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特開2024-39357情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039357
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20240314BHJP
   G06Q 30/0207 20230101ALI20240314BHJP
   G06Q 30/0234 20230101ALI20240314BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/02 328
G06Q30/02 368
G06Q30/02 378
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143853
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】501179120
【氏名又は名称】アパホテル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】小塚 智成
(72)【発明者】
【氏名】濱本 清
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA03
5L049BB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】イベントの予約におけるユーザの利便性を高める情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る情報処理装置1は、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得部100と、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約部102と、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得部104と、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与部106と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点における前記イベントの予約価格を取得する予約価格取得部と、
前記予約操作に応じて、ユーザに対して前記イベントを予約する予約部と、
前記予約時点から前記イベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点における前記イベントの基準価格を取得する基準価格取得部と、
前記基準価格が前記予約価格より小さい場合、前記予約価格と前記基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記基準時点は、前記対象期間において前記予約価格から前記基準価格を減じた値が最大となる時点である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象期間に属する複数の基準時点のそれぞれに対して当該基準時点に対応する基準価格が関連付けられた基準価格リストを記憶する記憶部、をさらに備え、
前記基準価格取得部は、前記基準価格リストに基づいて、前記基準価格を取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記付与部は、前記対象期間経過後にユーザに前記特典を付与する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対象期間の長さに応じて前記特典を変更する変更部、をさらに備え、
前記変更部は、前記対象期間が第1所定日数以上の長さである場合には前記特典を増加させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変更部は、前記対象期間が前記第1所定日数より短い第2所定日数以下の長さである場合には前記特典を減少させる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記イベントの前記実行時点が、前記イベントの需要に関する所定の条件を満たすか否かを判定する需要判定部、をさらに備え、
前記付与部は、前記需要判定部の判定結果に基づいて、ユーザに前記特典を付与するか否かを決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典に関する情報を前記対象期間内に表示する表示部、をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記イベントは、宿泊施設を利用することである、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特典は、前記予約価格と前記基準価格との差分に応じた数量のポイントであり、
前記ポイントは、ユーザによるイベントの予約に関する支払いに適用可能である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点における前記イベントの予約価格を取得する予約価格取得ステップと、
前記予約操作に応じて、ユーザに対して前記イベントを予約する予約ステップと、
前記予約時点から前記イベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点における前記イベントの基準価格を取得する基準価格取得ステップと、
前記基準価格が前記予約価格より小さい場合、前記予約価格と前記基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与ステップと、
を実行させる、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ユーザによるイベントに対する予約操作を受け付ける予約受付手段と、
前記予約操作に応じて、前記イベントが予約された旨を表示する表示手段と、
前記イベントが予約された予約時点から前記イベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点における前記イベントの基準価格が、前記予約時点における前記イベントの予約価格より小さい場合、前記予約価格と前記基準価格との差分に応じた特典を取得する取得手段と、
として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サービスを予約したユーザに対してインセンティブを付与するシステムが知られている。例えば、特許文献1には、ユーザが利用するサービスにおいて、クーポンやサービスポイント等の各種インセンティブを付与する対象ユーザを、営業効果を高め得るように適切に決定するシステムが開示されている。これによれば、投資収益率を向上させることができ、また、インセンティブ費用の予算の増大を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-013827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがイベントを予約してから実行するまでの間に当該イベントの予約価格が変更された場合には、ユーザに不満が生じる場合がある。しかしながら、特許文献1に記載されたシステムでは、予約価格の変更によりユーザの不満が生じることを防ぐことができない。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、イベントの予約におけるユーザの利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得部と、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約部と、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得部と、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与部と、を備える。
【0007】
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得ステップと、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約ステップと、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得ステップと、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与ステップと、を実行させる。
【0008】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザによるイベントに対する予約操作を受け付ける予約受付手段と、予約操作に応じて、イベントが予約された旨を表示する表示手段と、イベントが予約された予約時点におけるイベントの予約価格からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点が、予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じた特典を取得する取得手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、イベントの予約におけるユーザの利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るシステムの機能構成の一例を説明するための図である。
図2】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
図3】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
図4】本実施形態に係るシステムの動作の一例を説明するための図である。
図5】本実施形態に係るシステムにおける表示画面例を説明するための図である。
図6】本実施形態に係るシステムにおける表示画面例を説明するための図である。
図7】本実施形態に係るシステムのハードウェア構成の一例を説明するための図である。
図8】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
図9】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
図10】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
図11】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
図12】本実施形態に係るシステムの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0012】
本発明において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置、ソフトウェアにより実現されてもよい。
【0013】
<1.システムの概要>
図1を参照して、本実施形態に係るシステムの概要を説明する。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、情報処理装置1、端末装置2及び通信ネットワーク3を含む。端末装置2の数は、例えば、1つに限定されず、2つ以上であってよい。情報処理装置1及び端末装置2は、通信ネットワーク3を介して互いに接続されている。
【0015】
情報処理装置1は、典型的には、イベント(例えば、宿泊施設の利用)を早期に予約したユーザが、予約後にイベントの予約価格が変更されることにより不満を持つことを防ぐための各種処理を実行する。例えば、ユーザが予約した時点ではイベントの予約価格が「10万円」だったのにも関わらず、イベントの実行時点(例えば、宿泊当日)までの期間内に値下がりして「6万円」で予約できるようになった場合、ユーザは不満を持つことになる。情報処理装置1は、この価格の差分に応じた特典(例えば、「4万円」相当のポイント)をユーザに付与することにより、ユーザが不満を持つことを防ぐ。
【0016】
<2.各装置の機能構成>
図1の機能ブロック図を参照して、本実施形態に係るシステムに含まれる各装置の機能の一例を説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、情報処理装置1及び端末装置2を含む。
【0018】
―情報処理装置1―
情報処理装置1は、制御部10、記憶部12及びネットワークインタフェース部14を含み、それぞれがバス16を介して電気的に接続されている。
【0019】
まず、記憶部12について説明する。記憶部12は、ユーザ情報DB(DataBase)120、予約情報DB122、価格情報DB124、特典情報DB126及び需要情報DB128を含む。
【0020】
ユーザ情報DB120は、ユーザに関する情報を記憶する。ユーザに関する情報は、ユーザID、メールアドレス、電話番号、住所、登録された支払い手段及び情報処理装置1の管理者が提供するWEBサービス(以下では、単に「WEBサービス」という)にログインするためのパスワード等の情報を含む。ユーザに関する情報は、WEBサービスの会員登録時にユーザが入力した情報を含む。
【0021】
予約情報DB122は、ユーザの予約に関する情報を記憶する。ユーザの予約に関する情報は、予約に関するユーザのユーザID、イベントに対する予約操作が実行された時点、チェックインの予定日、チェックアウトの予定日、実際のチェックイン日時、実際のチェックアウト日時、予約に対する支払額、支払いのステータス(例えば、完了済み又は未完了等)及び支払い手段(例えば、クレジットカード又は現金払い等)等の情報を含む。予約操作とは、典型的には、ユーザがWEBサービスを介して予約を実行することである。また、予約操作を実行された時点を予約時点という。
【0022】
価格情報DB124は、イベントの予約価格に関する情報を記憶する。イベントの予約価格とは、予約時点における当該イベントを予約するための価格である。イベントの予約価格は、典型的には、予約時点と、イベントの実行時点(例えば、宿泊施設へのチェックイン日)との関係に基づいて、予約時点毎及びイベントの実行時点毎に算出される。
【0023】
具体的には、予約時点が同一であっても、イベントの実行時点が異なれば、それぞれのイベントについて算出される予約価格は異なる。例えば、予約時点で2022年8月1日である場合に、同月10日のイベントと、同月20日のイベントとのそれぞれの予約価格は異なってもよい。
【0024】
他にも、具体的には、イベントの実行時点が同一であっても、予約時点が異なれば、それぞれの予約時点における当該イベントの予約価格は異なる。例えば、イベントの実行時点が2022年8月20日である場合に、同月1日における当該イベントの予約価格と、同月10日における当該イベントの予約価格とは異なってもよい。
【0025】
価格情報DB124は、さらに、イベントの基準価格を記憶する。イベントの基準価格とは、基準時点にイベントを予約するとした場合の価格である。基準時点とは、対象期間に属する時点である。対象期間とは、予約時点からイベントの実行時点までの期間である。基準価格、基準時点及び対象期間の例については、図3を用いて後述する。
【0026】
価格情報DB124は、さらに、基準価格リストを記憶する。基準価格リストとは、対象期間に属する複数の基準時点のそれぞれに対して、当該基準時点に対応する基準価格が関連付けられた情報である。基準価格リストの例については、図4を用いて後述する。
【0027】
特典情報DB126は、ユーザに付与する特典に関する情報を記憶する。ユーザに付与する特典に関する情報は、特典が付与されたユーザのユーザID、特典の内容、特典が付与された日時及び特典の有効期限等の情報を含む。特典は、典型的には、イベントを予約する際に使用できるポイントである。当該ポイントを使用することで、ユーザは予約価格の割引を受けることができる。例えば、通常の予約価格が1万円である場合に1000ポイントを使用することにより、ユーザは9000円でイベントを予約することができる。
【0028】
次に、制御部10について説明する。制御部10は、予約価格取得部100、予約部102、基準価格取得部104、付与部106、変更部108、表示部110、需要判定部112及び通信部114を含む。
【0029】
予約価格取得部100は、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する。予約価格を取得することは、予約時点と、イベントの実行時点とに基づいて予約価格を算出することを含む。予約価格を取得することは、他にも、予約価格が記憶された装置から予約価格を取得することを含む。取得した予約価格は、価格情報DB124に記憶される。
【0030】
予約部102は、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する。予約操作は、典型的には、予約するイベントの実行時点(例えば、チェックイン日)の選択と、予約価格(例えば、宿泊料金)の支払いとを含む。予約価格の支払いは、予約価格に相当する対価の支払いを完了させることに加えて、将来的な対価の支払いを約束することを含む。具体的には、予約価格の支払いは、現金による支払い、口座振込による支払い、クレジットカードによる支払い、ポイントによる支払い等を含む。予約に関する情報は、予約情報DB122に記憶される。
【0031】
基準価格取得部104は、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する。例えば、予約時点が2022年8月1日であり、イベントの実行時点が同月20日である場合に、基準時点に相当する同月10日に当該イベントを予約するとした場合の価格である基準価格を取得する。基準価格を取得することは、基準価格を算出することを含む。基準価格を取得することは、他にも、基準価格が記憶された装置から基準価格を取得することを含む。取得される基準価格は、過去に取得した予約価格であってもよい。取得した基準価格は、価格情報DB124に記憶される。基準価格を取得することの例は、図3を用いて後述する。
【0032】
基準価格取得部104は、基準価格リストに基づいて、基準価格を取得してもよい。具体的には、基準価格リストに基づいて、対象期間において予約価格から基準価格を減じた値が最大となる時点である基準時点を選択し、当該基準時点に対応する基準価格を取得してもよい。基準価格リストに基づいて基準価格を取得することの例は、図4を用いて後述する。
【0033】
付与部106は、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する。すなわち、予約時点からイベント実行時点まで期間において、予約時点よりも安くイベントを予約できる基準時点が存在した場合には、予約価格と基準価格との差分に応じた数量のポイントを付与する。当該ポイントは、ユーザによるイベントの予約に関する支払いに適用可能である。なお、付与部106は、対象期間経過後にユーザに特典を付与してもよい。ユーザに付与した特典に関する情報は、特典情報DB126に記憶される。特典を付与することの例は、図2-4を用いて後述する。
【0034】
変更部108は、対象期間の長さに応じて特典を変更する。具体的には、対象期間が第1所定日数以上の長さである場合には特典を増加させる。他にも、対象期間が第1所定日数より短い第2所定日数以下の長さである場合には特典を減少させてもよい。特典を変更した場合、特典情報DB126を更新する。特典を変更することの例は、図8-9を用いて後述する。
【0035】
表示部110は、特典に関する情報を対象期間内に表示する。表示することは、情報処理装置1が備える(又は情報処理装置1に接続された)ディスプレイ等の画面に表示することに加え、通信ネットワーク3を介して情報処理装置1と接続された装置(例えば、端末装置2)の画面に表示させることを含む。表示画面例については、図5-6を用いて後述する。
【0036】
需要判定部112は、イベントの実行時点が、イベントの需要に関する所定の条件を満たすか否かを判定する。この際、付与部106は、需要判定部112の判定結果に基づいて、ユーザに特典を付与するか否かを決定してもよい。例えば、イベントの実行時点が年末年始期間等の需要が高まる期間に属する場合には、付与部106はユーザに特典を付与しなくてもよい。需要判定の例については、図10を用いて後述する。
【0037】
通信部114は、ネットワークインタフェース部14を介して端末装置2及び他の外部装置との通信を行う。通信を行うことは、外部装置により送信された情報を受け付けることを含む。
【0038】
次に、ネットワークインタフェース部14について説明する。ネットワークインタフェース部14は、通信ネットワーク3を介して、端末装置2及び他の外部装置との通信を行う。
【0039】
―端末装置2―
端末装置2は、ユーザが使用する端末装置である。端末装置2は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、スマートデバイス及びコネクテッドカー等である。
【0040】
端末装置2は、制御部30、記憶部32、入力部36、出力部38及びネットワークインタフェース部34を備える(図12参照)。制御部30は、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することによりイベント情報の送信等の所定の処理を実行する。入力部36は、マイク、キーボード、タッチパネル及びカメラ等を機能させる。出力部38は、液晶画面等の表示機器及びスピーカー等を機能させる。ネットワークインタフェース部34は、情報処理装置1及び他の外部装置との通信を行う。
【0041】
<3.動作の一例>
図2-4を参照して、情報処理装置1の動作の一例について説明する。図2は、情報処理装置1の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0042】
まず、情報処理装置1は、通信部114により、イベントの実行時点の選択をユーザから受け付ける(S200)。イベントの実行時点とは、例えば、宿泊施設におけるチェックイン日である。選択できるイベントの実行時点は、所定の制約があってもよい。例えば、年末年始期間等の需要が高まる期間及び予約時点から90日以上先の時点等は、イベントの実行時点としては選択できないように設定されていてもよい。
【0043】
イベントの実行時点の選択を受け付けた後、情報処理装置1は、予約価格取得部100により、予約時点と、選択されたイベントの実行時点とに基づいて、予約価格を取得する(S202)。図3は、各時点においてイベントを予約するための価格の一例を示す図である。図3の曲線は、選択されたイベントを予約するための価格の推移を表している。例えば、イベントを時点Aにおいて予約するための価格は「14万円」であり、時点Bにおいて予約するための価格は「6万円」である。このように、イベントの実行時点が同一であっても、予約をする時点によって価格は異なる。なお、各時点においてイベントを予約するための価格は、例えば、ブッキングカーブを用いることにより算出される。図3によると、予約時点においては、イベントを予約するための価格は「10万円」であるため、予約価格取得部100は「10万円」という予約価格を取得する。
【0044】
予約価格を取得した後、情報処理装置1は、取得した予約価格をユーザに対して表示する(S204)。表示は、情報処理装置1又はユーザが使用する端末装置2が備えるディスプレイ等によって行われる。このときに表示される内容は、予約価格のほか、ユーザの氏名、ユーザID、選択したイベントの実行時点、支払い方法及び特典が付与され得る旨のメッセージ等を含む。
【0045】
予約価格を表示した後、情報処理装置1は、通信部114により、ユーザから予約操作を受け付ける(S206)。予約操作は、例えば、選択されたイベントの実行時点の確定と、予約価格(例えば、宿泊料金)の支払いとを含む。
【0046】
予約操作を受け付けた後、情報処理装置1は、予約部102により、ユーザに対してイベントを予約する(S208)。
【0047】
イベントを予約した後、情報処理装置1はイベントの実行時点までの基準価格リストを生成する(S210)。図4に、イベントの実行時点までに生成された基準価格リストの一例を示す。基準価格リストは、複数の基準時点のそれぞれに対して当該基準時点に対応する基準価格が関連付けられている。具体的には、基準時点である時点A、時点B、時点C及び時点Dのそれぞれに対して「14万円」、「6万円」、「15万円」及び「20万円」という基準価格が関連付けられている。
【0048】
イベントの実行時点の経過後(すなわち、対象期間経過後)、情報処理装置1は、基準価格取得部104により、基準価格を取得する(S212)。基準価格取得部104が取得する基準価格は、典型的には、ユーザに付与する特典が最大となるような基準価格である。この例においては、S210で生成した基準価格リストに基づいて、対象期間において予約価格から基準価格を減じた値が最大となる基準時点を選択し、当該基準時点に対応する基準価格を取得するものとする。S202で取得した予約価格は「10万円」である。時点Aに対応する基準価格は「14万円」であるため、予約価格から基準価格を減じた値は「-4万円」である。時点Bに対応する基準価格は「6万円」であるため、予約価格から基準価格を減じた値は「4万円」である。時点Cに対応する基準価格は「15万円」であるため、予約価格から基準価格を減じた値は「-5万円」である。時点Dに対応する基準価格は「20万円」であるため、予約価格から基準価格を減じた値は「-10万円」である。したがって、対象期間において予約価格から基準価格を減じた値が最大となる時点は時点Bであり、情報処理装置1は時点Bに対応する基準価格「6万円」を取得する。
【0049】
なお、実数の集合Rに属するxがRの中で最大の値であることとは、Rに属する任意のrに対して、x≧rが成り立つことをいう。すなわち、上述した「-4万円」、「4万円」、「-5万円」及び「―10万円」の中で最大の値は「4万円」である。
【0050】
基準価格を取得した後、情報処理装置1は基準価格が予約価格より小さいか否かを判定する(S214)。この例においては、時点Bに対応する基準価格である「6万円」は予約価格である「10万円」より小さいため、S216に進む(S214 YES)。一方で、例えば、基準価格リストに含まれる基準価格のいずれもが予約価格以上であるような場合には、処理を終了する(S214 NO)。このような場合には、ユーザはいずれの基準価格よりもお得な価格で予約していることになるため、予約価格の変動に不満を持たないからである。
【0051】
基準価格が予約価格より小さい場合、情報処理装置1は付与部106によりユーザに対して特典を付与する(S216)。特典は、予約価格と基準価格との差分に応じた内容であってもよい。この例においては、予約価格と基準価格との差分は「4万円」であるため、「4万円」に相当するポイントをユーザに付与するものとする。
【0052】
付与部106は、典型的には、対象期間経過後にユーザに特典を付与する。対象期間内(すなわち、イベントの実行時点の前)はユーザが予約をキャンセルする場合があり、そのような場合にまで特典を付与することは望ましくないからである。
【0053】
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得部100と、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約部102と、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得部104と、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与部106と、を備える。
【0054】
情報処理装置1によれば、イベントの予約におけるユーザの利便性を高めることができる。従来は、イベントを予約した後に当該イベントを予約するための価格が低下した場合、早期に予約をしたユーザが不満を持つことがあった。
【0055】
例えば、「10万円」でイベントを予約したのにも関わらず、その後当該イベントを予約するための価格が「6万円」になったような場合には、ユーザは差分である「4万円」の損をしたように感じる。このような場合、情報処理装置1によれば、典型的には「4万円」相当のポイントがユーザに付与されるため、ユーザが不満を持つことを防止することができる。
【0056】
他にも、例えば、ユーザがイベントを予約した後に当該イベントを予約するための価格が低下した場合、ユーザは更にお得に予約をするために予約をキャンセルし、再度予約をし直す場合がある。情報処理装置1によれば、ユーザは自動的に十分にお得な価格でイベントを予約できるようになるため、ユーザの予約操作の手間を削減するとともに予約のキャンセルのし忘れを防止することができる。
【0057】
さらに、情報処理装置1によれば、イベントの早期の予約をユーザに促すことができる。基準価格取得部104は、典型的には、対象期間において特典が最大となるような基準価格を取得するため、対象期間が長いほど特典の期待値が上がる。
【0058】
例えば、図3において、時点Bと時点Cとの間に予約時点があった場合、予約時点からイベントの実行時点の間(すなわち、対象期間)において予約価格より基準価格が小さくなるような基準時点は存在しないため、ユーザは特典を受けることができない。
【0059】
一方で、例えば、図3において、時点Aと時点Bとの間に予約時点があった場合、予約価格より基準価格が小さくなる基準時点(すなわち、時点B)が存在するため、ユーザは特典を受けることができる。
【0060】
すなわち、情報処理装置1によれば、早く予約をすればするほど対象期間内に基準価格が低い基準時点が含まれやすくなるため、早期にイベントを予約することをユーザに対して促すことができる。イベントの早期の予約を促すことにより、イベントの管理者(例えば、宿泊施設の事業者)は予約が埋まらないことのリスクをコントロールしやすくなる。
【0061】
<4.表示画面の一例>
図5-6を参照して、表示部110が表示する画面の一例について説明する。この例においては、表示部110はスマートフォンである端末装置2のディスプレイに画面を表示するものとする。
【0062】
図5は、特典に関する情報を対象期間内に表示する画面の一例を示す図である。図5の画面は、予約の確認画面である。すなわち、図5の画面は、ユーザが予約を確定した後、当該予約の内容を確認する操作を行うことにより表示される。なお、この例において、イベントとは宿泊施設の利用であるとする。図5の画面は、画面名800、戻るボタン802、予約詳細表示領域804、特典概要806及び予約取消ボタン808を含む。
【0063】
画面名800は、表示画面の名称を表示する。この例においては、「予約確認・支払・取消」という名称が表示される。
【0064】
戻るボタン802は、直近で表示されていた画面に遷移するためのボタンである。戻るボタン802を押下することにより、例えば、マイページ又は予約一覧画面等の画面に遷移することができる。
【0065】
予約詳細表示領域804は、予約に関する詳細な情報を表示する。表示される内容は、ホテルの名称、予約日(すなわち、予約時点が属する日)、予約番号、予約プラン名、お部屋タイプ、到着日(チェックイン日に相当)、出発日(チェックアウト日に相当)、宿泊者名、領収金額及び支払方法に関する情報を含む。領収金額とは、予約価格の一形態であり、ユーザが予約操作において支払った金額である。
【0066】
特典概要806は、ユーザに付与される特典の概要を表示する。この例においては、「今回の宿泊は4万円分のポイントバック対象です」というメッセージとともに「※ポイントは宿泊後に付与されます」及び「※予約を取り消した場合、ポイントは付与されません」という注意書きが表示される。なお、ポイントバック対象とは、特典の付与の対象ということである。
【0067】
特典概要806は、典型的には、対象期間内に表示される。これにより、ユーザは宿泊後に付与される特典の内容を確認することができるため、予約のキャンセルを防止することができる。
【0068】
特典概要806は、特典詳細確認ボタン806aを含む。特典詳細確認ボタン806aを押下することにより、特典の内容の詳細を確認するための画面に遷移することができる。遷移先の画面については、図6を用いて後述する。
【0069】
予約取消ボタン808は、予約を取り消すためのボタンである。予約取消ボタン808を押下することにより、予約をキャンセルすることができる。予約をキャンセルすることにより、ユーザには領収金額が返還されてもよい。また、予約を取り消す時期によっては領収金額の一部のみが返還されてもよい。典型的には、予約を取り消した場合にはユーザに特典は付与されない。
【0070】
図6は、表示画面の他の一例を示す図である。この例においては、図5の画面の特典詳細確認ボタン806aを押下することにより図6の画面に遷移するものとする。図6の画面は、特典概要900、価格表示領域902及び明細表示領域904を含む。
【0071】
特典概要900は、典型的には、特典概要806と同様の内容を表示する。
【0072】
価格表示領域902は、イベントの実行時点と、ユーザの予約時点及び予約価格と、基準時点及び基準価格とを表示する。この例においては、「到着日:2022年7月30日、出発日:2022年7月31日」というイベントの実行時点に対して、お客様(「ユーザ」に相当)は2022年7月1日に「10万円」という予約価格でイベントを予約し、同月14日が基準価格の最安日であり、当該基準価格は「6万円」であった旨の表示がされている。
【0073】
明細表示領域904は、ポイントバックの算出に係る情報を表示する。この例においては、予約価格が「10万円」であり、基準価格が「6万円」であったため、ユーザに付与される特典はその差分である「4万円」に相当するポイントである旨が表示されている。
【0074】
<5.ハードウェア構成>
図7を参照して、上述してきた情報処理装置1をコンピュータ70により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0075】
図7に示すように、コンピュータ70は、プロセッサ700と、記憶装置702と、入力I/F704と、データI/F706と、通信I/F708、及び表示装置710を含む。
【0076】
プロセッサ700は、記憶装置702に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ70における様々な処理を制御する。例えば、情報処理装置1の制御部10が備える各機能部等は、記憶装置702に記憶されたプログラムを、プロセッサ700が実行することにより実現可能である。
【0077】
記憶装置702は、例えばRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体である。RAMは、プロセッサ700によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0078】
記憶装置702は、他にも、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶装置702は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。当該各種プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。この他、記憶装置702は、事業者情報等の各種情報を登録するテーブルと、当該テーブルを管理するDBを記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じて記憶装置702にロードされることにより、プロセッサ700から参照される。
【0079】
入力I/F704は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F704の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイスなどが挙げられる。入力I/F704は、例えばUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースを介してコンピュータ70に接続されてもよい。
【0080】
データI/F706は、コンピュータ70の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F706の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置などがある。データI/F706は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F706は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ70へと接続される。
【0081】
通信I/F708は、コンピュータ70の外部の装置と有線または無線により、通信ネットワーク3を介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F708は、コンピュータ70の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F708は、例えばUSBなどのインタフェースを介してコンピュータ70に接続される。
【0082】
表示装置710は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置710の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイなどが挙げられる。表示装置710は、コンピュータ70の外部に設けられてもよい。その場合、表示装置710は、例えばディスプレイケーブルなどを介してコンピュータ70に接続される。また、入力I/F704としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置710は、入力I/F704と一体化して構成することが可能である。
【0083】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0084】
また、上記実施の形態で記載された情報処理装置1が備える構成要素は、記憶装置702に格納されたプログラムがプロセッサ700によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェアまたはファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、または「モジュール」などとも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【0085】
<6.変形例>
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、以下のような場合も本発明に含まれる。
【0086】
上記実施形態においては、情報処理装置1の各種機能は1つの装置により実現されるとして説明したが、これに限られない。例えば、複数の装置が共同して動作することにより情報処理装置1と同様の機能が実現されてもよい。他にも、例えば、情報処理装置1と端末装置2との機能が1つの装置により実現されてもよい。すなわち、情報処理装置1は端末装置であってもよい。
【0087】
―変更部108について―
付与される特典の内容は、上記実施形態の態様に限られない。例えば、情報処理装置1は対象期間の長さに応じて特典を変更する変更部108を備え、変更部108は対象期間が第1所定日数以上の長さである場合には特典を増加させてもよい。他にも、例えば、変更部108は対象期間が第1所定日数より短い第2所定日数以下の長さである場合には特典を減少させてもよい。図8-9を用いて、具体例を説明する。
【0088】
図8は、変更部108が特典を増加させる場合の動作の一例を示す。図8において、予約価格は「10万円」であり、基準価格は「6万円」である。上記実施形態においては、これらの価格の差分である「4万円」に相当するポイントが特典としてユーザに付与される例を説明した。一方で、この例においては、変更部108は対象期間が第1所定日数よりも長い場合、付与される特典を1.5倍に増加させるものとする。すなわち、「4万円」の1.5倍である「6万円」に相当するポイントがユーザに付与される。
【0089】
これにより、早期にイベントを予約するインセンティブを更に増加させ、イベントの実行時点から起算して第1所定日数前までにイベントを予約することをユーザに対して促すことができる。
【0090】
なお、特典の増加量は対象期間の長さに応じて変動してもよい。具体的には、予約時点が早ければ早いほど付与される特典の増加量が大きくなってもよい。例えば、対象期間と第1所定日数が同じ長さである場合には特典を1.5倍に増加させ、対象期間が第1所定日数の2倍長さである場合には特典を2倍に増加させてもよい。
【0091】
図9は、変更部108が特典を減少させる場合の動作の一例を示す。図9において、予約価格は「14万円」であり、基準価格は「6万円」である。上記実施形態においては、これらの価格の差分である「8万円」に相当するポイントが特典としてユーザに付与される例を説明した。一方で、この例においては、変更部108は対象期間が第2所定日数よりも短い場合、付与される特典を0.5倍に減少させるものとする。すなわち、「8万円」の0.5倍である「4万円」に相当するポイントがユーザに付与される。
【0092】
これにより、直前になってイベントを予約することのペナルティを設け、イベントの実行時点から起算して第2所定日数前までにイベントを予約することをユーザに対して促すことができる。
【0093】
なお、特典の減少量は対象期間の長さに応じて変動してもよい。具体的には、予約時点が遅ければ遅いほど付与される特典の減少量が大きくなってもよい。例えば、対象期間と第2所定日数が同じ長さである場合には特典を0.5倍に減少させ、対象期間が第2所定日数の半分長さである場合には特典を0.25倍に減少させてもよい。
【0094】
―需要判定部112について―
上記実施形態においては、イベントの実行時点の需要に関わらず特典を付与すると説明したが、これに限られない。例えば、情報処理装置1は、イベントの実行時点がイベントの需要に関する所定の条件を満たすか否かを判定する需要判定部112を備え、付与部106は、需要判定部112の判定結果に基づいて、ユーザに特典を付与するか否かを決定してもよい。図10用いて、具体例を説明する。
【0095】
図10は、需要判定部112の判定に基づいて特典を付与する動作の一例を示す。この例において、イベントの需要に関する所定の条件とは、イベントの実行時点が需要が低い期間に属していることであるとする。すなわち、イベントの実行時点が需要が低い期間に属していることを条件に、付与部106は特典を付与するものとする。
【0096】
図10において、予約価格は「14万円」であり、基準価格は「6万円」である。上記実施形態においては、これらの価格の差分である「8万円」に相当するポイントが特典としてユーザに付与される例を説明した。一方で、この例においては、イベントの実行時点が年末年始期間(すなわち、需要が高い期間)に属しているため、需要判定部112は否定的な判定をし、付与部106はユーザに特典を付与しない。
【0097】
需要に応じて特典の付与の有無を決定することにより、費用を抑制しつつ、予約状況をコントロールすることが容易になる。例えば、イベントの実行時点がイベントの需要が高い期間に属する場合には、追加でインセンティブを付与しなくてもユーザは早期にイベントの予約を行うため、インセンティブ費用を抑制することができる。一方で、イベントの需要が低い期間については特典を付与することで、当該期間について多くの予約を獲得することができる。
【0098】
―その他の変形例について―
特典は、先着の所定の人数にのみ付与されてもよい。具体的には、特定のイベントの実行時点について予約したユーザが一定数に達した場合、それ以降に当該イベントの予約を行ったユーザに対しては特典が付与されなくてもよい。例えば、2022年7月20日のイベントを予約したユーザが先着の上限である100人に達した場合、101人目に予約したユーザに対しては、仮に当該ユーザの予約価格を下回る基準価格が対象期間内に存在する場合であっても特典を付与しなくてもよい。これにより、早期に予約することをユーザに対してさらに促しつつ、インセンティブ費用をコントロールすることができる。
【0099】
上記実施形態においては、基準時点はイベントの実行時点よりも前である例について説明したが、これに限られない。具体的には、基準時点はイベントの実行時点と同じ時点であってもよい。図11用いて、具体例を説明する。
【0100】
図11は、基準時点がイベントの実行時点と同じ時点である場合の動作の一例を示す。図11において、予約価格は「15万円」であり、基準価格は「6万円」である。すなわち、その差分である「9万円」に相当するポイントがユーザに対して付与される。
【0101】
付与される特典は、所定の上限があってもよい。例えば、特典の付与上限が「2万円」に相当するポイントである場合、予約価格と基準価格の差分が「4万円」であっても「2万円」に相当するポイントをユーザに対して付与されてもよい。
【0102】
上記実施形態においては、イベントは典型的には宿泊施設を利用することであるとして説明したが、これに限られない。イベントは、予約することができるサービスを含む。イベントは、例えば、レストランを利用すること、旅行すること及び公共交通機関を利用すること等であってもよい。
【0103】
上記実施形態においては、特典とは典型的には予約価格と基準価格との差分に応じたポイントであると説明したが、これに限られない。特典は、金銭(又は金銭に相当するもの)、サービス及び商品を含む。特典は、例えば、現金によるキャッシュバック、商品又はサービスとの引換券、アメニティ等であってもよい。
【0104】
また、特典は、予約時点では内容が確定しないものであってもよい。すなわち、特典は、ランダムな要因により決定されるものであってもよい。例えば、上記実施形態においては、特典は予約価格と基準価格によって決定されるところ、基準価格はランダムな価格の推移(図3参照)に基づいて決定されるため、特典はランダムな要因によって決定されるといえる。ランダムな要因によらず決定される特典とは、例えば、イベントの予約をしたユーザ全員に対して一律的に配布されるノベルティや、所定の期間内に予約をすれば必ず付与される定額のポイント等である。なお、ランダムな要因とは、事前に確実な予測をすることはできない要因である。
【0105】
また、イベントが一定の期間に渡る場合には、イベントの実行時点は当該期間内のいつであってもよい。例えば、イベントが宿泊施設の利用である場合、イベントの実行時点はチェックイン時点、チェックアウト時点、滞在中の任意の時点、滞在期間全体及び滞在期間の一部のいずれであってもよい。
【0106】
また、イベントが一定の期間にわたる場合には、予約価格及び基準価格は当該期間に応じた方法により算出されてもよい。例えば、イベントが宿泊施設の連泊や長期利用である場合、予約価格及び基準価格は、滞在期間全体に対する価格であってもよく、滞在期間中の一部に対する価格であってもよい。
【0107】
また、情報を取得することは、外部装置から情報を取得することに限らない。装置が情報を取得することは、当該情報を装置の制御部で使用可能にすることを含む。情報を装置の制御部で使用可能にすることは、例えば、情報を生成すること、情報を算出すること、情報を受信すること、情報の削除を取り消すこと及び情報の入力を受け付けること等である。
【0108】
―プログラムの発明について―
上記実施形態においては、本発明に係る各種機能は情報処理装置1により実現されるとして説明したが、これに限られない。具体的には、各種機能は端末装置2の記憶部に記憶されたプログラムにより実現されてもよい。図12を用いて、端末装置2の制御部30を各種手段として機能させるプログラムの一例について説明する。
【0109】
端末装置2は、制御部30、記憶部32、ネットワークインタフェース部34、入力部36及び出力部38を含み、それぞれはバス40を介して電気的に接続されている。
【0110】
記憶部32は、本発明に係るプログラム(例えば、アプリケーションソフトウェア)を記憶するほか、端末側ユーザ情報DB320、端末側予約情報DB322、端末側価格情報DB324、端末側特典情報DB326及び端末側需要情報DB328を含む。それぞれのDBは、プログラムを動作させるために必要な情報を記憶する。
【0111】
制御部30は、予約受付手段300、予約実行手段302、表示手段304、取得手段306及び通信手段308として機能する。
【0112】
予約受付手段300は、ユーザによるイベントに対する予約操作を受け付ける。この例における予約操作とは、典型的には、ユーザがアプリケーションソフトウェアを介して予約を実行することである。予約操作の入力は、後述する入力部36により受け付ける。
【0113】
予約実行手段302は、受け付けた予約操作に基づいて、予約を実行する。予約を実行することとは、例えば、情報処理装置1に予約に関する情報を送信し、予約を確定させる処理を実行させることである。予約を実行したあと、端末装置2は、情報処理装置1から予約の実行結果に関する応答を取得してもよい。
【0114】
表示手段304は、予約操作に応じて、イベントが予約された旨を表示する。表示とは、例えば、スマートフォン(端末装置2に相当)のディスプレイ上に「予約が確定しました」というメッセージを表示することである。なお、予約操作に応じて所定の情報を表示することは、予約操作の直後に所定の情報を表示することに限られない。予約操作に応じて所定の情報を表示することは、予約操作を行った後に所定の操作を行うことで所定の情報を表示することを含む。例えば、予約実行手段302が予約を実行した後、予約の実行結果を確認するボタン(例えば、予約一覧を表示するためのボタン)が押下されることによってイベントが予約された旨を表示してもよい。表示は、後述する出力部38により出力する。
【0115】
取得手段306は、基準価格が、予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じた特典を取得する。端末装置2が記憶している予約価格及び基準価格に基づいて端末装置2が特典の内容を決定することに加えて、情報処理装置1が決定した特典に関する情報を端末装置2が取得することを含む。すなわち、特典を決定する主体は端末装置2に限られず、情報処理装置1又は他の外部装置であってもよい。また、端末装置2は、特典の決定に係る予約価格及び基準価格に関する情報を記憶していなくてもよい。
【0116】
通信手段308は、ネットワークインタフェース部34を介して情報処理装置1及び他の外部装置との通信を行う。通信を行うことは、外部装置により送信された情報を受け付けることを含む。
【0117】
入力部36は、マイク、キーボード、タッチパネル及びカメラ等を機能させる。出力部38は、液晶画面等の表示機器及びスピーカー等を機能させる。
【0118】
ネットワークインタフェース部34は、通信ネットワーク3を介して、情報処理装置1及び他の外部装置との通信を行う。
【0119】
以上をまとめると、本発明の他の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザによるイベントに対する予約操作を受け付ける予約受付手段300と、予約操作に応じて、イベントが予約された旨を表示する表示手段304と、イベントが予約された予約時点におけるイベントの予約価格からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点が、予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じた特典を取得する取得手段306と、として機能させる。
【0120】
<7.本発明の実施の態様>
本発明には、以下のような実施の態様も含まれる。
【0121】
本発明の一態様に係る情報処理装置1は、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得部100と、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約部102と、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得部104と、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与部106と、を備える。
【0122】
上記態様において、基準時点は、対象期間において予約価格から基準価格を減じた値が最大となる時点であってもよい。
【0123】
上記態様において、情報処理装置1は、対象期間に属する複数の基準時点のそれぞれに対して当該基準時点に対応する基準価格が関連付けられた基準価格リストを記憶する記憶部12、をさらに備え、基準価格取得部104は、基準価格リストに基づいて、基準価格を取得してもよい。
【0124】
上記態様において、付与部106は、対象期間経過後にユーザに特典を付与してもよい。
【0125】
上記態様において、情報処理装置1は、対象期間の長さに応じて特典を変更する変更部108、をさらに備え、変更部108は、対象期間が第1所定日数以上の長さである場合には特典を増加させてもよい。
【0126】
上記態様において、変更部108は、対象期間が第1所定日数より短い第2所定日数以下の長さである場合には特典を減少させてもよい。
【0127】
上記態様において、情報処理装置1は、イベントの実行時点が、イベントの需要に関する所定の条件を満たすか否かを判定する需要判定部112、をさらに備え、
付与部106は、需要判定部112の判定結果に基づいて、ユーザに特典を付与するか否かを決定してもよい。
【0128】
上記態様において、特典に関する情報を対象期間内に表示する表示部110、をさらに備えてもよい。
【0129】
上記態様において、イベントは、宿泊施設を利用することであってもよい。
【0130】
上記態様において、特典は、予約価格と基準価格との差分に応じた数量のポイントであり、ポイントは、ユーザによるイベントの予約に関する支払いに適用可能であってもよい。
【0131】
本発明の他の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータに、ユーザによるイベントに対する予約操作が実行された予約時点におけるイベントの予約価格を取得する予約価格取得ステップと、予約操作に応じて、ユーザに対してイベントを予約する予約ステップと、予約時点からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点におけるイベントの基準価格を取得する基準価格取得ステップと、基準価格が予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じてユーザに対して特典を付与する付与ステップと、を実行させる。
【0132】
本発明の他の一態様に係るプログラムは、コンピュータを、ユーザによるイベントに対する予約操作を受け付ける予約受付手段300と、予約操作に応じて、イベントが予約された旨を表示する表示手段304と、イベントが予約された予約時点におけるイベントの予約価格からイベントの実行時点までの対象期間に属する基準時点が、予約価格より小さい場合、予約価格と基準価格との差分に応じた特典を取得する取得手段306と、として機能させる。
【符号の説明】
【0133】
1 情報処理装置
2 端末装置
10 制御部
12 記憶部
100 予約価格取得部
102 予約部
104 基準価格取得部
106 付与部
108 変更部
110 表示部
112 需要判定部
114 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12