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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039439
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】電動リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/017 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144010
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】松野 圭佑
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108GA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】モータシャフト(軸)と一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度に必ずしも関わらず、モータから一方向クラッチへの回転伝達を可能とし、製品寿命を長くし、また一方向クラッチの外径を小径化し軸受けを小さく構成することで低コスト化が可能となる電動リールを提供することにある。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る電動リールは、釣糸を巻回するスプールと、モータシャフトを有し、該スプールの回転のために駆動されるモータと、該モータの逆回転を防止するための一方向クラッチと、を備える電動リールであって、該モータシャフトには、モータシャフト固定部材が固定され、該一方向クラッチには、一方向クラッチ用シャフト部材が嵌合され、前記モータの回転は、該モータシャフト固定部材と該一方向クラッチ用シャフト部材とを介して、前記一方向クラッチに伝達されるように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣糸を巻回するスプールと、モータシャフトを有し、該スプールの回転のために駆動されるモータと、該モータの逆回転を防止するための一方向クラッチと、を備える電動リールであって、
該モータシャフトには、モータシャフト固定部材が固定され、該一方向クラッチには、一方向クラッチ用シャフト部材が嵌合され、
前記モータの回転は、該モータシャフト固定部材と該一方向クラッチ用シャフト部材とを介して、前記一方向クラッチに伝達されることを特徴とする電動リール。
【請求項2】
前記モータシャフト固定部材と前記一方向クラッチ用シャフト部材とは、所定のガタを許容した回転伝達を行う、請求項1に記載の電動リール。
【請求項3】
前記モータシャフト固定部材は、前記モータシャフトの軸方向の一方の端部に凹部を有し、他方の端部に該モータシャフトが嵌合される嵌合部を有する、請求項1に記載の電動リール。
【請求項4】
該一方向クラッチ用シャフト部材は、該一方向クラッチ用シャフト部材の軸方向の一方の端部に凸部を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材の該凸部は前記モータシャフト部材の前記凹部に係合される、請求項3に記載の電動リール。
【請求項5】
該一方向クラッチ用シャフト部材の、該一方向クラッチ用シャフト部材の軸方向の他方の端部は、円筒状の前記一方向クラッチに嵌合される、請求項1に記載の電動リール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用電動リールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動モータと一方向クラッチとを備える魚釣用電動リールとして様々なものが知られている。
【0003】
このような魚釣用電動リールとして、例えば、特許文献1では、スプール(回転体)に釣糸を巻取る際、電動モータの駆動と共に、ハンドルを回動操作することにより、電動モータの駆動速度にハンドルの回動速度とが合わせられ、比較的高速で釣糸の巻取りを行う電動リールについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実全平1-94065号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような電動リールでは、モータシャフト(軸)と、一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度が低いと、一方向クラッチの摩耗による製品寿命の低下、電動リールの巻上時の騒音、電動リールの巻上効率の低下、及び焼付きによる一方向クラッチの破損といった問題があることが判っている。他方で、一方向クラッチの外径が大きくなると、その周囲に配置される軸受けの大きさも増大し、製造コストが増加してしまうという問題もあった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、モータシャフト(軸)と一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度に必ずしも関わらず、モータから一方向クラッチへの回転伝達を可能とし、製品寿命を長くし、また一方向クラッチの外径を小径化し軸受けを小さく構成することで低コスト化が可能となる電動リールを提供することにある。本発明のこれら以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る電動リールは、釣糸を巻回するスプールと、モータシャフトを有し、該スプールの回転のために駆動されるモータと、該モータの逆回転を防止するための一方向クラッチと、を備える電動リールであって、該モータシャフトには、モータシャフト固定部材が固定され、該一方向クラッチには、一方向クラッチ用シャフト部材が嵌合され、前記モータの回転は、該モータシャフト固定部材と該一方向クラッチ用シャフト部材とを介して、前記一方向クラッチに伝達されるように構成される。
【0008】
本発明の一実施形態に係る電動リールにおいて、前記モータシャフト固定部材と前記一方向クラッチ用シャフト部材とは、所定のガタを許容した回転伝達を行うように構成される。
【0009】
本発明の一実施形態に係る電動リールにおいて、前記モータシャフト固定部材は、前記モータシャフトの軸方向の一方の端部に凹部を有し、他方の端部に該モータシャフトが嵌合される嵌合部を有する。
【0010】
本発明の一実施形態に係る電動リールにおいて、該一方向クラッチ用シャフト部材は、該一方向クラッチ用シャフト部材の軸方向の一方の端部に凸部を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材の該凸部は前記モータシャフト部材の前記凹部に係合される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る電動リールにおいて、該一方向クラッチ用シャフト部材の、同一方向クラッチ用シャフト部材の軸方向の他方の端部は、円筒状の前記一方向クラッチに嵌合される。
【発明の効果】
【0012】
上記実施形態によれば、モータシャフト(軸)と一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度に必ずしも関わらず、モータから一方向クラッチへの回転伝達を可能とし、製品寿命を長くし、また一方向クラッチの外径を小径化し軸受けを小さく構成することで低コスト化ができる電動リールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電動リールの基本構成を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電動リールを説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの接続構造を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの接続構造の分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続部材を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続部材を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造を説明する図である。
図8】(a)本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造の内部を説明する図である。(c)本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造の一断面図である。
図9】(a)本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続構造の内部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る電動リールの実施形態について、添付図面を参照しながら具体的に説明する。複数の図面において共通する構成要素には当該複数の図面を通じて同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0015】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る電動リール(魚釣用電動リール)1の基本構成について説明する。図示のように、電動リール1は、スプール2に釣糸を巻き取り、スプール2から釣糸が放出可能な状態と不能な状態とを切り替え、釣糸に設定値以上の張力をかけるとスプール2が空転する(ドラグ機能)ようにし、また、閾値張力を設定し、仕掛け落下時又はキャスト(投擲)時のバックラッシュを防止するための制動力を調整することができる。
【0016】
図1に示すように、電動リール1は、左右に離間して配置される左右フレーム3a,3bと、左右フレーム3a,3bを覆う側板4a,4bと、を有するリール本体10を備えている。左右フレーム3a,3b間には、スプール2、モータ(電動モータ)5、減速機構6及び釣り情報装置(表示部を有する制御ケース)7が設けられる。右側のフレーム3bと右側の側板4bとには、ハンドル軸8が回転自在に支持されており、その端部にハンドル(操作部)9が取着されている。ここで、左右フレーム 3a,3bは、カゴ組み構造に限定されるものではない。すなわち、左右フレーム 3a,3bの左フレーム3aと右フレーム3bとはそれぞれ別体として形成してもよいし、これらを一体として形成してもよい。
【0017】
左右フレーム3a,3bは、リール本体10の骨格をなす部分であり、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限られない。左右フレーム3a,3bは、複数の図示しない支柱を介して一体化されている。また、左右フレーム3a,3bの前部側には、筒状の前フレームが設けられ、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限定されるものではない。前フレーム9の内側には、モータ5、減速機構6が収容されている。
【0018】
スプール2は、モータ5の回転駆動によって、減速機構6等を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。減速機構6は、左フレーム3a側に設けられており、モータ5の出力を減速する。また、減速機構6は、図1に示すように、モータ5の駆動軸(モータシャフト)11と右フレーム3bとの間に設置される遊星歯車機構12を備えている。
【0019】
ここで、遊星歯車機構12は、太陽歯車と、内歯と、複数の遊星歯車とで構成されている。太陽歯車は、モータ5の駆動軸(モータシャフト)11の先端部に回り止め固定され、駆動軸(モータシャフト)11と一体回転する。
【0020】
入力軸(一方向クラッチ用シャフト部材)15の軸端部には、一方向クラッチ16が装着されている。一方向クラッチ16は、入力軸15の一方向の回転を出力軸に伝達する機能を備えている。一方向クラッチ16は、入力軸15の軸端部の外周面と出力軸17の筒部の内周面との間に配置されている。
【0021】
出力軸は、入力軸(一方向クラッチ用シャフト部材)15及び駆動軸11と同軸上に配置されていることが望ましい。出力軸は、筒部を備え、筒部は、入力軸15の軸端部を外周側から覆っており、一方向クラッチ16を介して入力軸15からの駆動力が入力される。
【0022】
次に、図2ないし7を参照して、本発明の一実施形態に係る電動リール1について更に説明する、これらに図示のように、本発明の一実施形態に係る電動リール1は、釣糸を巻回するスプール2と、モータシャフト11を有し、該スプール2の回転のために駆動されるモータ5と、該モータ5の逆回転を防止するための一方向クラッチ16と、を備える電動リール1であって、該モータシャフト11には、モータシャフト固定部材20が固定され、該一方向クラッチ16には、一方向クラッチ用シャフト部材15が嵌合され、該モータ5の回転は、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15とを介して、該一方向クラッチ16に伝達されるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、前記モータシャフト固定部材と前記一方向クラッチ用シャフト部材とは、所定のガタを許容した回転伝達を行うように構成される。ここで、「所定のガタを許容した」とは、回転(運動)方向に対して意図して隙間を設けることを言うものとする。この場合、「所定」のガタとは、入力側(入力軸)が少なくとも1回転(360°回転)する間に、出力側にその回転が伝わる程度のガタを指すものとする。すなわち、出力側にその回転が伝わる程度とは、当該入力側が1回転する間に当該出力側は、(ガタを吸収して)1回転未満の範囲内で入力側と同一方向に回転することを言う。他方で、当該入力側が1回転する間に当該出力側が、その力を受けて回転しない場合には、本明細書で言う「所定のガタ」には該当しない。また、「オルダム継手」との比較で説明すれば、「オルダム継手」の場合、軸が一直線上に無い場合でも回転を伝えることができる一方で、2つの軸は平行である必要がある。これに対して、本発明の一実施形態に係る電動リール1では、該モータ5の回転を、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15とを介して、該一方向クラッチ16に伝達されるように構成し、後述のように、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15との間に「所定のガタ」を敢えて許容する構成としている。
【0023】
このようにして、モータシャフト11と一方向クラッチ用シャフト部材15とを必ずしも厳密に同軸性を保つように製造・配置することは簡単ではなく、製造コストも考慮すると、上述の所定のガタを許容することを前提としながらも、モータの駆動力を一方向クラッチに必要かつ十分に伝達するようにすることで、モータシャフト(軸)と一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度に必ずしも関わらず、モータから一方向クラッチへの回転伝達を可能とし、製品寿命を長くし、また一方向クラッチの外径を小径化し軸受けを小さく構成することで低コスト化ができる電動リールを提供することが可能となる。
【0024】
より詳細には、図4ないし7に示すように、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、当該モータシャフト固定部材20は、当該モータシャフト11の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)に凹部24を有し、他方の端部(第2の端部)に該モータシャフト11が圧入嵌合される嵌合部25を有する。
【0025】
また、図4ないし7に示すように、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15は、該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)26に凸部28を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材15の該凸部28は当該モータシャフト固定部材20の凹部24に係合される。この場合、該凸部の係合(嵌合)幅は該凹部の係合(嵌合)幅に対して隙間分を残して小さくなっており、このようにして、ガタを許容することが可能となる。
【0026】
また、図4ないし7に示すように、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15の、当該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて他方の端部(第2の端部)27は、円筒状の一方向クラッチ16に挿入することで嵌合される。このようにして、該一方向クラッチ用シャフト部材15の逆転防止が可能となる。
【0027】
当該一方向クラッチ用シャフト部材15と、当該モータシャフト固定部材20との間の係合構造としては、基本的に、機械的に回転伝達可能であり、かつ互いに所定の隙間を設けることができる構成であればよい。以下、本発明の一実施形態に係る電動リール1における一方向クラッチ用シャフト部材15とモータシャフト固定部材20と係合構造のその他の態様について説明する。
【0028】
まず、図8に示すように、本発明のその他の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15は、該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)26にキー部材29を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材15の該キー部材29は当該モータシャフト固定部材20のキー溝30に係合される。この場合、該キー部材29の係合幅は該キー溝30の勘合幅に対して隙間分を残して小さくなっており、このようにして、ガタを許容することが可能となる。
【0029】
次に、図9に示すように、本発明のその他の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15は、該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)26に半円状の凸部31を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材15の該半円状の凸部31は当該モータシャフト固定部材20の半円状の凹部32に係合される。この場合、該半円状の凸部31の係合幅は該半円状の凹部32の係合幅に対して隙間分を残して小さくなっており、このようにして、ガタを許容することが可能となる。
【0030】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 電動リール(魚釣用電動リール)
2 スプール
3a,3b 左右フレーム
4a,4b 側板
5 モータ(電動モータ)
6 減速機構
7 釣り情報装置(表示部を有する制御ケース)
8 ハンドル軸
9 ハンドル(操作部)
10 リール本体
11 駆動軸(モータシャフト)
12 遊星歯車機構
15 入力軸(一方向クラッチ用シャフト部材)
16 一方向クラッチ
20 モータシャフト固定部材
24 凹部
25 嵌合部
26 一方の端部(第1の端部)
27 他方の端部(第2の端部)
28 凸部
29 キー部材
30 キー溝
31 半円状の凸部
32 半円状の凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の一実施形態に係る電動リールにおいて、該一方向クラッチ用シャフト部材は、該一方向クラッチ用シャフト部材の軸方向の一方の端部に凸部を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材の該凸部は前記モータシャフト固定部材の前記凹部に係合される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る電動リールの基本構成を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電動リールを説明する図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの接続構造を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの接続構造の分解斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続部材を説明する図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電動リールにおけるモータと一方向クラッチとの間の接続部材を説明する図である。
図7】本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造を説明する図である。
図8】(a)本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造の内部を説明する図である。(c)本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造の一断面図である。
図9】(a)本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造を説明する図である。(b)本発明の一実施形態に係る電動リールにおける一方向クラッチ用シャフト部材とモータシャフト固定部材との間の係合構造の内部を説明する図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
左右フレーム3a,3bは、リール本体10の骨格をなす部分であり、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限られない。左右フレーム3a,3bは、複数の図示しない支柱を介して一体化されている。また、左右フレーム3a,3bの前部側には、筒状の前フレームが設けられ、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の金属材で形成されているがこれらに限定されるものではない。前フレーム内側には、モータ5、減速機構6が収容されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
スプール2は、モータ5の回転駆動によって、減速機構6等を介して釣糸巻取り方向に回転駆動される。減速機構6は、フレーム3側に設けられており、モータ5の出力を減速する。また、減速機構6は、図1に示すように、モータ5の駆動軸(モータシャフト)11と右フレーム3bとの間に設置される遊星歯車機構12を備えている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
次に、図2ないし7を参照して、本発明の一実施形態に係る電動リール1について更に説明する、これらに図示のように、本発明の一実施形態に係る電動リール1は、釣糸を巻回するスプール2と、モータシャフト11を有し、該スプール2の回転のために駆動されるモータ5と、該モータ5の逆回転を防止するための一方向クラッチ16と、を備える電動リール1であって、該モータシャフト11には、モータシャフト固定部材20が固定され、該一方向クラッチ16には、一方向クラッチ用シャフト部材15が嵌合され、該モータ5の回転は、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15とを介して、該一方向クラッチ16に伝達されるように構成される。また、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、前記モータシャフト固定部材20と前記一方向クラッチ用シャフト部材15とは、所定のガタを許容した回転伝達を行うように構成される。ここで、「所定のガタを許容した」とは、回転(運動)方向に対して意図して隙間を設けることを言うものとする。この場合、「所定」のガタとは、入力側(入力軸)が少なくとも1回転(360°回転)する間に、出力側にその回転が伝わる程度のガタを指すものとする。すなわち、出力側にその回転が伝わる程度とは、当該入力側が1回転する間に当該出力側は、(ガタを吸収して)1回転未満の範囲内で入力側と同一方向に回転することを言う。他方で、当該入力側が1回転する間に当該出力側が、その力を受けて回転しない場合には、本明細書で言う「所定のガタ」には該当しない。また、「オルダム継手」との比較で説明すれば、「オルダム継手」の場合、軸が一直線上に無い場合でも回転を伝えることができる一方で、2つの軸は平行である必要がある。これに対して、本発明の一実施形態に係る電動リール1では、該モータ5の回転を、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15とを介して、該一方向クラッチ16に伝達されるように構成し、後述のように、該モータシャフト固定部材20と該一方向クラッチ用シャフト部材15との間に「所定のガタ」を敢えて許容する構成としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
このようにして、モータシャフト11と一方向クラッチ用シャフト部材15とを必ずしも厳密に同軸性を保つように製造・配置することは簡単ではなく、製造コストも考慮すると、上述の所定のガタを許容することを前提としながらも、モータの駆動力を一方向クラッチ16に必要かつ十分に伝達するようにすることで、モータシャフト(軸)11と一方向クラッチシャフト(軸)との同軸度に必ずしも関わらず、モータから一方向クラッチ16への回転伝達を可能とし、製品寿命を長くし、また一方向クラッチ16の外径を小径化し軸受けを小さく構成することで低コスト化ができる電動リールを提供することが可能となる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
また、図4ないし7に示すように、本発明の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15は、該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)26に凸部28を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材15の該凸部28は当該モータシャフト固定部材20の凹部24に係合される。この場合、該凸部28の係合(嵌合)幅は該凹部24の係合(嵌合)幅に対して隙間分を残して小さくなっており、このようにして、ガタを許容することが可能となる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
まず、図8に示すように、本発明のその他の一実施形態に係る電動リール1において、該一方向クラッチ用シャフト部材15は、該一方向クラッチ用シャフト部材15の軸方向でみて一方の端部(第1の端部)26にキー部材29を有し、該一方向クラッチ用シャフト部材15の該キー部材29は当該モータシャフト固定部材20のキー溝30に係合される。この場合、該キー部材29の係合幅は該キー溝30の合幅に対して隙間分を残して小さくなっており、このようにして、ガタを許容することが可能となる。