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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039472
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】予兆保全システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240314BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144061
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】522092206
【氏名又は名称】株式会社サンワ電装
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大津 健一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】複数の機器についての予兆保全を効果的に行うことができる予兆保全システムを提供する。
【解決手段】機器2のレコードを記憶する記憶装置3と、各レコードの機器2についての重要度に関する項目を設定する重要度設定部4と、各機器2の作動状態を所定時間毎に取得して該機器2のレコードの作動状態を更新する機器状態更新部5と、各レコードにおいて、重要度及び作動状態に基づき、当該機器2の優先度を取得し、該レコード中の優先度を更新する優先度更新部6と、記憶装置3中のレコードを読み出して、各レコード中の重要度、作動状態、優先度を一覧表示する表示部8と、各レコードの内容を、該一覧表示を介して追加、削除又は変更するための入力手段9とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保全措置の対象とする複数の機器のそれぞれに関するレコードを記憶する記憶装置と、
各レコードに対応する前記機器への保全措置実行の重要度に関する該レコード中の項目を設定する重要度設定部と、
各機器の作動状態を所定時間毎に取得して対応する前記レコードにおける該作動状態に関する項目を更新する機器状態更新部と、
各レコードにおいて、前記重要度及び前記作動状態に関する項目の内容に基づき、対応する前記機器についての前記保全措置を他の前記機器に優先して行うか否かについての優先度を該レコードの前記作動状態の項目が更新される毎に取得し、該取得した優先度によって該レコード中の優先度に関する項目を更新する優先度更新部と、
前記記憶装置中の各機器の前記レコードを読み出して、各レコード中の前記重要度、前記作動状態、前記優先度の項目の内容を各機器に対応させて一覧表形式で表示する表示部と、
前記記憶装置中の各レコードの各項目の内容を、前記表示部による一覧表形式の表示を介して追加、削除又は変更するための入力手段とを備えることを特徴とする予兆保全システム。
【請求項2】
各機器の前記レコードにおける前記優先度の項目の内容に基づいて、各機器について前記保全措置を実施すべき時期を取得し、該レコードの該時期に関する項目の内容を設定する保全計画設定部を備え、前記表示部は、各機器の該レコードにおける該時期の項目の内容を前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項3】
各機器の名称、保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を、各機器の前記レコードに記録する保全情報設定部を備え、前記表示部は、各レコードのこれらの記録内容を、前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項4】
各機器について、直近の点検の様子を示す画像データを該機器の前記レコードに紐づけて前記記憶装置に記憶する画像記憶部を備え、前記表示部は、その画像データのサムネイルを前記一覧表形式の表示における該レコードの表示に対応させて表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項5】
各レコードの前記保全を行った直近の日付に紐づけて対応する前記機器についての保全履歴を示すデータを該記憶装置に記憶させる保全履歴設定部を備え、前記表示部は、前記一覧表形式の表示において表示している任意の前記レコードの前記保全を行った直近の日付が指示された場合には、これに応答して該レコードに対応する前記機器についての前記保全履歴を一覧表示するものであることを特徴とする請求項3に記載の予兆保全システム。
【請求項6】
前記保全履歴の一覧表示を介して、該保全履歴についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている前記保全履歴のデータに反映させる保全履歴更新部を備えることを特徴とする請求項5に記載の予兆保全システム。
【請求項7】
前記保全履歴を示すデータには、対応する前記機器について行われた保全の内容、該保全が行われた日時、及び故障原因に関する項目が含まれることを特徴とする請求項5に記載の予兆保全システム。
【請求項8】
前記故障原因に関する項目の内容に紐づけて、該故障原因に対応する保全内容を示すデータを前記記憶装置に記憶する保全内容記憶部を備え、前記表示部は、表示している任意の前記保全履歴を示すデータ中の該故障原因の項目の内容が指示された場合には、これに応答して該内容に対応する前記保全内容を表示するものであり、前記保全内容記憶部は、該保全内容の表示を介して、該保全内容についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている該保全内容のデータに反映させるものであることを特徴とする請求項7に記載の予兆保全システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器の作動状態を判定する状態判定部を備える予兆保全システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転部などの動作部を有する機器について、連続的に動作状態を計測・監視し、動作部の劣化状態を把握又は予知して部品の交換や修理行う予兆保全(予知保全)に関する技術が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された技術においては、転がり軸受から発生する振動又は音の検出信号を周波数変換し、その低周波帯域信号をA/D変換して周波数スペクトルを取得し、これに含まれるピーク発生周波数と、転がり軸受の損傷に起因する理論損傷周波数とを比較することにより、転がり軸受の異常が診断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-56686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の技術は、転がり軸受について診断し、診断結果を出力するものであるが、この技術においては、出力される診断結果を利用して複数の機器の予兆保全に効果的に役立てることについては何ら配慮されていない。
【0006】
本発明の目的は、複数の機器についての予兆保全を効果的に行うことができる予兆保全システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の予兆保全システムは、
保全措置の対象とする複数の機器のそれぞれに関するレコードを記憶する記憶装置と、
各レコードに対応する前記機器への保全措置実行の重要度に関する該レコード中の項目を設定する重要度設定部と、
各機器の作動状態を所定時間毎に取得して対応する前記レコードにおける該作動状態に関する項目を更新する機器状態更新部と、
各レコードにおいて、前記重要度及び前記作動状態に関する項目の内容に基づき、対応する前記機器についての前記保全措置を他の前記機器に優先して行うか否かについての優先度を該レコードの前記動作状態の項目が更新される毎に取得し、該取得した優先度によって該レコード中の優先度に関する項目を更新する優先度更新部と、
前記記憶装置中の各機器の前記レコードを読み出して、各レコード中の前記重要度、前記作動状態、前記優先度の項目の内容を各機器に対応させて一覧表形式で表示する表示部と、
前記記憶装置中の各レコードの各項目の内容を、前記表示部による一覧表形式の表示を介して追加、削除又は変更するための入力手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、保全措置の対象とする各機器についての保全措置の重要度、所定時間毎の作動状態を参酌して保全処置の優先度を決定すると共に、表示部により一覧表形式で表示することができる。したがって、作業員は、この一覧表に基づいて、各機器の作動状態や保全措置の優先度が容易に把握され、各機器についての予兆保全措置を、確実に実施することができる。また、この一覧表における各項目の内容を、入力手段により適宜追加、削除又は変更し、記憶装置中の各レコードに反映させることができる。
【0009】
(2)本発明において、各機器の前記レコードにおける前記優先度の項目の内容に基づいて、各機器について前記保全措置を実施すべき時期を取得し、該レコードの該時期に関する項目の内容を設定する保全計画設定部を備え、前記表示部は、各機器の該レコードにおける該時期の項目の内容を前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであってもよい。
【0010】
これによれば、作業員は、表示部が各機器について一覧表示する保全措置を実施すべき時期に基づいて、各機器の保全措置を滞りなく実施することができる。
【0011】
(3)本発明において、各機器の名称、保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を、各機器の前記レコードに記録する保全情報設定部を備え、前記表示部は、各レコードのこれらの記録内容を、前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであってもよい。
【0012】
これによれば、作業員は、表示部が表示する各機器の名称により、各機器の保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を把握して、各機器の保全措置を支障なく実施することができる。
【0013】
(4)本発明において、各機器について、直近の点検の様子を示す画像データを該機器の前記レコードに紐づけて前記記憶装置に記憶する画像記憶部を備え、前記表示部は、その画像データのサムネイルを前記一覧表形式の表示における該レコードの表示に対応させて表示するものであってもよい。これによれば、表示部が表示する一覧表形式の表示中の任意のレコードのサムネイルが指示された場合に、対応する機器の点検の様子を拡大表示するように構成することができる。
【0014】
(5)本発明において、各レコードの前記保全を行った直近の日付に紐づけて対応する前記機器についての保全履歴を示すデータを該記憶装置に記憶させる保全履歴設定部を備え、前記表示部は、前記一覧表形式の表示において表示している任意の前記レコードの前記保全を行った直近の日付が指示された場合には、これに応答して該レコードに対応する前記機器についての前記保全履歴を一覧表示するものであってもよい。
【0015】
これによれば、作業員は、表示されている任意の機器についての前記保全を行った直近の日付を指示するだけで、その機器についての保全履歴を一覧表示させ、把握することができる。
【0016】
(6)この場合、前記保全履歴の一覧表示を介して、該保全履歴についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている前記保全履歴のデータに反映させる保全履歴更新部を備えてもよい。これによれば、作業員は、保全履歴の一覧表示を見ながら、保全履歴を追加、削除又は変更することができる。
【0017】
(7)この場合、前記保全履歴を示すデータには、対応する前記機器について行われた保全の内容、該保全が行われた日時、及び故障原因に関する項目が含まれてもよい。これによれば、故障原因に関する項目の内容を指示するだけで、対応する機器についての保全内容や、該保全が行われた日時、故障原因についての情報が得られるようにすることができる。
【0018】
(8)前記故障原因に関する項目の内容に紐づけて、該故障原因に対応する保全内容を示すデータを前記記憶装置に記憶する保全内容記憶部を備え、前記表示部は、表示している任意の前記保全履歴を示すデータ中の該故障原因の項目の内容が指示された場合には、これに応答して該内容に対応する前記保全内容を表示するものであり、前記保全内容記憶部は、該保全内容の表示を介して、該保全内容についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている該保全内容のデータに反映させるものであってもよい。
【0019】
これによれば、保全履歴の一覧表示において、故障原因に関する項目の内容を指示するだけで、対応する機器についての保全内容や、保全が行われた日時、故障原因についての情報を表示させるとともに、その表示内容について、入力手段により追加、削除又は変更を行うことにより、保全内容を更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る予兆保全システムの構成を示すブロック図である。
図2図1の予兆保全システムが記憶装置に記憶する各機器のレコードの各項目の内容を例示する表である。
図3図1の予兆保全システムにより表示される保全履歴の一覧表示の一例を示す表である。
図4図1の予兆保全システムにより表示される保全内容のデータの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る予兆保全システムの構成を示すブロック図である。この予兆保全システム1は、コンピュータで構成され、図1に示すように、保全措置の対象とする複数の機器2のそれぞれに関するレコードを記憶装置3に記憶する。図2は、予兆保全システム1により各レコードの各項目に記録される内容、及びその内容を一覧表形式で表示する場合の表示例を示す。なお、この一覧表における各行が各レコードに対応し、各列が各項目に対応する。
【0022】
予兆保全システム1は、各レコードについて、図2で示される重要度に関する項目aを設定する重要度設定部4と、作動状態に関する項目bを更新する機器状態更新部5と、優先度に関する項目cを更新する優先度更新部6とを備える。各レコードに対応する機器2は、「機器ID」により区別される。重要度の項目aには、対応する機器2についての保全措置を行うことについての重要度に関する情報が設定される。
【0023】
例えば、重要度に関する項目aにおいて、重要度は高い方から順に「S」、「A」、「B」、「C」が設定される。作動状態に関する項目bでは、作動状態が良好な方から順に「〇」、「△」、「×」が設定される。「□」は、その機器2については、簡易巡視を行った後に保全措置が実施されることを意味している。優先度に関する項目cでは、優先度が高い方から順に「1」、「2」、「3」、・・・が設定される。
【0024】
作動状態の項目bは、機器状態更新部5が、所定時間毎に各機器2から取得する各機器2の作動状態に関する情報により更新される。優先度の項目cは、優先度更新部6が、各レコードの重要度の項目a及び作動状態の項目bの内容に基づき、該レコードに対応する機器2について、保全措置を他の機器2に優先して行うか否かについての優先度を動作状態の項目bが更新される毎に取得し、該優先度で更新する。
【0025】
また、予兆保全システム1は、記憶装置3中の各機器2のレコードを読み出して、各レコード中の重要度の項目a、作動状態の項目b、及び優先度の項目cの内容を各機器2に対応させて一覧表形式で表示手段7により表示する表示部8と、記憶装置3中の各レコードの各項目の内容を、表示部8による表示を介して追加、削除又は変更するための入力手段9とを備える。
【0026】
また、予兆保全システム1は、各機器2のレコードにおける優先度の項目c内容に基づいて、各機器2について保全措置を実施すべき時期を取得し、該レコードの時期に関する項目dの内容を設定する保全計画設定部10を備える。表示部8は、各機器2のレコードにおける時期の項目dの内容を併せて一覧表形式で表示する。
【0027】
また、予兆保全システム1は、各機器2の名称、保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を、対応する前記レコードの項目e、f、g、h、iにそれぞれ記録する保全情報設定部11を備える。表示部8は、各レコードのこれらの記録内容を併せて一覧表形式で表示する。
【0028】
また、予兆保全システム1は、各機器2について、直近の点検の様子を示す画像データを対応するレコードに紐づけて記憶装置3に記憶する画像記憶部12を備える。表示部8は、一覧表形式の表示に際し、その画像データのサムネイルSNを、対応するレコードの表示位置に表示する。
【0029】
また、予兆保全システム1は、各レコードの項目gの「保全を行った直近の日付」に紐づけて、該レコードの機器2の保全履歴を示すデータを記憶装置3に記憶させる保全履歴設定部13を備える。表示部8は、一覧表示している項目gにおける任意の「保全を行った直近の日付」が指示された場合には、これに応答して対応する機器2についての保全履歴を一覧表示する。
【0030】
図3は、この保全履歴の一覧表示の一例を示す。予兆保全システム1には、この保全履歴の一覧表示を介して、この保全履歴についての入力手段9による追加、削除又は変更を受け入れて記憶装置3に記憶されている保全履歴のデータに反映させる保全履歴更新部14が含まれる。保全履歴のデータには、対応する機器2について行われた保全の内容、該保全が完了した日付の項目j、及び故障原因に関する項目kが含まれる。
【0031】
上記保全の内容の項目としては、例えば、保全の目的に関する項目l、保全の件名や作業項目に関する項目m、保全に係る故障の発見に用いた方法に関する項目n、保全原因の性格に関する項目o、保全に用いた処置や対策に関する項目p、保全作業の内容及び結果に関する項目qが含まれる。
【0032】
また、予兆保全システム1には、上記の故障原因に関する項目kの内容に紐づけて、該故障原因に対応する保全内容を示すデータを記憶装置3に記憶する保全内容記憶部15を備える。
【0033】
表示部8は、表示している保全履歴のデータ中の故障原因の項目kにおける任意の内容が指示された場合には、これに応答して該内容に対応する保全内容を表示する機能を有する。保全内容記憶部15は、その保全内容の表示を介して、該保全内容についての入力手段9による追加、削除又は変更を受け入れて記憶装置3に記憶されている該保全内容のデータに反映させる機能を有する。図4は、この保全内容の表示例を示す。
【0034】
この構成において、作業員が、予兆保全システム1を起動させると、機器状態更新部5は、各機器2の作動状態を所定時間毎に取得して対応するレコードにおける動作状態の項目bを更新する。また、この更新に同期して、優先度更新部6は、重要度設定部4により設定された各レコードにおける重要度の項目aと、更新された動作状態の項目bとに基づき、各レコード中の優先度に関する項目cを更新する。
【0035】
この間に、作業員が表示手段7を介して表示部8に対して各レコードの内容を表示するように指示すると、表示部8は、記憶装置3から各レコードを読み出し、その内容を、表示手段7により図2に示すように一覧表示する。この一覧表示に基づき、作業員は、各機器2のレコードにおける優先度に関する項目cの内容などを把握し、必要な機器2についての保全作業(メンテナンス)を行うことができる。
【0036】
この間、作業員は、一覧表示を見ながら、入力手段9により、各機器2のレコードにおける所望の項目の内容について、追加、削除又は変更することができる。また、保全計画設定部10に指示して、各レコードにおける優先度の項目cの内容に基づいて、各機器についての保全措置を実施すべき時期を取得し、各レコードの該時期に関する項目の内容を設定し、表示させることができる。
【0037】
また、作業員は、一覧表示中の所望のサムネイルを指示することにより、対応する機器2の直近の点検の様子を示す画像を表示させることができる。また、作業員は、一覧表示中の所望の機器2のレコードにおける項目gの保全を行った直近の日付を指示することにより、その機器2についての保全履歴を、図3に示すように、一覧表示させることができる。
【0038】
また、作業員は、この保全履歴の一覧表示により、所望の機器2について行われた保全内容や、該保全が行われた日時(項目j)、故障原因(項目k)などについての情報を得ることができる。また、この保全履歴の一覧表示を介して、保全履歴更新部14により、該保全履歴についての入力手段9による追加、削除又は変更を受け入れて記憶装置3に記憶されている保全履歴のデータに反映させることができる。
【0039】
また、作業員は、保全履歴の一覧表示における所望の機器2に対応する故障原因の項目kの内容を指示することにより、その機器2に行われた保全内容を、図4のように表示させることができる。また、この表示を介して、保全内容記憶部15は、該保全内容についての入力手段9による追加、削除又は変更を受け入れて、記憶装置3に記憶されている該保全内容のデータに反映させることができる。
【0040】
以上説明したように、本実施形態によれば、保全措置の対象とする各機器2についての保全措置の重要度、所定時間毎の作動状態、及びこれに伴って変化する保全措置の優先度を、表示部8により一覧形式で表示することができるので、各機器2についての予兆保全を、容易かつ確実に実施することができる。また、一覧形式で表示される内容を入力手段9により適宜追加、削除又は変更することができる。
【0041】
また、各機器2について保全措置を実施すべき時期を併せて一覧形式で表示するようにしたので、各機器2について一覧表示される保全措置を実施すべき時期に基づいて、各機器2の保全措置を滞りなく実施することができる。
【0042】
また、各機器2の名称、保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を、併せて一覧形式で表示するようにしたので、一覧表示される各機器2の名称により、各機器2の保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を把握して、各機器2の保全措置を支障なく実施することができる。
【0043】
また、各機器2について、直近の点検の様子を示す画像データを対応するレコードに紐づけて記憶装置3に記憶し、その画像データのサムネイルを併せて一覧表示するようにしたので、表示されるそのサムネイルを指示することにより、該点検の様子を拡大表示させることができる。
【0044】
また、各レコードの保全を行った直近の日付に紐づけて、対応する機器2についての保全履歴を示すデータを記憶装置3に記憶させ、一覧表示において任意の機器2についての前記保全を行った直近の日付が指示された場合には、これに応答してその機器2についての保全履歴を一覧表示するようにしたので、該一覧表示において任意の機器2についての保全を行った直近の日付を指示するだけで、その機器2についての保全履歴を一覧表示させることができる。
【0045】
この場合、保全履歴の一覧表示を介して、該保全履歴についての入力手段9による追加、削除又は変更を受け入れて、記憶装置3に記憶されている該保全履歴のデータに反映させるようにしたので、保全履歴の一覧表示を見ながら、その保全履歴を追加、削除又は変更することができる。
【0046】
また、前記保全履歴を示すデータには、対応する機器2について行われた保全の内容に関する項目、該保全が完了した日時の項目j、及び故障原因に関する項目kが含まれているので、その機器2についての保全の内容や、該保全が行われた日時、故障原因についての情報を得ることができる。
【0047】
また、故障原因に関する項目kの内容に紐づけて、該故障原因に対応する保全内容を示すデータを記憶装置3に記憶するようにしたので、表示部8が表示している保全履歴中の任意の故障原因の項目kの内容を指示することにより、該故障原因に対応する図4のような保全内容を表示させることができる。また、該保全内容の表示を介して、該保全内容についての入力手段9による追加、削除又は変更を行い、記憶装置3に記憶されている該保全内容のデータを更新することもできる。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、表示部8は、市販の表計算ソフトにより構築してもよい。また、機器状態更新部5による各機器2からの作動状態の取得は、有線に限らず、無線や、オフラインにより取得してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…予兆保全システム、2…機器、3…記憶装置、4…重要度設定部、5…機器状態更新部、6…優先度更新部、7…表示手段、8…表示部、9…入力手段、10…保全計画設定部、11…保全情報設定部、12…画像記憶部、13…保全履歴設定部、14…保全履歴更新部、15…保全内容記憶部、a~q:項目。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保全措置の対象とする複数の機器のそれぞれに関するレコードを記憶する記憶装置と、各レコードに対応する前記機器への保全措置実行の重要度に関する該レコード中の項目を設定する重要度設定部と、
各機器の作動状態を所定時間毎に取得して対応する前記レコードにおける該作動状態に関する項目を更新する機器状態更新部と、
各レコードにおいて、前記重要度及び前記作動状態に関する項目の内容に基づき、対応する前記機器についての前記保全措置を他の前記機器に優先して行うか否かについての優先度を該レコードの前記作動状態の項目が更新される毎に取得し、該取得した優先度によって該レコード中の優先度に関する項目を更新する優先度更新部と、
前記記憶装置中の各機器の前記レコードを読み出して、各レコード中の前記重要度、前記作動状態、前記優先度の項目の内容を各機器に対応させて一覧表形式で表示する表示部とを備え
各機器の前記レコードにおける前記優先度の項目の内容に基づいて、各機器について前記保全措置を実施すべき時期を取得し、該レコードの該時期に関する項目の内容を設定する保全計画設定部を備え、前記表示部は、各機器の該レコードにおける該時期の項目の内容を前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであることを特徴とする予兆保全システム
【請求項2】
前記記憶装置中の各レコードの各項目の内容を、前記表示部による一覧表形式の表 示を介して追加、削除又は変更するための入力手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項3】
各機器の名称、保全方式、保全を行った直近の日付、消耗品の在庫数、及び部品の保全期間を、各機器の前記レコードに記録する保全情報設定部を備え、前記表示部は、各レコードのこれらの記録内容を、前記一覧表形式の表示において併せて表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項4】
各機器について、直近の点検の様子を示す画像データを該機器の前記レコードに紐づけて前記記憶装置に記憶する画像記憶部を備え、前記表示部は、その画像データのサムネイルを前記一覧表形式の表示における該レコードの表示に対応させて表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の予兆保全システム。
【請求項5】
各レコードの前記保全を行った直近の日付に紐づけて対応する前記機器についての保全履歴を示すデータを該記憶装置に記憶させる保全履歴設定部を備え、前記表示部は、前記一覧表形式の表示において表示している任意の前記レコードの前記保全を行った直近の日付が指示された場合には、これに応答して該レコードに対応する前記機器についての前記保全履歴を一覧表示するものであることを特徴とする請求項3に記載の予兆保全システム。
【請求項6】
前記保全履歴の一覧表示を介して、該保全履歴についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている前記保全履歴のデータに反映させる保全履歴更新部を備えることを特徴とする請求項5に記載の予兆保全システム。
【請求項7】
前記保全履歴を示すデータには、対応する前記機器について行われた保全の内容、該保が行われた日時、及び故障原因に関する項目が含まれることを特徴とする請求項5に記載の予兆保全システム。
【請求項8】
前記故障原因に関する項目の内容に紐づけて、該故障原因に対応する保全内容を示すデータを前記記憶装置に記憶する保全内容記憶部を備え、前記表示部は、表示している任意の前記保全履歴を示すデータ中の該故障原因の項目の内容が指示された場合には、これに応答して該内容に対応する前記保全内容を表示するものであり、前記保全内容記憶部は、該保全内容の表示を介して、該保全内容についての前記入力手段による追加、削除又は変更を受け入れて前記記憶装置に記憶されている該保全内容のデータに反映させるものであることを特徴とする請求項7に記載の予兆保全システム。