(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039285
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】端材回収装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/00 20060101AFI20240314BHJP
B24B 55/12 20060101ALI20240314BHJP
B01D 33/04 20060101ALI20240314BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B23Q11/00 U
B24B55/12
B01D33/04 A
B01D33/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143726
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】大岡 慎二
【テーマコード(参考)】
3C011
3C047
4D116
【Fターム(参考)】
3C011BB31
3C047FF04
3C047FF06
3C047FF08
3C047GG01
3C047GG17
3C047GG18
4D116BB11
4D116BC62
4D116BC66
4D116BC67
4D116DD01
4D116FF12B
4D116KK01
4D116QC17C
4D116RR01
4D116RR05
4D116RR12
4D116RR21
4D116RR26
4D116SS07
4D116VV09
4D116VV30
(57)【要約】
【目的】Si端材が混入した処理水を処理装置から排水させ、処理装置を停止させることなく、処理装置からの排水内のSi端材を回収可能な装置を提供する。
【構成】実施形態の端材回収装置100は、メッシュコンベア10と、引き剥がし機構30と、複数の回収容器50,52と、を備える。メッシュコンベアは、端材11が液体に混入した混入液を上方から受け、前記端材の少なくとも一部を捕集すると共に前記液体を通すメッシュベルト12を有し、前記メッシュベルトを移動させる。引き剥がし機構は、前記メッシュベルトの前記端材を載せた面が下向きになった状態で、前記メッシュベルトから前記端材を引き剥がす。複数の回収容器は、引き剥がされた前記端材を回収する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端材が液体に混入した混入液を上方から受け、前記端材の少なくとも一部を捕集すると共に前記液体を通すメッシュベルトを有し、前記メッシュベルトを移動させるメッシュコンベアと、
前記メッシュベルトの前記端材を載せた面が下向きになった状態で、前記メッシュベルトから前記端材を引き剥がす引き剥がし機構と、
引き剥がされた前記端材を回収する複数の回収容器と、
を備えたことを特徴とする端材回収装置。
【請求項2】
引き剥がされた前記端材を前記複数の回収容器のうちいずれか1つに選択的に振り分ける振り分け機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の端材回収装置。
【請求項3】
前記引き剥がし機構は、前記メッシュベルトの前記端材を載せた面の裏面側から前記メッシュベルトを介して前記端材にガスを吹き付けることを特徴とする請求項1又は2記載の端材回収装置。
【請求項4】
前記メッシュベルトに載せられた前記端材を乾燥させる乾燥機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の端材回収装置。
【請求項5】
前記メッシュコンベアは、前記メッシュベルトに前記端材を載せた状態で前記メッシュベルトを斜め上方へ移動させ、
前記乾燥機構は、前記メッシュベルトが前記斜め上方へ移動する間に、前記メッシュベルトの前記端材を載せた面側から前記端材にエアを吹き付けることを特徴とする請求項4記載の端材回収装置。
【請求項6】
前記端材のうち、前記液体と共に前記メッシュベルトを通過した他の一部を捕集するトラップをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の端材回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、端材回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造において、例えばバックグラインド加工時にシリコン(Si)の端材が処理水に混入してしまう。そのため、かかるプロセスの処理装置内に処理水を溜め、定期的に装置を停止し、Si端材を処理水から分離した後、作業員が手作業でSi端材を装置から取り除く必要があった。
【0003】
バックグラインド加工ではないが、例えば、ダイシング装置内部に配置された端材回収装置によりパンチングメタル上に廃液を流し、パンチングメタルで固液分離し端材を捕集する。そして、パンチングメタルが自重で垂れ下がる位置までパンチングメタルを押し出し、パンチングメタルが自重で垂れ下がることでパンチングメタル上の端材を落下させる。そして、ダイシング装置の停止中に作業者が落下した端材を装置内から取り除くといった技術が開示されている。
【0004】
Si端材は鋭利な形状をしている場合があり、手作業では作業員が怪我をする恐れがあった。また、かかる作業に時間がかかり、その間、装置を停止しなければならず、生産ロスが大きいといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、Si端材が混入した処理水を処理装置から排水させ、処理装置を停止させることなく、処理装置からの排水内のSi端材を回収可能な装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の端材回収装置は、メッシュコンベアと、引き剥がし機構と、複数の回収容器と、を備える。メッシュコンベアは、端材が液体に混入した混入液を上方から受け、前記端材の少なくとも一部を捕集すると共に前記液体を通すメッシュベルトを有し、前記メッシュベルトを移動させる。引き剥がし機構は、前記メッシュベルトの前記端材を載せた面が下向きになった状態で、前記メッシュベルトから前記端材を引き剥がす。複数の回収容器は、引き剥がされた前記端材を回収する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態における端材回収装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態におけるメッシュコンベアの駆動手法の一例を説明するための図である。
【
図3】第1の実施形態におけるメッシュベルトの一部の一例の上面図である。
【
図4】第1の実施形態におけるメッシュコンベアの駆動手法の他の一例を説明するための図である。
【
図5】第1の実施形態における乾燥機構の構成の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態におけるメッシュコンベアのコースとベルト長さの関係の一例を説明するための図である。
【
図7】第1の実施形態における引き剥がし機構の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における端材回収装置の構成の一例を示す図である。
図1において、端材回収装置100は、メッシュコンベア10と、乾燥機構20と、引き剥がし機構30と、振り分け機構40と、複数の回収容器50,52と、トラップ60と、を備えている。メッシュコンベア10と、乾燥機構20と、引き剥がし機構30と、振り分け機構40と、トラップ60とは、装置筐体102内に配置される。装置筐体102は、供給口104、排水口108、流路壁106、回収通路110,112を有する。また、端材回収装置100は、制御回路120により制御される。端材回収装置100は、例えば、シリコン(Si)の端材が混入する混入液を排水する、図示しないプロセス装置(処理装置)の下流側に配置される。プロセス装置として、例えば、バックグラインド加工装置等、研磨装置、或いはダイシング装置等が挙げられる。
【0010】
メッシュコンベア10は、メッシュベルト12と駆動機構14とを有する。駆動機構14は、メッシュベルト12を駆動する。
図1の例では、駆動機構14は、メッシュベルト12を時計回りで回転するように駆動する場合を示している。
【0011】
図2は、第1の実施形態におけるメッシュコンベアの駆動手法の一例を説明するための図である。
図2において、構成部品を把握し易くするため、メッシュベルト12、チェーン16、及びスプロケット17間を離して示している。
図3は、第1の実施形態におけるメッシュベルトの一部の一例の上面図である。
図4は、第1の実施形態におけるメッシュコンベアの駆動手法の他の一例を説明するための図である。
メッシュベルト12は、例えば、ステンレス鋼等の複数の鋼線を鋼線同士間に隙間が形成されるように例えば螺旋状に編むことによって形成される。これによりメッシュベルト12には、多数の隙間(開口部)が2次元状にそれぞれ所定のピッチで配列される。隙間のサイズは、捕集する物のサイズに応じて適宜設定できる。例えば、隙間サイズが1~3mm程度に設定されると好適である。メッシュベルト12は長手方向に端部が存在しないように環状に形成される。メッシュコンベア10は、駆動機構14を用いてメッシュベルト12を移動させる。また、メッシュコンベア10の駆動方式として、例えば、チェーン駆動方式とローラー駆動方式とが挙げられる。
図2及び
図3の例では、チェーン駆動方式の一例が示されている。
図4では、ローラー駆動方式の一例が示されている。
【0012】
チェーン駆動方式では、
図3に示すように、メッシュベルト12の短手方向の両端部に、メッシュベルト12に沿ってチェーン16が配置される。そして、スプロケット17を回転させることによりチェーンを駆動し、チェーンの移動と共にメッシュベルト12を移動させる。チェーン駆動方式において、チェーン16及びスプロケット17は、駆動機構14の一例となる。また、スプロケット17を回転させるモーター等の図示は省略している。
【0013】
また、ローラー駆動方式では、メッシュベルト12下にローラー15を配置して、ローラー15を回転させることによりメッシュベルト12を移動させる。ローラー15は、駆動機構14の一例となる。また、ローラー15を回転させるモーター等の図示は省略している。
【0014】
図1において、メッシュコンベア10は、メッシュベルト12上面が左側から右側に向かって進む場合を示している。メッシュベルト12上面は、コンベア左端側から水平移動した後、所定の角度で斜め上方に向きを変える。その後、再度水平移動する。その後、コンベア右端でメッシュベルト12は折り返し、上面が下を向いた状態で水平移動した後、斜め下方に向きを変える。その後、コンベア左端まで再度水平移動する。そして、コンベア左端でメッシュベルト12は折り返し、上面が上を向く。メッシュベルト12は、以降、同様のコースを繰り返し移動する。
【0015】
メッシュコンベア10では、端材(例えば、Si端材)11,13が液体に混入した混入液を上方から受ける。
図1の例では、装置筐体102の供給口104から混入液が供給される。供給された混入液は、流路壁106によって流路が制限され、メッシュベルト12上に供給される。供給された混入液は、メッシュベルト12によって、端材11,13の少なくとも一部が捕集される。そして、混入液の液体部分がメッシュベルト12の開口部を通過する。これにより、混入液の固液分離ができる。
【0016】
メッシュベルト12を通過した液体は、下方の排水口108から排水される。排水口108の手前の位置には、メッシュベルト12の隙間サイズよりも小さい隙間サイズで多数の隙間が形成されたメッシュ板を有するトラップ60が配置される。例えば、0.5~0.9mm程度の隙間サイズにすると好適である。また、排水の目詰まりを起こさない程度に小さくすると好適である。メッシュベルト10の隙間サイズよりも微細な端材13が混入液に存在する場合には、液体と共にメッシュベルト12の隙間を通過するが、トラップ60は、かかるメッシュベルト12をすり抜けた微細な端材13を捕集する。
【0017】
乾燥機構20は、メッシュベルト12に載せられた端材11を乾燥或いは水切りさせる。乾燥機構20として、例えば、エアナイフが用いられると好適である。
【0018】
図5は、第1の実施形態における乾燥機構の構成の一例を示す図である。
図5において、乾燥機構20は、供給ノズル22と本体26と複数の噴射ノズル28とを有する。供給ノズル22は、本体26内で複数の噴射ノズル28に枝分かれする。供給ノズル22に供給されたガスは、複数の噴射ノズル28から噴射される。ガスとして、例えば、窒素(N
2)ガスが用いられると好適である。その他、ガスとして、空気であっても構わない。
【0019】
乾燥機構20は、メッシュベルト12の端材11が載っている面側からガスを端材11に向けて噴射する。これにより、噴射されたガスが、端材11の露出面を乾燥させる、或いは端材11の露出面の水切りをさせると共に、端材11をメッシュベルト12に押し付ける。これにより、端材11がガスによってメッシュベルト12から引き剥がされることを抑制或いは低減できる。ガスによって吹き飛ばされた液体は、メッシュベルト12の隙間を通って、或いはメッシュベルト12から外れた領域を通って排水口108に進み、排水される。また、吹き飛ばされた液体が乾燥後のメッシュベルト12の領域に入り込まないように、メッシュコンベア10下方の壁面107によって、装置筐体102の底部がメッシュベルト12の乾燥前に対応する領域と乾燥後に対応する領域とに分離される。例えば、吹き飛ばされた液体の一部は、壁面107に沿って排水口108に進み、排水される。
【0020】
複数の噴射ノズル28は、例えば、同一平面上に一列で並ぶ。これにより、移動してくるメッシュベルト12上の端材11に対して、メッシュベルト12の幅に合わせて広くガスを吹き付けることができる。端材11は、メッシュベルト12の幅方向に対して任意の位置で捕集される。複数の噴射ノズル28を同一平面上に一列で並べることで、メッシュベルト12の上面の位置に関係無く端材11を乾燥或いは水切りさせることができる。
図1の例では、1つの乾燥機構20が配置される場合を示しているが、これに限るものではない。メッシュベルト12の長手方向に沿って複数の乾燥機構20が配置される場合であっても構わない。
【0021】
ここで、
図1に示すように、メッシュコンベア10は、メッシュベルト12に端材11を載せた状態でメッシュベルト12を斜め上方へ移動させる。そして、乾燥機構20は、メッシュベルト12が斜め上方へ移動する間に、メッシュベルト12の端材11を載せた面側から端材11にエアを吹き付ける。
【0022】
図6は、第1の実施形態におけるメッシュコンベアのコースとベルト長さの関係の一例を説明するための図である。
図1に示すように、第1の実施形態では、メッシュコンベア10のコースが水平移動した後、斜め上方に向きを変える。これにより、メッシュベルト12を上面が略上向きの状態で移動させることが望まれる長さに対して、メッシュコンベア10の設置サイズを水平移動で構成する場合よりも短くできる。よって、端材回収装置100の設置面積を小さくできる。言い換えれば、乾燥或いは水切りを同じ時間行う場合に、水平移動中のメッシュベルト12と比べて斜め上方への移動中のメッシュベルト12に対して行う方が、
図6に示すように少ないフットプリントで行うことができる。
【0023】
乾燥或いは水切りさせられた端材11は、メッシュベルト12の移動に伴って移動する。そして、コンベア右端でメッシュベルト12は折り返し、メッシュベルト12の上面が下を向いた状態で移動する。
図1の例では水平移動する。メッシュベルト12の上面が下を向いた状態でも、端材11はメッシュベルト12との間に残る液体の表面張力等の影響によりメッシュベルト12に付着したまま自由落下しないものが多い。そこで、引き剥がし機構30は、メッシュベルト12の端材11を載せた面が下向きになった状態で、メッシュベルト12から端材11を引き剥がす。
【0024】
図7は、第1の実施形態における引き剥がし機構の構成の一例を示す図である。
図7において、引き剥がし機構30は、供給ノズル32とシャワーヘッド34とを有する。シャワーヘッド34は、下向きに複数の孔36が形成される。
図7の例では、棒状のシャワーヘッド34に一列で複数の孔36が形成される場合を示している。供給ノズル32に供給されたガスは、シャワーヘッド34に形成された複数の孔36から下向きに噴射される。
図1の例では、複数の孔36は、メッシュベルト12の長手方向に沿って配置される。これにより、一度の噴射により剥がされなかった端材11に対して順次ガスを吹き付けることで確実に引き剥がすことができる。引き剥がし機構30は、1つに限るものではない。メッシュベルト12の幅サイズに応じて、複数の引き剥がし機構30が並列に配置されても好適である。
【0025】
引き剥がし機構30は、メッシュベルト12の端材11を載せた面の裏面側からメッシュベルト12を介して端材11にガスを吹き付ける。ガスとして、例えば、N2ガスが用いられると好適である。その他、ガスとして、空気であっても構わない。シャワーヘッド34から噴射されたガスは、真下の他、斜め下方向に広がりを持ってメッシュベルト12に届く。そして、メッシュベルト12の隙間を通ってメッシュベルト12の下面に付着した端材11を吹き飛ばすことによりメッシュベルト12から引き剥がす。メッシュベルト12から引き剥がされた端材11は振り分け機構40上に落下する。
【0026】
振り分け機構40は、複数の扉42,44と回転軸46とを有する。振り分け機構40は、さらに複数のガス噴出ノズル48,49を有するとなお好適である。2つの扉42,44は、水平ではない角度で一端同士が回転軸46を挟んで接続される。振り分け機構40の下方には複数の回収容器50,52が配置される。
【0027】
振り分け機構40は、引き剥がされた端材11を複数の回収容器50,52のうちいずれか1つに選択的に振り分ける。具体的には、回転軸46が回転することにより、複数の扉42,44の一方が下に移動し、複数の回収通路110,112の一方を通過可能にする。複数の扉42,44の他方は、水平或いは水平よりも上方に移動し、複数の回収通路110,112の他方を塞ぐ。
【0028】
図1において、例えば、回転軸46が時計回りに回転することにより、複数の扉42,44のうち扉42が下に移動し、回収通路112を通過可能にする。その際、複数の扉42,44のうち扉44は、水平或いは水平よりも上方に移動し、回収通路110を塞ぐ。よって、かかる状態では、扉42側に落下した端材11は、回収通路112を通って回収容器52内に回収される。扉44側に落下した端材11は、扉44によって回収通路110への侵入を阻まれると共に、扉44上を滑って扉42側に移動させられる。
その際、扉44側が水平よりも上方に位置する場合には端材11が自重によって扉44上を滑って扉42側に移動させられる。或いは、ガス噴出ノズル48により扉44の自由端側(外側)から扉42側に向けてガスを扉44上面に当てながら噴射することで端材11は扉44上を滑って扉42側に移動させられる。扉44側が水平に位置する場合には、ガス噴出ノズル48により扉42側に向かってガスを噴射することで端材11は扉44上を滑って扉42側に移動させられる。
【0029】
図1において、例えば、回転軸46が反時計回りに回転することにより、複数の扉42,44のうち扉44が下に移動し、回収通路110を通過可能にする。その際、複数の扉42,44のうち扉42は、水平或いは水平よりも上方に移動し、回収通路112を塞ぐ。よって、かかる状態では、扉44側に落下した端材11は、回収通路110を通って回収容器50内に回収される。扉42側に落下した端材11は、扉42によって回収通路112への侵入を阻まれると共に、扉42上を滑って扉44側に移動させられる。
その際、扉42側が水平よりも上方に位置する場合には端材11が自重によって扉42上を滑って扉44側に移動させられる。或いは、ガス噴出ノズル49により扉42の自由端側(外側)から扉44側に向けてガスを扉42上面に当てながらガスを噴射することで端材11は扉42上を滑って扉44側に移動させられる。扉42側が水平に位置する場合には、ガス噴出ノズル49により扉44側に向かってガスを噴射することで端材11は扉42上を滑って扉44側に移動させられる。
【0030】
複数の回収容器50,52は、引き剥がされた端材11を回収する。その際、上述したように振り分け機構40によって回収通路110,112が1つに制限されるので、回収容器50が端材11を回収する間は、回収容器52は端材11を回収しない。逆に、回収容器52が端材11を回収する間は、回収容器50は端材11を回収しない。
【0031】
回収容器50は、重量センサ72上に配置され、重量が測定される。同様に、回収容器52は、重量センサ73上に配置され、重量が測定される。そして、例えば、回収容器50が端材11を回収する場合、回収容器50の重量が規定量に達したら振り分け機構40は、回収通路110を塞ぎ、回収通路112を開放する。そして、回収容器52が端材11の回収を開始する。そして、回収容器52が端材11を回収している間に、作業者は、回収容器50を移動し、別の回収容器と交換する。回収容器50の内部に溜まった端材11は、移動後に廃棄される。或いは、回収容器52が端材11を回収している間に、作業者は、回収容器50を移動させ、内部の端材11を廃棄後に、また元の位置に回収容器50を移動させる。これにより、新たな回収容器50内は空となる。例えば、回収容器50は、重量センサ72を搭載した台車70上に配置される。これにより、作業者は台車70を移動させることにより回収容器50を交換できる。よって、作業性を向上できる。
【0032】
その後、回収容器52の重量が規定量に達したら振り分け機構40は、回収通路112を塞ぎ、回収通路110を開放する。そして、交換されて内部が空になった回収容器50が端材11の回収を開始する。そして、回収容器50が端材11を回収している間に、作業者は、回収容器52を移動し、別の回収容器と交換する。回収容器52の内部に溜まった端材11は、移動後に廃棄される。或いは、回収容器50が端材11を回収している間に、作業者は、回収容器52を移動させ、内部の端材11を廃棄後に、また元の位置に回収容器52を移動させる。これにより、新たな回収容器52内は空となる。例えば、回収容器52は、重量センサ73を搭載した台車71上に配置される。これにより、作業者は台車71を移動させることにより回収容器52を交換できる。よって、作業性を向上できる。
【0033】
かかる動作を繰り返すことにより、端材11の回収を連続して行うことができる。よって、上流側のプロセス装置を停止させる必要が無く生産性を向上できる。さらに、端材11の分離と回収は端材回収装置100内で、自動で行われるため作業者が端材11に触れないようにできる。よって、従来に比べて安全性を向上させることができる。
【0034】
なお、トラップ60に微細な端材13が捕集される量はごくわずかであるので、トラップ60のメンテナンスの頻度は、回収容器50,52の切り替えに比べて少なくできる。トラップ60をメンテナンスする場合には、トラップ60を水平移動させて装置から取り出せば良い。そして、取り出したトラップ60を上下逆さにひっくり返すことで捕集された端材13を落下させ廃棄すればよい。またトラップ60を上下逆さにひっくり返した状態で裏面側からエアを噴射させても良い。この点でも作業者が直接端材13に触れないようにできる。
【0035】
以上のように第1の実施形態によれば、Si端材が混入した処理水を処理装置から排水させ、処理装置を停止させることなく、処理装置からの排水内のSi端材を回収できる。
【0036】
以上、具体例を参照しつつ実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0037】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての端材回収措置は、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0038】
10 メッシュコンベア、12 メッシュベルト、14 駆動機構、20 乾燥機構、30 引き剥がし機構、40 振り分け機構、50,52 回収容器、60 トラップ、100 端材回収装置