IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝メモリ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039345
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240314BHJP
   H10B 99/00 20230101ALI20240314BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H01L27/108 671Z
H01L27/108 661
H01L27/105 441
H01L29/78 613B
H01L29/78 612C
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143829
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 信美
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 睦
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭司
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F083AD02
5F083AD11
5F083AD60
5F083GA05
5F083GA06
5F083GA10
5F083HA02
5F083JA03
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083JA43
5F083JA44
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA18
5F083MA19
5F083NA01
5F083PR05
5F083PR21
5F083ZA28
5F110AA04
5F110BB06
5F110BB11
5F110CC10
5F110DD05
5F110EE02
5F110EE04
5F110EE44
5F110EE45
5F110FF01
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF28
5F110FF29
5F110GG01
5F110GG22
5F110GG23
5F110GG43
5F110GG44
5F110HJ01
5F110HM02
5F110HM04
5F110NN03
5F110NN72
5F110QQ05
(57)【要約】
【課題】好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸し第2方向の位置が異なる第1ビア配線及び第2ビア配線と、を備える。メモリ層は、第1ビア配線に電気的に接続された第1トランジスタと、第1トランジスタに電気的に接続されたメモリ部と、第1トランジスタに電気的に接続され第2方向に延伸する配線と、第2ビア配線に電気的に接続された第2トランジスタと、第2トランジスタに電気的に接続され第2トランジスタと第1配線との間の電流経路に設けられた電極と、を備える。第2トランジスタは、電極及び第2ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、第1半導体層と対向する第1ゲート電極と、を備える。第1半導体層は、第1ゲート電極の第1方向における一方側及び他方側の面の少なくともいずれかと対向する。電極は、第3方向において第2ビア配線と並ぶ部分を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、
前記第1方向に延伸し、前記第1方向と交差する第2方向の位置が異なる第1ビア配線及び第2ビア配線と
を備え、
前記複数のメモリ層は、それぞれ、
前記第1ビア配線に電気的に接続された第1トランジスタと、
前記第1トランジスタに電気的に接続されたメモリ部と、
前記第1トランジスタに電気的に接続され、前記第2方向に延伸する第1配線と、
前記第2ビア配線に電気的に接続され、前記第1配線に電気的に接続された第2トランジスタと、
前記第2トランジスタに電気的に接続され、前記第2トランジスタと前記第1配線との間の電流経路に設けられた電極と、
前記第2トランジスタに電気的に接続され、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向に延伸する第2配線と
を備え、
前記第2トランジスタは、
前記電極及び前記第2ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、
前記第2配線に接続され、前記第1半導体層と対向する第1ゲート電極と、
前記第1半導体層と前記第1ゲート電極との間に設けられた第1ゲート絶縁膜と
を備え、
前記第1半導体層は、前記第1ゲート電極の前記第1方向における一方側及び他方側の面の少なくともいずれかと対向し、
前記電極は、前記第3方向において前記第2ビア配線と並ぶ部分を含む
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1半導体層の、前記第2方向の、前記第1配線側及びその反対側の端部に対応する位置を、それぞれ、前記第2方向の第1位置及び第2位置とし、
前記第1位置及び前記第2位置の中央位置を、前記第2方向の第3位置とすると、
前記第2トランジスタの、前記第3方向の一方側の側面は、前記第3位置に設けられた第1部分を備え、
前記第2トランジスタの、前記第3方向の他方側の側面は、前記第3位置に設けられた第2部分を備え、
前記第1部分及び前記第2部分の一方又は双方が、前記電極に接続されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記電極の、前記第2方向の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置に達している
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記電極の、前記第2方向の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置よりも、前記第1配線から遠い
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2トランジスタと前記電極との接続面の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置に達している
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第2ビア配線の、前記第2方向の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置に達している
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第2ビア配線の、前記第2方向の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置よりも、前記第1配線から遠い
請求項6記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2ビア配線の、前記第2方向の、前記第1配線と反対側の端部は、前記第2位置に達していない
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第2ビア配線の前記第2方向の長さは、前記第2ビア配線の前記第3方向の長さよりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記第1半導体層の前記第2方向の長さは、前記第1半導体層の前記第3方向の長さよりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1方向に延伸する第3ビア配線を備え、
前記第3ビア配線は、前記第2ビア配線と前記第2方向に並び、
前記第1半導体層は、前記第3ビア配線に電気的に接続されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記第2ビア配線及び前記第3ビア配線は、電気的に共通である
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記第2ビア配線及び前記第3ビア配線は、前記第2方向に離間している
請求項11記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記第1部分及び前記第2部分の双方が、前記電極に接続されている
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1部分及び前記第2部分の一方が前記電極に接続され、他方は前記電極に接続されていない
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記メモリ部は、キャパシタである
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記第1トランジスタは、
前記メモリ部及び前記第1ビア配線に電気的に接続された第2半導体層と、
前記第1配線に接続され、前記第2半導体層と対向する第2ゲート電極と、
前記第2半導体層と前記第2ゲート電極との間に設けられた第2ゲート絶縁膜と
を備え、
前記第2半導体層は、前記第2ゲート電極の前記第1方向における一方側及び他方側の面の少なくともいずれかと対向する
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記第1半導体層は、酸化物半導体を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記第1半導体層は、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置の高集積化に伴い、半導体記憶装置の三次元化に関する検討が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第9,514,792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
好適に動作する半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、基板の表面と交差する第1方向に並ぶ複数のメモリ層と、第1方向に延伸し第1方向と交差する第2方向の位置が異なる第1ビア配線及び第2ビア配線と、を備える。複数のメモリ層は、それぞれ、第1ビア配線に電気的に接続された第1トランジスタと、第1トランジスタに電気的に接続されたメモリ部と、第1トランジスタに電気的に接続され第2方向に延伸する第1配線と、第2ビア配線に電気的に接続され第1配線に電気的に接続された第2トランジスタと、第2トランジスタに電気的に接続され第2トランジスタと第1配線との間の電流経路に設けられた電極と、第2トランジスタに電気的に接続され第1方向及び第2方向と交差する第3方向に延伸する第2配線と、を備える。第2トランジスタは、電極及び第2ビア配線に電気的に接続された第1半導体層と、第2配線に接続され第1半導体層と対向する第1ゲート電極と、第1半導体層と第1ゲート電極との間に設けられた第1ゲート絶縁膜と、を備える。第1半導体層は、第1ゲート電極の第1方向における一方側及び他方側の面の少なくともいずれかと対向する。電極は、第3方向において第2ビア配線と並ぶ部分を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な回路図である。
図2】同半導体記憶装置の読出動作について説明するための模式的な回路図である。
図3】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。
図4】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図5】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図6】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図7】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図8】同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な断面図である。
図9】同半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図10】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図11】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図12】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図13】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図14】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図15】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図16】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図17】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図18】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図19】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図20】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図21】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図22】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図23】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図24】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図25】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図26】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図27】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図28】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図29】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図30】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図31】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図32】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図33】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図34】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図35】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図36】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図37】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図38】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図39】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図40】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図41】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図42】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図43】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図44】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図45】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図46】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図47】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図48】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図49】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図50】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図51】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図52】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図53】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図54】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図55】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図56】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図57】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図58】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図59】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図60】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図61】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図62】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図63】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図64】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図65】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図66】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図67】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図68】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図69】同製造方法について説明するための模式的な断面図である。
図70】比較例に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図71】比較例に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図72】第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図73】第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図74】第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図75】第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
図76】第4実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0011】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0012】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書において、ある構成の「中心位置」と言った場合、例えば、この構成の外接円の中心の位置を意味しても良いし、この構成の画像上の重心を意味しても良い。
【0014】
[第1実施形態]
[回路構成]
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的な回路図である。図1に示す様に、本実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAを備える。メモリセルアレイMCAは、複数のメモリ層ML0~ML3と、これら複数のメモリ層ML0~ML3に接続された複数のビット線BLと、複数のビット線BLに電気的に接続された複数のグローバルビット線GBLと、複数のメモリ層ML0~ML3に接続されたプレート線PLと、を備える。
【0015】
メモリ層ML0~ML3は、それぞれ、複数のワード線WL0~WL2(以下、「ワード線WL」と呼ぶ場合がある。)と、これら複数のワード線WL0~WL2に接続された複数のメモリセルMCと、を備える。メモリセルMCは、それぞれ、トランジスタTrCと、キャパシタCpCと、を備える。トランジスタTrCのソース電極は、ビット線BLに接続されている。トランジスタTrCのドレイン電極は、キャパシタCpCに接続されている。トランジスタTrCのゲート電極は、ワード線WL0~WL2のいずれかに接続されている。キャパシタCpCの一方の電極は、トランジスタTrCのドレイン電極に接続されている。キャパシタCpCの他方の電極は、プレート線PLに接続されている。
【0016】
尚、各ビット線BLは、複数のメモリ層ML0~ML3に対応する複数のメモリセルMCに接続されている。また、各ビット線BLは、グローバルビット線GBLに接続されている。
【0017】
また、メモリ層ML0~ML3は、それぞれ、複数のワード線WL0~WL2に対応して設けられた複数のトランジスタTrL0a,TrL0b,TrL1a,TrL1b,TrL2a,TrL2b,TrL3a,TrL3b(以下、「トランジスタTrL」と呼ぶ場合がある。)を備える。トランジスタTrLのドレイン電極は、ワード線WL0~WL2のいずれかに接続されている。トランジスタTrLのソース電極は、それぞれ、ワード線選択線LW0a,LW0b,LW1a,LW1b,LW2a,LW2b(以下、「ワード線選択線LW」と呼ぶ場合がある。)に接続されている。トランジスタTrLのゲート電極は、それぞれ、層選択線LL0a,LL0b,LL1a,LL1b,LL2a,LL2b,LL3a,LL3b(以下、「層選択線LL」と呼ぶ場合がある。)に接続されている。
【0018】
尚、ワード線選択線LWは、複数のメモリ層ML0~ML3に対応する複数のトランジスタTrLに接続されている。また、層選択線LL0a,LL1a,LL2a,LL3aは、それぞれ、メモリ層ML0~ML3に対応する全てのトランジスタTrL0a,TrL1a,TrL2a,TrL3aに共通に接続されている。同様に、層選択線LL0b,LL1b,LL2b,LL3bは、それぞれ、メモリ層ML0~ML3に対応する全てのトランジスタTrL0b,TrL1b,TrL2b,TrL3bに共通に接続されている。
【0019】
[読出動作]
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の読出動作について説明するための模式的な回路図である。
【0020】
読出動作に際しては、複数のメモリ層ML0~ML3のうちの一つを選択する。図示の例では、メモリ層ML0が選択されている。メモリ層ML0~ML3の選択に際しては、例えば、複数の層選択線LL0a,LL1a,LL2a,LL3aのうち、読出動作の対象となるメモリ層ML0に対応する層選択線LL0aに電圧VON´を供給し、その他の層選択線LL1a,LL2a,LL3aに電圧VOFF´を供給する。また、例えば、複数の層選択線LL0b,LL1b,LL2b,LL3bのうち、読出動作の対象となるメモリ層ML0に対応する層選択線LL0bに電圧VOFF´を供給し、その他の層選択線LL1b,LL2b,LL3bに電圧VON´を供給する。
【0021】
電圧VON´は、例えば、トランジスタTrLをON状態とする程度の大きさを有する。電圧VOFF´は、例えば、トランジスタTrLをOFF状態とする程度の大きさを有する。例えば、トランジスタTrLがNMOSトランジスタである場合、電圧VON´は、電圧VOFF´よりも大きい。また、例えば、トランジスタTrLがPMOSトランジスタである場合、電圧VON´は、電圧VOFF´よりも小さい。尚、以下では、トランジスタTrLがNMOSトランジスタである例について説明する。
【0022】
また、読出動作に際しては、複数のワード線WL0~WL2のうちの一つを選択する。図示の例では、ワード線WL0が選択されている。ワード線WL0~WL2の選択に際しては、例えば、複数のワード線選択線LW0a,LW1a,LW2aのうち、読出動作の対象となるワード線WL0に対応するワード線選択線LW0aに電圧VONを供給し、その他の層選択線LW1a,LW2aに電圧VOFFを供給する。また、例えば、複数のワード線選択線LW0b,LW1b,LW2bに、電圧VOFFを供給する。
【0023】
電圧VONは、例えば、トランジスタTrCをON状態とする程度の大きさを有する。電圧VOFFは、例えば、トランジスタTrCをOFF状態とする程度の大きさを有する。例えば、トランジスタTrCがNMOSトランジスタである場合、電圧VONは、電圧VOFFよりも大きい。また、例えば、トランジスタTrCがPMOSトランジスタである場合、電圧VONは、電圧VOFFよりも小さい。尚、以下では、トランジスタTrCがNMOSトランジスタである例について説明する。
【0024】
ここで、読出動作の対象であるメモリセルMC(以下、「選択メモリセルMC」と呼ぶ。)に接続されたワード線WL0(以下、「選択ワード線WL0」と呼ぶ。)には、トランジスタTrL0aを介して、電圧VONが供給される。これにより、選択メモリセルMC中のトランジスタTrCがON状態となる。これに伴い、グローバルビット線GBLの電圧が変動し、又は、グローバルビット線GBLに電流が流れる。この電圧の変動又は電流を検出することにより、選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが可能である。
【0025】
また、選択メモリセルMCと同じメモリ層ML0に対応する選択ワード線WL0以外のワード線WL1,WL2(以下、「非選択ワード線WL1,WL2」等と呼ぶ。)には、トランジスタTrL0aを介して、電圧VOFFが供給される。これにより、メモリセルMC中のトランジスタTrCがOFF状態となる。
【0026】
また、選択メモリセルMCと異なるメモリ層ML1,ML2,ML3に対応する非選択ワード線WL0,WL1,WL2には、トランジスタTrL1b,TrL2b,TrL3bを介して、電圧VOFFが供給される。これにより、メモリセルMC中のトランジスタTrCがOFF状態となる。
【0027】
尚、読出動作に際しては、各ワード線WLに、トランジスタTrLを介して電圧を供給する。説明は省略するものの、書込動作も同様である。ここで、トランジスタTrLの電流が大きい程、ワード線WLの充電及び放電に要する時間を短縮して、読出動作及び書込動作を高速に実行可能である。
【0028】
[構造]
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的な斜視図である。図4及び図5は、同半導体記憶装置の一部の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、図4及び図5は、異なる高さ位置におけるXY断面を示している。図6は、図4及び図5に示す構成をA-A´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なXZ断面図である。図7は、図4及び図5に示す構成をB-B´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なYZ断面図である。図8は、図4及び図5に示す構成をC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た模式的なXZ断面図である。
【0029】
図3には、半導体基板Subの一部と、半導体基板Subの上方に設けられたメモリセルアレイMCAと、を示している。
【0030】
半導体基板Subは、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むシリコン(Si)等の半導体基板である。半導体基板Subの上面には、図示しない絶縁層及び電極層が設けられている。半導体基板Subの上面、図示しない絶縁層及び電極層は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を制御するための制御回路を構成する。例えば、メモリセルアレイMCAの直下の領域には、センスアンプ回路が設けられる。センスアンプ回路は、グローバルビット線GBLに接続される。センスアンプ回路は、読出動作において、グローバルビット線GBLの電圧の変動又は電流を検出することにより、選択メモリセルMCに記憶されたデータを読み出すことが可能である。
【0031】
メモリセルアレイMCAは、Z方向に並ぶ複数のメモリ層ML0~ML3と、これらの下方に設けられた複数のグローバルビット線GBLと、を備える。また、複数のメモリ層ML0~ML3の間には、それぞれ、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層103が設けられている。
【0032】
メモリ層ML0~ML3は、図4に示す様に、Y方向に並ぶメモリセル領域RMCと、トランジスタ領域RTrLと、フックアップ領域RHUと、を備える。尚、図4には、メモリセル領域RMCに対してY方向の負側に設けられたトランジスタ領域RTrL及びフックアップ領域RHUを図示しているが、トランジスタ領域RTrL及びフックアップ領域RHUは、メモリセル領域RMCに対してY方向の正側にも設けられている。
【0033】
メモリセル領域RMCには、X方向に交互に並ぶ複数の絶縁層101及び複数の導電層102が設けられている。図3に示す様に、これら複数の絶縁層101及び複数の導電層102はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層ML0~ML3をX方向に分断する。
【0034】
絶縁層101は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。
【0035】
導電層102は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層102は、例えば、プレート線PL(図1)として機能する。
【0036】
また、メモリセル領域RMCには、絶縁層101及び導電層102の間に設けられた複数のビア配線104が設けられている。複数のビア配線104は、Y方向に並び、複数のメモリ層ML0~ML3を貫通してZ方向に延伸する。
【0037】
ビア配線104は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)又はその他の導電性酸化物、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。尚、ビア配線104は、導電性酸化物のかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、ビア配線104は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。ビア配線104は、例えば、ビット線BL(図1)として機能する。ビット線BLは、メモリ層ML0~ML3に含まれる複数のトランジスタTrCに対応して、複数設けられている。
【0038】
尚、本明細書において、導電性酸化物は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化イリジウム(IrO)、又は、その他の酸素を含む導電性の材料を含むこととする。
【0039】
メモリセル領域RMCにおいて、メモリ層ML0~ML3は、複数のビア配線104に対応して設けられた複数のトランジスタ構造110と、複数のトランジスタ構造110及び絶縁層101の間に設けられた導電層120と、複数のトランジスタ構造110及び導電層102の間に設けられた複数のキャパシタ構造130と、を備える。
【0040】
トランジスタ構造110は、例えば図5及び図6に示す様に、ビア配線104の外周面に設けられた絶縁層111と、絶縁層111の外周面に設けられた導電層112と、導電層112の上面、下面及び外周面に設けられた絶縁層113と、絶縁層113の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(導電層102側)の側面に設けられた半導体層114と、を備える。
【0041】
図5に例示する様なXY断面において、絶縁層111の外周面は、例えば、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。また、導電層112、絶縁層113及び半導体層114のX方向の一方側(導電層102側)の側面は、ビア配線104の中心位置を中心とする円に沿って形成されていても良い。また、導電層112、絶縁層113及び半導体層114のY方向における両側面は、絶縁層115の側面に沿って直線状に形成されていても良い。
【0042】
絶縁層111は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。絶縁層111は、ビア配線104の外周面を、全周にわたって囲んでいる。
【0043】
導電層112は、例えば、トランジスタTrC(図1)のゲート電極として機能する。導電層112は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層112は、絶縁層111の外周面を、全周にわたって囲んでいる。図5に示す様に、Y方向に並ぶ複数の導電層112は、Y方向に延伸する導電層120に共通に接続されている。
【0044】
絶縁層113は、例えば、トランジスタTrC(図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層113は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。絶縁層113は、導電層112のY方向の両側面及びX方向の一方側(導電層102側)の側面を覆っている。
【0045】
半導体層114は、例えば、トランジスタTrC(図1)のチャネル領域として機能する。半導体層114は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。半導体層114は、絶縁層113を介して、導電層112のY方向の両側面及びX方向の一方側(導電層102側)の側面を覆っている。図6に示す様に、Z方向に並ぶ複数の半導体層114は、Z方向に延伸するビア配線104に共通に接続されている。
【0046】
図4に示す様に、Y方向において隣り合う2つの半導体層114の間には、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層115が設けられている。絶縁層115は、複数のメモリ層ML0~ML3を貫通してZ方向に延伸する。
【0047】
導電層120は、例えば、ワード線WL(図1)として機能する。導電層120は、例えば図5に示す様に、Y方向に延伸し、Y方向に並ぶ複数の導電層112に接続されている。導電層120は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を備える。尚、導電層120は、酸化インジウムスズ(ITO)又はその他の導電性酸化物、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含んでいても良い。また、導電層120は、導電性酸化物のかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、導電層120は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。図6に示す様に、導電層120の上面及び下面は、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層121によって覆われている。絶縁層121は、絶縁層111及び絶縁層113に接続されている。
【0048】
キャパシタ構造130は、例えば図5及び図6に示す様に、導電層131と、導電層131の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層132と、導電層132の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた絶縁層133と、絶縁層133の上面、下面、Y方向の両側面、及び、X方向の一方側(トランジスタ構造110側)の側面に設けられた導電層134と、導電層134の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた絶縁層135と、絶縁層135の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層136と、導電層136の上面、下面、及び、Y方向の両側面に設けられた導電層137と、を備える。
【0049】
導電層131,132,136,137は、キャパシタCpC(図1)の一方の電極として機能する。導電層131,137は、例えば、タングステン(W)等を含む。導電層132,136は、例えば、窒化チタン(TiN)等を含む。導電層131,132,136,137は、導電層102に接続されている。
【0050】
絶縁層133,135は、キャパシタCpC(図1)の絶縁層として機能する。絶縁層133,135は、例えば、アルミナ(Al)又はその他の絶縁性の金属酸化物であっても良い。
【0051】
導電層134は、例えば、キャパシタCpC(図1)の他方の電極として機能する。導電層134は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)等を含む。導電層134は、絶縁層133,135を介して、導電層131,132,136,137から絶縁されている。導電層134は、半導体層114のX方向の側面に接続されている。
【0052】
トランジスタ領域RTrLには、例えば図5に示す様に、上述した複数の絶縁層101の一部が設けられている。また、トランジスタ領域RTrLには、これら複数の絶縁層101と交互にX方向に並ぶ複数の絶縁層105が設けられている。これら複数の絶縁層101及び複数の絶縁層105はY方向及びZ方向に延伸し、メモリ層ML0~ML3をX方向に分断する。
【0053】
絶縁層105は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。
【0054】
また、トランジスタ領域RTrLにおいては、絶縁層101及び絶縁層105の間の各領域に、ビア配線106が一つずつ設けられている。複数のビア配線106は、X方向に並び、複数のメモリ層ML0~ML3を貫通してZ方向に延伸する(図7参照)。
【0055】
ビア配線106は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)又はその他の導電性酸化物、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。尚、ビア配線106は、導電性酸化物のかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、ビア配線106は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。ビア配線106は、例えば、ワード線選択線LW(図1)として機能する。ワード線選択線LWは、メモリ層ML0~ML3に含まれる複数のトランジスタTrLに対応して、複数設けられている。図5に示す様に、ビア配線106のY方向の長さは、ビア配線106のX方向の長さよりも大きい。図示の例において、ビア配線106のY方向負側の端部は、後述する半導体層144のY方向負側の端部よりも、Y方向負側に設けられている。
【0056】
トランジスタ領域RTrLにおいて、メモリ層ML0~ML3は、例えば図5に示す様に、導電層120のY方向の端部に接続された導電層122と、複数のビア配線106に対応して設けられた複数のトランジスタ構造140と、これら複数のトランジスタ構造140に沿ってX方向に延伸する導電層150と、を備える。
【0057】
導電層122は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)又はその他の導電性酸化物、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。尚、導電層122は、導電性酸化物のかわりに、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属を含んでいても良い。また、導電層122は、導電性酸化物のみを含んでいても良いし、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)又はその他の金属のみを含んでいても良い。導電層122は、例えば、トランジスタTrL(図1)のドレイン電極として機能する。図示の例において、導電層122は、トランジスタ構造140のX方向正側に設けられた部分、及び、トランジスタ構造140のX方向負側に設けられた部分を含む。また、これらの部分は、それぞれ、ビア配線106及びトランジスタ構造140と、X方向において並ぶ。導電層122のX方向の一方側の側面は、絶縁層101のX方向の側面に接続されており、この側面に沿ってY方向に延伸する。導電層122のX方向の他方側の側面は、絶縁層105に接続されており、この側面に沿ってY方向に延伸する。導電層122のX方向の長さは、導電層120のX方向の長さよりも大きい。導電層122のY方向の一方側の側面の一部は、導電層120に接続されている。導電層122のY方向の他方側の側面は、後述する絶縁層151に接続されており、絶縁層151に沿ってX方向に延伸する。図示の例において、導電層122のY方向負側の端部は、後述する半導体層144のY方向負側の端部の、Y方向の位置に達している。
【0058】
トランジスタ構造140は、例えば図5及び図7に示す様に、ビア配線106のX方向及びY方向の両側面に設けられた絶縁層141と、絶縁層141のX方向の両側面及びY方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面に設けられた導電層142と、導電層142の上面、下面、X方向の両側面及びY方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面に設けられた絶縁層143と、絶縁層143の上面、下面、X方向の両側面及びY方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面に設けられた半導体層144と、を備える。
【0059】
図5に例示する様なXY断面において、絶縁層141は、ビア配線106のX方向及びY方向の両側面に沿って、一定の厚みで形成されている。導電層142、絶縁層143及び半導体層144は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、ビア配線106のX方向の両側面及びY方向正側の側面に沿って、一定の厚みで形成されている。導電層122は、半導体層144の、X方向の両側面及びY方向正側の側面に接続されている。図示の例において、絶縁層141、導電層142、絶縁層143及び半導体層144のY方向の長さは、それぞれ、絶縁層141、導電層142、絶縁層143及び半導体層144のX方向の長さよりも大きい。
【0060】
また、図4に例示する様なXY断面において、半導体層144は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、ビア配線106のX方向の両側面及びY方向正側の側面に沿って、一定の厚みで形成されている。また、半導体層144は、ビア配線106のX方向の両側面及びY方向正側の側面に接続されている。図4に例示するXY断面においても、導電層122は、半導体層144の、X方向の両側面及びY方向正側の側面に接続されている。
【0061】
尚、図4には、半導体層144のY方向正側の端部のY方向の位置を、位置Y1として示している。また、半導体層144のY方向負側の端部のY方向の位置を、位置Y2として示している。また、位置Y1と位置Y2との中央位置(位置Y1と位置Y2との間に設けられ、且つ、位置Y1及び位置Y2から等距離のY方向の位置)を、位置Y3として示している。また、半導体層144の、X方向正側及び負側の側面の、位置Y3に設けられた部分を、それぞれ、位置P1,P2として示している。図4の例において、半導体層144は、位置P1,P2において、導電層122に接続されている。図示の例において、導電層122及び半導体層144の接続面のY方向負側の端部は、位置Y2に達している。
【0062】
絶縁層141は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。絶縁層141は、ビア配線106の外周面を、全周にわたって囲んでいる。
【0063】
導電層142は、例えば、トランジスタTrL(図1)のゲート電極として機能する。導電層142は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。導電層142は、導電層150と共に、絶縁層141の外周面を、全周にわたって囲んでいる。図5に示す様に、X方向に並ぶ複数の導電層142は、X方向に延伸する導電層150に共通に接続されている。
【0064】
絶縁層143は、例えば、トランジスタTrL(図1)のゲート絶縁膜として機能する。絶縁層143は、例えば、酸化シリコン(SiO)等を含む。絶縁層143は、導電層142のX方向の両側面及びY方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面を覆っている。
【0065】
半導体層144は、例えば、トランジスタTrL(図1)のチャネル領域として機能する。半導体層144は、例えば、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)のうち少なくとも一つの元素と、インジウム(In)と、亜鉛(Zn)と、酸素(O)と、を含む半導体であっても良いし、その他の酸化物半導体であっても良い。半導体層144は、絶縁層143を介して、導電層142のX方向の両側面及びY方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面を覆っている。図7に示す様に、Z方向に並ぶ複数の半導体層144は、Z方向に延伸するビア配線106に共通に接続されている。図4に示す様に、X方向において隣り合う2つの半導体層144の間には、絶縁層105が設けられている。尚、半導体層144は、導電層122を介して導電層120のY方向の端部に接続されている。半導体層144のY方向の長さは、半導体層144のX方向の長さよりも大きい。
【0066】
導電層150は、例えば、層選択線LL(図1)として機能する。導電層150は、例えば図5に示す様に、X方向に延伸し、X方向に並ぶ複数の導電層142に接続されている。導電層150は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を備える。尚、図7に示す様に、導電層150の上面及び下面は、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層151(図7)によって覆われている。絶縁層151は、絶縁層141及び絶縁層143に接続されている。
【0067】
フックアップ領域RHUは、図8に示す様に、複数の導電層150に対応する複数のテラス部Tを備える。テラス部Tは、導電層150の下面のうち、下方から見て、他の導電層150と重ならない領域である。テラス部Tは、複数の導電層150に、少なくとも一つずつ設けられている。
【0068】
また、フックアップ領域RHUには、X方向に並ぶ複数のコンタクト電極107が設けられている。コンタクト電極107は、図8に示す様に、Z方向に延伸し、上端において導電層150のテラス部Tに接続されている。また、X方向に並ぶ複数のコンタクト電極107は、それぞれ、異なる高さ位置に設けられた導電層150に接続されている。コンタクト電極107は、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。
【0069】
また、メモリ層ML0~ML3の下方には、図3に示す様に、複数のグローバルビット線GBLが設けられている。グローバルビット線GBLは、X方向に延伸し、Y方向に並ぶ。グローバルビット線GBLは、例えば、窒化チタン(TiN)及びタングステン(W)の積層構造等を含む。グローバルビット線GBLは、それぞれ、X方向に並ぶ複数のビア配線104の下端に接続されている。
【0070】
また、メモリ層ML0~ML3とグローバルビット線GBLとの間には、絶縁層103aが設けられている。絶縁層103aは、例えば、他の絶縁層103と異なる材料を含んでいても良い。
【0071】
[製造方法]
図9図69は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法について説明するための模式的な断面図である。図10図12図14図16図19図21図23図25図27図29図34図36図38図40図42図44図45図47図49図51図53図55図57図59図60図62図64図66及び図68は、図5に対応する断面を示している。図9図15図17図18図20図22図24図26図28図30図33図35図37図39図41及び図43は、図6に対応する断面を示している。図11図13図46図48図50図52図54図56図58図61図65図67及び図69は、図7に対応する断面を示している。
【0072】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAと、メモリセルアレイMCAに接続される周辺回路と、を別々のウェハ上に製造し、これらのウェハを貼合することによって形成する。この関係から、図3に示した半導体基板Subを基準とした場合と、メモリセルアレイMCAが形成されるウェハを基準とした場合とでは、メモリセルアレイMCA中の構成の上下関係が逆になる場合がある。図9図69では、X方向、Y方向及びZ方向を、メモリセルアレイMCA中の構成に合わせて図示している。
【0073】
同製造方法においては、例えば図9に示す様に、複数の絶縁層103と、複数の犠牲層120Aと、を交互に形成する。犠牲層120Aは、例えば、窒化シリコン(Si)等を含む。この工程は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって行う。
【0074】
次に、例えば図10及び図11に示す様に、絶縁層115に対応する位置に、開口115Aを形成する。また、絶縁層101に対応する位置のうち、メモリセル領域RMC及びトランジスタ領域RTrLの境界に対応する領域に、開口101Aを形成する。開口115A,101Aは、図11に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0075】
次に、例えば図12及び図13に示す様に、絶縁層115及び絶縁層101の一部を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0076】
次に、例えば図14及び図15に示す様に、ビア配線104に対応する位置に、開口104Aを形成する。開口104Aは、図15に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0077】
次に、例えば図16及び図17に示す様に、開口104Aを介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去する。この工程では、開口104Aの内部に絶縁層115のY方向の側面が露出し、これによって犠牲層120AがX方向に分断される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、図には、犠牲層120Aが設けられていた部分に形成された開口を、開口112Aとして示している。
【0078】
次に、例えば図18に示す様に、開口104A,112Aの内部に、犠牲層104Bを形成する。犠牲層104Bは、例えば、シリコン(Si)等を含む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0079】
次に、例えば図19及び図20に示す様に、導電層102に対応する位置に、開口102Aを形成する。開口102Aは、図20に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0080】
次に、例えば図21及び図22に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去する。この工程では、開口102Aの内部に犠牲層104BのX方向の側面が露出する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0081】
次に、例えば図23及び図24に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層104BのX方向の一方側(開口102A側)の側面、絶縁層115のX方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面、並びに、絶縁層103(図24)の上面、下面及びX方向の一方側(開口102A側)の側面に、導電層134を形成する。また、開口102Aの内部に、犠牲層102Bを形成する。犠牲層102Bは、例えば、シリコン(Si)等を含む。この工程では、例えば図24に示す様に、Z方向において隣り合う2つの絶縁層103の間の領域が犠牲層102Bによって埋め込まれる。一方、X方向において隣り合う2つの絶縁層103の間の領域は、犠牲層102Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD(Atomic Layer Deposition)及びCVD等によって行う。
【0082】
次に、例えば図25及び図26に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層102B及び導電層134の一部を除去する。この工程では、例えば、犠牲層102Bの一部を除去して、導電層134の、絶縁層115(図25)及び絶縁層103(図26)のX方向の側面に設けられた部分を露出させ、この部分を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0083】
次に、例えば図27及び図28に示す様に、開口102Aを介して、犠牲層102B、絶縁層115(図27)の一部、及び、絶縁層103(図28)の一部を除去する。この工程では、犠牲層102Bが完全に除去される。また、絶縁層115(図27)及び絶縁層103(図28)は、犠牲層104Bが開口102Aに露出しない程度の範囲で除去される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0084】
次に、例えば図29及び図30に示す様に、開口102Aを介して、導電層134の上面、下面、X方向の一方側(開口102A側)の側面及びY方向の両側面に、絶縁層133,135、導電層132,136、及び、導電層131,137,102を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0085】
次に、例えば図31に示す様に、犠牲層104Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0086】
次に、例えば図32に示す様に、開口104Aを介して、犠牲層120A及び導電層134のX方向の側面、絶縁層115のY方向の側面、並びに、絶縁層103の上面及び下面に、半導体層114を形成する。また、開口112Aに、犠牲層112Bを形成する。この工程では、開口112Aが犠牲層112Bによって埋め込まれる。一方、開口104Aは、犠牲層112Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0087】
次に、例えば図33に示す様に、開口104Aを介して、犠牲層112B及び半導体層114の一部を除去する。この工程では、例えば、犠牲層112Bの一部を除去して、半導体層114の、絶縁層103の内周面に設けられた部分を露出させ、この部分を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0088】
次に、例えば図34及び図35に示す様に、開口104Aの内部に、ビア配線104を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0089】
次に、例えば図36及び図37に示す様に、絶縁層101に対応する位置のうち、メモリセル領域RMC内の領域に、開口101Aを形成する。開口101Aは、図37に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0090】
次に、例えば図38及び図39に示す様に、開口101Aを介して、メモリセル領域RMC内の犠牲層120Aを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、図には、犠牲層120Aが設けられていた部分に形成された開口を、開口120Bとして示している。
【0091】
次に、例えば図40及び図41に示す様に、開口101A,120Bを介して、半導体層114の一部を除去し、犠牲層112Bの一部を露出させる。また、開口101A,120Bを介して、犠牲層112Bを除去し、ビア配線104の外周面を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0092】
次に、例えば図42及び図43に示す様に、開口120Bの内部に、絶縁層111,113,121を形成し、導電層112,120を形成する。この工程では、例えば、CVD等によって、開口101A,120Bに、絶縁層及び導電層を形成する。この際、開口120Bは、導電層によって埋め込まれる。一方、開口101Aは、導電層によって埋め込まれない。次に、例えば、ウェットエッチング等によって、これら絶縁層及び導電層のうち、絶縁層103のX方向の側面及び絶縁層101のY方向の側面に設けられた部分を除去する。
【0093】
次に、例えば図44に示す様に、絶縁層101の一部を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0094】
次に、フックアップ領域RHUの、メモリセル領域RMCと反対側の位置に、図示しない開口を形成する。この開口は、Z方向及びX方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0095】
次に、例えば図45及び図46に示す様に、図示しない開口を介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去する。この工程では、犠牲層120Aのうち、フックアップ領域RHU内に設けられた部分、及び、導電層150に対応する部分が除去される。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、図には、犠牲層120Aが設けられていた部分に形成された開口を、開口150Aとして示している。
【0096】
次に、例えば図47及び図48に示す様に、開口150Aの内部に、犠牲層150Bを形成する。犠牲層150Bは、例えば、シリコン(Si)等を含む。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0097】
次に、例えば図49及び図50に示す様に、フックアップ領域RHUにおいて複数の絶縁層103及び複数の犠牲層150Bの一部を除去して、複数の犠牲層150Bに対応する複数のテラス部TAを備える。テラス部TAは、犠牲層150Bの上面のうち、上方から見て、他の犠牲層150Bと重ならない領域である。
【0098】
この工程では、例えば、図47及び図48に示す様な構造の上方に、フックアップ領域RHUの一部を露出させるレジストを形成する。次に、RIE(Reactive Ion Etching)等の方法によって、犠牲層150Bを選択的に除去する。次に、RIE等の方法によって、絶縁層103を選択的に除去する。これにより、上方から数えて2番目の犠牲層150Bの上面の一部が露出する。
【0099】
次に、ウェットエッチング等の方法によって、レジストの一部を除去する。次に、RIE等の方法によって、犠牲層150Bを選択的に除去する。次に、RIE等の方法によって、絶縁層103を選択的に除去する。これにより、上方から数えて2番目及び3番目の犠牲層150Bの上面の一部が露出する。
【0100】
以下同様に、レジストの一部の除去、犠牲層150Bの選択的除去、絶縁層103の選択的除去を繰り返し行う。これにより、全ての犠牲層150Bの上面の一部が露出し、複数のテラス部TAが形成される。尚、複数のテラス部TAの形成後、複数のテラス部TAの上方の領域には、図50に示す様に、酸化シリコン(SiO)等の絶縁層が形成される。
【0101】
次に、例えば図51及び図52に示す様に、ビア配線106に対応する位置に、開口106Aを形成する。開口106Aは、図52に示す様にZ方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0102】
次に、例えば図53及び図54に示す様に、開口106Aを介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。尚、図には、犠牲層120Aが設けられていた部分に形成された開口を、開口142Aとして示している。
【0103】
次に、例えば図55及び図56に示す様に、開口142Aの内部に、半導体層144及び犠牲層142Bを形成する。
【0104】
この工程では、開口106A,142Aを介して、犠牲層120AのX方向及びY方向の側面、犠牲層150BのY方向の側面、並びに、絶縁層103の上面、下面、及び側面に、半導体層144を形成する。また、開口142Aに、犠牲層142Bを形成する。この工程では、開口142Aが犠牲層142Bによって埋め込まれる。一方、開口106Aは、犠牲層142Bによって埋め込まれない。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0105】
また、この工程では、開口106Aを介して犠牲層142Bの一部を除去し、半導体層144の、絶縁層103の側面に設けられた部分を露出させ、この部分を除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0106】
次に、例えば図57及び図58に示す様に、開口106Aの内部に、ビア配線106を形成する。この工程は、例えば、ALD及びCVD等によって行う。
【0107】
次に、例えば図59に示す様に、絶縁層101に対応する位置のうち、トランジスタ領域RTrL内の領域、及び、絶縁層105に対応する位置に、開口105Aを形成する。開口105Aは、Z方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層120Aを貫通して、これらの構成をX方向に分断する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0108】
次に、例えば図60及び図61に示す様に、導電層122を形成する。
【0109】
この工程では、開口105Aを介して、トランジスタ領域RTrL内の犠牲層120Aを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。ここで、絶縁層121が残っている場合は、この絶縁層121も除去する。
【0110】
また、この工程では、開口105Aを介して、犠牲層120Aが形成されていた領域に、導電層122を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0111】
次に、例えば図62に示す様に、開口105Aの内部に、絶縁層101,105を形成する。この工程は、例えば、CVD等によって行う。
【0112】
次に、例えば図63に示す様に、フックアップ領域RHUに、X方向に並ぶ複数の開口opを形成する。開口opは、Z方向に延伸し、Z方向に並ぶ複数の絶縁層103及び複数の犠牲層150Bを貫通する。この工程は、例えば、RIE等によって行う。
【0113】
次に、例えば図64及び図65に示す様に、開口opを介して、犠牲層150Bを除去する。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0114】
次に、例えば図66及び図67に示す様に、開口op,150Aを介して、半導体層144の一部を除去し、犠牲層142Bの一部を露出させる。また、開口op,150Aを介して、犠牲層142Bを除去し、ビア配線106の外周面を露出させる。この工程は、例えば、ウェットエッチング等によって行う。
【0115】
次に、例えば図68及び図69に示す様に、開口150Aに、絶縁層141,143,151を形成し、導電層142,150を形成する。この工程では、例えば、CVD等によって、開口op,150Aに、絶縁層及び導電層を形成する。この際、開口150Aは、導電層によって埋め込まれる。一方、開口opは、導電層によって埋め込まれない。次に、例えば、ウェットエッチング等によって、これら絶縁層及び導電層のうち、絶縁層103の内周面に設けられた部分を除去する。その後、開口opの内部に、絶縁層を形成する。
【0116】
[比較例]
[構造]
図70及び図71は、比較例に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、図70及び図71は、異なる高さ位置におけるXY断面を示している。
【0117】
比較例に係る半導体記憶装置は、トランジスタ領域RTrLを備えておらず、そのかわりに、トランジスタ領域RTrL´を備えている。
【0118】
トランジスタ領域RTrL´には、X方向に並ぶ複数の絶縁層105´が設けられている。
【0119】
また、トランジスタ領域RTrL´には、絶縁層105´の間に設けられた複数のビア配線106´が設けられている。ビア配線106´は、Z方向に延伸する円柱状の形状を備える。
【0120】
トランジスタ領域RTrL´において、メモリ層ML0~ML3は、例えば図71に示す様に、導電層120のY方向の端部に接続された導電層122´と、複数のビア配線106´に対応して設けられた複数のトランジスタ構造140´と、これら複数のトランジスタ構造140´に沿ってX方向に延伸する導電層150と、を備える。
【0121】
導電層122´は、トランジスタ構造140´のX方向正側に設けられた部分、及び、トランジスタ構造140´のX方向負側に設けられた部分を含んでいない。導電層122´は、ビア配線106´及びトランジスタ構造140と´、X方向において並ぶ部分を備えていない。導電層122´のY方向の一方側の側面の一部は、導電層120に接続されている。導電層122のY方向の他方側の側面は、全面にわたって、後述する半導体層144´に接続されている。半導体層144´のY方向の他方側の側面は、ビア配線106´の中心軸上に中心を有する円に沿って形成されており、導電層122´のY方向の他方側の側面も、この円に沿って形成されている。導電層122´のY方向の他方側の側面は、絶縁層151から離間している。
【0122】
トランジスタ構造140´は、例えば図71に示す様に、ビア配線106´の外周面に設けられた絶縁層141´と、絶縁層141´の外周面に設けられた導電層142´と、導電層142´の上面、下面、並びに、X方向及びY方向の側面に設けられた絶縁層143´と、絶縁層143´の上面、下面、並びに、X方向及びY方向の側面に設けられた半導体層144´と、を備える。
【0123】
図70及び図71に示す様に、導電層122´は、半導体層144´のX方向の側面には接続されていない。半導体層144´のX方向の両側面は、絶縁層105´に接続されている。半導体層144´は、ビア配線106´の外周面に、全周にわたって接続されている。
【0124】
[製造方法]
第1実施形態に係るトランジスタ構造110の形成に際しては、図15を参照して説明した様に、ビア配線104に対応する位置に開口104Aを形成する。また、図16及び図17を参照して説明した様に、この開口104Aを介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去し、これによって犠牲層120AをX方向に分断する。この様な方法によってトランジスタ構造110を形成した場合、半導体層114のY方向の両側面は、絶縁層115に接することとなる。
【0125】
比較例に係るトランジスタ構造140´の形成に際しても同様に、ビア配線106´に対応する位置に開口を形成する。また、この開口を介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去し、これによって犠牲層120AをX方向に分断する。比較例においては、この様な方法によってトランジスタ構造140´を形成するため、半導体層144´のX方向の両側面が、絶縁層105´に接することとなる。
【0126】
[効果]
比較例に係る半導体層144´は、Y方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面のみが導電層122´に接続されており、X方向の側面は導電層122´に接続されていない。一方、第1実施形態に係る半導体層144は、Y方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面だけでなく、X方向の両側面も導電層122に接続されている。従って、半導体層144と導電層122との接触面積は、半導体層144´と導電層122´との接触面積よりも大きい。これにより、第1実施形態に係るトランジスタTrLは、比較例に係るトランジスタTrLと比較して、大きい電流を流すことが可能となる。
【0127】
また、比較例に係る半導体記憶装置において、半導体層144´及び導電層122´の接触面積、並びに、半導体層144´及びビア配線106´の接触面積を増やそうとした場合、トランジスタ構造140´のX方向における長さを大きくする必要がある。しかしながら、メモリセル領域RMCにおける各構成の大きさによっては、トランジスタ構造140´のX方向における長さを大きくすることが出来ない場合がある。一方、第1実施形態に係る半導体記憶装置によれば、ビア配線106及び半導体層144のY方向の長さを調整することにより、メモリセル領域RMCにおける各構成の大きさにかかわらず、半導体層144及び導電層122の接触面積、並びに、半導体層144及びビア配線106の接触面積を調整可能である。これにより、ビア配線106と半導体層144との接触面積、及び、半導体層144と導電層122との接触面積を更に大きくして、更に大きな電流を流すことが可能なトランジスタTrLを提供することが可能となる。
【0128】
[第2実施形態]
第1実施形態に係るトランジスタ構造140は、一つのビア配線106に接続されている。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、トランジスタTrLに対応するトランジスタ構造は、ワード線選択線LWに対応する複数の導電層に接続されていても良い。以下、この様な例について説明する。
【0129】
図72及び図73は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、図72及び図73は、異なる高さ位置におけるXY断面を示している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0130】
第2実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0131】
ただし、第1実施形態においては、図5等を参照して説明した様に、トランジスタ領域RTrLの、絶縁層101及び絶縁層105の間の各領域に、ビア配線106及びトランジスタ構造140が、一つずつ設けられている。一方、第2実施形態においては、図72及び図73に示す様に、トランジスタ領域RTrLの、絶縁層101及び絶縁層105の間の各領域に、Y方向に並ぶ複数のビア配線206と、一つのトランジスタ構造240と、が設けられている。
【0132】
ビア配線206は、基本的には、ビア配線106と同様に構成されている。ただし、ビア配線206は、それぞれ、円柱状の形状を備える。一つのトランジスタ構造240によって共有される複数のビア配線206は、全て、電気的に共通である。また、図示の例では、一つのトランジスタ構造240によって共有される複数のビア配線206は、お互いに、Y方向に離間している。
【0133】
トランジスタ構造240は、図73に示す様に、絶縁層241と、導電層242と、絶縁層243と、半導体層244と、を備える。
【0134】
絶縁層241、導電層242、絶縁層243及び半導体層244は、基本的には、絶縁層141、導電層142、絶縁層143及び半導体層144と同様に構成されている。
【0135】
ただし、図73に例示する様なXY断面において、絶縁層241は、Y方向に並ぶ複数のビア配線206の外周面に沿って、一定の厚みで形成されている。導電層242、絶縁層243及び半導体層244は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、Y方向に並ぶ複数のビア配線206の各中心位置を中心とする複数の円に沿って、一定の厚みで形成されている。
【0136】
また、図72に例示する様なXY断面において、半導体層244は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、Y方向に並ぶ複数のビア配線206の各中心位置を中心とする複数の円に沿って、一定の厚みで形成されている。また、半導体層244は、Y方向に並ぶ複数のビア配線206の外周面に接続されている。
【0137】
ここで、第1実施形態に係るトランジスタ構造110の形成に際しては、図51を参照して説明した工程において、複数のビア配線106に対応する複数の開口106Aを形成する。第2実施形態に係るトランジスタ構造240の形成に際しても同様に、複数のビア配線206に対応する複数の開口を形成する。
【0138】
ただし、例えば、開口104Aの直径と、ビア配線206に対応する開口の直径とを同程度の大きさに調整することにより、ビア配線206に対応する開口を、図14及び図15を参照して説明した工程において、開口104Aと同時に形成することも可能である。これにより、工程数の削減が可能となる。
【0139】
また、図72を参照して説明した様に、複数のビア配線206及び半導体層244の接触面は円に沿って形成されているため、ビア配線106及び半導体層144の接触面(図4)と比較して、面積を大きくすることが可能な場合がある。同様に、半導体層244及び導電層122の接触面も円に沿って形成されているため、ビア配線106及び半導体層144の接触面(図4)と比較して、面積を大きくすることが可能な場合がある。これにより、更に大きな電流を流すことが可能なトランジスタTrLを提供することが可能となる場合がある。
【0140】
[第3実施形態]
第1実施形態に係る半導体層144及び第2実施形態に係る半導体層244は、Y方向の長さが、X方向の長さよりも大きい。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、トランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層は、Y方向の長さが、X方向の長さより小さくても良い。以下、この様な例について説明する。
【0141】
図74及び図75は、第3実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なXY断面図である。尚、図74及び図75は、異なる高さ位置におけるXY断面を示している。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0142】
第3実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されている。
【0143】
ただし、第3実施形態に係る半導体記憶装置は、ビア配線106及びトランジスタ構造140のかわりに、ビア配線306及びトランジスタ構造340を備える。
【0144】
ビア配線306は、基本的には、ビア配線106と同様に構成されている。ただし、ビア配線306は、円柱状の形状を備える。尚、図示の例において、ビア配線306のY方向負側の端部のY方向の位置は、後述する半導体層344のY方向負側の端部のY方向の位置に達していない。
【0145】
トランジスタ構造340は、図75に示す様に、絶縁層341と、導電層342と、絶縁層343と、半導体層344と、を備える。
【0146】
絶縁層341、導電層342、絶縁層343及び半導体層344は、基本的には、絶縁層141、導電層142、絶縁層143及び半導体層144と同様に構成されている。
【0147】
ただし、図75に例示する様なXY断面において、絶縁層341は、ビア配線306の外周面に沿って、一定の厚みで形成されている。導電層342、絶縁層343及び半導体層344は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、ビア配線306の中心位置を中心とする円に沿って、一定の厚みで形成されている。
【0148】
また、図74に例示する様なXY断面において、半導体層344は、導電層122のY方向負側の端部に対応するY方向の位置よりもY方向正側の範囲において、ビア配線306の中心位置を中心とする円に沿って、一定の厚みで形成されている。また、半導体層344は、ビア配線306の外周面に接続されている。
【0149】
第3実施形態に係るビア配線306も、第2実施形態に係るビア配線206と同様に、図14及び図15を参照して説明した工程において、開口104Aと同時に形成することが可能である。これにより、工程数の削減が可能となる。
【0150】
また、第3実施形態に係るトランジスタ構造340は、第1実施形態に係るトランジスタ構造140及び第2実施形態に係るトランジスタ構造240よりも小型である。従って、トランジスタ領域RTrLをY方向に縮小して、トランジスタ領域RTrLの面積を削減可能である。
【0151】
[第4実施形態]
第1実施形態に係る半導体層144、第2実施形態に係る半導体層244、及び、第3実施形態に係る半導体層344は、X方向の両側面が、導電層122に接続されている。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示であり、トランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層は、X方向の一方側の側面のみが、導電層122に接続されていても良い。以下、この様な例について説明する。
【0152】
図76は、第4実施形態に係る半導体記憶装置の構成を示す模式的なXY断面図である。以下の説明において、第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0153】
第4実施形態に係る半導体記憶装置は、基本的には、第1実施形態に係る半導体記憶装置と同様に構成されており、第1実施形態に係るトランジスタ構造140を備えている。
【0154】
ただし、第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、半導体層144の、X方向の、絶縁層101側の側面が導電層122に接続されており、且つ、X方向の、絶縁層105側の側面は、導電層122に接続されていない。
【0155】
第4実施形態に係る半導体記憶装置によれば、トランジスタ領域RTrLをX方向に縮小して、トランジスタ領域RTrLの面積を削減可能な場合がある。
【0156】
尚、第4実施形態に係る半導体記憶装置は、第1実施形態に係るトランジスタ構造140ではなく、第2実施形態に係るトランジスタ構造240又は第3実施形態に係るトランジスタ構造340を備えていても良い。
【0157】
また、第4実施形態に係る半導体記憶装置において、トランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層は、絶縁層101側の側面が導電層122に接続されておらず、且つ、X方向の、絶縁層105側の側面が導電層122に接続されていても良い。
【0158】
また、第4実施形態に係る半導体記憶装置において、トランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層は、Y方向の一方側(メモリセル領域RMC側)の側面が、導電層122に接続されていなくても良い。
【0159】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、これらの実施形態に係る半導体記憶装置はあくまでも例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。
【0160】
例えば、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、グローバルビット線GBLが、メモリ層ML0~ML3より下方に設けられていた。しかしながら、この様な構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。グローバルビット線GBLは、メモリ層ML0~ML3より上方に設けられていても良い。
【0161】
また、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置は、メモリセルアレイMCAと、メモリセルアレイMCAに接続される周辺回路と、を別々のウェハ上に製造し、これらのウェハを貼合することによって形成する様な構造を想定している。しかしながら、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置は、1枚のウェハ上に製造することも可能である。
【0162】
また、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、ビット線として機能するビア配線104が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む場合がある。しかしながら、この様な導電性酸化物は、Z方向に延伸するビア配線104ではなく、トランジスタ構造110に含まれていても良い。また、ビア配線104及びトランジスタ構造110は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0163】
同様に、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、ワード線選択線LWとして機能するビア配線106等が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む場合がある。しかしながら、この様な導電性酸化物は、Z方向に延伸するビア配線106等ではなく、トランジスタTrLを構成するトランジスタ構造140等に含まれていても良い。また、ビア配線106等、及び、トランジスタ構造140等は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0164】
同様に、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、トランジスタTrLのドレイン電極として機能する導電層122が、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性酸化物を含む場合がある。しかしながら、この様な導電性酸化物は、導電層122ではなく、トランジスタTrLを構成するトランジスタ構造140等に含まれていても良い。また、導電層122、及び、トランジスタ構造140等は、その他の材料等を含んでいても良い。
【0165】
また、以上の説明では、図4等を参照して説明した様に、トランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層144等のY方向負側の端部のY方向の位置と、導電層122のY方向負側の端部のY方向の位置とが、一致している。しかしながら、図66及び図67を参照して説明した工程、又は、これに対応する工程では、半導体層144等のY方向負側の端部のY方向の位置が、導電層122のY方向負側の端部のY方向の位置よりも、Y方向正側に設けられる場合がある。即ち、導電層122のY方向負側の端部のY方向の位置は、図4を参照して説明した位置Y2よりも、Y方向負側に設けられる場合がある。
【0166】
また、第1実施形態に係る半導体記憶装置においては、ワード線選択線LWとして機能するビア配線106のY方向負側の端部が、半導体層144のY方向負側の端部よりも、Y方向負側に設けられている。しかしながら、ビア配線106のY方向負側の端部のY方向の位置と、半導体層144のY方向負側の端部のY方向の位置とは、一致していても良い。また、ビア配線106のY方向負側の端部は、半導体層144のY方向負側の端部よりも、Y方向正側に設けられていても良い。
【0167】
尚、第1実施形態に係る半導体記憶装置においては、図51及び図52を参照して説明した工程において、ビア配線106に対応する位置に、開口106Aを形成する。また、図53及び図54を参照して説明した工程において、開口106Aを介して、犠牲層120Aの一部を選択的に除去し、開口142Aを形成する。ここで、開口106A及び開口142AのY方向負側の端部が、犠牲層150Bから離間してしまうと、図66及び図67を参照して説明した工程において、犠牲層142Bを除去することが出来ない場合がある。この様な理由から、開口106Aと犠牲層150Bとの間の距離は、少なくとも、図53及び図54を参照して説明した工程において除去する犠牲層120Aの量よりも小さい。従って、ビア配線106のY方向負側の端部が、半導体層144のY方向負側の端部よりも、Y方向正側に設けられる場合であっても、これら端部の間のY方向の距離は、少なくとも、半導体層144の導電層122との接触面と、半導体層144のビア配線106との接触面と、の間の最短距離よりも小さくなる。第3実施形態及び第4実施形態においても同様である。
【0168】
また、第2実施形態に係る半導体記憶装置においては、Y方向に並ぶ複数のビア配線206のうち、最も導電層150に近い位置に設けられたもの(最もY方向負側に設けられたもの)について、この様な関係が成立する。
【0169】
更に、第2実施形態に係る半導体記憶装置においては、Y方向に隣り合う2つのビア配線206の間の距離が、少なくとも、半導体層244の導電層122との接触面と、半導体層244の、いずれかのビア配線206との接触面と、の間の最短距離の2倍よりも小さい。
【0170】
また、第2実施形態に係る半導体記憶装置においては、一つのトランジスタ構造240によって共有される複数のビア配線206が、お互いに、Y方向に離間している。しかしながら、この様な複数のビア配線206の少なくとも2つは、お互いに接続されていても良い。
【0171】
また、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置においては、トランジスタTrCのチャネル領域として機能する半導体層114やトランジスタTrLのチャネル領域として機能する半導体層144が、ゲート電極の上面及び下面にそれぞれ対向して設けられているが、この構成に限らずゲート電極の上面及び下面のいずれか一方の面に対向して設けられていても良い。
【0172】
また、以上の説明では、トランジスタ構造110に接続されるメモリ部として、キャパシタCpCが採用される例について説明した。しかしながら、メモリ部は、キャパシタCpCでなくても良い。例えば、メモリ部は、強誘電体、強磁性体、GeSbTe等のカルコゲン材料又はその他の材料を含み、これら材料の特性を利用してデータを記録するものであっても良い。例えば、以上において説明したいずれかの構造において、キャパシタCpCを形成する電極間の絶縁層に、これら材料のいずれかを含ませても良い。
【0173】
また、トランジスタTrCを構成するトランジスタ構造110は、第1実施形態~第4実施形態のいずれかにおいてトランジスタTrLを構成するトランジスタ構造140等と同様の構造を備えていても良い。
【0174】
また、第1実施形態~第4実施形態に係る半導体記憶装置の製造方法も、適宜調整可能である。例えば、上述した工程のいずれか2つの順番を入れ替えたり、上述した工程のいずれか2つを同時に実行したりしても良い。例えば、図45図48を参照して説明した工程は、図51及び図52を参照して説明した工程より後に実行しても良い。
【0175】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0176】
Sub…半導体基板、ML0~ML3…メモリ層、BL…ビット線、WL…ワード線、PL…プレート線、TrC,TrL…トランジスタ、102…導電層、104…導電層、110…トランジスタ構造、120…導電層、130…キャパシタ構造、140…トランジスタ構造、150…導電層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65
図66
図67
図68
図69
図70
図71
図72
図73
図74
図75
図76