(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039289
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】映像分析装置、映像分析方法、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20240314BHJP
【FI】
G06T7/00 U
G06T7/00 350B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143736
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】得地 博之
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA02
5L096AA06
5L096BA08
5L096CA04
5L096CA22
5L096CA24
5L096DA01
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA40
5L096JA22
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】ユーザが映像分析に係る設定を容易にすることが可能な映像分析装置を提供する。
【解決手段】映像分析装置において、映像取得手段は、映像を取得する。表示制御手段は、ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示する。画像指定手段は、ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定する。パラメータ設定手段は、ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定する。分析手段は、前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を取得する映像取得手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示する表示制御手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定する画像指定手段と、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う分析手段と
を備える映像分析装置。
【請求項2】
前記パラメータ設定手段は、色情報を設定する請求項1に記載の映像分析装置。
【請求項3】
前記映像分析の結果を表示する分析結果表示手段を備え、
前記分析結果表示手段は、前記色情報が複数設定された場合は、前記色情報ごとに前記映像分析の結果を表示する請求項2に記載の映像分析装置。
【請求項4】
前記パラメータ設定手段は、前記映像中の映像分析を行う範囲を設定し、
前記分析手段は、前記範囲内で前記映像の分析を行う請求項1に記載の映像分析装置。
【請求項5】
映像分析方法を記憶する記憶手段と、
前記映像分析方法が複数ある場合、ユーザの操作入力に基づいて複数のうち1つの選択を受け取る分析方法取得手段と、
を備え、
前記分析手段は、選択された映像分析方法を用いて映像の分析を行う請求項1に記載の映像分析装置。
【請求項6】
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う映像分析方法。
【請求項7】
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像を分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製造現場においてAI(Artificial Intellignece)の活用が進んでいる。しかし、AIを用いた検出器を作成するためには、機械学習に必要なデータを大量に収集する必要がある。また、検出対象の条件を変更する必要が生じた場合、製造現場のユーザのスキルレベルでは対応が難しく、製造現場の状況に合わせて検出対象や検出条件を柔軟に変更することが困難であった。特許文献1では、画像処理について、ユーザが一連の画像処理フローを指定し、ユーザが画像処理を行うための設定を容易にすることが可能な情報処理装置を提供している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1によっても、ユーザが映像分析に係る設定を容易にすることができるとは限らない。
【0005】
本開示の1つの目的は、ユーザが映像分析に係る設定を容易にすることが可能な映像分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本開示の一つの観点では、映像分析装置は、
映像を取得する映像取得手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示する表示制御手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定する画像指定手段と、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う分析手段と
を備える。
【0007】
本開示の他の観点では、映像分析方法は、
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う。
【0008】
本開示のさらに他の観点では、記録媒体は、
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、AIを利用した映像分析において、ユーザが映像分析に係る設定を容易にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】映像分析装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】第1実施形態の映像分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】第1実施形態に係る映像分析処理のフローチャートである。
【
図10】第2実施形態の映像分析装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態の映像分析装置による処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
[システム構成]
図1は、第1実施形態に係る映像分析装置を示す。映像分析装置100は、映像データを入力とし、映像分析の分析結果を出力する。映像分析装置100は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータにより構成される。
【0012】
ここで、映像データは、例えば、工場内の監視カメラの映像などである。工場の管理者など(以下、「ユーザ」とも呼ぶ。)は、映像データから工場内の特定の人や物を検出したい場合や、設備の稼働状況を監視したい場合などがある。このような場合、ユーザは、映像分析装置100を操作し、検出したい物体や検出条件などを指定する。そして、映像分析装置100は、ユーザが指定した条件に従って映像分析を行い、分析結果を表示する。
【0013】
[ハードウェア構成]
図2は、映像分析装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。図示のように、映像分析装置100は、インタフェース(I/F)111と、プロセッサ112と、メモリ113と、記録媒体114と、データベース(DB)115と、入力部116と、表示部117と、を備える。
【0014】
インタフェース111は、外部装置との間でデータの入出力を行う。具体的に、映像データは、インタフェース111を通じて映像分析装置100へ入力される。また、映像分析装置100による分析結果は、インタフェース111を通じて所定の外部装置へ出力される。
【0015】
プロセッサ112は、CPU(Central Processing Unit)などのコンピュータであり、予め用意されたプログラムを実行することにより映像分析装置100の全体を制御する。なお、プロセッサ112は、GPU(Graphics Processing Unit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)であってもよい。
【0016】
メモリ113は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などにより構成される。メモリ113は、プロセッサ112による各種の処理の実行中に作業メモリとしても使用される。
【0017】
記録媒体114は、ディスク状記録媒体、半導体メモリなどの不揮発性で非一時的な記録媒体であり、映像分析装置100に対して着脱可能に構成される。記録媒体114は、プロセッサ112が実行する各種のプログラムを記録している。映像分析装置100が各種の処理を実行する際には、記録媒体114に記録されているプログラムがメモリ113にロードされ、プロセッサ112により実行される。DB115は、後述の処理フローなどを記憶する。
【0018】
入力部116は、キーボード、マウスなどの入力機器であり、ユーザにより操作される。表示部117は、例えば液晶表示装置などであり、ユーザに対して情報を表示する。映像分析装置100による分析結果は、表示部117に表示することができる。
【0019】
[処理フロー]
図3は、処理フローの一例を示す。処理フローとは、映像分析を行うための処理内容と処理順序を定義したものである。処理フローは、エンジニアなど専門知識を有する者によって、後述の方法で作成され、予めDB115に記憶されている。ユーザは、映像分析の目的に従って、DB115から適切な処理フローを選択することができる。
【0020】
具体的に、
図3の処理フローAは、映像から特定の物体を検出するための処理フローであり、映像入力と、物体抽出と、カテゴリフィルタと、物体存在判定と、映像出力の各機能からなる。映像入力では、ファイルから映像データを読み取る処理が行われる。物体抽出では、映像中に存在する物体を検出する処理が行われる。カテゴリフィルタでは、検出した物体のカテゴリによって条件分岐が行われる。例えば、映像から「人」を検出したい場合、カテゴリフィルタでは、検出した物体のカテゴリが「人」に属するか否かによって条件分岐が行われる。物体存在判定では、検出したい物体の存在状態を判定する処理が行われる。映像出力では、検出結果を含む映像データをファイルへ書き込む処理が行われる。ユーザは、検出したい物体を指定した上で、処理フローAを実行することで、映像から特定の物体を検出することが可能となる。
【0021】
図3の処理フローBは、映像から特定の姿勢をしている人を検出するための処理フローである。処理フローBは、処理フローAに人姿勢分類が追加されたものである。人姿勢分類では、人の姿勢を推定し、カテゴリを再分類する処理が行われる。ユーザは、例えば、座っている人や転倒している人など、検出したい姿勢を指定した上で、処理フローBを実行することで、映像から指定した姿勢の人を検出することが可能となる。
【0022】
図4は、処理フローの作成方法の例を示す。処理フローは、映像分析装置100や、処理フローの作成者(以下、「作成者」とも呼ぶ。)が所有するPCなどのコンピュータ上で作成される。
図4は、処理フローの作成画面であり、処理フロー作成画面40内に、機能エリア41と、処理フローエリア42と、映像エリア43と、設定エリア47と、を含む。
【0023】
機能エリア41は、複数の機能ブロック44を備える。機能ブロック44は、映像分析で利用される各機能を定めたものであり、予め機能エリア41上に用意されている。処理フローエリア42は、処理フローを作成するためのエリアである。作成者は、映像分析の目的に合わせ、機能エリア41から適切な機能ブロック44を選択し、処理フローエリア42へドラッグアンドドロップする。そして、作成者は、複数の機能ブロック44をコネクタ45で接続することにより、処理の順番を決定する。
図4では、作成者は、映像から特定の物体を検出するための処理フロー(処理フローA)を作成するため、機能エリア41から処理フローエリア42へ、機能ブロック44a~44eをドラッグアンドドロップし、それぞれの機能ブロックをコネクタ45で接続している。
【0024】
映像エリア43には、処理フローエリア42上に作成された処理フローを実行した結果が表示される。
図4では、処理フローAを実行した結果として、映像エリア43に表示された映像中に検出結果46が点線の矩形として表示されている。
【0025】
設定エリア47は、処理フローエリア42内にある機能ブロック44のパラメータを設定するエリアである。
図4では、作成者が、処理フローエリア42内の機能ブロック44b(物体抽出)を選択することで、物体抽出に関するパラメータの設定画面が設定エリア47に表示されている。作成者は、パラメータの設定画面に従い、各機能ブロックのパラメータ値を設定することができる。
【0026】
このように、作成者は、機能ブロックを自由に組み合わせることで、容易かつ柔軟に処理フローを作成することが可能となる。
【0027】
[機能構成]
図5は、映像分析装置100の機能構成を示すブロック図である。映像分析装置100は、機能的には、映像取得部51と、処理フロー記憶部52と、処理フロー取得部53と、映像表示部54と、マスタ画像取得部55と、パラメータ取得部56と、処理フロー実行部57、結果表示部58と、を含む。なお、処理フロー記憶部52は、
図2に示すDB115により実現される。
【0028】
映像取得部51には、映像分析の対象となる映像データが入力される。映像取得部51は、入力された映像データを映像表示部54と、処理フロー実行部57へ出力する。処理フロー取得部53は、処理フロー記憶部52から処理フローを取得する。処理フロー取得部53は、取得した処理フローを映像表示部54と、処理フロー実行部57へ出力する。映像表示部54は、映像取得部51から入力された映像を映像分析装置100の表示部に出力する。
【0029】
ユーザは、映像分析装置100の表示部に表示された映像を基に、マスタ画像を指定する。マスタ画像は、映像分析によって検出したい物体(以下、「対象物」とも呼ぶ。)を含む領域の画像である。
【0030】
図6は、マスタ画像の指定方法の一例を示す。
図6では、映像分析装置100の表示部に、マスタ画像指定画面60が表示されている。マスタ画像指定画面60は、映像エリア61と、スライダーバー62と、操作ボタン63とを含む。映像エリア61には、映像取得部51から入力された映像が表示される。スライダーバー62は、映像全体の中でどの部分を再生しているのかを示す。ユーザはスライダーバー62の位置を左右に移動させることにより、映像の再生位置を変更することができる。操作ボタン63は、停止ボタン、一時停止ボタン、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンなどを含む。ユーザは、対象物が映像に現れた場合に映像を一時停止する。これにより、ユーザは、映像中から、対象物を含む静止画像を指定する。そして、ユーザは、マウス操作などによって、映像エリア61に表示されている静止画像中の対象物を囲い、マスタ画像として指定する。
図6では、ユーザは対象物を含む領域を矩形で囲い、マスタ画像64として指定している。ユーザが指定したマスタ画像は、後述のマスタ画像取得部55へ出力される。
【0031】
ユーザがマスタ画像を指定すると、映像表示部54は、処理フロー取得部53から入力された処理フローを基に、パラメータの設定画面を生成し、映像分析装置100の表示部に出力する。ユーザは、映像分析装置100の表示部に表示されたパラメータの設定画面を基に、処理フロー取得部53から入力された処理フローに含まれる各機能のパラメータを設定する。
【0032】
図7は、パラメータの設定画面の一例を示す。パラメータ設定画面70は、パラメータリスト71と、分析ボタン72とを含む。パラメータリスト71は、機能名と、パラメータ名と、設定値とを含む。「機能名」欄には、処理フローに含まれる各機能の名称が表示される。「パラメータ名」欄には、各機能に対応するパラメータの設定項目が表示される。「設定値」欄は、各パラメータの設定項目に対応する値の入力欄である。例えば、物体抽出については、ユーザは抽出モデルを設定することができる。
図7では、ユーザは、Mask-RCNNで学習済みのモデルを選択している。また、フィルタについては、ユーザは検出範囲、色、滞留時間などを設定することができる。具体的に、検出範囲については、ユーザは映像分析を行う画面の範囲を設定することができる。例えば、ユーザは、映像画面の上半分、下半分などの範囲を設定することができる。ユーザは、検出範囲を設定することで、映像中の特定の範囲に侵入した物体のみを検出することができる。色指定については、ユーザは検出したい物体の色を設定することができる。例えば、ユーザは、青い服の人、白い服の人など、特定の色を含む物体を検出するような設定をすることができる。滞留時間については、ユーザは対象物の滞留時間を設定することができる。ユーザは滞留時間を設定することで、映像中に長時間居続ける物体を検出することができる。
【0033】
ユーザは、設定値の入力を終えると、分析ボタン72を押下する。分析ボタン72を押下することで、パラメータの設定内容が後述のパラメータ取得部56へ出力される。
【0034】
図5に戻り、マスタ画像取得部55には、ユーザが指定したマスタ画像が入力される。マスタ画像取得部55は、マスタ画像をパラメータ取得部56へ出力する。パラメータ取得部56には、マスタ画像取得部55からマスタ画像が入力される。また、パラメータ取得部56には、ユーザが設定したパラメータの設定内容が入力される。パラメータ取得部56は、マスタ画像と、パラメータの設定内容を処理フロー実行部57へ出力する。
【0035】
処理フロー実行部57は、映像取得部51から入力された映像データと、処理フロー取得部53から入力された処理フローと、パラメータ取得部56から入力されたマスタ画像及びパラメータの設定内容と、を基に映像分析を行い、分析結果を結果表示部58へ出力する。結果表示部58は、処理フロー実行部57から入力された分析結果をもとに表示データを生成し、映像分析装置100の表示部に表示する。
【0036】
図6および
図7のようなGUI(Graphical User Interface)を用いることで、ユーザは、マスタ画像の指定やパラメータの設定を容易に行うことができる。また、ユーザは、製造現場の状況に合わせて、映像分析の条件を柔軟に変更することができる。
【0037】
なお、
図6では、マスタ画像を1つ指定しているが、指定するマスタ画像は複数であってもよい。マスタ画像が複数ある場合は、マスタ画像ごとにパラメータを設定することが可能である。
【0038】
また、映像分析に用いられるAIモデルは予め用意されており、作成者やユーザは、分析の目的に合わせてAIモデルを選択することができる。予め用意されているAIモデルの中には、指定した画像に近い外見の物体を検出できるようなモデルも含まれている。そのようなモデルを用いてマスタ画像に類似する物体を検出することで、対象物が予め機械学習されていない物体であっても、モデルを再作成することなく、対象物を検出することが可能となる。そのため、ユーザは、新規の対象物か既存の対象物かを意識することなく、
図6のように映像画面から自由に対象物を指定することが可能となる。
【0039】
また、パラメータの設定値は、ユーザが入力したものに限らず、パラメータの最適化エンジンなどによって自動的に設定された値を用いてもよい。
【0040】
上記の構成において、映像取得部51は、映像取得手段の一例であり、映像表示部54は、表示制御手段の一例であり、マスタ画像取得部55は、画像指定手段の一例であり、パラメータ取得部56は、パラメータ設定手段の一例であり、処理フロー実行部57は、分析手段の一例である。
【0041】
[表示例]
図8は、分析結果の表示例を示す。この例では、ある映像から白色の服を着た人と青色の服を着た人を検出した結果が表示されている。
【0042】
具体的に、
図8の表示例では、映像分析装置100の表示部に、検出結果表示エリア81と、検出時間表示エリア82と、スライダーバー83と、操作ボタン84とが表示されている。検出結果表示エリア81は、分析結果を含む映像を表示する。
図8の検出結果表示エリア81では、対象物が点線の矩形81aおよび81bで囲われており、カテゴリ名および服の色が表示されている。検出時間表示エリア82は、対象物が検出された時間帯を表す。
図8では、対象物が「作業者(白服)」と、「管理者(青服)」の2つであり、検出時間表示エリア82では、「作業者(白服)」が検出された時間帯をグレーの矩形で、「管理者(青服)」が検出された時間帯を斜めのハッチングの矩形で表している。スライダーバー83は、映像全体の中で現在どの部分を再生しているのかを示す。操作ボタン84は、停止ボタン、一時停止ボタン、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンなどを含む。ユーザはスライダーバー83や操作ボタン84によって、映像の再生位置の変更や、映像の停止などの操作をすることができる。
【0043】
このような表示により、ユーザは、対象物及び対象物が検出された時間を容易に把握することができる。
【0044】
[映像分析処理]
図9は、第1実施形態による映像分析処理のフローチャートである。この処理は、
図2に示すプロセッサ112が予め用意されたプログラムを実行し、
図5に示す各要素として動作することにより実現される。
【0045】
まず、処理フロー取得部53は、処理フロー記憶部52から処理フローを取得する(ステップS11)。次に、映像取得部51は、映像データを取得する。そして、映像表示部54は、映像取得部51から映像データを取得し、映像分析装置100の表示部に出力する(ステップS12)。次に、ユーザは、映像分析装置100の表示部に表示された映像を基に、マスタ画像を指定する。マスタ画像取得部55は、ユーザが指定したマスタ画像を取得する(ステップS13)。また、ユーザは、映像分析装置100の表示部に表示されたパラメータ設定画面を基に、パラメータを設定する。パラメータ取得部56は、ユーザが設定したパラメータを取得する(ステップS14)。処理フロー実行部57は、マスタ画像取得部55から取得したマスタ画像と、パラメータ取得部56から取得したパラメータを用いて、処理フローを実行する(ステップS15)。そして、結果表示部58は、処理フローの実行結果をもとに表示データを生成し、映像分析装置100の表示部に表示し(ステップS16)、処理は終了する。
【0046】
<第2実施形態>
図10は、第2実施形態の映像分析装置の機能構成を示すブロック図である。映像分析装置200は、映像取得手段201と、表示制御手段202と、画像指定手段203と、パラメータ設定手段204と、分析手段205と、を備える。
【0047】
図11は、第2実施形態の映像分析装置による処理のフローチャートである。映像取得手段201は、映像を取得する(ステップS201)。表示制御手段202は、ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示する(ステップS202)。画像指定手段203は、ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定する(ステップS203)。パラメータ設定手段204は、ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定する(ステップS204)。分析手段205は、前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う(ステップS205)。
【0048】
第2実施形態の映像分析装置によれば、ユーザが容易に映像分析に係る設定をすることが可能となる。
【0049】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0050】
(付記1)
映像を取得する映像取得手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示する表示制御手段と、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定する画像指定手段と、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定するパラメータ設定手段と、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う分析手段と
を備える映像分析装置。
【0051】
(付記2)
前記パラメータ設定手段は、色情報を設定する付記1に記載の映像分析装置。
【0052】
(付記3)
前記映像分析の結果を表示する分析結果表示手段を備え、
前記分析結果表示手段は、前記色情報が複数設定された場合は、前記色情報ごとに前記映像分析の結果を表示する付記2に記載の映像分析装置。
【0053】
(付記4)
前記パラメータ設定手段は、前記映像中の映像分析を行う範囲を設定し、
前記分析手段は、前記範囲内で前記映像の分析を行う付記1に記載の映像分析装置。
【0054】
(付記5)
映像分析方法を記憶する記憶手段と、
前記映像分析方法が複数ある場合、ユーザの操作入力に基づいて複数のうち1つの選択を受け取る分析方法取得手段と、
を備え、
前記分析手段は、選択された映像分析方法を用いて映像の分析を行う付記1に記載の映像分析装置。
【0055】
(付記6)
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う映像分析方法。
【0056】
(付記7)
映像を取得し、
ユーザの操作入力に基づき、前記映像中の静止画像を表示し、
ユーザの操作入力に基づき、前記静止画像中から対象物の画像を指定し、
ユーザの操作入力に基づき、映像分析に用いるパラメータを設定し、
前記対象物の画像及び前記パラメータに基づいて前記映像の分析を行う処理をコンピュータに実行させるプログラムを記録した記録媒体。
【0057】
以上、実施形態及び実施例を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0058】
51 映像取得部
52 処理フロー記憶部
53 処理フロー取得部
54 映像表示部
55 マスタ画像取得部
56 パラメータ取得部
57 処理フロー実行部
58 結果表示部
100 映像分析装置
112 プロセッサ
115 DB