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特開2024-39438制御ケース及びこれを備える魚釣用電動リール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039438
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】制御ケース及びこれを備える魚釣用電動リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/017 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144009
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】松野 圭佑
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108GA35
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることができる制御ケース及びこれを備える電動リールを提供する。
【解決手段】魚釣用電動リールのための制御ケースであって、電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、リール本体の上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備え、前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、リール本体の上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備える魚釣用電動リールのための制御ケースであって、
前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、
該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされることを特徴とする制御ケース。
【請求項2】
前記カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能な表示部をさらに備える、請求項1に記載の制御ケース。
【請求項3】
前記カバー部材又は前記上部ケースのいずれか一方に環状凸部を、他方に環状凹部を設けた、請求項1に記載の制御ケース。
【請求項4】
前記環状凸部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる、請求項3に記載の制御ケース。
【請求項5】
前記環状凹部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる、請求項3に記載の制御ケース。
【請求項6】
リール本体と、
電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、前記リール本体上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能なスイッチ操作部と、を備える制御ケースと、
を備える魚釣用電動リールであって、
前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、
該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされることを特徴とする魚釣用電動リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御ケース及びこれを備える魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、制御ケースを備える魚釣用電動リールとして様々なものが知られている。
【0003】
魚釣用電動リールのカウンタケースとして、例えば、特許文献1では、リール本体に回転自在に装着された釣り糸巻き取り用のスプールをブラシレスモータで駆動する電動リールのカウンタケースであって、第1搭載部と、該第1搭載部と隣接して配置された第2搭載部と、を有し、少なくとも一部が金属製であり、該リール本体に固定されるケース本体と、該第1搭載部に搭載された回路基板と、該回路基板に電気的に接続され該第2搭載部に搭載される複数のコンデンサと、該回路基板に搭載された水深表示用の液晶表示部と、該回路基板に搭載され、該ブラシレスモータ及び該液晶表示部を制御するリール制御部と、を備えた電動リールのカウンタケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-200124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなカウンタケースを備える電動リールでは、スイッチ操作部の外周は、僅かな間隙を以て上ケースとカバー部材の貫通孔の内周に挿通されるところ、このような貫通孔の上ケースに対するカバー部材の同芯度に係る精度が低いと、押圧操作後に同芯度のズレによる摩擦抵抗の影響により、スイッチ操作部が戻り難くなって、スイッチ機能のトラブルに発展してしまうという問題があった。これは、汚れ(異物、魚のヌメリ等)が付着し易い釣用リールのスイッチ操作部に特に発生する傾向にあることも判っている。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スイッチ操作部を挿通する上ケースとカバー部材との貫通孔同士が同心円となるに位置決め機構を設け、上ケースとカバー部材との同芯度ズレに起因するスイッチ操作部への摩擦抵抗の影響によるスイッチ機能のトラブルを回避し、安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることができる制御ケース及びこれを備える電動リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケースは、電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、リール本体の上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備え、前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされる。
【0008】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケースは、前記カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能な表示部をさらに備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケースは、前記カバー部材又は前記上部ケースのいずれか一方に環状凸部を、他方に環状凹部を設けるように構成される。
【0010】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケースにおいて、前記環状凸部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケースにおいて、前記環状凹部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる。
【0012】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールは、リール本体と、電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、前記リール本体上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備える制御ケースと、を備え、前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされる。
【発明の効果】
【0013】
上記実施形態によれば、スイッチ操作部を挿通する上ケースとカバー部材との貫通孔同士が同心円となるよう凹凸嵌合部で位置決めする構成を採用することで、同芯度のズレに起因する摩擦抵抗の影響によるスイッチ機能のトラブルを回避し、安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることができる制御ケース及びこれを備える電動リールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)本発明の一実施形態に係る電動リールの上面図である。(b)本発明の一実施形態に係る電動リールの正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電動リールの内部構造を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電動リールにおける制御ケースの凹凸嵌合構造を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電動リールにおける制御ケースの凹凸嵌合構造を説明する拡大図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電動リールにおける制御ケースのケース本体を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電動リールにおける制御ケースのカバー部材を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る魚釣用電動リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0016】
まず、図1、2を参照して、本発明の一実施形態に係る電動リール(魚釣用電動リール)1の基本構成について説明する。図示のように、電動リール1は、スプール2に釣糸を巻き取り、スプール2から釣糸が放出可能な状態と不能な状態とを切り替え、釣糸に設定値以上の張力をかけるとスプール2が空転する(ドラグ機能)ようにし、また、閾値張力を設定し、仕掛け落下時又はキャスト(投擲)時のバックラッシュを防止するための制動力を調整することができる。
【0017】
図1、2に示すように、電動リール1は、左右に離間して配置される左右フレーム3a,3bと、左右フレーム3a,3bを覆う側板4a,4bと、を有するリール本体10を備えている。左右フレーム3a,3b間には、スプール2、モータ(電動モータ)5、減速機構6及び制御ケース7が設けられる。ここで、制御ケース7、及びカバー部材15、スイッチ操作部16、表示部19等の詳細については後述する。右側のフレーム3bと右側の側板4bとには、ハンドル軸8が回転自在に支持されており、その端部に操作部(ハンドル)9が取着されている。
【0018】
左右フレーム3a,3bは、リール本体10の骨格をなす部分であり、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限られない。左右フレーム3a,3bは、複数の図示しない支柱を介して一体化されている。また、左右フレーム3a,3bの前部側には、モータ5、減速機構6が収容されている。
【0019】
スプール2は、モータ5の回転駆動によって、減速機構6等を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。減速機構6は、右フレーム3b側に設けられており、モータ5の出力を減速する。電動リール(魚釣用電動リール)1の基本構成についてこれ以上の詳細は省略する。
【0020】
次に、図2及び3を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1について説明する。本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1は、リール本体10と、電動リール1の制御のための電気部品11と、下部ケース13と上部ケース14とを有し、該リール本体10上部に配置されかつ該電気部品11が内蔵されるケース本体12と、該上部ケース14の上側に取付けられるカバー部材15と、該カバー部材15から一部が露出する又は該カバー部材15の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部16と、を備える制御ケース7と、を備え、該カバー部材15は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔17を有し、該上部ケース14は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔18を有し、該第1の貫通孔17と該第2の貫通孔18との同芯性を確保するため、該カバー部材15と該上部ケース14とは凹凸嵌合部(凹凸係合部)20により位置決め可能にされる。図3に示す例で言えば、カバー部材15の凹凸部20aと、上部ケース14の凹凸部20bとを指し、カバー部材15の凹凸部20aの凹部と上部ケース14の凸部とを係合し、カバー部材15の凹凸部20aの凸部と上部ケース14の凹凸部20bの凹部とを係合するようにされているが、この態様に限定されず、様々な凹凸嵌合部(凹凸係合部)20の態様が考えられる(本明細書を通じて同様である)。ここで、本明細書において、第1の貫通孔17及び第2の貫通孔18の延伸方向に垂直な面でみた断面形状は、円形状が想定されるが、その他、楕円形状、又は多角形状等であってもよく、特定の形状に限定されることを意図するものではない(本明細書を通じて同様とする)。これは、スイッチ操作部16の同断面形状についても同様である。また、該カバー部材15及び該上部ケース14に設ける凹凸嵌合部(凹凸係合部)20の位置は本質的には任意に設定可能であるが、スイッチ操作部16に対して同心上に円形状で設けることが望ましい。その理由は、特に、ラバー状のスイッチ部材の円筒部とその周囲の貫通穴の同心を確保しやすくするためである。例えば、勘合部を貫通穴と非同軸に設定した場合、貫通穴から勘合部までの、スイッチ軸から直角方向の寸法値のばらつきも累積してしまうため、同軸に配置した場合とに比較して確保しにくい。
【0021】
本発明の一実施形態に係る電動リール1によれば、スイッチ操作部を挿通する上ケースとカバー部材との貫通孔同士が同心円となるよう凹凸嵌合部で位置決めできる構成を採用することで、同芯度のズレに起因する摩擦抵抗の影響によるスイッチ機能のトラブルを回避し、安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることが可能となる。
【0022】
また、図2及び図3ないし6に示すように、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7について説明する。本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7は、電動リール1の制御のための電気部品11と、下部ケース13と上部ケース14とを有し、電動リール1のリール本体10上部に配置されかつ該電気部品11が内蔵されるケース本体12と、該上部ケース14の上側に取付けられるカバー部材15と、該カバー部材15から一部が露出する(図3に示す例)又は該カバー部材15の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部16と、を備え、該カバー部材15は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔17を有し、該上部ケース14は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔18を有し、該第1の貫通孔17と該第2の貫通孔18との同芯性を確保するため、該カバー部材15と該上部ケース14とは凹凸嵌合部(凹凸係合部)20により位置決め可能にされる。前述の通り、図3に示す例では、カバー部材15の凹凸部20aの凹部と上部ケース14の凸部とを係合し、カバー部材15の凹凸部20aの凹部と上部ケース14の凹凸部20bの凸部とを係合する。
【0023】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7によれば、スイッチ操作部を挿通する上ケースとカバー部材との貫通孔同士が同心円となるよう凹凸嵌合部で位置決めできる構成を採用することで、同芯度のズレに起因する摩擦抵抗の影響によるスイッチ機能のトラブルを回避し、安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることが可能となる。
【0024】
また、制御ケース7は、通常、箱型に構成されており、その内部には、電気部品11が収容されている。当該電気部品11は、各種の制御プラグラムや画像データ等を記憶したメモリ、制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等を実装した制御基板、及び、駆動モータ等、各種駆動要素を駆動する駆動回路を実装した回路基板等を含むが、必ずしもこれらに限られない。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7は、カバー部材15から一部が露出する又は該カバー部材15の外部から視認可能な上述の制御処理によって各種の情報を表示する表示部19をさらに備える。なお、当該表示部は、1又は複数の表示部を備えるように構成可能である。
【0025】
制御ケース7は、既述の通り、カバー部材とケース本体とを含むが、例えば、通常、リモコン等は、ケース本体のみでカバー部材に相当するものはなく、防水性という観点では、本願発明の実施形態においてもカバー部材は必ずしも必要ではない。他方で、電動リールでは、ケース本体が透明であることから、意匠性を担保するためカバー部材を用いるため、カバー部材は電動リールに必要となる。なお、カバー部材は、外観性向上のためにメッキ処理が施されるが、ケース本体と接着しにくかったり、寸法精度がよくない等の問題があった。本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1では、このような問題を解決するものとして、同軸位置にスイッチ操作部を設けることができるよう凹凸嵌合部を設けることとしたものである。つまり、カバー部材を設けたために、スイッチ操作部を同軸位置に設けることができるよう工夫を施す必要性が生じた。
【0026】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リールのための制御ケース7は、カバー部材15又は上部ケース14のいずれか一方に環状凸部を、他方に環状凹部を設けるように構成される。このようにして、スイッチ操作部16を挿通する上部ケース14とカバー部材15との貫通孔18,17同士が同心円となるよう環状凸部と環状凹部とを係合(嵌合)させることでカバー部材15と上部ケース14とを的確かつ確実に位置決めすることが可能となる。
【0027】
本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7において、上記環状凸部は、カバー部材15の第1の貫通孔17又は上部ケース14の第2の貫通孔18の径方向外側に設けられる。ここで、各貫通孔の「径方向外側」とは、各貫通穴径よりも大きな外径を備えるような位置を指し、このような位置において嵌め合いが可能となるように構成される。このようにして、同軸上の嵌合が可能となる。
【0028】
また、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7において、上記環状凹部は、カバー部材15の第1の貫通孔17又は上部ケース14の第2の貫通孔18の径方向外側に設けられる。ここで、各貫通孔の「径方向外側」とは、各貫通穴径よりも大きな外径を備えるような位置を指し、このような位置において嵌め合いが可能となるように構成される。このようにして、同軸上の嵌合が可能となる。
【0029】
ここで、凹部又は凸部はそれぞれ複数個あってもよく、この場合は、複数の凹部と複数の凸部とが嵌め合うようにすることができる。また、凹部と凸部の組み合わせとしての凹凸部と、凸部と凹部の組み合わせとしての凹凸部とを嵌め合うようにしてもよく、複数の凹凸部を対として嵌め合うようにしてもよい。また、凹部、凸部、凹凸部はいずれも必ずしも環状でなくてもよく、様々な形状が考えられる。いずれも本明細書を通じて同様とする。
【0030】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 電動リール(魚釣用電動リール)
2 スプール
3a,3b 左右フレーム
4a,4b 側板
5 モータ(電動モータ)
6 減速機構
7 制御ケース
8 ハンドル軸
9 操作部(ハンドル)
10 リール本体
11 電気部品
12 ケース本体
13 下部ケース
14 上部ケース
15 カバー部材
16 スイッチ操作部
17 第1の貫通孔
18 第2の貫通孔
19 表示部
20 凹凸嵌合部
20a 凹凸部
20b 凹凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スイッチ操作部を挿通する上ケースとカバー部材との貫通孔同士が同心円となるように位置決め機構を設け、上ケースの貫通孔とカバー部材の貫通孔との同芯度ズレに起因するスイッチ操作部への摩擦抵抗の影響によるスイッチ機能のトラブルを回避し、安定的かつ確実なスイッチ操作を行わしめ、かつ故障のリスクを最小限に抑えることができる制御ケース及びこれを備える電動リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
次に、図2~4を参照して、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1について説明する。本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1は、リール本体10と、電動リール1の制御のための電気部品11と、下部ケース13と上部ケース14とを有し、該リール本体10上部に配置されかつ該電気部品11が内蔵されるケース本体12と、該上部ケース14の上側に取付けられるカバー部材15と、該カバー部材15から一部が露出する又は該カバー部材15の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部16と、を備える制御ケース7と、を備え、該カバー部材15は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔17を有し、該上部ケース14は、該スイッチ操作部16が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔18を有し、該第1の貫通孔17と該第2の貫通孔18との同芯性を確保するため、該カバー部材15と該上部ケース14とは凹凸嵌合部(凹凸係合部)20により位置決め可能にされる。図3に示す例で言えば、カバー部材15の凹凸部20aと、上部ケース14の凹凸部20bとを指し、カバー部材15の凹凸部20aの凹部と上部ケース14の凹凸部20bの凸部とを係合し、カバー部材15の凹凸部20aの凸部と上部ケース14の凹凸部20bの凹部とを係合するようにされているが、この態様に限定されず、様々な凹凸嵌合部(凹凸係合部)20の態様が考えられる(本明細書を通じて同様である)。ここで、本明細書において、第1の貫通孔17及び第2の貫通孔18の延伸方向に垂直な面でみた断面形状は、円形状が想定されるが、その他、楕円形状、又は多角形状等であってもよく、特定の形状に限定されることを意図するものではない(本明細書を通じて同様とする)。これは、スイッチ操作部16の同断面形状についても同様である。また、該カバー部材15及び該上部ケース14に設ける凹凸嵌合部(凹凸係合部)20の位置は本質的には任意に設定可能であるが、スイッチ操作部16に対して同心上に円形状で設けることが望ましい。その理由は、特に、ラバー状のスイッチ操作部16の円筒部とその周囲の貫通の同心を確保しやすくするためである。例えば、凹凸嵌合部20を貫通穴と非同軸に設定した場合、貫通穴から勘合部までの、スイッチ軸から直角方向の寸法値のばらつきも累積してしまうため、同軸に配置した場合とに比較して確保しにくい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
また、制御ケース7は、通常、箱型に構成されており、その内部には、電気部品11が収容されている。当該電気部品11は、各種の制御プログラムや画像データ等を記憶したメモリ、制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)等を実装した制御基板、及び、駆動モータ等、各種駆動要素を駆動する駆動回路を実装した回路基板等を含むが、必ずしもこれらに限られない。また、本発明の一実施形態に係る魚釣用電動リール1のための制御ケース7は、カバー部材15から一部が露出する又は該カバー部材15の外部から視認可能な上述の制御処理によって各種の情報を表示する表示部19をさらに備える。なお、当該表示部は、1又は複数の表示部を備えるように構成可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、リール本体の上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備える魚釣用電動リールのための制御ケースであって、
前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、
該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされることを特徴とする制御ケース。
【請求項2】
前記カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能な表示部をさらに備える、請求項1に記載の制御ケース。
【請求項3】
前記カバー部材又は前記上部ケースのいずれか一方に環状凸部を、他方に環状凹部を設けた、請求項1に記載の制御ケース。
【請求項4】
前記環状凸部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる、請求項3に記載の制御ケース。
【請求項5】
前記環状凹部は、前記カバー部材の前記第1の貫通孔又は前記上部ケースの前記第2の貫通孔の径方向外側に設けられる、請求項3に記載の制御ケース。
【請求項6】
リール本体と、
電動リールの制御のための電気部品と、下部ケースと上部ケースとを有し、前記リール本体上部に配置されかつ該電気部品が内蔵されるケース本体と、前記上部ケースの上側に取付けられるカバー部材と、該カバー部材から一部が露出する又は該カバー部材の外部から視認可能にされる、押圧操作可能な1又は複数のスイッチ操作部と、を備える制御ケースと、
を備える魚釣用電動リールであって、
前記カバー部材は、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第1の貫通孔を有し、前記上部ケースは、前記スイッチ操作部が挿通可能な1又は複数の第2の貫通孔を有し、
該第1の貫通孔と該第2の貫通孔との同芯性を確保するため、前記カバー部材と前記上部ケースとは凹凸嵌合部により位置決め可能とされることを特徴とする魚釣用電動リール。