(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039331
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】空き家情報提供装置、空き家情報提供システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240314BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143803
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】大谷 宗之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】シニア向け住宅の再市場化を図ることができ、空き家問題の解消に貢献することである。
【解決手段】空き家情報提供装置10が、外部機器から空き家情報を取得する空き家情報取得手段と、第一ユーザー1の個人情報に基づいて、空き家情報の中から、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段と、空き家情報判断手段が判断した最適な空き家情報を出力する出力手段と、を備えており、第一ユーザー1の個人情報には、第一ユーザー1の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器から空き家情報を取得する空き家情報取得手段と、
第一ユーザーの個人情報に基づいて、前記空き家情報の中から、前記第一ユーザーが転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段と、
前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力する出力手段と、を備えており、
前記第一ユーザーの個人情報には、前記第一ユーザーの年齢情報と、前記第一ユーザーの活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の空き家情報提供装置において、
前記空き家情報判断手段は、前記第一ユーザーと家族関係にある第二ユーザーの個人情報に基づいて、前記空き家情報の中から、前記第二ユーザーが転居するのに最適な空き家情報を判断し、
前記第二ユーザーの個人情報には、前記第二ユーザーの年齢情報と、前記第一ユーザーの活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項3】
請求項2に記載の空き家情報提供装置において、
前記空き家情報には、前記第一ユーザーが住んでいる家の情報が含まれていることを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項4】
請求項2に記載の空き家情報提供装置において、
前記第二ユーザーの個人情報には、前記第二ユーザーの活動拠点に係る情報が更に含まれており、
外部機器から任意の第一地点から任意の第二地点までのルートのナビゲーション情報を取得するナビゲーション情報取得手段を更に備えており、
前記空き家情報判断手段は、前記第一ユーザーの活動拠点に係る情報と、前記第二ユーザーの活動拠点に係る情報と、前記ナビゲーション情報取得手段によって取得する前記ナビゲーション情報と、に基づいて、前記空き家情報の中から、前記第二ユーザーが転居するのに最適な空き家情報を判断することを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の空き家情報提供装置において、
前記空き家情報には、シニア向け住宅という第一属性と、非シニア向け住宅という第二属性が含まれていることを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項6】
請求項1に記載の空き家情報提供装置において、
前記空き家情報判断手段によって判断される前記第一ユーザー向けの前記最適な空き家情報についての、前記第一ユーザーが求める条件に係る情報を取得する条件情報取得手段を更に備えており、
前記空き家情報判断手段は、前記条件情報取得手段によって取得した前記条件に係る情報に基づいて、前記最適な空き家情報を判断することを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項7】
請求項1に記載の空き家情報提供装置において、
前記空き家情報判断手段によって前記最適な空き家情報を判断することを促す通知を、前記第一ユーザーが使用する情報端末に対して所定のタイミングで行うための通知手段を更に備えていることを特徴とする空き家情報提供装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の空き家情報提供装置と、
前記空き家情報提供装置と通信可能に接続され、空き家情報が記憶された空き家情報データベースと、
前記空き家情報提供装置と通信可能に接続され、前記第一ユーザーが使用する情報端末と、を備えており、
前記空き家情報提供装置は、前記空き家情報取得手段によって、前記空き家情報データベースから空き家情報を取得するとともに、前記出力手段によって、前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力して前記情報端末に送信することを特徴とする空き家情報提供システム。
【請求項9】
請求項8に記載の空き家情報提供システムにおいて、
前記情報端末は、持ち運び可能な携帯情報端末であり、
前記携帯情報端末は、当該携帯情報端末に係るロケーション履歴の情報を取得するロケーション履歴取得手段を備えており、
前記空き家情報提供装置は、前記携帯情報端末から前記ロケーション履歴の情報を受信するロケーション履歴受信手段を備え、
前記空き家情報判断手段は、前記ロケーション履歴の情報を、前記第一ユーザーの活動拠点に係る情報として、前記最適な空き家情報を判断することを特徴とする空き家情報提供システム。
【請求項10】
空き家情報提供装置のコンピューターを、
外部機器から空き家情報を取得する空き家情報取得手段、
前記空き家情報取得手段によって取得した前記空き家情報と、第一ユーザーの個人情報と、に基づいて、前記第一ユーザーが転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段、
前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力する出力手段、
として機能させ、
前記第一ユーザーの個人情報には、前記第一ユーザーの年齢情報と、前記第一ユーザーの活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空き家情報提供装置、空き家情報提供システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少子高齢化や人口減少などに伴って空き家が増加の一途をたどっている。このような空き家問題は、経済的な理由はもちろんのこと、地域防犯や衛生の観点からも解決が望まれている。
例えば特許文献1には、調査情報に関する調査条件及び当該調査結果を入力すると、空き家情報DBを参照して家情報に関する調査条件及び調査結果の検索を行い、少なくとも空き家情報に関する内容及び住宅マップを表示し、住宅マップ及び検索結果についての空き家情報を記憶する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、いわゆる団塊世代が若い年齢の時に新築した住宅は、年月を経て徐々に改修が加わることによってシニア向け住宅へと変貌しており、このようなシニア向け住宅が今後、更に余剰することが推測される。しかしながら、高齢者と子育て世代では、そもそもの生活スタイルが異なるため、子育て世代の人が中古物件の購入を検討したときに、このようなシニア向け住宅は、その候補には挙がりにくい。そのため、シニア向け住宅はますます余剰し、空き家の増加に拍車をかける原因ともなり得るという問題がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、シニア向け住宅の再市場化を図ることができ、空き家問題の解消に貢献することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、空き家情報提供装置10であって、例えば
図1~
図4に示すように、外部機器(空き家情報データベース20)から空き家情報を取得する空き家情報取得手段と、
第一ユーザー1の個人情報に基づいて、前記空き家情報の中から、前記第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段と、
前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力する出力手段と、を備えており、
前記第一ユーザー1の個人情報には、前記第一ユーザー1の年齢情報と、前記第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、空き家情報判断手段が、第一ユーザー1の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報に基づいて、空き家情報の中から、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断して取得できるので、第一ユーザー1は、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
さらに、第一ユーザー1は、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家に住むことで、今まで築いてきたコミュニティとの繋がりを継続できるので、自身に合った快適な住環境を継続することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、請求項1に記載の空き家情報提供装置10において、
前記空き家情報判断手段は、前記第一ユーザー1と家族関係にある第二ユーザー2の個人情報に基づいて、前記空き家情報の中から、前記第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断し、
前記第二ユーザー2の個人情報には、前記第二ユーザー2の年齢情報と、前記第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、空き家情報判断手段が、第二ユーザー2の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報に基づいて、空き家情報の中から、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断するので、第二ユーザー2は、自身の年齢に相応しく、かつ、家族関係にある第一ユーザー1の活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第二ユーザー2は、第一ユーザー1の生活を見守りやすい空き家情報を知ることができる。そして、第一ユーザー1と第二ユーザー2が同じ活動拠点にある空き家に転居すれば、お互いに見守ることができるので、お互いに安心して生活を送ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、請求項2に記載の空き家情報提供装置10において、
前記空き家情報には、前記第一ユーザー1が住んでいる家(転居元のファミリー向け住宅4)の情報が含まれていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、空き家情報には、第一ユーザー1が住んでいる家の情報が含まれているので、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1が住んでいる家の情報を、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報であると判断することができる。つまり、第二ユーザー2は、第一ユーザー1が住んでいて親しみのある家を転居先の候補とすることができるので安心して転居できる。また、第二ユーザー2は、第一ユーザー1が住んでいる家を資産として承継することも可能となる。
さらに、第一ユーザー1も、自身が住んでいた家を、家族関係にある第二ユーザー2に承継できるので安心して他の家に転居できる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、請求項2に記載の空き家情報提供装置10において、
前記第二ユーザー2の個人情報には、前記第二ユーザー2の活動拠点に係る情報が更に含まれており、
外部機器(ナビゲーション情報提供サーバー21)から任意の第一地点から任意の第二地点までのルートのナビゲーション情報を取得するナビゲーション情報取得手段を更に備えており、
前記空き家情報判断手段は、前記第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、前記第二ユーザー2の活動拠点に係る情報と、前記ナビゲーション情報取得手段によって取得する前記ナビゲーション情報と、に基づいて、前記第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報と、ナビゲーション情報取得手段によって取得するナビゲーション情報と、に基づいて、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断するので、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を、第一ユーザー1の転居先への行き来しやすさを考慮したものとすることができる。これにより、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と近居できない場合でも、第二ユーザー2は、第一ユーザー1の生活を極力見守りやすい家に転居することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、請求項1に記載の空き家情報提供装置10において、
前記空き家情報には、シニア向け住宅という第一属性と、非シニア向け住宅という第二属性が含まれていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、空き家情報には、シニア向け住宅という第一属性と、非シニア向け住宅という第二属性が含まれているので、空き家情報判断手段によって、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する際に、第一ユーザーの年齢に相応しい空き家情報の有無が判断しやすくなる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図1~
図6に示すように、請求項1に記載の空き家情報提供装置10において、
前記空き家情報判断手段によって判断される前記第一ユーザー1向けの前記最適な空き家情報についての、前記第一ユーザー1が求める条件に係る情報を取得する条件情報取得手段(住み替えプランシート30)を更に備えており、
前記空き家情報判断手段は、前記条件情報取得手段によって取得した前記条件に係る情報に基づいて、前記最適な空き家情報を判断することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、空き家情報判断手段は、条件情報取得手段によって取得した条件に係る情報に基づいて、最適な空き家情報を判断するので、第一ユーザー1の希望に沿った空き家情報についての判断が行いやすくなる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば
図1,
図2に示すように、請求項1に記載の空き家情報提供装置10において、
前記空き家情報判断手段によって前記最適な空き家情報を判断することを促す通知を、前記第一ユーザー1が使用する情報端末1aに対して所定のタイミングで行うための通知手段を更に備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、通知手段によって、第一ユーザー1が使用する情報端末1aに対して所定のタイミングで、空き家情報判断手段によって最適な空き家情報を判断することを促す通知を行うことができるので、第一ユーザー1は、所定のタイミングで、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている最適な空き家情報を知る機会を得ることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、空き家情報提供システムであって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の空き家情報提供装置10と、
前記空き家情報提供装置10と通信可能に接続され、空き家情報が記憶された空き家情報データベース20と、
前記空き家情報提供装置10と通信可能に接続され、前記第一ユーザー1が使用する情報端末1aと、を備えており、
前記空き家情報提供装置10は、前記空き家情報取得手段によって、前記空き家情報データベース20から空き家情報を取得するとともに、前記出力手段によって、前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力して前記情報端末1aに送信することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、空き家情報提供装置10は、空き家情報取得手段によって、空き家情報データベース20から空き家情報を取得するとともに、出力手段によって、空き家情報判断手段が判断した最適な空き家情報を出力して情報端末1aに送信するので、第一ユーザー1は、空き家情報データベース20に記憶された空き家情報の中から、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を、自身の情報端末1aで見て知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
さらに、第一ユーザー1は、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家に住むことで、今まで築いてきたコミュニティとの繋がりを継続できるので、自身に合った快適な住環境を継続することができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、請求項8に記載の空き家情報提供システムにおいて、
前記情報端末1aは、持ち運び可能な携帯情報端末1aであり、
前記携帯情報端末1aは、当該携帯情報端末1aに係るロケーション履歴の情報を取得するロケーション履歴取得手段を備えており、
前記空き家情報提供装置10は、前記携帯情報端末1aから前記ロケーション履歴の情報を受信するロケーション履歴受信手段を備え、
前記空き家情報判断手段は、前記ロケーション履歴の情報を、前記第一ユーザー1の活動拠点に係る情報として、前記最適な空き家情報を判断することを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1が仕様する携帯情報端末1aから受信したロケーション履歴の情報を、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報として、最適な空き家情報を判断するので、第一ユーザー1が普段からよく活動している場所の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、例えば
図1~
図4に示すように、プログラムであって、
空き家情報提供装置10のコンピューターを、
外部機器(空き家情報データベース20)から空き家情報を取得する空き家情報取得手段、
前記空き家情報取得手段によって取得した前記空き家情報と、第一ユーザー1の個人情報と、に基づいて、前記第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段、
前記空き家情報判断手段が判断した前記最適な空き家情報を出力する出力手段、
として機能させ、
前記第一ユーザー1の個人情報には、前記第一ユーザー1の年齢情報と、前記第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれていることを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、空き家情報提供装置10のコンピューターを、空き家情報取得手段によって取得した空き家情報と、第一ユーザーの年齢情報と、第一ユーザーの活動拠点に係る情報に基づいて、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段として機能させるので、第一ユーザー1は、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、シニア向け住宅の再市場化を図ることができ、空き家問題の解消に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】空き家情報提供システムの概要を説明する図である。
【
図2】空き家情報提供システムの構成を説明する図である。
【
図3】空き家情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図4】第一ユーザーの活動拠点についての概要を説明する図である。
【
図6】第一ユーザー、第二ユーザー、サーバー管理者が情報共有可能であることを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0029】
シニア世代が若い年齢の時に新築した住宅は、年月を経て徐々に改修が加わることによって、ファミリー向け住宅からシニア向け住宅へと変貌する。特に、シニア世代となった親の子供は子育て世代であることが多く、子供は、必ずしも親と同居や近居ができるとも限らない。そのため、シニア世代である親にとっても、自分の家をシニア向けに改修してしまうことに対するハードルが低い。
【0030】
ところが、高齢者であるシニア世代と子育て世代では、そもそもの生活スタイルが異なる。そのため、子育て世代の人が中古物件の購入を検討したときに、このようなシニア向け住宅は、その候補には挙がりにくく、シニア向け住宅が余剰することは容易に推測される。そして、今後ますます少子高齢化や人口減少が進んでいくと、空き家の増加に拍車がかかっていくことになる。
【0031】
そこで、シニア世代が自身の家をシニア向けに改修してしまう前に、シニア向け住宅に転居することを促進し、シニア世代の家を、子育て世代が利用しやすいファミリー向け住宅として確保できるようにしたいという要望がある。シニア世代の家をなるべく改修せずに、ファミリー向け住宅として確保できれば、子育て世代に対する再販価値も向上する。また、シニア世代もシニア向け住宅に転居するので、空き家の増加を抑制することができる。つまり、以下に説明する本発明の実施形態においては、ライフステージに応じた住み替えマーケットの整備を図ることができるようになっている。
【0032】
なお、本実施形態においては、シニア世代が、自身の家をファミリー向け住宅として再市場化させ、自身が転居するシニア向け住宅は中古物件であることを前提としている。しかしながら、シニア世代が、転居先として、余剰している土地を購入してシニア向け住宅を新築することを制限するものではない。また、このようなことを事業者が事業で行うことも制限するものではない。
【0033】
以上のような事情を踏まえ、本実施形態においては、シニア世代である親を第一ユーザー1とし、その子供を第二ユーザー2とする。ただし、第一ユーザー1は、必ずしもシニア世代である必要はなく、子育て世代以上であればよいものとする。さらに、第二ユーザー2は、必ずしも子供である必要はなく、第一ユーザー1と家族関係にあり、かつ、子育て世代であればよいものとする。
なお、シニアとは、特に明確に定義付けはなされていないが、国連ではシニアの定義を60歳以上にしていると見受けられ、厚生労働省やWHO(世界保健機関)では65歳以上に定めていると見受けられる。本実施形態においては、シニアの定義を65歳以上とするが、第一ユーザー1がシニア向け住宅5に転居する年齢、転居先を探し始める年齢は、65歳以上である必要はなく、特に限定されるものではない。
また、子育て世代とは、内閣府の平成17年度国民生活白書によると「これから結婚をしようとする若年から、大学生の子どものいる親までで構成される世代。なお、統計上の制約等から、子育て世代を年齢層として捉えなければならない場合、便宜的に20~49歳とする」と定義されている。つまり、子育て世代とは、20代から40代の年齢層を指すものとする。換言すれば、上記の子育て世代以上とは、50代(50歳)以上の年齢を指すものとし、第一ユーザー1と第二ユーザー2は、世代が異なる。
また、家族関係とは、基本的には親子関係を指すが、第二ユーザー2は、必ずしも第一ユーザー1の子供である必要はない。例えば第一ユーザー1の兄弟姉妹でもよいし、第一ユーザー1の孫でもよい。家族関係にない友人や知人などは想定されないものとする。
【0034】
第一ユーザー1は、シニア向けに改修していない状態の転居元のファミリー向け住宅4に居住している。そして、
図3に示すように、シニア向けに改修してあるか、シニア向けとして建築された転居候補のシニア向け住宅8の中から、転居先のシニア向け住宅5を見つけることを希望している。
なお、シニア向け住宅とは、ダイニングやキッチン(リビングを含めてもよい)等の居室と主寝室を少なくとも備え、かつ、シニア向け機能を有している住宅を指す。
シニア向け機能とは、例えば、バリアフリー化されているか、階段や浴室に手摺はあるか、平屋であるか、エレベーターはあるか、寝室近くにトイレはあるか、リビング近くに浴室はあるか、玄関にベンチはあるか等といったシニアに必要な各種機能を指すものとする。シニア向け住宅は、シニア向け機能の全てを有している必要はなく、種々のシニア向け機能のうち一定程度の数(例えば5つ以上)の機能を有するものをシニア向け住宅と定義付けする。
また、シニア向け住宅は、介護付き有料老人ホームや特別養護老人ホームを指すものではない。サービス付き高齢者向け住宅については、シニア向け住宅に含めてもよいものとする。
【0035】
第二ユーザー2は、シニア向けでもなく、ファミリー向けでもない転居元の非ファミリー向け住宅6に居住している。そして、
図3に示すように、転居元の非ファミリー向け住宅6からファミリー向け住宅4,7に転居することを希望している。
転居先のファミリー向け住宅は、第一ユーザー1が居住しているファミリー向け住宅4か、第一ユーザー1と近居の状況にはならない他のファミリー向け住宅7である。
なお、ファミリー向け住宅とは、ダイニングやキッチン(リビングを含めてもよい)等の居室と主寝室の他に、いわゆる子供部屋を確保できる程度に部屋数が多く、さらに、上記のシニア向け機能を必要以上に多く有していない住宅を指すものとする。たまたまシニア向け機能と同等の機能が備わっている場合もあるが、必要以上にシニア向け機能を有していると、シニア向け住宅と変わりないため、シニア向け機能を必要以上に多く有する住宅は、ファミリー向け住宅とは見做さないものとする。
非ファミリー向け住宅とは、キッチン(ダイニングやリビングを含めてもよい)と主寝室を少なくとも備え、かつ、上記のシニア向け機能を必要以上に多く有していない住宅を指すものとする。つまり、シニア向け住宅としても利用しにくく、ファミリー向け住宅としても利用しにくい住宅を指すものとする。
【0036】
なお、以下に説明する空き家情報提供システムにおいて、第一ユーザー1は、第二ユーザー2がいなくても、転居先のシニア向け住宅5を見つけることが可能となっている。つまり、本システムに対して、第二ユーザー2の個人情報を登録しなくても、第一ユーザー1は、転居先のシニア向け住宅5を見つけることができる。
一方、第二ユーザー2による第一ユーザー1の「見守り」が必要と判断される場合は、第一ユーザー1の個人情報と第二ユーザー2の個人情報とをセットで本システムに登録する。これにより、第一ユーザー1の転居先のシニア向け住宅5を見つけることができるとともに、第二ユーザー2の転居先のファミリー向け住宅4,7を見つけることができるようになっている。
【0037】
図1において符号10は、空き家情報提供装置を示す。この空き家情報提供装置10は、住宅の施工・販売や、住宅の賃貸、住宅のメンテナンス・改修等の各種住宅関連事業を行う事業者(管理者3)によって管理されている。これら各種の住宅関連事業を行う事業者は、本実施形態においては、同一の組織・団体内における異なる部門とされている(すなわち、グループ会社)。ただし、これに限られるものではなく、別々の組織・団体であってもよい。
すなわち、管理者3である事業者は、このような空き家情報提供装置10を備えた空き家情報提供システムによって、第一ユーザー1や第二ユーザー2等のユーザー向けに、空き家情報提供サービスを提供している。
【0038】
空き家情報提供装置10は、例えばサーバーであり、通信ネットワークNを介して通信可能に接続された外部機器である空き家情報データベース20から取得した空き家情報と、第一ユーザー1が使用する第一情報端末1aから取得した第一ユーザー1の個人情報に基づいて、第一ユーザー1に対し、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を提供するためのものである。
このような空き家情報提供装置10は、PC、専用の装置・端末等で構成されており、
図2に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えている。各部11~13は、バス等で電気的に接続されている。
なお、空き家情報提供装置10の詳細については後述する。
【0039】
空き家情報データベース20は、本実施形態においては管理者3である事業者が管理するデータベースとされているが、これに限られるものではなく、他の企業や組織、団体が管理する者であってもよい。
また、空き家情報データベース20は、一つのデータベースで構築されている必要はなく、複数のデータベースが複合して構築されたものであってもよい。その場合、これら複数のデータベースは、その全てを、管理者3である事業者と、他の企業や組織、団体が合同で管理してもよいし、管理者3である事業者と、他の企業や組織、団体が別々に管理してもよい。管理者3である事業者と、他の企業や組織、団体が別々に複数のデータベースを管理する場合も、これら複数のデータベースは連動し、空き家情報データベース20としての機能を発揮する。
【0040】
このような空き家情報データベース20には、少なくとも日本各地の空き家情報が記憶されている。すなわち、日本以外の国の空き家情報が含まれていてもよい。
より詳細に説明すると、空き家情報データベース20には、複数の属性に分けられた空き家情報が記憶されている。
複数の属性には、シニア向け住宅という第一属性と、ファミリー向け住宅という第二属性と、非ファミリー向け住宅という第三属性と、土地の売買物件という第四属性と、が含まれている。
【0041】
第一属性、第二属性、第三属性は、更に売買物件と賃貸物件にグループ分けされる。また、各属性・各グループの空き家情報には、基本情報、土地情報、建物情報、シニア向け機能情報、周辺情報等の詳細情報が含まれている。
基本情報は、不動産の住所や所有者に関する情報によって構成される。
土地情報は、建ぺい率、容積率、敷地面積、土地形状、駐車場など、土地に関する情報によって構成される。賃貸物件の場合、この土地情報は省略してもよい。
建物情報は、築年数、延べ床面積、階層数、間取り、各部屋(居室、非居室)の広さ、電気・ガス・水道等のライフライン設備、耐震性能など、建物の仕様に関する情報によって構成される。
シニア向け機能情報は、どのようなシニア向け機能を有しているか、シニア向け機能を有している数など、シニア向け機能に関する情報によって構成される。
周辺情報は、建物が建っている場所の周囲の状況に関する情報によって構成される。具体的には、例えば、病院やスーパー、コンビニエンスストアまでの距離、ハザードマップの状況、最寄り駅までの高低差などが挙げられる。
【0042】
なお、空き家情報データベース20に登録される物件が、シニア向け住宅5,8であるか、ファミリー向け住宅4,7であるか、非ファミリー向け住宅6であるかの判断は、管理者3である事業者又は空き家情報を収集している他の企業や組織、団体、すなわち、例えば不動産会社によって事前に行われているものとする。
【0043】
第一ユーザー1は、第一情報端末1aを通じて空き家情報提供装置10にアクセス可能とされている。すなわち、第一情報端末1aと空き家情報提供装置10は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
第一情報端末1aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、第一ユーザー1の自宅に設置されるか又は第一ユーザー1によって所持、使用される。本実施形態においては、携帯情報端末であるスマートフォンが採用されている。
第一情報端末1aは、表示部1bを備え、空き家情報提供装置10から受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第一情報端末1aは、ブラウザ及び操作部を有し、第一ユーザー1によって操作部になされた操作に従って空き家情報提供装置10が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、第一ユーザー1の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部1bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第一情報端末1aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、空き家情報提供装置10から受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0044】
第二ユーザー2は、第二情報端末2aを通じて空き家情報提供装置10にアクセス可能とされている。すなわち、第二情報端末2aと空き家情報提供装置10は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
第二情報端末2aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、第二ユーザー2の自宅に設置されるか又は第二ユーザー2によって所持、使用される。本実施形態においては、携帯情報端末であるスマートフォンが採用されている。
第二情報端末2aは、表示部2bを備え、空き家情報提供装置10から受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第二情報端末2aは、ブラウザ及び操作部を有し、第二ユーザー2によって操作部になされた操作に従って空き家情報提供装置10が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、第二ユーザー2の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部2bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第二情報端末2aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、空き家情報提供装置10から受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0045】
管理者3は、第三情報端末3aを通じて空き家情報提供装置10にアクセス可能とされている。すなわち、第三情報端末3aと空き家情報提供装置10は、通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
第三情報端末3aは、例えばPC、スマートフォン、タブレット、TV、ゲーム機、ドアモニター、本システム専用モニター等で構成され、管理者3によって所持、使用される。本実施形態においては、PCが採用されている。
第三情報端末3aは、表示部3bを備え、空き家情報提供装置10から受信した各種情報が表示された表示画面を表示可能となっている。
本実施形態に係る第三情報端末3aは、ブラウザ及び操作部を有し、管理者3によって操作部になされた操作に従って空き家情報提供装置10が生成する各種ウェブページを表示するようになっている。
操作部は、管理者3の操作に応じて各種の入力・設定等を行うことができるようになっており、例えば表示部3bの表面に一体的に設けられたタッチパネルであるが、各種の操作ボタンやキーボード、ポインティングデバイス等でもよい。
なお、第三情報端末3aは、専用のアプリケーションがインストールされたものであって、空き家情報提供装置10から受信した内容に基づいて、表示画面を自ら生成して表示するようになっていてもよい。
【0046】
なお、本実施形態における通信ネットワークNは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
また、第一情報端末1aと、第二情報端末2aと、第三情報端末3aは通信ネットワークNを通じ、電子メールやショートメッセージ、SNS(social networking service)によって情報の送受信が可能となっている(
図6参照)。
【0047】
次に、空き家情報提供装置10の詳細について説明する。
空き家情報提供装置10は、上記のように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えており、空き家情報データベース20から取得した空き家情報に基づいて、第一ユーザー1の個人情報と、に基づいて、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する。また、得られた最適な空き家情報は、通信ネットワークNを介して、第一ユーザー1が使用する第一情報端末1aに送信する。すなわち、第一ユーザー1は、空き家情報提供装置10にアクセスして、最適な空き家情報を確認できるようになっている。
さらに、得られた最適な空き家情報は、通信ネットワークNを介して、第二ユーザー2が使用する第二情報端末2aに送信されてもよいし、管理者3が使用する第三情報端末3aに送信されてもよい。
【0048】
制御部11は、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。
ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶している。
そして、制御部11のCPUは、記憶部12に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、本システムにおける各手段の動作を集中制御するようになっている。
【0049】
記憶部12は、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成されている。
記憶部12には、制御部11が実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。
【0050】
各種プログラムには、例えば、空き家情報取得プログラムと、空き家情報判断プログラムと、ナビゲーション情報取得プログラムと、ロケーション履歴情報受信プログラムと、出力プログラムと、通知プログラムと、条件情報取得プログラムと、が含まれている。
その他、第一ユーザー1、第二ユーザー2、管理者3によって、各自の情報端末1a,2a,3aの操作部になされた操作に従って各種画面のウェブページを生成する画面生成プログラム等、本システムの動作に必要なプログラムが適宜含まれているものとする。これらのプログラムは、制御部11や記憶部12、通信部13との協働により、本システムの一手段として機能することになる。
【0051】
各種データには、例えば、画面生成に必要とされる各種データや、その他、本システムの動作に必要なデータやパラメーターが適宜含まれているものとする。
なお、このような各種データには、第一ユーザー1の個人情報と、第二ユーザー2の個人情報と、が含まれている。すなわち、第一ユーザー1及び第二ユーザー2は、本実施形態の空き家情報提供システムによる空き家情報提供サービスの利用者であり、初回登録時点で、個人情報の入力を行っている。したがって、空き家情報提供装置10によって空き家情報を見つける時点で、空き家情報提供装置10の記憶部12には、個人情報が予め記憶されている。
また、このような各種データには、後述する住み替えプランシート30の生成に必要なデータが含まれている。
【0052】
そして、第一ユーザー1の個人情報には、第一ユーザー1の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれている。
さらに、第二ユーザー2の個人情報には、第二ユーザー2の年齢情報と、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、が含まれている。
これに加えて、第一ユーザー1及び第二ユーザー2の個人情報には、同居者(配偶者、パートナー、子供)の人数に係る情報が含まれていてもよい。同居者にはペットが含まれていてもよい。
【0053】
ここで、年齢情報とは、実年齢の情報が少なくとも含まれている。つまり、生年月日の情報が含まれている。
第一ユーザー1の場合は、実年齢に係る情報の他に、第一ユーザー1がシニア向け住宅5に転居したいと考えている将来の年齢に係る情報が含まれていてもよい。このような将来の年齢に係る情報が含まれ、これに基づいて空き家情報を検索できれば、シニアになる前からシニア向け住宅5を探すことが可能となる。つまり、例えば、実年齢は50歳でまだシニアとは言えない年齢(子育て世代以上)であるが、シニア向け住宅5に転居したいと考えている将来の年齢を65歳に設定できるので、シニアになる前からシニア向け住宅5を探すことが可能となる。
【0054】
さらに、活動拠点とは、基本的には、現住所を指すものとする。ただし、これに限られるものではなく、
図4に示すように、自身がよく行く場所、今まで築いてきたコミュニティがある場所等でもよい。
すなわち、第一ユーザー1の場合は、転居元のファミリー向け住宅4が建っている場所の住所を指す。また、転居元のファミリー向け住宅4の他にも、例えば、趣味の教室がある場所、スポーツジムがある場所、アルバイトを行っている場所、いつも買い物に行くお店がある場所、いつも食べに行く料理店がある場所など、様々な場所が挙げられる。
さらに、第二ユーザー2の場合は、本実施形態においては転居元の非ファミリー向け住宅6が建っている場所の住所を指す。また、転居元の非ファミリー向け住宅6の他にも、例えば、職場がある場所、電車やバスの乗降を行っている場所、電車やバスの乗り換えを行っている場所、趣味の教室がある場所、スポーツジムがある場所など、様々な場所が挙げられる。
なお、活動拠点は、上記のような様々な場所の住所を指すが、住所は、市区町村までの情報としてもよいし、市区町村以下の町名や番地も含んだものとしてもよい。
【0055】
通信部13は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部13は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された他の装置(第一情報端末1a、第二情報端末2a、第三情報端末3a、空き家情報データベース20、ナビゲーション情報提供サーバー21等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0056】
本実施形態における空き家情報提供装置10は、以下のように動作する。
【0057】
(空き家情報の判断処理)
まず、第一ユーザー1にとって最適な空き家情報を見つける場合の処理について説明する。
制御部11は、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する場合に、記憶部12に記憶された空き家情報取得プログラムを実行し、さらに、記憶部12に記憶された空き家情報判断プログラムを実行して、予め記憶部12に記憶している第一ユーザー1の個人情報に基づいて、空き家情報の中から、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断して取得する。個人情報は、上記のように事前に登録されている情報(第一ユーザー1の年齢情報、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報)を用いる。
【0058】
より詳細に説明すると、空き家情報取得プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、空き家情報取得手段として機能させるものである。さらに、空き家情報判断プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、空き家情報判断手段として機能させるものである。
すなわち、空き家情報取得手段によって、空き家情報データベース20に記憶されている全ての空き家情報を取得すると効率が悪いため、空き家情報に含まれる属性等の情報によってフィルタリングを行う。このようなフィルタリング作業が、空き家情報判断手段によって行われる処理であり、第一ユーザー1の属性に合致する空き家情報を選別することができる。
【0059】
上記のように、空き家情報には、大きく4つの属性が含まれ、そのうち主要な3つの属性(シニア向け住宅という第一属性、ファミリー向け住宅という第二属性、非ファミリー向け住宅という第三属性)は各々が2つのグループに細分化でき、さらに、個々の空き家情報には、基本情報、土地情報、建物情報、シニア向け機能情報、周辺情報等の詳細情報が含まれている。
本実施形態の第一ユーザー1は、年齢情報が、上記のように子育て世代以上であって、シニア世代である。そのため、空き家情報の中から、シニア向け住宅である第一属性の空き家情報を選別して取得することができる。
さらに、活動拠点に係る情報も事前に登録されているため、空き家情報に含まれる基本情報(不動産の住所)に基づいて、空き家情報の中から、活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を選別して取得することができる。
しかも、同居者の人数に係る情報が個人情報に含まれていれば、空き家情報に含まれる土地情報や建物情報に基づいて、空き家情報の中から、最適な広さや間取りの空き家情報を選別して取得することができる。
【0060】
したがって、最適な空き家情報について、第一ユーザー1が求める条件がわかれば、数ある空き家情報の中から、より詳細に空き家情報を選別して取得することができる。換言すれば、空き家情報を取得する際に、上記の属性やグループ、詳細情報ごとにフィルタリングすることで、かなり的を絞った空き家情報の検索が可能となっている。
【0061】
続いて、第二ユーザー2にとって最適な空き家情報を見つける場合の処理について説明するが、基本的な処理フローは、第一ユーザー1の場合と同様である。第二ユーザー2の場合は、第一ユーザー1と近居するか、非近居とするか、どちらを選択するかによって、制御部11による処理フローが異なる。
なお、近居とは、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と同一の活動拠点の周囲に居住することを指すものとする。
【0062】
まず、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と近居する場合は、第二ユーザー2の個人情報に、年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報が含まれているものとする。すなわち、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1と家族関係にある第二ユーザー2の個人情報に基づいて、空き家情報の中から、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断する。
【0063】
より詳細に説明すると、本実施形態の第二ユーザー2は、年齢情報が、上記のように子育て世代である。そのため、空き家情報の中から、ファミリー向け住宅である第二属性の空き家情報を選別して取得することができる。
しかも、第二属性の空き家情報には、第一ユーザー1が住んでいる家(転居元のファミリー向け住宅4)の情報が含まれていてもよい。その場合には、第一ユーザー1が転居先のシニア向け住宅5に転居し、第二ユーザー2が、第一ユーザー1が住んでいた家であるファミリー向け住宅4に転居する。
【0064】
また、子育て世代であっても、配偶者や子供の有無によって同居者の人数は異なるものとなる。そのため、個人情報に同居者の人数に係る情報が含まれる場合は、同居者の人数によって、非ファミリー向け住宅である第三属性の空き家情報が選別される。
【0065】
次に、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と近居しない場合(非近居)は、第二ユーザー2の個人情報に、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と共に、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報が含まれているものとする。
すなわち、第二ユーザー2は、上記のように子育て世代(20代から40代)であるため、職場や家族の都合などの様々な要因により、第一ユーザー1との近居が難しい場合がある。そのため、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と近居しない場合は、第一ユーザー1が転居するシニア向け住宅5への「交通の便(行き来のしやすさ)」を考慮した空き家情報の判断が必要となる。
【0066】
このような処理を実現するために、空き家情報提供装置10は、
図1に示すように、通信ネットワークNを通じて、外部機器であるナビゲーション情報提供サーバー21と通信可能に接続されている。
ナビゲーション情報提供サーバー21は、任意の第一地点から任意の第二地点までのルートのナビゲーション情報を取得する機能を有している。第一地点及び第二地点には、住所情報や駅情報、バス停情報、施設名、地理座標などの情報を入力することができ、第一地点と第二地点との間の最適なルートを導き出すことが可能となっている。
【0067】
制御部11は、記憶部12に記憶されたナビゲーション情報取得プログラムを実行し、第一ユーザー1の活動拠点から第二ユーザー2の活動拠点までのルートのナビゲーション情報を取得する。
すなわち、空き家情報提供装置10は、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報を、通信ネットワークNを通じてナビゲーション情報提供サーバー21に送信する。ナビゲーション情報提供サーバー21は、受信した情報に基づいて最適なルートのナビゲーション情報を導き出す。そして、空き家情報提供装置10は、その導き出されたナビゲーション情報を、通信ネットワークNを通じて受信する。
そして、制御部11は、記憶部12に記憶された空き家情報判断プログラムを実行し、ナビゲーション情報のルートに沿った位置で、かつ、第二ユーザー2の活動拠点の周囲に建っている空き家の情報の中から、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断して取得する。すなわち、第二ユーザー2は、第一ユーザー1が転居するシニア向け住宅5への「交通の便(行き来のしやすさ)」を考慮した空き家情報を知ることができる。
【0068】
(ロケーション履歴情報の取得処理)
最適な空き家情報を判断して取得する上で、活動拠点に係る情報は重要なものとなっているが、上記のように、活動拠点とは、必ずしも自宅(転居元のファミリー向け住宅4)を指すものではなく、自身がよく行く場所、今まで築いてきたコミュニティがある場所等でもよい。
第一ユーザー1を例に挙げて説明すると、
図4に示すように、転居元のファミリー向け住宅4は、A市内に存在しているが、第一ユーザー1がよく行く場所が、B市内に存在している場合がある。このような場合、第一ユーザー1の活動拠点は、自宅である転居元のファミリー向け住宅4でもよいし、よく行く場所が存在するB市内のいずれかの場所でもよい。
【0069】
ところで、活動拠点に係る情報を本システム(空き家情報提供装置10)に登録する方法としては、現住所の情報を第一情報端末1a(第二情報端末2a)から入力する方法がまず挙げられる。その他にも、第一情報端末1a(第二情報端末2a)が備えたロケーション履歴取得機能(ロケーション履歴取得手段)を利用して、活動拠点に係る情報を本システムに登録できるようにしてもよい。
【0070】
ロケーション履歴取得機能は、第一情報端末1a等の携帯情報端末の基本機能として具備されている場合が多く、本実施形態の第一情報端末1aにも基本機能として具備されている。具体的には、GPS(Global Positioning System, Global Positioning Satellite)/GNSS(Global Navigation Satellite System)やWiFiビーコン信号を受信し、移動履歴や訪問したお店などユーザーの行動をロケーション履歴情報として常時記録する機能を指すものである。ロケーション履歴情報は、無線通信によりロケーション履歴情報用サーバー22に記憶されており、第一ユーザー1は、ロケーション履歴情報用サーバー22にアクセスすることで、自身のロケーション履歴情報を、あとで閲覧できる。
このような機能により、第一ユーザー1が、自宅以外によく行く場所は、すぐに導き出すことができるようになっている。
【0071】
第一情報端末1aと通信可能に接続された空き家情報提供装置10は、以上のようなロケーション履歴情報を受信できるようになっている。
すなわち、制御部11は、記憶部12に記憶されたロケーション履歴受信プログラムを実行し、第一情報端末1aからロケーション履歴情報を受信する。ロケーション履歴受信プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、ロケーション履歴受信手段として機能させるものである。
換言すれば、空き家情報提供装置10は、第一情報端末1aと通信可能に接続されており、日常的に、第一情報端末1aから送信されるロケーション履歴情報を待機している。
【0072】
そして、ロケーション履歴情報に基づいて最適な空き家情報を判断する場合、制御部11は、受信したロケーション履歴情報のうち、例えば最もよく訪れている場所の情報を、第一ユーザー1の活動拠点として取り扱い、これに基づいて、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断して取得する。
【0073】
なお、本実施形態においては、受信したロケーション履歴情報のうち、例えば最もよく訪れている場所の情報を、第一ユーザー1の活動拠点として取り扱うものとしたが、これに限られるものではなく、例えば2番目以降によく訪れている場所でもよい。
また、空き家情報提供装置10が備えるロケーション履歴受信手段は、第一情報端末1aからロケーション履歴の情報を受信するものとしたが、ロケーション履歴情報用サーバー22から直接ロケーション履歴情報を受信してもよい。
【0074】
ロケーション履歴取得機能は、第一情報端末1aだけでなく、第二情報端末2aも基本機能として具備している。そのため、第二情報端末2aのロケーション履歴情報を、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報として取り扱うことも可能となっている。
【0075】
(最適な空き家情報の出力処理)
空き家情報判断手段によって判断されて取得された、第一ユーザー1にとって最適な空き家情報は、制御部11が、記憶部12に記憶された出力プログラムを実行することによって、所定の出力先に出力される。すなわち、出力プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、出力手段として機能させるものである。
本実施形態の出力先は、第一ユーザー1が使用する第一情報端末1aとされている。そのため、最適な空き家情報のデータが、通信部13から通信ネットワークNを通じて第一情報端末1aに送信されるようになっている。
なお、最適な空き家情報データの出力先は、第一情報端末1aだけに限られるものではなく、第二ユーザー2が使用する第二情報端末2a、管理者3が使用する第三情報端末3a、空き家情報提供装置10のコンピューターが有する表示部(ディスプレイ、モニター等)であってもよい。
【0076】
(通知プログラム)
第一ユーザー1が、まだ現役世代(子育て世代以上)であるが、シニアではない年齢のときに、本システムへの登録は済ませていても、シニア向け住宅5を探すことに積極的ではない場合がある。
このような場合を考慮し、空き家情報提供装置10は、第一ユーザー1にとって最適な空き家情報を探すことを促す通知(リマインダー)を、第一ユーザー1が使用する第一情報端末1aに対して所定のタイミングで行うための通知手段を備えている。
【0077】
より詳細に説明すると、制御部11が、記憶部12に記憶された通知プログラムを実行することによって、第一情報端末1aに対して、第一ユーザー1にとって最適な空き家情報を探すことを促す通知が行われるようになっている。つまり、通知プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、通知手段として機能させることができる。
【0078】
そして、当該通知を行うタイミングは、本実施形態においては、第一ユーザー1の年齢情報に基づいて設定されているものとする。すなわち、本実施形態において通知を行う所定のタイミングとは、例えば、第一ユーザー1が節目の年齢を迎えたタイミングとする。節目の年齢とは、例えば、毎年の誕生日や、55歳の役職定年を迎えたとき、還暦(60歳)を迎えたとき、年金受給開始の65歳(シニア)を迎えたとき等が挙げられる。
また、これに限られるものではなく、本システムへの登録日からの経過日数に基づいて通知を行ってもよいし、事前に設定した日数ごとに通知を行ってもよいし、完全にランダムなタイミングで通知を行ってもよい。
【0079】
通知の形態は、
図1に示すように、電子メールでもよいし、プッシュ通知やショートメッセージ、SNS等で通知が行われてもよい。
また、図示はしないが、本システムのサービスを、第一情報端末1a(第二情報端末2a)から利用する手段として配布される専用アプリケーションの表示画面上で通知が行われてもよい。
さらに、管理者3である事業者(又は他の企業や組織、団体)が提供し、かつ、本システムのサービスと連動する他のサービスを、第一情報端末1a(第二情報端末2a)から利用する手段として配布される専用アプリケーションの表示画面上で通知が行われてもよい。
【0080】
(住み替えプランシート)
図5は、第一ユーザー1が転居先を見つける際に希望する条件(条件情報)を記入するための住み替えプランシート30を示している。
この住み替えプランシート30は、紙の書類として出力されたものでもよいが、本実施形態においては、上記の専用アプリケーションの表示画面上で表示できるデジタルのデータとして出力されたものである。すなわち、制御部11が、条件情報取得プログラムを実行することによって、記憶部12に記憶された住み替えプランシート30のためのデータに基づいて住み替えプランシート30を生成できるようになっている。要するに、条件情報取得プログラムは、制御部11によって実行されることにより、空き家情報提供装置10のコンピューターを、条件情報取得手段として機能させることができる。そして、条件情報の具体的な取得方法は、以下に説明する住み替えプランシート30となっている。
このような住み替えプランシート30は、第一記入欄31と、第二記入欄32と、第三記入欄33と、第四記入欄34と、を備えている。
【0081】
第一記入欄31は、住み替えプランシート30の記入者に関する情報を記入(入力)する欄であり、「記入者」の項目と、「年齢」の項目と、「記入日」の項目と、「現在の同居家族構成」の項目と、がある。
住み替えプランシート30の記入者は、基本的には第一ユーザー1であるとするが、第二ユーザー2でもよいし、第一ユーザー1と第二ユーザー2の双方であってもよい。すなわち、欄ごとに記入者が異なるものであってもよい。
なお、当該住み替えプランシート30がデジタルのデータである場合には、第一情報端末1aや第二情報端末2aで情報を入力したことが分かる。また、年齢や同居家族構成についても、本システムへの登録時に判明している情報であるため、この第一記入欄31は省略されてもよい。
【0082】
第二記入欄32は、現在の住宅(転居元のファミリー向け住宅4)のことを記入する欄である。当該欄32には、「建築・取得年」の項目と、「間取り」の項目と、「リフォーム・メンテナンス履歴」の項目と、「住宅ローン残高」の項目と、「気に入っているところ」の項目と、「大切にしていること」の項目と、「困りごと」の項目と、がある。
【0083】
「建築・取得年」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4を建築又は取得した年を入力する。
この項目の情報は、例えば建築・取得年が古い場合の、リフォーム(リノベーション)の要否、耐震補強の要否を判断する指標となる。
【0084】
「間取り」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4の間取りを入力する。
間取りの情報は、転居元の住宅が、ファミリー向け住宅であるか、非ファミリー向け住宅であるかを判断する指標となる。
なお、本実施形態における転居元のファミリー向け住宅4は、ファミリー向け住宅である。
【0085】
「リフォーム・メンテナンス履歴」の項目には、リフォーム(リノベーション)やメンテナンスの履歴(いつ、どのような工事を行ったか)を入力する。
例えば建築・取得年が古くても、リフォームやメンテナンスが適切に行われていれば、リフォームやメンテナンスをする必要がなくなる。そのため、この項目の情報は、リフォームの要否、耐震補強の要否を判断する指標となる。
【0086】
「住宅ローン残高」の項目には、住宅ローンが残っている場合の残高を入力する。
住宅ローン残高の情報は、転居先のシニア向け住宅5を探す際の判断材料の一つとすることができる。
【0087】
「気に入っているところ」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4において第一ユーザー1や家族が気に入っているところを入力する。
この項目の情報は、第一ユーザー1が住宅に求めている条件を推し量る上での重要な情報である。換言すれば、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件に係る情報(条件情報)の一つである。
ただし、あくまでも転居元のファミリー向け住宅4で気に入っているところであるため、転居先のシニア向け住宅5で必ずしも必要な条件でなくてもよい。
【0088】
「大切にしていること」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4において第一ユーザー1が大切にしていることを入力する。例えば近所づきあいや、今まで築いてきたコミュニティがある、といった情報を入力する。
この項目の情報も、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件情報の一つである。この項目の情報は、転居先のシニア向け住宅5でも同様の条件が求められるため特に重要度が高い。
【0089】
「困りごと」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4において第一ユーザー1が困っていることを入力する。例えばキッチンの使い勝手が悪い、収納の位置が高い、トイレが狭い、といった情報を入力する。
この項目の情報も、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件情報の一つである。この項目の情報は、転居先のシニア向け住宅5では排除しなければならない事項であるため特に重要度が高い。
【0090】
第三記入欄33は、新しい住まい(転居候補のシニア向け住宅8又は転居先のシニア向け住宅5)のことを記入する欄である。当該欄33には、「転居予定年(年齢)」の項目と、「家族構成」の項目と、「間取り」の項目と、「希望エリア」の項目と、「住まいに求めること」の項目と、「大切にしたいこと」の項目と、「心配なこと」の項目と、がある。
【0091】
「転居予定年(年齢)」の項目には、第一ユーザー1が、転居候補のシニア向け住宅8の中から、転居先のシニア向け住宅5を見つけて転居したいと考えている年(年齢)を入力する。
この項目は、本システムへの登録情報の一つである年齢情報(上記の将来の年齢に係る情報)と同一の情報である。そのため、自動入力されてもよいし、この項目の情報を変更することで、本システムへの登録情報を変更できるようにしてもよい。
【0092】
「家族構成」の項目には、転居先のシニア向け住宅5で第一ユーザー1と同居する家族の情報を入力する。
転居元のファミリー向け住宅4における同居家族構成は、本システムへの登録時に判明している情報であるため、この項目には、同居家族構成が自動入力されるものとする。
ただし、例えば、転居元のファミリー向け住宅4では子供と同居していたが、転居先のシニア向け住宅5では子供と同居しない、といった場合には、自動入力されている情報を変更する。
【0093】
「間取り」の項目には、転居先のシニア向け住宅5で求める間取りを入力する。
この項目の情報は、第一ユーザー1が、転居先の住宅として、ファミリー向け住宅であるか、シニア向け住宅であるか、あるいは非ファミリー向け住宅であるかを判断する指標となる。すなわち、第一ユーザー1が、シニア向け住宅以外の住宅を望んでいる場合もあるため、第一ユーザー1の実際の希望を知る上では重要な情報となる。
なお、本実施形態における第一ユーザー1は、転居先として、シニア向け住宅を希望しているものとする。
【0094】
「希望エリア」の項目には、転居先として希望するエリアの情報を入力する。
この項目の情報は、上記の活動拠点に係る情報と同一であってもよい。すなわち、この項目には、活動拠点に係る情報が自動入力されるものとする。活動拠点に係る情報としては、現住所か、第一ユーザー1がよく行く場所、今まで築いてきたコミュニティがある場所等が挙げられるが、いずれか一つの情報が自動入力されてもよいし、複数の情報が自動入力されてもよい。
ただし、自身の活動拠点以外の場所に住みたいという要望がある場合には、自動入力されている情報を変更してもよい。
【0095】
「住まいに求めること」の項目には、転居先のシニア向け住宅5について第一ユーザー1又は家族が求めることを入力する。例えば買い物の利便性を向上させたい、自宅までの傾斜が緩い場所に住みたい、ペットが飼える家に住みたい、といった情報が入力される。
この項目の情報は、第一ユーザー1が転居先の住宅に求めている条件を明らかにする上での重要な情報である。換言すれば、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件情報の一つであり、重要度が高い。
【0096】
「大切にしたいこと」の項目には、転居先のシニア向け住宅5において第一ユーザー1が大切にしたいことを入力する。例えば近所づきあいや、今まで築いてきたコミュニティとの繋がりを継続したい、といった情報を入力する。
この項目の情報も、第一ユーザー1が転居先の住宅に求めている条件を明らかにする上での重要な情報である。換言すれば、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件情報の一つであり、重要度が高い。
【0097】
「心配なこと」の項目には、転居先のシニア向け住宅5において第一ユーザー1が心配に思っていることを入力する。例えば周辺地域の防犯安全性や防災対策、高齢者向けサービスの充実度、見守りサービスの充実度などといった心配事の情報を入力する。
この項目の情報も、第一ユーザー1が転居先の住宅に求めている条件を明らかにする上での重要な情報である。換言すれば、第一ユーザー1が、転居先のシニア向け住宅5に求める条件情報の一つであり、重要度が高い。
【0098】
第四記入欄34は、承継者〔子供(第二ユーザー2)〕の意見を記入する欄である。当該欄34には、「自分で住む・住まない」の項目と、「いつから住む」の項目と、「住む時の要望」の項目と、「住まない時の使い方」の項目と、「心配なこと」の項目と、がある。
この第四記入欄34は、第一ユーザー1が転居元のファミリー向け住宅4から次の住宅に転居する前に、第二ユーザー2の意思を確認することを目的とした欄である。
【0099】
「自分で住む・住まない」の項目には、第二ユーザー2が、第一ユーザー1が住んでいる転居元のファミリー向け住宅4に住むか住まないかを入力する。すなわち、第一ユーザー1が、次の転居先として、転居元のファミリー向け住宅4と同一の地域に建っている住宅を選択した場合に、近居するか近居しないかを明らかにする。
この項目の情報は、第二ユーザー2の意思を確認する上で重要な情報となり、住まない選択をした場合には、転居元のファミリー向け住宅4の再市場化(売却、賃貸)を検討する。また、第二ユーザー2に対して、他の転居先を提案する場合の判断材料の一つとすることができる。
【0100】
「いつから住む」の項目には、第二ユーザー2が、上記「自分で住む・住まない」の項目にて住むことを選択した場合に、第一ユーザー1が住んでいる転居元のファミリー向け住宅4に、いつ頃転居するか、その予定年(年齢)を入力する。
なお、上記の「転居予定年(年齢)」の項目よりも先(将来)の予定年(年齢)の情報を入力することができるものとする。
【0101】
「住む時の要望」の項目には、第二ユーザー2が、第一ユーザー1が住んでいる転居元のファミリー向け住宅4に住む場合の要望を入力する。例えば、間取りを変更したい、部屋の広さを広くしたい、駐車場を広くしたい、耐震補強をしたい、といった要望の情報を入力する。
この項目の情報は、第二ユーザー2が、第一ユーザー1が住んでいる転居元のファミリー向け住宅4に住む場合の、リフォーム(リノベーション)やメンテナンスの要否を判断する指標となる。
【0102】
「住まない時の使い方」の項目には、第二ユーザー2が、上記「自分で住む・住まない」の項目にて住まないことを選択し、かつ、第一ユーザー1が転居元のファミリー向け住宅4の再市場化を望まない場合に、転居元のファミリー向け住宅4をどのように利用するかを入力する。例えば、転居元のファミリー向け住宅4を週末利用(休暇時の利用)する、倉庫として利用する、テレワーク部屋として利用する、趣味の部屋として利用する、といった情報を入力する。
【0103】
「心配なこと」の項目には、転居元のファミリー向け住宅4において第二ユーザー2が心配に思っていることを入力する。例えば転居元のファミリー向け住宅4における設備の老朽化、耐震性能、周辺地域の防犯安全性や防災対策などといった心配事の情報を入力する。
【0104】
以上のような住み替えプランシート30における第二記入欄32、第三記入欄33、第四記入欄34の各項目への情報入力は、記入者である第一ユーザー1又は第二ユーザー2が情報端末(第一情報端末1a又は第二情報端末2a)上で文字を入力して(紙の書類の場合は、文章を記載して)回答を行っていく。その内容は、空き家情報提供装置10における上記の制御部11では判別できない。そのため、管理者3が回答内容の確認を行い、第一ユーザー1の希望する条件を把握し、第一ユーザー1が次に移り住む住宅を探す上でのサポートを行うようにすることが望ましい。
【0105】
もしくは、住み替えプランシート30において第一ユーザー1又は第二ユーザー2が回答した内容を判断するのに、人工知能(AI:Artificial Intelligence)の学習に基づく技術を用いてもよい。
すなわち、住み替えプランシート30において第一ユーザー1又は第二ユーザー2が回答した情報を入力とし、第一ユーザー1が次に転居する住宅を選択した情報を出力として機械学習させた学習済みモデルを用いて、制御部11が、空き家情報の中から、ユーザーにとって最適な空き家情報を判断できるようにしてもよい。
換言すれば、空き家情報提供装置10は、住み替えプランシート30において第一ユーザー1又は第二ユーザー2が回答した情報を入力とし、第一ユーザー1が次に転居する住宅を選択した情報を出力として機械学習させた学習済みモデルを備えており、空き家情報判断手段は、当該学習済みモデルを用いて、空き家情報の中から、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断するように構成されていてもよい。
つまり、空き家情報提供装置10が生成して出力した住み替えプランシート30及び学習済みモデルが、第一ユーザーが次の転居先の住宅に求める条件に係る情報を取得する条件情報取得手段として機能することになる。
【0106】
もしくは、住み替えプランシート30における第二記入欄32、第三記入欄33、第四記入欄34の各項目に、ユーザーが選択できる選択肢を複数用意しておき、選択肢の選択結果を、ユーザーが次の転居先の住宅に求める条件としてもよい。
複数の選択肢として、多くのユーザーが求める傾向にある内容のものを用意しておくようにする。その内容は、空き家情報に設定されている上記の属性情報やグループ情報、詳細情報に即したものとなっており、ユーザーが、用意された選択肢を選択すれば、空き家情報の絞り込みを行うことができるようになっている。
換言すれば、空き家情報提供装置10は、条件情報取得手段の機能によって、第一情報端末1a又は第二情報端末2aにおける専用アプリケーションの表示画面上で住み替えプランシート30を表示する。そして、第一ユーザー1又は第二ユーザー2が、その住み替えプランシート30上で、用意された複数の選択肢の中から自身の考えに近い選択肢を選択していく。これによって、第一ユーザー1が、次の転居先の住宅に求める条件に係る情報を取得できるようになっている。
つまり、空き家情報提供装置10が生成して出力した住み替えプランシート30が、第一ユーザーが次の転居先の住宅に求める条件に係る情報を取得する条件情報取得手段として機能することになる。
【0107】
そして、空き家情報判断手段は、空き家情報の中から、条件情報取得手段によって取得した条件に係る情報に基づいて、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断することができる。
【0108】
以上のような住み替えプランシート30は、通信ネットワークNを介して、第一情報端末1a(第一ユーザー1)と、第二情報端末2a(第二ユーザー2)と、第三情報端末3a(管理者3)との間で共有することができる。住み替えプランシート30が三者間で共有されると、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を見つける際に、意思の疎通が図りやすい。つまり、住み替えプランシート30を作成することで、家族間での話のきっかけを作ることができるし、第一ユーザー1の転居についての家族間での合意もできるので、効率良く的確に空き家情報の検索を行うことができる。さらに、住み替えプランシート30を作成することで、自身や家族が大切にしていることや重視している点が見えてくる一方で、それ以外の物事は、整理したり手放したりすることができるので、例えば転居前に断捨離のきっかけを作ることができる。
なお、住み替えプランシート30の共有は、第一情報端末1a(第一ユーザー1)と、第二情報端末2a(第二ユーザー2)の二者間でもよい。
なお、住み替えプランシート30への情報入力が完了して保存処理を行うと、保存処理が行われたことを知らせる通知(通知プログラムにおける他の機能とする)が、第一情報端末1aと、第二情報端末2aと、第三情報端末3aに送信される。また、住み替えプランシート30の更新が行われるたびに通知が送信されるものとする。
【0109】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、空き家情報判断手段が、第一ユーザー1の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報に基づいて、空き家情報の中から、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断して取得できるので、第一ユーザー1は、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
さらに、第一ユーザー1は、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家に住むことで、今まで築いてきたコミュニティとの繋がりを継続できるので、自身に合った快適な住環境を継続することができる。
【0110】
また、空き家情報判断手段が、第二ユーザー2の年齢情報と、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報に基づいて、空き家情報の中から、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断するので、第二ユーザー2は、自身の年齢に相応しく、かつ、家族関係にある第一ユーザー1の活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第二ユーザー2は、第一ユーザー1の生活を見守りやすい空き家情報を知ることができる。そして、第一ユーザー1と第二ユーザー2が同じ活動拠点にある空き家に転居すれば、お互いに見守ることができるので、お互いに安心して生活を送ることができる。
【0111】
また、空き家情報には、第一ユーザー1が住んでいる家の情報が含まれているので、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1が住んでいる家の情報を、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報であると判断することができる。つまり、第二ユーザー2は、第一ユーザー1が住んでいて親しみのある家を転居先の候補とすることができるので安心して転居できる。また、第二ユーザー2は、第一ユーザー1が住んでいる家を資産として承継することも可能となる。
さらに、第一ユーザー1も、自身が住んでいた家を、家族関係にある第二ユーザー2に承継できるので安心して他の家に転居できる。
【0112】
また、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報と、第二ユーザー2の活動拠点に係る情報と、ナビゲーション情報取得手段によって取得するナビゲーション情報と、に基づいて、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を判断するので、第二ユーザー2が転居するのに最適な空き家情報を、第一ユーザー1の転居先への行き来しやすさを考慮したものとすることができる。これにより、第二ユーザー2が、第一ユーザー1と近居できない場合でも、第二ユーザー2は、第一ユーザー1の生活を極力見守りやすい家に転居することができる。
【0113】
また、空き家情報には、シニア向け住宅という第一属性と、非シニア向け住宅という第二属性が含まれているので、空き家情報判断手段によって、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する際に、第一ユーザーの年齢に相応しい空き家情報の有無が判断しやすくなる。
【0114】
また、空き家情報判断手段は、条件情報取得手段によって取得した条件に係る情報に基づいて、最適な空き家情報を判断するので、第一ユーザー1の希望に沿った空き家情報についての判断が行いやすくなる。
【0115】
また、通知手段によって、第一ユーザー1が使用する情報端末1aに対して所定のタイミングで、空き家情報判断手段によって最適な空き家情報を判断することを促す通知を行うことができるので、第一ユーザー1は、所定のタイミングで、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている最適な空き家情報を知る機会を得ることができる。
【0116】
また、空き家情報提供システムにおいて、空き家情報提供装置10は、空き家情報取得手段によって、空き家情報データベース20から空き家情報を取得するとともに、出力手段によって、空き家情報判断手段が判断した最適な空き家情報を出力して情報端末1aに送信するので、第一ユーザー1は、空き家情報データベース20に記憶された空き家情報の中から、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を、自身の情報端末1aで見て知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
さらに、第一ユーザー1は、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家に住むことで、今まで築いてきたコミュニティとの繋がりを継続できるので、自身に合った快適な住環境を継続することができる。
【0117】
また、空き家情報判断手段は、第一ユーザー1が仕様する携帯情報端末1aから受信したロケーション履歴の情報を、第一ユーザー1の活動拠点に係る情報として、最適な空き家情報を判断するので、第一ユーザー1が普段からよく活動している場所の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。
【0118】
また、本実施形態のプログラムは、空き家情報提供装置10のコンピューターを、空き家情報取得手段によって取得した空き家情報と、第一ユーザーの年齢情報と、第一ユーザーの活動拠点に係る情報に基づいて、第一ユーザー1が転居するのに最適な空き家情報を判断する空き家情報判断手段として機能させるので、第一ユーザー1は、自身の年齢に相応しく、かつ、自身が慣れ親しんだ活動拠点の周囲に建っている空き家の情報を知ることができる。したがって、第一ユーザー1が高齢者である場合には、自分の生活に合ったシニア向け住宅5,8の空き家情報を知ることができる。これにより、子育て世代には敬遠されがちなシニア向け住宅の再市場化を図ることができるので、空き家問題の解消に貢献することができる。
【0119】
また、近年、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、様々な取り組みが進められている。本実施形態においては、空き家として余剰するシニア向け住宅を再市場化してシニア世代のユーザーに適切に供給できる。さらに、そのシニア世代のユーザーが住んでいたファミリー向け住宅を再市場化したり、子供へと承継したりすることができる。しかも、再市場化や子供への承継により、住宅を取り壊す機会が少なくなるので、住宅を長期的に存続させることができる。すなわち、ユーザーが居住する場所(街)における持続可能な住宅供給を行うことが可能となるので、SDGsの目標達成に貢献できる。
【0120】
なお、以上のような本実施形態において、第一ユーザー1が転居するシニア向け住宅5が売買物件の場合、その所有者は、第一ユーザー1である必要はなく、第二ユーザー2であってもよい。
また、第一ユーザー1が元々住んでいたファミリー向け住宅4が、家族関係にある第二ユーザー2に承継される場合には、当該ファミリー向け住宅4の生前贈与が行われてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 第一ユーザー
1a 第一情報端末
2 第二ユーザー
2a 第二情報端末
3 管理者
4 転居元のファミリー向け住宅
5 転居先のシニア向け住宅
6 転居元の非ファミリー向け住宅
7 他のファミリー向け住宅
8 転居候補のシニア向け住宅
10 空き家情報提供装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
20 空き家情報データベース
30 住み替えプランシート