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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039520
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】屋根断熱の施工方法及び屋根断熱構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20240314BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20240314BHJP
   E04B 7/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
E04B1/76 500H
E04B1/80 100A
E04B7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144131
(22)【出願日】2022-09-09
(71)【出願人】
【識別番号】390018717
【氏名又は名称】旭化成建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165951
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 憲悟
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】小花 瑠香
(72)【発明者】
【氏名】野田 研治
(72)【発明者】
【氏名】北川 大輔
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001FA17
2E001GA12
2E001GA82
2E001HA32
2E001HA33
2E001HD02
2E001HD03
2E001HD09
2E001LA09
2E001LA11
(57)【要約】
【課題】板状断熱材を小屋組構成部材の間に容易に配置し得る、屋根断熱の施工方法及び屋根断熱構造を提供する。
【解決手段】本発明に係る屋根断熱の施工方法は、小屋組構成部材の間に、板状断熱材を配置する配置工程と、一端部が前記板状断熱材の一方の側面の外縁から突出する自由端となるように、他端部が前記板状断熱材の他方の側面及び端面の少なくとも一方に接着されているテープ材の、前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面の前記外縁の近傍で、前記小屋組構成部材に固定する固定工程と、前記テープ材の前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面を覆うように巻き付けて、前記一方の側面に接着する巻き付け接着工程と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小屋組構成部材の間に、板状断熱材を配置する配置工程と、
一端部が前記板状断熱材の一方の側面の外縁から突出する自由端となるように、他端部が前記板状断熱材の他方の側面及び端面の少なくとも一方に接着されているテープ材の、前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面の前記外縁の近傍で、前記小屋組構成部材に固定する固定工程と、
前記テープ材の前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面を覆うように巻き付けて、前記一方の側面に接着する巻き付け接着工程と、を含む、屋根断熱の施工方法。
【請求項2】
前記固定工程の前に、前記テープ材の前記一端部が、前記板状断熱材の一方の側面の外縁から突出する自由端となるように、前記テープ材の他端部を、前記板状断熱材の他方の側面及び端面の少なくとも一方に接着する接着工程を更に含む、請求項1に記載の施工方法。
【請求項3】
前記テープ材の前記一端部を把持して、前記板状断熱材の前記小屋組構成部材の間の高さ位置を調整する調整工程を更に含む、請求項1又は2に記載の施工方法。
【請求項4】
前記配置工程において、前記小屋組構成部材の間の前記板状断熱材の位置を、前記小屋組構成部材の延在方向に沿って移動させて調整する、請求項1又は2に記載の施工方法。
【請求項5】
小屋組構成部材と、
前記小屋組構成部材が支持する屋根部材と、
前記小屋組構成部材間に配置され、前記屋根部材に正対する板状断熱材と、
前記板状断熱材の上面及び底面の少なくとも一方の面に接着されていると共に、前記小屋組構成部材に固定されているテープ材と、
を備える屋根断熱構造。
【請求項6】
前記テープ材が前記板状断熱材に接着する接着面は、アクリルポリマーを含む、請求項5に記載の屋根断熱構造。
【請求項7】
前記テープ材は、前記板状断熱材の前記上面及び前記底面の他方の面、及び、前記板状断熱材の端面、の少なくとも一方の面に接着されている、請求項5又は6に記載の屋根断熱構造。
【請求項8】
前記板状断熱材は発泡体である、請求項5又は6に記載の屋根断熱構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は屋根断熱の施工方法及び屋根断熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の断熱性を向上させるために、例えば特許文献1に記載されるような、軸組間に板状断熱層を配置する技術が知られている。特許文献1では、板状断熱材に断熱材固定具の差込み片部分が差し込まれて軸組の側面及び上面に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-5588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、屋根断熱を施工する際に、小屋組構成部材の間に板状断熱層を配置する作業は困難であった。
【0005】
そこで本発明は、板状断熱材を小屋組構成部材の間に容易に配置し得る、屋根断熱の施工方法及び屋根断熱構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様としての屋根断熱の施工方法は、
(1)
小屋組構成部材の間に、板状断熱材を配置する配置工程と、
一端部が前記板状断熱材の一方の側面の外縁から突出する自由端となるように、他端部が前記板状断熱材の他方の側面及び端面の少なくとも一方に接着されているテープ材の、前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面の前記外縁の近傍で、前記小屋組構成部材に固定する固定工程と、
前記テープ材の前記一端部を、前記板状断熱材の前記一方の側面を覆うように巻き付けて、前記一方の側面に接着する巻き付け接着工程と、を含む、屋根断熱の施工方法、である。
【0007】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(2)
前記固定工程の前に、前記テープ材の前記一端部が、前記板状断熱材の一方の側面の外縁から突出する自由端となるように、前記テープ材の他端部を、前記板状断熱材の他方の側面及び端面の少なくとも一方に接着する接着工程を更に含む、上記(1)に記載の施工方法、である。
【0008】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(3)
前記テープ材の前記一端部を把持して、前記板状断熱材の前記小屋組構成部材の間の高さ位置を調整する調整工程を更に含む、、上記(1)又は(2)に記載の施工方法、である。
【0009】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(4)
前記配置工程において、前記小屋組構成部材の間の前記板状断熱材の位置を、前記小屋組構成部材の延在方向に沿って移動させて調整する、上記(1)~(3)のいずれか1つに記載の施工方法、である。
【0010】
本発明の第2の態様としての屋根断熱の施工方法は、
(5)
小屋組構成部材と、
前記小屋組構成部材が支持する屋根部材と、
前記小屋組構成部材間に配置され、前記屋根部材に正対する板状断熱材と、
前記板状断熱材の上面及び底面の少なくとも一方の面に接着されていると共に、前記小屋組構成部材に固定されているテープ材と、
を備える屋根断熱構造、である。
【0011】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(6)
前記テープ材が前記板状断熱材に接着する接着面は、アクリルポリマーを含む、上記(5)に記載の屋根断熱構造、である。
【0012】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(7)
前記テープ材は、前記板状断熱材の前記上面及び前記底面の他方の面、及び、前記板状断熱材の端面、の少なくとも一方の面に接着されている、上記(5)又は(6)に記載の屋根断熱構造、である。
【0013】
本発明の1つの実施形態としての屋根断熱の施工方法は、
(8)
前記板状断熱材は発泡体である、上記(5)~(7)のいずれか1つに記載の屋根断熱構造、である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、板状断熱材を小屋組構成部材の間に容易に配置し得る、屋根断熱の施工方法及び屋根断熱構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態としての屋根断熱構造の一例を示す断面図である。
図2】本発明の第1の実施形態としての屋根断熱構造の別の一例を示す断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の接着工程の一例を示す図である。
図4】本発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の配置工程の一例を示す図である。
図5】発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の配置工程の別の一例を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の調整工程の一例を示す図である。
図7】本発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の固定工程及び巻き付け接着工程の一例を示す図である。
図8】本発明の第2の実施形態としての、屋根断熱の施工方法、の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る屋根断熱構造、及び、屋根断熱の施工方法、の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する構成には同一の符号を付している。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態としての屋根断熱構造100の一例を示す図である。屋根断熱構造100は、建築物の上部に設けられる。屋根断熱構造100は、小屋組構成部材10と、屋根部材20と、板状断熱材30と、テープ材40と、を備える。
【0018】
小屋組構成部材10は、小屋組を構成する、例えば、垂木、登り梁、トラス又はこれに類する軸組材であってよい。小屋組構成部材10は、木材又は鋼材であってよい。小屋組構成部材10は、複数本設けられてよい。小屋組構成部材10は、一方の長手方向端部から他方の長手方向端部にわたって下方に傾斜して延びてよい。他の構成では、小屋組構成部材10は水平方向に延びてもよい。
【0019】
屋根部材20は、例えば、野地板で構成されてよい。屋根部材20は、小屋組構成部材10に支持される。屋根部材20は、小屋組構成部材10上に配置されてよい。屋根部材20は、スレート、鋼板等の屋根材を支持してよい。
【0020】
板状断熱材30は、発泡体であってよい。より具体的に、板状断熱材30は、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料からなるパネル状の断熱材であってよい。他の構成では、板状断熱材30は、グラスウール、ロックウール等の繊維系の断熱材であってもよい。
【0021】
板状断熱材30は、小屋組構成部材10の間に配置される。板状断熱材30は、小屋組構成部材10に当接してよい。換言すれば、板状断熱材30は、小屋組構成部材10の間に挟み込まれるようにして配置されてよい。他の構成では、図2に示されるように、板状断熱材30は、小屋組構成部材10から離れて配置されてよい。この構成の一例では、施工時に、板状断熱材30は小屋組構成部材10から離れて配置されてよい。他の例では、施工時に、板状断熱材30は小屋組構成部材10に当接しており、施工後に、小屋組構成部材10、板状断熱材30等が、膨張、収縮、変形等して、板状断熱材30が小屋組構成部材10から離れてもよい。
【0022】
板状断熱材30は、屋根部材20に対して正対してよい。板状断熱材30と屋根部材20との間に隙間200が形成されてよい。隙間200は、通気層として機能してよい。当該通気層により、防水効果・防露効果等がもたらされ得る。隙間200の高さhは例えば30ミリメートルである。隙間200は、外気と連通してよい。
【0023】
板状断熱材30は、上面31と、底面32と、端面33,34とを有してよい。上面31及び底面32の少なくとも一方の面に、ポリエステル不織布等の面材が設けられてよい。本実施形態では、上面31及び底面32の両面に面材が設けられている。
【0024】
後述される図5に示されるように、板状断熱材30の下方に、母屋等の別の小屋組構成部材60が存在してよい。小屋組構成部材60は水平方向に延在してよい。
【0025】
テープ材40は、板状断熱材30の上面31及び底面32の少なくとも一方の面(図1では両方の面)に接着されている。具体的に、テープ材40の一端部40e1が板状断熱材30の底面32に接着され、テープ材40の他端部40e2が板状断熱材30の上面31に接着されてよい。テープ材40は、板状断熱材30の端面33,34にも接着されてよい。他の構成では、図2に示されるように、テープ材40は、板状断熱材30の端面33,34に接着されてなくてよい。
【0026】
テープ材40は、接着面を有してよい。接着面は、高温(例えば70℃超)でも接着力が弱まらないようにアクリルポリマーを含んでよい。接着面上に、接着時に取り外される剥離層が設けられてよい。接着面は、テープ材40の一部の領域のみに設けられてもよい。
【0027】
図1では、板状断熱材30の長手方向又は短手方向の両端部に接着される2つのテープ材40が設けられているが、板状断熱材30の長手方向又は短手方向の一方の端部のみにテープ材40が設けられてもよい。板状断熱材30に接着されるテープ材40の場所又は数が変更されてもよい。
【0028】
テープ材40は、短冊状であってよい。テープ材40の長さは、板状断熱材30の高さh2よりも大きいことが好ましい。テープ材40の長さを、板状断熱材30の高さh2よりも大きくすることによって、テープ材40の一端部40e1を板状断熱材30の底面32に接着することができ、一方、他端部40e2を板状断熱材30の上面31に接着することもできる。さらには、後述するように、テープ材40の一端部40e1を上方(図8参照)または下方(図6参照)に引張ることによって、板状断熱材30の高さ位置または姿勢を調整できるようになる。
【0029】
テープ材40は、例えば打込まれた固定部材としてのステープル50によって、小屋組構成部材10に固定される。テープ材40は、板状断熱材30の底面32の外縁32eの近傍で小屋組構成部材10に固定されてよい。他の構成では、板状断熱材30の上面31の外縁31eの近傍で小屋組構成部材10に固定されてよい。ステープル50は、断熱層を貫通していないため、熱橋にならない。固定部材は、ステープル50に限られず、例えばビス等であってもよい。
【0030】
小屋組構成部材10に固定されたテープ材40が板状断熱材30に接着することによって、板状断熱材30が保持される。
【0031】
テープ材40は、可撓性を有してよい。テープ材40は、伸縮性を有してよい。テープ材40は、繊維を含んでよい。テープ材40は、繊維を含むことによって、ステープル50による板状断熱材30の固定度も向上する。また、テープ材40は、可撓性を有すること、伸縮性を有すること、繊維を含むこと、のいずれか1以上の特徴を有すると、板状断熱材30等が、膨張、収縮、変形等して、図2のように板状断熱材30が小屋組構成部材10から離れても、テープ材40の切断等によって板状断熱材30が脱落することを防止できる。
【0032】
テープ材40の、接着面とは反対側の面である表面は平坦であってよい。テープ材40と小屋組構成部材10との間の表面の摩擦係数は小さくてよい。テープ材40は、接着面とは反対側の面である表面が平坦であること、該表面と小屋組構成部材10の表面との間の摩擦係数が小さいこと、のいずれか1以上の特徴を有すると、板状断熱材30の小屋組構成部材10間への嵌込み作業が円滑に行われ得る。
【0033】
以下、本発明の第2の実施形態としての屋根断熱の施工方法について例示説明する。屋根断熱の施工方法は、配置工程と、固定工程と、巻き付け接着工程と、を含む。屋根断熱の施工方法は、接着工程及び調整工程を更に含んでよい。
【0034】
以下、図3を参照して、接着工程について説明する。テープ材40の一端部40e1は、板状断熱材30の一方の側面(本実施形態では底面32)の外縁32eから突出する自由端である。テープ材40の他端部40e2は、板状断熱材30の他方の側面(本実施形態では上面31)及び端面33,34(図1参照)の少なくとも一方(本実施形態では上面31)に接着される。つまり、テープ材40は、一端部40e1が上述した自由端となるように、他端部40e2が板状断熱材30に接着される。板状断熱材30に接着されるテープ材40の場所又は数が変更されてもよい。
【0035】
以下、図4を参照して、配置工程について説明する。配置工程は、接着工程の後に行われてよい。板状断熱材30が、小屋組構成部材10の間に配置される。ここで、図4に示されるように、板状断熱材30は、小屋組構成部材10の下方から配置されてよい。特許文献1に記載された従来の技術では、板状断熱材に断熱材固定具の差込み片部分のみが差し込まれ、断熱材固定具の上部片が板状断熱材の外部に突出した状態で、板状断熱材が軸組の側面及び上面に固定される。そのため、従来の技術を、屋根断熱の施工に適用しようとすると、小屋組構成部材の間に板状断熱層を配置する際に、断熱材固定具の上部片が小屋組構成部材に引っ掛かるために、板状断熱材を小屋組構成部材の上方から配置しなければならず、作業は危険で困難であった。このような従来技術に対し、本実施形態では、施工者は、小屋組構成部材10の下方から板状断熱材30を配置することで、危険な高所での作業を回避し得る。また作業者が配置工程時に雨風にさらされることを回避し得る。
【0036】
板状断熱材30が小屋組構成部材10の間に嵌込まれる構成では、テープ材40の表面と小屋組構成部材10の表面との間の摩擦係数を少なくさせることで、嵌込み作業が円滑に行われ得る。テープ材40の、接着面とは反対側の面である表面は平坦であってよい。テープ材40の表面の摩擦係数は小さくてよい。テープ材40は、接着面とは反対側の面である表面が平坦であること、該表面と小屋組構成部材10の表面との間の摩擦係数が小さいこと、のいずれか1以上の特徴を有すると、板状断熱材30の小屋組構成部材10間への嵌込み作業が円滑に行われ得る。
【0037】
配置後、図1に示されるように、板状断熱材30は小屋組構成部材10に当接してよい。他の例では、図2に示されるように、板状断熱材30は、小屋組構成部材10から離れて配置されてよい。
【0038】
小屋組構成部材10の間の板状断熱材30の位置は、板状断熱材30が小屋組構成部材10の延在方向に沿って移動されて調整されてよい。例えば、図5に示すように、小屋組構成部材10の下方に、母屋等の別の小屋組構成部材60が存在する場合がある。このような場合で、板状断熱材30を、小屋組構成部材10の間かつ別の小屋組構成部材60の真上に配置することが求められることがある。このように配置するために、板状断熱材30はまず、小屋組構成部材10の間かつ別の小屋組構成部材60に妨げられない位置に配置されてよい。その後、板状断熱材30が小屋組構成部材10の延在方向に沿って移動(スライド)されて、板状断熱材30が小屋組構成部材60の真上に配置されてよい。本工程の後に、後述する調整工程が行われる場合、小屋組構成部材10の延在方向に沿う移動は、板状断熱材30と屋根部材20とが近くに位置する状態で行われてよい。これにより、小屋組構成部材60の当該移動への干渉を低減し、施工性を高めることができる。
【0039】
配置後、板状断熱材30と屋根部材20との間に、通気層として機能する隙間200(図1参照)が形成されてよい。後述する調整工程において、隙間200が形成されてもよい。
【0040】
以下、図6を参照して、調整工程について説明する。調整工程は、配置工程の後に行われてよい。テープ材40の一端部40e1が例えば施工者によって把持されて、板状断熱材30の小屋組構成部材10の間の高さ位置が調整されてよい。具体的に、施工者は、一端部40e1を下方に引張ることで、板状断熱材30を小屋組構成部材10に対して下方に変位させてよい。施工者は、板状断熱材30の底面32を押上げることで、板状断熱材30を小屋組構成部材10に対して上方に変位させてもよい。板状断熱材30の長手方向に複数のテープ材40が接着されている場合には、一部のテープ材40の一端部40e1を下方に引張ることで、板状断熱材30の姿勢を調整してもよい。
【0041】
図7を参照して、施工者は、小屋組構成部材10の高さh1、板状断熱材30の高さh2、及び、板状断熱材30の底面32から小屋組構成部材10の底面11までの高さh3、から隙間200の高さhを算出してよい。
【0042】
以下、図7を参照して、固定工程について説明する。固定工程は、配置工程又は調整工程の後に行われてよい。テープ材40の一端部40e1が、板状断熱材30の底面32の外縁32eの近傍で、例えばステープル50等の固定部材を打込むことで、小屋組構成部材10に固定される。
【0043】
以下、巻き付け接着工程について説明する。巻き付け接着工程は、固定工程の後に行われてよい。テープ材40の一端部40e1が、板状断熱材30の底面32を覆うように巻き付けられて、底面32に接着される(図1、2及び7参照)。
【0044】
以下、本発明の第2の実施形態としての屋根断熱の施工方法の別の一例について説明する。なお、上記説明した一例と同様の事項の説明は省略される。
【0045】
接着工程において、図3のようにテープ材40を板状断熱材30に接着した後、板状断熱材30が裏返される。裏返された後は、上面31が鉛直方向下側の面になり、底面32が鉛直方向上側の面となる。テープ材40の一端部40e1は、板状断熱材30の鉛直方向上側の面となる底面32の外縁32eから上方に突出する自由端となる。
【0046】
配置工程において、板状断熱材30は、小屋組構成部材10の上方から配置される。図8は、配置工程が完了した状態を示す図である。
【0047】
調整工程において、施工者は、一端部40e1を上方に引張ることで、板状断熱材30を上方に変位させる。板状断熱材30の長手方向に複数のテープ材40が接着されている場合には、一部のテープ材40の一端部40e1を上方に引張ることで、板状断熱材30の姿勢が調整されてもよい。
【0048】
固定工程において、テープ材40の一端部40e1が、板状断熱材30の一方の側面としての、鉛直方向上側となる底面32の外縁32eの近傍で、例えばステープル50等の固定部材を打込むことによって、小屋組構成部材10に固定される。
【0049】
巻き付け接着工程において、テープ材40の一端部40e1が、板状断熱材30の底面32を覆うように巻き付けられて、底面32に接着される。このように、板状断熱材30は、小屋組構成部材10の間に、鉛直方向上側から配置されてもよい。
【符号の説明】
【0050】
100:屋根断熱構造
10:小屋組構成部材
11:底面
20:屋根部材
30:板状断熱材
31:上面
31e:外縁
32:底面
32e:外縁
33,34:端面
40:テープ材
40e1:一端部
40e2:他端部
50:ステープル(固定部材)
60:小屋組構成部材
200:隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8