等のカテゴリに依存しない分析手法が、分析対象の分析に関する選択として選択された場合に、共通評価テーブル311を参照する。
【0062】
カテゴリ別評価テーブル312は、商品等のカテゴリに特有の評価項目を含む。商品等のカテゴリに特有の評価項目は、例えば、食品であれば、原材料、カロリー、栄養バランス等である。分析項目選択部302は、商品等のカテゴリが、分析対象の分析に関する選択として選択された場合に、カテゴリ別評価テーブル312を参照する。
【0063】
カスタム評価テーブル313は、商品等のカテゴリに依存しない共通の評価項目と、商品等のカテゴリに特有の評価項目とを含む。分析項目選択部302は、品等のカテゴリに依存しない分析手法および商品等のカテゴリの組み合わせが、分析対象の分析に関する選択として選択された場合に、カスタム評価テーブル313を参照する。ある局面において、カスタム評価テーブル313が、カテゴリ別評価テーブル312の代わりに使用されてもよい。この場合、分析項目選択部302は、商品等のカテゴリが、分析対象の分析に関する選択として選択された場合に、カスタム評価テーブル313を参照する。カスタム評価テーブル313が、カテゴリ別評価テーブル312の代わりに使用される場合、分析システム100は、カテゴリ別評価テーブル312を備えなくてもよい。
【0064】
学習済エンジン314は、学習済エンジン120に含まれる。すなわち、学習済エンジン120は、分析システム100内に配置された1つ以上の学習済エンジン314として実現され得る。ある局面において、学習済エンジン314は、複数の学習済エンジンであってもよい。この場合、一例として、第1の学習済エンジンが商品愛着力の分析用であり、第2の学習済エンジンが顧客コミットメントの分析用である等であってもよい。分析システム100は、用途(分析内容)に基づいて、複数の学習済エンジンを適宜使い分け得る。
【0065】
学習済エンジン351は、学習済エンジン120に含まれる。すなわち、学習済エンジン120の全てまたは一部は、外部サーバ350内に配置された学習済エンジン351として実現され得る。
【0066】
ある局面において、分析システム100は、外部サーバ350内の1つ以上の学習済エンジン351を使用してもよい。さらに、他の局面において、分析システム100は、分析システム100内に配置された学習済エンジン314と、外部サーバ350内の1つ以上の学習済エンジン351とを必要に応じて組み合わせて使用してもよい。なお、分析システム100は、複数の学習済エンジンを使用する場合、各学習済エンジンから、別々の評価項目の値を取得し得る。当該構成を取ることにより、分析システム100は、学習済エンジンの高い拡張性を備える。
【0067】
<B.テーブル構成>
次に、
図4~6を参照して、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313の各々の構成の一例について説明する。ある局面において、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313の各々は、リレーショナルデータベースのテーブルとして実現されてもよい。他の局面において、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313の各々は、その他の任意のフォーマットで表現されてもよい。
【0068】
図4は、共通評価テーブル311の構成の一例を示す図である。共通評価テーブル311は、一例として、分析内容のカラム401と、項目1のカラム402と、項目2のカラム403と、項目3のカラム404と、項目4のカラム405とを含む。なお、
図4の共通評価テーブル311の項目数は一例に過ぎない。共通評価テーブル311は、任意の数の項目のカラムを含んでいてもよい。
【0069】
分析内容のカラム401は、「分析対象の分析に関する選択」に含まれる分析内容の選択に対応する。また、分析内容のカラム401は、出力部304が出力する分析結果に対応する。
【0070】
分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として選択された分析内容のレコードに対応付けられた各項目の内容を評価項目として選択する。例えば、分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として「商品愛着力」を取得したとする。この場合、分析システム100は、「商品愛着力」のレコードにおける項目1のカラム402(記憶定着)、項目2のカラム403(中長期的好意)、項目3のカラム404(空)、項目4のカラム405(空)の内容を評価項目として選択する。項目3のカラム404、項目4のカラム405は、空であるため、分析内容「商品愛着力」の評価項目として、「記憶定着、中長期的好意」が選択される。
【0071】
ある局面において、複数のレコードは、同一の項目を含んでいてもよい。
図4の例では、「商品愛着力」(レコード1)の項目1のカラム402の内容は、「顧客コミットメント」(レコード2)の項目1のカラム402の内容と等しい。他の局面において、各項目の内容は、レコード(分析内容)に応じて、異なっていてもよい。
図4の例では、「商品愛着力」(レコード1)の項目1のカラム402の内容は、「トライアル誘因力」(レコード4)の項目1のカラム402の内容と異なっている。
【0072】
図5は、カテゴリ別評価テーブル312の構成の一例を示す図である。カテゴリ別評価テーブル312は、一例として、カテゴリのカラム501と、項目1のカラム502と、項目2のカラム503と、項目3のカラム504とを含む。なお、
図5のカテゴリ別評価テーブル312の項目数は一例に過ぎない。カテゴリ別評価テーブル312は、任意の数の項目のカラムを含んでいてもよい。
【0073】
カテゴリのカラム501は、「分析対象の分析に関する選択」に含まれるカテゴリの選択に対応する。また、カテゴリのカラム501は、出力部304が出力する分析結果に対応する。
【0074】
分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として選択されたカテゴリのレコードに対応付けられた各項目の内容を評価項目として選択する。例えば、分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として「食品」を取得したとする。この場合、分析システム100は、「食品」のレコードにおける項目1のカラム502(原材料)、項目2のカラム503(カロリー)、項目3のカラム504(栄養バランス)の内容を評価項目として選択する。
【0075】
ある局面において、複数のレコードは、同一の項目を含んでいてもよい。例えば、「家電」のレコードと「携帯電話」のレコードは、共通の項目として「商品スペック」等を備えていてもよい。他の局面において、各項目の内容は、レコード(カテゴリ)ごとに特有の項目のみであってもよい。
【0076】
図6は、カスタム評価テーブル313の構成の一例を示す図である。カスタム評価テーブル313は、一例として、カテゴリのカラム601と、項目1のカラム602と、項目2のカラム603と、項目3のカラム604と、項目4のカラム605と、項目5のカラム606とを含む。なお、
図6のカスタム評価テーブル313の項目数は一例に過ぎない。カスタム評価テーブル313は、任意の数の項目のカラムを含んでいてもよい。
【0077】
カテゴリのカラム601は、「分析対象の分析に関する選択」に含まれるカテゴリの選択に対応する。または、カテゴリのカラム601は、「分析対象の分析に関する選択」に含まれるカテゴリおよび分析方法の組み合わせの選択に対応する。また、カテゴリのカラム601は、出力部304が出力する分析結果に対応する。
【0078】
分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として選択されたカテゴリ(またはカテゴリおよび分析内容の組み合わせ)のレコードに対応付けられた各項目の内容を評価項目として選択する。例えば、分析システム100は、「分析対象の分析に関する選択」として「食品」を取得したとする。この場合、分析システム100は、「食品」のレコードにおける項目1のカラム602(記憶定着)、項目2のカラム603(中長期的好意)、項目3のカラム604(原材料)、項目4のカラム605(カロリー)、項目5のカラム606(栄養バランス)の内容を評価項目として選択する。
【0079】
ある局面において、複数のレコードは、同一の項目を含んでいてもよい。
図6の例では、「食品」(レコード1)の項目1のカラム602の内容は、「家電」(レコード2)の項目1のカラム602の内容と等しい。他の局面において、各項目の内容は、レコードに応じて、異なっていてもよい。
図6の例では、「食品」(レコード1)の項目3のカラム604の内容は、「家電」(レコード2)の項目3のカラム604の内容と異なっている。
【0080】
分析システム100は、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313を使い分けることにより、「分析対象の分析に関する選択」として選択された「分析内容および/またはカテゴリ」に基づいて、必要となる評価項目を選択し得る。
【0081】
<C.分析結果の表示>
次に、
図7~
図9を参照して、分析システム100がユーザ110に提示し得る分析結果の一例について説明する。
図7~
図9に示される分析結果は、出力部304により、ユーザ110の端末に出力される。ある局面において、出力部304は、
図7~
図9に示される分析結果を、ユーザ110の端末のブラウザ上に表示可能なフォーマットで出力してもよい。他の局面において、出力部304は、
図7~
図9に示される分析結果を、画像、文書またはこれらの組み合わせデータとして、ダウンロード可能なフォーマットで出力してもよい。
【0082】
図7は、第1の分析結果700の一例を示す図である。分析システム100は、評価結果に含まれる評価項目が2つの場合、2次元空間上に、各分析対象の分析結果をプロットする。
【0083】
より具体的には、分析項目選択部302が2つの評価項目(第1の評価項目、第2の評価項目)を選択したと得る。この場合、分析システム100(出力部304)は、第1の評価項目を第1の軸701とし、第2の評価項目を第2の軸702とした2次元空間を表示する。
図7の例では、第1の評価項目「記憶定着」を第1の軸701とし、第2の評価項目「中長期的好意」を第2の軸702としている。
【0084】
次に、分析システム100(出力部304)は、複数の分析対象の各々の分析結果を2次元空間にプロットする。複数の分析対象の各々のプロット位置(座標)は、1の評価項目の値と第2の評価項目の値とに基づいて決まる。
【0085】
ある局面において、分析システム100(出力部304)は、プロットに各分析対象のデザイン704を含めてもよい。または、分析システム100(出力部304)は、プロット703の近傍に各分析対象のデザイン704を表示してもよい。こうすることで、ユーザ110は、プロット703およびデザイン704を参照することで、各デザインを容易に比較し得る。
【0086】
図8は、第2の分析結果800の一例を示す図である。分析システム100は、評価結果に含まれる評価項目が3つの場合、2次元空間上に、各分析対象の分析結果をプロットする。
図7の例と異なり、各プロット803は、プロットされる円の大きさ等により、3つ目の評価項目の値を視覚的に表現する。
【0087】
より具体的には、分析項目選択部302が3つの評価項目(第1の評価項目、第2の評価項目、第3の評価項目)を選択したと得る。この場合、分析システム100(出力部304)は、第1の評価項目を第1の軸801とし、第2の評価項目を第2の軸802とした2次元空間を表示する。
図8の例では、第1の評価項目「記憶定着」を第1の軸801とし、第2の評価項目「中長期的好意」を第2の軸802としている。次に、分析システム100(出力部304)は、複数の分析対象の各々の分析結果を2次元空間にプロットする。プロットされる分析結果の円の大きさは、第3の評価項目の値に応じて変化する。
図8の例では、各分析対象は、第3の評価項目(長期使用意向)の値に応じて異なるサイズでプロットされている。複数の分析対象の各々のプロット位置(座標)は、1の評価項目の値と第2の評価項目の値とに基づいて決まる。なお、プロット803の形状は、円だけに限られず、四角、三角、その他任意の形状であってもよい。
【0088】
ある局面において、分析システム100(出力部304)は、プロット803に各分析対象のデザイン804を含めてもよい。または、分析システム100(出力部304)は、プロット803の近傍に各分析対象のデザイン804を表示してもよい。こうすることで、ユーザ110は、プロット803およびデザイン804を参照することで、各デザインを容易に比較し得る。
【0089】
図9は、第3の分析結果900の一例を示す図である。分析システム100は、評価結果に含まれる評価項目が4つの場合、3次元空間上に、各分析対象の分析結果をプロットする。さらに、各プロット904は、プロットされる円の大きさ等により、4つ目の評価項目の値を視覚的に表現する。
【0090】
より具体的には、分析項目選択部302が4つの評価項目(第1の評価項目、第2の評価項目、第3の評価項目、第4の評価項目)を選択したと得る。この場合、分析システム100(出力部304)は、第1の評価項目を第1の軸901とし、第2の評価項目を第2の軸902とし、第3の評価項目を第3の軸903とした3次元空間を表示する。
図9の例では、第1の評価項目「記憶定着」を第1の軸901とし、第2の評価項目「中長期的好意」を第2の軸902とし、第3の評価項目「商品特徴伝達度」を第3の軸903としている。
【0091】
次に、分析システム100(出力部304)は、複数の分析対象の各々の分析結果を3次元空間にプロットする。プロットされる分析結果の円の大きさは、第4の評価項目の値に応じて変化する。
図9の例では、各分析対象は、第4の評価項目(長期使用意向)の値に応じて異なるサイズでプロットされている。複数の分析対象の各々のプロット位置(座標)は、1の評価項目の値と第2の評価項目の値と第3の評価項目の値とに基づいて決まる。なお、プロット904の形状は、円だけに限られず、四角、三角、その他任意の形状であってもよい。
【0092】
ある局面において、分析システム100(出力部304)は、プロット904に各分析対象のデザインを含めてもよい。または、分析システム100(出力部304)は、プロット904の近傍に各分析対象のデザインを表示してもよい。こうすることで、ユーザ110は、プロット904およびデザインを参照することで、各デザインを容易に比較し得る。
【0093】
上記のように、分析システム100は、ユーザ110によって選択された分析内容またはカテゴリに基づいて、評価項目を選択する。そして、分析システム100は、各分析対象における各評価項目の値を視覚的に表示する。これにより、ユーザ110は、各分析対象(デザイン案)が、顧客にどのような影響を与えるのかを視覚的に確認し、自身のビジネスに適したデザイン案を選択し得る。
【0094】
<D.フローチャート>
図10は、分析システム100の内部処理の手順の一例を示す図である。ある局面において、プロセッサ1は、
図10の処理を行うためのプログラムをストレージ3からメモリ2に読み込んで、当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0095】
ステップS1010において、分析システム100は、データを取得する。より具体的には、分析システム100は、ユーザ110の端末から、デザイン候補(複数の分析対象)と、分析対象の分析に関する選択とを取得する。
【0096】
ステップS1020において、分析システム100は、評価項目を選択する。より具体的には、分析システム100は、分析対象の分析に関する選択に応じて、共通評価テーブル311、カテゴリ別評価テーブル312、カスタム評価テーブル313のいずれか1つ、または、複数のテーブルを参照し、必要な評価項目を選択する。
【0097】
ステップS1030において、分析システム100は、各分析対象の分析を学習済エンジン120に要求する。ある局面において、分析システム100は、自装置内の学習済エンジン314に分析処理を要求してもよい。他の局面において、分析システム100は、外部サーバ350内の学習済エンジン351に分析処理を要求してもよい。さらに他の局面において、分析システム100は、自装置内の学習済エンジン314と外部サーバ350内の学習済エンジン351とに分析処理を要求してもよい。
【0098】
ステップS1040において、分析システム100は、学習済エンジン120から各分析対象の分析結果を取得する。各分析対象の分析結果は、各分析対象における評価項目ごとの値を含む。
【0099】
ステップS1050において、分析システム100は、分析結果画面を生成する。分析結果画面は、例えば、第1の分析結果700,第2の分析結果800,第3の分析結果900のような分析結果の視覚的表現を含む。
【0100】
ステップS1060において、分析システム100は、分析結果画面を出力する。ある局面において、分析システム100は、ユーザ110の端末のブラウザに表示可能なフォーマットで分析結果画面を出力してもよい。他の局面において、分析システム100は、ユーザ110の端末がダウンロード可能なフォーマット(任意の文書データ、画像データ等)で分析結果画面を出力してもよい。
【0101】
以上説明したように、本実施の形態に従う分析システム100は、ユーザから入力された要望(分析対象の分析に関する選択)に基づいて、必要となる評価項目を選択する。また、分析システム100は、選択された各評価項目からなる分析結果を視覚的にユーザ110に提示し得る。これにより、ユーザは、分析に関する専門知識(マーケティングまたはデータ分析等の知識)を有することなく、所望の結果(商品愛着力等の分析結果)を取得することができる。また、ユーザは、視覚的に示される分析結果を参照することで、デザイン候補の中から本番で使用するデザインを容易に選択し得る。
【0102】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0103】
1 プロセッサ、2 メモリ、3 ストレージ、4 外部機器IF、5 入力IF、6 出力IF、7 通信IF、100 分析システム、110 ユーザ、120,314,351 学習済エンジン、130 デザイン候補、140 表示、150 最終デザイン、301 取得部、302 分析項目選択部、303 分析部、304 出力部、305 記憶領域、311 共通評価テーブル、312 カテゴリ別評価テーブル、313 カスタム評価テーブル、350 外部サーバ、401,402,403,404,405,501,502,503,504,601,602,603,604,605,606 カラム、700 第1の分析結果、701,801,901 第1の軸、702,802,902 第2の軸、703,803,904 プロット、704,804 デザイン、800 第2の分析結果、900 第3の分析結果、903 第3の軸。