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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039267
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】駐車場案内装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240314BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240314BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20240314BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240314BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240314BHJP
【FI】
G01C21/34
G06Q50/10
G16Y40/60
G16Y20/20
G16Y10/40
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143689
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】598100117
【氏名又は名称】相模石油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099324
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 正剛
(72)【発明者】
【氏名】小泉 光哉
【テーマコード(参考)】
2F129
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC02
2F129CC07
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC17
2F129CC26
2F129CC28
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD40
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE93
2F129FF11
2F129FF12
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129FF60
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF65
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH27
5L049CC13
5L049CC17
(57)【要約】
【課題】ユーザの駐車目的に応じて駐車場を案内することを可能とする技術を提供する。
【解決手段】駐車場案内装置は、表示画面を有するユーザ端末からユーザ端末を所持するユーザが車両を用いて移動する際の目的地、前記目的地への到着希望日時及び駐車目的を受け付ける通信部25と、到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻までに前記車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する探索部202と、探索により特定された駐車場の各々を駐車目的を含む所定基準に従ってランキングするランキング部203と、ランキングの高い駐車場から順に当該駐車場への入庫案内画像を前記表示画面に表示させる制御部201とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有するユーザ端末から当該ユーザ端末を所持するユーザが車両を用いて移動する際の目的地、前記目的地への到着希望日時及び駐車目的を受け付ける受付手段と、
前記到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻までに前記車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する探索手段と、
探索により特定された前記駐車場の各々を前記駐車目的を含む所定基準に従ってランキングし、ランキングの高い駐車場から順に当該駐車場への入庫案内画像を前記表示画面に表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする駐車場案内装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末の固有情報を登録する登録手段と、
前記表示されたいずれかの前記駐車場に前記車両が入庫されかつ出庫されるときに、登録されている前記ユーザ端末の固有情報を、前記目的地、前記駐車場への入庫日時及び出庫日時と共に、所定のストレージに蓄積するユーザ端末管理手段と、
をさらに備えた請求項1に記載の駐車場案内装置。
【請求項3】
前記所定基準は、当該駐車場の設置地域における平均駐車料単価に対する相対駐車料単価、当該駐車場の駐車料精算形態、当該駐車場に駐車可能な車両の種類及び空き台数、当該駐車場における駐車形態を含む複数のパラメータのうち、前記ユーザ端末により指定された1つ以上のパラメータを定量化した評価値であり、
前記ユーザ端末管理手段は、当該ユーザ端末により指定されたパラメータを前記固有情報と関連付けて蓄積する、
請求項2に記載の駐車場案内装置。
【請求項4】
前記制御手段は、相対的に順位の高い駐車場を当該駐車場よりも順位の低い他の駐車場と異なる表示態様で表示させる、
請求項1又は2に記載の駐車場案内装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記入庫案内画像に、駐車場の位置を表す画像を表示させ、
前記駐車場の位置を表す画像には、それぞれが前記駐車場に関する情報を表すとともに、模様または色で互いに識別可能とされた複数の領域を有するアイコンが含まれる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の駐車場案内装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末から、前記車両が入庫した駐車場への駐車前の所定時間と駐車後所定時間経過後の当該ユーザ端末の移動経路の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備えた、
請求項1から5のいずれか一項に記載の駐車場案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して駐車場を案内する駐車場案内技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、目的地の近辺にある駐車場をユーザに対して案内するために、特許文献1に示される技術が知られている。特許文献1では、目的地からの距離という条件だけでなく、利用料金や車両サイズ等のユーザが希望する条件を含めたうえで、ユーザに案内する駐車場を決定している。また、特許文献2には、単に目的地の近辺にある駐車場を案内するだけでなく、ユーザの健康維持を目的として、ある程度目的地から遠い位置にある駐車場を案内する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-286471号公報
【特許文献2】特開2013-19740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、駐車場そのものに関する条件によりユーザに対して駐車場を案内する技術を開示している。また、特許文献2は、ユーザの健康維持を目的とするために駐車場と目的地とが所定範囲の距離となるように条件を設定する点では特許文献1とは異なる。しかしながら、その他の条件については、特許文献1と同様に、駐車場そのものに関する条件を用いてユーザに対して駐車場を案内している。その一方、ユーザは商業施設に立ち寄るための駐車場を探す場合もあれば、宿泊あるいは出勤のために駐車場を探す場合もある。
【0005】
このようにユーザの駐車目的が異なる場合には、ユーザが必要とする駐車場も異なるものとなり得る。例えば商業施設に立ち寄る場合には、最初の2時間は無料あるいは半額になるという駐車場が望ましい。一方、障がい者や老人にとっては、ユニバーサルデザイン対応、例えばスロープが設置されていて段差がなく移動が容易である駐車場であることが好ましい。
【0006】
特許文献1、2に記載された技術では、このような駐車目的に応じて駐車場を案内することは困難である。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑み、ユーザの駐車目的に応じて駐車場を案内することを可能とする技術を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る駐車場案内装置は、表示画面を有するユーザ端末から当該ユーザ端末を所持するユーザが車両を用いて移動する際の目的地、前記目的地への到着希望日時及び駐車目的を受け付ける受付手段と、前記到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻までに前記車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する探索手段と、探索により特定された前記駐車場の各々を前記駐車目的を含む所定基準に従ってランキングし、ランキングの高い駐車場から順に当該駐車場への入庫案内画像を前記表示画面に表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの駐車目的に応じて駐車場を案内することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】駐車場案内システムの構成例を示す図。
図2】サーバの構成例の説明図。
図3】駐車場案内システムの構成図。
図4】目的地及び駐車目的の入力画面の説明図。
図5】駐車場の評価基準入力画面の説明図。
図6】駐車場案内処理のフローチャート。
図7】駐車場ランキング画面の表示形態の説明図。
図8】地図を参照した具体的な駐車場案内の概略説明図。
図9】変形例における駐車場のピンの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る駐車場案内システムSの構成例を示す図である。この駐車場案内システムSには、ユーザ端末1及び駐車場案内装置としてのサーバ2が含まれる。
ユーザ端末1は、例えばユーザの自動車に設置される端末やカーナビゲーション、あるいはユーザが有するスマートフォンやパーソナルコンピュータの形態で実現することができ、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)11、RAM(Random Access Memory)12、及びI/Oインタフェース13を基本構成要素として備える。ユーザの自動車に設置される端末やカーナビゲーション、スマートフォン、あるいはパーソナルコンピュータには、これらをユーザ端末1として動作させるための駐車場案内アプリケーションが予めインストールされているか、または、ユーザによりインストールされる。CPU10、ROM11、RAM12、及びI/Oインタフェース13は、バス14を介して通信可能に接続される。I/Oインタフェース13には、通信部15、入力装置16、及び出力装置17が接続される。
【0013】
入力装置16は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等である。出力装置17は、例えばディスプレイ、プリンタ等である。入力装置16は、ユーザから、車両を用いて移動する際の目的地、目的地への希望日時及び駐車目的を受け付ける。入力装置16は、ユーザ端末1内部に設けられる構成であってもよく、通信ケーブルを介して接続される外部装置であってもよい。
【0014】
CPU10は、ROM11に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、ユーザ端末1の動作を制御する。RAM12は、CPU10が処理を行う際のワークエリアを提供する。CPU10は、I/Oインタフェース13を介して入力装置16から入力されるデータや指示を受け付ける、I/Oインタフェース13を介して出力装置17により情報を出力する。また、CPU10は、通信部15及び後述するサーバ2の通信部25を通じて例えば無線ネットワークNWを介して通信を行い、駐車場案内リクエストをサーバ2に送信する。この際、ユーザの識別情報、ユーザから入力された目的地、希望日時及び駐車目的等の、駐車場案内リクエストに必要な情報はサーバ2に送信される。
【0015】
その後、CPU10は、通信部15及びサーバ2の通信部25により、駐車場の探索結果等の情報をサーバ2から取得し、必要に応じて出力装置17に出力する。第1実施形態では、出力装置17としてはディスプレイが用いられ、CPU10は、サーバ2から取得した駐車場の探索結果をこのディスプレイに表示する。
【0016】
図2に、サーバ2の構成例を示す。サーバ2は、CPU20、ROM21、RAM22、及びI/Oインタフェース23を基本構成要素として備える。CPU20、ROM21、RAM22、及びI/Oインタフェース23は、バス24を介して通信可能に接続される。I/Oインタフェース23には、通信部25、駐車場データベース26、駐車場利用状況取得部27、及び交通状況取得部28が接続される。通信部25は、ユーザ端末1の通信部15から、駐車場案内リクエスト、ユーザ識別情報、ユーザが車両を用いて移動する際の目的地、目的地への希望日時及び駐車目的等を受け付ける。従って、通信部25は、これら駐車場案内リクエスト及びユーザ識別情報の受付手段として機能する。
【0017】
駐車場データベース26には、利用料金、駐車場の場所、一台あたりの駐車スペースの大きさ、屋内駐車場、屋外駐車場、機械式駐車場等の駐車場のタイプ、夜間料金や一日の最大料金等の特別料金の有無及びその内容、駐車場へのアクセス性(駐車場に至る道が広いか狭いか等)、ユニバーサルデザイン対応(車椅子用のスロープ設置等)の情報が個々の駐車場について蓄積されている。駐車場利用状況取得部27は、各駐車場の管理システムと通信を行って、それぞれの駐車場の利用状況をリアルタイムで取得する。交通状況取得部28は、地図情報及び道が混雑しているか等の交通状況を取得する。交通状況の取得方法は任意であるが、例えば地図データ及び交通状況を提供するウェブサイトとAPIを通じたデータ連携を行うことで地図データ及び交通状況を取得する。ストレージとしての記憶部29には、ユーザ端末1の固有情報やユーザ端末1等から入力された情報等が必要に応じて記憶される。
【0018】
CPU20は、ROM21に格納されるコンピュータプログラムを実行することで、サーバ2の動作を制御する。RAM22は、CPU20が処理を行う際のワークエリアを提供する。CPU20は、ユーザ端末1から取得した駐車場案内リクエストを通信部25を通じて受け取ると、I/Oインタフェース23を介して駐車場データベース26、駐車場利用状況取得部27、及び交通状況取得部28から、ユーザに対して駐車場の案内を行うために必要な情報を取得して駐車場の探索を行い、探索により特定された駐車場の各々を駐車目的を含む所定基準に従ってランキングする。その後、CPU20は、I/Oインタフェース23に接続された通信部25及びユーザ端末1の通信部15を通じてデータ通信を行い、ランキングの高い駐車場から順に駐車場への入庫案内に関する画像である入庫案内画像をユーザ端末1に送信する。
【0019】
また、駐車場案内システムSと契約している駐車場運営事業者が、駐車場を利用したユーザに対して、アプリケーションを通じてポイントを付与するようにしてもよい。例えば、駐車料金の一部(例えば駐車料金の1%)をポイントとしてユーザに付与するポイント付与システムを採用することで、当該駐車場を利用することによる付加価値をユーザに与えるようにしてもよい。これにより、ユーザは、駐車場の利用料金の割引を受けることができ、一方、駐車場の事業者は、ポイントを付与することでユーザのリピート率を向上することが期待できるというメリットが得られる。これにより、駐車場案内システムSと契約している駐車場運営事業者は、ユーザに対してポイント付与という付加価値を提供できるようになる。第1実施形態では、駐車場案内システムSと契約している駐車場運営事業者の駐車場にユーザが駐車した場合、ユーザは、駐車後のユーザ端末1の位置情報をアプリが取得してサーバ2へと提供することを許可するか否かを選択する。この選択は、端末1に表示される選択画面を通じて行われる。ユーザからの許可が得られた場合、駐車場運営事業者は、ユーザへ駐車料金の1%分のポイントを付与する。
【0020】
図3に、ユーザ端末1とサーバ2とで構成される駐車場案内システムの概略説明図を示す。サーバ2は、例えばCPU20がコンピュータプログラムを実行することにより複数の機能ブロックとして動作する。また、第1実施形態では、駐車場ごとに設けられた駐車場端末3及びウェブサイト4がネットワークNWを介してユーザ端末1及びサーバ2と接続されている。第1実施形態では、ユーザ端末1、サーバ2、駐車場端末3及びウェブサイトはインターネットを介して無線通信を行うものとした。サーバ2は、制御部201、探索部202、ランキング部203、登録部204、ユーザ端末管理部205、解析部206、位置情報取得部207として動作する。
【0021】
制御部201は、駐車場データベース26、駐車場利用状況取得部27、及び交通状況取得部28から得られる駐車場の料金、空き状況、交通状況等を必要に応じて参照し、探索部202、ランキング部203、登録部204、ユーザ端末管理部205、解析部206、位置情報取得部207の動作を制御してユーザに対して案内する駐車場の探索を行う。その後、制御部201は、駐車場の探索結果に基づいて、駐車場への入庫案内画像をユーザ端末1に送信する。
【0022】
また、制御部201は、複数の駐車場を案内し、かつ、相対的に順位の高い駐車場を当該駐車場よりも順位の低い他の駐車場とは異なる表示態様で表示させるように構成されてもよい。この場合、サイズあるいは色を変える、ハイライトを付けることで、案内する駐車場の表示形態を、他の駐車場との表示形態と異なるものとして視認性を高めるようにできる。サーバ2は、ユーザ端末1から、当該ユーザ端末1を所持するユーザが車両を用いて移動する際の目的地、目的地への到着希望日時及び駐車目的、並びに駐車場の評価基準を、通信部25を通じて受信する。
【0023】
探索部202は、ユーザ端末1から得られた目的地及び目的地への到着希望日時等に基づいて、到着希望日時から所定時間遡った出庫予定時刻までに前記車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する。ランキング部203は、探索により特定された複数の駐車場のそれぞれを、駐車目的を含む所定基準に従ってランキングする。
【0024】
第1実施形態では、駐車場ごとに、複数の評価基準をパラメータについて当該評価基準との適合度を定量化した値である評価値が予め駐車場データベース26に蓄積されている。そして、ランキング部は、ユーザが指定した評価基準について、駐車場ごとにその評価値を駐車場データベース26から読み出し、その評価値に基づいて、駐車目的を含む所定基準に従ってランキングする。具体的には、駐車場を評価するための評価基準としては、料金が安価、駐車場の駐車料精算形態、駐車場に駐車可能な車種及び空き台数、当該駐車場における駐車形態、スロープ設置等ユニバーサルデザイン対応等の複数のパラメータがある。なお、駐車場の料金が安価であるか否かは、例えば駐車場の設置地域における平均駐車料単価に対する相対駐車料単価から判定することができる。
【0025】
第1実施形態では、駐車場ごとに、これらの各パラメータを定量化して評価値とする。この評価値は、その値が高くなるほど駐車場案内における当該駐車場のランキングが高くなるように点数をつけた。例えば相対駐車料単価を、1が一番高く、5が一番安価となるように5段階で評価値をつける。駐車場ごとの各パラメータにおける評価値は、駐車場データベース26に予め格納される。また、駐車場端末3からネットワークNWを通じてサーバ2に送信され、駐車場データベース26に蓄積されるようにしてもよい。
【0026】
このような構成とすることで、ユーザの指定に応じて、駐車料金や駐車形態(例えば屋外駐車場、屋内駐車場、タワーパーキング等の機械式駐車場等)等を考慮した評価値に基づいて駐車場のランキングを行うことが可能である。制御部201は、ランキングの高い駐車場が画面の先頭に表示されるように、当該駐車場への入庫案内画像をユーザ端末1の表示画面に表示させる。
【0027】
登録部204は、ユーザ端末1の固有情報を固有情報データベース221に登録する。ユーザ端末1の固有情報としては、ユーザ端末識別子、ユーザ識別子、ユーザの年齢層、職業、居住地、通勤手段(徒歩、電車、車)等が挙げられる。例えば普段は徒歩や電車で通勤している場合には、車の運転になれていない蓋然性が高いので、入庫及び出庫がしやすい駐車場を優先的に案内することが可能である。
【0028】
ユーザ端末管理部205は、ユーザに案内したいずれかの駐車場にユーザの車両が入庫されかつ出庫されるときに、登録部204に登録されたユーザ端末1の固有情報を、目的地、駐車場への入庫日時及び出庫日時と共にユーザ行動データベース222に蓄積する。前記ユーザ端末管理部205は、当該ユーザ端末により指定されたパラメータを前記固有情報と関連付けて蓄積する、
【0029】
解析部206は、登録部204に登録された情報を用いて、ユーザ端末1の固有情報からユーザの属性を解析する。ユーザの目的地を蓄積することでユーザの行動パターンを解析することも可能となる。さらに、ユーザ端末管理部205がユーザ端末1の固有情報(ユーザの年齢層、職業、居住地等)を、入力された目的地及び入庫した駐車場、駐車場を利用した日時と共に蓄積することにより、ユーザ層分析やニーズ解析等に利用可能である。
【0030】
位置情報取得部207は、ユーザ端末1から、移動履歴情報を取得して位置情報記憶部223に蓄積する。移動履歴情報には、ユーザ端末1の位置情報(例えば所定時間毎の端末1のGPS座標)移動経路が含まれる。この移動履歴情報から、ユーザの車両が入庫した駐車場への駐車前日時の所定時間前と駐車後所定時間経過後のユーザ端末1の移動経路の位置情報が含まれる。このような構成とすることで、案内された駐車場にユーザの車両がどのような経路で到達したかを知ることができる。例えば、蓄積された移動履歴情報から、案内された駐車場への到達経路を解析することで、駐車場への近道の有無や、その到達経路において道路工事が予定されているか等の情報をユーザに案内することが可能である。
【0031】
駐車場端末3は、利用状況管理部31、駐車料金管理部32及び通知制御部33を有する。利用状況管理部31は、駐車場の利用状況を随時監視し、サーバ2に送信する。また、駐車区画の予約が可能である場合には予約状況も管理する。これにより、サーバ2は、駐車場端末3を有する駐車場については空き状況及び予約状況を随時取得することができる。駐車料金管理部32は、サーバ2に季節割引や臨時割引等の駐車料金を随時送信する。これにより、駐車場は、予めサーバ2の駐車場データベース26に登録された駐車料金についての内容を修正、変更あるいは追加することができる。従って、駐車場に空きが多い場合に、リアルタイムで駐車料金を割引し、サーバ2ではその割引を反映して駐車場案内を行うことが可能となる。
【0032】
通知制御部33は、サーバ2へと通知情報を送信する。サーバ2は、後述する駐車場案内のランキング画面における、駐車場からの通知の欄に、通知情報に基づいて文章を表示する。これにより、当該駐車場が臨時割引やイベントを行っている場合に、駐車場端末3から通知情報としてテキスト情報をサーバ2に送信し、サーバ2が作成するランキング画面における駐車場からの通知の欄に当該テキストの内容を表示することが可能である。このような構成とすることで、リアルタイムで臨時割引やイベント等の内容をユーザに伝えることが可能となる。なお、通知の欄は文章の表示に限られるものではなく、駐車場端末3から通知情報としてサーバ2に送信された画像を表示しても良く、あるいは駐車場端末3から通知情報としてサーバ2に送信された音声ファイル用いて音声案内を行うようにしてもよい。
【0033】
駐車場端末3からサーバ2に送信された通知情報は、サーバ2の通知情報記憶部224に記憶される。また、各駐車場の地理的位置及び広さ、アクセスの良さ(駐車場に到着するまでの道幅の広さ)等は駐車場データベース26に登録されており、ランキング部203は、駐車場のランキングを行う際に、必要に応じて駐車場データベース26から駐車場の広さ等の情報を取得する。また、ウェブサイト4は、マップ提供サービス等を行うウェブサイトである。ユーザ端末1及びサーバ2は、API等を通じて、ユーザに対して表示する地図等をウェブサイト4から入手することが可能である。従って、ユーザ端末1及びサーバ2では、地図データ等を独自に用意する必要はない。
【0034】
次に、駐車場の案内形態を具体的に説明する。各ユーザは、住所、職業、車所有の有無、運転練度等が異なっており、それぞれ、駐車場に求める優先度が異なることもある。例えば、運転練度が低いユーザにおいては、料金が安い駐車場より、多少料金が高くても一台あたりのスペースが広く、入庫及び出庫がしやすい駐車場について優先度が高くなることもある。以下、駐車場案内装置によるユーザへの駐車場の案内の一形態を説明する。
【0035】
駐車場を利用しようとするユーザは、ユーザ端末1にインストールされた駐車場案内プログラムを実行して、ユーザ端末1の出力装置17に駐車場案内の入力画面を表示させる。初めて駐車場案内を利用する場合には、ユーザ端末1には、ユーザ自身の情報の入力画面を表示してもよい。この場合、ユーザは、この入力画面を通じてユーザ自身の情報である住所、性別、年齢、職業、車の所有の有無、運転練度の程度、1日あたりの運転距離等を入力する。例えば、ユーザは、自身の主観により運転練度及び運転距離を段階分け(例えば高、中、低の三段階)して入力してもよい。
【0036】
また、ユーザの運転を車両のドライブレコーダで記録し、ドライブレコーダと連携して、その記録内容から運転距離や運転練度の客観的なデータを取得するようにしてもよい。これらの入力は必須ではないものの、ユーザ自身の情報が多くなることで、例えば運転練度が低く細い道が苦手と思われるユーザに対して、駐車場までの道幅が広くアクセスのよい駐車場を案内する等、得られたユーザ自身の情報に応じて適合度が高い駐車場を案内することが可能となる。ユーザ自身の情報の入力後、あるいはユーザ自身の情報が既に登録されている場合、出力装置17には、ユーザが車両により移動する際の目的地、その目的地への到着希望日時、駐車目的の入力画面と、駐車目的における評価基準の入力画面とが表示される。以下の例では、ユーザは車を所有しており、運転練度は低と入力したものとする。
【0037】
図4に、ユーザ端末1に表示される目的地及び駐車目的の入力画面、図5に駐車場の評価基準の入力画面をそれぞれ示す。なお、図4及び図5においては、駐車目的等の各項目に対応する四角領域をダブルクリックすることで、四角領域にチェックマークが付けられる。これにより、ユーザはどの項目を選択したのかを容易に視認できる。これらの入力画面は、ユーザ端末1がタッチパネル型のタブレットである場合、あるいはカーナビゲーションやスマートフォンである場合のいずれにおいても共通する。スマートフォンでは機種により表示画面が小さい場合もあるので、視認性がよくなるように、ユーザ端末1の種類に応じて表示を変更してもよい。ユーザは図4及び図5の入力画面を通じて目的地、到着希望日時、駐車場の評価基準を入力し、駐車目的を幾つかの選択肢から選ぶ。なお、単一の選択肢を選ぶようにしてもよいが、複数選択可能とすることが好ましい。
【0038】
図4の例では、目的地及び目的地到着希望日時について入力欄が設けられ、駐車目的としては、宿泊(レジャー:短期)、宿泊(レジャー:長期)、宿泊(ビジネス:短期)、宿泊(ビジネス:長期)、出勤、商業施設利用、レンタカー/カーシェア終着、障がい者のケア(デイサービス等)の選択肢が示されている。なお、駐車目的は選択式ではなく、記入欄を設けてユーザが記入してもよい。この場合、ユーザが入力した記入内容をAI等によって解析し、ユーザの駐車目的を決定する。
【0039】
この例では、目的地は○県○市○町○○センター、目的地に到着を希望する日時(目的地到着希望日時)として2021年12月11日15時が入力されており、駐車目的として「障がい者のケア」が選択されている。探索部202は、目的地及び目的地到着希望日時等に基づいて、到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻までにユーザの車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する。通常、駐車場から目的地までは徒歩で移動するため、移動時間が発生する。この移動時間は駐車場と目的地との距離に応じて駐車場ごとに異なるものとなる。
【0040】
第1実施形態では、駐車場ごとに、移動時間を考慮して入庫予定時刻を求める。具体的には、到着希望日時から、当該駐車場から目的地までの距離に応じて求められる所定時間遡った時刻を入庫予定時刻とし、この入庫予定時刻までにユーザの車両が入庫可能な駐車場をユーザに対して案内する。ユーザは、駐車場と目的地との距離を考慮する必要はなく、単に目的地への到着希望時刻を入力するだけでよい。また、駐車目的を入力することで、ユーザの行動パターンやニーズの解析も可能となり、ユーザが駐車場案内を利用するごとに、これらの解析結果に基づいて、ユーザに対してさらに適した駐車場を案内することが可能となる。駐車目的は、例えば商業施設への立ち寄り、宿泊、出勤、レンタカー/カーシェアの終着等である。
【0041】
図5の例では、駐車場の評価基準のパラメータとして料金が安価、深夜割引あり、月極料金あり、精算形態(クレジットカード、電子マネー、現金)、駐車可能な車種(軽自動車、中型、大型)、空き台数、一台あたりの駐車スペースの広さ、駐車場までのアクセス、目的地との距離、駐車形態、屋内、ユニバーサルデザイン、商業施設との連携割引、有人駐車場であるか等が示されている。なお、評価基準はこれらの例に限られるものではなく、電気自動車用のEV充電の有無等、任意の内容とすることができる。これらの評価基準を選択することで、ユーザは、駐車料金が安価になることを優先する、駐車場に入庫してから目的地までの歩行距離が短いことを優先する等の、評価基準におけるパラメータを一つまたは複数指定することができる。
【0042】
ユーザ端末1からの入力を受けたサーバ2で実行される駐車場案内処理のフローチャートを図6に示す。なお、特に記載のない限り、フローチャートにおける各ステップは、制御部201の制御の下で探索部202、ランキング部203、登録部204、ユーザ端末管理部205、解析部206及び位置情報取得部207、及び通信部25等により実行される。サーバ2の登録部204は、ユーザ端末1から入力されたユーザ自身の情報を受け付け(S601)、ユーザ端末1の固有情報として固有情報データベース221に登録する。次に、ユーザ端末1を通じて入力された目的地、目的地到着希望日時、駐車目的、及び評価基準の指定結果を受け付け、固有情報データベース221に登録する(S602)。また、ユーザAのユーザ端末1から、MACアドレス及びOSの種類、端末タイプがタブレット、パソコン、スマートフォンのいずれであるかの情報等、ユーザからの入力を介することなく得られる情報がある場合には、これらの情報もユーザ端末1の固有情報として記憶する。
【0043】
探索部202は、ユーザが図4に示した入力画面を通じて入力した目的地や到着希望日時と、登録部204により固有情報データベース221に蓄積されたユーザ端末1の固有情報とに基づいて駐車場の探索を行い、かつ、駐車場ごとに、指定された評価基準に対する評価値を駐車場データベース26から読み出す(S603)。
【0044】
駐車場探索において、探索部202は、到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻として、この入庫予定時刻までにユーザの車両が入庫可能で、かつ、駐車場から目的地まで徒歩移動距離がある程度短い(例えば徒歩15分以内等)1つ又は複数の駐車場を探索する。入庫予定時刻と到着希望日時とを同一とすると、駐車場から目的地への徒歩による移動時間が確保できない。またこの移動時間は駐車場と目的地との距離に応じて変動するので、ユーザがこの移動時間を駐車場ごとに計算するのは非常に煩わしい。従って、制御部201は、目的地と駐車場の距離とに基づいて徒歩による移動時間を所定時間として算出して入庫予定時刻を算出する。また、ユーザの出発地が入力された場合には、その出発地の位置に応じて出発時刻を算出することも可能である。
【0045】
ランキング部203は、探索部202で探索された1つ以上の駐車場について、駐車目的を含む所定基準に従ってランキングを行う。第1実施形態では、ユーザに指定された評価基準について、駐車場ごとに評価値を読み出し、かつ、駐車目的に応じてこの評価値を修正し、修正された評価値の総得点が高いほどランキングが上位になるようにランキングを行う。
【0046】
第1実施形態では、ランキング部203は、駐車場ごとに、図5に示される各評価基準について駐車場データベース26を参照して評価値を読み出し、読み出された評価値ごとに、駐車目的に関連する評価基準であるか否かを判定する(S604)。駐車目的に関連する評価基準である場合(S604:Y)、後述のように所定の係数を評価値に乗算して評価値を修正する(S605)。一方、駐車目的に関連する評価基準ではない場合(S604:N)、所定の係数の乗算は行わず、元の評価値をそのまま修正評価値とする。その後、ランキング部203は、修正評価値の合計点を算出し(S606)、駐車場のランキングを作成する(S607)。なお、ユーザにより指定されていない評価基準については評価値を読み出さず、従って、ランキングに影響を与えることはない。
【0047】
次に、ランキング部203で駐車場のランキングが決定されると、制御部201は、ランキングの高い駐車場が画面の上部に表示されるように、当該駐車場への入庫案内画像を通信部25を通じてユーザ端末1へと出力する(S608)。図7に、ユーザ端末1で表示される入庫案内画像の画面の説明図を示す。図示されるように、相対的にランキングの高い駐車場から低い駐車場の順番で表示される画像(あるいは、相対的にランキングの高い駐車場の情報がより大きく表示される画像)をユーザ端末1の出力装置17で表示するための入庫案内画像をユーザ端末1へと出力する。
【0048】
この際、相対的にランキングの高い駐車場が目立つように、相対的に順位の高い駐車場を当該駐車場よりも順位の低い他の駐車場とは異なる表示態様、例えば色や文字の大きさを変えて表示することが可能である。これにより、ユーザは、ユーザ端末1の出力装置17を通じて、ランキング順位が高い駐車場を容易に視認することができる。このランキング画面の表示形態の一例を図7に示す。図示されるように、一番ランキングが高い駐車場について、駐車場名及び入庫予定時刻等の駐車場についての情報である入庫案内情報が、入庫案内画像の先頭でかつ一番大きな文字で表示されている。
【0049】
また、ランキング2位の駐車場の入庫案内情報は、画像の2番目に、かつ、ランキング1位の駐車場よりもやや小さい文字で表示されている。このように、ランキングが下がるにつれて、駐車場の入庫案内情報の順番が下がり、かつ、文字も小さくなっていく。また、制御部201は、ランキングが高い駐車場の入庫案内情報を、出力装置17においてランキンが低い駐車場の入庫案内情報とは異なる文字色で表示されるように入庫案内情報を出力することも可能である。
【0050】
また、各駐車場に対して入庫予定時刻が示されており、目的地Tに最も近い駐車場Cの入庫予定時刻は12月1日14時50分と一番遅く、最も遠い駐車場Aの入庫予定時刻は12月1日14時35分と最も早い。ユーザは、出力装置17に表示された駐車場のランキングを見ることで、ユーザの希望との適合度が高い駐車場を容易に知ることができ、あわせて入庫時刻を知ることができる。なお、入庫案内情報は画像や文字に限らず、音声によりユーザに伝えることも可能である。この場合、出力装置17の音声出力部から音声案内により、ランキングが最も高い駐車場の入庫案内情報をユーザに知らせる。
【0051】
さらに、この例では、駐車場からの通知も表示するようにした。駐車場からの通知は、駐車場端末3からサーバ2に送信されて通知情報記憶部224に記憶されており、制御部201は、この駐車場ごとに記憶された通知を図7の入庫案内画像のランキング画面にあわせて表示する。駐車場Cは、「駐車場内に段差がなく移動が容易」との通知が示されており、ユーザは、駐車場Cには段差がなく、従ってお年寄りや車椅子利用者にとって利用しやすいという情報を得ることができる。
【0052】
また、駐車場端末3から随時通知情報を送信して通知情報記憶部224に記憶された内容を更新することで、任意のタイミングでユーザに対して任意の通知を行うことができる。例えば、駐車場あるいはその近辺で臨時イベントがあった場合、そのイベントを図7のランキング画面に表示することができる。また、イベントの進行状況を随時更新することで、最新の情報をユーザに通知することが可能である。特に、路地裏にあってユーザの目に付きにくい駐車場は、駐車場Cのようにユニバーサルデザイン対応という独自の利点をアピールすることで集客に繋げることができる。これにより、ユーザは、目的地と駐車場との距離に関わらず、目的地、目的地到着希望時日時、及び評価基準を入力することで、ユーザ自身の希望との適合度が高い駐車場のランキングを知ることができる。
【0053】
また、ユーザが実際に駐車場を利用した場合には、位置情報取得部207は、GPSシステム及びAPI連携等を通じて、車両が入庫した駐車場への駐車前の所定時間と駐車後所定時間経過後のユーザ端末1の移動経路の位置情報を取得する(S609)。なお、ユーザが駐車した駐車場の事業者が駐車場案内システムSの事業者と契約している場合には、アプリケーションを通じてユーザに上述したポイントを付与する。また、入庫前後の移動経路情報として、実際の入庫日時、出庫日時、及びユーザ端末1の出発地から駐車場への移動経路の位置情報も取得する(S610)。さらに、ユーザが駐車場を出庫した場合、出庫日時、及び出庫前後の移動経路の位置情報も取得する。制御部201は、駐車場に車両が入庫されかつ出庫されるときに、登録部204に登録されているユーザ端末1の固有情報を参照し、目的地、駐車場への入庫日時及び出庫日時と共に、取得した位置情報及び移動経路等の情報を記憶部29に蓄積する。
【0054】
ユーザ端末管理部205は、各ユーザについて、固有情報データベース221に登録されたユーザ端末1の固有情報と、記憶部29に蓄積された移動履歴情報をユーザ行動データベース222に蓄積する(S611)。従って、目的地、駐車場への入庫日時及び出庫日時、位置情報及びユーザが駐車場に入庫してからの移動経路情報やユーザが駐車場から出庫してからの移動経路がユーザ行動データベース222に蓄積される。これにより、解析部206は、各ユーザについて、駐車場を利用した場合の行動パターンを解析し、ユーザ層分析やニーズ解析等に利用することが可能となり、ユーザ端末1を保有するユーザごとに、そのユーザがどこから駐車場に来てどこへ行くかの行動分析等が可能となる。
【0055】
次に、S605での評価値の修正について、より詳細に説明する。例えば、料金が安価という評価については、安価であるほど評価値が高くなるように評価値が定められている。商業施設との連携割引という評価基準を満たす駐車場についても同様に、割引の程度が高くなるほどその値が高くなるように評価値が定められている。なお、評価基準ごとに評価値は任意に定めることができる。評価値は、すべての評価基準について共通して1点としてもよいが、第1実施形態では評価値を評価基準ごとに異なるものとした。以下の例では評価基準ごとに、評価基準との適合度によって評価値は最小値0~最大値5の間の値をとるものとした。また、ユーザの駐車目的とユーザに指定された評価基準との適合度を定量化するために、ユーザの駐車目的に応じて各評価基準の値に係数を乗算して評価値を修正した。特に、駐車目的と関連する評価基準については、その評価値に1より大きな係数を乗算することで評価値を修正し、修正後の値が修正評価値として。駐車目的と直接関連しない評価基準については、元の評価値をそのまま(あるいは係数「1」を乗算して)修正評価値とした。
【0056】
例えば、図4においては、目的地は「○県○市○町○○センター」、駐車目的は「障がい者のケア」と入力しており、駐車目的が「障がい者のケア」であることから、ユニバーサルデザイン対応の評価値に大きな係数、例えば5を乗算して評価値の修正を行う。従って、ある駐車場のユニバーサルデザイン対応の評価値が2点の場合でかつユニバーサルデザイン対応がユーザにより選択されている場合には、駐車目的が「障がい者のケア」であれば、その修正評価値は10となる。このように、ランキング部203は、各評価基準について、その評価値ごとに、駐車目的に応じた係数を乗算して評価値を修正し、修正評価値の合計値が高いほど駐車場のランキングが高くなるようにランキングを行う。
【0057】
評価基準のパラメータが複数あることは、駐車場側にも利点をもたらす。例えば、ユニバーサルデザイン対応でかつ駐車場へのアクセスはよいが駐車料金が安価ではないという駐車場の場合、料金だけを評価基準とすると他の駐車場が優先的に案内されてしまう。しかし、図5のように、ユーザが、評価基準において料金が安価を選択していたとしても、ユニバーサルデザイン対応、屋内、及び駐車場へのアクセスがよいという複数のパラメータをも選択している場合がある。この場合、これらの評価基準を総合的に判断して、駐車料金が平均より高価であってもその駐車場のランキングが高くなり、優先的に案内されることもあり得る。
【0058】
図8に、地図を参照した駐車場案内画像の概略説明図を示す。図中において、駐車場は、ピンと呼ばれる円形の図形(図中の○)で表されており、○の中にA~Dが配置されたピンはそれぞれ駐車場A~Dを示している。これらのピンは、駐車場の位置を示す画像となっている。なお、○の中にTが配置された画像は目的地Tを表す。駐車場Aは、目的地Tからの距離が最も長いが駅に近く、また、大通りに面していて駐車場への道が最も広い。駐車場Bは、目的地Tからの距離は駐車場Aに次いで遠いものの一番広い。駐車場Cは、目的地Tに最も近いが、裏通りにあるので目立たない。駐車場に到着するまでには大通りから何回か右折あるいは左折を繰り返す必要があり、駐車場までのアクセスについての評価値は低い。駐車場Dは、駐車場Cに次いで目的地Tに近く、駐車場Aと同程度の広さである。図8の駐車場案内画像において、駅前の大通りを右方向に走ってきた車両が駐車場Aに向かう車両移動経路を実線aで示す。同様に、駅前の大通りを右方向に走ってきた車両が駐車場B、C及びDに向かう車両移動経路をそれぞれ実線b、c及びdで示す。また、各駐車場から目的地Tまでの徒歩移動経路をそれぞれ点線で示す。
なお、図8の例ではピンに駐車場を表すアルファベットA~Dを表示しているが、アルファベットに代えて、ランキングにおける順位を表すようにしてもよい。例えば、ランキング1位、2位、3位及び4位がそれぞれ駐車場C、D、A及びBに対応する場合、図8のピンにおけるA、B、C及びDは、それぞれ数字の3、4、1及び2と表示される。あるいは、ピンに駐車場を表すアルファベットとランキングとの両方を表示しても良い。
【0059】
また、駐車料金は、駐車場Bが最も高く、駐車場Dが最も安い。駐車場A、Cは同じ料金であり、駐車場Bよりも安く駐車場Dよりも高い。さらに、駐車場Cは、ユニバーサルデザイン対応であり、かつ商業施設との連携割引があり、これらの評価値は5点と高い値になっている。その他の駐車場A、B及びDは、これらの評価基準にはあまり対応しておらず、評価値は1点であるものとする。「料金が安価」という評価基準については、駐車料金が最も安価である駐車場Dの評価値が高くなる。一方、有人駐車場については、駐車場Aは多数の人員を配置していることから評価値が最も高く、駐車場Cは無人駐車場であるので評価値が最も低い。さらに、駐車スペースの広さについては、駐車場Bの評価値が高くなる。
【0060】
ランキング部203は、これらの評価基準における評価値のそれぞれについて、駐車目的に応じた係数を乗算することで評価値の修正を行い、修正評価値の総得点が高い駐車場ほどランキングが上位となるようにランキングを行う。評価値の修正においては、駐車目的に関連する評価基準に対しては、その評価値に1より大きい係数を乗算することで修正評価値を算出し、駐車目的に関連しない評価基準については修正を行わず、評価値をそのまま用いる。そして、ランキング部203は、評価値及び修正評価値の合計に基づいて駐車場のランキングを行う。
【0061】
図4及び図5に示される例では、ユーザの駐車目的は障がい者のケアであり、評価基準は、料金が安価、有人駐車場、及びユニバーサルデザイン対応であることから、ランキング部203は、これらの3つの評価基準についての評価値を求める。また、ランキング部203は、ユーザの駐車目的に応じて評価値を修正する。この例では、ユニバーサルデザイン対応については、障がい者のケアという駐車目的に関連する評価基準であることから、上述のようにその評価値に係数5を乗算して修正評価値を求める。なお、駐車目的と、その駐車目的に関連する評価基準及び評価値に乗算する係数については、予めサーバ2の記憶部29に記憶しておく。ランキング部203は、必要に応じて、記憶された駐車目的に関連する評価基準及び評価値に乗算する係数を用いて評価値の修正を行う。
【0062】
ランキング部203は、障がい者のケアという駐車目的に応じて、いずれの駐車場においてもユニバーサルデザイン対応の評価値に5を乗算する。これにより、ユニバーサルデザインに対応していて駐車目的との適合度が高い駐車場の評価値が高くなり、従ってそのランキングも高くなる。以下、各駐車場A~Dについて、図5でユーザにより指定された評価基準である料金が安価、有人駐車場、及びユニバーサルデザインについて具体的な評価値を計算する例を示す。
【0063】
駐車場Aは、料金は平均的、配置人員が豊富な有人駐車場でありかつユニバーサルデザイン対応ではないことから、料金が安価、有人駐車場、ユニバーサルデザイン対応の評価値がそれぞれ3、5、1となっている。ランキング部203は、障がい者のケアという駐車目的に応じて、ユニバーサルデザイン対応の評価値に5を乗算して修正評価値を5とする。料金が安価、有人駐車場という評価基準については、駐車目的と直接関連しないので、元の評価値をそのまま修正評価値とする。従って、駐車場Aの評価値と修正評価値との合計値は、3+5+1×5=13となる。
【0064】
駐車場Bは、料金が最も高く、駐車場の配置人員は一人であり、かつユニバーサルデザイン対応ではないことから、料金が安価、有人駐車場、ユニバーサルデザイン対応の評価値はそれぞれ1、3、1となっている。この場合、ランキング部203は、ユニバーサルデザイン対応の評価値に5を乗算して修正評価値を5とする。従って、駐車場Bの修正評価値との合計値は1+3+1×5=9となる。
【0065】
駐車場Cは、料金は平均的、無人駐車場でありユニバーサルデザイン対応であり、料金が安価、有人駐車場、ユニバーサルデザイン対応の評価値はそれぞれ3、1、5となっている。ランキング部203は、ユニバーサルデザイン対応の評価値に5を乗算して修正評価値を25とする。従って、駐車場Cの評価値と修正評価値との合計値は、3+1+5×5=29となる。
【0066】
駐車場Dは、一番料金が安く、駐車場の配置人員は三人、ユニバーサルデザイン対応ではないことから、料金が安価、有人駐車場、ユニバーサルデザイン対応の評価値はそれぞれ5、4、1とする。ランキング部203は、障がい者のケアという駐車目的に応じて、ユニバーサルデザイン対応の評価値に5を乗算して修正評価値を5とする。従って、駐車場Cの評価値と修正評価値との合計値は、5+4+1×5=14となる。
【0067】
このようにして、ランキング部203は、駐車目的及び指定された評価基準に基づいて、ユーザの希望との適合度が高い駐車場のランキングが上位となるようにランキングを行うことができる。この例では、駐車場A、B、C及びDの合計値はそれぞれ13、9、29及び14であり、駐車場のランキングは、ユーザの希望との適合度が高い順に駐車場C、D、A、Bとなる。従って、駐車場Cは、裏通りにあり駐車場への道が狭くアクセスが良くないことから目立たないものの、ユニバーサルデザイン対応という特徴を有することで、駐車場案内におけるランキングが1位になっている。このことから、ユニバーサルデザイン対応という、あまり目立たずにかつ一度利用しないと利用者にその利点が伝わらない駐車場であっても、それを必要とするユーザに対して、駐車目的に基づいて駐車場案内において当該駐車場のランキングを高くすることが可能であり、ユーザの希望との適合度が高い駐車場案内を行うことができる。
【0068】
なお、ランキング部203は、ユーザ端末1の固有情報に基づいて評価基準の追加を行ってもよい。例えば、ユーザの運転練度が低い場合は車庫入れ技量等も低いと考えられ、駐車スペースが広いことが望ましいと推測できる。従って、図4及び図5に示されるユーザからの入力において、評価基準である駐車スペースの広さは選択されていないものの、ユーザ端末1の固有情報からユーザの運転練度が低いことが判明している場合、駐車スペースの広さもユーザにより選択されたものとしてランキングを行うようにしてもよい。例えば、駐車場Aにおける駐車スペースが広く、駐車スペースの評価値が5である場合、前述した合計値である13にさらに5を加え、合計値は18となる。一方、駐車場Dにおける駐車スペースが狭く、駐車スペースの評価値が1である場合、前述した合計値である14にさらに1を加え、合計値は15となる。従って、駐車スペースの広さもユーザにより選択されたものとしてランキングを行うことで、駐車場Aの合計値は13から18に、駐車場Dの合計値は14から15になり、駐車場Aと駐車場Dとのランキングは逆転する。
【0069】
このように、料金が安価であるという単一の評価基準ではランキングが低くなる駐車場であっても、ユーザがどの評価基準を選択したかにより評価基準ごとに評価値を求め、駐車場の利用目的によってそれぞれの評価値の修正を行うことで、そのランキングが高くなる場合もある。そのため、駐車場の利用目的に応じてユーザの希望との適合度が高くなるようにランキングを行って駐車場を案内することが可能となる。さらに、ユーザ端末1の固有情報を用いて評価基準を追加することで、より一層ユーザの希望との適合度が高くなるようにランキングを行うことも可能である。
【0070】
次に、S609~S611の詳細について説明する。ユーザが駐車場に入庫してからの移動経路情報を蓄積することで、案内された駐車場にユーザが入庫を行ってから目的地までの移動経路を解析部206で分析することが可能となる。従って、例えば、目的地と駐車場との距離から推測される駐車場から目的地までの徒歩移動時間と、実際に徒歩移動に要した時間とを比較して、目的地までの実際の移動時間が長くなるか短くなるか等の情報を取得することができる。これにより、駐車場から目的地までの移動時間の推定精度を向上させることが可能である。また、ユーザの移動経路を取得することで、ユーザが駐車場に車両を入庫してから目的地に移動するまでに立ち寄る施設等を知ることも可能である。
【0071】
また、移動履歴情報からユーザの移動経路を取得して解析部206で解析することで、様々な情報を得ることができる。例えば、図8の地図では駅が表示されているが、上記のようにユーザが車両を入庫してからの移動経路を取得することで、ユーザがこの駅近辺の駐車場を利用した場合に駅を利用する傾向があるか否かを知ることも可能である。従って、例えば電車を利用する傾向を有するユーザについては、駅に近い駐車場である駐車場Aの優先度が高くなるようにしてもよい。この場合においては、駐車場Aについて、評価値及び修正評価値の合計値にさらにボーナス点数として例えば5点を足すことで、駐車場Aのランキング順位が高くなるようにすることも可能である。
【0072】
一方、ユーザが車両を出庫してからの移動経路を取得することで、ユーザがどのような移動経路を利用する傾向があるか否かを知ることも可能である。例えば、ユーザが車両を出庫した後に高速道路を利用する傾向があるユーザに対しては、高速道路の入口へのアクセスがよい駐車場について評価値にボーナス点を追加してもよい。図8の場合においては、高速道路へ続く道に近い駐車場Dについて、評価値及び修正評価値の合計値にさらにボーナス点数として例えば5点を足すことで、駐車場Dのランキング順位が高くなるようにすることも可能である。
【0073】
このように、駐車場案内装置をユーザが複数回利用すると、ユーザにより入力された目的地等の入力内容や、移動履歴情報から得られる駐車場への入庫日時及び出庫日時、ユーザが駐車場に車両を入庫してからの移動経路等が蓄積される。その結果、サーバ2ではユーザ層分析やニーズ解析を行い、ユーザに対して一層適した駐車場を案内することが可能となる。また、複数のユーザの移動履歴情報や入力された目的地等を分析する事で、駐車場の需要を知ることができる。特に、ユーザの移動履歴情報から、ユーザが駐車場に駐車してからの位置情報や移動履歴を抽出し、ユーザの目的地とあわせて分析を行うことで、ユーザによる駐車場の需要を知ることができ、例えば、多くのユーザの目的地となっている場所の近辺に新規駐車場を開設することが可能となる。複数のユーザの移動経路を知ることで、駐車場の広告をどこに掲示すれば良いかを分析することができ、既存駐車場の売上改善をはかることも可能となる。
【0074】
<第2実施形態>
第1実施形態では、図5及び図6に示されるように、料金、ユニバーサルデザイン、精算形態等の評価基準について駐車場データベース26を参照して評価値を読み出し、必要に応じて評価値の修正を行ってその合計点から駐車場のランキングを作成している。第2実施形態では、図5に示した駐車形態に基づいた評価値の求め方についての詳細を説明する。なお、説明を簡素化するために、第2実施形態では駐車形態に基づいた評価値のみを説明するが、その他の構成は第1実施形態と同様である。従って、第2実施形態でも、駐車形態に基づいた評価値を必要に応じて修正し、かつ、料金等のその他の評価基準とあわせて駐車場のランキングが作成される。
【0075】
第2実施形態では、前面車路、駐車場レイアウトタイプ、駐車台数及びフラップの有無を、駐車形態における車の停めやすさを判定するための指標としてそれぞれ数値化し、その数値から駐車形態に基づいた評価値を求める。
前面車路については、17.5m以上を10、14.0m以上17.5m未満を8、10.0m以上14.5m未満を6、10.0m未満を0と数値化した。
駐車レイアウトについては、横対面型(入庫した際に両サイドに向かい合って車室があり、車同士が向かい合うレイアウト)を9、片側型(片側に車室が並列に配置されたレイアウト)を9、縦対面型(入庫した際に縦向きに向かい合っている車室があるレイアウト)を7.5、機械式タワー駐車場(車を機械が運んで駐車場に格納するレイアウト)を1、その他(上記の横対面型等のいずれにも該当しないレイアウト)は0として数値化した。
駐車台数については、4台以下を3、5~9台を8、10~20台を9、21台以上を10として数値化した。
フラップの有無については、フラップがある駐車場を10、フラップがない駐車場を0として数値化した。
【0076】
これら前面車路、駐車レイアウト、駐車台数及びフラップの有無についての点数をそのまま合計した値を駐車形態に基づいた評価値としてもよい。しかし、前面車路、駐車レイアウト、駐車台数、フラップの有無は、駐車場における車の停めやすさに与える影響は必ずしも等しいものではない。このことから、第2実施形態においては、これら前面車路等の数値に重み付け係数を乗算し、その合計値を駐車形態に基づいた評価値とした。第2実施形態では、前面車路、駐車レイアウト、駐車台数及びフラップの有無についてそれぞれ重み付け係数として0.5、0.2、0.2、0.1を割り当てる。この場合、前面車路が17.5m以上(10)、駐車レイアウトが横対面型(9)、駐車台数が15台(9)、フラップが有る(10)という駐車場の場合、駐車形態に基づいた評価値は、0.5×10+0.2×9+0.2×9+0.1×10=9.6となる。
【0077】
なお、第2実施形態では、車の停めやすさを数値化するための要素として、前面車路(駐車場の前面にある車路)、駐車レイアウト、駐車台数、フラップの有無を採用した。しかし、これらは一例であり、車の停めやすさの要素として、例えば車室(駐車場で車を収容するスペース)幅、駐車場の傾斜の有無、出入口が2カ所以上あるか否か、駐車場の前面道路の交通量等、他の任意の基準を採用することも可能である。
【0078】
<変形例>
上述した第1及び第2実施形態では、図7に示されるように、ユーザ端末1で表示される入庫案内画像の画面において相対的にランキングの高い駐車場が目立つように文字の大きさや色を変えている。図8の地図を参照した駐車場案内画像においては、ピンに駐車場を識別するためのA~Dの文字を表示し、かつ、地図上におけるピンの位置によって駐車場の位置を表すようにしており、駐車場についての説明情報は表示されていない。このように入庫案内情報を地図画面に表示しないことで、画面を簡素化して視認性を確保している。
【0079】
変形例では、入庫案内画像において、駐車場の位置を示す画像であるピンには、駐車場の識別情報(A~Dの文字)(又は駐車場のランキング)に加えて、駐車場に関する情報、例えば空車/満車、新規オープン、ポイント付与システム対応及び予約専用駐車場等の情報を表すアイコンが含まれており、駐車場の位置及び駐車場の識別情報あるいはランキングだけでなく、その他の情報をも伝えるためのデザインを採用する。
【0080】
地図を表示した入庫案内画像においてピンを大きくすると、地図における建物や道路等が隠されて視認性が低下するので、ピンはあまり大きくすることができない。また、入庫案内情報等の情報をピンに追加するとデザインが複雑になり、ピンが小さい場合には特に視認性が落ちるおそれがある。また、ピンに文章を表示すると、上述した大きさの制約から小さな文字を使用する必要があるので視認性が更に落ちるおそれがある。
【0081】
図9に、変形例における駐車場のピンの説明図を示す。ピンの左上側には、駐車場が満車であるか空車であるかを示す第1円形領域が表示されており、満車である場合には「満」、空車である場合には「空」との一文字が表示される。このようにして、駐車場が満車または空車であることをアイコンにより示すことができる。また、ピンの右上側には、それぞれが駐車場に関する情報を表すとともに、模様または色で互いに識別可能とされた複数の領域を有するアイコンが表示される。図9の例では、この複数の領域を有するアイコンとして、3つの扇形小領域を有する第2円形領域が表示されており、これらの扇形小領域は色あるいは模様により駐車場に関するそれぞれ異なる情報を表している。より詳細には、新規オープン駐車場を斜線の扇形小領域、ポイント付与システムに対応した駐車場は濃い網掛けの扇形小領域、予約専用駐車場は薄い網掛けの扇形小領域でそれぞれ表している。図9の例では、斜線の扇形小領域は駐車場C(及び駐車場D)の第2円形領域における右上、濃い網掛けの扇形小領域は駐車場C(及び駐車場D)の第2円形領域における左上、薄い網掛けの扇形小領域は駐車場C(及び駐車場D)の第2円形領域における下側にそれぞれ配置されている。
【0082】
図9の例では斜線、濃い網掛け、及び薄い網掛けにより領域(扇形小領域)を識別しているが、各領域が識別されるのであれば、点線や一点鎖線等の他の表示を用いても良い。また、新規オープンに該当しない場合には、横線の扇形小領域を表示している。ポイント付与システム、及び予約専用駐車場についても同様であり、これらに該当しない場合には横線の扇形小領域が表示される。図9の例においては駐車場A(及び駐車場B)の第2円形領域における右上領域及び左上領域がいずれも横線の扇形小領域となっている。なお、この例では扇形小領域が表す情報を斜線等の模様によって各領域を識別可能にしたが、色によって情報を識別可能にしてもよい。例えば、新規オープン駐車場は赤の扇形小領域、ポイント付与システムに対応した駐車場は青の扇形小領域、予約専用駐車場は黄色の扇形小領域でそれぞれ表してもよい。また、新規オープン駐車場等に該当しない場合には、灰色でグレーアウト表示してもよい。また、視認性を高めるために、例えば、図9の第1円形領域における「満」は赤地に白抜き文字、「空」は青地に白抜き文字でそれぞれ示してもよい。これら扇形小領域等にどの色を割り当てるかは任意に決定することができる。
【0083】
以上のことから、ユーザが駐車目的を入力し、かつ、評価基準というパラメータを指定可能とすることで、ユーザに対して、複数のパラメータを満たしてユーザの希望との一致度が高い駐車場を案内することが可能となるという利点が得られる。特に、駐車目的に応じて評価基準における評価値を修正することで、ユーザの希望との適合度がより高くなるように駐車場のランキングを行うことが可能である。
【0084】
なお、駐車場の駐車目的の評価基準は上述したものに限られるものではない。駐車場の評価基準としては予約可能、満空情報があるか、最大料金があるか、駐車台数が所定台数(例えば50台)以上であるか、EV充電装置があるか等、様々なものがあり、これらの評価基準を図5に示される評価基準に追加あるいは置換して用いることで、多種多様な評価基準を用いて駐車場のランキングを行うことが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有するユーザ端末から当該ユーザ端末を所持するユーザが車両を用いて移動する際の目的地、前記目的地への到着希望日時及び駐車目的を受け付ける受付手段と、
前記到着希望日時から所定時間遡った入庫予定時刻までに前記車両が入庫可能な1又は複数の駐車場を探索する探索手段と、
探索により特定された前記駐車場の各々を前記駐車目的を含む所定基準に従ってランキングし、ランキングの高い駐車場から順に当該駐車場への入庫案内画像を、入庫予定時刻と、前記駐車場から送信されたテキスト情報を含む通知情報との少なくとも一方とともに前記表示画面に表示させる制御手段と、を備えたことを特徴とする駐車場案内装置。
【請求項2】
前記ユーザ端末の固有情報を登録する登録手段と、
前記表示されたいずれかの前記駐車場に前記車両が入庫されかつ出庫されるときに、登録されている前記ユーザ端末の固有情報を、前記目的地、前記駐車場への入庫日時及び出庫日時と共に、所定のストレージに蓄積するユーザ端末管理手段と、
をさらに備えた請求項1に記載の駐車場案内装置。
【請求項3】
前記所定基準は、当該駐車場の設置地域における平均駐車料単価に対する相対駐車料単価、当該駐車場の駐車料精算形態、当該駐車場に駐車可能な車両の種類及び空き台数、当該駐車場における駐車形態を含む複数のパラメータのうち、前記ユーザ端末により指定された1つ以上のパラメータを定量化した評価値であり、
前記ユーザ端末管理手段は、当該ユーザ端末により指定されたパラメータを前記固有情報と関連付けて蓄積する、
請求項2に記載の駐車場案内装置。
【請求項4】
前記制御手段は、相対的に順位の高い駐車場を当該駐車場よりも順位の低い他の駐車場と異なる表示態様で表示させる、
請求項1又は2に記載の駐車場案内装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記入庫案内画像に、駐車場の位置を表す画像を表示させ、
前記駐車場の位置を表す画像には、それぞれが前記駐車場に関する情報を表すとともに、模様または色で互いに識別可能とされた複数の領域を有するアイコンが含まれる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の駐車場案内装置。
【請求項6】
前記ユーザ端末から、前記車両が入庫した駐車場への駐車前の所定時間と駐車後所定時間経過後の当該ユーザ端末の移動経路の位置情報を取得する位置情報取得手段をさらに備えた、
請求項1~3のいずれか1項に記載の駐車場案内装置。