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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039315
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3205 20060101AFI20240314BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20240314BHJP
   H01L 21/265 20060101ALI20240314BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20240314BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240314BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20240314BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20240314BHJP
   H10B 41/40 20230101ALI20240314BHJP
【FI】
H01L21/88 S
H01L27/092 B
H01L21/265 V
H01L21/265 F
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L27/11573
H01L27/11556
H01L27/11526
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143771
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠 智彰
(72)【発明者】
【氏名】野口 充宏
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 孝幸
【テーマコード(参考)】
5F033
5F048
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033HH08
5F033HH11
5F033MM01
5F033QQ16
5F033QQ48
5F033VV01
5F033VV16
5F033XX01
5F033XX03
5F033XX31
5F048AA01
5F048AA07
5F048AB01
5F048AC03
5F048BE03
5F048BE04
5F048BF02
5F048BF07
5F048BG13
5F083EP22
5F083EP33
5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083ER23
5F083GA10
5F083GA19
5F083GA27
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA11
5F083KA18
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083MA20
5F083NA01
5F083PR36
5F083PR37
5F083ZA21
5F083ZA28
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD24
5F101BD27
5F101BD30
5F101BD34
5F101BF05
5F101BH09
(57)【要約】
【課題】 微細化を損なうことなくアーキングを抑制することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】 実施形態の半導体装置は、第1方向に延伸され前記第1方向に直交する第2方向に交互に配置されたNウェル及びPウェルと、前記Nウェル及びPウェル上において、前記Nウェルと前記Pウェルとの境界の少なくとも1箇所を跨いで形成され、配線に接続されないダミーゲートと、を具備し、前記ダミーゲートは、前記ダミーゲートは、前記Nウェル及びPウェルのうち前記第2方向の幅が所定の閾値よりも小さい幅を有するウェルの前記第1方向端部上以外の領域に形成されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延伸され前記第1方向に直交する第2方向に交互に配置されたNウェル及びPウェルと、
前記Nウェル及びPウェル上において、前記Nウェルと前記Pウェルとの境界の少なくとも1箇所を跨いで形成され、配線に接続されないダミーゲートと、を具備し、
前記ダミーゲートは、前記Nウェル及びPウェルのうち前記第2方向の幅が所定の閾値よりも小さい幅を有するウェルの前記第1方向端部上以外の領域に形成されている、半導体装置。
【請求項2】
前記Nウェル及びPウェルには、斜めハローイオン注入を適用したトランジスタが形成される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記所定の閾値よりも小さい幅を有するウェルは、前記第2方向に交互に配置されるNウェル及びPウェルの第2方向端部に配置されるウェルである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2方向に交互に配置されたNウェル及びPウェルの周囲を囲むウェルを更に具備する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記Nウェル及びPウェルの周囲を囲むウェルに形成されるトランジスタのゲート絶縁膜は、前記Nウェル及びPウェルに形成されるトランジスタのゲート絶縁膜よりも厚膜である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2方向に交互に配置されたNウェル及びPウェルの前記第1方向端部に形成される素子分離領域を具備し、
前記ダミーゲートは、前記第2方向の幅が所定の閾値よりも小さい幅を有するウェルの前記第1方向端部の前記素子分離領域上には配置されていない、請求項1に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3次元に構成されたNAND型メモリが普及している。
【0003】
このようなNAND型メモリは、メモリセルを駆動するためのCMOS回路を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-160922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、微細化を損なうことなくアーキングを抑制することができる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体装置は、第1方向に延伸され前記第1方向に直交する第2方向に交互に配置されたNウェル及びPウェルと、前記Nウェル及びPウェル上において、前記Nウェルと前記Pウェルとの境界の少なくとも1箇所を跨いで形成され、配線に接続されないダミーゲートと、を具備し、前記ダミーゲートは、前記Nウェル及びPウェルのうち前記第2方向の幅が所定の閾値よりも小さい幅を有するウェルの前記第1方向端部上以外の領域に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】メモリシステムの構成例を示すブロック図。
図2図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図。
図3】3次元構造のメモリセルアレイ23のブロックの構成例を示す図。
図4】実施形態にかかる半導体記憶装置の一部領域の断面図。
図5】周辺回路領域中に設けられるトランジスタ形成領域におけるウェル領域の構成を示す平面図。
図6図5のウェル領域に構成されるFET(電界効果トランジスタ)の比較例における平面形状を示す平面図。
図7】エレクトロンシェーディング効果によるアーキングの発生を説明するための説明図。
図8】エレクトロンシェーディング効果によるアーキングの発生を説明するための説明図。
図9図5のウェル領域に構成されるFET(電界効果トランジスタ)の平面形状を示す平面図。
図10図9のA-A’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図。
図11図9のB-B’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図。
図12図9のC-C’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図。
図13A】イオン注入工程を示す工程図。
図13B】イオン注入工程を示す工程図。
図13C】イオン注入工程を示す工程図。
図14A】イオン注入工程を示す工程図。
図14B】イオン注入工程を示す工程図。
図14C】イオン注入工程を示す工程図。
図15A】イオン注入工程を示す工程図。
図15B】イオン注入工程を示す工程図。
図15C】イオン注入工程を示す工程図。
図16A】イオン注入工程を示す工程図。
図16B】イオン注入工程を示す工程図。
図16C】イオン注入工程を示す工程図。
図17A】イオン注入工程を示す工程図。
図17B】イオン注入工程を示す工程図。
図17C】イオン注入工程を示す工程図。
図18A】イオン注入工程を示す工程図。
図18B】イオン注入工程を示す工程図。
図18C】イオン注入工程を示す工程図。
図19A】イオン注入工程を示す工程図。
図19B】イオン注入工程を示す工程図。
図19C】イオン注入工程を示す工程図。
図20】Y方向の片側において、PウェルPw1がPウェルPw3に接する例を示す平面図。
図21】第2の実施形態を示す平面図。
図22】第3の実施形態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
本実施形態は、所定方向にPウェルとNウェルとを交互に配置してハロー構造を有するCMOS回路を形成する場合において、ダミーゲートの形成領域を一部制限することにより、ハローイオン注入工程においてアーキングの発生を抑制するものである。
【0010】
なお、本実施形態は、NAND型不揮発性メモリのメモリセルを駆動する周辺回路に形成されるトランジスタ領域に適用する例を説明するが、これに限定されるものではなく、記憶装置に限らずロジック回路等に用いられる各種トランジスタ領域に適用可能である。
【0011】
(メモリシステムの構成)
図1はメモリシステムの構成例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステム1は、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2とを備える。なお、不揮発性メモリ2は、複数のメモリチップを含む場合がある。メモリシステム1は、ホスト装置4と接続可能である。ホスト装置4は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0012】
メモリシステム1は、ホスト装置4が搭載されたマザーボード上に、メモリシステム1を構成する複数のチップを実装して構成してもよいし、メモリシステム1を1つのモジュールで実現するシステムLSI(Large-Scale Integrated Circuit)又はSoC(System-on-a-Chip)として構成してもよい。メモリシステム1の例としては、SDカードのようなメモリカード、SSD(Solid-State-Drive)、及びeMMC(embedded-Multi-Media-Card)などが挙げられる。
【0013】
不揮発性メモリ2は、複数のメモリセルを備えたNAND型メモリであり、データを不揮発に記憶する。不揮発性メモリ2の具体的な構成については後述する。
【0014】
メモリコントローラ3は、例えばホスト装置4からの命令に応答して、不揮発性メモリ2に対して書き込み(プログラムともいう)、読み出し、及び消去などを命令する。また、メモリコントローラ3は、不揮発性メモリ2のメモリ空間を管理する。メモリコントローラ3は、ホストインターフェース(ホストI/F)回路10、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、バッファメモリ13、メモリインターフェース回路(メモリI/F)回路14、及びECC(Error Checking and Correcting)回路15などを備える。
【0015】
ホストI/F回路10は、ホストバスを介してホスト装置4に接続され、ホスト装置4との間でインターフェース処理を行う。また、ホストI/F回路10は、ホスト装置4との間で、命令、アドレス、及びデータの送受信を行う。
【0016】
プロセッサ11は、例えばCPU(中央処理装置)から構成される。プロセッサ11は、メモリコントローラ3全体の動作を制御する。例えば、プロセッサ11は、ホスト装置4から書き込み命令を受けた場合に、メモリI/F回路14を介して、ホスト装置4からの書き込み命令に応じた書き込み命令を不揮発性メモリ2に発行する。読み出し及び消去の場合も同様である。また、プロセッサ11は、ウェアレベリングなど、不揮発性メモリ2を管理するための様々な処理を実行する。
【0017】
RAM12は、プロセッサ11の作業領域として使用され、不揮発性メモリ2からロードされたファームウェアデータ、及びプロセッサ11が作成した各種テーブルなどを格納する。RAM12は、例えばDRAMまたはSRAMから構成される。
【0018】
バッファメモリ13は、ホスト装置4から送信されたデータを一時的に保持するとともに、不揮発性メモリ2から送信されたデータを一時的に保持する。
【0019】
メモリI/F回路14は、バスを介して不揮発性メモリ2に接続され、不揮発性メモリ2との間でインターフェース処理を行う。また、メモリI/F回路14は、不揮発性メモリ2との間で命令、アドレス、及びデータの送受信を行う。
【0020】
ECC回路15は、データの書き込み時には、書き込みデータに対してエラー訂正符号を生成し、このエラー訂正符号を書き込みデータに付加してメモリI/F回路14に送る。また、ECC回路15は、データの読み出し時には、読み出しデータに対して、読み出しデータに含まれるエラー訂正符号を用いてエラー検出及び/又はエラー訂正を行う。なお、ECC回路15は、メモリI/F回路14内に設けるようにしてもよい。
【0021】
(不揮発性メモリの構成)
図2図1中の不揮発性メモリ2の一例を示すブロック図である。不揮発性メモリ2は、ロジック制御回路21、入出力回路22、メモリセルアレイ23、センスアンプ24、ロウデコーダ25、レジスタ26、シーケンサ27、電圧供給回路28、入出力用パッド群32、ロジック制御用パッド群34、及び、電源入力用端子群35を備えている。
【0022】
メモリセルアレイ23は、複数のブロックを備える。複数のブロックBLKの各々は、複数のメモリセルトランジスタ(メモリセル)を備える。メモリセルアレイ23には、メモリセルトランジスタに印加する電圧を制御するために、複数のビット線、複数のワード線、及びソース線などが配設される。ブロックBLKの具体的な構成については後述する。
【0023】
入出力用パッド群32は、メモリコントローラ3との間でデータを含む各信号の送受信を行うため、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0024】
ロジック制御用パッド群34は、メモリコントローラ3との間で各信号の送受信を行うため、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号RE、/RE、及びライトプロテクト信号/WPに対応する複数の端子(パッド)を備えている。
【0025】
信号/CEは、不揮発性メモリ2の選択を可能にする。信号CLEは、信号DQとして送信されるコマンドをコマンドレジスタにラッチすることを可能にする。信号ALEは、信号DQとして送信されるアドレスをアドレスレジスタにラッチすることを可能にする。信号WEは、書き込みを可能にする。信号REは、読み出しを可能にする。信号WPは、書き込み及び消去を禁止する。信号R/Bは、不揮発性メモリ2がレディー状態(外部からの命令を受け付けることが可能である状態)であるか、ビジー状態(外部からの命令を受け付けることができない状態)であるかを示す。メモリコントローラ3は、信号R/Bを受けることで、不揮発性メモリ2の状態を知ることができる。
【0026】
電源入力用端子群35は、外部から不揮発性メモリ2に、種々の動作電源を供給するため、電源電圧VCC、VCCQ、VPPと、接地電圧VSSを入力する複数の端子と、を備えている。電源電圧VCCは、動作電源として一般的に外部から与えられる回路電源電圧であり、例えば3.3V程度の電圧が入力される。電源電圧VCCQは、例えば1.2Vの電圧が入力される。電源電圧VCCQは、メモリコントローラ3と不揮発性メモリ2との間で信号を送受信する際に用いられる。
【0027】
電源電圧VPPは、電源電圧VCCよりも高圧の電源電圧であり、例えば12Vの電圧が入力される。メモリセルアレイ23へデータを書き込んだり、データを消去したりする際には、20V程度の高い電圧が必要となる。この際に、約3.3Vの電源電圧VCCを電圧供給回路28の昇圧回路で昇圧するよりも、約12Vの電源電圧VPPを昇圧するほうが、高速かつ低消費電力で所望の電圧を生成することができる。電源電圧VCCは、不揮発性メモリ2に標準的に供給される電源であり、電源電圧VPPは、例えば使用環境に応じて追加的・任意的に供給される電源である。
【0028】
ロジック制御回路21及び入出力回路22は、NANDバスを介して、メモリコントローラ3に接続される。入出力回路22は、メモリコントローラ3との間でNANDバスを介して、信号DQ(例えばDQ0~DQ7)を送受信する。
【0029】
ロジック制御回路21は、メモリコントローラ3からNANDバスを介して、外部制御信号(例えば、チップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号RE,/RE、及びライトプロテクト信号/WP)を受信する。また、ロジック制御回路21は、NANDバスを介して、メモリコントローラ3にレディー/ビジー信号R/Bを送信する。
【0030】
入出力回路22は、メモリコントローラ3との間で、信号DQ<7:0>、及び、データストローブ信号DQS、/DQSを送受信する。入出力回路22は、信号DQ<7:0>内のコマンド及びアドレスをレジスタ26に転送する。また、入出力回路22は、書き込みデータ、及び読み出しデータをセンスアンプ24との間で送受信する。
【0031】
レジスタ26は、コマンドレジスタ、アドレスレジスタ、及びステータスレジスタなどを備える。コマンドレジスタは、コマンドを一時的に保持する。アドレスレジスタは、アドレスを一時的に保持する。ステータスレジスタは、不揮発性メモリ2の動作に必要なデータを一時的に保持する。レジスタ26は、例えばSRAMから構成される。
【0032】
シーケンサ27は、レジスタ26からコマンドを受け、このコマンドに基づくシーケンスに従って不揮発性メモリ2を制御する。
【0033】
電圧供給回路28は、シーケンサ27に制御されて、不揮発性メモリ2の外部から電源電圧を受け、この電源電圧を用いて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を生成する。
【0034】
ロウデコーダ25は、レジスタ26からロウアドレスを受け、このロウアドレスをデコードする。ロウデコーダ25は、デコードされたロウアドレスに基づいて、ワード線の選択動作を行う。そして、ロウデコーダ25は、選択されたブロックに、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に必要な複数の電圧を転送する。
【0035】
センスアンプ24は、レジスタ26からカラムアドレスを受け、このカラムアドレスをデコードする。センスアンプ24は、センスアンプユニット群24Aと、データレジスタ24Bを有する。センスアンプユニット群24Aは、各ビット線に接続されており、デコードされたカラムアドレスに基づいて、いずれかのビット線を選択する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの読み出し時には、メモリセルトランジスタからビット線に読み出されたデータを検知及び増幅する。また、センスアンプユニット群24Aは、データの書き込み時には、書き込みデータをビット線に転送する。
【0036】
データレジスタ24Bは、データの読み出し時には、センスアンプユニット群24Aにより検出したデータを一時的に保持し、これをシリアルに入出力回路22へ転送する。また、データレジスタ24Bは、データの書き込み時には、入出力回路22からシリアルに転送されたデータを一時的に保持し、これをセンスアンプユニット群24Aへ転送する。データレジスタ24Bは、SRAMなどで構成される。
【0037】
(メモリセルアレイのブロック構成)
図3は3次元構造のメモリセルアレイ23のブロックの構成例を示す図である。図3はメモリセルアレイ23を構成する複数のブロックのうちの1つのブロックBLKを示している。メモリセルアレイ23の他のブロックも図3と同様の構成を有する。
【0038】
図示するように、ブロックBLKは、例えば4つのストリングユニットSU0~SU3(以下、これらを代表してストリングユニットSUという)を含む。また各々のストリングユニットSUは、複数のメモリセルトランジスタMT(MT0~MT7)と、選択ゲートトランジスタST1,ST2とを含むNANDストリングNSを有する。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMTの個数は、図3では8個とするが、更に多数個であってもよい。選択ゲートトランジスタST1,ST2は、電気回路上は1つのトランジスタとして示しているが、構造上はメモリセルトランジスタと同じでもよい。また、選択ゲートトランジスタST1,ST2として、それぞれ複数の選択ゲートトランジスタを用いてもよい。さらに、メモリセルトランジスタMTと選択ゲートトランジスタST1,ST2との間には、ダミーセルトランジスタが設けられていてもよい。
【0039】
メモリセルトランジスタMTは、選択ゲートトランジスタST1,ST2間において、直列接続されるようにして配置されている。一端側(ビット線側)のメモリセルトランジスタMT7が、選択ゲートトランジスタST1に接続され、他端側(ソース線側)のメモリセルトランジスタMT0が、選択ゲートトランジスタST2に接続されている。
【0040】
ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGDという)に接続される。また、ストリングユニットSU0~SU3の各々の選択ゲートトランジスタST2のゲートは、共通の選択ゲート線SGSに接続される。なお、各ブロックBLK内にある複数の選択ゲートトランジスタST2のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGS0~SGS3(以下、これらを代表して選択ゲート線SGSという)に接続されていてもよい。
【0041】
同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMT0~MT7のゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続される。すなわち、ワード線WL0~WL7は、同一ブロックBLK内の複数のストリングユニットSU0~SU3間で共通に接続されているのに対し、選択ゲート線SGDは、同一ブロックBLK内であってもストリングユニットSU0~SU3毎に独立している。ブロックBLK内において同一行にあるメモリセルトランジスタMTiのゲートは、同一のワード線WLiに接続される。
【0042】
各NANDストリングNSは、対応するビット線に接続されている。従って、各メモリセルトランジスタMTは、NANDストリングNSに含まれる選択ゲートトランジスタST1,ST2や他のメモリセルトランジスタMTを介して、ビット線に接続されている。一般に、同一のブロックBLK内にあるメモリセルトランジスタMTのデータは、一括して消去される。一方、データの読み出し及び書き込みは、典型的には、1つのストリングユニットSUに配設された1本のワード線WLに共通接続された複数のメモリセルトランジスタMTに対して、一括して行われる。このような、1つのストリングユニットSU内でワード線WLを共有するメモリセルトランジスタMTの組を、セルユニットCUと呼ぶ。
【0043】
セルユニットCUに対する書き込み動作及び読み出し動作は、ページを単位として実行される。例えば、各セルが、3ビット(8値)のデータを保持可能なTLC(Triple Level Cell)である場合、1つのセルユニットCUが、3ページ分のデータを保持することができる。各メモリセルトランジスタMTが保持することができる3ビットは、それぞれこの3ページに対応する。
【0044】
(不揮発性メモリの断面構造)
図4は、半導体記憶装置の一部領域の断面図である。図4は、半導体基板71上にセンスアンプ24やロウデコーダ25等の周辺回路に対応する周辺回路領域が設けられ、周辺回路領域の上層にメモリ領域が設けられる例について示している。なお、以下の説明において、半導体基板71の表面に水平な直交する2方向をx方向及びy方向とし、半導体基板71表面に垂直な方向をz方向とする。
【0045】
図4に示すように、メモリ領域MRにおいて不揮発性メモリは、半導体基板71、導電体641から657、メモリピラー634、並びにコンタクトプラグC0、C1、C2及びCPを含む。なお、以下で説明される図面では、半導体基板71の上面部分に形成されたP型又はN型のウェル領域と、各ウェル領域内に形成された不純物拡散領域と、ウェル領域間を絶縁するゲート絶縁膜および素子分離領域のそれぞれの図示は省略されている。
【0046】
メモリ領域MRにおいて、半導体基板71上には、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して、導電体GCが設けられている。また、半導体基板71に導電体GCを挟むように設けられた複数の不純物拡散領域(図示せず)には、例えば複数のコンタクトC0それぞれが設けられている。半導体基板71上には、配線層領域WRを介してメモリセルアレイ23が配置されている。
【0047】
各コンタクトC0上には、配線パターンを形成する導電体641が設けられている。例えば、導電体GCはトランジスタのゲート電極として機能し、導電体641はトランジスタのソース電極またはドレイン電極として機能する。
【0048】
各導電体641上には、例えばコンタクトC1が設けられている。各コンタクトC1上には、例えば導電体642が設けられている。導電体642上には、例えばコンタクトC2が設けられている。コンタクトC2上には、例えば導電体643が設けられている。
【0049】
導電体641、642、643の各配線パターンは、センスアンプ24とメモリセルアレイ23の間の配線層領域WRに配設されている。以下、導電体641、642、643が設けられる配線層を、それぞれ配線層D0、D1、D2と呼ぶ。配線層D0、D1、D2は、不揮発性メモリ2の下層部分に設けられている。なお、ここでは、配線層領域WRには、3つの配線層が設けられているが、配線層領域WRには、2つ以下の配線層、あるいは4つ以上の配線層が設けられていてもよい。
【0050】
導電体643の上方には、例えば層間絶縁膜を介して導電体644が設けられている。導電体644は、例えば、xy平面に平行な板状に形成され、ソース線CELSRCとして機能する。導電体644の上方には、各NANDストリングNSに対応して、例えば、導電体645~654が順に積層されている。これらの導電体のうちz方向に隣り合う導電体の間には、図示しない層間絶縁膜が設けられている。
【0051】
導電体645~654のそれぞれは、例えばxy平面に平行な板状に形成される。例えば、導電体645は、選択ゲート線SGSとして機能し、導電体646~653は、それぞれワード線WL0~WL7して機能し、導電体654は、選択ゲート線SGDして機能する。
【0052】
各メモリピラー634は、柱状であり、導電体645~654のそれぞれを貫通し、導電体644に接触している。メモリピラー634は、例えば、中心側にピラー状の半導体層(半導体ピラー)638と、半導体層638の外側に形成されるトンネル絶縁膜637と、トンネル絶縁膜637の外側に形成される電荷蓄積膜636と、電荷蓄積膜636の外側に形成されるブロック絶縁膜635を含む。
【0053】
例えば、メモリピラー634と導電体645とが交差する部分は、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラー634と導電体646~653のそれぞれとが交差する部分は、メモリセルトランジスタ(メモリセル)MTとして機能する。メモリピラー634と導電体654とが交差する部分は、選択トランジスタST1として機能する。
【0054】
メモリピラー634の上面よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体655が設けられている。導電体655は、x方向に延伸したライン状に形成され、ビット線BLに対応している。複数の導電体655は、y方向において間隔をおいて配列している(図示せず)。導電体655は、ストリングユニットSU毎に対応する1つのメモリピラー634内の半導体層638と電気的に接続されている。
【0055】
具体的には、各ストリングユニットSUにおいて、例えば各メモリピラー634内の半導体層638上にコンタクトプラグCPが設けられ、コンタクトプラグCP上に1つの導電体655が設けられる。なお、このような構成に限定されず、メモリピラー634内の半導体層638及び導電体655間は、複数のコンタクトや配線などを介して接続されてもよい。
【0056】
導電体655が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体656が設けられている。導電体656が設けられた層よりも上層には、層間絶縁膜を介して導電体657が設けられている。
【0057】
導電体656及び657は、例えばメモリセルアレイ23に設けられた配線と、メモリセルアレイ23下に設けられた周辺回路とを接続するための配線に対応する。導電体656と657の間は、図示しない柱状のコンタクトで接続されてもよい。ここでは、導電体655が設けられた層のことを、配線層M0と称し、導電体656が設けられた層のことを、配線層M1と称し、導電体657が設けられた層のことを、配線層M2と称する。
【0058】
図4に示すように、半導体記憶装置は、ストリングユニットSUより下層に配線層D0、D1、D2が形成されている。また、ストリングユニットSUより上層に配線層M0、M1、M2が形成されている。配線層D0、D1、D2は、例えば、ダマシン法により形成されるタングステン配線である。
【0059】
配線層M2は、例えば、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)など異方性エッチングにより形成されるアルミニウム配線である。配線層M2は、膜厚が厚く低抵抗であるため、基幹電源配線(VCC、VSS)が割り当てられる。配線層M1は、例えば、ダマシン法により形成される銅(Cu)配線である。Cu配線はEM(エレクトロマイグレーション)耐性などの配線信頼性が高いため、配線層M1は、確実にデータを伝達する必要がある信号線が割り当てられる。配線層M0は、例えば、ダマシン法により形成されるCu配線である。ビット線BLとして用いられるほか、電源強化の目的で、基幹電源配線の一部も割り当てられる。なお、信号線など基幹電源配線以外の配線についても、可能な限り低抵抗とすることが好ましいため、なるべく上層の配線層(例えば、配線層M2)を用いて形成される。
【0060】
(比較例)
図5は周辺回路領域中に設けられるトランジスタ形成領域におけるウェル領域の構成を示す平面図である。また、図6図5のウェル領域に構成されるFET(電界効果トランジスタ)の比較例における平面形状を示す平面図である。
【0061】
半導体メモリ等の半導体装置には、ゲート絶縁膜の膜厚が異なる複数種類のトランジスタが採用される。例えば、ロウデコーダ25に印加する高電圧を転送するトランジスタとしてはゲート絶縁膜の膜厚が十分に厚いHV(High Voltage)トランジスタが採用され、センスアンプ24に印加する中間電圧を転送するトランジスタとしてはゲート絶縁膜の膜厚が比較的薄いLV(Low Voltage)トランジスタが採用される。また、入出力回路22等において高速な性能が要求されるトランジスタとして、ゲート絶縁膜が極めて薄いVLV(Very Low Voltage)トランジスタが用いられている。
【0062】
図5に示すように、P型のウェル領域であるPウェルPw1及びPウェルPw2(以下、これらを区別する必要がない場合には、代表してPウェルPwという)と、N型のウェル領域であるNウェルNwとの周囲に、P型のウェル領域であるPウェルPw3が形成される。PウェルPw1,Pw2及びNウェルNwは、Y方向に延伸される。また、PウェルPw1,Pw2とNウェルNwとは、X方向に交互に形成される。なお、これらのPウェルPw1,Pw2とNウェルNwは、例えば、VLVトランジスタを形成する領域である。
【0063】
PウェルPw1は、ゲート絶縁膜が薄く、斜めハローイオン注入を適用するNチャネルFET(NFET)が形成される領域である。PウェルPw2は、PウェルPw1と同様の構成を有しているが、PウェルPw1に比べてX方向の幅が大きい。即ち、PウェルPw1は、X方向の幅が所定の閾値よりも狭い。図6に示すように、PウェルPw1のY方向端部にはPウェルのコンタクト領域COが形成される。ソースS及びドレインDを構成する拡散層に対してゲートGがX方向に延びた形状に形成されて、NFETがPウェルPw1,Pw2に形成される。
【0064】
NウェルNwは、ゲート絶縁膜が薄く斜めハローイオン注入を適用するPチャネルFET(PFET)が形成される領域である。
【0065】
PウェルPw3は、ゲート絶縁膜が厚く斜めハローイオン注入非適用のNFETが形成される領域である。なお、PウェルPw3は、例えばLV,HVトランジスタを形成する領域であり、PウェルPw1,Pw2及びNウェルNwを囲むように形成される。
【0066】
PウェルとNウェルとの境界は、誤動作を防ぐための一定の距離を確保する必要がある。境界が多く存在すると、配置効率が悪くなり、チップサイズが増大してしまう。そこで、図5に示すように、Y方向に延伸するPウェルとY方向に延伸するNウェルとをX方向に交互に配置することで、素子の配置効率を向上させる。即ち、PウェルとNウェルのペアでCMOSトランジスタを形成するが、Pウェル-Nウェル、Nウェル-Pウェル、Pウェル-Nウェル、・・と配置することで、PウェルとNウェルとの境界を減らすことができる。このような構成の結果、X方向端部のウェルは、他のウェルに比べて狭幅となりやすい。
【0067】
なお、PウェルPw及びNウェルNw上には、ダミーゲートGC(斜線部)が形成される。ダミーゲートGCは、ダミーゲートGC上層間膜をCMP(化学的機械研磨)により研磨する際に、平坦性を維持するために設けられる。ダミーゲートGCには、コンタクトは形成されず、ダミーゲートGCはフローティング状態となる。
【0068】
(アーキング)
図7及び図8はエレクトロンシェーディング効果によるアーキングの発生を説明するための説明図である。なお、図7及び図8ではマイナスの記号によって負電荷を示し、プラスの記号によって正電荷を示している。
【0069】
トランジスタの性能向上のために、ゲート絶縁膜の薄膜化や斜めハローイオン注入の技術が必要になる。図7はNウェルNwの領域にレジストRE(斜線部)を形成し、PウェルPw1,PウェルPw2の領域に斜めハローイオン注入を行うことを示している。ハローイオン注入では、例えばプラスに帯電したボロンの注入が行われる。この場合には、ゲートがプラスに帯電することを防止するための中和電子の注入も行われる。しかし、この中和電子は、レジストREの表面にも帯電する。レジストREに帯電した中和電子によって、レジストREの開口部への中和電子の到達が妨げられるエレクトロンシェーディング効果が生じる。
【0070】
特に、ウェルのX方向の幅が狭く、3方向においてレジストREが近傍に存在する領域、すなわちPウェルPw1のY方向端部付近では、エレクトロンシェーディング効果が発生しやすい。また微細化に伴い、ウェルの幅を縮小する場合にもエレクトロンシェーディング効果が大きくなる。
【0071】
このエレクトロンシェーディング効果により、ゲートGには、中和電子が注入されづらくなり、正に帯電した不純物(例えばボロン)が一方的に注入されることになって、ゲートGは正にチャージアップする。この結果、図8の矢印に示すように、レジストREとダミーゲートGCとの距離が比較的近い領域においては、レジストREの表面の電子をダミーゲートGCに引き寄せ、アーキングを誘発する可能性が高まる。アーキングが発生すると周囲の構造物が熱で破壊され、正常に動作する半導体装置を提供することができない。なお、ダミーゲートGCは、比較的広い範囲に連続的に形成されており、端部以外の各所においても、アーキングが発生する。
【0072】
(対策)
そこで、本実施形態においては、比較的近接した位置にレジストREが存在する領域、即ち、近接した3方向にレジストREが存在するPウェルPw1のY方向端部近傍においては、Pウェルコンタクト周辺の素子分離領域であるSTI(Shallow Trench Isolation)領域上にダミーゲートGCを配置しないようにする。これによりチャージアップを起こす構造物がないため、アーキングを誘発することを防ぐことができる。この結果、微細化に適した半導体装置を提供することができる。
【0073】
(実施形態の平面形状)
図9図5のウェル領域に構成されるFETの平面形状の一例を示す平面図である。図9において図6と同一の構成要素には同一符号を付して重複する説明を省略するものとする。
【0074】
図9に示すように、本実施形態においては、FETを構成するソースS及びドレインDの拡散層とゲートGの構成は図6と同様であり、コンタクト領域COの構成も図6と同様である。本実施形態においては、ダミーゲートGCの平面形状が図6の比較例と異なる。
【0075】
即ち、本実施形態においては、PウェルPw1のY方向端部上には、ダミーゲートGCを配置しない。ダミーゲートGCはPウェルPw1のY方向端部上以外の領域に形成する。PウェルPw1は、X方向の幅が所定幅よりも狭く、PウェルPw1のY方向端部は、斜めハローイオン注入時において、レジストREの中和電子によるエレクトロンシェーディング効果の影響を受けやすい。そこで、斜めハローイオン注入時においてチャージアップされやすい、PウェルPw1のY方向端部に、チャージアップの対象となるダミーゲートGCを形成しない。これにより、本実施形態では、アーキングの発生を防止することが可能である。
【0076】
なお、図9ではA-A’線に対応する位置のダミーゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号GC2,CO1,CO2で示し、B-B’線に対応する位置のゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G1,G3、CO1で示し、C-C’線に対応する位置のゲート、ダミーゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G2,G4,GC1,CO3で示している。
【0077】
(断面形状)
次に、図10から図12を参照して断面形状を説明する。なお、図10から図12及び後述する図13A図13Cから図19A図19Cにおいて、紙面縦方向に延びる破線は、ウェル境界を示すものである。
【0078】
図10図9のA-A’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図である。A-A’線は、PウェルPw1のY方向端部のコンタクト領域CO1を横切るX方向に延びる直線であり、PウェルPw1と、PウェルPw1のX方向の両側のNウェルNwの一部及びダミーゲートGC2の一部を含む。
【0079】
半導体基板71には、PウェルPw3、PウェルPw1及びNウェルNwが形成されている。半導体基板71の表面近傍には、PウェルPw3とPウェルPw1との境界及びPウェルPw1とNウェルNwとの境界において、それぞれ両者を分離するSTI領域STが形成される。
【0080】
PウェルPw1の基板表面には、コンタクト領域CO1が形成され、コンタクト領域CO1上にはコンタクトプラグCP1を介して配線WIが接続される。NウェルNwの基板表面には、コンタクト領域CO2が形成される。なお配線WIは図9において図示を省略している。
【0081】
PウェルPw3の基板表面には、ゲート酸化膜OGが形成される。このゲート酸化膜OG上にN型のポリシリコン膜PS及びタングステン膜WによるダミーゲートGC2と窒化シリコン膜SNとが積層され、この積層体Lの側部には、オフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成される。なお、窒化シリコン膜SN、サイドウォールSO、サイドウォールSW、STI領域ST、コンタクト領域CO1,CO2上には、配線WIの上面まで、層間膜IFが形成される。
【0082】
上述したように、PウェルPw1は、幅が所定の幅より狭い。図10に示すように、PウェルPw1のY方向端部には、コンタクト領域CO1が設けられる。PウェルPw1とNウェルNwとの境界のSTI領域ST上にはダミーゲートGCは配置されていない。即ち、PウェルPw1のY方向端部上には、ダミーゲートGCは配置されない。
【0083】
図11図9のB-B’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図である。B-B’線は、PウェルPw1のY方向端部のコンタクト領域CO1をY方向に横切る直線であり、PウェルPw1に形成されるNFETと、PウェルPw1のY方向のPウェルPw3に形成されたゲートG3の一部を含む。
【0084】
半導体基板71には、PウェルPw1及びPウェルPw3が形成されている。半導体基板71の表面近傍には、PウェルPw1のY方向端部にコンタクト領域CO1が形成され、このコンタクト領域CO1とPウェルPw3との境界及びコンタクト領域CO1とPウェルPw1のNFET形成領域との境界において両者を分離するSTI領域STが形成される。
【0085】
PウェルPw1のNFET形成領域においては、基板表面近傍に、N+型拡散層によるソースG1SとN+型拡散層によるドレインG1DとがY方向に所定の間隔を有して形成される。N+型拡散層(ソース)とN+型拡散層(ドレイン)とに挟まれたPウェルPw1の基板表面には、ゲート酸化膜OG上にN型ポリシリコン膜PS、タングステン膜Wにより形成されるゲートG1と窒化シリコン膜SNとの積層体Lが形成され、これらの積層体LのY方向両側にはオフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成されている。ソースG1SとドレインG1Dとは、それぞれコンタクトプラグCP1S,CP1Dを介して配線WIに接続される。なお、ソースG1S及びドレインG1Dによるチャネル近傍の領域には、斜めハローイオン注入による拡散層HIが形成されている。
【0086】
PウェルPw3のNFET形成領域においては、基板表面近傍に、N+型拡散層によるソースGS3とN+型拡散層による図示しないドレインとがY方向に所定の間隔を有して形成される。なお、PウェルPw3に形成するソースG3Sとドレインには、斜めハローイオン注入は適用しない。ソースG3Sとドレインとに挟まれたPウェルPw3の基板表面には、ゲート酸化膜OG上に、N型ポリシリコン膜PS、タングステン膜WによるゲートG3と窒化シリコン膜SNとの積層体Lが形成され、この積層体LのY方向両側にはオフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成されている。ソースG3S及びドレインは、コンタクトプラグCP3S及び図示しないコンタクトプラグを介して配線WIに接続される。
【0087】
図11に示すように、PウェルPw1のY方向端部には、コンタクト領域CO1が設けられる。PウェルPw1とPウェルPw3との境界のSTI領域ST上にはダミーゲートGCは配置されていない。また、コンタクト領域CO1とドレインG1Dとの間のSTI領域ST上にもダミーゲートGCは配置されていない。
【0088】
図12図9のC-C’線で切断して断面構造の一例を示す模式的断面図である。C-C’線は、NウェルNwをY方向に切断する直線であり、NウェルNwに形成されるPFETと、NウェルNwに形成されるダミーゲートGC1と、NウェルNwのY方向端部のコンタクト領域CO3と、PウェルPw3に形成されたゲートG4の一部を含む。
【0089】
半導体基板71には、NウェルNw及びPウェルPw3が形成されている。半導体基板71の表面近傍には、NウェルNwのY方向端部にコンタクト領域CO3が形成され、このコンタクト領域CO3とPウェルPw3との境界及びコンタクト領域CO3とNウェルNwのPFET形成領域との境界において両者を分離するSTI領域STが形成される。なお、コンタクト領域CO3は、コンタクトプラグCP3を介して配線WIに接続される。
【0090】
NウェルNwのPFET形成領域においては、基板表面近傍に、P+型拡散層によるソースG2SとP+型拡散層によるドレインG2DとがY方向に所定の間隔を有して形成される。ソースG2SとドレインG2Dとに挟まれたNウェルNwの基板表面には、ゲート酸化膜OG上に、N型ポリシリコン膜PS、タングステン膜WによるゲートG2と窒化シリコン膜SNとの積層体Lが形成され、この積層体LのY方向両側にはオフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成されている。ソースG2SとドレインG2Dとは、それぞれコンタクトプラグCP2S,CP2Dを介して配線WIに接続される。なお、ソースG2S及びドレインG2Dによるチャネル近傍の領域には、斜めハローイオン注入による拡散層HIが形成されている。
【0091】
PウェルPw3のNFET形成領域においては、基板表面近傍に、N+型拡散層によるソースG3SとN+型拡散層による図示しないドレインとがY方向に所定の間隔を有して形成される。なお、PウェルPw3に形成するソースG3Sとドレインには、斜めハローイオン注入は適用しない。ソースG3Sとドレインとに挟まれたPウェルPw3の基板表面には、ゲート酸化膜OG上に、N型ポリシリコン膜PS、タングステン膜WによるゲートG3と窒化シリコン膜SNとの積層体Lが形成され、この積層体LのY方向両側にはオフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成されている。ソースG3S及びドレインは、コンタクトプラグCP3S及び図示しないコンタクトプラグを介して配線WIに接続される。
【0092】
STI領域ST上には、ゲート酸化膜OG上に、N型ポリシリコン膜PS、タングステン膜WによるダミーゲートGC1と窒化シリコン膜SNの積層体が形成されている。なお、この積層体のY方向両側にはオフセットスペーサーSO及びサイドウォールSWが形成されている。
【0093】
図12に示すように、NウェルNwのY方向端部には、コンタクト領域CO3が設けられる。コンタクト領域CO3とPウェルPw3のドレインG2Dとの間のSTI領域ST上にはダミーゲートGCは配置されていない。一方、コンタクト領域CO3とPFET形成領域との間のSTI領域ST上にはダミーゲートGC1が配置されている。NウェルNwは、X方向には、アーキングが発生しない程度の比較的広い幅に形成されている。このため、コンタクト領域CO3とドレインG2Dに挟まれたSTI領域ST上にダミーゲートGC1が配置されていても、アーキングは発生しない。ダミーゲートGC1を配置することにより、ダミーゲートGCの密度の低下を防ぎ、ダミーゲートGC上の層間膜IFをCMPで研磨する際に、その平坦性を維持することができる。この結果、配線間ショートによる誤動作が発生しないようにすることができる。
【0094】
(ハローイオン注入工程及びLDDイオン注入工程)
次に、図13A図13Cから図19A図19Cを参照して各種イオン注入工程について説明する。図13A,14A~図19Aは、図9のA-A’線、図13B,14B~図19Bは、図9のB-B’線、図13C,14C~図19Cは、図9のC-C’線で切断した断面構造により、各種イオン注入工程を示す工程図である。図13A図13C及び図14A図14Cは主にPウェルPw1,PウェルPw2のNFET形成のためのイオン注入工程を示し、図15A図15C及び図16A図16Cは主にPFET形成のためのイオン注入工程を示し、図17A図17Cは主にPウェルPw3のNFET形成のためのイオン注入工程を示し、図18A図18Cは主にPウェルPw1,Pw2のNFET形成のためのイオン注入工程を示し、図19A図19Cは主にNウェルNwのPFET形成のためのイオン注入工程を示している。
【0095】
図13A図13Cは主に斜めハローイオン注入工程を示している。図13A図13Cの状態は、オフセットスペーサーSO形成後に、斜めハローイオン注入のためのレジストRE1を形成した状態を示している。
【0096】
即ち、先ず、半導体基板71に、PウェルPw1、PウェルPw2、PウェルPw3及びNウェルNwを、イオン注入法を用いて形成する。PウェルPw1,Pw2とNウェルNwとはX方向に交互に形成し、PウェルPw1,Pw2とNウェルNwとを囲むようにPウェルPw3を形成する。
【0097】
次に、半導体基板71の表面に、STI法によりSTI領域STを形成する。
【0098】
次に、PウェルPw1,Pw2及びNウェルNwの表面にゲート絶縁膜OGを形成する。ゲート絶縁膜OGは、例えば酸化シリコン膜からなり、熱酸化法などにより形成することができる。次に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、N型のポリシリコン膜PSを形成する。次に、N型ポリシリコン膜PS上にタングステン膜Wを形成し、更に、窒化シリコン膜SNをCVD法により形成する。
【0099】
次に、N型ポリシリコン膜PS、タングステン膜W及び窒化シリコン膜SNによる積層体Lを、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング技術を用いてパターニングする。これにより、パターニングされたゲートG(G1,G2,G3,GC1,GC2)が形成される。次に、基板全面に酸化膜を形成した後、異方性エッチング技術により、積層体Lの側壁に酸化膜を残してオフセットスペーサSOを形成する。
【0100】
次に、図13A図13C及び図14A図14Cを参照して、主にNFETに対するイオン注入について説明する。
【0101】
NFETのトランジスタ性能向上のために、薄膜ゲート絶縁膜を用いた斜めハローイオン注入を、PウェルPw1及びPウェルPw2の領域に対して実施する。先ず、ハローイオン注入の対象となるPウェルPw1,PウェルPw2を除く領域、即ち、PウェルPw3及びNウェルNwの領域上にレジストRE1を形成する。図13A図13Cはこの状態を示している。
【0102】
次に、図13A図13Cの矢印にて示すように、BF2+イオンを基板表面に対して斜めにイオン注入する。これにより、PウェルPw1のゲートG1近傍の基板表面近傍にBF2+が注入される。なお、この工程によって、コンタクト領域CO1にもBF2+イオンが注入される。
【0103】
図13A図13Cに示すように、ハローイオン注入工程では、BF2+イオンを基板表面に対して斜めにイオン注入する。図6の比較例のレイアウトでは、幅の狭いPウェルPw1のY方向端部近傍にダミーゲートGCが配置されていることから、アーキング発生の懸念があった。これに対し、本実施形態におけるレイアウトでは、図13Bに示すように、BF2+イオンを注入する位置の近傍(たとえば図13BにおいてコンタクトCO1からゲートG1側に隣接するSTIの上や、図13AにおいてコンタクトCO1からNウェルNW側に隣接するSTIの上)にダミーゲートGCを配置していないことから、ハローイオン注入におけるアーキングの発生を防ぐことができる。
【0104】
次に、図14A図14Cの矢印にて示すLDDイオン注入工程が行われる。即ち、図13A図13Cに示した、ハローイオン注入に連続して、薄膜ゲート絶縁膜のNFETに対してLDDイオン注入を行う。このLDDイオン注入工程では、As+イオンを基板表面に対して垂直にイオン注入する。このイオン注入は、図14A図14Cの矢印に示すように、ハローイオン注入よりも基板の浅い位置にAs+イオンを注入するものである。このイオン注入後にレジストRE1を剥離する。
【0105】
次に、図15A図15C及び図16A図16Cを参照して、主にPFETに対するイオン注入について説明する。
【0106】
PFETのトランジスタ性能向上のために、薄膜ゲート絶縁膜を用いた斜めハローイオン注入を、NウェルNwの領域に対して実施する。先ず、ハローイオン注入の対象となるNウェルNwを除く領域、即ち、PウェルPw1~PウェルPw3の領域上にレジストRE2を形成する。図15A図15Cはこの状態を示している。
【0107】
図15A図15Cの矢印にて示すように、As+イオンを基板表面に対して斜めにイオン注入する。これにより、NウェルNwのゲートG1近傍の基板表面にAs+が注入される。なお、この工程によって、コンタクト領域CO2,CO3にもAs+イオンが注入される。
【0108】
たとえば、図15CにおいてコンタクトCO3からゲートG2側に隣接するSTIの上や、図9においてCO3からみてPウェルPw2側に隣接するSTIの上にダミーゲートGC1が配置されていても、NウェルNwのX方向の幅は比較的広いことから、ハローイオン注入によるアーキングは発生しにくい。
【0109】
次に、図16A図16Cの矢印にて示すLDDイオン注入工程が行われる。即ち、図15A図15Cに示した、ハローイオン注入に連続して、薄膜ゲート絶縁膜のPFETに対してLDDイオン注入を行う。このLDDイオン注入工程では、BF2+イオンを基板表面に対して垂直にイオン注入する。このイオン注入後にレジストRE2を剥離する。
【0110】
次に、図17A図17Cを参照して、主に厚膜のNFETに対するイオン注入について説明する。
【0111】
厚膜ゲート絶縁膜を有するNFETのLDDを形成する。対象となるPウェルPw3を除く領域、即ち、PウェルPw1,PウェルPw2,NウェルNwの領域上にレジストRE3を形成する。図17A図17Cはこの状態を示している。
【0112】
次に、図17B図17Cの矢印にて示すように、Phos+イオンをイオン注入する。このLDDイオン注入工程では、Phos+イオンを基板表面に対して垂直にイオン注入する。このイオン注入後にレジストRE3を剥離する。
【0113】
次に、図18A図18Cを参照して、NFETに対するソース・ドレイン形成のためのイオン注入及びNウェルNw内のコンタクト領域COに対するイオン注入について説明する。
【0114】
ソース・ドレインを形成するイオン注入を行うために、積層体LにサイドウォールSWを形成する。即ち、全面に酸化膜を形成した後、全面エッチバックによって、各積層体LのオフセットスペーサーSOの側面にサイドウォールSWを形成する。次に、全てのNFETのソース・ドレイン領域及びNウェルNw内のコンタクト領域COを開口したレジストRE4を形成する。図18A図18Cはこの状態を示している。
【0115】
次に、図18A図18Cの矢印にて示すように、As+イオンをイオン注入する。このイオン注入工程では、As+イオンを基板表面に対して垂直にLDD領域よりも深い位置までイオン注入する。このイオン注入によって、NFETのソース及びドレインが形成されると共に、NウェルNw内のコンタクト領域COが形成される。このイオン注入後にレジストRE4を剥離する。
【0116】
次に、図19A図19Cを参照して、PFETに対するソース・ドレイン形成のためのイオン注入及びPウェルPw内のコンタクト領域COに対するイオン注入について説明する。
【0117】
図19A図19Cに示すように、全てのPFETのソース・ドレイン領域及びPウェルPw内のコンタクト領域COを開口したレジストRE5を形成する。次に、図19A図19Cの矢印にて示すように、BF2+イオンをイオン注入する。このイオン注入工程では、BF2+イオンを基板表面に対して垂直にLDD領域よりも深い位置までイオン注入する。このイオン注入によって、PFETのソース及びドレインが形成されると共に、PウェルPw内のコンタクト領域COが形成される。このイオン注入後にレジストRE4を剥離する。
【0118】
以後、CVD法により層間膜を全面に形成し、コンタクト領域COに対応する位置にコンタクトプラグとなる金属を埋め込む。そして、コンタクトプラグに接続されれる配線をパターニングする。
【0119】
このように、所定方向にPウェルとNウェルとを交互に配置してハロー構造を有するCMOS回路を形成する場合において、比較的狭い幅のウェルについては、所定方向に直交する方向の端部近傍において、ダミーゲートをSTI領域上に配置しない。これにより、アーキングの発生を防止することができ、微細化に適した半導体装置を提供することができる。
【0120】
なお、PウェルPw1,Pw2のY方向については、必ずしも両端がPウェルPw3に接している必要はない。図20はY方向の片側において、PウェルPw1がPウェルPw3に接する例を示す平面図である。PウェルPwxは、ゲート絶縁膜が薄く、斜めハローイオン注入を適用するNチャネルFET(NFET)が形成される領域である。
【0121】
図20の例であっても、Y方向の一方の端部において、近接した3方向にレジストが存在する領域については、ダミーゲートGCを配置しないようにすることで、アーキングの発生を抑制することが可能である。
【0122】
(第2の実施形態)
図21は第2の実施形態を示す平面図である。図21において図9と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0123】
第1の実施形態はPウェルPw1がX方向に所定の閾値(所定幅)よりも狭幅に構成されて、斜めハローイオン注入時に、比較的近接した位置にレジストREが存在する領域、即ち、近接した3方向にレジストREが存在する例を説明した。これに対し、本実施形態は、NウェルNwがX方向に所定の閾値よりも狭幅に構成されて、斜めハローイオン注入時に、比較的近接した位置にレジストREが存在する領域、即ち、近接した3方向にレジストREが存在する例である。
【0124】
図21は周辺回路領域中に設けられるトランジスタ形成領域におけるウェル領域の平面形状の一例を示している。図21に示すように、N型のウェル領域であるNウェルNw1及びNウェルNw2(以下、これらを区別する必要がない場合には、代表してNウェルNwという)と、P型のウェル領域であるPウェルPwとの周囲に、P型のウェル領域であるPウェルPw3が形成される。NウェルNw1,Nw2及びPウェルPwは、Y方向に延伸される。また、NウェルNw1,Nw2とPウェルPwとは、X方向に交互に形成される。
【0125】
NウェルNw1は、ゲート絶縁膜が薄く、斜めハローイオン注入を適用するPFETが形成される領域である。NウェルNw2は、NウェルNw1と同様の構成を有しているが、NウェルNw1に比べてX方向の幅が大きい。図21に示すように、NウェルNw1のY方向端部にはNウェルのコンタクト領域COが形成される。ソースS及びドレインDを構成する拡散層に対してゲートGがX方向に延びた形状に形成されて、PFETがNウェルNw1,Nw2に形成される。
【0126】
PウェルPwは、ゲート絶縁膜が薄く斜めハローイオン注入を適用するNFETが形成される領域である。PウェルPw3は、ゲート絶縁膜が厚く斜めハローイオン注入非適用のNFETが形成される領域である。なお、PウェルPw3は、NウェルNw1,Nw2及びPウェルPwを囲むように形成される。
【0127】
図21においては、Y方向に延伸するNウェルとY方向に延伸するPウェルとをX方向に交互に配置することで、素子の配置効率を向上させる。NウェルとPウェルのペアでCMOSトランジスタを形成するが、NウェルーPウェル、Pウェル-Nウェル、NウェルーPウェル、・・と配置することで、NウェルとPウェルとの境界を減らすことができる。
【0128】
NウェルNw及びPウェルPw上には、ダミーゲートGC(GC1,GC2)(斜線部)が形成される。ダミーゲートGCには、コンタクトは形成されず、ダミーゲートGCはフローティング状態となる。
【0129】
本実施形態においては、NウェルNw1のY方向端部には、ダミーゲートGCを配置しない。NウェルNw1は、X方向の幅が所定幅よりも狭く、NウェルNw1のY方向端部は、斜めハローイオン注入時において、レジストREの中和電子によるエレクトロンシェーディング効果の影響を受けやすい。そこで、斜めハローイオン注入時においてチャージアップされやすい、NウェルNw1のY方向端部に、チャージアップの対象となるダミーゲートGCを形成しない。これにより、本実施形態では、アーキングの発生を防止することが可能である。
【0130】
なお、図21ではA-A’線に対応する位置のダミーゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号GC2,CO1,CO2で示し、B-B’線に対応する位置のゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G1,G3、CO1で示し、C-C’線に対応する位置のゲート、ダミーゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G2,G4,GC1,CO3で示している。
【0131】
図10から図19Cにおいて、PウェルPw1,PウェルPw2,NウェルNwを、それぞれ、NウェルNw1,NウェルNw2,PウェルPwと読み替えることで、図21に示す平面形状に対応する断面形状を示すことができるので、断面についての図示及び具体的な説明は省略する。
【0132】
他の構成及び作用は第1の実施形態と同様である。
【0133】
このように、本実施形態においても、アーキングの発生を抑制することができる。
【0134】
(第3の実施形態)
図22は第3の実施形態を示す平面図である。図22において、図9と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0135】
第1の実施形態はX方向にて所定の閾値よりも狭幅に構成されるPウェルPw1がX方向の端部のPウェルPw3に隣接した位置に配置される例を説明した。これに対し、本実施形態は、X方向に所定の閾値よりも狭幅のPウェルPwが、X方向にはPウェルPw3に隣接していない位置に配置された例を示している。
【0136】
本実施形態においても、PウェルPw1のY方向端部には、ダミーゲートGCを配置しない。PウェルPw1は、X方向の幅が所定幅よりも狭く、PウェルPw1のY方向端部は、斜めハローイオン注入時において、レジストREの中和電子によるエレクトロンシェーディング効果の影響を受けやすい。そこで、斜めハローイオン注入時においてチャージアップされやすい、PウェルPw1のY方向端部に、チャージアップの対象となるダミーゲートGCを形成しない。これにより、本実施形態においても、アーキングの発生を防止することが可能である。
【0137】
なお、図22では、B-B’線に対応する位置のゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G1,G3、CO1で示し、C-C’線に対応する位置のゲート、ダミーゲート、コンタクト領域をそれぞれ符号G2,G4,GC1,CO3で示している。この場合には、本実施形態においても、A-A’線で切断して示す断面構造以外のB-B’線及びC-C’線で切断して示す断面構造は、図10から図19Cと同様である。
【0138】
他の構成及び作用は第1の実施形態と同様である。
【0139】
このように、本実施形態においても、アーキングの発生を抑制することができる。
【0140】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0141】
71…半導体基板、CO1,CO2…コンタクト領域、CP1…コンタクトプラグ、G,G1,G3,G4…ゲート、G1D…ドレイン、G1S…ソース、GC,GC1,GC2…ダミーゲート、L…積層体、Nw…Nウェル、OG…ゲート酸化膜、PS…ポリシリコン膜、Pw,Pw1,Pw2,Pw3…Pウェル、RE…レジスト、SN…窒化シリコン膜、SO…オフセットスペーサー、ST…STI領域、SW…サイドウォール、W…タングステン膜。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22