(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039441
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】電池暖機システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/633 20140101AFI20240314BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240314BHJP
B60H 1/22 20060101ALI20240314BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20240314BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20240314BHJP
H01M 10/6569 20140101ALI20240314BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20240314BHJP
B60L 50/60 20190101ALN20240314BHJP
B60L 58/33 20190101ALN20240314BHJP
【FI】
H01M10/633
F25B1/00 101E
F25B1/00 101G
B60H1/22 671
B60H1/22 651Z
H01M10/615
H01M10/6556
H01M10/6569
H01M10/625
B60L50/60
B60L58/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144012
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】横井 佑樹
【テーマコード(参考)】
3L211
5H031
5H125
【Fターム(参考)】
3L211AA11
3L211BA60
5H031AA09
5H031HH06
5H031KK08
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC19
5H125CD04
5H125CD08
5H125FF24
(57)【要約】
【課題】電池暖機システムにおいて電池の暖機性能を向上させること。
【解決手段】電池暖機システム10は、圧縮機12から吐出された冷媒の吐出圧力を検出する圧力センサ32と、電池20の温度を検出する温度センサ33と、第1配管21に設けられ、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を遮断し、且つ、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを許容する第1切換状態と、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を許容する第2切換状態と、に切換可能な切換弁30と、を備えている。切換弁30は、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記圧縮機から吐出された冷媒が流れるとともに電池と前記冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、
前記電池熱交換器から流出された冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁で減圧された冷媒が流入するとともに前記圧縮機へのガス冷媒の流出を許容するアキュムレータと、を有する冷凍サイクルを備え、
前記電池熱交換器をバイパスするバイパス通路であって、前記バイパス通路は前記圧縮機と前記電池熱交換器とを接続する第1通路から分岐し、前記膨張弁と前記アキュムレータとを接続する第2通路、又は前記アキュムレータに接続され、
前記バイパス通路には、絞りが設けられ、
前記圧縮機から吐出された冷媒の吐出圧力を検出する圧力センサと、
前記電池の温度を検出する温度センサと、
前記第1通路に設けられ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を遮断し、且つ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを許容する第1切換状態と、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を許容する第2切換状態と、に切換可能な切換弁と、を備え、
前記切換弁は、前記圧力センサによって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、前記温度センサによって検出された温度との差が閾値を越えると、前記第1切換状態から前記第2切換状態に切り換わる電池暖機システム。
【請求項2】
前記切換弁が前記第2切換状態のとき、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れが許容されている請求項1に記載の電池暖機システム。
【請求項3】
前記切換弁は、前記第2切換状態のときに、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を許容し、且つ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを遮断する請求項1に記載の電池暖機システム。
【請求項4】
前記切換弁が前記第2切換状態のときに、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを遮断するバイパス切換弁をさらに備えている請求項1に記載の電池暖機システム。
【請求項5】
前記冷凍サイクルは、前記膨張弁で減圧された冷媒が流れるとともに外部流体と前記冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器を有し、
前記バイパス通路は、前記圧縮機から吐出された冷媒を、前記外部流体熱交換器の出口から前記アキュムレータの入口までに至る通路の途中へ導入する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の電池暖機システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池暖機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池を暖機する電池暖機システムが、例えば特許文献1に開示されている。このような電池暖機システムは、圧縮機と、電池熱交換器と、膨張弁と、アキュムレータと、を有する冷凍サイクルを備えている。圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。電池熱交換器には、圧縮機から吐出された冷媒が流れる。電池熱交換器は、電池と冷媒との熱交換を行う。膨張弁は、電池熱交換器から流出された冷媒を減圧する。アキュムレータには、膨張弁で減圧された冷媒が流入する。アキュムレータは、圧縮機へのガス冷媒の流出を許容する。このような電池暖機システムにおいては、電池熱交換器を介した電池と冷媒との熱交換が行われることによって、電池熱交換器を流れるガス冷媒が液冷媒に変化するときに必要となる凝縮潜熱によって、電池が暖機される。
【0003】
また、電池を効率良く暖機するために、例えば特許文献2のように、圧縮機から吐出された冷媒の一部を、膨張弁からアキュムレータまでに至る通路の途中、又はアキュムレータへ導入することが考えられている。このような場合、電池暖機システムは、バイパス通路を備えている。バイパス通路は、電池熱交換器をバイパスする。バイパス通路は、圧縮機と電池熱交換器とを接続する第1通路から分岐する。バイパス通路は、膨張弁とアキュムレータとを接続する第2通路、又はアキュムレータに接続されている。バイパス通路には、絞りが設けられている。そして、第1通路を流れる冷媒の一部が、絞りによって減圧された状態で、バイパス通路を介して第2通路、又はアキュムレータへ導入される。これにより、アキュムレータ内の冷媒が加熱されるため、アキュムレータから流出して圧縮機へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇する。すると、冷媒の熱力学的特性により、圧縮機から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇する。飽和蒸気温度が上昇すると、冷媒の二相域での等温線が上昇する。電池熱交換器を流れる冷媒の温度は、等温線上となるため、冷媒の温度は一定となる。そして、アキュムレータ内の冷媒が加熱されない場合に比べると、冷媒の二相域での等温線が上昇しているため、電池熱交換器を流れる冷媒の温度と電池の温度との差が維持され易くなる。その結果、電池暖機システムにおいて電池の暖機性能が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-60066号公報
【特許文献2】特開2022-34162号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池熱交換器を介した電池と冷媒との熱交換が行われるにつれて、電池熱交換器を通過した冷媒の温度が低くなっていく。冷媒の温度が低くなるにつれて、電池熱交換器にて凝縮されて液化した液冷媒の量が多くなっていく。このとき、例えば、外気の温度が、膨張弁によって減圧された液冷媒の温度よりも低い場合を考える。このような場合、第1通路からバイパス通路を介して第2通路、又はアキュムレータへ導入された冷媒の熱が、膨張弁によって減圧された液冷媒が蒸発して飽和蒸気へと変化する際に必要となる蒸発潜熱として使われる場合がある。すると、アキュムレータ内の冷媒の温度が加熱され難くなるため、アキュムレータから流出して圧縮機へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇し難くなる。したがって、圧縮機から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇し難くなるため、電池熱交換器を流れる冷媒の温度と電池の温度との差が維持され難くなる。その結果、電池暖機システムにおいて電池の暖機性能が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する電池暖機システムは、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒が流れるとともに電池と前記冷媒との熱交換を行う電池熱交換器と、前記電池熱交換器から流出された冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁で減圧された冷媒が流入するとともに前記圧縮機へのガス冷媒の流出を許容するアキュムレータと、を有する冷凍サイクルを備え、前記電池熱交換器をバイパスするバイパス通路であって、前記バイパス通路は前記圧縮機と前記電池熱交換器とを接続する第1通路から分岐し、前記膨張弁と前記アキュムレータとを接続する第2通路、又は前記アキュムレータに接続され、前記バイパス通路には、絞りが設けられ、前記圧縮機から吐出された冷媒の吐出圧力を検出する圧力センサと、前記電池の温度を検出する温度センサと、前記第1通路に設けられ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を遮断し、且つ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを許容する第1切換状態と、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を許容する第2切換状態と、に切換可能な切換弁と、を備え、前記切換弁は、前記圧力センサによって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、前記温度センサによって検出された温度との差が閾値を越えると、前記第1切換状態から前記第2切換状態に切り換わる。
【0007】
これによれば、圧力センサによって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサによって検出された温度との差が閾値を越えるまでは、切換弁は、第1切換状態になっている。したがって、飽和蒸気温度と電池の温度との差が閾値を越えるまでは、圧縮機から吐出された冷媒は、第1通路を介して電池熱交換器へ供給されずに、第1通路からバイパス通路を介して第2通路、又はアキュムレータへ導入される。よって、アキュムレータ内の冷媒が加熱されるため、アキュムレータから流出して圧縮機へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇する。すると、冷媒の熱力学的特性により、圧縮機から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇する。飽和蒸気温度が上昇すると、冷媒の二相域での等温線が上昇する。そして、圧力センサによって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサによって検出された温度との差が閾値を越えると、切換弁が第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。これにより、圧縮機から吐出された冷媒が第1通路を介して電池熱交換器へ供給される。このとき、電池熱交換器を流れる冷媒の温度は、等温線上となるため、冷媒の温度は一定となる。そして、アキュムレータ内の冷媒が加熱されない場合に比べると、冷媒の二相域での等温線が上昇しているため、電池熱交換器を流れる冷媒の温度と電池の温度との差が維持され易くなる。したがって、電池熱交換器を流れる冷媒の温度と電池の温度との差が維持され難くなることが回避される。その結果、電池暖機システムにおいて電池の暖機性能を向上させることができる。
【0008】
上記電池暖機システムにおいて、前記切換弁が前記第2切換状態のとき、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れが許容されているとよい。
これによれば、切換弁が第2切換状態のときであっても、圧縮機から吐出された冷媒が、第1通路からバイパス通路を介して第2通路、又はアキュムレータへ導入される。したがって、切換弁が第2切換状態のときであっても、アキュムレータから流出して圧縮機へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力を上昇させることができる。すると、冷媒の熱力学的特性により、圧縮機から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇する。よって、切換弁が第2切換状態のときであっても、圧力センサによって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサによって検出された温度との差が閾値を下回り難くなる。その結果、切換弁が第2切換状態のときであっても、電池熱交換器を流れる冷媒の温度と電池の温度との差を維持し易くすることができる。
【0009】
上記電池暖機システムにおいて、前記切換弁は、前記第2切換状態のときに、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記電池熱交換器への供給を許容し、且つ、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを遮断するとよい。
【0010】
上記電池暖機システムにおいて、前記切換弁が前記第2切換状態のときに、前記圧縮機から吐出された冷媒の前記バイパス通路への流れを遮断するバイパス切換弁をさらに備えているとよい。
【0011】
これらによれば、切換弁が第2切換状態のときに、圧縮機から吐出された冷媒が第1通路からバイパス通路へ流れずに、圧縮機から吐出された全ての冷媒が電池熱交換器へ供給されるため、電池を効率良く暖機することができる。
【0012】
上記電池暖機システムにおいて、前記冷凍サイクルは、前記膨張弁で減圧された冷媒が流れるとともに外部流体と前記冷媒との熱交換を行う外部流体熱交換器を有し、前記バイパス通路は、前記圧縮機から吐出された冷媒を、前記外部流体熱交換器の出口から前記アキュムレータの入口までに至る通路の途中へ導入するとよい。
【0013】
外部流体熱交換器の出口からアキュムレータの入口までに至る通路は、冷凍サイクルにおいて、バイパス通路を接続する部分として好適である。例えば、バイパス通路がアキュムレータに接続される場合のように、バイパス通路をアキュムレータに接続するために、アキュムレータを既存の構成から変更するといった必要が無い。したがって、電池暖機システムの構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、電池暖機システムにおいて電池の暖機性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態における電池暖機システムを示す概略構成図である。
【
図3】冷媒のエンタルピと圧力との関係を表したモリエル線図である。
【
図4】比較例における冷媒のエンタルピと圧力との関係を表したモリエル線図である。
【
図5】別の実施形態における電池暖機システムを示す概略構成図である。
【
図6】別の実施形態における電池暖機システムを示す概略構成図である。
【
図7】別の実施形態における電池暖機システムを示す概略構成図である。
【
図8】別の実施形態における電池暖機システムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、電池暖機システムを具体化した一実施形態を
図1~
図4にしたがって説明する。本実施形態の電池暖機システムは、例えば、電気自動車に搭載されている。
<電池暖機システム10の全体構成>
図1及び
図2に示すように、電池暖機システム10は、冷凍サイクル11を備えている。電池暖機システム10は、冷凍サイクル11を用いて、電池20を暖機する。電池20は、図示しない電池セルが複数並設されることにより構成されている。電池セルは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。そして、電池20は、複数の電池セルが、例えば、図示しないハウジング内に収容されることにより、1つの電池パックとしてパッケージ化されている。
【0017】
冷凍サイクル11は、圧縮機12と、電池熱交換器13と、膨張弁14と、外部流体熱交換器15と、アキュムレータ16と、を有している。圧縮機12は、冷媒を圧縮して吐出する。電池熱交換器13には、圧縮機12から吐出された冷媒が流れる。電池熱交換器13は、電池20と熱的に結合されている。電池熱交換器13は、電池20と冷媒との熱交換を行う。膨張弁14は、電池熱交換器13から流出した冷媒を減圧する。膨張弁14は、電池熱交換器13から流出した冷媒を減圧する固定絞りである。外部流体熱交換器15には、膨張弁14で減圧された冷媒が流れる。外部流体熱交換器15は、外部流体である外気と冷媒との熱交換を行う。アキュムレータ16には、外部流体熱交換器15から流出した冷媒が流入する。したがって、アキュムレータ16には、膨張弁14で減圧された冷媒が流入する。アキュムレータ16は、圧縮機12へのガス冷媒の流出を許容する。
【0018】
圧縮機12と電池熱交換器13とは第1配管21によって接続されている。第1配管21の第1端は、圧縮機12の吐出口12aに接続されている。第1配管21の第2端は、電池熱交換器13の入口13aに接続されている。したがって、第1配管21は、圧縮機12の吐出口12aから電池熱交換器13の入口13aまでに至る通路を構成している。第1配管21は、圧縮機12と電池熱交換器13とを接続する第1通路を構成している。
【0019】
電池熱交換器13と膨張弁14とは第2配管22によって接続されている。第2配管22の第1端は、電池熱交換器13の出口13bに接続されている。第2配管22の第2端は、膨張弁14の入口14aに接続されている。
【0020】
膨張弁14と外部流体熱交換器15とは第3配管23によって接続されている。第3配管23の第1端は、膨張弁14の出口14bに接続されている。第3配管23の第2端は、外部流体熱交換器15の入口15aに接続されている。
【0021】
外部流体熱交換器15とアキュムレータ16とは第4配管24によって接続されている。第4配管24の第1端は、外部流体熱交換器15の出口15bに接続されている。第4配管24の第2端は、アキュムレータ16の入口16aに接続されている。したがって、第4配管24は、外部流体熱交換器15の出口15bからアキュムレータ16の入口16aまでに至る通路を構成している。第3配管23及び第4配管24は、膨張弁14からアキュムレータ16までに至る通路を構成している。第3配管23及び第4配管24によって、膨張弁14とアキュムレータ16とを接続する第2通路40が構成されている。
【0022】
アキュムレータ16と圧縮機12とは第5配管25によって接続されている。第5配管25の第1端は、アキュムレータ16の出口16bに接続されている。第5配管25の第2端は、圧縮機12の吸入口12bに接続されている。
【0023】
電池暖機システム10は、分岐通路26を備えている。分岐通路26は、第3配管23の途中から分岐する。分岐通路26は、例えば、配管である。分岐通路26の第1端は、第3配管23の途中に接続されている。分岐通路26の第2端は、第4配管24に接続されている。分岐通路26は、第3配管23内を流れる冷媒を、外部流体熱交換器15を迂回して第4配管24内へ流す。
【0024】
電池暖機システム10は、弁装置27を備えている。弁装置27は、第4配管24に設けられている。弁装置27は、第4配管24における分岐通路26との接続箇所に設けられている。弁装置27は、第1切換状態と、第2切換状態と、に切換可能に構成されている。弁装置27は、例えば、電磁弁である。弁装置27は、第1切換状態のときには、外部流体熱交換器15への冷媒の流れを許容し、且つ、分岐通路26への冷媒の流れを遮断する。弁装置27は、第2切換状態のときには、外部流体熱交換器15への冷媒の流れを遮断し、且つ、分岐通路26への冷媒の流れを許容する。弁装置27は、例えば、三方弁である。
【0025】
電池暖機システム10は、バイパス通路28を備えている。バイパス通路28は、第1配管21の途中から分岐する。したがって、バイパス通路28は、圧縮機12の吐出口12aから電池熱交換器13の入口13aまでに至る通路の途中から分岐する。バイパス通路28は、例えば、配管である。バイパス通路28の第1端は、第1配管21の途中に接続されている。バイパス通路28の第2端は、第4配管24に接続されている。したがって、バイパス通路28は、外部流体熱交換器15の出口15bからアキュムレータ16の入口16aまでに至る通路の途中に接続されている。具体的には、バイパス通路28の第2端は、第4配管24における弁装置27よりもアキュムレータ16寄りの部分に接続されている。そして、バイパス通路28は、圧縮機12から吐出された冷媒を、外部流体熱交換器15の出口15bからアキュムレータ16の入口16aまでに至る通路を構成する第4配管24の途中へ導入する。バイパス通路28は、第1通路を構成する第1配管21から分岐し、第2通路40に接続されている。
【0026】
電池暖機システム10は、絞り29を備えている。絞り29は、バイパス通路28に設けられている。したがって、バイパス通路28には、絞り29が設けられている。絞り29は、バイパス通路28の一部の流路断面積を小さくする。絞り29は、固定絞りである。そして、圧縮機12から吐出された冷媒が、絞り29によって減圧された状態で、バイパス通路28を介して第4配管24の途中へ導入される。したがって、圧縮機12から吐出された冷媒が、絞り29によって減圧された状態で、バイパス通路28を介して膨張弁14からアキュムレータ16までに至る通路の途中へ導入される。
【0027】
電池暖機システム10は、切換弁30を備えている。切換弁30は、第1配管21に設けられている。切換弁30は、第1配管21において、バイパス通路28との接続箇所よりも電池熱交換器13寄りの部分に設けられている。切換弁30は、例えば、電磁弁である。切換弁30は、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を遮断し、且つ、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを許容する第1切換状態に切換可能に構成されている。切換弁30は、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を許容する第2切換状態に切換可能に構成されている。切換弁30は、第1切換状態のときには、閉弁状態となっている。切換弁30は、第2切換状態のときには、開弁状態となっている。切換弁30は、例えば、オンオフ弁である。
【0028】
<電池暖機システム10の電気的構成>
電池暖機システム10は、制御装置31を備えている。制御装置31は、中央処理制御装置(CPU)を備えている。制御装置31は、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等により構成されるメモリを備えている。制御装置31は、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えている。
【0029】
電池暖機システム10は、圧力センサ32を備えている。圧力センサ32は、圧縮機12から吐出された冷媒の吐出圧力を検出するように構成されている。圧力センサ32は、制御装置31に電気的に接続されている。圧力センサ32によって検出された冷媒の吐出圧力に関する検出信号は、制御装置31に出力される。
【0030】
電池暖機システム10は、温度センサ33を備えている。温度センサ33は、電池20の温度を検出するように構成されている。温度センサ33は、制御装置31に電気的に接続されている。温度センサ33によって検出された電池20の温度に関する検出信号は、制御装置31に出力される。
【0031】
電池暖機システム10は、外気温センサ34を備えている。外気温センサ34は、外気の温度を検出するように構成されている。外気温センサ34は、制御装置31に電気的に接続されている。外気温センサ34によって検出された外気の温度に関する検出信号は、制御装置31に出力される。
【0032】
制御装置31は、弁装置27に電気的に接続されている。制御装置31は、弁装置27の駆動を制御する。制御装置31には、外気温センサ34によって検出される外気の温度に基づいて、弁装置27を第1切換状態と第2切換状態とに切り換えるプログラムが予め記憶されている。制御装置31は、外気温センサ34によって検出される外気の温度が、所定の温度よりも高い場合には、弁装置27を第1切換状態に切り換える。一方で、制御装置31は、外気温センサ34によって検出される外気の温度が、所定の温度以下である場合には、弁装置27を第2切換状態に切り換える。なお、「所定の温度」とは、膨張弁14によって減圧された液冷媒の温度よりも高い温度である。
【0033】
制御装置31には、圧力センサ32によって検出される圧力と、圧縮機12から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度と、が関係付けられたマップが予め記憶されている。飽和蒸気温度は、圧力センサ32によって検出された圧力によって導出される。制御装置31には、圧力センサ32によって検出された圧力によって、飽和蒸気温度を導出する導出プログラムが予め記憶されている。
【0034】
制御装置31は、切換弁30に電気的に接続されている。制御装置31は、切換弁30の駆動を制御する。制御装置31には、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度と、に基づいて、切換弁30を第1切換状態と第2切換状態とに切り換えるプログラムが予め記憶されている。制御装置31は、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えていない場合、切換弁30を第1切換状態に切り換える。一方で、制御装置31は、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、切換弁30を第1切換状態から第2切換状態に切り換える。したがって、切換弁30は、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。
【0035】
[実施形態の作用]
次に、本実施形態の作用について説明する。
制御装置31は、外気温センサ34によって検出される外気の温度が、所定の温度よりも高い場合、弁装置27を第1切換状態に切り換える。すると、弁装置27によって、外部流体熱交換器15への冷媒の流れが許容され、且つ、分岐通路26への冷媒の流れが遮断される。これにより、外部流体熱交換器15にて、外気と冷媒との熱交換が行われる。その結果、外部流体熱交換器15にて、冷媒が外気によって暖められる。
【0036】
一方、制御装置31は、外気温センサ34によって検出される外気の温度が、所定の温度以下である場合、弁装置27を第2切換状態に切り換える。すると、弁装置27によって、外部流体熱交換器15への冷媒の流れが遮断され、且つ、分岐通路26への冷媒の流れが許容される。これにより、外部流体熱交換器15にて、外気と冷媒との熱交換が行われなくなる。そして、膨張弁14によって減圧された液冷媒は、第3配管23内から分岐通路26を介して第4配管24内へ流れる。その結果、外部流体熱交換器15にて、冷媒が外気によって冷却されてしまうことが回避されている。
【0037】
図3及び
図4では、弁装置27が第2切換状態であるときの冷媒のエンタルピと圧力との関係を表したモリエル線図を示している。
図3及び
図4において、横軸は、冷媒のエンタルピであり、縦軸は、冷媒の圧力である。
図3及び
図4に示すように、上方に膨らむように延びる曲線において、その頂点である臨界点CPよりも左側に描かれた曲線は飽和液線L1であり、臨界点CPよりも右側に描かれた曲線は飽和蒸気線L2である。飽和液線L1及び飽和蒸気線L2によって囲われた領域は、冷媒が気液二相状態である二相域A1である。飽和液線L1よりも左側の領域は、冷媒が過冷却液状態である過冷却液域A2である。飽和蒸気線L2よりも右側の領域は、冷媒が過熱ガス状態である過熱ガス域A3である。
【0038】
図3に示す実線L10は、弁装置27が第2切換状態であり、圧縮機12から吐出された冷媒が、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入されている場合の冷媒のエンタルピと圧力との関係を示している。
図4に示す実線L20は、弁装置27が第2切換状態であり、飽和蒸気温度と電池20の温度との差が閾値を越えていなくても、圧縮機12から吐出された冷媒が、電池熱交換器13へ供給されている場合の冷媒のエンタルピと圧力との関係を示している。
図4のモリエル線図は、本実施形態に対する比較例である。電池熱交換器13を介した電池20と冷媒との熱交換が行われるにつれて、電池熱交換器13を通過した冷媒の温度が低くなっていく。冷媒の温度が低くなるにつれて、電池熱交換器13にて凝縮されて液化した液冷媒の量が多くなっていく。
【0039】
図4において実線L20で示すように、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入された冷媒の熱が、膨張弁14によって減圧された液冷媒が蒸発して飽和蒸気へと変化する際に必要となる蒸発潜熱として使われる場合がある。すると、アキュムレータ16内の冷媒の温度が加熱され難くなるため、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇し難くなる。したがって、圧縮機12から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇し難くなるため、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差が維持され難くなる。
【0040】
そこで、本実施形態では、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えるまでは、切換弁30は、第1切換状態になっている。したがって、飽和蒸気温度と電池20の温度との差が閾値を越えるまでは、圧縮機12から吐出された冷媒は、電池熱交換器13へ供給されずに、バイパス通路28を介して第4配管24へ導入される。
【0041】
図3に示す破線L11は、弁装置27が第2切換状態であり、圧縮機12から吐出された冷媒が、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入されていない場合の冷媒のエンタルピと圧力との関係を比較例として示している。
図3において、実線L10と破線L11とを比較して分かるように、実線L10は、破線L11に比べて、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇している。
【0042】
圧縮機12から吐出された冷媒が、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入されると、アキュムレータ16内の冷媒が加熱される。このため、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇する。すると、冷媒の熱力学的特性により、飽和蒸気温度が上昇する。飽和蒸気温度が上昇すると、冷媒の二相域A1での等温線が上昇する。そして、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、切換弁30が第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。これにより、圧縮機12から吐出された冷媒が第1配管21を介して電池熱交換器13へ供給される。このとき、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度は、等温線上となるため、冷媒の温度は一定となる。そして、アキュムレータ16内の冷媒が加熱されない場合に比べると、冷媒の二相域A1での等温線が上昇しているため、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差が維持され易くなる。したがって、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差が維持され難くなることが回避されている。
【0043】
図2に示すように、切換弁30が第2切換状態のとき、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れが許容されている。よって、切換弁30が第2切換状態のときであっても、圧縮機12から吐出された冷媒が、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入される。したがって、切換弁30が第2切換状態のときであっても、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇する。すると、冷媒の熱力学的特性により、飽和蒸気温度が上昇する。よって、切換弁30が第2切換状態のときであっても、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を下回り難くなっている。
【0044】
[実施形態の効果]
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)切換弁30は、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。これによれば、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えるまでは、切換弁30は、第1切換状態になっている。したがって、飽和蒸気温度と電池20の温度との差が閾値を越えるまでは、圧縮機12から吐出された冷媒は、第1配管21を介して電池熱交換器13へ供給されずに、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入される。よって、アキュムレータ16内の冷媒が加熱されるため、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力が上昇する。すると、冷媒の熱力学的特性により、圧縮機12から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇する。飽和蒸気温度が上昇すると、冷媒の二相域A1での等温線が上昇する。そして、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を越えると、切換弁30が第1切換状態から第2切換状態に切り換わる。これにより、圧縮機12から吐出された冷媒が第1配管21を介して電池熱交換器13へ供給される。このとき、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度は、等温線上となるため、冷媒の温度は一定となる。そして、アキュムレータ16内の冷媒が加熱されない場合に比べると、冷媒の二相域A1での等温線が上昇しているため、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差が維持され易くなる。したがって、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差が維持され難くなることが回避される。その結果、電池暖機システム10において電池20の暖機性能を向上させることができる。
【0045】
(2)切換弁30が第2切換状態のとき、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れが許容されている。これによれば、切換弁30が第2切換状態のときであっても、圧縮機12から吐出された冷媒が、第1配管21からバイパス通路28を介して第4配管24へ導入される。したがって、切換弁30が第2切換状態のときであっても、アキュムレータ16から流出して圧縮機12へ吸入されるガス冷媒の飽和蒸気圧力を上昇させることができる。すると、冷媒の熱力学的特性により、圧縮機12から吐出されるガス冷媒の飽和蒸気温度が上昇する。よって、切換弁30が第2切換状態のときであっても、圧力センサ32によって検出された圧力から導出される飽和蒸気温度と、温度センサ33によって検出された温度との差が閾値を下回り難くなる。その結果、切換弁30が第2切換状態のときであっても、電池熱交換器13を流れる冷媒の温度と電池20の温度との差を維持し易くすることができる。
【0046】
(3)バイパス通路28は、圧縮機12から吐出された冷媒を、外部流体熱交換器15の出口15bからアキュムレータ16の入口16aまでに至る通路の途中へ導入する。外部流体熱交換器15の出口15bからアキュムレータ16の入口16aまでに至る通路は、冷凍サイクル11において、バイパス通路28を接続する部分として好適である。例えば、バイパス通路28がアキュムレータ16に接続される場合のように、バイパス通路28をアキュムレータ16に接続するために、アキュムレータ16を既存の構成から変更するといった必要が無い。したがって、電池暖機システム10の構成を簡素化することができる。
【0047】
[変更例]
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0048】
○
図5に示すように、切換弁30が、第1配管21におけるバイパス通路28との接続箇所に設けられていてもよい。この場合、切換弁30は、第1切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を遮断し、且つ、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを許容するように構成されている。また、切換弁30は、第2切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒の電池熱交換器13への供給を許容し、且つ、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを遮断するように構成されている。切換弁30は、三方弁である。これによれば、切換弁30が第2切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒が第1配管21からバイパス通路28へ流れずに、圧縮機12から吐出された全ての冷媒が電池熱交換器13へ供給されるため、電池20を効率良く暖機することができる。
【0049】
○
図6に示すように、電池暖機システム10は、バイパス切換弁35をさらに備えていてもよい。バイパス切換弁35は、バイパス通路28における絞り29よりも第1配管21寄りの部分に設けられている。バイパス切換弁35は、例えば、電磁弁である。バイパス切換弁35は、例えば、オンオフ弁である。バイパス切換弁35は、制御装置31に電気的に接続されている。制御装置31は、バイパス切換弁35の駆動を制御する。バイパス切換弁35は、切換弁30が第1切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを許容するように構成されている。バイパス切換弁35は、切換弁30が第2切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒のバイパス通路28への流れを遮断するように構成されている。これによれば、切換弁30が第2切換状態のときに、圧縮機12から吐出された冷媒が第1配管21からバイパス通路28へ流れずに、圧縮機12から吐出された全ての冷媒が電池熱交換器13へ供給されるため、電池20を効率良く暖機することができる。
【0050】
○
図7に示すように、バイパス通路28の第2端が、アキュムレータ16に接続されていてもよい。この場合、圧縮機12から吐出された冷媒が、絞り29によって減圧された状態で、アキュムレータ16へ導入される。
【0051】
○
図8に示すように、バイパス通路28の第2端が、第3配管23の途中に接続されていてもよい。要は、圧縮機12から吐出された冷媒が、絞り29によって減圧された状態で、バイパス通路28を介して膨張弁14からアキュムレータ16までに至る通路の途中、又はアキュムレータ16へ導入されればよい。したがって、バイパス通路28は、第1配管21から分岐し、第2通路40、又はアキュムレータ16に接続されていればよい。
【0052】
○ 実施形態において、膨張弁14は、可変絞りであってもよい。
○ 実施形態において、絞り29は、可変絞りであってもよい。
○ 実施形態において、弁装置27が、例えば、第3配管23における分岐通路26との接続箇所に設けられていてもよい。
【0053】
○ 実施形態において、外部流体熱交換器15は、例えば、外部流体である冷却水と冷媒との熱交換を行うことが可能である構成であってもよい。
○ 実施形態において、電池暖機システム10は、外部流体熱交換器15を有していない構成であってもよい。
【0054】
○ 実施形態において、電池暖機システム10は、電気自動車に搭載されるものに限らない。また、電池暖機システム10の搭載対象は、車両に限らない。要は、電池暖機システム10の適用対象は、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0055】
10…電池暖機システム、11…冷凍サイクル、12…圧縮機、13…電池熱交換器、14…膨張弁、15…外部流体熱交換器、15b…出口、16…アキュムレータ、16a…入口、20…電池、21…第1通路を構成する第1配管、28…バイパス通路、29…絞り、30…切換弁、32…圧力センサ、33…温度センサ、35…バイパス切換弁、40…第2通路。