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特開2024-39477ウェハ搬送キャリアおよび半導体装置の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039477
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】ウェハ搬送キャリアおよび半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240314BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/304 648D
H01L21/304 648F
H01L21/304 647Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144067
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】中岡 聡
(72)【発明者】
【氏名】飯森 弘恭
【テーマコード(参考)】
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA18
5F131BA33
5F131CA06
5F131DA23
5F131GA12
5F131GA13
5F131GA30
5F131GA53
5F157BE12
5F157CF04
5F157CF22
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF48
5F157CF60
5F157CF62
5F157CF74
5F157CF93
5F157CF99
5F157DC86
(57)【要約】

【課題】ウェハを液体に接触した状態でウェハを搬送することができるウェハ搬送キャリアおよび半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本実施形態によるウェハ搬送キャリアは、容器と、蓋部と、を備える。容器は、ウェハおよび液体を収容し、ウェハが液体に接触した状態で移動可能である。蓋部は、容器の内部を密閉可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハおよび液体を収容し、前記ウェハが前記液体に接触した状態で移動可能な容器と、
前記容器の内部を密閉可能な蓋部と、
を備える、ウェハ搬送キャリア。
【請求項2】
前記容器に収容される前記液体を温調する第1温調部をさらに備える、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項3】
前記容器に収容される前記液体を撹拌する撹拌部さらに備える、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項4】
前記容器の内部の異なる2つの位置に接続される循環路と、
前記循環路の経路上に設けられ、前記循環路が接続される前記容器の一方の位置から他方の位置に前記液体を送るポンプと、
前記循環路の経路上に設けられるフィルタと、
をさらに備える、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項5】
前記容器内の異なる2つの位置に接続される循環路と、
前記循環路の経路上に設けられ、前記循環路が接続される前記容器の一方の位置から他方の位置に前記液体を送るポンプと、
前記循環路の経路上に設けられ、循環する前記液体を温調する第2温調部と、
をさらに備える、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項6】
移動中または停止中の少なくとも一方において受電可能な受電部をさらに備える、請求項2から請求項5のいずれか一項に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項7】
前記容器内に前記液体を供給する供給部、および、前記容器内の前記液体を排出する排液部は、前記蓋部を貫通可能である、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項8】
前記蓋部は、前記容器の上部に設けられる、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項9】
前記容器は、前記ウェハの面が縦置きになるように前記ウェハを収容する、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項10】
前記容器および前記蓋部は、フッ素コーティングされた内面を有する、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項11】
前記容器に設けられ、ウェハ搬送キャリアの搬送時にウェハ搬送キャリアを把持する把持部と接する突起部をさらに備える、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項12】
前記蓋部は、前記容器の縁に沿った軸を中心に回転することにより、前記容器を開閉する板状部材を有する、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項13】
前記液体は、薬液である、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項14】
前記液体は、純水である、請求項1に記載のウェハ搬送キャリア。
【請求項15】
薬液を供給する第1供給装置により、容器内に前記薬液を供給し、
前記容器内のウェハが前記薬液に接触した状態で、前記容器を前記第1供給装置から移動させ、
前記第1供給装置の外部で前記ウェハを前記薬液により処理する、
ことを具備する、半導体装置の製造方法。
【請求項16】
リンス液を供給する第2装置に、前記容器を移動させ、
前記第2装置により、前記容器内に前記リンス液を供給する、
ことをさらに具備する、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
純水を供給する第3供給装置により、容器内に前記純水を供給し、
前記容器内のウェハが前記純水に接触した状態で、前記容器を前記第3供給装置から移動させる、
ことを具備する、半導体装置の製造方法。
【請求項18】
次の工程まで、前記ウェハが前記純水に接触した状態を維持する、ことをさらに具備する、請求項17に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ウェハ搬送キャリアおよび半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェハの処理装置において、通常、ウェハは、処理後に乾燥した状態で装置外へ搬出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-191056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ウェハを液体に接触した状態でウェハを搬送することができるウェハ搬送キャリアおよび半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によるウェハ搬送キャリアは、容器と、蓋部と、を備える。容器は、ウェハおよび液体を収容し、ウェハが液体に接触した状態で移動可能である。蓋部は、容器の内部を密閉可能である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態による半導体製造システムの構成の一例を示す図である。
図2】第1実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図3】第1実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図4】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図5】比較例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図6】第1実施形態の第1変形例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図7】第1実施形態の第2変形例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図8A】第2実施形態による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。
図8B図8Aに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図8C図8Bに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図8D図8Cに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図8E図8Dに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図9A】第2実施形態の第1変形例による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。
図9B図9Aに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図9C図9Bに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図9D図9Cに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図9E図9Dに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図10A】第2実施形態の第2変形例による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。
図10B図10Aに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図10C図10Bに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図10D図10Cに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図10E図10Dに続く、給排液シーケンスの一例を示す段面図である。
図11】第3実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図12】第4実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図13】第5実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図14】第6実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図15】第7実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
図16】第8実施形態によるウェハ搬送キャリアの構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による半導体製造システム100の構成の一例を示す図である。
【0009】
半導体製造システム100は、ウェハ搬送キャリア10、10aと、搬送部20と、装置30、40と、載置部50と、を備える。
【0010】
ウェハ搬送キャリア10は、ウェハWおよび液体Lを収容し、ウェハWを搬送する。尚、ウェハ搬送キャリア10の詳細については、図2を参照して、後で説明する。
【0011】
ウェハ搬送キャリア10aは、ウェハWを収容し、ウェハWを搬送する。ウェハ搬送キャリア10aは、例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)である。尚、ウェハ搬送キャリア10aの詳細については、図3を参照して、後で説明する。
【0012】
搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10、10aを搬送する。搬送部20は、例えば、OHT(Overhead Hoist Transport)である。
【0013】
装置30は、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せ替えるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に薬液を供給する。
【0014】
装置40は、ウェハ搬送キャリア10内のウェハに、DIW(Deionized Water)リンスおよび乾燥を行う。装置40は、ウェハWをウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0015】
載置部50は、搬送部20の経路上において、装置30と、装置40と、の間に設けられる。載置部50は、例えば、ウェハ搬送キャリア10が載置される棚である。
【0016】
次に、ウェハ搬送キャリア10について説明する。
【0017】
図2は、第1実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。
【0018】
尚、図2は、ウェハ搬送キャリア10の底面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、ウェハ搬送キャリア10の底面に垂直なZ方向とを示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。
【0019】
ウェハ搬送キャリア10は、容器11と、蓋部12と、を有する。
【0020】
容器11は、ウェハWおよび液体Lを収容する。容器11は、ウェハWが液体Lに接触した状態で移動可能である。すなわち、ウェハWは、液体Lに浸されている。容器11は、ウェハWの面が縦置きになるようにウェハWを収容する。これにより、ウェハWの出し入れを行いやすくすることができる。図2に示す例では、ウェハWは、ウェハWの面がYZ平面に略平行になるように配置される。
【0021】
容器11は、液体Lの重量を支えるため、高い強度を有することが好ましい。容器11には、例えば、堅い樹脂または金属が用いられる。
【0022】
蓋部12は、容器11の内部を密閉可能である。蓋部12は、容器11の上部に設けられる。これは、容器11が液体Lを収容するためである。
【0023】
図3は、第1実施形態によるウェハ搬送キャリア10aの構成の一例を示す断面図である。
【0024】
ウェハ搬送キャリア10aは、容器11aと、蓋部12aと、を有する。
【0025】
容器11aは、ウェハWを収容する。容器11aは、ウェハWの面が横置きになるようにウェハWを収容する。図3に示す例では、ウェハWは、ウェハWの面がXY平面に略平行になるように配置される。
【0026】
蓋部12aは、容器11の内部を密閉可能である。蓋部12aは、容器11aの側部に設けられる。ウェハ搬送キャリア10a内には、気体が充填されている。
【0027】
次に、半導体製造システム100の動作について説明する。
【0028】
図4は、第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。図4に示す第1実施形態では、液体Lは、例えば、ウェットエッチング用の薬液である。
【0029】
まず、搬送部20は、ウェハWを収容するウェハ搬送キャリア10aを装置30に搬入する(S10)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置30に搬入される。
【0030】
次に、装置30は、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せ替えるとともに、容器11内に薬液を注入する(S20)。
【0031】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置30から搬出する(S30)。ウェハWは、薬液で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置30から搬出される。すなわち、搬送部20は、容器11内のウェハWが薬液に接触した状態で、容器11を装置30から移動させる。
【0032】
次に、装置30の外で、薬液処理を行う(S40)。ウェハWの処理は、例えば、ウェハ搬送キャリア10の搬送中に行われる。
【0033】
尚、処理時間が長い場合、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を載置部50に載置してもよい。この場合、処理時間に応じて、ウェハ搬送キャリア10は、載置部50で載置さる。
【0034】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置40へ搬入する(S50)。ウェハWは、薬液で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置40に搬入される。すなわち、搬送部20は、リンス液(例えば、DIW)を供給する装置40に、容器11を移動させる。
【0035】
次に、装置40は、DIWリンスおよび乾燥を行う(S60)。
【0036】
その後、装置40は、ウェハWをウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0037】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10aを装置40から搬出する(S70)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置40から搬出される。
【0038】
その後、ウェハWに更なる処理(図示せず)が行われる。
【0039】
以上のように、第1実施形態によれば、容器11は、ウェハWが液体Lに接触した状態で移動可能である。これにより、ウェハWを液体Lに浸した状態でウェハWを搬送することができる。液体Lが薬液である場合、薬液処理装置の外でウェハWの処理を行うことができる。
【0040】
また、容器11および蓋部12は、フッ素コーティングされた内面を有する。これにより、液体Lが薬液であっても、例えば、ウェハ搬送キャリア10の耐薬品性等を向上させることができる。フッ素コーティングには、例えば、PTFE(Poly Tetra Fluoro Etylene)またはPFA(Perfluoroalkoxy)等のフッ素樹脂が用いられる。
【0041】
(比較例)
図5は、比較例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。比較例では、ウェハ搬送キャリア10が用いられない。
【0042】
比較例では、薬液処理装置および乾燥装置等を含む1つの処理ユニットが、ウェハWを処理する。
【0043】
まず、搬送部20は、ウェハWを収容するウェハ搬送キャリア10aを処理ユニットに搬入する(S80)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で処理ユニットに搬入される。
【0044】
次に、処理ユニットは、薬液処理、DIWリンス、および、乾燥を順番に行う(S90)。
【0045】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10aを処理ユニットから搬出する(S100)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で処理ユニットから搬出される。
【0046】
比較例では、例えば、薬液処理にかかる時間が長い場合、乾燥装置が稼働していない時間も長くなってしまう可能性がある。すなわち、処理ユニット内の一部の、スループットを律速する装置(工程)によって、処理ユニット全体のスループットが低下してしまう可能性がある。また、乾燥装置等の、スループットを律速していない装置の稼働率が低下してしまう可能性がある。
【0047】
また、比較例では、処理ユニットで1つのセットになっているため、例えば、薬液処理装置または乾燥装置を部分的に新しい装置に入れ替えることが困難である。従って、例えば、乾燥装置を新しい装置に変更する場合、処理ユニット全体を新しい処理ユニットに入れ替える必要がある。
【0048】
これに対して、第1実施形態では、薬液処理の時間が長い場合でも、装置30は薬液を供給し続けることができるので、スループットの低下を抑制することができる。この結果、装置30、40の稼働率を向上させることができ、また、薬液処理において、処理時間の長い薬液、例えば、エッチングレートの低い薬液を選択しやすくすることができる。
【0049】
また、第1実施形態では、例えば、装置30、40は、それぞれ個別に装置の入れ替えを行うことができる。これにより、例えば、装置30と装置40との間で異なるメーカの装置を用いることができる。この結果、薬液処理および乾燥の組み合わせの選択肢を増やすことができる。また、バッチ式の薬液処理と、枚様式の乾燥技術と、の組み合わせが行われてもよく、枚様式の薬液処理と、バッチ式の乾燥技術と、の組み合わせが行われてもよい。これにより、選択の自由度を向上させることができる。
【0050】
尚、第1実施形態では、装置30は、薬液注入を行う専用装置であり、40は、リンスおよび乾燥を行う専用装置である。しかし、これに限られず、装置30、40は、1つの処理ユニットに含まれる装置に含まれていてもよく、それぞれ別の処理ユニットに含まれる装置であってもよい。いずれの場合であっても、装置外で薬液処理が行われる。
【0051】
(第1実施形態の第1変形例)
図6は、第1実施形態の第1変形例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。図6に示す第1実施形態の第1変形例では、液体Lは、例えば、純水(DIW)である。第1実施形態の第1変形例は、ウェハ搬送キャリア10に純水が入った状態でウェハ搬送キャリア10が装置外に搬送される点で、第1実施形態とは異なっている。
【0052】
図6に示すステップS110~S130では、装置30に代えて、装置30aが設けられる。図6に示すステップS180~S200では、装置30に代えて、装置30bが設けられる。
【0053】
装置30aは、ウェハWに、薬液処理およびDIWリンスを行う。装置30aは、薬液処理の後、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0054】
装置30bは、少なくともウェハWの洗浄を行う装置である。装置30bは、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置である。装置30bは、CMPの後、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0055】
図6に示すステップS150~S170では、装置40に代えて、装置40aが設けられる。図6に示すステップS210~S240では、装置40に代えて、装置40bが設けられる。
【0056】
装置40aは、ウェハWの乾燥を行う。装置40aは、ウェハWをウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0057】
装置40bは、ウェハWに、薬液処理を行う。装置40bは、薬液処理の後、ウェハ搬送キャリア10内を乾燥させて、ウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0058】
まず、搬送部20は、ウェハWを収容するウェハ搬送キャリア10aを装置30aに搬入する(S110)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置30aに搬入される。
【0059】
次に、装置30aは、薬液処理およびDIWリンスを行う(S120)。
【0060】
その後、装置30aは、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0061】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置30aから搬出する(S130)。ウェハWは、純水で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置30aから搬出される。すなわち、搬送部20は、容器11内のウェハWが純水に接触した状態で、容器11を装置30aから移動させる。
【0062】
次に、搬送部20は、装置30aの外で、搬送を行う(S140)。ウェハWが純水に接触した状態は、次の工程まで維持される。
【0063】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置40aに搬入する(S150)。ウェハWは、純水で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置40aに搬入される。
【0064】
次に、装置40aは、乾燥を行う(S160)。
【0065】
その後、装置40aは、ウェハWをウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0066】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10aを装置40aから搬出する(S170)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置40aから搬出される。
【0067】
次に、ステップS110~S130に代えて、ステップS180~S200が行われる場合について説明する。
【0068】
まず、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10aを装置30bに搬入する(S180)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置30bに搬入される。
【0069】
次に、装置30bは、CMPおよび洗浄を行う(S190)。
【0070】
その後、装置30bは、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0071】
次に、搬送部20は、ウェハWを収容するウェハ搬送キャリア10aを装置30bから搬出する(S200)。ウェハWは、純水で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置30bから搬出される。
【0072】
次に、搬送部20は、装置30bの外で、搬送を行う(S140)。
【0073】
次に、ステップS150~S170に代えて、ステップS210~S230が行われる場合について説明する。
【0074】
ステップS140である搬送部20による搬送の後、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置40bに搬入する(S210)。ウェハWは、純水で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置40bに搬入される。
【0075】
次に、装置40bは、薬液処理を行う(S220)。
【0076】
その後、装置40bは、ウェハWのDIWリンスおよび乾燥を行い、ウェハWをウェハ搬送キャリア10aに載せ替える。
【0077】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10aを装置40bから搬出する(S230)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置40bから搬出される。
【0078】
次に、ステップS230に代えて、ステップS240が行われる場合について説明する。
【0079】
ステップS220である装置40bによる薬液処理の後、装置40bは、DIWリンスを行う。その後、装置40bは、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0080】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置40bから搬出する(S240)。ウェハWは、純水で満たされたウェハ搬送キャリア10により搬送される。従って、ウェハWは、濡れた状態で装置40bから搬出される。
【0081】
第1実施形態の第1変形例では、図6に示すステップS140において、ウェハ搬送キャリア10(容器11)は、ウェハWが純水に接触した状態で移動可能である。これにより、空気と接触させない状態で、ウェハWを搬送することができる。ウェハWが空気と接触すると、ウェハWのシリコン表面が空気と反応し、例えば、酸化シリコンが形成されてしまう。この結果、後の工程に影響を与えて、不良が発生してしまう可能性がある。また、ウェハWを空気と反応する工程が有る場合、次の処理までの時間を気にする必要がなくなる。
【0082】
また、乾燥装置(装置40a)を、ウェットエッチング装置(装置30a)およびCMP装置(装置30b)等の複数のユニットで共通化することができ、全体の最適化が可能となる。
【0083】
また、液体Lを使う工程が連続する場合、乾燥を省略することができる。図6に示す例では、ステップS220で薬液処理を行う場合、ステップS120における薬液処理、または、ステップS190におけるCMPの洗浄の後に、乾燥は行われない。
【0084】
第1実施形態の第1変形例のように、ウェハ搬送キャリア10に純水が入った状態でウェハ搬送キャリア10が装置外に搬送されてもよい。第1実施形態の第1変形例によるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0085】
(第1実施形態の第2変形例)
図7は、第1実施形態の第2変形例による半導体装置の製造方法の一例を示すフロー図である。第1実施形態の第2変形例は、装置外への搬送(ステップS140)前の装置(工程)において液体が使われない点で、第1実施形態の第1変形例とは異なっている。
【0086】
図7に示すステップS310~S330では、装置30aまたは装置30bに代えて、装置30cが設けられる。
【0087】
装置30cは、ウェハWに、RIE(Reactive Ion Etching)処理を行う。尚、装置30cは、RIE処理に限られず、液体を使わない処理を行う。装置30cは、RIE処理の後、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、ウェハ搬送キャリア10内に純水を供給する。
【0088】
まず、搬送部20は、ウェハWを収容するウェハ搬送キャリア10aを装置30aに搬入する(S310)。ウェハWは、内部に液体Lを有しないウェハ搬送キャリア10aにより搬送される。従って、ウェハWは、乾燥状態で装置30cに搬入される。
【0089】
次に、装置30cは、RIE処理を行い、ウェハWをウェハ搬送キャリア10に載せるとともに、DIWパージを行う(S320)。
【0090】
次に、搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を装置30cから搬出する(S330)。
【0091】
その後、図6に示すステップS140以降と同様の工程が行われる。
【0092】
第1実施形態の第2変形例では、RIE処理等の液体が用いられない処理の後であっても、ウェハWを純水に浸した状態で搬出する。また、ウェハW内に残留する、RIEの残留ガス等は、純水に溶ける。これにより、残留ガスがその後の処理装置に影響を与えることを抑制することができる。例えば、残留ガスによってウェットエッチング装置が腐食することを抑制することができる。
【0093】
第1実施形態の第2変形例のように、装置外への搬送前の装置(工程)において液体が使われなくてもよい。第1実施形態の第2変形例によるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態の第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0094】
(第2実施形態)
図8A~8Eは、第2実施形態による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。尚、図8A図8Eは、装置30がウェハ搬送キャリア10内の液体Lを供給し、装置40がウェハ搬送キャリア10内から液体Lを排出する場合の例を示す。
【0095】
装置30は、供給管31と、排液管32と、液面センサ33と、を有する。
【0096】
供給管31は、容器11内に液体Lを供給する。
【0097】
排液管32は、容器11内の液体Lを排出する。
【0098】
液面センサ33は、供給管31に設けられ、液体Lの液面の高さを検出する。
【0099】
装置40は、排液管41と、液面センサ42と、を有する。
【0100】
排液管41は、容器11内の液体Lを排出する。
【0101】
液面センサ42は、排液管41に設けられ、液体Lの液面の高さを検出する。
【0102】
まず、図8Aに示すように、装置30は、供給管31により液体Lを容器11に供給する。装置30は、液体Lの液面が液面センサ33の高さになるまで、液体Lを供給する。
【0103】
次に、図8Bに示すように、装置30は、ウェハWを容器11内に入れる。装置30は、排液管32によりオーバーフローする液体Lを排出する。
【0104】
次に、図8Cに示すように、装置30は、蓋部12を取り付ける。
【0105】
次に、図8Dに示すように、装置40は、蓋部12を取り外し、ウェハWを容器11から取り出す。
【0106】
次に、図8Eに示すように、装置40は、排液管41により容器11内の液体Lを排出する。装置40は、液体Lの液面が液面センサ42の高さになるまで、液体Lを排出する。
【0107】
第2実施形態では、ウェハWを入れるよりも先に、液体Lが容器11内に供給される。この場合、ウェハが液体Lに浸されている時間をより長くすることができる。
【0108】
尚、ウェハWの出し入れは、枚様式であってもよく、バッチ式でもよい。枚様式の処理方式の場合、ウェハWを容器11に1枚ずつ入れ、容器11から1枚ずつ取り出す。バッチ式の処理方式の場合、複数のウェハWを容器11にまとめて入れ、容器11からまとめて取り出す。尚、装置30、40は、ウェハWをバッチ式で容器11に入れ、容器11から枚様式で取り出してもよく、また、ウェハWを枚様式で容器11に入れ、容器11からバッチ式で取り出してもよい。
【0109】
また、図8Bにおいて液体Lがオーバーフローしないように、図8Aにおける液体Lの供給量を調整してもよい。これにより、液体Lの無駄を抑制することができ、また、排液管32が設けられなくてもよい。
【0110】
第2実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0111】
(第2実施形態の第1変形例)
図9A~9Eは、第2実施形態の第1変形例による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。第2実施形態の第1変形例は、第2実施形態と比較して、ウェハWおよび液体Lの出し入れの順番が異なっている。
【0112】
まず、図9Aに示すように、装置30は、容器11内にウェハWを入れる。
【0113】
次に、図9Bに示すように、装置30は、供給管31により容器11内に液体Lを供給する。装置30は、液体Lの液面が液面センサ33の高さになるまで、液体Lを供給する。
【0114】
次に、図9Cに示すように、装置30は、蓋部12を取り付ける。
【0115】
次に、図9Dに示すように、装置40は、蓋部12を取り外し、排液管41により容器11内の液体Lを排出する。装置40は、液体Lの液面が液面センサ42の高さになるまで、液体Lを排出する。
【0116】
次に、図9Eに示すように、ウェハWを容器11から取り出す。
【0117】
第2実施形態の第1変形例では、ウェハWを入れた後に、液体Lが容器11内に供給される。この場合、図8Bに示す液体Lのオーバーフローを抑制することができる。これにより、液体Lの無駄を抑制することができ、また、排液管32が設けられなくてもよい。
【0118】
第2施形態の第1形例のように、ウェハWおよび液体Lの出し入れの順番が変更されてもよい。第2施形態の第1形例よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0119】
(第2実施形態の第2変形例)
図10A~10Eは、第2実施形態の第2変形例による給排液シーケンスの一例を示す断面図である。第5変形例は、第2実施形態の第1変形例と比較して、液体Lの給排液の方法が異なっている。
【0120】
ウェハ搬送キャリア10は、蓋部12bを有する。
【0121】
供給管31および排液管41は、蓋部12bを貫通可能である。蓋部12bは、例えば、開口可能な貫通孔を有する。すなわち、蓋部12bが取り付けられた状態で、供給管31は液体Lを供給することができ、排液管41は液体Lを排出することができる。
【0122】
まず、図10Aに示すように、装置30は、容器11内にウェハWを入れる。
【0123】
次に、図10Bに示すように、装置30は、蓋部12bを取り付け、蓋部12bを貫通するように供給管31を容器11内に入れる。その後、装置30は、供給管31により容器11内に液体Lを供給する。装置30は、液体Lの液面が液面センサ33の高さになるまで、液体Lを供給する。
【0124】
次に、図10Cに示すように、装置30は、供給管31を取り出す。
【0125】
次に、図10Dに示すように、装置40は、蓋部12bを貫通するように排液管41を容器11内に入れる。その後、装置40は、排液管41により容器11内の液体Lを排出する。装置40は、液体Lの液面が液面センサ42の高さになるまで、液体Lを排出する。
【0126】
次に、図10Eに示すように、装置40は、蓋部12bを取り外し、ウェハWを取り出す。
【0127】
第2実施形態の第2変形例のように、液体Lの給排液の方法が変更されてもよい。第2実施形態の第2変形例よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第2実施形態の第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0128】
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。第2実施形態は、ウェハ搬送キャリア10の構成が異なっている。尚、第2実施形態では、液体Lは、例えば、ウェットエッチング用の薬液である。
【0129】
ウェハ搬送キャリア10は、温調部13と、スターラ14と、をさらに有する。
【0130】
温調部13は、容器11に収容される液体Lを温調(温度制御)する。温調部13は、例えば、温度センサと、ヒータと、を有する。温調部13は、例えば、容器11内の液体Lの温度を所定温度に保つ。
【0131】
スターラ(撹拌部)14は、容器11に収容される液体Lを撹拌する。これにより、薬液が滞留することを抑制することができる。
【0132】
また、ウェハ搬送キャリア10は、受電部をさらに有する。すなわち、ウェハ搬送キャリア10は、外部から給電を受ける。これにより、温調部13およびスターラ14等のウェハ搬送キャリア10の内部構成は、駆動することができる。受電部は、例えば、ウェハ搬送キャリア10の搬送中に搬送部20から給電を受け、または、ウェハ搬送キャリア10が載置部50に載置されている間に給電を受ける。
【0133】
温調部13およびスターラ14により、通常の薬液処理装置をウェハ搬送キャリア10の内部で再現することができる。すなわち、ウェハ搬送キャリア10の内部を、薬液処理装置に近づけることができる。この結果、ウェハ搬送キャリア10内で、より適切に薬液処理を行うことができる。
【0134】
第3実施形態のように、ウェハ搬送キャリア10の構成が変更されてもよい。第3実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
(第4実施形態)
図12は、第4実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。第1実施形態は、ウェハ搬送キャリア10の構成が異なっている。尚、第4実施形態では、液体Lは、例えば、ウェットエッチング用の薬液である。
【0136】
ウェハ搬送キャリア10は、循環配管15と、ポンプ16と、温調部17と、フィルタ18と、をさらに有する。
【0137】
循環配管(循環路)15は、容器11の内部の異なる2つの位置に接続される。図12に示す例では、循環配管15の一端は、容器11の内壁の下部と接続し、循環配管15の他端は、容器11の内壁の上部と接続する。
【0138】
ポンプ16は、循環配管15の経路上に設けられる。ポンプ16は、循環配管15の一端から液体Lを吸引し、循環配管15の他端に液体Lを環流させる。すなわち、ポンプ16は、循環配管15が接続される容器11の一方の位置から他方の位置に液体Lを送る。
【0139】
温調部17は、液体Lを温調する。温調部17は、例えば、温度センサと、ヒータと、を有する。温調部17は、循環配管15の経路上に設けられる。すなわち、温調部17は、循環する液体Lを温調する。温調部17は、例えば、容器11内の液体Lの温度を所定温度に保つ。
【0140】
フィルタ18は、循環配管15の経路上に設けられる。フィルタ18は、循環する液体Lを濾過する。これにより、パーティクルおよび残留元素等を捕捉することができる。
【0141】
循環配管15、ポンプ16、温調部17、および、フィルタ18により、通常の薬液処理装置をウェハ搬送キャリア10の内部で再現することができる。すなわち、ウェハ搬送キャリア10の内部を、薬液処理装置に近づけることができる。この結果、ウェハ搬送キャリア10内で、より適切に薬液処理を行うことができる。
【0142】
第4実施形態のように、ウェハ搬送キャリア10の構成が変更されてもよい。第4実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0143】
(第5実施形態)
図13は、第5実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。
【0144】
搬送部20は、ウェハ搬送キャリア10を把持する把持部21を有する。
【0145】
ウェハ搬送キャリア10は、突起部19aをさらに備える。
【0146】
突起部19aは、蓋部12に設けられる。把持部21が突起部19aをつかむことにより、ウェハ搬送キャリア10を搬送することができる。
【0147】
第5実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0148】
(第6実施形態)
図14は、第6実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。第6実施形態は、第5実施形態と比較して、ウェハ搬送キャリア10の構成が異なっている。
【0149】
ウェハ搬送キャリア10は、突起部19bをさらに備える。
【0150】
突起部19bは、容器11に設けられる。突起部19bは、ウェハ搬送キャリア10の搬送時に把持部21と接する。把持部21が突起部19bをつかむことにより、ウェハ搬送キャリア10を搬送することができる。図14に示す例では、把持部21は、突起部19bを下から支える。
【0151】
図13を参照して説明した第4実施形態では、突起部19aが蓋部12に設けられる。この場合、搬送時に蓋部12に力がかかってしまう。蓋部12の強度が不足している場合、ウェハ搬送キャリア10を適切に搬送することができない可能性がある。
【0152】
これに対して、第5実施形態では、搬送部20がつかむ突起部19bが容器11に設けられる。これにより、ウェハ搬送キャリア10をより適切に搬送することができる。
【0153】
第6実施形態のように、ウェハ搬送キャリア10の構成が変更されてもよい。第6実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0154】
(第7実施形態)
図15は、第7実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。第7実施形態は、ウェハ搬送キャリア10の構成が異なっている。
【0155】
蓋部12は、軸121と、板状部材122と、を有する。
【0156】
軸121は、容器11の縁に沿って設けられる。図15に示す例では、軸121は、Y方向に平行である。
【0157】
板状部材122は、容器11の縁に沿った軸121を中心に回転することにより、容器11を開閉する。すなわち、蓋部12は、観音開き式である。これにより、取り外した蓋部12を置くスペースが不要になり、省スペース化することができる。
【0158】
また、図15に示す例では、2つの軸121および2つの板状部材122が設けられる。2つの板状部材122は、互いに逆方向に回転する。
【0159】
尚、図15に示す例では、図14を参照して説明した第5実施形態における突起部19bが容器11に設けられている。
【0160】
第7実施形態のように、ウェハ搬送キャリア10の構成が変更されてもよい。第7実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0161】
(第8実施形態)
図16は、第8実施形態によるウェハ搬送キャリア10の構成の一例を示す断面図である。第8実施形態は、ウェハ搬送キャリア10の構成が異なっている。
【0162】
図16に示す例では、図2を参照して説明した第1実施形態と比較して、X方向のウェハ搬送キャリア10のサイズが小さくなっている。ウェハW間のピッチは、例えば、5mmである。ウェハW間の間隔を縮小することにより、ウェハ搬送キャリア10のサイズを小さくすることができる。これにより、省スペース化することができる。また、容器11の液体Lの量を減らすことができる。この結果、軽量化することができ、また、必要な液体Lの量を減らすことができる。
【0163】
第8実施形態のように、ウェハ搬送キャリア10の構成が変更されてもよい。第8実施形態よるウェハ搬送キャリア10および半導体装置の製造方法は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0165】
100 半導体製造システム、10 ウェハ搬送キャリア、10a ウェハ搬送キャリア、11 容器、12 蓋部、121 軸、122 板状部材、13 温調部、14 スターラ、15 循環配管、16 ポンプ、17 温調部、18 フィルタ、19a 突起部、19b 突起部、20 搬送部、21 把持部、30 装置、30a~30c 装置、40 装置、40a 装置、40b 装置、L 液体、W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13
図14
図15
図16