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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039464
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】推定システム、推定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/03 20230101AFI20240314BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144050
(22)【出願日】2022-09-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SWIFT
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】516133412
【氏名又は名称】株式会社カウリス
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】島津 敦好
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】クライアントが信用に値するかを推定することができる推定システムを提供する。
【解決手段】推定システム1は、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信部、クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信部、ライフライン提供者端末から、クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて判定されたクライアントの信用情報を受信する第2受信部及び信用情報を送信する第2送信部を備える情報処理装置100と、情報処理装置からクライアントの個人情報及び住所情報を受信し、住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と利用に基づいて、クライアントが信用に値するか否かを特定して信用情報を生成し、情報処理装置に送信するライフライン提供者端末200と、外部装置300と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信部と、
前記クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信部と、
前記ライフライン提供者端末から、前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて判定された少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を受信する第2受信部と、
前記信用情報を前記外部装置に送信する第2送信部と、を備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第3受信部と、
住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を記憶する記憶部と、
前記第3受信部が受信した前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定して、前記信用情報を生成する特定部と、
前記信用情報を前記情報処理装置に送信する第3送信部と、を備えるライフライン提供者端末と、
を備える推定システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否かを前記ライフライン提供情報に基づいて特定し、ライフラインの提供の有無に基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものであり、前記ライフラインが提供されていた場合に、前記信用度を相対的に高く設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の推定システム。
【請求項4】
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合に、当該住所に対応する利用者情報が、前記クライアントの個人情報と、所定の相関を示すか否かに基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の推定システム。
【請求項5】
前記特定部は、前記クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものである、前記住所情報が示す住所に対してライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報、前記クライアントの個人情報と所定の相関を示すときには、前記信用度を相対的に高く設定する
ことを特徴とする請求項4に記載の推定システム。
【請求項6】
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報が、前記クライアントの個人情報と、所定の相関を示すときに、前記クライアントが、前記住所情報が示す住所に、いつからいつまで利用しているかを示す利用日時情報を前記信用情報に含ませて生成する
ことを特徴とする請求項4に記載の推定システム。
【請求項7】
情報処理装置が、外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信ステップと、
前記情報処理装置が、前記クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信ステップと、
前記ライフライン提供者端末が、前記情報処理装置から前記クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第2受信ステップと、
前記ライフライン提供者端末が、住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を参照して、前記第2受信ステップにおいて受信した前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定して、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を生成する特定部と、
前記ライフライン提供者端末が、前記情報処理装置に前記信用情報を送信する第2送信ステップと、
前記ライフライン提供者端末から、前記信用情報を受信する第3受信ステップと、
前記信用情報を前記外部装置に送信する第3送信ステップと、
を含む推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置のクライアントが信用できるかを推定する推定システム、推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、インターネットやスマートフォンなどの端末機器の普及に伴い、インターネット上の店舗(オンラインショップ)における取引が急増している。インターネット上でのこのような取引の場合、購入者によって指定された配送先の住所に商品を配送するとともに請求書などが併せて当該配送先に送付されることがある。
【0003】
しかしながら、このようなインターネット上の店舗での取引において、購入者が実際に入居者が存在しない空き家を配送先の住所として利用し、届けられた商品を入手したにも関わらず、請求書などに対して支払いを行わない不正が多発している。
【0004】
このような空き家の住所の不正利用は、インターネット上での店舗での商品購入の他にインターネット上のオークション、銀行口座の開設、各種ローンや融資の申し込み、および保有ポイントとの商品交換などにおいても行われている。商品の受け渡しが存在しない場合であっても、金融機関やクレジットカードなどの本人認証を行うための住所に空き家を指定することでも不正が行われているのが実情である。
【0005】
このような不正による被害を未然に回避すべく、特許文献1に開示された技術では、広告に掲載されている不動産物件の住所が商品の配送先に指定された住所と一致した場合に、配送先に指定された住所が不正利用であると判定する。また、特許文献1に記載の技術では、広告に掲載されている期間および配送先として利用される期間を比較して、それらの期間が重複した場合に、配送先に指定された住所が不正利用であると判定する。
【0006】
また、特許文献2は、電力サービス利用者の住宅における時系列の電力の使用状況を示す電力使用状況情報を記憶部に蓄積しておき、現在の電力の使用状況と過去の電力の使用状況との比較に基づいて利用者が在宅であるか不在であるかを判断することで、宅配業者などが効率的に宅配業務を行うことができる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-60255号公報
【特許文献2】特開2016-126713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された技術では、広告に掲載されている不動産物件の住所を元に不正を判定しているため、広告に掲載されている不動産物件の情報のリアルタイム性が求められる。しかし、通常不動産物件の広告情報(掲載情報)は、賃貸または売買情報に紐付いてリアルタイムに掲載が制御されるものではない。通常であれば、1週間から2週間くらいのタイムラグが発生する。よって、このタイムラグの期間中であれば、不正をはたらくクライアントによって、空き家の住所が不正利用される可能性がある。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術は、利用者によって入力されている住所が空き家であるか否かを判断することを目的としていない。仮に特許文献2に記載の技術を空き家判定に使用したとしても、特許文献2に記載の技術は、現在および過去の電力使用状況を比較して利用者が在宅であるか不在であるかを判断しているため、空き家であった場合でも現在の電力使用状況および過去の電力使用状況とが類似していれば、利用者が在宅状態である(すなわち、空き家ではない)と判断されてしまう。また、引っ越し直後などの場合は、電力使用量が少ないことがあるため、空き家でもないにも関わらず、利用者が不在状態である(すなわち、空き家である)と判断されてしまう可能性もある。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、入力された住所情報や個人情報に基づいて、クライアントが信用に値するか否かを示す情報を提供する推定システム及び推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施態様に係る推定システムは、外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信部と、クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信部と、ライフライン提供者端末から、クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて判定された少なくともクライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を受信する第2受信部と、信用情報を外部装置に送信する第2送信部と、を備える情報処理装置と、情報処理装置からクライアントの個人情報及び住所情報を受信する第3受信部と、住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を記憶する記憶部と、第3受信部が受信したクライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくともクライアントが信用に値するか否かを特定して、信用情報を生成する特定部と、信用情報を情報処理装置に送信する第3送信部と、を備えるライフライン提供者端末と、を備える。
【0012】
また、上記推定システムにおいて、特定部は、住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否かをライフライン提供情報に基づいて特定し、ライフラインの提供の有無に基づいて、クライアントが信用に値するか否かを特定することとしてもよい。
【0013】
また、上記推定システムにおいて、特定部は、クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものであり、ライフラインが提供されていた場合に、信用度を相対的に高く設定することとしてもよい。
【0014】
また、上記推定システムにおいて、特定部は、住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合に、当該住所に対応する利用者情報が、クライアントの個人情報と、所定の相関を示すか否かに基づいて、クライアントが信用に値するか否かを特定することとしてもよい
【0015】
また、上記推定システムにおいて、特定部は、クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものである、住所情報が示す住所に対してライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報、クライアントの個人情報と所定の相関を示すときには、信用度を相対的に高く設定することとしてもよい。
【0016】
また、上記推定システムにおいて、特定部は、住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報が、クライアントの個人情報と、所定の相関を示すときに、クライアントが、住所情報が示す住所に、いつからいつまで利用しているかを示す利用日時情報を信用情報に含ませて生成することとしてもよい。
【0017】
また、本発明の一実施態様に係る推定方法は、情報処理装置が、外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信ステップと、情報処理装置が、クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信ステップと、ライフライン提供者端末が、情報処理装置からクライアントの個人情報及び住所情報を受信する第2受信ステップと、ライフライン提供者端末が、住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を参照して、第2受信ステップにおいて受信したクライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくともクライアントが信用に値するか否かを特定して、少なくともクライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を生成する特定部と、ライフライン提供者端末が、情報処理装置に信用情報を送信する第2送信ステップと、ライフライン提供者端末から、信用情報を受信する第3受信ステップと、信用情報を外部装置に送信する第3送信ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本開示に係る推定システム、推定方法によれば、外部装置から依頼されたクライアントが信用に値するかを推定することができ、例えば、不審なクライアントを顧客として登録することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】推定システムの構成例を示すシステム図である。
図2】情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】ライフライン提供者端末の構成例を示すブロック図である。
図4】ライフライン提供情報の構成例を示すデータ概念図である。
図5】推定システムにおける各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。
図6図5に示すやり取りを実現するための情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
図7図5に示すやり取りを実現するためのライフライン提供者端末の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る推定システム、推定方法、について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0021】
<実施の形態>
<概要>
図1は、本実施の形態に係る推定システム1に係る装置を示すシステム図の一例である。図1に示すように、推定システム1は、情報処理装置100と、ライフライン提供者端末200(200a、200b)と、を含み、ネットワーク400を介して、通信可能に接続されている。ネットワーク400には、外部装置300が接続され、情報処理装置100にアクセス可能に構成される。
【0022】
推定システム1においては、情報処理装置100が、外部装置300からネットワーク400を介して、住所情報とクライアント(あるいはクライアント候補)の個人情報を受け付けて、当該クライアントが信用に値するかを推定する。具体的には、情報処理装置100は、受け付けた住所情報と個人情報と、をライフライン提供者端末200に送信し、ライフライン提供者端末200は、当該住所情報が示す住所に対してライフラインを提供しているか、住所情報に対応する個人情報が一定以上相関するかどうかに基づいて、当該クライアントが信用するに値するかを推定する。即ち、推定システム1は、外部装置300のクライアントが信用できるか否かを推定する信用推定システムであるともいえる。
【0023】
ライフライン提供者端末200は、ネットワーク400を介して、クライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を情報処理装置100に送信する。そして、情報処理装置100は、ネットワーク400を介して、その信用情報を外部装置300に送信する。これにより、外部装置300のユーザは、自身のクライアントが信用に値するかどうかに基づいて、例えば、外部装置300が提供するサービスに顧客登録してよいかどうかを判断したり、何等かの契約を結ぶかどうかを判断したりすることができる。
【0024】
なお、ネットワーク400は、無線ネットワークや有線ネットワークを含む。具体的には、例えば、ネットワーク400は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、CDMA(code division multiple access)、LTE(long term evolution)、LTE-Advanced、第4世代通信(4G)、第5世代通信(5G)、及び第6世代通信(6G)以降の移動体通信システム等であってよい。なお、ネットワーク400は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、光回線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber LINE)回線、衛星通信網等であってもよい。また、ネットワーク400は、これらの組み合わせであってもよい。
以下、詳細に説明する。
【0025】
<構成>
図2は、情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、プロセッサやメモリを備えるコンピュータシステムであり、サーバ装置、PC、タブレット端末などによって実現されてよい。情報処理装置100は、外部装置300からの依頼を受け付けて、外部装置300のクライアントが信用に値するかを示す信用情報を外部装置300に提供する。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、入力部120と、制御部130と、記憶部140と、出力部150と、を備える。
【0027】
通信部110は、制御部130からの指示に従って、ネットワーク400を介して、外部の装置と通信をするための通信インターフェースである。通信部110は、例えば、外部装置300から住所情報と個人情報とを受信し、制御部130に伝達する。また、通信部110は、例えば、制御部130からの指示にしたがって、住所情報と個人情報とをライフライン提供者端末200に、送信し、対応するクライアントが信用に値するかの判定を依頼する。ここで、住所情報は、外部装置300において、外部装置300のクライアント(あるいは、クライアント候補)が居住している居所を示す情報であり、個人情報は当該クライアントの住所以外の個人情報のことである。住所以外の個人情報は、当該クライアントの特性を示す情報であればどのような情報であってもよく、例えば、クライアントの名前、生年月日あるいは年齢、性別、電話番号等の少なくともいずれか一つであってよく、複数であってもよい。また、個人情報にはこれらの情報以外の情報が含まれてよく、例えば、クライアントの顔写真、髪の色、眼の色、出身国などの情報などであってもよい。また、通信部110は、ライフライン提供者端末200から、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を、ネットワーク400を介して受信し、制御部130に伝達する。また、通信部110は、制御部130からの指示にしたがって、当該信用情報を、ネットワーク400を介して、外部装置300に送信する。
【0028】
入力部120は、情報処理装置100のオペレータ等からの入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部120は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器によって実現されてよく、音声入力を受け付けるマイク等により実現されてもよい。入力部120は、オペレータにより入力された内容を制御部130に伝達する。入力部120は、例えば、外部装置300のオペレータ等から口頭で伝えられた外部装置300のクライアントの住所情報や個人情報の入力を受け付けて、制御部130に伝達することとしてもよい。
【0029】
制御部130は、情報処理装置100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部130は、記憶部140に記憶されている各種プログラムを実行し、記憶部140に記憶されているデータを参照することで、情報処理装置100として果たすべき機能を実現する。
【0030】
制御部130は、第1受信部131、第1送信部132、第2受信部133、第2送信部134として機能する。
【0031】
第1受信部131は、通信部110を介して、外部装置300から送信された外部装置300のクライアントの住所情報及びクライアントの住所以外の個人情報を受信する。第1受信部131は、伝達した住所情報と個人情報を、第1送信部132に伝達する。
【0032】
第1送信部132は、第1受信部131から住所情報と個人情報を伝達されると、外部装置300のクライアントが信用に値するかの判定を、ライフライン提供者端末200に依頼する。即ち、第1送信部132は、通信部110を介して、ライフライン提供者端末200に、伝達された住所情報と個人情報と、を送信する。
【0033】
第2受信部133は、通信部110を介して、ライフライン提供者端末200から送信された、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを示す信用情報を受信する。信用情報を受信すると、第2受信部133は、第2送信部134に信用情報を伝達する。
【0034】
第2送信部134は、第2受信部133から信用情報を伝達されると、通信部110を介して、外部装置300に対して、信用情報を送信する。このとき、制御部130は、ライフライン提供者端末200から受信した信用情報に対して、何らかの加工を加えて、外部装置300に送信することとしてよい。ここでいう加工とは、例えば、ライフライン提供者端末200から信用情報として、ライフラインの提供の有無の情報を受信した場合に、外部装置300のクライアントが信用できるか否かを示す情報に変換することであってよい。
【0035】
記憶部140は、情報処理装置100が動作上必要とする各種プログラム、各種データを記憶する記憶媒体である。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)や、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現できるが、これらに限定するものではない。
【0036】
出力部150は、制御部130からの指示にしたがって、指定された情報を出力する。出力部150による情報の出力は、画像や文字による出力であってもよいし、音声による出力であってもよいし、外部の装置の情報の送信による出力であってもよい。出力部150は、一例として、情報処理装置100に接続されたモニタやスピーカなどにより実現されてよく、情報の送信は、通信部110を介して実現される。出力部150は、例えば、ライフライン提供者端末200から提供された信用情報をモニタに表示してもよい。
【0037】
以上が、情報処理装置100の説明である。
【0038】
図3は、ライフライン提供者端末200の構成例を示すブロック図である。ライフライン提供者端末200は、各種の設備あるいは人に所定のライフラインを提供するライフライン提供事業者の情報処理端末であり、プロセッサやメモリを備えるコンピュータシステムである。ライフライン提供者端末200は、例えば、サーバ装置やPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話などにより実現されるが、これらに限定するものではない。ここでライフラインとは、人が生活上必要とするもののことであり、例えば、電気、ガス、水のことであり、通信を含んでもよい。即ち、ライフライン提供事業者は、例えば、電力会社、ガス会社、水道会社、通信事業者などであってよい。
【0039】
図3に示すように、ライフライン提供者端末200は、通信部210と、入力部220と、制御部230と、記憶部240と、出力部250と、を備える。
【0040】
通信部210は、制御部230からの指示に従って、ネットワーク400を介して、外部の装置と通信をするための通信インターフェースである。通信部210は、例えば、情報処理装置100から、外部装置300のクライアントの住所情報と個人情報とを受信し、制御部230に伝達する。また、通信部210は、例えば、制御部230からの指示にしたがって、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを示す信用情報を送信する。
【0041】
入力部220は、ライフライン提供者端末200のユーザからの入力を受け付ける入力インターフェースである。入力部220は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器によって実現されてよく、音声入力を受け付けるマイク等により実現されてもよい。入力部220は、ユーザにより入力された内容を制御部230に伝達する。入力部220は、例えば、情報処理装置100のオペレータから口頭で伝えられた外部装置300のクライアントの住所情報と個人情報と、の入力を受け付けて制御部230に伝達してもよい。
【0042】
制御部230は、ライフライン提供者端末200の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部230は、記憶部140に記憶されている各種プログラムを実行し、記憶部140に記憶されているデータを参照することで、ライフライン提供者端末200として果たすべき機能を実現する。制御部230は、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを、受信した住所情報と個人情報とから判定する。
【0043】
制御部230は、ライフライン提供者端末200が果たすべき機能として、第3受信部231と、特定部232と、第3送信部233と、を備える。
【0044】
第3受信部231は、通信部210を介して、情報処理装置100から送信された住所情報と個人情報と、を受信する。第3受信部231は、受信した住所情報と個人情報と、を特定部232に伝達する。
【0045】
特定部232は、第3受信部231から住所情報と個人情報と、を伝達されると、住所情報と個人情報とに関連する外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定する。特定部232は、伝達された住所情報や個人情報に基づいて、当該クライアントが信用に値するか否かを示す信用度を数値として算出し、当該信用度に基づいて、クライアントが信用できるかを判定することとしてよい。
【0046】
特定部232は、伝達された住所情報に対応する住所に対して、ライフラインを提供しているか否かを、記憶部240に記憶されているライフライン提供情報241を参照して特定する。特定部232は、伝達された住所情報が示す住所に対して、ライフラインを提供している場合に、信用度を相対的に高くし、ライフラインを提供していない場合に、信用度を相対的に低くするように、信用度を算出する。
【0047】
また、特定部232は、伝達された個人情報と、住所情報に対応する住所に対してライフライン提供情報241上で対応付けられている個人情報と、の相関度に応じて、信用度を算出する。特定部232は、伝達された個人情報と、ライフライン提供情報241上の個人情報との一致度に応じて信用度を算出する。即ち、特定部232は、一致度が高いほど相対的に、信用度が高くなるように、そして、一致度が低いほど相対的に信用度が低くなるように、信用度を算出する。
【0048】
そして、特定部232は、算出された信用度が所定の閾値以上である場合に、伝達された住所情報と個人情報とに関連するクライアントを信用できると特定し、信用度が所定の閾値未満である場合に、当該クライアントは信用できないと特定する。当該特定は、その他の態様の一例として、個人情報の個数が定められている場合などにおいて、一致した個人情報の数が所定の閾値以上であった場合にクライアントが信用できると特定する態様としても実現することが可能である。
【0049】
特定部232は、クライアントが信用に値するか否かを示す信用情報を生成し、第3送信部233に伝達する。なお、ここで、信用情報は、少なくとも、クライアントが信用できるか否かを特定可能な情報を含む。クライアントが信用できるか否かを特定可能な情報は、単に、当該クライアントが信用できるか否かを示す2値の情報であってもよいし、特定部232が算出した信用度の数値情報であってもよい。また、あるいは、信用情報は、更に、クライアントが伝達された住所に住んでいたことがあるのか、クライアントが住んでいる(あるいは住んでいた)場合にいつからいつまで住んでいたのか、住んでいない場合に、住んでいた形跡があるのか、などの、ライフライン提供者端末200が提供可能な範囲内の情報を含んでもよい。
【0050】
第3送信部233は、特定部232から信用情報を伝達されると、通信部210を介して、情報処理装置100に送信する。
【0051】
記憶部240は、ライフライン提供者端末200が動作上必要とする各種プログラム、各種データを記憶する記憶媒体である。記憶部140は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)や、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現できるが、これらに限定するものではない。記憶部240は、例えば、情報処理装置100から住所情報と個人情報を受信した場合に、当該住所情報と個人情報に関連する外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定して、信用情報を生成するプログラムを記憶する。また、記憶部240は、例えば、住所と当該住所に対するライフラインの提供の有無、提供対象の個人情報を示すライフライン提供情報241を記憶する。
【0052】
出力部250は、制御部230からの指示にしたがって、指定された情報を出力する。出力部250による情報の出力は、画像や文字による出力であってもよいし、音声による出力であってもよいし、外部の装置の情報の送信による出力であってもよい。出力部250は、一例として、ライフライン提供者端末200に備えられたモニタやスピーカなどにより実現されてよく、情報の送信は、通信部210を介して実現される。
【0053】
以上がライフライン提供者端末200の説明である。
【0054】
なお、外部装置300は、一般的なPC等の情報処理装置であってよく、住所情報と個人情報を送信し、信用情報を受信して出力する機能を有するコンピュータシステムであればどのようなものであってもよい。したがって、外部装置300についての詳細な構成についての説明は省略する。
【0055】
<データ>
図4は、ライフライン提供情報241の構成例を示すデータ概念図である。ライフライン提供情報241は、ライフライン提供者端末200が関連するライフライン提供事業者が、ライフラインをどの住所に提供しているかを示す情報であり、提供している対象の情報(個人情報)を示す情報である。
【0056】
図4に示すように、ライフライン提供情報241は、管理ID401と、住所402と、ライフライン提供有無403と、権利者名404と、居住日時405と、が対応付けられた情報である。
【0057】
管理ID401は、各住所に対するライフラインの提供の有無を管理するために便宜上、情報処理装置100が付した識別情報である。
【0058】
住所402は、対応する管理ID401でライフラインの提供を管理する住所を示す情報である。
【0059】
ライフライン提供有無403は、対応する住所402に対して、現在、ライフラインが提供されているか否かを示す情報である。図4の例では、ライフラインを提供している場合に「有」とし、ライフラインが提供されていない場合に「無」としているが、これは、「0」、「1」で表現されるものであってもよい。
【0060】
権利者名404は、対応する住所402を利用(居住)していたユーザの名称を示す情報である。権利者は個人であってもよいし、法人や企業等の団体であってもよい。権利者名404としては、現在の権利者だけでなく、過去の権利者の情報も含まれてよい。
【0061】
居住日時405は、対応する住所402において、対応する権利者名404が、居住している日時を示す情報である。図示するように、現在居住している権利者については、居住日時の終わりの日付は登録されないが、現在日時が自動更新される態様で登録されていてもよい。
【0062】
以上が、ライフライン提供情報241の説明である。ライフライン提供情報241があることにより、ライフライン提供者端末200は、問い合わせがあった住所に対してライフラインが提供されているか否かを判定することができるとともに、登録されている個人情報の対応関係からも対応するクライアントが信用に値するかを判定することができる。
【0063】
なお、図4に示すライフライン提供情報241の構成例はあくまで一例である。ライフライン提供情報241は、図4に示した情報以外の情報(例えば、個人情報としての性別や電話番号、メールアドレスなど)も含んでもよく、それらの情報もクライアントが信用に値するか否かの判定の指標として参照されてもよい。また、逆に、図4に示す情報のうち、不要なものは削除されてもよい。例えば、ライフライン提供情報241において、管理ID401は必須ではなく、ライフライン提供有無403についても居住日時405から特定可能なのでなくてもよい。
【0064】
<動作>
ここから、推定システム1及び関連する各装置の動作について説明する。
【0065】
図5は、推定システム1における各装置間のやり取りの例を示すシーケンス図である。図5に示すように、外部装置300は、情報処理装置100に対して、外部装置300のクライアント(あるいはクライアント候補)の住所情報及び住所以外の個人情報を送信する(ステップS501)。即ち、ここで送信される住所情報と個人情報は、外部装置300が、信用に値するかを判定したいクライアントに関連する住所情報と個人情報であり、クライアントから外部装置300に対して提供される情報である。
【0066】
外部装置300から住所情報と個人情報を受信すると、情報処理装置100は、ライフライン提供者端末200に対して、受信した住所情報と個人情報とを送信して(ステップS502)、外部装置300のクライアントが信用に値するかを問い合わせる。
【0067】
ライフライン提供者端末200は、情報処理装置100から、住所情報と個人情報とを受信すると、当該住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否か、を特定するとともに、当該個人情報に基づいて、当該住所情報に関連するかを特定して、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を生成する(ステップS503)。そして、ライフライン提供者端末200は、生成した信用情報を、情報処理装置100に送信する(ステップS504)。
【0068】
情報処理装置100は、ライフライン提供者端末200から、信用情報を受信すると、これを、外部装置300に中継する。即ち、情報処理装置100は、受信した信用情報を、外部装置300に送信する(ステップS505)。
【0069】
外部装置300は、信用情報を受信すると、受信した信用情報を表示する(ステップS506)。これにより、外部装置300のオペレータは、クライアントが信用に値するかを判断することができる。
【0070】
図6は、図5に示すやり取りを実現するための情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0071】
図6に示すように、情報処理装置100の通信部110は、ネットワーク400を介して、情報を受信する(ステップS601)。通信部110は、受信した情報を、制御部130に伝達する。
【0072】
制御部130は、受信した情報が、住所情報と個人情報とであるか否かを判定する(ステップS602)。受信した情報が、住所情報と個人情報とである場合に(ステップS602のYES)、第1受信部131は、これを受信し、第1送信部132に伝達する。受信した情報が、住所情報と個人情報ではなかった場合には(ステップS602のNO)、ステップS604の処理に移行する。
【0073】
第1送信部132は、第1受信部131から住所情報と個人情報とを伝達されると、通信部110を介して、ライフライン提供者端末200に、当該住所情報と個人情報とを送信し、外部装置300のクライアントが信用に値するかの判定を依頼し(ステップS603)、処理を終了する。
【0074】
制御部130は、受信した情報が、信用情報であるか否かを判定する(ステップS604)。受信した情報が、信用情報出なかった場合には(ステップS604のNO)、受信した情報内容に応じた処理を実行する。受信した情報が、信用情報であった場合には(ステップS604のYES)、第2受信部133は、これを受信し、第2送信部134に伝達する。
【0075】
第2送信部134は、第2受信部133から信用情報を伝達されると、通信部110を介して、外部装置300に、信用情報を送信し(ステップS605)、処理を終了する。
【0076】
以上が、情報処理装置100の動作である。
【0077】
図7は、図5に示すやり取りを実現するためのライフライン提供者端末200の動作例を示すフローチャートである。
【0078】
図7に示すように、ライフライン提供者端末200の通信部210は、情報処理装置100から送信された住所情報と個人情報とを受信する。通信部210は、受信した住所情報と個人情報とを制御部230に伝達する。
【0079】
制御部230の第3受信部231は、伝達された住所情報と個人情報とを受信する(ステップS701)。第3受信部231は、住所情報と個人情報とを受信すると、特定部232に伝達する。
【0080】
特定部232は、第3受信部231から、住所情報と個人情報とを受信すると、受信した住所情報に対応する住所にライフラインが提供されているか否かを特定する(ステップS702)。
【0081】
また、特定部232は、受信した個人情報に基づいて、受信した住所情報と個人情報に対応する外部装置300のクライアントが信用に値する否かを特定する。そして、特定部232は、当該クライアントが信用にできるか否かを示す信用情報を生成する(ステップS703)。一例として、特定部232は、受信した住所情報にライフラインが提供されているか否か、そして、クライアントが提供した個人情報と、ライフライン提供情報に登録されている個人情報との相関から、外部装置300のクライアントの信用度を算出する。特定部232は、算出した信用度が所定の閾値以上である場合に、外部装置300のクライアントが信用できることを示す信用情報を生成し、算出した信用度が所定の閾値未満である場合に、外部装置300のクライアントが信用できないことを示す信用情報を生成する。
【0082】
第3送信部233は、特定部232から信用情報を伝達されると、通信部210を介して、情報処理装置100に、信用情報を送信し(ステップS704)、処理を終了する。
【0083】
以上が、ライフライン提供者端末200の動作例である。
【0084】
なお、外部装置300は、情報処理装置100に対して住所情報と個人情報とを送信し、情報処理装置100から信用情報を受信して表示するだけであるので、詳細な動作説明は省略する。
【0085】
<推定システム1の利用形態>
ここで、上記推定システム1が外部装置300のクライアントとしてどのようなクライアントの確認を行うのかについて説明する。外部装置300は、何らかのサービスをクライアントに提供する業を行う会社や法人、個人等に関連する情報処理装置であってよく、クライアントの情報の登録や確認等を行う過程を含むものであればどのようなものであってもよい。
【0086】
まず、一つの例として、外部装置300は、eコマース、即ち、電子商取引サイトのサーバ装置であってよい。この場合に、外部装置300のクライアントとしては当該電子商取引サイトを利用したいユーザが該当し、サービスを利用するためにユーザ登録する際に、推定システム1を利用して、そのユーザを登録してよいかどうかを判定するために用いることとしてもよい。また、ユーザが登録されている場合であっても、そのユーザが購入した商品の配送先について、その住所情報や宛名を推定システム1に送信することで、配送先の住所が信用に値するのかを判定することとしてもよい。これにより、空き家となっている家の住所を指定して、電子商取引サイト上の商品の受け取りを行ったりする不正行為を抑制することができる。
【0087】
また、他の例として、外部装置300は、保険会社のサーバ装置等であってよい。この場合に、外部装置300のクライアントとしては当該保険会社の保険に加入しようとしているユーザであってよい。外部装置300は、契約時において、そのユーザの住所情報や個人情報を推定システム1に送信し、推定システム1を利用して、そのユーザをクライアントとして契約してよいかの判定に用いることとしてもよい。これにより、例えば、保険金詐欺等による利用を抑制することができる。
【0088】
また、他の例として、外部装置300は、銀行等の金融機関のサーバ装置等であってよい。この場合に、外部装置300のクライアントとしては、当該銀行に口座を開設したいユーザであってよい。外部装置300は、口座開設時に、そのユーザの住所情報や個人情報を推定システム1に送信し、推定システム1を利用して、そのユーザの口座を開設してよいかどうかの判定に用いることとしてよい。これにより、架空口座の開設を抑制できる可能性がある。また、銀行等の金融機関においては、継続的顧客管理が求められており、登録されているユーザの情報が最新のものとして信用できるか否かを、推定システム1を利用して判定することもできる。これにより、例えば、推定システム1がクライアントの住所情報が信用できないと判定した場合に、外部装置300からそのクライアントに連絡をとって現在の住所等を確認することで、クライアントの情報を最新の状態に維持することができる。
【0089】
このように推定システム1においては、様々な形態の外部装置300からの依頼に基づいて、クライアントが信用できるかを判定し、その判定結果に基づいて、外部装置300においては、提供するサービスの質の向上を促すことができる。
【0090】
<まとめ>
本実施形態に係る推定システム1によれば、依頼されたクライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を提供することができる。空き家を住所として指定するクライアントは何等かの不正を働いている、あるいは、不正を働く可能性が高いことが推定できる。そこで、クライアントの住所情報に対して、ライフラインが提供されていれば、その住所が利用されていること自体は確定するので、空き家を住所として指定するクライアントよりも信用に値すると特定することができる。また、外部装置300のクライアントが提示する個人情報が、住所情報で示される住所に対してライフライン提供業者が保持する顧客情報(ライフライン提供情報241)の個人情報と所定以上相関するか(一致するか)どうかによって、より精度よく当該クライアントが信用できるかどうかを特定することができる。
【0091】
<補足>
上記実施の形態に係る推定システム1及び情報処理装置100は、上記実施の形態に示した態様に限定するものではない。以下、各種変形例について説明する。
【0092】
(1) 上記実施の形態においては、情報処理装置100は、ライフライン提供者端末200から、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを示す信用情報を受信して、外部装置300に送信することとしている。ここで、上記実施形態において、信用情報は、ライフライン提供者端末200において判定された外部装置300のクライアントが信用に値するかを判定した情報を含む例を説明しているが、信用情報の態様はこれに限定するものではない。信用情報の外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定できる情報であれば、どのような態様であってもよい。
【0093】
例えば、ライフライン提供者端末200は情報処理装置100に対して、信用情報として、ライフライン提供者端末200が情報処理装置100から受信した住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否かを示す情報を送信してもよい。情報処理装置100は、これを受けて、外部装置300に対して、そのまま、ライフラインが提供されているか否かを示す信用情報を送信してもよいし、ライフラインが提供されているか否かを示す情報に加工した信用情報を送信するようにしてもよい。
【0094】
また、例えば、ライフライン提供者端末200は情報処理装置100に対して、信用情報として、ライフライン提供者端末200が情報処理装置100から受信した個人情報各々について、住所情報が示す住所に対して対応付けられているライフラインの提供先の個人情報と一致するか否かを示す情報を送信してもよい。情報処理装置100は、これを受けて、外部装置300に対して、そのまま、個人情報各々について一致するか否かを示す情報を信用情報として送信してもよいし、情報処理装置100が個人情報各々の一致度合(相関)に応じて、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを判定し、その判定結果を信用情報として外部装置300に送信するようにしてもよい。
【0095】
また、例えば、ライフライン提供者端末200は情報処理装置100に対して、信用情報として、ライフライン提供者端末200が情報処理装置100から受信した住所情報が示す住所に対してライフラインを提供している場合に、個人情報が示すクライアントにいつからライフラインを提供しているのかを示す情報を送信するようにしてもよい。情報処理装置100は、これを受けて、同情報を外部装置300に送信するようにしてもよい。
【0096】
また、例えば、ライフライン提供者端末200は情報処理装置100に対して、信用情報として、ライフライン提供者端末200が情報処理装置から受信した住所情報が示す住所に対してライフラインを提供していない場合であって、個人情報が示すクライアントが過去にその住所に居住してライフラインの提供を受けていた形跡があるときには、いつからいつまでライフラインの提供を受けていたのかを示す情報を送信するようにしてもよい。このとき、過去にライフラインの提供を受けていた形跡がなかった場合にはその旨を示す信用情報を送信するようにしてもよい。また、ライフライン提供者端末200は、ライフラインの提供はしていても個人情報が示すクライアントとは異なる人物がライフラインの提供を受けている場合にはその旨を示す信用情報を送信するようにしてもよい。情報処理装置100は、これを受けて、同情報を外部装置300に送信するようにしてもよい。
【0097】
(2) 上記実施形態において、ライフライン提供者端末200が保持する機能を情報処理装置100が保持していてもよい。例えば、情報処理装置100がライフライン提供者端末200が保持するライフライン提供情報にアクセス可能な場合に、情報処理装置100が、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを特定するようにしてもよい。また、あるいは、情報処理装置100は、上記補足(1)にも示したように、ライフライン提供者端末200から、ライフラインの提供の有無、個人情報各々についての一致不一致の情報の提供を受けて、外部装置300のクライアントが信用に値するか否かを判定する機能(上記実施形態に示した特定部と同等の機能)を備えることとしてもよい。
【0098】
(3) 情報処理装置100あるいはライフライン提供者端末200の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置100あるいはライフライン提供者端末200は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU 、上記プログラム及び各種情報がコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。すなわち、本発明に係る情報処理装置100やライフライン提供者端末200は、CPUがRAM上にロードされたプログラムを実行することにより、上述した各構成部として機能する。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれた情報信号の形態でも実現され得る。
【0099】
なお、上記プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Python、Rubyなどのスクリプト言語、C言語、C++、C#、Objective-C、Swift、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装されてよい。さらに、特許請求の範囲における「部(section、module、unit)」との記載は、「手段」や「回路」に読み替えてもよい。例えば、通信部は、通信手段や通信回路に読み替えることができる。
【0100】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置100に提供されてもよい。
【0101】
(3) 上記実施の形態に示した各処理は、上記実施の形態に示した効果と同等の効果を実現できれば、適宜、その処理順序や処理タイミングを変更可能である。例えば、上記実施形態の図6に示したフローチャートのうち、ステップS602とS603の処理と、ステップS604とS605の処理と、は逆、即ち、ステップS604とS605の処理を先に実行するように構成してもよいし、ステップS602とS603の処理とステップS604とS605の処理とを並列に実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0102】
100 情報処理装置
110 通信部
120 入力部
130 制御部
131 第1受信部
132 第1送信部
133 第2受信部
134 第2送信部
140 記憶部
150 出力部
200 端末装置
210 通信部
220 入力部
230 制御部
231 第3受信部
232 特定部
233 第3送信部
240 記憶部
241 ライフライン提供情報
250 出力部
300 外部装置
400 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-02-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信部と、
前記クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信部と、
前記ライフライン提供者端末から、前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて判定された少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を受信する第2受信部と、
前記信用情報を前記外部装置に送信する第2送信部と、を備える情報処理装置と、
前記情報処理装置から前記クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第3受信部と、
住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を記憶する記憶部と、
前記第3受信部が受信した前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定して、前記信用情報を生成する特定部と、
前記信用情報を前記情報処理装置に送信する第3送信部と、を備えるライフライン提供者端末と、
を備え
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否かを前記ライフライン提供情報に基づいて特定し、ライフラインの提供の有無に基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定し、
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合に、当該住所に対応する利用者情報が、前記クライアントの個人情報と、所定の相関を示すか否かに基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定する
推定システム。
【請求項2】
前記特定部は、前記クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものであり、前記ライフラインが提供されていた場合に、前記信用度を相対的に高く設定する
ことを特徴とする請求項に記載の推定システム。
【請求項3】
前記特定部は、前記クライアントが信用に値するか否かの度合いを示す信用度を設定するものである、前記住所情報が示す住所に対してライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報、前記クライアントの個人情報と所定の相関を示すときには、前記信用度を相対的に高く設定する
ことを特徴とする請求項に記載の推定システム。
【請求項4】
前記特定部は、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合であって、当該住所に対応する利用者情報が、前記クライアントの個人情報と、所定の相関を示すときに、前記クライアントが、前記住所情報が示す住所に、いつからいつまで利用しているかを示す利用日時情報を前記信用情報に含ませて生成する
ことを特徴とする請求項に記載の推定システム。
【請求項5】
前記第2送信部は、前記第2受信部が受信した信用情報を加工したライフラインが提供しているか否かを示す信用情報を前記外部装置に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定システム。
【請求項6】
前記利用者情報は、名前、生年月日、年齢、性別、電話番号、顔写真、髪の色、眼の色、あるいは、出身国のうちの少なくともいずれか一つであり、
前記クライアントの個人情報は、前記利用者情報に対応する名前、生年月日、年齢、性別、電話番号、顔写真、髪の色、眼の色、あるいは、出身国のうちの少なくともいずれか一つである
請求項1~5のいずれか一項に記載の推定システム。
【請求項7】
情報処理装置が、外部装置から、クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第1受信ステップと、
前記情報処理装置が、前記クライアントの個人情報及び住所情報をライフライン提供者端末に送信する第1送信ステップと、
前記ライフライン提供者端末が、前記情報処理装置から前記クライアントの個人情報及び住所情報を受信する第2受信ステップと、
前記ライフライン提供者端末が、住所情報と、当該住所情報が示す住所に対するライフラインの提供の有無と、当該住所情報が示す住所を利用する利用者を示す利用者情報と、を対応付けたライフライン提供情報を参照して、前記第2受信ステップにおいて受信した前記クライアントの個人情報及び住所情報に基づいて、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定して、少なくとも前記クライアントが信用に値するか否かを特定可能な情報を含む信用情報を生成する特定ステップと、
前記ライフライン提供者端末が、前記情報処理装置に前記信用情報を送信する第2送信ステップと、
前記ライフライン提供者端末から、前記信用情報を受信する第3受信ステップと、
前記信用情報を前記外部装置に送信する第3送信ステップと、
を含み、
前記特定ステップは、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されているか否かを前記ライフライン提供情報に基づいて特定し、ライフラインの提供の有無に基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定し、
前記特定ステップは、前記住所情報が示す住所に対して、ライフラインが提供されていた場合に、当該住所に対応する利用者情報が、前記クライアントの個人情報と、所定の相関を示すか否かに基づいて、前記クライアントが信用に値するか否かを特定する推定方法。