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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003939
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20240109BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H01R13/42 Z
H01R4/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103312
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山上 貴布
(72)【発明者】
【氏名】廣▲瀬▼ 裕樹
【テーマコード(参考)】
5E085
5E087
【Fターム(参考)】
5E085BB02
5E085BB12
5E085CC03
5E085CC09
5E085DD04
5E085HH11
5E085HH27
5E085JJ13
5E087EE06
5E087FF08
5E087FF16
5E087GG17
5E087HH04
5E087LL03
5E087LL04
5E087LL12
5E087MM05
5E087QQ03
5E087QQ04
5E087RR12
5E087RR26
5E087RR49
(57)【要約】
【課題】簡便な構成によりコネクタの接続信頼性を向上させる。
【解決手段】コネクタ10は、電線11と、電線11に接続される端子12と、端子12を収容するハウジング20と、を備え、端子12は、端子本体13と、端子本体13に対して長手方向の一方側に連なって配され、電線11の芯線11Aと超音波溶着により接続される電線接続部14と、電線接続部14における幅方向の両端部から幅方向の外方へと突出する突出部15と、を備え、ハウジング20は、突出部15を受け入れる突出部受け部25を備え、突出部受け部25は、幅方向について突出部15と当接する第1規制壁25Aと、長手方向及び幅方向と直交する高さ方向について突出部15と当接する第2規制壁25Bと、を備え、端子12の幅方向及び高さ方向の移動が規制されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線と、
前記電線に接続される端子と、
前記端子を収容するハウジングと、を備え、
前記端子は、端子本体と、前記端子本体に対して長手方向の一方側に連なって配され、前記電線の芯線と超音波溶着により接続される電線接続部と、前記電線接続部における幅方向の両端部から前記幅方向の外方へと突出する突出部と、を備え、
前記ハウジングは、前記突出部を受け入れる突出部受け部を備え、
前記突出部受け部は、前記幅方向について前記突出部と当接する第1規制壁と、前記長手方向及び前記幅方向と直交する高さ方向について前記突出部と当接する第2規制壁と、を備え、
前記端子の前記幅方向及び前記高さ方向の移動が規制されている、コネクタ。
【請求項2】
前記突出部は、前記端子における前記長手方向の一方側の端部に配されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングには、前記電線が挿通される電線挿通孔が形成され、
前記電線挿通孔の内壁と前記電線との間には、止水部材が配され、
前記突出部受け部は、前記電線挿通孔の内壁よりも前記ハウジングの内方に配されている、請求項1または請求項2に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電源用コネクタに用いられる端子として、従来、特開2015-207388号公報(下記特許文献1)に記載の雌型コンタクトが知られている。この雌型コンタクトは、相手方の雄型コンタクトを受容するソケット部と、電線が接続される端子部と、ソケット部と端子部とを繋ぐ中間部と、を備える。端子部と芯線の接続は例えば超音波溶着によって行われる。
【0003】
中間部は、断面U字状をなすU字部と、U字部の一端側において90°折り曲げられ、ソケット部へと延長された延長部と、を備え、ばね性を有して構成されている。このため、例えば電線が屈曲して端子部に力が加わっても、中間部はその力を吸収し、ソケット部と雄型コンタクトとの接触部分に力が伝わりにくくすることができる。したがって、ソケット部と雄型コンタクトとの接触部分の接触不良を抑制し、接続信頼性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-207388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成では、中間部の幅寸法がソケット部に設けられるばね片の幅寸法より小さく設定されている。これにより、端子に力が加わったとき等に、中間部の方がばね片よりも変形しやすく構成され、ばね片と雄型コンタクトとの擦れが起きにくくなっている。
【0006】
しかしながら、電源用コネクタに用いられる雌型コンタクトには大電流が流れるため、断面積を極力大きくする必要があり、中間部の幅寸法を小さくすることは好ましくない。したがって、上記の構成では、中間部のばね性や幅寸法等について慎重に検討する必要があり、雌型コンタクトの設計が難しい場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のコネクタは、電線と、前記電線に接続される端子と、前記端子を収容するハウジングと、を備え、前記端子は、端子本体と、前記端子本体に対して長手方向の一方側に連なって配され、前記電線の芯線と超音波溶着により接続される電線接続部と、前記電線接続部における幅方向の両端部から前記幅方向の外方へと突出する突出部と、を備え、前記ハウジングは、前記突出部を受け入れる突出部受け部を備え、前記突出部受け部は、前記幅方向について前記突出部と当接する第1規制壁と、前記長手方向及び前記幅方向と直交する高さ方向について前記突出部と当接する第2規制壁と、を備え、前記端子の前記幅方向及び前記高さ方向の移動が規制されている、コネクタである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、簡便な構成によりコネクタの接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
図2図2は、コネクタの分解斜視図である。
図3図3は、コネクタの正面図である。
図4図4は、図3のA-A断面図である。
図5図5は、図3のB-B断面図である。
図6図6は、図4のC-C断面図である。
図7図7は、電線に接続された端子の平面図である。
図8図8は、電線に接続された端子の斜視図である。
図9図9は、ハウジングの背面図である。
図10図10は、ハウジングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
【0011】
(1)本開示のコネクタは、電線と、前記電線に接続される端子と、前記端子を収容するハウジングと、を備え、前記端子は、端子本体と、前記端子本体に対して長手方向の一方側に連なって配され、前記電線の芯線と超音波溶着により接続される電線接続部と、前記電線接続部における幅方向の両端部から前記幅方向の外方へと突出する突出部と、を備え、前記ハウジングは、前記突出部を受け入れる突出部受け部を備え、前記突出部受け部は、前記幅方向について前記突出部と当接する第1規制壁と、前記長手方向及び前記幅方向と直交する高さ方向について前記突出部と当接する第2規制壁と、を備え、前記端子の前記幅方向及び前記高さ方向の移動が規制されている、コネクタである。
【0012】
このような構成によると、端子の突出部が突出部受け部の第1規制壁及び第2規制壁と当接し、端子の移動が規制されるから、例えば電線が屈曲し端子に力が加わった場合等でも、端子の端子本体と相手端子との接続部分に力がかかりにくい。したがって、端子の接続信頼性を向上させることができる。
【0013】
(2)前記突出部は、前記端子における前記長手方向の一方側の端部に配されていることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、突出部が端子における長手方向の一方側の端部に配されるから、端子の端子本体と相手端子との接続部分にさらに力がかかりにくくなる。
【0015】
(3)前記ハウジングには、前記電線が挿通される電線挿通孔が形成され、前記電線挿通孔の内壁と前記電線との間には、止水部材が配され、前記突出部受け部は、前記電線挿通孔の内壁よりも前記ハウジングの内方に配されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、電線挿通孔の内壁よりもハウジングの内方に突出部受け部が配されるから、端子をハウジングに挿入する際、電線挿通孔の内壁が損傷されにくい。よって、止水部材によるシール性を担保しやすい。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0018】
<実施形態>
本開示の実施形態について、図1から図10を参照しつつ説明する。本実施形態のコネクタ10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車のバッテリと車載用電気機器との接続等に用いられる。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。本実施形態では、前後方向は長手方向の一例、左右方向は幅方向の一例、上下方向は高さ方向の一例である。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0019】
[コネクタ]
本実施形態にかかるコネクタ10は、図2に示すように、電線11と、電線11に接続される端子12と、端子12を収容するハウジング20と、ハウジング20に装着されるシールリング30と、シールリング30を保持するためのフロントホルダ40と、電線11に装着されるゴム栓50と、ゴム栓50を保持するためのリアホルダ60と、を備える。
【0020】
[電線]
電線11は、大電流用の太径の電線11(いわゆる太物電線)であり、芯線11Aと、芯線11Aを覆う絶縁被覆11Bと、を備える。芯線11Aは、例えば銅、アルミニウム、アルミニウム合金等から構成されている。芯線11Aは、単線の他、複数線が略平行に束ねられたものや、複数線を撚り合わせたものとされている。
【0021】
[端子]
端子12は、銅等の金属板材を打ち抜き、曲げ加工等することで形成されている。端子12は、端子本体13と、端子本体13の長手方向の一方側(後方)に連なる電線接続部14と、を備える。端子本体13は角筒状の接続筒部13Aとされている。
【0022】
本実施形態の端子12は大電流用である。図4に示すように、端子12は、第1板材と、第1板材よりも薄い第2板材と、を用いて形成されている。第1板材は端子12の長手方向に延びており、接続筒部13Aの下側に配される壁部と、電線接続部14と、後述する突出部15(図8参照)と、を構成している。第1板材は分厚く、断面積が大きいため、大電流が流れる主要な伝導経路とされている。第2板材は、第1板材に組み付けられており、第1板材とともに接続筒部13Aを構成している。第2板材は、弾性変形可能な部材(後述する弾性接触片13B及びターミナルランス13C)を形成するために用いられている。
【0023】
図4に示すように、接続筒部13Aの内部には弾性接触片13Bが設けられている。接続筒部13Aの内部に挿入された相手端子(図示せず)が弾性接触片13Bに接触することにより、端子12と相手端子とが電気的に接続されるようになっている。接続筒部13Aは接続筒部13Aの外面から外方に突出する2つのターミナルランス13Cを有する。詳細には、接続筒部13Aは接続筒部13Aの上側の外面から上方に突出するターミナルランス13Cと、接続筒部13Aの下側の外面から下方に突出するターミナルランス13Cと、を備える。ターミナルランス13Cは後述するハウジング20の係止部23Aと係止するようになっている。
【0024】
[電線接続部]
電線接続部14は、接続筒部13Aの下側の壁部から後方に延びて設けられている。電線接続部14は、高さ方向に扁平な板状をなしている。図7に示すように、電線接続部14は、端子本体13と比較して幅方向に幅広となっている。電線接続部14は、電線11の芯線11Aと超音波溶着により接続されている。
【0025】
[突出部]
図7及び図8に示すように、端子12は、電線接続部14の幅方向の両端部から幅方向の外方に突出する突出部15を備える。詳細には、端子12は電線接続部14の左端部から左方に突出する突出部15と、電線接続部14の右端部から右方に突出する突出部15と、を備える。突出部15は、端子12の長手方向の一方側の端部(後端部)に配されている。突出部15は、後述するハウジング20の突出部受け部25に嵌り込むようになっている(図6参照)。
【0026】
[ハウジング]
ハウジング20は、絶縁性の合成樹脂から構成されている。図4に示すように、ハウジング20は、ハウジング本体21と、ハウジング本体21の外側を覆うフード部22と、を備える。また、ハウジング20は、フード部22が相手コネクタ(図示せず)に外側から嵌合した状態で相手コネクタに係止する嵌合ロック部20Aを備える。ハウジング20における嵌合ロック部20Aの後方には嵌合検知部材20Bが組み付けられており、嵌合検知部材20Bによってコネクタ10と相手コネクタとの正規嵌合を検知できるようになっている。
【0027】
図4及び図5に示すように、ハウジング本体21の前側部分は、端子12を収容する端子収容部23となっている。端子収容部23は前方に開口している。フード部22は端子収容部23から外方に拡径し、前方に延びている。ハウジング本体21の後側部分には、前後方向に延びる電線挿通孔24が設けられている。電線挿通孔24は、端子収容部23の内部と連通し、後方に開口している。
【0028】
図4に示すように、端子収容部23の前側部分には、接続筒部13Aが配されている。端子収容部23の前側部分には、接続筒部13Aに設けられるターミナルランス13Cと対応する位置に係止部23Aが設けられている。係止部23Aがターミナルランス13Cに対して後方から当接することで、端子12が端子収容部23において後方に抜け止めされている。
【0029】
フード部22内に配される端子収容部23には、環状をなすシールリング30が装着されている。シールリング30の内周面は端子収容部23の外周面に密着している。シールリング30は、端子収容部23の外周面に設けられるシールリング押さえ部23Bにより後方から押さえられている。また、シールリング30は前方からフロントホルダ40に押さえられている。シールリング30の外周面には、複数のリップ31が外周に沿って環状をなして突設されている。コネクタ10と相手コネクタ(図示せず)とが嵌合した状態で、複数のリップ31は相手コネクタの相手フード部の内周面に密着するようになっている。これにより、コネクタ10と相手コネクタとの間がシールされる。
【0030】
フロントホルダ40は、絶縁性の合成樹脂製であって、キャップ状をなしている。図2に示すように、フロントホルダ40は、基壁41と、基壁41の外縁部から後方に延びる周壁42と、を備える。図3に示すように、基壁41には相手端子が進入可能な開口41Aが設けられている。図5に示すように、フロントホルダ40は、端子収容部23に対して外側から嵌合するようになっている。フロントホルダ40は、周壁42の内周面から内方に突出する2つのロック突起43を備える。端子収容部23の外周面には、ロック突起43に対応する位置にロック凹部23Cが設けられている。ロック凹部23Cとロック突起43とが係止することにより、フロントホルダ40が端子収容部23から前方に抜けないようになっている。
【0031】
[突出部受け部]
端子収容部23の後側部分には、電線接続部14、及び電線接続部14に超音波溶着された電線11の芯線11Aが配されている。図10に示すように、端子収容部23の後側部分には、突出部受け部25が溝状をなして形成されている。図9に示すように、突出部受け部25は左右に2つ配されている。
【0032】
図6に示すように、突出部受け部25の内部には突出部15が配されるようになっている。突出部受け部25は、幅方向について突出部15と当接する第1規制壁25Aと、高さ方向について突出部15と当接する第2規制壁25Bと、を備える。詳細には、左側に配される突出部受け部25は、左側の突出部15の左面に当接する第1規制壁25Aと、左側の突出部15の上面及び下面に当接する第2規制壁25Bと、を備える。右側に配される突出部受け部25は、右側の突出部15の右面に当接する第1規制壁25Aと、右側の突出部15の上面及び下面に当接する第2規制壁25Bと、を備える。
【0033】
突出部受け部25内に突出部15が配された状態では、幅方向について突出部15と第1規制壁25Aとが当接し、高さ方向について突出部15と第2規制壁25Bとが当接する。これにより、電線11が屈曲して電線接続部14に力がかかった場合等でも、電線接続部14、ひいては端子12の幅方向及び高さ方向における移動が規制される。したがって、端子12と相手端子との接続部分に力が加わることが抑制されるから、コネクタ10の接続信頼性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態では、図5に示すように、突出部15は端子12の後端部に配されているから、幅方向及び高さ方向について端子12は後端部において端子収容部23に支持される。このため、端子12に対して後側に配される電線11が屈曲した場合に、端子12の前側に配される端子本体13が、突出部15を支点として幅方向及び高さ方向に大きく揺動することを抑制することができる。したがって、コネクタ10の接続信頼性をさらに向上させることができる。
【0035】
図4に示すように、端子収容部23の後方には電線挿通孔24の内壁が連なっている。電線挿通孔24の内壁の前側部分は、後方に向かうほど上方に位置して傾斜している。端子収容部23の後側部分から電線挿通孔24の内壁の前側部分にかけて、電線11の芯線11Aが配されている。
【0036】
図10に示すように、電線挿通孔24の内壁の後側部分は円筒状をなしている。電線挿通孔24の内壁の後側部分には、ゴム栓押さえ部24Aが電線挿通孔24の内方に突出して複数設けられている。図4に示すように、電線挿通孔24の後側部分には電線11の絶縁被覆11Bが配されている。電線11には環状をなすゴム栓50(止水部材の一例)が装着されている。ゴム栓50の内周面は電線11の絶縁被覆11Bの外周面に密着している。ゴム栓押さえ部24Aの後端部はゴム栓50に対して前方から当接するようになっている。また、図5に示すように、ゴム栓50は後方からリアホルダ60に押さえられている。ゴム栓50の外周面には、複数のリップ51が外周に沿って環状をなして突設されている。複数のリップ51は電線挿通孔24の内壁に密着している。これにより、電線挿通孔24の内壁と電線11との間がシールされる。
【0037】
リアホルダ60は、絶縁性の合成樹脂製であって、キャップ状をなしている。リアホルダ60は、基壁61と、基壁61の外縁部から前方に延びる周壁62と、を備える。基壁61には、電線11を挿通するための開口61Aが設けられている。リアホルダ60は、ハウジング本体21の後端部に対して外側から嵌合するようになっている。図2に示すように、リアホルダ60の周壁62には、門形状のロック受け部63が設けられている。ハウジング本体21の外周面には、ロック受け部63に対応する位置にロック部21Aが設けられている。図1に示すように、ロック部21Aとロック受け部63とが係止することにより、リアホルダ60がハウジング本体21から後方に抜けないようになっている。
【0038】
本実施形態では、図10に示すように、突出部受け部25は、電線挿通孔24の内壁よりもハウジング20の内方に配されている。そして、図6に示すように、突出部15は突出部受け部25の内部に配される。これにより、端子12がハウジング20の後方から電線挿通孔24に挿入される際、電線挿通孔24の内壁が突出部15と接触して損傷することが抑制される。よって、ゴム栓50による電線11と電線挿通孔24の内壁の間のシール性を担保することができる。
【0039】
[実施形態の作用効果]
実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
実施形態にかかるコネクタ10は、電線11と、電線11に接続される端子12と、端子12を収容するハウジング20と、を備え、端子12は、端子本体13と、端子本体13に対して長手方向の一方側(後方)に連なって配され、電線11の芯線11Aと超音波溶着により接続される電線接続部14と、電線接続部14における幅方向(左右方向)の両端部から幅方向の外方へと突出する突出部15と、を備え、ハウジング20は、突出部15を受け入れる突出部受け部25を備え、突出部受け部25は、幅方向について突出部15と当接する第1規制壁25Aと、長手方向及び幅方向と直交する高さ方向(上下方向)について突出部15と当接する第2規制壁25Bと、を備え、端子12の幅方向及び高さ方向の移動が規制されている。
【0040】
このような構成によると、端子12の突出部15が突出部受け部25の第1規制壁25A及び第2規制壁25Bと当接し、端子12の移動が規制されるから、例えば電線11が屈曲し端子12に力が加わった場合等でも、端子12の端子本体13と相手端子との接続部分に力がかかりにくい。したがって、端子12の接続信頼性を向上させることができる。
【0041】
実施形態では、突出部15は、端子12における長手方向の一方側の端部に配されている。
【0042】
このような構成によると、突出部15が端子12における長手方向の一方側の端部に配されるから、端子12の端子本体13と相手端子との接続部分にさらに力がかかりにくくなる。
【0043】
実施形態では、ハウジング20には、電線11が挿通される電線挿通孔24が形成され、電線挿通孔24の内壁と電線11との間には、止水部材(ゴム栓50)が配され、突出部受け部25は、電線挿通孔24の内壁よりもハウジング20の内方に配されている。
【0044】
このような構成によると、電線挿通孔24の内壁よりもハウジング20の内方に突出部受け部25が配されるから、端子12をハウジング20に挿入する際、電線挿通孔24の内壁が損傷されにくい。よって、止水部材によるシール性を担保しやすい。
【0045】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態では、端子12は雌型端子であったが、これに限られることはなく、例えば端子は雄型端子でもよい。
(2)上記実施形態では、コネクタ10はシールリング30やゴム栓50を有する防水コネクタであったが、これに限られることはなく、コネクタは防水コネクタでなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
10: コネクタ
11: 電線
11A: 芯線
11B: 絶縁被覆
12: 端子
13: 端子本体
13A: 接続筒部
13B: 弾性接触片
13C: ターミナルランス
14: 電線接続部
15: 突出部
20: ハウジング
20A: 嵌合ロック部
20B: 嵌合検知部材
21: ハウジング本体
21A: ロック部
22: フード部
23: 端子収容部
23A: 係止部
23B: シールリング押さえ部
23C: ロック凹部
24: 電線挿通孔
24A: ゴム栓押さえ部
25: 突出部受け部
25A: 第1規制壁
25B: 第2規制壁
30: シールリング
31: リップ
40: フロントホルダ
41: 基壁
41A: 開口
42: 周壁
43: ロック突起
50: ゴム栓
51: リップ
60: リアホルダ
61: 基壁
61A: 開口
62: 周壁
63: ロック受け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10