(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039505
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】商品陳列具
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20240314BHJP
A47F 7/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A47F5/00 Z
A47F7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144106
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉次 徹
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118BB04
3B118FA22
(57)【要約】
【課題】サイズの異なる複数の商品の陳列に用いることができ、利便性が高い商品陳列具を提供する。
【解決手段】商品陳列具は、基端から先端に延びた第1部材と、前記基端側から前記第1部材に対して立設した第2部材と、を備える。第1部材の長さと第2部材の長さが異なるか、第1部材の幅と第2部材の幅が異なる。第1部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、第2部材が商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、第2部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、第1部材が商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端から先端に延びた第1部材と、
前記基端側から前記第1部材に対して立設した第2部材と、を備え、
前記第1部材の長さと前記第2部材の長さが異なり、
前記第1部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第2部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、
前記第2部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第1部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる、商品陳列具。
【請求項2】
基端から先端に延びた第1部材と、
前記基端側から前記第1部材に対して立設した第2部材と、を備え、
前記第1部材の幅と前記第2部材の幅が異なり、
前記第1部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第2部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、
前記第2部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第1部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる、商品陳列具。
【請求項3】
前記基端側における前記第1部材と前記第2部材との境界部分に、前記第1部材又は前記第2部材を棚板に固定する固定部を有する、請求項1又は2に記載の商品陳列具。
【請求項4】
前記固定部は、前記境界部分に、前記第1部材を棚板に固定する第1位置と前記第2部材を棚板に固定する第2位置との間で回動軸を中心に回動する回動機構を備える、請求項3に記載の商品陳列具。
【請求項5】
前記固定部は、前記回動機構により回動する平板状の磁石を含む、請求項4に記載の商品陳列具。
【請求項6】
前記固定部は、前記回動機構により回動する吸着部材又は粘着部材を含む、請求項4に記載の商品陳列具。
【請求項7】
前記固定部は、ロール状又は球状の磁石を含む、請求項3に記載の商品陳列具。
【請求項8】
前記第1部材の先端側及び前記第2部材の先端側に、それぞれ、前記第1部材及び前記第2部材を棚板に固定するさらなる固定部を有する、請求項3に記載の商品陳列具。
【請求項9】
前記第1部材の基端側及び前記第2部材の基端側に、それぞれ、前記第1部材又は前記第2部材を棚板に固定する固定部を有する、請求項1又は2に記載の商品陳列具。
【請求項10】
前記第1部材及び前記第2部材の前記商品陳列面に、滑り止め用の突起が設けられている、請求項3に記載の商品陳列具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚への商品の陳列の際に用いられる商品陳列具に関する。
【背景技術】
【0002】
陳列棚への商品の陳列の際に、商品を載せる商品陳列面と、商品を後方から支える商品支持面とを備える略L型の商品陳列具が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1は、商品を棚板に対して傾斜させた状態で陳列する傾斜陳列と垂直に起立させた状態で陳列する垂直陳列との双方を実現するよう2つの支持態様を切り替え可能な商品陳列具を開示している。また、特許文献2は、陳列棚における滑り落ちや傾きが生じにくいよう商品陳列面の裏面にピン型磁石を設けた商品陳列具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-97160号公報
【特許文献2】実用新案登録第3182009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商品陳列の現場では、陳列棚に陳列する商品のサイズ、例えば高さに合わせて、高さや幅の異なる種々の商品陳列具を用意して使い分けている。高さや幅の異なる複数種類の商品陳列具の管理は手間であり、また、種々の商品陳列具を用意しても使いたい商品陳列具が不足することもある。特許文献1、2のような商品陳列具では、このような点に対応できない。
【0006】
そこで、本発明の目的は、サイズの異なる複数の商品の陳列に用いることができ、利便性が高い商品陳列具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)は、
基端から先端に延びた第1部材と、
前記基端側から前記第1部材に対して立設した第2部材と、を備え、
前記第1部材の長さと前記第2部材の長さが異なり、
前記第1部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第2部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、
前記第2部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第1部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる、商品陳列具である。
【0008】
本発明(2)は、基端から先端に延びた第1部材と、
前記基端側から前記第1部材に対して立設した第2部材と、を備え、
前記第1部材の幅と前記第2部材の幅が異なり、
前記第1部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第2部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、
前記第2部材の上を商品陳列面として商品を配置したとき、前記第1部材が該商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる、商品陳列具である。
【0009】
本発明(3)は、前記基端側における前記第1部材と前記第2部材との境界部分に、前記第1部材又は前記第2部材を棚板に固定する固定部を有する、(1)又は(2)に記載の商品陳列具である。
【0010】
本発明(4)は、前記固定部は、前記境界部分に、前記第1部材を棚板に固定する第1位置と前記第2部材を棚板に固定する第2位置との間で回動軸を中心に回動する回動機構を備える、(3)に記載の商品陳列具である。
【0011】
本発明(5)は、前記固定部は、前記回動機構により回動する平板状の磁石を含む、(4)に記載の商品陳列具である。
【0012】
本発明(6)は、前記固定部は、前記回動機構により回動する吸着部材又は粘着部材を含む、(4)に記載の商品陳列具である。
【0013】
本発明(7)は、ロール状又は球状の磁石を含む、(3)に記載の商品陳列具である。
【0014】
本発明(8)は、前記第1部材の先端側及び前記第2部材の先端側に、それぞれ、前記第1部材及び前記第2部材を棚板に固定するさらなる固定部を有する、(3)に記載の商品陳列具である。
【0015】
本発明(9)は、前記第1部材の基端側及び前記第2部材の基端側に、それぞれ、前記第1部材又は前記第2部材を棚板に固定する固定部を有する、(1)又は(2)に記載の商品陳列具である。
【0016】
本発明(10)は、前記第1部材及び前記第2部材の前記商品陳列面に、滑り止め用の突起が設けられている、(3)に記載の商品陳列具である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サイズの異なる複数の商品の陳列に用いることができ、利便性が高い商品陳列具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す底面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す側面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す正面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す底面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す側面図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る商品陳列具の使用態様の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る商品陳列具の第1使用態様を示す図である。
【
図15】
図15は、第1実施形態に係る商品陳列具の第2使用態様を示す図である。
【
図16】
図16は、変形例1に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図17】
図17は、変形例2に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図18】
図18は、変形例2に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図19】
図19は、変形例3に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、変形例3に係る商品陳列具を示す正面図である。
【
図21】
図21は、変形例3に係る商品陳列具を示す底面図である。
【
図22】
図22は、変形例3に係る商品陳列具を示す側面図である。
【
図24】
図24は、変形例3に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、変形例3に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図26】
図26は、変形例3に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図28】
図28は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す正面図である。
【
図29】
図29は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す底面図である。
【
図30】
図30は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す側面図である。
【
図32】
図32は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図33】
図33は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【
図34】
図34は、第2実施形態に係る商品陳列具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る商品陳列具について説明する。商品陳列具は、商品陳列の際に商品が寝転ばないよう商品を後方から支えるために用いられる略L型のスタンドである。
【0020】
[第1実施形態]
図1~
図12は、第1実施形態に係る商品陳列具1の一例を示す図である。商品陳列具1は、第1部材11と、第2部材12とを備える。第1部材11及び第2部材12は、例えばポリプロピレン、ポリスチレン等の樹脂製である。第1部材11及び第2部材12は、例えば長さ方向と幅方向とに延びた板状部材であってよい。
【0021】
第1部材11は、基端13から先端14に延びている。第2部材12は、第1部材11の基端側から第1部材11に対して立設している。第2部材12もまた、基端15から先端16に延びている。商品陳列具1は、第1部材11及び第2部材12により、略L型のスタンドを形成している。
【0022】
第1部材11の幅W1と第2部材12の幅W1は等しい。第1部材11の長さL1と第2部材12の長さL2(高さ)は異なる。例えば、第2部材12の長さL2が第1部材11の長さL1よりも長い。
【0023】
第1部材11は、第1表面17と、反対側の第1裏面18とを備える。第1表面17及び第1裏面18は、例えば矩形である。第2部材12は、第2表面19と、反対側の第2裏面21とを備える。第2表面19及び第2裏面21は、例えば矩形である。第1表面17及び第2表面19は、商品陳列具1の内面を形成している。第1裏面18及び第2裏面21は、商品陳列具1の外面を形成している。
【0024】
第1表面17の面積と第2表面19の面積は異なり、例えば、第2表面19の面積が第1表面17の面積よりも大きい。第1表面17及び第2表面19は、上に商品を配置可能な面であり、商品陳列面となることができる。また、第1表面17及び第2表面19は、商品陳列面上の商品を後方から支えることが可能な面であり、商品支持面となることができる。第1裏面18は、第1表面17が商品陳列面であるときに陳列棚の棚板に当接可能な面である。第2裏面21は、第2表面19が商品陳列面であるときに陳列棚の棚板に当接可能な面である。
【0025】
第1部材11の第1表面17は、幅方向にわたって延びた複数の突起22を備える。突起22は、第1部材11の高さ方向に所定の間隔で設けられている。突起22は、第1部材11の第1表面17の上に配置した商品の滑り止めとして機能する。第2部材12の第2表面19は、幅方向にわたって延びた複数の突起23を備える。突起23は、第2部材12の高さ方向に所定の間隔で設けられている。突起23は、第2部材12の第2表面19の上に配置した商品の滑り止めとして機能する。つまり、突起22、23は、商品陳列面の上に設けられた滑り止め用の部材である。
【0026】
第1部材11と第2部材12との境界部分24、すなわち第1部材11及び第2部材12の基端側には、固定部25が設けられている。固定部25は、第1部材11又は第2部材12を陳列棚の棚板に固定するために設けられている。
【0027】
固定部25は、第1部材11及び第2部材12の幅方向に延びた回動軸26を備え、回動軸26を中心に回動する回動機構27を備える。固定部25は、回動機構27により回動する平板状の磁石28である。例えばネオジム磁石であってよい。固定部25の平板状の磁石28は、回動機構27により、
図1~
図6に示すような、第1部材11の第1裏面18を陳列棚の棚板に固定可能な第1位置と、
図7~
図12に示すような、第2部材12の第2裏面21を陳列棚の棚板に固定可能な第2位置との間で、回動軸26を中心に回動可能になっている。第1位置では、
図5に示すように、平板状の磁石28は第1部材11と略平行で第1部材11の第1裏面18と略面一である。第2位置では、
図11に示すように、平板状の磁石28は第2部材12と略平行で第2部材12の第2裏面21と略面一である。
【0028】
第1部材11の先端側及び第2部材12の先端側には、それぞれ、さらなる固定部29、31が設けられている。さらなる固定部29、31は、例えば第1部材11の第1裏面18と第2部材12の第2裏面21に、第1部材11又は第2部材12を陳列棚の棚板に固定するために設けられている。さらなる固定部29、31も平板状の磁石、例えばネオジム磁石である。
図5及び
図11に示すように、さらなる固定部29、31の磁石は、それぞれ、第1部材11の第1裏面18と第2部材12の第2裏面21と略面一である。
【0029】
商品陳列具1は、
図13に示すように、陳列棚51の棚板52の上に載置して、商品陳列の際に商品101が寝転ばないように商品101を後方から支えるために用いられる。
図13では、商品101の列の最後尾の商品102が不図示の商品陳列具1に載置されて支持されている。
【0030】
本実施形態に係る商品陳列具1は、以下の2通りの使い方をすることができる。
つまり、第1使用態様では、
図14に示すように、第1部材11の第1表面17が商品陳列面となるよう、第1部材11の第1裏面18を陳列棚51の棚板52の上に配置する。このとき、第2部材12の第2表面19は、第1部材11の第1表面17の上の商品101を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。固定部25の磁石28は、
図1~
図6に示すとおり、第1位置にあり、基端側で第1部材11の第1裏面18を棚板52に固定する。また、さらなる固定部29が、先端側で第1部材11の第1裏面18を棚板52に固定する。
【0031】
第2使用態様では、
図15に示すように、第2部材12の第2表面19が商品陳列面となるよう、第2部材12の第2裏面19を陳列棚51の棚板52の上に配置する。このとき、第1部材11の第1表面17は、第2部材12の第2表面19の上の商品102を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。固定部25の磁石28は、
図7~
図12に示すとおり、第2位置にあり、基端側で第2部材12の第2裏面21を棚板52に固定する。また、さらなる固定部31が、先端側で第2部材12の第2裏面21を棚板52に固定する。
【0032】
[第1実施形態:変形例1]
図16は、変形例1に係る商品陳列具2の一例を示す図である。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0033】
変形例1では、第1部材11の長さL3と第2部材12の長さL3は等しいが、第1部材11の幅W2と第2部材12の幅W3が異なる。例えば、第2部材12の幅W3が第1部材11の幅W2よりも長い。
【0034】
[第1実施形態:変形例2]
図17及び
図18は、変形例2に係る商品陳列具3の一例を示す図である。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0035】
変形例2では、第1部材11と第2部材12との境界部分24、すなわち第1部材11及び第2部材12の基端側には、固定部25が設けられている。固定部25は、第1部材11及び第2部材12の幅方向に延びた回動軸26を備え、回動軸26を中心に回動する回動機構27を備える。固定部25は、回動機構27により回動する平板状の吸着シート32である。粘着シートであってもよい。固定部25の平板状の吸着シート32は、回動機構27により、第1部材11の第1裏面18を陳列棚の棚板に固定可能な第1位置と、第2部材12の第2裏面21を陳列棚の棚板に固定可能な第2位置との間で、回動軸26を中心に回動可能になっている。第1位置では、平板状の吸着シート32は第1部材11と略平行で第1部材11の第1裏面18と略面一である。第2位置では、平板状の吸着シート32は第2部材と略平行で第2部材12の第2裏面21と略面一ある。
【0036】
[第1実施形態:変形例3]
図19~
図26は、変形例3に係る商品陳列具4の一例を示す図である。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0037】
変形例3では、第1部材11と第2部材12との境界部分24、すなわち第1部材11及び第2部材12の基端側には、固定部25が設けられている。固定部25は、ロール状又は球状の磁石33である。例えばネオジム磁石であってよい。固定部25のロール状又は球状の磁石33は、例えば接着剤により第1部材11と第2部材12との少なくとも一方に取り付けられている。他の取り付け方であってもよい。固定部25のロール状又は球状の磁石33は、第1部材11の第1裏面18を陳列棚の棚板に固定可能、かつ、第2部材12の第2裏面21を陳列棚の棚板に固定可能である。
【0038】
[第2実施形態]
図27~
図34は、第2実施形態に係る商品陳列具5の一例を示す図である。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
【0039】
第2実施形態では、第1部材11の基端側及び第2部材12の基端側には、それぞれ、第1部材11又は第2部材12を陳列棚の棚板に固定可能な第1固定部34及び第2固定部35が設けられている。第1固定部34及び第2固定部35は、平板状の磁石、例えばネオジム磁石である。
図31に示すように、第1固定部34の磁石は、第1部材11の第1裏面18と略面一であり、第2固定部35の磁石は、第2部材12の第2裏面21と略面一である。また、第1部材11の先端側及び第2部材12の先端側には、それぞれ、第1部材11又は第2部材12を棚板に固定可能なさらなる固定部29、31が設けられている。さらなる固定部29、31も平板状の磁石、例えばネオジム磁石である。
【0040】
本実施形態に係る商品陳列具5は、以下の2通りの使い方をすることができる。
つまり、第1使用態様では、第1部材11の第1表面17が商品陳列面となるよう、第1部材11の第1裏面18を棚板の上に配置する。このとき、第2部材12の第2表面19は、第1部材11の第1表面17の上の商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。第1固定部34が、基端側で第1部材11の第1裏面18を棚板に固定する。また、さらなる固定部29が、先端側で第1部材11の第1裏面18を棚板に固定する。
【0041】
第2使用態様では、第2部材12の第2表面19が商品陳列面となるよう、第2部材12の第2裏面21を棚板の上に配置する。このとき、第1部材11の第1表面17は、第2部材12の第2表面19の上の商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。第2固定部35が、基端側で第2部材12の第2裏面21を棚板に固定する。また、さらなる固定部31が、先端側で第2部材12の第2裏面21を棚板に固定する。
【0042】
以下、本発明の各実施形態の効果について述べる。
第1実施形態、その変形例1~3及び第2実施形態によれば、商品陳列具は、基端13から先端14に延びた第1部材11と、基端側から第1部材11に対して立設した第2部材12と、を備え、第1部材11の長さと第2部材12の長さが異なるか、第1部材11の幅と第2部材12の幅が異なる。そして、第1部材11の上を商品陳列面として商品を配置したとき、第2部材12が商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となり、第2部材12の上を商品陳列面として商品を配置したとき、第1部材11が商品を立てかけた状態で支持する商品支持面となる。従来、陳列する商品のサイズに合わせて種々の商品陳列具を用意する必要があったところ、本実施形態に係る商品陳列具は、長さ又は幅の異なる第1部材11及び第2部材12が商品陳列面としても商品支持面としても機能するため、1つの商品陳列具を2通りの配置で使用することができる。1種類の商品陳列具でサイズの異なる、つまり高さ又は幅の異なる複数の商品の陳列に用いることができ、利便性が高い商品陳列具を提供することができる。また、高さや幅の異なる複数種類の商品陳列具を管理する手間を減らすことができる。2通りの使い方ができることで、種々の商品陳列具を用意しても使いたい商品陳列具が不足するといった問題にも対応することができる。
【0043】
基端側における第1部材11と第2部材12との境界部分24には、第1部材11又は第2部材12を棚板に固定する固定部25が設けられている。境界部分24に固定部25が設けられていることにより、第1部材11が商品陳列面であるときも第2部材12が商品陳列面であるときも単一の固定部25により商品陳列具を棚板に固定することができる。また、第1部材11と第2部材12で固定部25を共通とすることにより、固定部の数を少なくすることができる。
【0044】
第1実施形態及びその変形例1、2によれば、固定部25は、境界部分24に、第1部材11を棚板に固定する第1位置と第2部材12を棚板に固定する第2位置との間で回動軸26を中心に回動する回動機構27を備える。回動機構27を用いた固定部25により、第1部材11が商品陳列面であるときも第2部材12が商品陳列面であるときも、簡素な構造の単一の固定部25により商品陳列具を棚板に固定することができる。第1部材11及び第2部材12の基端側に設けられた固定部25は、商品陳列面の横ずれを防止することができる。
【0045】
第1実施形態及びその変形例1によれば、固定部25は、回動機構27により回動する平板状の磁石28である。例えば金属製の棚板に対して、磁力により商品陳列具を固定することができる。また、第1実施形態の変形例2によれば、固定部25は、回動機構27により回動する吸着部材又は粘着部材であることができる。例えば樹脂性の棚板に対して、吸着力又は粘着力により商品陳列具を固定することができる。金属製以外の棚板に対しても固定することができる。
【0046】
第1実施形態の変形例3によれば、固定部25は、ロール状又は球状の磁石33である。例えば金属製の棚板に対して、磁力により商品陳列具を固定することができる。回動機構が不要であり、固定部の部品の数を少なくすることができる。
【0047】
第2実施形態によれば、第1部材11及び第2部材12には、第1部材11又は第2部材12を棚板に固定する固定部34、35がそれぞれ設けられている。このような構造により、商品陳列面が第1部材11であっても第2部材12であってもそれぞれの固定部34、35により商品陳列具を棚板に固定することができる。回動機構を設けない簡素な構成の固定部で商品陳列具を棚板に固定することができる。
【0048】
第1実施形態、その変形例1~3及び第2実施形態によれば、第1部材11及び第2部材12には、それぞれ、第1部材11の先端側及び第2部材12の先端側に、第1部材11又は第2部材12を棚板に固定するさらなる固定部29、31が設けられている。基端側の固定部25が商品陳列面の横ずれを防止することに加え、先端側のさらなる固定部29、31により棚板に対する商品陳列面の浮きを防止することができる。
【0049】
第1実施形態、その変形例1~3及び第2実施形態によれば、第1部材11及び第2部材12の商品陳列面には、滑り止め用の突起22、23が設けられている。第1部材11の第1表面17と第2部材12の第2表面19の両方に突起22、23があることにより、商品陳列面が第1部材11であっても第2部材12であっても商品陳列面の上の商品がずり落ちるのを防ぐことができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び変更が可能である。例えば、単一の固定部が第1部材及び第2部材にまたがって設けられていてもよい。第1部材及び第2部材に設けられた突起は、複数に限らず、1つであってもよいし、なくすこともできる。また、突起は幅方向全体にわたって設けられていなくてもよく、幅方向の一部のみに設けられていてもよい。第1部材及び第2部材は、矩形の板状部材に限らず、商品陳列面/商品支持面として機能する限り、楕円形など他の形状であってもよい。その場合、第1部材及び第2部材の幅は最も幅の広い箇所、長さは最も長い箇所であってよい。もちろん、第2実施形態に第1実施形態の変形例1~3を組み合わせるなどしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1~5 商品陳列具
11 第1部材
12 第2部材
25 固定部
26 回動機構