(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039489
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240314BHJP
A63F 13/86 20140101ALI20240314BHJP
A63F 13/61 20140101ALI20240314BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20240314BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240314BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20240314BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20240314BHJP
【FI】
G06Q30/02 378
A63F13/86
A63F13/61
A63F13/213
A63F13/65
H04N21/262
H04L67/131
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144083
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA22
5C164FA25
5C164SB41S
5C164SC23P
5C164SD12S
5C164YA21
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】動画の広告配信を管理する新たな技術を提供する。
【解決手段】情報処理方法(S1)は、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップ(S711)と、再生予測情報に基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップ(S715)と、広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップ(S717~S723、S73~S77)と、を含む。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得部と、
前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理部と、を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記動画の再生状況の目標を示す目標情報にさらに基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記配信処理部が実行する前記処理は、前記目標情報と前記再生予測情報との比較結果に基づいて、前記広告の配信条件を決定する処理を含む、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記動画は、ゲーム装置において進行するゲームを示す動画であり、
進行している当該ゲームの状況を示すゲーム状況情報を取得するゲーム状況情報取得部、をさらに含み、
前記配信処理部が実行する前記処理は、前記ゲーム状況情報に基づいて、前記広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記動画は、ゲーム装置において進行するゲームを示す動画であり、
進行している当該ゲームに係るゲーム画像、及び、当該ゲームをプレイ中のプレイヤを撮影した画像のうち少なくとも一方を取得する画像取得部、をさらに含み、
前記配信処理部が実行する前記処理は、前記画像取得部が取得した画像を用いて、前記広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む、
請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記目標情報は、前記動画のライブ配信終了時に達成することを目標とする再生状況、または、前記動画のアーカイブ配信中の所定時点に達成することを目標とする再生状況を示す、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップと、
前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップと、を含む情報処理方法。
【請求項8】
1または複数のコンピュータに、
ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップと、
前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップと、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画のライブ配信に関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、動画のライブ配信サービスを提供するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した動画のライブ配信サービスにおいて、想定よりも動画の視聴数が少なくなってしまうことがある。本発明の一態様は、上述した課題を解決するためになされたものであり、動画の広告配信を管理する新たな技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得部と、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定部と、前記判定部が、広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理部と、を含む。
【0006】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理方法は、1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップと、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップと、を含む。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップと、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。図である。
【
図2】
図1に示す動画配信サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すゲーム装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示すユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示す広告サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図1に示すメディアサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図1に示す動画配信サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】第1ゲーム状況情報の一例を説明する図である。
【
図9】
図1に示す広告サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
【
図12】
図9に示す情報処理方法に含まれる再生予測情報生成処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図13】
図9に示す情報処理方法に含まれる広告配信要請処理の流れの一例を示すフロー図である。
【
図14】野球ゲームに関して生成されたテーブルデータの一例を示す図である。
【
図15】広告が配信されたユーザ端末の画面例を示す図である。
【
図16】広告が配信されたユーザ端末の他の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1について、詳細に説明する。
【0010】
<情報処理システム1の構成>
図1は、情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、動画配信サーバ10、ゲーム装置30、ユーザ端末50-1、50-2、…、50-N(Nは2以上の自然数)、広告サーバ70、メディアサーバ90を含む。これらの装置は、ネットワークNWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、例えば、インターネットを含むがこれに限られない。ユーザ端末50-1、50-2、…、50-Nを特に区別して説明する必要がない場合には、それぞれを単にユーザ端末50とも記載する。
【0011】
動画配信サーバ10は、ゲーム装置30において進行するゲームを示す動画(ゲームを示す動画を、以下、「ゲーム動画」という。)をライブ配信するサーバである。動画配信サーバ10は、例えば、進行するゲームを示す動画をリアルタイムに取得しながらライブ配信を行う。ゲーム動画の送信元は、本実施形態ではゲーム装置30であるとする。ただし、ゲーム動画の送信元は、これに限られず、例えば、ゲーム装置30に接続された動画生成装置(図示せず)であってもよい。また、動画配信サーバ10は、ライブ配信するゲーム動画をメモリ12等に保存し、保存したゲーム動画のアーカイブ配信を行う場合もある。また、以下では、ゲーム動画のうち、動画配信サーバ10によってライブ配信される動画を「ライブ配信ゲーム動画」という。
【0012】
ゲーム装置30は、プレイヤの操作に基づきゲームを進行させる装置である。本実施形態では、ゲーム装置30は、プレイヤが操作するプレイヤ端末(例えば、家庭用ゲーム機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、または店舗据置型業務用ゲーム機等)である例を中心に説明する。ただし、ゲーム装置30は、ゲーム装置30とは別体のプレイヤ端末と通信することによりゲームを進行させるゲームサーバであってもよい。ゲーム装置30は、ゲームを進行させながら、当該ゲームを示す動画を生成し、生成した動画をリアルタイムに動画配信サーバ10に送信する。なお、ゲームの進行に複数のゲーム装置30が関わる場合、情報処理システム1は、そのうち1つのゲーム装置30を含んでもよいし、複数のゲーム装置30を含んでもよい。
【0013】
(ゲーム装置30が進行させるゲーム)
ゲーム装置30は、ゲームプログラムを実行することによりゲームを進行させる。なお、当該ゲームを進行させるためのゲームプログラムの一部は、ゲーム装置30とは異なる他の装置(例えば、ゲーム装置30と通信可能なサーバ等)が実行するものであってもよい。ゲーム装置30が進行させるゲームは、複数のプレイヤの操作により進行するマルチプレイゲームであってもよく、単一のプレイヤの操作により進行するシングルプレイゲームであってもよい。また、マルチプレイゲームである場合、当該ゲームは、各プレイヤが利用するプレイヤ端末が互いに通信することにより進行するオンラインゲームであってもよく、単一のプレイヤ端末を複数のプレイヤが操作することにより進行するゲームであってもよい。また、ゲーム装置30が進行させるゲームは、複数のプレイヤ(または、プレイヤおよびコンピュータ)が対戦して進行する対戦ゲームであってもよい。また、当該ゲームは、複数のプレイヤ(または、プレイヤおよびコンピュータ)が協力して進行させる協力ゲームであってもよい。
【0014】
(進行しているゲーム、前回以前のゲーム)
本明細書において、ゲームが進行しているという場合、ゲーム装置30においてゲームが開始した後、まだ終了していないことをいう。本明細書において、「前回以前」のゲームは、ゲーム装置30または他のゲーム装置において過去に進行させ、終了したゲームである。つまり、「前回」の「回」とは、ゲームの進行を開始してから終了するまでを1回とする。なお、対戦ゲームである場合、対戦ゲームによって行なう対戦を「試合」といい、ゲームの進行を開始してから終了するまでの1回分を、「1試合」などということもある。
【0015】
ユーザ端末50は、動画を再生するための動画再生装置の一例である。ユーザ端末50は、動画配信サーバ10によってライブ配信される、ゲーム動画等の動画を再生可能である。また、ユーザ端末50は、メディアサーバ90により配信されるメディアを再生可能である。
【0016】
広告サーバ70は、広告をメディアサーバ90に送信する。広告サーバ70が、配信する広告を生成してもよく、予め生成された広告を広告サーバ70が取得してもよい。また、広告サーバは配信要請を取得することにより広告を配信する。メディアサーバ90は、ゲーム動画とは異なるメディアをユーザ端末50に配信する。メディアサーバ90が配信するメディアは、動画、ゲーム、ウェブページ等であってもよい(換言すると、メディアサーバ90は、他の動画配信サーバ、ゲームサーバ、ウェブサーバ等であってもよい)が、これらに限られない。メディアサーバ90は、メディアの配信先に、広告を配信することが可能である。なお、広告サーバ70およびメディアサーバ90は、動画配信サーバ10の機能として実現される態様もあり得る。このような態様については、末尾に変形例として後述する。
【0017】
(動画配信サーバ10のハードウェア構成)
図2は、動画配信サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、動画配信サーバ10は、例えば、プロセッサ11、メモリ12および通信インタフェース13を含む。これらの構成要素は、バス19を介して接続される。
【0018】
プロセッサ11は、メモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより、動画配信サーバ10の各部を制御する。プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の集積回路によって構成される。
【0019】
メモリ12は、プロセッサ11が実行するプログラム、および、プロセッサ11が使用する各種のデータを記憶する。メモリ12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、またはこれらの組み合わせによって構成される。なお、メモリ12の一部または全部は、動画配信サーバ10に内蔵されることに限らず、USB(Universal Serial Bus)等の入出力インタフェース(図示せず)を介して外付けされていてもよい。また、メモリ12の一部または全部は、動画配信サーバ10とは独立した装置として、ネットワークを介して動画配信サーバ10に接続されていてもよい。
【0020】
通信インタフェース13は、ネットワークNWに接続するインタフェースである。通信インタフェース13は、例えば、イーサネット(登録商標)等の有線接続インタフェースまたはWiFi(登録商標)等の無線接続インタフェースによって構成される。
【0021】
(ゲーム装置30のハードウェア構成)
図3は、ゲーム装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、ゲーム装置30は、例えば、プロセッサ31、メモリ32、通信インタフェース33、入力装置34、出力装置35、エンコーダ37およびカメラ39を含む。これらの構成要素は、バス41を介して接続される。なお、エンコーダ37およびカメラ39の一方または両方は、ゲーム装置30に内蔵される代わりに、外部に接続されてもよい。また、エンコーダ37に替えて、メモリ32にソフトウェアエンコーダが記憶されていてもよい。この場合、プロセッサ31がソフトウェアエンコーダを実行することによってエンコーダの機能が実現される。
【0022】
プロセッサ31、メモリ32および通信インタフェース33については、動画配信サーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。入力装置34は、ゲームをプレイするための操作を受け付ける装置であり、例えば、コントローラ、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。出力装置35は、ゲームの進行を示す情報を出力する装置であり、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはこれらの組み合わせによって構成される。また、入力装置34および出力装置35は、これらが一体に形成されたタッチパネルであってもよい。
【0023】
エンコーダ37は、出力装置35に出力される映像、音声、カメラ39が撮影した撮影画像、またはこれらを組み合わせた動画を、所定の条件(解像度、フレームレート、ビットレート等)でエンコードすることにより生成する。カメラ39は周囲を撮影した撮影画像を生成する。
【0024】
なお、
図3は、ゲーム装置30がプレイヤ端末である場合の一例である。ゲーム装置30がゲームサーバである場合には、ゲーム装置30は、入力装置34および出力装置35を含んでいなくてもよい。
【0025】
(ユーザ端末50のハードウェア構成)
図4は、ユーザ端末50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、ユーザ端末50は、例えば、プロセッサ51、メモリ52、通信インタフェース53、入力装置54および出力装置55を含む。これらの構成要素は、バス59を介して接続される。
【0026】
プロセッサ51、メモリ52、および通信インタフェース53については、動画配信サーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。入力装置54は、動画を再生するための操作を受け付ける装置であり、例えば、コントローラ、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク、またはこれらの組み合わせ等によって構成される。出力装置55は、動画、メディア、広告等を出力する装置であり、例えば、ディスプレイ、スピーカ、またはこれらの組み合わせによって構成される。
【0027】
(広告サーバ70のハードウェア構成)
図5は、広告サーバ70のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、広告サーバ70は、例えば、プロセッサ71、メモリ72および通信インタフェース73を含む。これらの構成要素は、バス79を介して接続される。また、これらの構成要素については、動画配信サーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0028】
(メディアサーバ90のハードウェア構成)
図6は、メディアサーバ90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、メディアサーバ90は、例えば、プロセッサ91、メモリ92および通信インタフェース93を含む。これらの構成要素は、バス99を介して接続される。また、これらの構成要素については、動画配信サーバ10が備える同名の構成要素と同様に説明されるため、詳細な説明を繰り返さない。
【0029】
以下、動画配信サーバ10および広告サーバ70の機能的構成について説明する。なお、ゲーム装置30、ユーザ端末50、メディアサーバ90の機能は、各装置のプロセッサ31、51、91が、メモリ32、52、92に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
(動画配信サーバ10の機能的構成)
図7は、動画配信サーバ10の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように動画配信サーバ10は、制御部110および記憶部130を含む。制御部110は、プロセッサ11がメモリ12に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部130はメモリ12によって構成される。
【0031】
制御部110は、第1ゲーム状況情報取得部111、第1再生状況情報取得部112、再生予測情報生成部113、再生予測情報取得部114、判定部115、配信処理部116および画像取得部117を含む。記憶部130は、候補ゲーム状況情報131、候補再生状況情報132および目標情報133を記憶している。
【0032】
第1ゲーム状況情報取得部111は、ゲーム装置30において進行するゲームを示す動画のライブ配信中に、進行している当該ゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を取得する。ゲームが進行している間に第1ゲーム状況情報取得部111が第1ゲーム状況情報を取得する回数は、1回でもよく、複数回でもよい。例えば、第1ゲーム状況情報取得部111は、第1ゲーム状況情報を1回取得した後、ライブ配信される動画に対応するゲームの進行に伴って、新たな第1ゲーム状況情報をさらに取得してもよい。
【0033】
ゲームの状況とは、ゲームの進行に応じて変化し得る状況であり、ゲームのパラメータ、進捗、展開等が挙げられる。
【0034】
パラメータとしては、ゲーム内の時間、ポイント、ステータス等がある。ゲーム内の時間としては、例えば、ゲーム開始後の時間、特定の場面になってからの時間(例えば、野球ゲームにおいて「3回の表」になってから3分後等)等がある。ポイントとしては、例えば、プレイヤ、プレイキャラクタ、プレイキャラクタの所属チーム等に付与されたポイント等がある。ポイントの具体例としては、例えば、対戦型スポーツゲームであれば各チームの得点、野球ゲームの場合は、ホームラン、ヒットの数、獲得した三振の数、サッカーゲームの場合はシュート数、パス数等がある。ステータスとしては、例えば、キャラクタの状態(例えば、ケガや好調か否か等の基本能力値から能力値が増減する状態の有無)、競技場の状況(天候)等がある。
【0035】
進捗としては、例えば、野球ゲームの場合はイニング数、サッカーゲームの場合は前半か後半か等が挙げられる。ゲームの展開としては、例えば、対戦ゲームである場合の優劣、対戦ゲームである場合に大差から追いつきつつある展開、接戦である展開等が挙げられる。また、「対戦ゲームである場合の優劣」の例としては、複数プレイヤ間または複数チーム間におけるポイントの差(得点差、シュート数の差)、ゲームの進捗の差(クリア面の数の差、通過地点の距離の差)等が挙げられる。
【0036】
「ゲーム状況情報」は、ゲームの状況を示す情報である。ゲーム状況情報は、複数のゲーム状況情報に基づき生成されてもよい。例えば、所定の点差以内で所定の期間、ゲームが進行していれば、ゲームの展開が接戦であることを示す情報を生成してゲーム状況情報としてもよく、所定の点差以上から所定の点差以内になれば、大差から追いつきつつある展開であることを示す情報を生成してゲーム状況情報としてもよい。
【0037】
第1ゲーム状況情報とは、ゲームの状況を示すゲーム状況情報のうち、ライブ配信されている、進行中のゲームについてのゲーム状況情報である。
図8は、第1ゲーム状況情報の一例を説明する図である。この例では、第1ゲーム状況情報は、ゲーム装置30において進行している野球ゲームの状況を示す。
図8に示すように、第1ゲーム状況情報の一例は、大会名、試合名、ゲームID、進捗、展開、経過時間、および、プレイヤを示す情報を含む。この例の野球ゲームは、2人のプレイヤ1およびプレイヤ2によってプレイされる。また、各イニングの表でプレイするプレイヤをプレイヤ1とし、裏でプレイするプレイヤをプレイヤ2としている。
【0038】
第1ゲーム状況情報には、ゲーム装置30において進行しているゲームに関連付けられた静的な情報が含まれる。この例では、大会名、試合名、ゲームID、プレイヤ1、およびプレイヤ2を示す情報は、静的な情報である。
図8に示す例では、進行している試合は、ゲームID0001で識別されるタイトルの野球ゲームであり、かつ、〇〇大会の決勝においてプレイヤ1「□□」とプレイヤ2「△△」とが対戦している試合である。また、図示しないが、第1ゲーム状況情報には他の静的な情報が含まれてもよく、このような情報としては、例えば、試合のルールを示す情報等が挙げられる。試合のルールとは、例えば、野球ゲームであれば、何回まで行うのか、延長の際のタイブレークの有無などを示す情報、サッカーゲーム、ホッケーのゲームなどであれば、前半後半、各ピリオドの時間などを示す情報が挙げられる。
【0039】
また、第1ゲーム状況情報には、ゲーム装置30において進行しているゲームの状況を示す動的な情報が含まれる。本実施形態では、進捗、展開、および経過時間は、動的な情報である。動的な情報は、試合の進行に応じて変化し得る。具体的には、進行している試合の状況は、7回裏で1対0であり、かつ、開始してからの経過時間は25分20秒である。ゲーム装置30は、試合を進行させている間、このような動的な情報を含む第1ゲーム状況情報を新たに生成され続ける。なお、ゲーム装置30が第1ゲーム状況情報を1回生成した後、次に第1ゲーム状況情報を生成するタイミングは特に限定されず、例えば、所定時間の経過に応じて新たな第1ゲーム状況情報を生成してもよく、場面が切り替わるたびに第1ゲーム状況情報を生成してもよく、これらの組み合わせでもよい。ゲーム装置30が、ゲームの場面が切り替わるたびに第1ゲーム状況情報を生成する場合、どのような場面の切り替えによって第1ゲーム状況情報を生成するかは、予め設定されていてもよい。例えば、対戦ゲームの場合、攻守が切り替わる場面、スコアに変更が生じた場面等が挙げられる。なお、本実施形態では、ゲームが進行している間、ゲーム装置30により新たな第1ゲーム状況情報が生成され続けるが、本発明の一態様ではこのような形態に限定されず、ゲームが1回分進行する間、第1ゲーム状況情報が生成される回数は1回でもよい。
【0040】
第1再生状況情報取得部112は、動画を再生するための動画再生装置(ユーザ端末50)における、当該動画の再生状況を示す第1再生状況情報を取得する。
【0041】
動画の再生状況とは、動画を再生する1または複数のユーザ端末50において再生に応じて変化し得る状況である。動画の再生状況は、例えば、動画を再生しているユーザ端末50の数(再生数)、動画を再生した時間、ゲームの進行中における動画を再生するタイミング等についての状況が挙げられる。また、動画の再生状況は、例えば、当該動画に対するユーザのコメントの数、ユーザの評価等であってもよい。
【0042】
再生数としては、例えば、動画が再生されたユーザ端末50全ての数、ユーザ端末50の種類ごと(アプリ、ブラウザ等の使用ソフトごと、スマホ、PC等の使用装置の種類ごと)の数等が挙げられる。また、「動画の再生状況」は、動画が配信されている期間のうちの少なくとも一部の所定期間内における再生数の統計を示してもよい。再生数は、ユーザ端末50から動画のライブ配信の要求(視聴リクエスト)を受けた数であってもよい。また、「所定期間内における再生数の統計」とは、例えば、所定期間における再生数の変化(例えば、増減数、増減率等)、所定期間における再生数の合計、所定期間内における最大同時再生数等が挙げられる。最大同時再生数とは、同時に当該動画を再生したユーザ端末50の数の所定期間内における最大値である。また、再生数は、一度再生を中止して、再度再生を開始した数をカウントに含んでもよく、含まなくてもよい。また、再生数としてカウントする条件は、ユーザ端末における再生時間の長さ、再生を終了してから再開するまでの時間の長さ等に応じて定められていてもよい。例えば、所定時間連続して再生した場合に再生数としてカウントしてもよい。また、例えば、一度再生を終了した後、所定時間を経過せずに再度再生が開始された場合は、再生数としてカウントせず、所定時間を経過した後に再度再生が開始された場合は、再生数としてカウントしてもよい。
【0043】
動画の再生時間としては、例えば、各ユーザ端末50における再生時間、全ユーザ端末50における再生時間の合計等が挙げられる。
【0044】
ゲームの進行中における動画が再生されたタイミングとしては、例えば、各ユーザ端末50において、再生された場面(野球の場合3回表、3回裏等のように場面ごとにカウントされたもの)、ゲームのどの時点からどの時点までが再生されたか等が挙げられる。
【0045】
再生状況情報とは、再生状況を示す情報である。第1再生状況情報とは、再生状況情報のうち、ライブ配信されている動画についての再生状況情報である。
【0046】
再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報に基づいて、動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を生成する。
【0047】
再生予測情報とは、将来の再生状況を示す情報である。将来とは、例えば、進行しているゲームのライブ配信の終了時点、ライブ配信終了後のアーカイブ配信中の所定時点等であってもよい。つまり、将来、ライブ配信ゲーム動画がアーカイブ配信されるときの再生予測情報を生成することも、本発明の「動画の将来の再生状況」の一態様である。また、例えば、再生予測情報は、将来の再生数の予測値、将来の再生時間の予測値、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0048】
また、本実施形態では、再生予測情報生成部113は、ゲーム装置30または他のゲーム装置において、前回以前のゲームを進行したときの状況を示す第2ゲーム状況情報と、当該ゲームを進行したときの当該ゲームを示す動画がライブ配信されたときの、当該動画の再生状況を示す第2再生状況情報と、にさらに基づいて、再生予測情報を生成する。
【0049】
第2ゲーム状況情報とは、前回以前のゲームを進行したときの状況を示すゲーム状況情報のうち、再生予測情報の生成に用いられる情報である。「前回以前のゲーム」における「ゲーム」は、進行しているゲームと同じタイトルのゲームでも、ゲーム内容が類似する他のタイトルのゲームでもよい。「類似する他のタイトルのゲーム」は予め設定されるか、予め設定された基準に基づいて制御部110が判断してもよい。第2ゲーム状況情報は、対象のゲームの進行が終了した時点でのゲーム状況情報も含む。
【0050】
第2再生状況情報とは、前回以前のゲームを示す動画がライブ配信されたときの当該動画の再生状況を示す再生状況情報のうち、再生予測情報の生成に用いられる情報である。
【0051】
また、再生予測情報生成部113は、第2再生状況情報を次のようにして取得する。つまり、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報に基づいて、第2ゲーム状況情報の候補である複数の候補ゲーム状況情報131のうち少なくとも一つの候補ゲーム状況情報131を、再生予測情報の生成に用いる第2ゲーム状況情報として特定して取得し、第2ゲーム状況情報として特定された候補ゲーム状況情報131に対応する第2再生状況情報を取得する。なお、本実施形態では、第2再生状況情報は、複数の候補再生状況情報132の何れかである。
【0052】
また、前述の通り、本実施形態では、ゲーム装置30は新たな第1ゲーム状況情報を生成し続ける。再生予測情報生成部113は、新たな第1ゲーム状況情報に基づいて、候補ゲーム状況情報131のうち第2ゲーム状況情報とする候補ゲーム状況情報131を新たに特定して取得し、当該候補ゲーム状況情報131に対応する第2再生状況情報を取得する。
【0053】
再生予測情報生成部113が第2ゲーム状況情報を取得する方法は特に限定されず、例えば、次の方法が挙げられる。例えば、再生予測情報生成部113は、複数の候補ゲーム状況情報131のうち、ユーザ入力に基づき特定された候補ゲーム状況情報131を第2ゲーム状況情報として取得する方法が挙げられる。また、予め設定された条件に基づいて第1ゲーム状況情報に類似すると特定された候補ゲーム状況情報131を、第2ゲーム状況情報として取得する方法が挙げられる。これらは共に行なってもよく、いずれかを行なってもよい。共に行なう場合は、再生予測情報を生成するタイミング、目的、対象のゲーム等に応じて、或るタイミングでは一方を行ない、別のタイミングでは他方を行なうなどすればよい。
【0054】
候補ゲーム状況情報131は、第2ゲーム状況情報の候補となる情報である。記憶部130には、複数の候補ゲーム状況情報131が記憶されている。例えば、前回以前のゲームが進行していたときに第1ゲーム状況情報として取得された情報が、候補ゲーム状況情報131として記憶部130に記憶されていてもよい。各候補ゲーム状況情報131は、対象のゲームに関連付けられる。また、対象のゲームには、複数の候補ゲーム状況情報131が関連付けられていてもよい。例えば、当該対象のゲームと同じタイトルのゲームにおいて行われた複数回の試合について、それぞれの試合に候補ゲーム状況情報131が関連付けられていてもよい。また、それぞれの1回の試合における複数の進捗について、各進捗についての候補ゲーム状況情報131が関連付けられていてもよい。例えば、
図8に示した例と同じ野球ゲームの〇〇大会における初戦から準決勝までの各試合に対して、各イニングの表、裏、および試合終了時点、をそれぞれ進捗として含む複数の候補ゲーム状況情報131が関連付けられていてもよい。
【0055】
候補ゲーム状況情報131について、第1ゲーム状況情報に類似すると特定するときに用いる「予め設定された条件」は、例えば、前述した、進行しているゲームの状況を示す動的な情報に基づく条件、ゲームに関連付けられた静的な情報に基づく条件が挙げられる。動的な情報に基づく条件としては、例えば、進行しているゲームと候補ゲーム状況情報131との間の、少なくともいずれか一つの対戦者のスコア、当該スコアの変化、対戦者間のスコアの差、当該差の変化等に基づいて定められる。例えば、第1ゲーム状況情報が含む対戦者間のスコアの差と候補ゲーム状況情報131が含む対戦者間のスコアの差とが所定の近さの範囲であれば、当該候補ゲーム状況情報131が第1ゲーム状況情報と類似すると判断される。また、ゲームに関連付けられた静的な情報に基づく条件としては、例えば、第1ゲーム状況情報が含むプレイヤと候補ゲーム状況情報131が含むプレイヤとが同一か否か(複数のプレイヤで構成されるチーム同士の対戦の場合は、当該複数のプレイヤの少なくとも一部が一致するか否か)等が挙げられる。また、例えば、第1ゲーム状況情報が含む試合の属性と候補ゲーム状況情報131が含む試合の属性とが同一か否かも挙げられる。試合の属性とは、前述した静的な情報でも説明した、大会名、試合名(決勝、準決勝、予選など)、試合のルール等を示すものであってもよく、これらに限られない。例えば、第1ゲーム状況情報に、属性を示す情報を関連付けておき、属性を示す情報を「予め設定された条件」に基づいて第1ゲーム状況情報に類似するか否かを特定するときに用いればよい。また、動的な情報に基づく条件と、静的な情報に基づく条件とは組み合わせられてもよい。例えば、第1ゲーム状況情報が含むプレイヤと候補ゲーム状況情報131が、所定の同一のプレイヤを含み、且つ、当該プレイヤの状況(対戦相手との点差、優勢か否か等)が近ければ「予め設定された条件」を満たすと判断してもよい。
【0056】
候補再生状況情報132は、第2再生状況情報の候補となる情報である。記憶部130には、複数の候補再生状況情報132が記憶されている。例えば、前回以前のゲームが進行していたときに第1再生状況情報として取得された情報が、候補再生状況情報132として記憶部130に記憶されていてもよい。各候補再生状況情報132は、例えば、候補ゲーム状況情報131に関連付けられて記憶部130に記憶されていてもよい。この場合、候補ゲーム状況情報131に関連付けられた候補再生状況情報は、当該候補ゲーム状況情報131に含まれる進捗における当該動画の再生状況を示す。例えば、
図8に示した例と同じ野球ゲームの〇〇大会の初戦に対して、進捗「1回表」を含む候補ゲーム状況情報131が関連付けられているとする。この場合、当該候補ゲーム状況情報131に関連付けられた候補再生状況情報132は、当該初戦を示す動画がライブ配信されたときの、当該初戦の1回表における再生状況を示している。
【0057】
再生予測情報取得部114は、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する。
【0058】
判定部115は、再生予測情報に基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを判定する。本実施形態では、判定部115は、動画の再生状況の目標を示す目標情報133にさらに基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを判定する。なお、動画の広告を「新たに配信する」とは、これまで広告を配信しなかった状態から配信を行なう形態と、配信を行っていたが、広告内容、配信条件等を変更する形態とを含む。
【0059】
目標情報133は、目標とする再生状況を示す。目標情報133は、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信終了時に達成することを目標とする再生状況を示す情報であってもよい。また、ゲーム動画がライブ配信ではなく、アーカイブ配信である場合、目標情報133は、動画のアーカイブ配信中の所定時点に達成することを目標とする再生状況を示す情報であってもよい。ただし、目標情報133は、これらに限らず、例えば、動画のライブ配信中の所定時点に達成することを目標とする再生状況であってもよい。
【0060】
また、目標情報133は、個々のゲーム動画に対して設定された目標を示す情報であってもよく、特定の条件を満たす複数のゲーム動画について共通して定められた目標を示す情報であってもよい。特定の条件としては、例えば、ゲーム動画の配信が特定期間内であることが挙げられる。例えば、連休期間、イベント期間などの期間中について、共通した目標が設定されてもよい。また、例えば、特定の条件としては、前述した試合の属性が特定のものであることが挙げられる。例えば、複数種目が行われる大会において、個々の種目について「決勝」の属性が関連付けられた試合について、共通した目標が設定されてもよい。本実施形態では、目標情報133は、記憶部130に記憶される。ただし、目標情報133は、入力装置を介して外部から入力される情報であってもよいし、ネットワークを介して外部装置から受信される情報であってもよい。例えば、目標情報133は、将来の再生数の目標値、将来の再生時間の目標値、またはこれらの組み合わせであってもよい。以降では、目標情報133が、「最終目標再生数」を示す例を中心に説明する。「最終目標再生数」は、将来において動画を再生したユーザ端末50の全ての数の目標値である。
【0061】
配信処理部116は、判定部115が広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する。本実施形態では、配信処理部116は、広告を新たに配信するための処理の一部として、広告配信要請情報を生成する。
【0062】
広告配信要請情報とは、広告の配信を要請するための情報である。広告配信要請情報は、広告の配信条件を含む。
【0063】
「広告の配信条件」とは、配信される広告の露出方法を特定する条件である。本実施形態では、配信処理部116が決定する。広告の配信条件は、情報処理システム1の外部から入力されてもよく、情報処理システム1を構成する装置が決定してもよい。本実施形態では、配信処理部116は、目標情報133と再生予測情報との比較結果に基づいて、広告の配信条件を決定する処理を行なう。
【0064】
広告の配信条件の一例として、広告の配信先、広告を配信するユーザ端末50の数、広告を配信する期間、広告を表示する画面における広告の表示領域、音声広告の再生時間の長さ、広告の配信に要するコスト等が挙げられる。広告の配信先は、例えば、同じ動画プラットフォームで別動画を再生しているユーザ端末50であってもよい。ここで「同じ動画プラットフォームで別動画」とは、ゲーム装置30におけるゲームの進行に基づいて動画配信サーバ10から配信されているライブ配信ゲーム動画とは異なる動画を指す。また、広告の配信先は、メディアサーバ90から配信されるメディアを再生しているユーザ端末50であってもよい。また、広告の表示領域は、例えば、ユーザ端末50の表示画面における領域の位置、サイズ等であってもよい。
【0065】
また、広告配信要請情報は、広告内容情報の少なくとも一部となる情報を含んでもよい。広告内容情報とは、広告として露出表示される内容を示す情報である。本実施形態では、後述する配信処理部712が、広告配信要請情報に含まれる広告内容情報の少なくとも一部となる情報と、後述する素材情報731とを利用して、広告内容情報を生成する。広告内容情報としては、広告として表示されるテキスト、画像、音声、またはこれらの組み合わせを示す情報が挙げられる。配信処理部116は、広告内容情報を構成するための情報として、例えば、第1ゲーム状況情報に含まれる情報、後述する画像取得部117が取得するゲーム画像、プレイヤ画像等を取得し、広告配信要請情報を生成する。
【0066】
広告内容情報が含むテキストとしては、予め用意されたライブ配信される動画を紹介するテキスト、ゲーム状況情報に基づいて自動生成されるテキスト等が挙げられる。画像としては、ゲーム画像(ライブ配信ゲーム動画に含まれるゲーム画像でもよく、前回以前のゲームに係るゲーム画像や他のプレイヤによるゲーム画像でもよい)、プレイヤを撮像した画像(進行しているゲームをプレイ中のプレイヤの撮像画像でもよく、過去に撮像した画像でもよい)、ゲームタイトルや試合名のロゴ等が挙げられる。音声としては、今回プレイ中のプレイヤの発言、過去のプレイヤの発言(ゲームや試合の紹介等)、他の者(司会者等)の発言、コンピュータ音声、ゲームのBGM等が挙げられる。
【0067】
広告配信要請情報の一例について、
図10を参照して説明する。
図10は、広告配信要請情報の一例を示す図である。
図10に示すように、広告配信要請情報は、広告対象を示す情報を含む。広告対象は、広告の配信を要請する対象の種類を示す情報である。例えば、広告対象に応じて、広告配信要請情報に含めるべき情報が定められる。
【0068】
図10の例では、広告対象は、「ライブ配信ゲーム動画」、すなわち、ゲーム装置30におけるゲームの進行に基づいて動画配信サーバ10から配信されているライブ配信ゲーム動画である。広告対象を示す情報は、当該ライブ配信ゲーム動画の識別情報であってもよい。また、この例では、広告対象が「ゲーム動画配信」である場合、広告配信要請情報は、配信条件と、第1ゲーム状況情報と、動画URLと、を示す情報を含むよう定められている。ここでは、配信条件として、広告量(広告を配信するユーザ端末50の数)が5万、および広告期限(広告を配信する期間の一例)が「2022年〇月〇日 〇時〇分」との情報が含まれている。また、第1ゲーム状況情報として、
図8に例示した情報が含まれている。また、動画URLとして、ライブ配信ゲーム動画を閲覧するためのURLが含まれている。また、
図10では示していないが、広告配信要請情報は、ゲーム画像またはプレイヤ画像を含んでいてもよい。
【0069】
画像取得部117は、進行している当該ゲームに係るゲーム画像、及び、当該ゲームをプレイ中のプレイヤを撮影したプレイヤ画像のうち少なくとも一方を取得する。
【0070】
ゲーム画像とは、進行しているゲームに係る画像であり、例えば、ゲーム装置30の出力装置35に表示された画像であってもよい。また、プレイヤ画像は、当該ゲームをプレイ中のプレイヤを撮影した画像であり、例えば、ゲーム装置30のカメラ39が撮影した画像であってもよい。
【0071】
(広告サーバ70の機能的構成)
図9は、広告サーバ70の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように広告サーバ70は、制御部710および、記憶部730を含む。制御部710は、プロセッサ71がメモリ72に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。記憶部730は、メモリ72によって構成される。
【0072】
制御部710は、広告配信要請情報取得部711および配信処理部712を含む。記憶部730は、素材情報731を記憶している。
【0073】
広告配信要請情報取得部711は、配信処理部116から広告配信要請情報を取得する。
【0074】
配信処理部712は、動画配信サーバ10の判定部115が広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する。配信処理部712が実行する処理は、第1ゲーム状況情報に基づいて、広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む。本実施形態では、配信処理部712が実行する処理は、動画配信サーバ10から受信する、テキスト、音声、画像取得部117が取得した画像、後述する素材情報731、またはこれらの少なくとも一部を組み合わせて用いて、広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む。
【0075】
素材情報731は、広告内容情報の少なくとも一部となる情報である。配信処理部712は、前述した広告配信要請情報に含まれる広告内容情報の少なくとも一部となる情報と、素材情報731とを利用して、広告内容情報を生成する。素材情報731は、例えば、テキスト、画像、音声などであってもよい。また、素材情報731としては、ゲーム動画、ゲーム動画が示すゲームのタイトルに特有の内容を含む情報が定められていてもよい。ゲームのタイトルに特有の情報を含む素材情報731の一例として、「プレイヤ数急増中のタイトル(〇〇)の…」とのテキスト文が挙げられる。なお、(〇〇)は、タイトル名が挿入される箇所である。また、素材情報731としては、ゲームの進捗、展開、等に特有の内容を含む情報が定められていてもよい。ゲームの展開に特有の情報を含む素材情報731の一例として、「(展開)の息詰まる熱戦展開中!」とのテキスト文が挙げられる。なお、(〇〇)は、タイトル名が挿入される箇所である。
【0076】
本実施形態では、配信処理部116が生成する広告配信要請情報に含まれる広告内容情報の少なくとも一部となる情報と、記憶部730が記憶している素材情報731とに基づいて、広告内容情報を生成する場合について説明するが、本発明はこのような形態に限定されない。配信処理部712は、配信処理部116以外の装置からも、広告内容情報の一部となる情報を取得して広告内容情報を生成してもよい。この場合、素材情報731と組み合わせてもよく、素材情報731と組み合わせなくてもよい(つまり、本発明は、広告サーバ70の記憶部730が素材情報731を記憶している形態にも限定されない)。また、広告内容情報は広告サーバ70以外の装置で生成され、広告サーバ70が当該広告内容情報を取得してもよい。
【0077】
<情報処理システム1の処理の概要>
情報処理システム1は、再生予測情報を生成する処理、および、広告を新たに配信するための処理を行う。
【0078】
再生予測情報を生成する処理では、第1ゲーム状況情報取得部111は、ゲーム装置30において進行するゲームのゲーム動画のライブ配信中に、進行している当該ゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を取得し、第1再生状況情報取得部112は、ライブ配信ゲーム動画を再生するためのユーザ端末50における、当該ライブ配信ゲーム動画の再生状況を示す第1再生状況情報を取得し、再生予測情報生成部113が、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報に基づいて、当該ライブ配信ゲーム動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を生成する。このような構成により、情報処理システム1によって、ライブ配信ゲーム動画の将来における再生状況を予測することができる。例えば、前述の通り、再生状況はライブ配信ゲーム動画を再生するユーザ端末50の数であり得る。この例の場合、当該ユーザ端末50の数を視聴者数と見なせば、情報処理システム1によって、視聴者数を予測できるともいえる。
【0079】
また、広告を新たに配信するための処理では、再生予測情報取得部114は、ゲーム装置30において進行するゲームのライブ配信ゲーム動画の再生予測情報を取得し、判定部115は、再生予測情報に基づいて、当該ライブ配信ゲーム動画の広告を新たに配信するか否かを判定し、判定部115が、広告を新たに配信すると判定した場合、配信処理部116は、広告を新たに配信するための処理を実行する。このような本発明の一態様によって、動画の広告配信を管理する新たな技術を提供できる。
【0080】
<情報処理方法S1の流れ>
情報処理システム1は、情報処理方法S1を実行する。
図11は、情報処理方法S1の流れを示すフロー図である。
図11に示すように情報処理方法S1は、ステップS11~S79を含む。
【0081】
(ゲーム動画をライブ配信する一連の処理)
ステップS11~S17は、ユーザ端末50Aに対して、ゲーム動画をライブ配信する一連の処理の一例である。ユーザ端末50Aは、ユーザ端末50-1~50-Nのうち、本実施形態でライブ配信ゲーム動画の配信を要求し、その後当該ライブ配信ゲーム動画を再生するユーザ端末である。
【0082】
ステップS11において、ゲーム装置30は、当該ゲーム装置30において進行するゲーム動画を生成する。具体的には、例えば、ゲーム装置30は、出力装置35に出力されるゲーム映像およびゲーム音声と、カメラ39が撮影したプレイヤ画像とを含むゲーム動画を生成する。プレイヤ画像とは、プレイヤを被写体として含む画像である。また、ゲーム装置30は、ゲーム動画を、動画配信サーバ10に送信する。ゲーム装置30は、ゲームが進行している間、ゲーム動画の生成処理および送信処理を繰り返す。換言すると、ゲーム装置30は、ゲームが進行している間、ゲーム動画をリアルタイムで動画配信サーバ10に送信し続ける。
【0083】
ステップS13において、ユーザ端末50Aは、動画配信サーバ10に対して、ライブ配信ゲーム動画を当該ユーザ端末50Aに配信することを要求する。具体的には、例えば、ユーザ端末50Aは、ライブ配信ゲーム動画のアクセス情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)を動画配信サーバ10に送信することにより、ライブ配信ゲーム動画を当該ユーザ端末50Aに配信することを要求する。
【0084】
ステップS15において、制御部110は、ゲーム装置30からリアルタイムで受信するゲーム動画を、ユーザ端末50Aに対してライブ配信する。ステップS17において、ユーザ端末50Aは、ライブ配信ゲーム動画を再生する。
【0085】
(メディアを配信する一連の処理)
ステップS31~S35は、ゲーム装置30において進行するゲームのライブ配信ゲーム動画とは異なる別のメディアの再生を要求するユーザ端末50Bに対して、当該メディアを配信する一連の処理の一例である。ユーザ端末50Bは、ユーザ端末50-1~50-Nのうち、ゲーム装置30において進行するゲームのライブ配信ゲーム動画とは異なるメディアの配信を要求し、その後当該メディアを再生するユーザ端末である。なお、ステップS11~17および後述のステップS51~77とステップS31~35との順番は限定されず、順序を変えて、または並行して実行されてもよい。
【0086】
ステップS31において、ユーザ端末50Bは、メディアサーバ90に対して、メディアをユーザ端末50Bに配信することを要求する。例えば、ユーザ端末50Bは、メディアのアクセス情報(例えば、URL)をメディアサーバ90に送信することにより、当該メディアを当該ユーザ端末50Bに配信することを要求する。
【0087】
ステップS33において、メディアサーバ90は、要求されたメディアを、ユーザ端末50Bに対して配信する。ステップS35において、ユーザ端末50Bは、配信されるメディアを再生する。
【0088】
(再生予測情報を生成する一連の処理)
ステップS51~S53は、ライブ配信ゲーム動画について再生予測情報を生成する一連の処理の一例である。ステップS51において、ゲーム装置30は、当該ゲーム装置30において進行しているゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を生成する。また、ゲーム装置30は、生成した第1ゲーム状況情報を動画配信サーバ10に送信する。ゲーム装置30は、ゲームが進行している間、第1ゲーム状況情報の生成処理および送信処理を繰り返す。当該生成処理および当該送信処理は、所定間隔で繰り返されてもよい。また、当該生成処理および当該送信処理は、ゲームの特定の進捗において(例えば、野球ゲームであれば、各イニングの表、裏の終了時などに)実行されてもよい。
【0089】
(ステップS53)
ステップS53において、動画配信サーバ10は、ライブ配信ゲーム動画について再生予測情報を生成する。
図12は、ステップS53における再生予測情報を生成する処理の流れの一例を示すフロー図である。ステップS53は、ステップS531~S539を含む。
【0090】
ステップS531において、第1ゲーム状況情報取得部111は、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信中に、第1ゲーム状況情報を取得する。取得する第1ゲーム状況情報は、ステップS51でゲーム装置30から送信されたものである。
【0091】
ステップS533において、第1再生状況情報取得部112は、第1再生状況情報を取得する。例えば、第1再生状況情報取得部112は、ライブ配信ゲーム動画の現在の配信先に基づいて、第1再生状況情報を取得してもよい。また、例えば、第1再生状況情報取得部112は、1または複数のユーザ端末50Aからのライブ配信ゲーム動画の配信要求履歴に基づいて、第1再生状況情報を取得してもよい。また、例えば、第1再生状況情報取得部112は、現在の配信先および配信要求履歴の両方に基づいて、第1再生状況情報を取得してもよい。
【0092】
ステップS535において、再生予測情報生成部113は、第2ゲーム状況情報を取得する。なお、取得する第2ゲーム状況情報の個数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0093】
例えば、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報に基づいて、複数の候補ゲーム状況情報131のうち少なくとも一つの候補ゲーム状況情報を、第2ゲーム状況情報として特定して取得してもよい。
【0094】
例えば、再生予測情報生成部113は、ユーザ入力に基づき特定された候補ゲーム状況情報131を、第2ゲーム状況情報として特定して取得してもよい。また、例えば、再生予測情報生成部113は、予め設定された条件に基づいて第1ゲーム状況情報に類似すると特定された候補ゲーム状況情報131を、第2ゲーム状況情報として特定して取得してもよい。
【0095】
ステップS537において、再生予測情報生成部113は、第2ゲーム状況情報が示す前回以前のゲームを示す動画がライブ配信されたときの第2再生状況情報を取得する。例えば、再生予測情報生成部113は、第2ゲーム状況情報として特定された候補ゲーム状況情報131に対応する第2再生状況情報を取得してもよい。具体例として、再生予測情報生成部113は、第2再生状況情報の候補となる複数の候補再生状況情報132のうち、第2ゲーム状況情報として特定された候補ゲーム状況情報131に関連付けられた候補再生状況情報132を、第2再生状況情報として特定して取得してもよい。
【0096】
なお、ステップS531~ステップS537は、以上に説明した順に実行されることに限定されない。これらのステップのうちの一部または全部は、順序を変えて、または並行して実行可能である。
【0097】
ステップS539において、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報、第1再生状況情報、第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報に基づいて、再生予測情報を生成する。また、再生予測情報生成部113は、目標情報133にさらに基づいて、当該再生予測情報を生成してもよい。
【0098】
ステップS539における処理の具体例について説明する。例えば、再生予測情報生成部113は、再生予測情報を生成するために用いるテーブルデータを取得する。テーブルデータは、再生予測情報を生成するために参照される情報である。また、このテーブルデータは、第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報と、目標情報133とを関連づけたデータである。テーブルデータは、ステップS539において生成されてもよいし、記憶部130に記憶されていてもよい。テーブルデータが記憶部130に記憶されている場合、候補ゲーム状況情報および候補再生状況情報に関連付けられて記憶されていてもよい。この場合、テーブルデータは、目標情報133を変数として含んでいてもよい。また、再生予測情報生成部113は、テーブルデータと、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報とを比較することにより、再生予測情報を生成する。テーブルデータの具体例については後述する。
【0099】
このように、進行しているゲームの状況だけでなく、前回以前のゲームが進行したときの状況をさらに参照することにより、再生予測情報の精度を向上させることができる。また、前回以前のゲームのうち、進行しているゲームの状況に基づき特定したゲーム(例えば、類似する状況で進行したゲーム)の状況を参照することにより、再生予測情報の精度をさらに向上させることができる。
【0100】
(ステップS53の繰り返し)
また、動画配信サーバ10は、ステップS53を繰り返し実行する。例えば、目標情報133が、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信終了時における目標を示す場合、情報処理システム1は、当該ライブ配信終了まで、ステップS53を繰り返し実行してもよい。また、例えば、目標情報133が、ライブ配信ゲーム動画が、アーカイブ配信されたときの所定時点における目標を示す場合、情報処理システム1は、当該所定時点まで、これらのステップを繰り返し実行してもよい。
【0101】
ステップS53を繰り返す形態においては、第1ゲーム状況情報取得部111は、ライブ配信ゲーム動画に対応するゲームの進行に伴って、新たな第1ゲーム状況情報をさらに取得する(ステップS531)。また、第1再生状況情報取得部112は、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信に伴って、新たな第1再生状況情報をさらに取得する(ステップS533)。次に、再生予測情報生成部113は、新たな第1ゲーム状況情報に基づいて、複数の候補ゲーム状況情報131のうち第2ゲーム状況情報とする候補ゲーム状況情報を新たに特定して取得する(ステップS535)。また、再生予測情報生成部113は、当該候補ゲーム状況情報に対応する第2再生状況情報を取得する(ステップS537)。次に、再生予測情報生成部113は、新たに取得した第1ゲーム状況情報、第1再生状況情報、第2ゲーム状況情報、および第2再生状況情報に基づいて、新たに再生予測情報を生成する(ステップS539)。
【0102】
例えば、再生予測情報生成部113は、新たに取得した第2ゲーム状況情報および取得した第2再生状況情報に基づいて、再生予測情報を生成してもよい。例えば、再生予測情報生成部113は、新たな第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報が関連付けられているテーブルデータを取得する。このように、再生予測情報生成部113は、ゲーム装置30が実行するゲームの進行に伴って、再生予測情報を生成するために参照する第2ゲーム状況情報および取得した第2再生状況情報を変更し得る。これにより、参照すべき第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報を、進行中のゲームの状況に応じて切り替えるので、再生予測情報の精度がさらに向上する。
【0103】
なお、アーカイブ配信されるゲーム動画の再生予測情報を生成する場合であって、アーカイブ配信中の所定時点までステップS53を繰り返す場合、ゲームの進行が終了した後は、再生予測情報生成部113は第1ゲーム状況情報を取得する必要は無い。つまり、ステップS531、S535、S537を省略できる。ゲームの終了後は、ゲームの状況は変化しないからである。この場合、再生予測情報生成部113は、直近の第1ゲーム状況情報、好ましくは、ゲームの進行の終了時点の第1ゲーム状況情報に基づいて、再生予測情報を生成すればよい。また、ステップS539において、再生予測情報生成部113は、ステップS533で新たに取得した第1再生状況情報と、直近でステップS53実行時に取得した第1ゲーム状況情報、第2ゲーム状況情報、および第2再生状況情報とに基づいて、再生予測情報を生成してもよい。
【0104】
ステップS53の実行により、情報処理システム1は、ライブ配信ゲーム動画の将来における再生状況を予測できる。また、予測した再生予測情報を用いて、将来の再生状況を改善する施策を行うことができる。以下に説明するライブ配信ゲーム動画についての新たな広告の配信は、そのような施策の一例である。
【0105】
(新たな広告を配信する一連の処理)
図11に示すステップS71~S79は、ゲーム装置30において進行するゲームのライブ配信ゲーム動画とは異なる別のメディアを再生しているユーザ端末50Bに対して、当該ライブ配信ゲーム動画の広告を配信する一連の処理の一例である。
【0106】
ステップS71において、動画配信サーバ10は、ゲーム装置30において進行するゲームのライブ配信ゲーム動画の広告を配信するか否かを判定し、配信すると判定した場合に、広告の配信要請を行う。
図13は、ステップS71における広告配信要請処理の流れの一例を示すフロー図である。ステップS71は、ステップS711~S723を含む。
【0107】
ステップS711において、再生予測情報取得部114は、ステップS539で生成された再生予測情報を取得する。
【0108】
ステップS713において、判定部115は、記憶部130に記憶された目標情報133を取得する。なお、判定部115は、入力装置から入力される目標情報133、または図示しない外部装置から受信される目標情報133を取得してもよい。なお、ステップS711およびステップS713は、以上に説明した順に実行されることに限定されない。これらのステップは、順序を変えて、または並行して実行可能である。
【0109】
ステップS715において、判定部115は、再生予測情報および目標情報133に基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを判定する。
【0110】
ステップS715における処理の具体例について説明する。例えば、判定部115は、再生予測情報が示す再生状況が、目標情報133が示す再生状況に到達していない場合に、動画の広告を新たに配信すると判定する。なお、本実施形態では、最終予測再生数が、目標情報133が示す最終目標再生数に満たない場合に、判定部115が動画の広告を新たに配信すると判定する形態について説明するが、本発明はこのような場合に限定されない。例えば、最終予測再生数が、最終目標再生数に到達していないという条件に、別の条件をさらに加えてもよい。当該別の条件としては、例えば、最終予測再生数と最終目標再生数との差が所定の範囲外であるという条件、または、最終予測再生数の最終目標再生数に対する割合が所定の範囲外であるという条件等が挙げられる。
【0111】
また、例えば、判定部115は、ゲームの進捗が特定時点を経過する前は、再生予測情報に関わらず常に動画の広告を新たに配信しないと判定し、特定時点を経過した以降に、所定条件に基づき判定を行ってもよい。これは、ライブ配信の初期においては、再生予測情報の精度が低い可能性を考慮したものである。例えば、野球ゲームが3回裏を終了するまでは判定部115は広告を新たに配信するか否かの判定を行わず、4回表以降に判定を行なう等が挙げられる。
【0112】
(ステップS53から、ステップS715までの具体例)
ここで、
図14を用いて、ステップS53から、ステップS715における、判定部115が、再生予測情報が示す再生状況が、目標情報133が示す再生状況に到達しているか否かを判定する処理までの具体例を説明する。
図14は、過去に配信された野球ゲームのゲーム動画に関して生成されたテーブルデータの一例を示す図である。前述した、ステップS539の具体的な処理の一例である、再生予測情報を生成するために用いるテーブルデータの一形態である。
【0113】
テーブルデータは、一例として、進捗と、当該ゲーム動画の配信時の到達率(再生数/最終再生数)と、再生予測情報を生成する対象のライブ配信ゲーム動画の目標再生数と、を関連付けた情報を含む。「最終再生数」は、ライブ配信ゲーム動画の配信開始から終了までの累計再生数を意味する。また、以下では、到達率を算出するための再生数および最終再生数をそれぞれ、「過去の再生数」、「過去の最終再生数」ともいう。この例では、「進捗」は、各イニングの表、裏(1回表、1回裏、2回表、…)およびライブ配信終了を示す情報である。なお、ライブ配信は、試合終了時点で終了する場合もあるし、試合終了後、所定期間後に終了する場合もある。
【0114】
到達率は、過去の最終再生数に対する各進捗での過去の再生数の割合である。各進捗での過去の再生数は、当該過去のゲーム動画のライブ配信開始以降、各進捗までに当該過去のゲーム動画を再生したユーザ端末50の累計数である。各進捗での過去の再生数は、各進捗を含む第2ゲーム状況情報に関連付けられた第2再生状況情報に含まれる。また、到達率は、複数の第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報に基づいて、統計的に算出された情報(例えば、各進捗での到達率の平均値、最大値、最小値等)であってもよい。
【0115】
最終再生数は、「ライブ配信終了時」を進捗として含む第2ゲーム状況情報に関連付けられた第2再生状況情報に含まれる。なお、最終再生数は、この例に限られず、「アーカイブ配信中の所定時点」を進捗として含む第2ゲーム状況情報に関連付けられた第2再生状況情報に含まれていてもよい。
【0116】
目標再生数は、ゲームの各進捗での再生数の目標を示し、到達率と、目標情報133とから算出される。この例では、目標再生数は、目標情報133が示す目標再生数に到達率を乗じて算出される。具体例として、目標再生数が10万である場合、3回裏の目標再生数は、当該10万に対して3回裏の到達率62%を乗じた6万2千である。換言すると、ライブ配信終了時の最終再生数として10万を目標とする場合、3回裏時点での再生数の目標再生数は6万2千となる。
【0117】
再生予測情報生成部113は、
図14に示すテーブルデータと、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報とを参照することにより、再生予測情報を生成する。具体的には、再生予測情報生成部113は、次式(1)を用いて再生予測情報を算出する。
【0118】
[最終予測再生数]=[最終目標再生数]×[現在の再生数]/[現在の目標再生数]…(1)
式(1)における[最終予測再生数]および[最終目標再生数]は、前述した通り、再生予測情報および目標情報133の一例である。[現在の再生数]は、進行しているゲームの現在の再生数を示し、第1再生状況情報に含まれる。[現在の目標再生数]は、テーブルデータにおける現在の進捗に対応する目標再生数を示す。なお、現在の進捗としては、第1ゲーム状況情報に含まれる進捗が参照される。
【0119】
例えば、現在の進捗が「7回裏」であるとする。この場合、
図14のテーブルデータを参照すると、7回裏に対応する[現在の目標再生数]は、8万である。ここで、[現在の再生数]が8万である場合、再生予測情報生成部113は、式(1)により[最終予測再生数]として10万を算出する。この場合、最終予測再生数は、最終目標再生数10万に到達することになる。そこで、判定部115が動画の新たな広告を配信しないと判定する。また、[現在の再生数]が6万である場合、再生予測情報生成部113は、式(1)により[最終予測再生数]として7万5千を算出する。この場合、最終予測再生数は、最終目標再生数10万に到達しないことになる。そこで、判定部115は、動画の広告を新たに配信すると判定する。
【0120】
このように所定条件を設定することにより、効果の低い広告を新たに配信することを抑制し、より効果的に広告の新たな配信を行うことができる。
【0121】
次に、
図13に戻り、ステップS715以降の処理について説明する。ステップS715でYesと判定された場合、配信処理部116は、広告を新たに配信するための処理(ステップS717~S723、S75~S77)を実行する。ステップS717において、配信処理部116は、目標情報133と再生予測情報との比較結果に基づいて、広告の配信条件を決定する。
【0122】
例えば、配信処理部116は、再生予測情報および目標情報133の乖離度に応じて、配信される広告の露出が変わるように広告の配信条件を決定してもよい。乖離度とは、再生予測情報が目標情報133に到達していない場合における、再生予測情報と目標情報133との間の乖離の程度を指す。例えば、配信処理部116は、前記乖離度が大きいほど広告の露出を大きくするように広告の配信条件を決定してもよい。例えば、配信処理部116は、前記乖離度が大きいほど、広告を配信するユーザ端末50Bの数、広告を配信する期間、音声広告の再生時間の長さ、広告の配信に要するコスト等を大きくしてもよい。また、例えば、前記乖離度が大きいほど、広告の配信するユーザ端末50Bの種類を増やしてもよい。例えば、配信処理部116は、当該乖離度が閾値以内であれば、同じ動画プラットフォーム内で別の動画を再生しているユーザ端末50Bを広告の配信先として決定し、当該乖離度が閾値を超えていれば、当該ユーザ端末50Bに加え、メディアサーバ90から配信されるメディアを再生しているユーザ端末50Bを、広告の配信先として決定してもよい。また、例えば、配信処理部116は、前記乖離度に応じて広告の位置を変えてもよい。例えば、乖離度が大きいほど、表示領域の位置を画面の中央に近くする、表示領域を大きくする等であってもよい。このような位置、表示領域は、注目度が高い位置、領域を示す情報として予め記憶させておき、乖離度に応じて、配信処理部116が当該情報を参照するように設定すればよい。
【0123】
ステップS719において、配信処理部116は、後で配信処理部712が生成する広告内容情報に含めるために第1ゲーム状況情報を取得する。ここで、配信処理部116は、新たにゲーム装置30から第1ゲーム状況情報を取得してもよく、ステップS531で取得された第1ゲーム状況情報を用いてもよい。
【0124】
ステップS721において、画像取得部117は、ライブ配信ゲーム動画に対応するゲームに係るゲーム画像、およびプレイヤ画像の一方または両方を取得する。ゲーム画像またはプレイヤ画像は、後で配信処理部712が生成する広告内容情報に含めるために取得される。例えば、画像取得部117は、ライブ配信ゲーム動画から、ゲーム画像またはプレイヤ画像を生成してもよい。この場合、画像取得部117は、ライブ配信ゲーム動画のうち、注目度の高いシーンを構成する画像から、ゲーム画像およびプレイヤ画像のうち少なくとも一方を生成してもよい。注目度の高いシーンを特定する方法としては、例えば、次のとおりである。例えば、ライブ配信ゲーム動画を同時に再生しているユーザ端末50Aの数(同時再生数)が閾値以上のシーン、コメントを受信した数が閾値以上のシーンとして特定することができる。また、特定の会場にゲーム装置30が設置されてゲームがプレイされる場合、動画配信サーバ10は、会場に設置されたカメラに接続する中継装置(図示せず)から、プレイヤ画像を取得してもよい。
【0125】
または、ゲーム画像またはプレイヤ画像の送信元は、ゲーム装置30であってもよい。この場合、ゲーム装置30は、ゲーム画像およびプレイヤ画像のうち少なくとも一方の生成処理および送信処理を、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信中に繰り返し実行してもよい。また、ゲーム装置30は、動画配信サーバ10からの要求に応じて、当該生成処理および当該送信処理を実行してもよい。
【0126】
ただし、ステップS721は、新たに配信する広告にゲーム画像またはプレイヤ画像を含めない場合には、実行しなくてもよい。
【0127】
なお、ステップS717~ステップS721は、以上に説明した順に実行されることに限定されない。これらのステップは、順序を変えて、または並行して実行可能である。また、ステップS715の前に、予めステップS717~ステップS721を実行しておいてもよい。ステップS715の後に、速やかにステップS723を実行できる。
【0128】
ステップS723において、配信処理部116は、配信条件および第1ゲーム状況情報に基づいて、広告配信要請情報を生成する。また、ステップS721においてゲーム画像および/またはプレイヤ画像を取得している場合、配信処理部116は、当該ゲーム画像および/またはプレイヤ画像を含める。また、配信処理部116は、生成した広告配信要請情報を、広告サーバ70に送信する。広告サーバ70の広告配信要請情報取得部711は、広告配信要請情報を受信する。
【0129】
ステップ73において、広告サーバ70の配信処理部712は、広告配信要請情報に含まれる第1ゲーム状況情報に基づいて、広告内容情報を生成する。また、ステップS71においてゲーム画像およびプレイヤ画像のうち少なくとも一方が生成され、広告配信要請情報にゲーム画像またはプレイヤ画像が含まれる場合、配信処理部712は、ゲーム画像またはプレイヤ画像を用いて、広告内容情報を生成する。
【0130】
(ステップS73の具体例1)
例えば、配信処理部712は、記憶部730に記憶された素材情報731と、広告配信要請情報とを参照して、進行しているゲームの状況を反映させた広告内容情報を生成する。
【0131】
例えば、配信処理部712は、広告内容情報として、広告に用いる広告文を生成してもよい。また、素材情報731としては、予め定められた定型文が、記憶部730に記憶されていてもよい。定型文は、ゲームの状況に応じた文字列に置き換える穴埋め箇所を含んでいてもよい。
【0132】
例えば、広告対象「ゲーム動画配信」に関連付けて、素材情報731として定型文「現在(大会名)(試合名)開催!」が記憶されているとする。ここで、かぎ括弧内に示す丸括弧は、穴埋め箇所を示している。この場合、配信処理部712は、広告対象「ゲーム動画配信」に関連付けられた当該定型文を取得する。また、配信処理部712は、当該定型文に含まれる(大会名)および(試合名)の穴埋め箇所を、広告配信要請情報に含まれる大会名「〇〇大会」および試合名「決勝戦」に置き換える。これにより、「現在○○大会決勝戦開催!」との広告文が生成される。
【0133】
また、例えば、広告対象「ゲーム動画配信」に関連付けて、素材情報731として定型文「現在(進捗)、(プレイヤ1またはプレイヤ2)の攻撃中!」が記憶されているとする。この場合、配信処理部712は、広告対象「ゲーム動画配信」に関連付けられた当該定型文を取得する。また、配信処理部712は、当該定型文に含まれる(進捗)および(プレイヤ1またはプレイヤ2)の穴埋め箇所を、広告配信要請情報に含まれる進捗「7回裏」およびプレイヤ2「△△」に置き換える。なお、ここでは、進捗「7回裏」に応じて、各イニングの裏でプレイするプレイヤ2の情報が、置き換えるべき情報として選択されている。これにより、「現在7回裏、△△の攻撃中!」との広告文が生成される。
【0134】
また、例えば、展開が1点差以内であるとの条件に関連付けて、素材情報731として定型文「(プレイヤ1)対(プレイヤ2) (展開)の息詰まる熱戦展開中!」が記憶されているとする。この場合、配信処理部712は、展開「1対0」が1点差以内であるとの条件を満たすため、当該定型文を取得する。また、配信処理部712は、当該定型文に含まれる(プレイヤ1)、(プレイヤ2)、および(展開)の穴埋め箇所を、広告配信要請情報に含まれるプレイヤ1「□□」、プレイヤ2「△△」、および展開「1対0」に置き換える。これにより、「□□対△△ 1対0の息詰まる熱戦展開中!」との広告文が生成される。
【0135】
また、例えば、展開が2点差以上であるとの条件に関連付けて、素材情報731として定型文「(プレイヤ1)対(プレイヤ2) 現在(展開)(プレイヤ1)このまま逃げ切れるか!」が記憶されているとする。また、展開が「2対0」であるとする。この場合、配信処理部712は、展開「2対0」が2点差以上であるとの条件を満たすため、当該定型文を取得する。また、配信処理部712は、当該定型文に含まれる(プレイヤ1)、(プレイヤ2)、および(展開)の穴埋め箇所を、広告配信要請情報に含まれるプレイヤ1「□□」、プレイヤ2「△△」、および展開「2対0」に置き換える。これにより、「□□対△△ 現在2対0□□このまま逃げ切れるか!」との広告文が生成される。
【0136】
ステップS75において、配信処理部712は、生成した広告内容情報、および広告配信要請情報に含まれる配信条件を、メディアサーバ90に送信する。メディアサーバ90は、広告内容情報および配信条件を受信する。
【0137】
ステップS77において、メディアサーバ90は、広告サーバ70から受信した広告内容情報を、広告サーバ70から受信した配信条件にしたがって、ユーザ端末50Bに送信する。例えば、メディアサーバ90は、配信条件が示す広告量のユーザ端末50Bに対して、広告内容情報を送信する。また、例えば、メディアサーバ90は、ユーザ端末50Bの画面において、配信条件が示す表示領域に、広告内容情報を表示する。
【0138】
また、メディアサーバは、配信条件が示す広告期限まで、ユーザ端末50Bに広告内容情報を送信する。また、例えば、メディアサーバ90は、配信条件が示すコストにしたがって、広告量、広告期限、表示領域の大きさ等を適宜設定した上で、広告内容情報をユーザ端末50Bに送信してもよい。また、メディアサーバ90は、広告内容情報に、動画URLを埋め込んでもよい。
【0139】
ステップS79において、ユーザ端末50Bは、メディアサーバ90から受信した広告内容情報を出力する。例えば、広告内容情報が表示可能である場合、ユーザ端末50Bは、広告内容情報をディスプレイ(出力装置55)に表示する。例えば、ユーザ端末50Bは、再生中のメディアに広告内容情報を重畳して表示してもよい。
【0140】
(ユーザ端末50Bの画面例1)
図15は、ユーザ端末50Bの画面例を示す図である。
図15に示すように、この例では、メディアサーバ90は、ゲームサーバである。ユーザ端末50Bのディスプレイには、ゲーム画面IMG1に、バナー広告IMG2が重畳表示される。ゲーム画面IMG1は、動画配信サーバ10が配信するライブ配信ゲーム動画が示すゲームとは異なるゲーム(メディアサーバ90が配信しているメディア)のゲーム画面である。バナー広告IMG2は、広告内容情報の一例である。バナー広告IMG2が重畳表示されることにより、ユーザ端末50Bを利用しているユーザは、ライブ配信ゲーム動画を視聴する動機付けが向上する。
【0141】
ここで、ユーザ端末50Bを利用するユーザが、表示された広告内容情報に対する操作を行ったとする(例えば、バナー広告をクリックしたとする)。ユーザ端末50Bは、当該操作を受け付けると、広告内容情報に埋め込まれた動画URLに基づいて、動画配信サーバ10に対して、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信を要求する。以降、ユーザ端末50Bは、ユーザ端末50Aとして動作する。
【0142】
(ユーザ端末50Bの画面例2)
図16は、ユーザ端末50Bにおける他の画面例を示す図である。
図16に示すように、この例では、ディスプレイには、ゲーム画面IMG1に、ポップアップ広告IMG3が重畳表示されている。ゲーム画面IMG1については、
図15を参照して説明した通りである。ポップアップ広告IMG3は、広告内容情報の一例である。ポップアップ広告IMG3は、吹き出し画像IMG31と、プレイヤ1を示すプレイヤ画像IMG32と、ゲーム画像IMG33と、プレイヤ2を示すプレイヤ画像IMG34と、を含む。ゲーム画像IMG33は、プレイヤ1またはプレイヤ2が操作するゲーム装置30の出力装置35であるディスプレイに表示された画像である。吹き出し画像IMG31は、広告文を含む。例えば、広告文は、ステップS73の具体例において説明したバナー広告と同様に生成されてもよい。
【0143】
このように、ステップS71~S79の実行により、ライブ配信中のゲームを示す動画について、目標情報133が示す再生状況を達成する可能性を高めることができる。特に、目標情報133が、ライブ配信終了時またはアーカイブ配信中の所定時点における目標を示す場合には、当該時点において当該目標を達成する可能性を高めることができる。また、目標情報133と再生予測情報との比較結果に応じた配信条件で広告を配信するので、目標情報133が示す再生状況を達成する可能性をさらに高めることができる。また、目標情報133が示す再生状況を達成するために適正な配信条件を設定することができる。
【0144】
また、ユーザ端末50Bのユーザは、配信された広告を視聴することにより、進行しているゲームの状況を認識できるので、当該ゲームを示す動画のライブ配信を視聴する動機付けが高まる。また、ユーザ端末50Bのユーザは、進行しているゲームに関するゲーム画像またはプレイヤ画像を視認できるので、当該ゲームを示す動画のライブ配信を視聴する動機付けがさらに高まる。
【0145】
(ステップS71~79の繰り返し)
情報処理システム1は、再生予測情報の更新(ステップS53の繰り返し)に応じて、上述したステップS71~S79を繰り返し実行する。例えば、目標情報133が、ライブ配信ゲーム動画のライブ配信終了時における目標を示す場合、情報処理システム1は、当該ライブ配信終了まで、これらのステップを繰り返し実行してもよい。
【0146】
また、例えば、目標情報133が、ライブ配信ゲーム動画がアーカイブ配信されたときの所定時点における目標を示す場合、情報処理システム1は、当該所定時点まで、これらのステップを繰り返し実行してもよい。例えば、ライブ配信終了直後のアーカイブ配信において、再生数が伸びる場合がある。これにより、ライブ配信終了後にも更新される再生予測情報に応じて広告を配信することができるので、アーカイブ配信中の所定時点における再生状況をより精度よく目標に近づけることができる。
【0147】
(適用例:eスポーツのライブ配信)
例えば、情報処理システム1は、eスポーツ(electronic sports)等のライブ配信に適用することができる。このようなライブ配信では、実際の視聴者数が想定した視聴者数を大きく下回ることも起こり得る。例えば、試合内容が視聴状況に影響する可能性がある。試合内容が視聴状況に影響する要因として、例えば、試合時間、試合の優劣等が挙げられる。例えば、野球ゲームで投手戦になったり、格闘ゲームの7ゲームマッチで4-0になったりする場合、試合時間が短くなる。試合時間が短くなると、視聴状況が悪くなる場合がある。また、例えば、試合の優劣が一方的になり過ぎると、一部の視聴者にとっては興味が薄れて視聴を中断する傾向があるため、視聴状況が悪くなる場合がある。このようなeスポーツ等のライブ配信に対して情報処理システム1を適用することで、当該eスポーツのライブ配信の視聴状況を予測することができ、また、予測に基づいて視聴状況を改善するために広告配信する施策を検討することができる。
【0148】
[再生状況予測処理S53の変形例1]
ステップS53における再生状況予測処理は、以下のように変形することができる。例えば、再生予測情報生成部113は、
図12に示したステップS535において、候補ゲーム状況情報から第2ゲーム状況情報を特定する処理を実行しなくてもよい。この場合、記憶部130には、候補ゲーム状況情報131に替えて、1または複数の第2ゲーム状況情報が記憶されている。また、記憶部130には、候補再生状況情報132に替えて、1または複数の第2再生状況情報が記憶されている。例えば、前回以前のゲームが進行したときに取得された第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報は、第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報として記憶部130に記憶されていてもよい。この場合、ステップS539において、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報と、記憶部130に記憶された1または複数の第2ゲーム状況情報および1または複数の第2再生状況情報と、に基づいて、再生予測情報を生成する。
【0149】
[再生状況予測処理S53の変形例2]
ステップS53における再生状況予測処理は、以下のように変形することができる。例えば、
図12に示したステップS535において、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報に基づいて、候補ゲーム状況情報131の中から第2ゲーム状況情報を特定する処理を実行すればよく、必ずしも、第1ゲーム状況情報に類似する候補ゲーム状況情報131を特定しなくてもよい。例えば、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報が示すゲームと同じタイトル、同じジャンル(例えば、対戦するスポーツの種類が同じゲームであって、別のタイトルのゲーム)等のゲームに関する候補ゲーム状況情報を、第2ゲーム状況情報として特定してもよい。
【0150】
[再生状況予測処理S53の変形例3]
ステップS53における再生状況予測処理は、以下のように変形することができる。例えば、再生予測情報生成部113は、
図12に示したステップS535、S537(第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報の取得処理)を実行しなくてもよい。この場合、再生予測情報生成部113は、ステップS539において、第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報を参照せずに、第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報に基づいて、再生予測情報を生成する。
【0151】
具体例として、例えば、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報に基づき算出したゲームの残り時間と、第1再生状況情報に含まれる再生数とに基づいて、最終予測再生数を算出してもよい。例えば、再生予測情報生成部113は、第1ゲーム状況情報に含まれる経過時間を、ゲーム1回分に想定される時間の長さから減算することにより残り時間を算出する。また、例えば、再生予測情報生成部113は、これまでに取得した複数の第1再生状況情報に含まれる再生数に基づいて、単位時間あたりの再生数の増加数を算出する。また、再生予測情報生成部113は、残り時間および単位時間あたりの増加数を乗じた数を現在の再生数に加算することにより、最終予測再生数を算出する。例えば、サッカーゲームまたはレースゲームなど、ゲーム1回分の時間の長さがある程度定められているゲームでは、経過時間に基づき残り時間を比較的正確に算出できる。このため、このような予測手法に好適である。
【0152】
[再生状況予測処理S53の変形例4]
ステップS53における再生状況予測処理は、以下のように変形することができる。例えば、再生予測情報生成部113は、ステップS53を少なくとも1回実行後、次にステップS53を繰り返す際には、ステップS535、S537(第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報の取得処理)を実行しなくてもよい。この場合、再生予測情報生成部113は、ステップS539において、新たに取得した第1ゲーム状況情報および第1再生状況情報と、直近に取得した第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報とに基づいて、再生予測情報を生成する。例えば、
図14に示したテーブルデータを用いる場合、再生予測情報生成部113は、一度取得したテーブルデータを更新することなく用いて、再生予測情報を生成してもよい。
【0153】
[再生状況予測処理S53の変形例5]
また、ステップS53における再生状況予測処理は、以下のように変形することができる。例えば、再生予測情報生成部113は、第1再生予測情報に含まれる情報の遅延を考慮して、再生予測情報を生成してもよい。具体的には、ステップS533において、再生予測情報生成部113は、第1再生状況情報を、遅延分の間に推測される再生状況の変化に基づいて修正する。例えば、第1再生状況情報に含まれる再生数は、再生数の取得処理および伝送処理における遅延分だけ過去の再生数を示している場合がある。そこで、再生予測情報生成部113は、第1再生予測情報に含まれる再生数を、遅延分の間に推測される増加数を加算した再生数に修正してもよい。なお、遅延分の間に推測される増加数は、例えば、それまでに得られた複数の第1再生状況情報に含まれる再生数に基づき算出可能である。
【0154】
[広告配信要請処理S71の変形例1]
ステップS71における広告配信要請処理は、以下のように変形することができる。例えば、配信処理部116は、
図13に示したステップS713(目標情報133の取得処理)を実行しなくてもよい。この場合、配信処理部116は、ステップS715において、目標情報133を参照せずに、再生予測情報に基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを判定する。
【0155】
具体例として、例えば、配信処理部116は、最終予測再生数と現在の再生数との比較結果に基づいて、動画の広告を新たに配信するか否かを決定してもよい。例えば、配信処理部116は、現在の再生数から最終予測再生数への増加率が閾値以下である場合、動画の広告を新たに配信すると決定してもよい。
【0156】
また、この場合、配信処理部116は、ステップS717において、目標情報133と再生予測情報との比較結果に基づく広告の配信条件の決定をしなくてもよい。例えば、比較結果を参照せずに広告の配信条件を決定してもよく、予め広告の配信条件を設定しておき、目標情報133と再生予測情報との比較をするか否かに関わらず、当該広告の配信条件に基づいて広告を新たに配信する処理を実行してもよい。比較結果を参照せずに広告の配信条件を決定する処理の例は次の通りである。例えば、配信処理部116は、再生予測情報(例えば、最終予測再生数)と第1再生状況情報(例えば、現在の再生数)との乖離度に応じて、広告の配信条件を決定する。また、予め広告の配信条件を設定しておく場合の例は次の通りである。例えば、配信処理部116は、予め定められた所定の配信条件を決定しておく。また、例えば、配信処理部116は、外部装置から受信した配信条件を採用する。また、例えば、ライブ配信ゲーム動画に予め配信条件が関連付けられており、配信処理部116は、当該配信条件を参照する。
【0157】
[広告内容情報の変形例]
ステップS73において生成される広告内容情報は、音声を含む情報に変形可能であり、露出される広告を音声のみとすることも可能である。例えば、広告サーバ70の配信処理部712は、第1ゲーム状況情報に基づいて広告文を作成し、作成した広告文を読み上げた音声を含む広告内容情報を生成してもよい。例えば、広告文は、ステップS73の具体例において説明したバナー広告と同様に生成されてもよい。本変形例により、ライブ配信ゲーム動画とは異なる別のメディアを再生しているユーザ端末50Bのユーザの視覚を妨げずに、ライブ配信ゲーム動画を広告できる。
【0158】
[対象となる動画の変形例]
ステップS71~S79が対象とする動画は、ゲーム動画以外の動画であってもよい。換言すると、情報処理システム1は、情報処理方法S1とは独立して、ゲーム動画以外の動画を対象として、ステップS71~S79を実行してもよい。この場合、配信処理部116は、新たな広告の配信の判定対象である動画に対して、再生予測情報および目標情報133に基づいて新たに広告を配信すると判定した場合、配信条件を決定する(ステップS711~S717)。また、配信処理部116は、ステップS719、S721(第1ゲーム状況情報、ゲーム画像、プレイヤ画像の取得処理)を実行せずに、配信条件に基づいて広告配信要請情報を生成する(ステップS723)。また、広告サーバ70の配信処理部712は、対象となる動画の広告内容情報を生成し、配信条件とともにメディアサーバ90に送信する。これにより、ゲームを示す動画以外の動画についても、再生予測情報を利用することにより、新たに広告を配信するか否かを管理することができる。
【0159】
[システム構成の変形例]
上述した実施形態および各変形例において、広告サーバ70およびメディアサーバ90は、動画配信サーバ10の機能として実現されていてもよい。本変形例は、配信条件が示す広告の配信先が「別動画を視聴しているユーザ」である場合に有用である。具体的には、動画配信サーバ10の機能として実現されたメディアサーバ90は、動画配信サーバ10から配信中のライブ配信ゲーム動画とは異なる別動画を再生しているユーザ端末50Bを特定可能である。そこで、メディアサーバ90は、そのような別動画を再生しているユーザ端末50Bに対して、広告内容情報を送信する。
【0160】
また、本変形例は、ライブ配信ゲーム動画の再生をライブ配信中に中断して別のメディアを再生しているユーザ端末50Bに対して、広告を配信することができる。具体的には、動画配信サーバ10の機能として実現されたメディアサーバ90は、ライブ配信ゲーム動画の再生をライブ配信中に中断し、現在は別の動画を再生しているユーザ端末50Bを特定可能である。そこで、判定部115は、そのようなユーザ端末50Bがライブ配信ゲーム動画を再生していたときの第1ゲーム状況情報と、現在の第1ゲーム状況情報との乖離度に応じて、当該ユーザ端末50Bに新たに広告を配信するか否かを判定してもよい。例えば、野球ゲームで5対0と一方的な試合展開であった時に別動画の再生に切り替えたユーザ端末50Bに対し、その後、5対4まで追い付き1点差になった場合に、「1点差になった」ことを含む広告内容情報を配信してもよい。
【0161】
[システム構成のその他の変形例]
情報処理システム1の各装置に含まれる機能ブロックの一部または全部は、上述した装置に含まれることに限定されず、情報処理システムを構成する他の装置に含まれていてもよい。
【0162】
また、動画配信サーバ10は、進行しているゲームを示す動画をゲーム装置30から取得することに限らず、ゲーム装置30に接続された動画生成装置(図示せず)から取得してもよい。また、ゲーム装置30は、ゲームのプレイヤが操作するプレイヤ端末に限らず、ゲームサーバであってもよい。
【0163】
また、情報処理システム1は、複数の広告サーバ70を含んでもよい。この場合、動画配信サーバ10は、広告配信要請情報を、複数の広告サーバ70に送信してもよい。具体的には、動画配信サーバ10は、配信条件を全体として満たすよう、各広告サーバ70に対して個別の配信条件を設定し、個別の配信条件を含む広告配信要請情報を送信してもよい。例えば、決定した配信条件としての広告量が5万であり、かつ、2つの広告サーバ70を選択した場合について説明する。この場合、動画配信サーバ10は、一方の広告サーバ70に対して広告量3万との個別の配信条件を含む広告配信要請情報を送信し、他方の広告サーバ70に対して広告量2万との個別の配信条件を含む広告配信要請情報を送信してもよい。また、動画配信サーバ10は、各広告サーバ70に対して、互いに異なる内容の広告配信要請情報を送信してもよい。
【0164】
また、情報処理システム1は、複数のメディアサーバ90を含んでもよいまた、この場合、広告サーバ70は、複数のメディアサーバ90に広告内容情報および配信条件を送信してもよい。具体的には、広告サーバ70は、受信した広告配信要請情報に含まれる配信条件を全体として満たすよう、各メディアサーバ90に対して個別の配信条件を設定し、個別の配信条件および広告内容情報を送信してもよい。例えば、受信した広告配信要請情報に含まれる広告量が2万であり、かつ、2つのメディアサーバ90を選択した場合について説明する。この場合、広告サーバ70は、一方のメディアサーバ90に対して広告量1.5万との個別の配信条件および広告内容情報を送信し、他方のメディアサーバ90に対して広告量5千との個別の配信条件および広告内容情報を送信してもよい。また、広告サーバ70は、各メディアサーバ90に対して、互いに異なる広告内容情報を送信してもよい。
【0165】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0166】
態様1に係る情報処理システム(1)は、ゲーム装置(30)において進行するゲームを示す動画のライブ配信中に、進行している当該ゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を取得する第1ゲーム状況情報取得部(111)と、前記動画を再生するための動画再生装置(例えば、ユーザ端末50)における、当該動画の再生状況を示す第1再生状況情報を取得する第1再生状況情報取得部(112)と、前記第1ゲーム状況情報および前記第1再生状況情報に基づいて、前記動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を生成する再生予測情報生成部(113)と、を含む。上記構成によれば、ライブ配信中の動画の将来における視聴状況を予測することができる。
【0167】
態様2に係る情報処理システム(1)は、態様1において、前記再生予測情報生成部(113)は、前記ゲーム装置または他のゲーム装置において、前回以前の前記ゲームを進行したときの状況を示す第2ゲーム状況情報と、当該ゲームを進行したときの当該ゲームを示す動画がライブ配信されたときの、当該動画の再生状況を示す第2再生状況情報と、にさらに基づいて、前記再生予測情報を生成する。上記構成によれば、参照する情報を増やすことで、再生予測情報の精度が向上する。また、実際にあった過去の状況を参照できるため、予測の精度を上げることができる。
【0168】
態様3に係る情報処理システム(1)は、態様2において、前記再生予測情報生成部(113)は、前記第1ゲーム状況情報に基づいて、前記第2ゲーム状況情報の候補である複数の候補ゲーム状況情報のうち少なくとも一つの候補ゲーム状況情報を、前記再生予測情報の生成に用いる前記第2ゲーム状況情報として特定して取得し、前記第2ゲーム状況情報として特定された候補ゲーム状況情報に対応する第2再生状況情報を取得する。上記構成によれば、再生状況を予測するために参照する前回以前のゲームを、進行中のゲームのゲーム状況情報に基づき特定するので、将来の再生状況を予測する精度がさらに向上する。
【0169】
態様4に係る情報処理システム(1)は、態様3において、前記再生予測情報生成部(113)は、前記複数の候補ゲーム状況情報のうち、ユーザ入力に基づき特定された候補ゲーム状況情報、または、予め設定された条件に基づいて前記第1ゲーム状況情報に類似すると特定された候補ゲーム状況情報を、前記第2ゲーム状況情報として取得する。上記構成によれば、ユーザが特定する候補ゲーム状況情報を用いることで、ユーザの特定した任意の候補ゲーム状況情報に基づく予測をすることができる。また、類似する状況で進行したゲームの最終的な再生状況情報を用いることができるため、予測の精度がより向上する。
【0170】
態様5に係る情報処理システム(1)は、態様3または態様4において、前記第1ゲーム状況情報取得部(111)は、ライブ配信される動画に対応するゲームの進行に伴って、新たな第1ゲーム状況情報をさらに取得し、前記再生予測情報生成部(113)は、前記新たな第1ゲーム状況情報に基づいて、前記候補ゲーム状況情報のうち前記第2ゲーム状況情報とする候補ゲーム状況情報を新たに特定して取得し、当該候補ゲーム状況情報に対応する第2再生状況情報を取得する。上記構成によれば、参照すべき前回以前の第2ゲーム状況情報および第2再生状況情報を、進行中のゲームの状況に応じて切り替えるので、再生予測情報の精度がさらに向上する。
【0171】
態様6に係る情報処理方法(S1)は、1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、ゲーム装置(30)において進行するゲームを示す動画のライブ配信中に、進行している当該ゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を取得する第1ゲーム状況情報取得ステップ(S531)と、前記動画を再生するための動画再生装置(例えば、ユーザ端末50)における、当該動画の再生状況を示す第1再生状況情報を取得する第1再生状況情報取得ステップ(S533)と、前記第1ゲーム状況情報および前記第1再生状況情報に基づいて、前記動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を生成する再生予測情報生成ステップ(S539)と、を含む。上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0172】
態様7に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、ゲーム装置(30)において進行するゲームを示す動画のライブ配信中に、進行している当該ゲームの状況を示す第1ゲーム状況情報を取得する第1ゲーム状況情報取得ステップ(S531)と、前記動画を再生するための動画再生装置(例えば、ユーザ端末50)における、当該動画の再生状況を示す第1再生状況情報を取得する第1再生状況情報取得ステップ(S533)と、前記第1ゲーム状況情報および前記第1再生状況情報に基づいて、前記動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を生成する再生予測情報生成ステップ(S539)と、を実行させる。上記構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0173】
態様8に係る情報処理システム(1)は、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得部(114)と、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定部(115)と、前記判定部が、広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理部(116、712)と、を含む。上記構成によれば、広告配信を管理する新たな技術を提供できる。
【0174】
態様9に係る情報処理システム(1)は、態様8において、前記判定部(115)は、前記動画の再生状況の目標を示す目標情報にさらに基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する。上記構成によれば、ライブ配信される動画について、再生状況の目標を達成する可能性を高めることができる。
【0175】
態様10に係る情報処理システム(1)は、態様9において、前記配信処理部(116、712)が実行する前記処理は、前記目標情報と前記再生予測情報との比較結果に基づいて、前記広告の配信条件を決定する処理を含む。上記構成によれば、再生状況の目標と予測との比較結果に応じた配信条件で広告を配信すれば、目標を達成する可能性をさらに高めることができる。また、目標を達成するために適正な配信条件を設定することができる。
【0176】
態様11に係る情報処理システム(1)は、態様8から態様10のいずれか1つにおいて、前記動画は、ゲーム装置において進行するゲームを示す動画であり、進行している当該ゲームの状況を示すゲーム状況情報を取得するゲーム状況情報取得部(111)、をさらに含み、前記配信処理部(116、712)が実行する前記処理は、前記ゲーム状況情報に基づいて、前記広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む。上記構成によれば、広告を視聴するユーザは、ライブ配信中のゲームの状況を認識できるので、動画を視聴する動機付けが高まる。
【0177】
態様12に係る情報処理システム(1)は、態様8から態様11のいずれか1つにおいて、前記動画は、ゲーム装置において進行するゲームを示す動画であり、進行している当該ゲームに係るゲーム画像、及び、当該ゲームをプレイ中のプレイヤを撮影した画像のうち少なくとも一方を取得する画像取得部(117)、をさらに含み、前記配信処理部(116、712)が実行する前記処理は、前記画像取得部(117)が取得した画像を用いて、前記広告の内容を示す広告内容情報を生成する処理を含む。上記構成によれば、広告を視聴するユーザは、ライブ配信中のゲーム画像またはそのプレイヤを示す画像を視認できるので、動画を視聴する動機付けが高まる。
【0178】
態様13に係る情報処理システム(1)は、態様9において、前記目標情報は、前記動画のライブ配信終了時に達成することを目標とする再生状況、または、前記動画のアーカイブ配信中の所定時点に達成することを目標とする再生状況を示す。上記構成によれば、配信終了時における視聴状況の目標、または、アーカイブ配信中の所定時点における視聴状況の目標を確保する可能性を高める。
【0179】
態様14に係る情報処理方法(S1)は、1または複数のコンピュータが実行する情報処理方法であって、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップ(S711)と、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップ(S715)と、前記判定ステップ(S715)において広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップ(S717~S723、S73~S77)と、を含む。上記構成によれば、態様8と同様の効果を奏する。
【0180】
態様15に係るプログラムは、1または複数のコンピュータに、ライブ配信される動画の将来の再生状況を示す再生予測情報を取得する再生予測情報取得ステップ(S711)と、前記再生予測情報に基づいて、前記動画の広告を新たに配信するか否かを判定する判定ステップ(S715)と、前記判定ステップ(S715)において広告を新たに配信すると判定した場合、広告を新たに配信するための処理を実行する配信処理ステップ(S717~S723、S73~S77)と、を実行させる。上記構成によれば、態様8と同様の効果を奏する。
【0181】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理システム1を構成する各装置(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に動画配信サーバ10の制御部110、広告サーバ70の制御部710に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0182】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0183】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0184】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0185】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0186】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0187】
1 情報処理システム
10 動画配信サーバ
30 ゲーム装置
50、50A、50B ユーザ端末
70 広告サーバ
90 メディアサーバ
111 第1ゲーム状況情報取得部
112 第1再生状況情報取得部
113 再生予測情報生成部
114 再生予測情報取得部
115 判定部
116、712 配信処理部
117 画像取得部