(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039314
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】帽子用サイズテープ、帽子、及び帽子用積層生地
(51)【国際特許分類】
A42B 1/019 20210101AFI20240314BHJP
A42B 1/205 20210101ALI20240314BHJP
A42B 1/22 20060101ALI20240314BHJP
A42B 1/00 20210101ALI20240314BHJP
A41D 20/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A42B1/019 M
A42B1/205 Z
A42B1/22 Z
A42B1/00 Z
A41D20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143770
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】507224392
【氏名又は名称】ヴォーターズ 幸子
(74)【代理人】
【識別番号】100149799
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーターズ 幸子
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
【Fターム(参考)】
3B011AA00
3B011AB00
3B011AC17
3B011AC18
3B211AA00
3B211AB00
3B211AC17
3B211AC18
(57)【要約】
【課題】
非常に吸汗しやすく、かつ、汗の水分を蒸発しやすくするため、額から流れ出る汗を吸収し、汗による蒸れや不快感が改善された帽子用サイズテープを提供する。
【解決手段】
第一吸水速乾性生地と、前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有し、前記第一吸水速乾性生地の幅は、第二吸水速乾性生地の幅よりも大きく、第二吸水速乾性生地を前記第一吸水速乾性生地の上に配置した状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地を覆うように折り返し、2つの折り返し部を形成させ、前記折り返し部とともに、前記第一吸水速乾性生地と第二吸水速乾性生地とが縫止又は接着されており、2つの折り返し部は互いに接していない、帽子用サイズテープ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一吸水速乾性生地と、
前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有し、
前記第一吸水速乾性生地の幅は、第二吸水速乾性生地の幅よりも大きく、第二吸水速乾性生地を前記第一吸水速乾性生地の上に配置した状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地を覆うように折り返し、2つの折り返し部を形成させ、前記折り返し部とともに、前記第一吸水速乾性生地と第二吸水速乾性生地とが縫止又は接着されており、2つの折り返し部は互いに接していない、帽子用サイズテープ。
【請求項2】
前記第一吸水速乾性生地及び前記第二吸水速乾性生地のいずれも化学繊維を含む素材で構成される、請求項1に記載の帽子用サイズテープ。
【請求項3】
さらに機能性補助生地を有し、前記機能性補助生地は、第二吸水速乾性生地を配置した後さらにその上に配置され、その状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地及び機能性補助生地を覆うように折り返した状態で縫止されている、請求項1に記載の帽子用サイズテープ。
【請求項4】
前記第一吸水速乾性生地を折り返した折り返し部の上に、さらに追加機能性補助生地を備える、請求項3に記載の帽子用サイズテープ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の帽子用サイズテープを備える帽子であって、
折り返し部が、帽子の生地側になるように配置されている、帽子。
【請求項6】
第一吸水速乾性生地と、
前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有する、帽子用積層生地。
【請求項7】
請求項6に記載の帽子用積層生地をクラウン部の内側に備える帽子であって、
前記第二吸水速乾性生地が、帽子の生地側になるように配置されている、帽子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部からの汗を吸収する吸汗機能と、汗の水分の蒸散・蒸発させ素早く乾燥させる速乾性機能を併せ持つことにより、汗蒸れによる不快感を取り除くことができる帽子用サイズテープ、帽子、及び帽子用積層生地に関する。
【背景技術】
【0002】
帽子は一般的にクラウン部と、鍔部から構成され、クラウン部の下端部(かぶり口)の内側には、帽子のサイズの調整などのために帽子用サイズテープ(一般的に「すべり」、「ビン革」などともいう)が備えられている。
【0003】
帽子用サイズテープは、綿やレーヨン、ビスコース、ポリエステルなどの化学繊維や、高級素材のハットなどでは、皮革などが使用されるが、いずれも汗を吸収が満足できるものではなく、頭部や額から汗がしたたり落ち、装着者は不快に感じてしまう。さらには、帽子に汗ジミを作り出しやすくなり、帽子の生地が劣化してしまう恐れがある。
【0004】
一方、水分を通さない性質の生地や、汗を吸収し、水分を内包するような構造では、汗による水分が帽子用サイズテープに滞留し、蒸れが生じてしまう。
【0005】
このような課題を解決するため、特許文献1では、通常の帽子の帽子用サイズテープ部分を除去し、開口を有する通気口部材を備える帽子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の帽子は、特許文献1の
図1をみてもわかるとおり、大きい通気口を備えたものであるため、一般的な帽子とは異なり、ファッショナブルに装着できるものではない。また、市販の帽子のデザインそのままに備えることができない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は鋭意研究したころ、特定の構成を有する帽子用サイズテープは、市販の帽子のデザインをそのままに、非常に吸水しやすく、かつ、汗の水分を蒸発しやすいものであるため、汗による蒸れや不快感が改善することができることが判明し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下を包含する。
[1] 第一吸水速乾性生地と、
前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有し、
前記第一吸水速乾性生地の幅は、第二吸水速乾性生地の幅よりも大きく、第二吸水速乾性生地を前記第一吸水速乾性生地の上に配置した状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地を覆うように折り返し、2つの折り返し部を形成させ、前記折り返し部とともに、前記第一吸水速乾性生地と第二吸水速乾性生地とが縫止又は接着されており、2つの折り返し部は互いに接していない、帽子用サイズテープ。
[2] 前記第一吸水速乾性生地及び前記第二吸水速乾性生地のいずれも化学繊維を含む素材で構成される、[1]に記載の帽子用サイズテープ。
[3] さらに機能性補助生地を有し、前記機能性補助生地は、第二吸水速乾性生地を配置した後さらにその上に配置され、その状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地及び機能性補助生地を覆うように折り返した状態で縫止されている、[1]に記載の帽子用サイズテープ。
[4] 前記第一吸水速乾性生地を折り返した折り返し部の上に、さらに追加機能性補助生地を備える、[3]に記載の帽子用サイズテープ。
[5] [1]乃至[4]のいずれか一項に記載の帽子用サイズテープを備える帽子であって、
折り返し部が、帽子の生地側になるように配置されている、帽子。
[6] 第一吸水速乾性生地と、
前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有する、帽子用積層生地。
[7] [6]に記載の帽子用積層生地をクラウン部の内側に備える帽子であって、
前記第二吸水速乾性生地が、帽子の生地側になるように配置されている、帽子。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1(a)は、帽子1の斜視図である。
図1(b)は、帽子1を別の角度からみた斜視図であり、帽子用サイズテープ41がクラウン部3内側の下端に備わっている。
図1(c)は帽子用積層生地42をクラウン部3の内側全体に備えた帽子1である。
【
図2】
図2(a)は、帽子用サイズテープ41の長さ方向に垂直方向の断面図であり、
図2(b)は、帽子用サイズテープ41Aの長さ方向に垂直方向の断面図であり、
図2(c)は、帽子用サイズテープ41Bの長さ方向に垂直方向の断面図である。
【
図3】
図3(a)乃至(e)は、帽子用サイズテープ41Aの製造工程を示す図である。
【
図4】
図4、帽子用サイズテープ41を帽子1に縫付けた断面図であり、
図4(b)は、帽子用サイズテープ41Aを帽子1に縫い付けた断面図であり、
図4(c)は、帽子用サイズテープ41Bを帽子1に縫い付けた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明について、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更、修正することができるものとする。
【実施例0011】
[帽子用サイズテープ]
本発明の帽子用サイズテープは、第一吸水速乾性生地と、前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地とを有し、前記第一吸水速乾性生地の幅は、第二吸水速乾性生地の幅よりも大きく、第二吸水速乾性生地を前記第一吸水速乾性生地の上に配置した状態で、前記第一吸水速乾性生地の幅方向の両方の端部をそれぞれ第二吸水速乾性生地を覆うように折り返し、2つの折り返し部を形成させ、前記折り返し部とともに、前記第一吸水速乾性生地と第二吸水速乾性生地とが縫止又は接着されており、2つの折り返し部は互いに接していない、ものである。
【0012】
図1(b)に示す本帽子用サイズテープ41について説明する。
帽子用サイズテープ41は、
図1(a)に示すような様々な帽子に使用することができるが、例えば、鍔部2と、クラウン部3とから構成される一般的な帽子1に使用することができる。帽子用サイズテープ41は、
図1(b)のように、クラウン部3内側の下端縁付近に設けられる帯状のものであり、かぶり口の縁の一部または全部に縫い付け又は接着させるものである。また、必要により、面ファスナーなどでサイズ調整をできるようにしてもよい。
【0013】
帽子用サイズテープ41の長さ方向に垂直な断面は、
図2(a)に示すとおりであり、第一吸水速乾性生地51と、前記第一吸水速乾性生地に接するように配置された第二吸水速乾性生地52から構成されており、互いに糸7で縫合されている。
【0014】
ここで、第一吸水速乾性生地51は、一方の面から汗を吸収しやすい吸水面を有し、もう一方の面から、吸収した汗を乾燥させる乾燥面を有するような生地であれば、特に限定されることはない。例えば、繊維の断面を異型にして毛細管現象を発現させる生地や、吸水面の方は太い繊維使い汗の水分を吸収し、反対側の面はより吸水面より細い繊維を使うことにより、毛細管現象により汗を吸い出し、水分を乾燥しやすくした複合繊維構造を有する生地などが挙げられる。さらには、吸水面に親水性に優れた加工材を塗布した生地なども挙げられる。
【0015】
第二吸水速乾性生地52は、生地の構造・機能としては、第一吸水速乾性生地51と同じ生地であっても異なる生地であってもよい。
第一吸水速乾性生地51と、第二吸水速乾性生地52は、生地は同じ素材あっても、例えば、目付を異なるものにすることができる。
目付を異なるものにする場合は、第二吸水速乾性生地52の目付は、第一吸水速乾性生地51の目付よりも小さい方が好ましい。あくまでも一例であるが、第一吸水速乾性生地51の目付けを140~160g/cm3程度にし、第二吸水速乾性生地52は、110~130g/cm2とすることができる。第二吸水速乾性生地52は、第一吸水速乾性生地51により水滴が細かくなったものを吸収するものであるから、目付を低いものを使用したとしても、吸水効果に影響が小さいうえ、帽子用サイズテープの重さを抑えつつ、高い速乾性にすることができるからである。
必要により、吸水率の異なるも吸水速乾性生地を使用することができ、その場合は、第二吸水速乾性生地52の吸水率は、第一吸水速乾性生地51の吸水率よりも低いものを用いることができる。
【0016】
第一吸水速乾性生地51、第二吸水速乾性生地52の具体例は、材質としては、ポリエステルなどの化学繊維を用いることが好ましく、例えば、東レ株式会社製「フィールドセンサー(登録商標)」や、株式会社クラレ製「ソフィスタ(登録商標)」などが挙げられる。
好ましくは、第一吸水速乾性生地51として、フィールドセンサー T474(Fieldsensor T474)を用いて、さらに、第二吸水速乾性生地52として、フィールドセンサー T431(Fieldsensor T431)を用いる。
【0017】
帽子用サイズテープの別の態様として、
図2(b)に示すような帽子用サイズテープ41Aが挙げられる。帽子用サイズテープ41Aは、第二吸水速乾性生地52の第一吸水速乾性生地51との積層面(第二吸水速乾性生地52の吸水面)とは反対側の第二吸水速乾性生地52の面(第二吸水速乾性生地52の乾燥面)に、さらに機能性補助生地8を配置させる。
機能性補助生地8は、1枚又は2枚以上配置するこができるが、
図2(b)では一例として、機能性補助生地8を一枚配置したものを図示する。
一般的に、吸水速乾性生地はスポーツ・作業用衣類や下着用衣類などに使用され、着心地を向上するため薄手の柔らかい素材であることが多いが、このような生地では、帽子用サイズテープ41として硬さや強度が十分ではない場合がある。このような課題を解決するため、第二吸水速乾性生地52に加えてさらに機能性補助生地8を配置することにより、高い吸汗率と高い通気性を維持しながら、帽子用サイズテープ41Aの強度を上げることができる。
また、機能性補助生地8を備えることにより、折り返し51Aと第二吸水速乾性生地52が接することがなくなり、第二吸水速乾性生地52からより効率的に水分を発散しやすくなる。
機能性補助生地8の種類は特に限定されるものではないが、本発明の帽子用サイズテープの高い吸汗率と高い通気性を維持するため、化学繊維のメッシュ生地などが挙げられ、メッシュの生地の場合は、目が大きいものが好ましく使用される。
機能性補助生地8としては、他にも、非常に細かい粒子状のゼオライトを含有させた不織布や生地(以下、ゼオライト生地)を使用することができる。ゼオライト生地を用いることにより、さらに吸水性が向上することが期待できる。
また、機能性補助生地8の別の態様として、活性炭入り繊維から構成された不織布や生地(以下、活性炭生地)なども用いることができる。活性炭生地を用いることで汗により臭いを防止することが期待できる。
例えば、機能性補助生地8を2枚用いる場合は、1枚はメッシュ生地であり、もう1枚はゼオライト生地又は活性炭生地とすることができる。
なお、機能性補助生地8は1枚や2枚に限定されるものでなく、3枚以上使用することもできる。本発明においては、ゼオライト生地や活性炭生地による効果以外の機能性向上につながる生地も、それらに代わって、又は、それらに追加して使用することができる。
【0018】
本発明のさらに別の態様として、
図2(c)に示すような帽子用サイズテープ41Bが挙げられる。これは、折り返し部51Aの上にさらに追加機能性補助生地6を設けたものである。このようにすることにより、後述する空隙αを形成しながら(
図4(c)参照)、追加機能性補助生地6による新たな機能を追加することができる。
追加機能性補助生地6としては、例えば、折り返し部51Aを隠すためのチュールメッシュ生地や、上記機能性補助生地8で記載したゼオライト生地又は活性炭生地を使用することができ、さらには、ゼオライト生地や活性炭生地による効果以外の機能性向上につながる生地も使用することもできる。
なお、追加機能性補助生地6は、外観を良くするだけでなく、追加機能性補助生地6のほつれなどを防止する観点で、
図2(c)のように追加機能性補助生地折り曲げ部61を設けるように追加機能性補助生地6を内側に折り曲げて配置することができるが、本発明はこれに限定されるものではなく、追加機能性補助生地6を折り曲げずに積層してもよい。
【0019】
第一吸水速乾性生地51と第二吸水速乾性生地52の重ね合わせ方について、帽子用サイズテープ41A(
図2(b)の態様)を用いて説明する。
図3に示すように、帯状の第一吸水速乾性生地51を配置し(
図3(a))、第一吸水速乾性生地51の乾燥面の上に帯状の第二吸水速乾性生地52を配置する。このとき、第二吸水速乾性生地52の吸水面を第一吸水速乾性生地51の乾燥面と接するように配置する(
図3(b))。また、第一吸水速乾性生地52の長さ方向に垂直な長さ(幅)は、第一吸水速乾性生地51の長さ方向に垂直な長さ(幅)よりも短いものを使用する。次に、第二吸水速乾性生地52の上に、機能性補助生地8を配置する(
図3(c))。このとき、取り扱いやすさの観点から、機能性補助生地8と第二吸水速乾性生地52の幅が同じであることが好ましい。そして、前記第一吸水速乾性生地51及び機能性補助生地8を配置した状態で、前記第一吸水速乾性生地51の幅方向の両端を第二吸水速乾性生地52を覆うように折り返し(
図3(d))、折り返し部51Aを形成し、2つの折り返し部51Aとともに、第一吸水速乾性生地51と第二吸水速乾性生地52とを糸7で縫止する。糸7による縫止は、
図2及び
図3では、2か所であるがこれに制限されるものではなく、必要により増やすことができ、例えば、4か所で縫止することができる。また、図面では縫止されているが、接着剤を用いて接着してもよい。
このようにすることにより、帽子用サイズテープ41を製造することができる。
【0020】
帽子用サイズテープ41、41A、41Bの帽子1への配置方法について説明する。
図4(a)では帽子用サイズテープ41の配置方法を示すが、帽子用サイズテープ41の第一吸水速乾性生地51の吸水面が肌に接するように、すなわち、折り返し部51Aが帽子1のクラウン部3に接するように、帽子用かぶり口41を帽子1のかぶり口に配置し、縫い止めまたは接着する(なお、
図4では、縫い止めの糸は図示していない)。
なお、このとき、
図4で示すような空隙αが形成される。このような空隙αを設けることにより、直接第二吸水速乾性生地52をクラウン部3の生地3に直接配置するより、より汗の水分が発散しやすくなり、吸汗率と通気性が高まることにより、汗ムレが起こりづらく非常に快適に帽子1を装着することができる。
【0021】
[帽子用生地積層体42]
また、第一吸水速乾性生地51と、前記第一吸水速乾性生地の上に配置された第二吸水速乾性生地52から構成された帽子用積層生地42は、帽子1のかぶり口だけでなく、帽子1のクラウン部3の内部の一部又は全部に使用することができる。
帽子用積層生地42の形状は、帯状でなくてもよく、クラウン部3の内部の所望のところに配置できる形状であれば特に限定されるものではない。
帽子用積層生地42の構成は、第一吸水速乾性生地51と、第二吸水速乾性生地52とを単に重ねた合わせ、縫合したものであるが、機能性補助生地8をさらに重ね合わせることもできる。すでに述べたように、
図1(c)に示すように、クラウン部3の内側全体に設けてもよいし、クラウン部3の内側の一部に設けてもよい。
また、帽子用サイズテープのように、クラウン部3のかぶり口に配置してもよい。
なお、第二吸水速乾性生地52の吸水面を第一吸水速乾性生地51の乾燥面と接するように配置することは、帽子用サイズテープ41と同様である。
このように形成にすることにより、クラウン部3の内部の蒸れや汗による不快感を低減することが可能である。