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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039484
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】積層体、絶縁材および電池
(51)【国際特許分類】
   B32B 15/06 20060101AFI20240314BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240314BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20240314BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20240314BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240314BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240314BHJP
【FI】
B32B15/06 Z
B32B27/00 101
H01M50/293
H01M50/588
H01M50/593
H01M50/204 401F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144077
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】000225359
【氏名又は名称】内山工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】塩本 陽平
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和宏
【テーマコード(参考)】
4F100
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
4F100AB01A
4F100AB03A
4F100AB10C
4F100AC00B
4F100AK52B
4F100AK52D
4F100AN00B
4F100AN00D
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA06
4F100BA07
4F100CA08B
4F100CA08D
4F100DG01B
4F100EH71C
4F100EJ17
4F100EJ42
4F100GB41
4F100JG04
4F100JJ07B
5H040AA37
5H040AS04
5H040LL01
5H040LL06
5H043AA19
5H043GA23
5H043GA26
(57)【要約】
【課題】従来よりも難燃性を向上させることができる積層体を提供する。
【解決手段】本発明の一態様に係る積層体は、金属板と、当該金属板の表面に積層されたシリコーンゴム層とを備え、上記シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板と、当該金属板の表面に積層されたシリコーンゴム層とを備え、
上記シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、
上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、積層体。
【請求項2】
上記シリコーンゴム層における上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は10~80重量部である、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
上記繊維系難燃剤は、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維からなる群より選択される1つ以上を含む、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
上記繊維系難燃剤は、上記人造鉱物繊維を含んでおり、
上記人造鉱物繊維は、ロックウールを含んでいる、請求項3に記載の積層体。
【請求項5】
上記シリコーンゴム層における上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上である、請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の積層体を含んでいる、絶縁材。
【請求項7】
2つ以上のセルと、請求項6に記載の絶縁材と、容器とを備えている電池であって、
上記2つ以上のセルおよび上記絶縁材は、上記容器に格納されており、
上記絶縁材は、上記容器内を2つ以上の区画に分割するように配置されており、
上記2つ以上のセルは、上記2つ以上の区画のうち2つ以上に分かれて配置されている、電池。
【請求項8】
金属板の表面にゴム液の層を形成することによりラバーコートメタルを得る工程と、
上記ゴム液の層を乾燥する工程と、
乾燥された上記ラバーコートメタルに対して加熱プレスを行う工程とを備え、
上記ゴム液は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、
上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、積層体の製造方法。
【請求項9】
上記加熱プレスにおける加熱温度は150~230℃であり、圧力は15~25MPaである、請求項8に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
上記加熱プレスにおいて、ラバーコートメタルの周囲にスペーサーを配置することにより、得られる積層体の厚みを調整する、請求項8または9に記載の積層体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層体、絶縁材および電池に関する。
【背景技術】
【0002】
金属板の表面にゴム層を形成して得られるラバーコートメタルが種々の目的で利用されている。例えば、特許文献1には、金属板の表面にシリコーンゴムまたはシリコーン樹脂の層を設けた内燃機関用インシュレータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-208009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば電池分野に用いられる部材には、難燃性を備えることが要求される場合がある。本発明者らが検討したところ、上述のような従来技術は、難燃性の観点からはさらなる改善の余地があることが判明した。
【0005】
本発明の一態様は、従来よりも難燃性を向上させることができる積層体を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る積層体は、
金属板と、当該金属板の表面に積層されたシリコーンゴム層とを備え、
上記シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、
上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、従来よりも難燃性を向上させることができる積層体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る積層体の概略構造を示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る絶縁材を用いた電池の概略構造を示す模式図である。
図3】実施例におけるラバーコートメタルの製造装置の概略構造を示す模式図である。
図4】実施例におけるラバーコートメタルの製造工程を示す模式図である。
図5】実施例における積層体を得るための加熱プレス工程を示す模式図である。
図6】実施例および比較例の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せた実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。本明細書において、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
【0010】
〔1.積層体〕
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体の概略構造を示す模式図である。積層体10は、金属板1と、当該金属板1の表面に積層されたシリコーンゴム層2a、2bとを備える。図1では金属板の両面にシリコーンゴム層が積層された積層体を例示しているが、シリコーンゴム層は金属板の片面のみに設けられていてもよい。
【0011】
上記積層体は金属板を有するため、形状を維持することができる。また、金属板の表面にはシリコーンゴム層が積層されているため、上記積層体は絶縁材としても機能する。さらに、シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含むため、難燃性と絶縁性とを兼ね備える。よって、上記積層体を例えば電池の間仕切り(セパレートプレート)として使用すれば、セルが発火した場合にも延焼を防ぐことができ、且つ燃焼後でも絶縁性を維持できる。
【0012】
〔1.1.金属板〕
金属板としては、鉄、アルミニウムなどからなる金属板またはこれらの合金板が挙げられる。金属板は、めっきなどの表面処理が施されていてもよい。金属板の具体例としては、JIS(G3313)で示されるSECC、JIS(G4305)で示されるSUS301、JIS(G3141)で示されるSPCCなどが挙げられる。
【0013】
シリコーンゴム層との密着性を向上させる観点から、金属板は、その表面に接着剤が塗布されていてもよい。接着剤としてはフェノール系接着剤、エポキシ系接着剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0014】
金属板の厚みは0.05mm以上であることが好ましく、0.1mm以上であることがより好ましい。金属板の厚みが0.05mm以上であれば、変形し難く、そして後述のゴム液の層を形成する場合にゴム液の層の厚みにムラが生じ難い。また、金属板の厚みが0.05mm以上であれば、得られる積層体の形状保持性の観点からも好ましい。金属板の厚みは3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。金属板の厚みが3mm以下であれば、金属板に反りが発生し難く、ゴム液の層を形成する場合にゴム液の層の厚みにムラが生じ難い。
【0015】
〔1.2.シリコーンゴム層〕
シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含む。シリコーンゴム層は、金属板の少なくとも片面に設けられており、好ましくは金属板の両面に設けられている。
【0016】
難燃性および絶縁性を確保する観点から、シリコーンゴム層1層あたりの厚みは0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましい。生産性の観点から、シリコーンゴム層1層あたりの厚みは0.2mm以下であることが好ましく、0.15mm以下であることがより好ましい。
【0017】
難燃性シリコーンゴムコンパウンドとは、シリコーンゴムに各種の添加物を配合し、難燃性を付与した組成物である。難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上の難燃性を有している。
【0018】
UL94規格とは、プラスチック製品の難燃性を評価する規格であり、世界的に広く採用されている。UL94規格の等級には、難燃性の高い順に、5VA、5VB、V-0、V-1、V-2およびHBが存在する。したがって、難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格において5VA、5VBまたはV-0である。一実施形態において、難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0である。UL94規格の試験方法は、当業者の間で周知であるため、説明を省略する。
【0019】
難燃性シリコーンゴムコンパウンドに含まれているシリコーンゴムの例としては、メチルシリコーンゴム、ビニルメチルシリコーンゴム、フェニルメチルシリコーンゴム、フッ化シリコーンゴムが挙げられる。これらのシリコーンゴムは、1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。一実施形態において、難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、ビニルメチルシリコーンゴムを含んでいる。難燃性シリコーンゴムコンパウンドに含まれている添加物の例としては、白金、白金化合物、酸化鉄、トリアゾール系化合物、水酸化アルミニウムが挙げられる。これらの添加物は、1種類のみが含まれていてもよいし、2種類以上が含まれていてもよい。難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、多くの商品が上市されており、また多くの関連特許文献が存在する。そのため、難燃性シリコーンゴムコンパウンドの詳細な組成については、説明を省略する。
【0020】
市販されている難燃性シリコーンゴムコンパウンドの例としては、SILASTIC (TM) SH502U、SH502U A/B、SH1447 U A(以上、いずれもダウ・東レ株式会社);KE-5620W-U、KE-5620BL-U、KE-5612E-U、KE-3494、KE3490、KE3467、KE-4890、KE-40RTV、KE-1831、KE-1867、KE-1891、KE-1204-LTV、KE-1292、KE-1800、KE-1802(以上、いずれも信越化学工業株式会社);ELASTOSIL (R) LR 3011/50 FR、LR 3001/55 FR、LR 3001/60 FR、LR 3170/40(以上、いずれも旭化成ワッカーシリコーン株式会社);TSE2186U、TSE2183U、TSE2187U、TSE2184U、TCM5406U、XE20-A7016(以上、いずれもモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)が挙げられる。
【0021】
難燃性シリコーンゴムコンパウンドについて開示している特許文献の例としては、特開2004-149693号、特開2006-182911号、特開2009-144024号が挙げられる。
【0022】
繊維系難燃剤とは、繊維状の形態をとる難燃剤を表す。本明細書において、「繊維状の形態」とは、アスペクト比(長さ/直径)が3以上である形状を意図する。
【0023】
本発明者らが見出したところによると、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを組合せたシリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドそのものよりも難燃性が向上する。しかし、難燃性の向上効果は、繊維系難燃剤以外の難燃剤(粒子状の無機系難燃剤など)を配合しても見られなかった(詳細は本願実施例を参照)。すなわち、様々な種類がある難燃剤の中でも繊維系難燃剤を選択したことにより、本発明の効果が表れるようになったと言える。
【0024】
繊維系難燃剤の平均繊維長の下限は、50μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、150μm以上がさらに好ましい。繊維系難燃剤の平均繊維長の上限は、750μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、250μm以下がさらに好ましい。繊維系難燃剤の平均直径の下限は、1μm以上が好ましく、2.5μm以上がより好ましく、4μm以上がさらに好ましく、5μm以上が特に好ましい。繊維系難燃剤の平均直径の上限は、15.0μm以下が好ましく、12.5μm以下がより好ましく、10.0μm以下がさらに好ましく、8.0μm以下が特に好ましい。アスペクト比の下限は、5以上が好ましく、10以上がより好ましく、15以上がさらに好ましく、20以上が特に好ましい。アスペクト比の上限は、300以下が好ましく、200以下がより好ましく、125以下がさらに好ましく、80以下が特に好ましく、40以下がより一層好ましい。
【0025】
繊維系難燃剤の例としては、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維が挙げられる。人造鉱物繊維の例としては、ロックウール、ストーンウール、スラグウール、ミネラルウール、グラスウール、ミネラルグラスウールが挙げられる。天然鉱物繊維の例としては、ウォラストナイト、チタン酸カリウム繊維が挙げられる。これらの中では、人造鉱物繊維が好ましい。人造鉱物繊維の中では、ロックウールが好ましい。一実施形態において、繊維系難燃剤は、無機物質である。一実施形態において、繊維系難燃剤は、石綿ではない。
【0026】
シリコーンゴム層は、上述した以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分の例としては、硬化剤が挙げられる。
【0027】
硬化剤は、シリコーンゴム層にゴム弾性を与える成分である。当業者であれば、ゴム弾性を与えるための反応機構に応じて、硬化剤を適宜選択できる。硬化剤による反応機構の例としては、架橋反応、縮合反応、付加反応が挙げられる。
【0028】
架橋反応によりゴム弾性を与える場合は、有機過酸化物を用いることができる。有機過酸化物の例としては、ベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、クミル-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシヘキサン、ジ-t-ブチルペルオキシドが挙げられる。
【0029】
縮合反応によりゴム弾性を与える場合は、ケイ素含有架橋剤および硬化触媒を用いることができる。ケイ素含有架橋剤の例としては、アルコキシシラン、アセトキシシラン、環状シロキサンが挙げられる。硬化触媒の例としては、カルボン酸金属塩、有機スズ化合物が挙げられる。
【0030】
付加反応によりゴム弾性を与える場合は、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金系触媒を用いることができる。オルガノハイドロジェンポリシロキサンとは、1分子あたり平均2個以上の水素原子がケイ素原子に結合しているポリオルガノシロキサンである。
【0031】
シリコーンゴム層は、オイルを含んでいてもよい。オイルの中でも、シリコーンオイルが好ましく、変性シリコーンオイルがより好ましい。シリコーンオイルとは、ポリオルガノシロキサンを主成分とするオイルを表す。変性シリコーンオイルとは、ジメチルシリコーンオイルに含まれているメチル基の一部を、他の官能基に置換したシリコーンオイルを表す。変性シリコーンオイルの例としては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、(メタ)アクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アラルキル変性シリコーンオイルが挙げられる。変性シリコーンオイルには、非反応性の変性シリコーンオイルと、反応性の変性シリコーンオイルとがある。これらの中では、非反応性の変性シリコーンオイルが好ましい。
【0032】
シリコーンゴム層は、本技術分野で公知の種々の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤の例としては、補強性充填剤(シリカ、珪藻土、石英粉末、マイカ、酸化チタンなど);増量充填剤(珪藻土、石英粉末、マイカ、クレイ、ガラスビーズ、酸化アルミニウムなど);耐熱性向上剤(カーボンブラック、ベンガラ、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物など);顔料が挙げられる。
【0033】
シリコーンゴム層の全重量を基準とすると、難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の下限は、50重量%以上が好ましく、55重量%以上がより好ましい。難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率の上限は、例えば、98重量%以下でありうる。
【0034】
シリコーンゴム層の全重量を基準とすると、シリコーンゴムポリマー(ポリオルガノシロキサン)の含有率の下限は、10重量%以上が好ましく、15重量%以上がより好ましく、18重量%以上がさらに好ましい。シリコーンゴムポリマーの含有率の上限は、例えば、98重量%以下でありうる。
【0035】
シリコーンゴム層がシリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいる場合、ゴム成分の全体に占めるシリコーンゴムの割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。一実施形態において、シリコーンゴム層は、シリコーンゴム以外のゴム成分を含んでいない。シリコーンゴム以外のゴム成分の例としては、フッ素ゴム(FKM)、天然ゴム(NR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ウレタンゴム(U)、エチレンアクリルゴム(AEM)、アクリルゴム(ACM)が挙げられる。
【0036】
シリコーンゴム層における繊維系難燃剤の含有量の下限は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、5重量部以上が好ましく、10重量部以上がより好ましく、15重量部以上がさらに好ましく、20重量部以上が特に好ましい。含有量の下限が上記の範囲であれば、シリコーンゴム層が充分な難燃性を有している傾向にある。シリコーンゴム層における繊維系難燃剤の含有量の上限は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、80重量部以下が好ましく、70重量部以下がより好ましく、60重量部以下がさらに好ましい。含有量の上限が上記の範囲であれば、シリコーンゴム層が絶縁材として好適な軟らかさを備えている傾向にある。繊維系難燃剤の含有量は例えば5~80重量部であることが好ましく、10~80重量部であることがより好ましい。
【0037】
シリコーンゴム層におけるオイルの含有量の下限は、シリコーンゴム層の全重量を基準として、0.1重量%以上が好ましく、0.3重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさらに好ましい。オイルの含有量が0.1重量%以上であれば、加工性が向上する。シリコーンゴム層におけるオイルの含有量の上限は、シリコーンゴム層の全重量を基準として、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらに好ましい。オイルの含有量が15重量%以下であれば、過剰に柔らかくなったり、ブリードが生じたりし難い。
【0038】
その他の成分の配合量は、当業者であれば、技術常識に従って適宜設定できる。例えば、硬化剤の含有量は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、0.2~5.0重量部でありうる。
【0039】
〔2.絶縁材および電池〕
本発明の一実施形態に係る絶縁材は、上述の積層体を含んでいる。本明細書において、絶縁材とは、2つ以上の部材の間に介装されて用いられる成形品であり得る。2つ以上の部材は、相対的な位置が変化する部材であってもよいし、相対的に静止している部材であってもよい。
【0040】
絶縁材の用途は、特に限定されない。本発明の一実施形態に係る絶縁材は、難燃性が向上しており、燃焼後も絶縁性を維持できるため、難燃性および絶縁性が求められる製品に用いることが好ましい。このような製品の例としては、電池、車両、住宅建材、家電、携帯端末が挙げられる。
【0041】
なお、本発明の一実施形態に係る積層体は、絶縁材用途に限らず、難燃性が求められる部材であるならば、どのような用途にも用いられ、例えば、静止する2部材間を密封するガスケットに用いてもよい。積層体は、導電性が求められる部材に用いてもよい。この場合、シリコーンゴム層には、難燃性かつ導電性を有する繊維系難燃剤が含まれるようになる。
【0042】
以下、図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る絶縁材を電池に応用する場合の使用例を説明する。電池100は、絶縁材11、セル20および容器40を備えている。電池100は、2つ以上のセル20(図2では12個のセル20)から電力を取り出すように構成されている。なお、図2では、セル20から電力を取り出すための部材は省略している。電池100の具体例としては、非水電解液二次電池(リチウムイオン二次電池など)が挙げられる。
【0043】
絶縁材11は、容器40の内部を分割するセパレートプレートとして配置されている。絶縁材11は、セル20が発火した場合にも延焼を防ぐことができ、且つ燃焼後でも絶縁性を維持できる。セル20は、正極、負極、セパレータ、電解液などがパッケージ化されている発電素子である。容器40は、絶縁材11およびセル20を格納する部材である。
【0044】
容器40の内部は、絶縁材11により、2つ以上の区画に分割されている。図2では、区画A、区画B、区画Cおよび区画Dの4つの区画に分割されている。2つ以上存在するセル20は、2つ以上の区画のうち、2つ以上に分かれて配置されている。図2では、区画A~Dの4区画全てにセル20が配置されているが、セル20が配置されていない区画があってもよい。
【0045】
例えば、区画Aに配置されているセル20が故障し発火したときには、絶縁材11は、区画Bへの延焼を阻止する。絶縁材11は、本発明の一態様に係る絶縁材であるから、従来品の絶縁材よりも難燃性が向上しており、且つ燃焼後でも絶縁性を維持できる。それゆえ、電池100は、従来の電池よりも安全性が向上している。
【0046】
〔3.積層体の製造方法〕
本発明の一実施形態に係る積層体の製造方法は、金属板の表面にゴム液の層を形成することによりラバーコートメタルを得る工程と、上記ゴム液の層を乾燥する工程と、乾燥された上記ラバーコートメタルに対して加熱プレスを行う工程とを備える。上記ゴム液は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である。これにより、上述のようなシリコーンゴム層を有する積層体を得ることができる。
【0047】
〔3.1.ラバーコートメタルを得る工程〕
本明細書において、ゴム液とは、未加硫ゴムを溶剤に溶かした、または分散させたゴム液を意味する。未加硫ゴムを溶かす溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、キシレン、エチルベンゼン、イソブチルアルコール(IBA)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等の有機溶剤およびそれらを混合したものが挙げられる。未加硫ゴムを分散させる分散媒としては水が挙げられる。ゴム液の固形分濃度は通常10~50重量%である。ゴム液の粘度は50~30000mPa・sであることが好ましい。ゴム液を用いることにより、比較的薄いシリコーンゴム層を得ることができる。
【0048】
ゴム液は、上述の難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを溶剤に加えることで得られる。難燃性シリコーンゴムコンパウンドと硬化剤とを溶剤に溶解させた後に、繊維系難燃剤を加えて混合することが好ましい。これにより、ロールを用いて難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを混合する場合に比べて設備への負荷を低減できる。
【0049】
ゴム液の層を形成する前に、金属板の表面を脱脂してもよい。また、金属板の表面に接着剤を塗布してもよく、さらに焼き付けを行ってもよい。
【0050】
金属板の表面にゴム液の層を形成する方法は、特に限定されず、金属板をゴム液に浸してもよく、金属板にゴム液を塗布または噴霧してもよい。当該方法は、ロールコーター方式またはフローコーター方式であってもよいが、金属板をゴム液に浸す方法が好ましい。特に特開2016-166644号公報に記載の装置および方法を用いることが好ましい。
【0051】
具体的には、金属板の上部を留め具で挟んで、ゴム液を入れたゴム液槽へ当該留め具を降下させる方法が簡便であり好ましい。留め具を降下させる速度は特に限定されないが通常、10~100mm/秒である。また、ゴム液槽の上方に設けられた2本のロッドを近接させて、当該ロッドの間隔を上記金属板の厚さよりも広い所定の間隔とすることが好ましい。2本のロッドの間隔(W(mm))と金属板の厚さ(t(mm))とが下記式(1)を満たすことが好ましい。下記式(1)において、(W-t)は、好ましくは0.3mm以上であり、より好ましくは1.1mm以下である。
0.1<(W-t)<1.5 (1)
そして、ゴム液に浸された金属板を、2本のロッドの間を通して引き上げながら、当該ロッドでゴム液の層の表面を均して、金属板の両面にゴム液の層が形成されたラバーコートメタルを得ることが好ましい。金属板を引き上げる速度は特に限定されないが通常、10~100mm/秒である。
【0052】
〔3.2.ゴム液の層を乾燥する工程〕
ゴム液の層を乾燥する方法は特に限定されないが、留め具に挟んでぶら下げたまま乾燥する方法が好ましい。乾燥温度は通常15~70℃である。ゴム液の層に風または熱風を吹き付けることもできる。また、室温にて所定時間放置して、自然乾燥によりゴム液の層を乾燥することもできる。
【0053】
〔3.3.加熱プレスを行う工程〕
加熱プレスにより、加硫を行うとともに金属板とシリコーンゴム層との接着性を確保することができる。上記加熱プレスにおける加熱温度は150~230℃であることが好ましい。加熱プレスにおける加熱温度は180℃以上がより好ましく、190℃以上がさらに好ましい。また、加熱プレスにおける加熱温度は220℃以下がより好ましく、210℃以下がさらに好ましい。また、圧力は15~25MPaであることが好ましい。具体的には、加熱プレスの圧力は、17MPa以上がより好ましく、18MPa以上がさらに好ましい。また、加熱プレスの圧力は、23MPa以下がより好ましく、22MPaがさらに好ましい。
【0054】
加熱プレスの方法は、特に限定されないが、乾燥したラバーコートメタルを、加熱したプレートで挟む方法が挙げられる。ここで、ラバーコートメタルの周囲にスペーサーを配置することにより、得られる積層体の厚みを調整することもできる。
【0055】
加熱プレスを行った後、必要に応じて、得られた積層体をさらに加熱して、残存する硬化剤を揮発させてもよい。
【0056】
〔4.まとめ〕
本発明の一実施形態は、下記の構成を含んでいてもよい。
<1>
金属板と、当該金属板の表面に積層されたシリコーンゴム層とを備え、
上記シリコーンゴム層は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、
上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、積層体。
<2>
上記シリコーンゴム層における上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有量を100重量部とすると、上記繊維系難燃剤の含有量は10~80重量部である、<1>に記載の積層体。
<3>
上記繊維系難燃剤は、人造鉱物繊維および天然鉱物繊維からなる群より選択される1つ以上を含む、<1>または<2>に記載の積層体。
<4>
上記繊維系難燃剤は、上記人造鉱物繊維を含んでおり、
上記人造鉱物繊維は、ロックウールを含んでいる、<3>に記載の積層体。
<5>
上記シリコーンゴム層における上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドの含有率は、50重量%以上である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体。
<6>
<1>~<4>のいずれか1つに記載の積層体を含んでいる、絶縁材。
<7>
2つ以上のセルと、<6>に記載の絶縁材と、容器とを備えている電池であって、
上記2つ以上のセルおよび上記絶縁材は、上記容器に格納されており、
上記絶縁材は、上記容器内を2つ以上の区画に分割するように配置されており、
上記2つ以上のセルは、上記2つ以上の区画のうち2つ以上に分かれて配置されている、電池。
<8>
金属板の表面にゴム液の層を形成することによりラバーコートメタルを得る工程と、
上記ゴム液の層を乾燥する工程と、
乾燥された上記ラバーコートメタルに対して加熱プレスを行う工程とを備え、
上記ゴム液は、難燃性シリコーンゴムコンパウンドと繊維系難燃剤とを含んでおり、
上記難燃性シリコーンゴムコンパウンドは、UL94規格においてV-0以上である、積層体の製造方法。
<9>
上記加熱プレスにおける加熱温度は150~230℃であり、圧力は15~25MPaである、<8>に記載の積層体の製造方法。
<10>
上記加熱プレスにおいて、ラバーコートメタルの周囲にスペーサーを配置することにより、得られる積層体の厚みを調整する、<8>または<9>に記載の積層体の製造方法。
【実施例0057】
以下に、本発明の一実施形態を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0058】
〔使用した材料〕
●難燃性シリコーンゴムコンパウンド
・難燃性シリコーンゴムコンパウンド(KE-5612E-U、信越化学工業株式会社、ビニルメチルシリコーンゴム系コンパウンド、UL94規格:V-0)
●難燃剤
・繊維系難燃剤(RS490ELS-Roxul1000、Lapinus Fibres B.V.、ロックウール、繊維長:150~250μm)
・無機系難燃剤(BF013、日本軽金属株式会社、粒子状の水酸化アルミニウム)
●硬化剤
・硬化剤(C-3、信越化学工業株式会社、ジクミルペルオキシド)
●金属板
・溶融アルミめっき鋼板(150mm×100mm×厚み0.8mm)
●接着剤
・接着剤・結合剤(SILASTICTM DY 39-123 Primer、ダウ・東レ株式会社、ビニルトリメトキシシラン、テトラ n-ブチルチタネートの混合物)
〔装置〕
図3に示したラバーコートメタルの製造装置101を用いて、金属板1の表面にゴム液の層を形成した。金属板1はアーム113の先端の留め具112に掛けることができる。ゴム液槽111にはゴム液50Lが入れられている。2本のロッド114は直径50mmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の丸棒である。送り出しローラー115に巻かれている保護フィルム117は、厚さ50μmのポリエチレンフィルムである。保護フィルム117は巻き取りローラー116によって巻き取ることができる。
【0059】
〔実施例1~3、比較例1、2〕
下記の手順に沿って、金属板の両面にシリコーンゴム層を備えた積層体を作製した。ただし、比較例1では難燃剤を用いなかった。
1. 難燃性シリコーンゴムコンパウンドと硬化剤とをトルエンに溶解させた。
2. 得られた溶液に難燃剤を入れ、撹拌機によって混合することにより、ゴム液を得た。ゴム液における固形分濃度は40重量%であった。
3. アセトンを用いて金属板を脱脂した。
4. 脱脂した金属板の両面に接着剤を塗布し、160℃で10分間、焼き付けを行った。
5. 焼き付けを行った金属板の両面にゴム液の層を形成した。以下、図4を用いて手順を説明する。
(1)金属板1を留め具112(図4では省略)に掛け、この留め具112を50mm/秒の速度で下降させて金属板1をゴム液槽111内のゴム液に浸漬させた(図4の工程1001)。
(2)ゴム液槽111の上方に設けられた2本のロッド114を近接させた(図4の工程1002)。このときのロッド114の間隔は1.85mmであった。
(3)ゴム液に金属板1を浸漬させてから1秒経過後、アーム113(図4では省略)を動かして留め具112を50mm/秒の速度で上昇させた。こうすることで、金属板1を2本のロッド114の間を通して引き上げながら、ロッド114を覆っている保護フィルム117でゴム液層の表面を均した(図4の工程1003)。
(4)巻き取りローラー116を回転させてゴム液が付着した保護フィルム117を巻き取った(図4の工程1004)。
6. その後、留め具112に掛けたまま金属板1を室温で自然乾燥させた後、留め具112から金属板1を取り外し、金属板1の両面に未加硫ゴム層が形成されたラバーコートメタルを得た。
7. 得られたラバーコートメタルを加熱プレスすることにより、接着性の確保および加硫を同時に行った。図5を用いて説明する。図5において、x軸、y軸は互いに直交し、ラバーコートメタル12の面方向に平行である。z軸はラバーコートメタル12の面方向に垂直であり、厚み方向を表す。図5はy軸方向から見た図とz軸方向から見た図を表す。ラバーコートメタル12を、200℃に加熱した厚み1.2mmのプレート13a上に配置した。ラバーコートメタル12の周囲には厚み1.0mmのスペーサー14を配置した。ラバーコートメタル12およびスペーサー14の上から、200℃に加熱した厚み1.2mmのプレート13bを配置した。これにより、3分間、20MPaで加圧した。
8. 残存する硬化剤を揮発させるために、加熱プレス後のラバーコートメタルをオーブンに入れて、180℃で1時間加熱した。このようにして積層体を得た。
【0060】
〔試験方法〕
上述のように作製した積層体を試験片として用いて燃焼試験を行った。燃焼部位の温度が850℃±50℃になるようにバーナーの炎を調節した。試験片の片面に炎を1分間当てた。バーナーの口から試験片までの距離は10cmとした。燃焼試験の後、試験片の両面の外観を目視で確認した。また、燃焼試験の前後で、抵抗計(RM3548、日置電機株式会社)を用いて抵抗値を測定した。抵抗値の測定レンジの上限値は3.5×10Ωとした。
【0061】
〔評価結果〕
実施例1~3、比較例1、2のシリコーンゴム層の組成(重量部)を表1に示す。また、評価結果を図6に示す。燃焼試験前は実施例1~3、比較例1、2のいずれも抵抗値がレンジオーバー、すなわち通電せず、両面に絶縁被膜が形成されていることが確認できた。
【0062】
【表1】
【0063】
図6において「燃焼試験前」の「直火面」は炎を当てる前の面、「燃焼試験後」の「直火面」は炎を当てた後の面を意味する。また、「裏面」は「直火面」の裏面を意味する。燃焼試験後、難燃剤を含まない比較例1および難燃剤として水酸化アルミニウムを含む比較例2は、両面の芯材(金属板)が露出した。一方、実施例1~3では燃焼試験後、少なくとも片面は芯材が露出しなかった。従って、実施例1~3は比較例1、2に比べて難燃性に優れていた。
【0064】
また、比較例1、2は燃焼後の抵抗値が小さく、通電した。一方、実施例1~3は燃焼後も通電せず、絶縁性が維持された。従って、実施例1~3は、比較例1、2に比べて難燃性が向上しており、かつ燃焼後も絶縁性を維持できることが分かった。ロックウールを添加した実施例2は、同じ量の水酸化アルミニウムを添加した比較例2より、難燃性および絶縁性に優れていた。また、実施例2および3は、実施例1と比べて難燃性により優れていた。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明の一態様は、例えば電池などの絶縁材に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 金属板
2a、2b シリコーンゴム層
10 積層体
11 絶縁材
20 セル
40 容器
100 電池
図1
図2
図3
図4
図5
図6