(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039399
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】蓄電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 15/00 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
H02J15/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022143923
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松隈 正樹
(72)【発明者】
【氏名】笠井 一徳
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大輔
(57)【要約】
【課題】充放電効率に優れた蓄電システムを提供する。
【解決手段】等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物10の下部に設置された水槽12と、前記構造物10の上部に設置された圧力容器14と、前記水槽12内の水を前記圧力容器14に揚水する揚水ポンプ18と、前記圧力容器14内の気体を等温圧縮する圧縮機構20とを備え、前記揚水ポンプ18への入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、
構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電することを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、
構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記構造物の上部に設置された蓄圧用圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記蓄圧用圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電することを特徴とする蓄電システム。
【請求項3】
前記圧力容器または前記蓄圧用圧力容器の少なくとも一方は、前記構造物の高さ方向に配置された少なくとも一本の管体で構成されることを特徴とする請求項2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記圧力容器内の水は、前記構造物に備わる空調機の空調用冷水として使用されることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の蓄電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高層ビルなどにおける蓄電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルに太陽光発電設備を組み込み、自家消費として安定した電力供給を目論む場合、蓄電が必要となる。この目的のため、リチウム電池、燃料電池など多くの種類の蓄電池が検討されてきたが、耐久寿命年数、高価格、蓄電池の種類によっては充放電効率の低さなどの理由から普及が進んでいない。
【0003】
一方、従来のヒートポンプ技術として、CAES(圧縮空気エネルギー貯蔵)技術を利用したものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、揚水式発電所を都市内に実現するための検討を進めてきた。この結果、下池から上池へ揚水する機能を踏襲しつつ、都市における物理的貯水量の制限を考慮して、位置エネルギーを加圧空気エクセルギーに代替し、充電電力を主に高圧圧縮空気として蓄圧するとともに、蓄圧した水を位置エネルギーとしても利用可能な充放電効率に優れた本発明を考案するに至った。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る蓄電システムは、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る他の蓄電システムは、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記構造物の上部に設置された蓄圧用圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記蓄圧用圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力とを圧力水頭および位置水頭として蓄電することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る他の蓄電システムは、上述した発明において、前記圧力容器または前記蓄圧用圧力容器の少なくとも一方は、前記構造物の高さ方向に配置された少なくとも一本の管体で構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る他の蓄電システムは、上述した発明において、前記圧力容器内の水は、前記構造物に備わる空調機の空調用冷水として使用されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る蓄電システムによれば、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するので、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記構造物の上部に設置された蓄圧用圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記蓄圧用圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するので、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することができるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、前記圧力容器または前記蓄圧用圧力容器の少なくとも一方は、前記構造物の高さ方向に配置された少なくとも一本の管体で構成されるので、圧力容器または蓄圧用圧力容器の少なくとも一方をビルなどの構造物に容易に組み込むことができるという効果を奏する。
【0014】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、前記圧力容器内の水は、前記構造物に備わる空調機の空調用冷水として使用されるので、圧力容器のコンパクト化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明に係る蓄電システムの実施の形態1を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明に係る蓄電システムの実施の形態2を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明に係る蓄電システムの実施の形態3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る蓄電システムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1に係る蓄電システム100は、等温圧縮した空気(気体)を媒体として用いる蓄電システムであって、ビル10(構造物)の最下階(下部)に設置された水槽12と、ビル10の最上階(上部)に設置された加圧タンク14(圧力容器)と、水槽12内の水を揚水管16を通じて加圧タンク14に揚水する揚水ポンプ18と、加圧タンク14内の空気を等温圧縮する圧縮機構20とを備え、揚水ポンプ18への入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するものである。
【0018】
加圧タンク14には、給水管22の上端と、循環配管24の両端が接続している。給水管22の下端は、ビル最下階近くに設けた小水力発電水車26を経て水槽12に接続している。小水力発電水車26の上流の給水管22には、発電制御用の制御弁28が設けられている。循環配管24には、水ポンプ30および冷凍機32が設けられており、水ポンプ30で加圧水を冷凍機38に供給冷却が可能である。また、加圧タンク14には、空気ブロアーなどの低圧の空気圧縮機34が接続可能である。循環配管24、水ポンプ30、冷凍機32、空気圧縮機34および揚水ポンプ18は、本発明の圧縮機構20として機能する。
【0019】
ビル10内には、居室36と、居室36用の空調機38が複数備わっている。空調機38は、筐体40内に収容した熱交換器42に接続される冷水配管44と、筐体40内から居室36に向けて空調空気を吹き出す吹き出し口46を備えている。冷水配管44の入口側は二方弁48を介して給水管22の上流側と接続している。冷水配管44の出口側は還水管50に接続し、還水管50は給水管22の下流側に接続している。
【0020】
なお、本実施の形態1では、9階建てビルを利用した50kWh程度の都市型揚水発電設備を想定し、水槽12の容積は50m3程度、加圧タンク14の容積は25m3程度を想定している。また、揚水ポンプ18は複数台を用いるものとし、全揚程は230m程度を想定している。
【0021】
次に、上記の蓄電システム100の動作および作用について説明する。
<充電工程>
充電工程では、最下階の水槽12に貯えた水を複数台の揚水ポンプ18で汲み上げ、最上階の加圧タンク14に給水する。これにより、最上階と最下階の高低差を充電電力用の位置水頭として利用することが可能となる。また、揚水ポンプ18で加圧タンク14に給水することにより、加圧タンク14内の空気を等温圧縮し、加圧タンク14内の媒体の体積を空気から加圧水に変換して、揚水ポンプ18への入力電力を加圧タンク14内の圧縮空気による圧力水頭と、水槽12に対する位置水頭として蓄電する。
【0022】
加圧タンク14内の空気の圧縮は、圧縮比範囲に応じて、次のように2段階に分けて行ってもよい。
【0023】
・低圧縮比範囲
大気圧からの空気圧縮で圧縮電力に等温圧縮と断熱圧縮で消費電力差の少ない低圧縮比範囲0.1~0.2MPaGでは、空気圧縮機34で大気圧の空気を断熱圧縮する。
【0024】
・高圧縮比範囲
低圧縮圧力比範囲以上の高圧縮比範囲では、加圧タンク14内の加圧水に圧縮熱を吸収させ、等温圧縮を可能とする。
【0025】
加圧水として、居室36用の空調機38の空調用冷水(5~7℃程度)を利用する。このようにすれば、加圧タンク14内の空気温度との温度差を拡大して利用することが可能となる。これにより、加圧タンク14のコンパクト化を図ることができる。
【0026】
<放電工程>
放電工程では、上記の充電工程で給水された加圧タンク14内の加圧水を給水管22から小水力発電水車26に供給し、水力発電を行う。例えば加圧水の圧力が3MPaGの場合、最大落差300m相当の水力発電と同程度の発電が可能となる。通常の水力発電との違いは、発電中、圧縮空気の圧力が徐々に低下し、それに連れて圧力水頭が低下するため、平均水頭が圧力水頭の半分程度の発電出力と同等の発電出力となることである。発電時間は加圧タンク容量に比例する。
【0027】
加圧タンク14は、ビル10の高さを利用した縦型の管体で構成してもよい。例えば、一定径の鋼管などをビル10の最下階から最上階までビル構造物に複数組み込む形で構成してもよい。ビル10の高さを利用すれば、加圧タンク14の容積を効果的に確保することができる。例えば9階建てビルで2m径鋼管4本で、300m3弱の加圧タンク14の確保が可能となる。このようにすれば、BEMS(Building Energy Management System:ビルエネルギー管理システム)の中に1MW以上の蓄電機能を組み込むことが可能である。
【0028】
この蓄電システム100をBEMSに組み込むことにより、理論充放電効率75~81%程度の揚水発電並み以上の高い充放電効率性能を持つ蓄電システムを実現することができ、都市型揚水発電所としての機能をBEMSに組み込むことが可能である。したがって、本実施の形態1によれば、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することができる。
【0029】
また、本実施の形態1は、蓄電機能を持たせることにより、ビル消費電力のピークカットが可能である。すなわち、ビル10の最大消費電力時間帯に蓄電電力を放電することにより1日の時間当たり系統電力購入量を平準化することが可能となり、契約電力の引き下げが可能となる。
【0030】
また、本実施の形態1は、ビル10にBCP(事業継続計画)機能を持たせることが可能である。すなわち、停電など非常時に、加圧タンク14のサイジングによっては、50kW24時間、25kW二日間の給電も可能となり、非常時の災害対策に強いビルとすることが可能となる。
【0031】
また、本実施の形態1は、ビル組み込み太陽光発電電力の蓄電・電力の安定化を図ることができる。近年、ビル外装一体化発電パネル、発電機能付き窓などの活用が始まっており、耐久性があってビル自体が電力貯蔵機能を有するBEMSは今後伸長すると思われ、耐久寿命に優れ、高効率な等温CAESを組み込んだBEMSはビル機能に大きな効果を生むものと期待される。
【0032】
太陽光発電電力の蓄電電力は、冷暖房HPの運転電力に使用して冷水槽、温水槽に畜水することで冷熱・温熱として蓄熱し、ビルの冷熱・温熱需要時間帯に併せ熱利用が可能となる。
【0033】
また、本実施の形態1は、自然媒体のみによる蓄電システムを実現できる。すなわち、蓄電媒体として希少金属や高圧水素ガスなどを使用せず、空気と水のみを循環使用して蓄電するシステムとし、資源の消費をしないシステムとしていることから、希少金属を必要とする2次電池に対し、廃棄コスト、対環境性において勝る。
【0034】
また、本実施の形態1は、既存のBEMSとの一体化が可能である。すなわち、単独で蓄電池を追加設置するのではなく、既存のBEMSが保有する冷水槽、温水槽、HPシステムと相互に組み合わせたシステムで構成し、高い充放電効率を持つ蓄電システムを実現することができる。
【0035】
また、本実施の形態1は、高充放電効率を実現できる。すなわち、蓄電媒体として大気を高圧に等温圧縮し、蓄圧エクセルギーの等温大気解放により発電するシステムにより、従来の断熱CAESの充放電効率50~55%を、75~81%のような高効率に向上することが可能である。2次電池、揚水発電に対しても同等の充放電効率とすることが可能である。
【0036】
また、本実施の形態1は、高耐久寿命を実現できる。蓄電システムを構成する機器は、加圧タンク14(または蓄圧エアタンク)、揚水ポンプ18、水車26、空気圧縮機34で構成され、いずれも30~40年の機器寿命を有し、7~15年の2次電池に対し優位である。
【0037】
また、本実施の形態1は、安全性に優れている。すなわち、可燃性、爆発性のある物質は使用せず、リチウム電池のように火災、爆発の危険性が無い。
【0038】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図2に示すように、本実施の形態2に係る蓄電システム200は、上記の実施の形態1において、加圧タンク14の代わりに、加圧水タンク52(圧力容器)と、蓄圧エアタンク54(蓄圧用圧力容器)を個別に設けたものである。加圧水タンク52と蓄圧エアタンク54は図示しない連通管および制御弁で連通可能である。加圧水タンク52の容積は10m
3程度を想定している。蓄圧エアタンク54は、例えば6本の鋼管(450A)をビル10の高さ方向に並列に配置して構成される。鋼管は互いに連通している。蓄圧エアタンク54は、低圧の空気圧縮機34とプレート熱交換器56に接続している。
【0039】
充電工程では、最下階の水槽12に貯えた水を複数台の揚水ポンプ18で汲み上げ、最上階の加圧水タンク52に給水する。加圧水タンク52と蓄圧エアタンク54を連通状態にすると、加圧水タンク52への給水により蓄圧エアタンク54内の空気を等温圧縮し、揚水ポンプ18への入力電力を蓄圧エアタンク54内の圧縮空気による圧力水頭と、加圧水タンク52内の加圧水の位置水頭として蓄電する。放電工程では、上記の充電工程で給水された加圧水タンク52内の加圧水を給水管22から小水力発電水車26に供給し、水力発電を行う。したがって、本実施の形態2によっても、上記の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図3に示すように、本実施の形態3に係る蓄電システム300は、上記の実施の形態2において、加圧水タンク52の一部を縦型の鋼管58で構成したものである。鋼管58は、例えば2本の鋼管(200A)で構成することができる。鋼管58はビル10の高さ方向に並列に配置して構成される。鋼管58は互いに連通している。このようにしても、上記の実施の形態2と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
以上説明したように、本発明に係る蓄電システムによれば、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するので、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することができる。
【0042】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、等温圧縮した気体を媒体として用いる蓄電システムであって、構造物の下部に設置された水槽と、前記構造物の上部に設置された圧力容器と、前記構造物の上部に設置された蓄圧用圧力容器と、前記水槽内の水を前記圧力容器に揚水する揚水ポンプと、前記蓄圧用圧力容器内の気体を等温圧縮する圧縮機構とを備え、前記揚水ポンプへの入力電力を圧力水頭および位置水頭として蓄電するので、充放電効率に優れた蓄電システムを提供することができる。
【0043】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、前記圧力容器または前記蓄圧用圧力容器の少なくとも一方は、前記構造物の高さ方向に配置された少なくとも一本の管体で構成されるので、圧力容器または蓄圧用圧力容器の少なくとも一方をビルなどの構造物に容易に組み込むことができる。
【0044】
また、本発明に係る他の蓄電システムによれば、前記圧力容器内の水は、前記構造物に備わる空調機の空調用冷水として使用されるので、圧力容器のコンパクト化を図ることができる。
【0045】
なお、2015年9月の国連サミットにおいて採択された17の国際目標として「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)」がある。本実施の形態に係る蓄電システムは、このSDGsの17の目標のうち、例えば「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標などの達成に貢献し得る。
【産業上の利用可能性】
【0046】
以上のように、本発明に係る蓄電システムは、BEMSなどに組み込む蓄電システムに有用であり、特に、充放電効率を高めるのに適している。
【符号の説明】
【0047】
10 ビル(構造物)
12 水槽
14 加圧タンク(圧力容器)
16 揚水管
18 揚水ポンプ
20 圧縮機構
22 給水管
24 循環配管
26 小水力発電水車
28 制御弁
30 水ポンプ
32 冷凍機
34 空気圧縮機
36 居室
38 空調機
40 筐体
42 熱交換器
44 冷水配管
46 吹き出し口
48 二方弁
50 還水管
52 加圧水タンク(圧力容器)
54 蓄圧エアタンク(蓄圧用圧力容器)
56 プレート熱交換器
58 鋼管
100~300 蓄電システム