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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039574
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】建築構造及び建築システム
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/19 20060101AFI20240314BHJP
   E04C 3/08 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
E04B1/19 A
E04C3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144226
(22)【出願日】2022-09-10
(71)【出願人】
【識別番号】722003428
【氏名又は名称】株式会社英知
(72)【発明者】
【氏名】樋口 廷之
(72)【発明者】
【氏名】緑川 修
【テーマコード(参考)】
2E163
【Fターム(参考)】
2E163FA02
2E163FA12
2E163FB32
(57)【要約】
【課題】耐久性及び強度が高く、更に居住性及びデザイン性に優れた建築構造及び建築システム並びにこれらを産業上有利に構築できる方法を提供する。
【解決手段】ビル、家屋、施設、倉庫等の各種建築物の梁及び/又は柱を、直角三角形や二等辺三角形のトラス状のフレーム枠を用いて形成して建築物を構築し、また、建築物の梁及び/柱を、直角三角形や二等辺三角形のトラス状のフレーム枠を用いて補強して、建築物を補強する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の梁及び/又は柱を含む建築構造であって、前記梁及び/又は柱が、トラス状のフレーム枠を含むことを特徴とする建築構造。
【請求項2】
前記梁及び/又は柱がモジュールユニットを含み、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる請求項1記載の建築構造。
【請求項3】
前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である請求項1記載の建築構造。
【請求項4】
前記フレーム枠が直角三角形の形状である請求項1記載の建築構造。
【請求項5】
前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる請求項2記載の建築構造。
【請求項6】
前記フレーム枠が金属からなる請求項1記載の建築構造。
【請求項7】
前記フレーム枠の断面がL字型である請求項1記載の建築構造。
【請求項8】
前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する請求項5記載の建築構造。
【請求項9】
建築物の梁及び/又は柱を形成する方法であって、前記梁及び/又は柱を、トラス状のフレーム枠を用いて形成することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記の梁及び/又は柱の形成を、モジュールユニットを用いて行い、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記フレーム枠が直角三角形の形状である請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記フレーム枠が金属からなる請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記フレーム枠の断面がL字型である請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する請求項13記載の方法。
【請求項17】
建築物の梁及び/又は柱を補強する補強方法であって、前記梁及び/柱の補強を、トラス状のフレーム枠を用いて行うことを特徴とする補強方法。
【請求項18】
前記の梁及び/又は柱の補強を、モジュールユニットを用いて行い、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる請求項17記載の補強方法。
【請求項19】
前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記フレーム枠が直角三角形の形状である請求項17記載の方法。
【請求項21】
前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記フレーム枠が金属からなる請求項17記載の方法。
【請求項23】
前記フレーム枠の断面がL字型である請求項17記載の方法。
【請求項24】
前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する請求項21記載の方法。
【請求項25】
建築物の梁及び/又は柱が補強された建築物であって、前記梁及び/柱が、トラス状のフレーム枠で補強されていることを特徴とする建築物。
【請求項26】
建築物の梁及び/又は柱を含む建築システムであって、前記梁及び/又は柱が、トラス状のフレームを含むことを特徴とする建築システム。
【請求項27】
前記梁及び/又は柱がモジュールユニットを含み、前記フレームが前記モジュールユニットの構成材料として含まれる請求項26記載の建築システム。
【請求項28】
前記フレームが二等辺三角形の形状である請求項26記載の建築システム。
【請求項29】
前記フレームが直角三角形の形状である請求項26記載の建築システム。
【請求項30】
前記モジュールユニットが前記フレームと接合部材との組み合わせからなる請求項27記載の建築システム。
【請求項31】
前記フレームが金属からなる請求項26記載の建築システム。
【請求項32】
前記フレームの断面がL字型である請求項26記載の建築システム。
【請求項33】
前記接合部材が前記フレーム同士を螺合により接合する螺合部を具備する請求項30記載の建築システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュールユニットを用いる建築システム又は建築構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラス構造とは、直線的な部材であって三角形を単位として構成される構造骨組の一種で、各部材の端部節点が総てピン接合であるものをいい、大架構を支持する構造形式である。トラス構造には、すべての部材が一つの平面内に存在する平面トラスと、一つの節点に部材が三次元的に集まる立体トラスとがある。
【0003】
近年においては、立体トラスをユニットに分割して工場製作し、建設現場に搬入して組み立てるユニットトラスが検討されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、トラス構造のユニットのスパンが大きい場合、汎用的なトラックでは積み込みができない場合があり、そのため、立体トラスユニットの輸送のために大型トラックや大型の重機を使用しなければならず、施工コストの増嵩を招く要因となっており、また、道路が狭くて大型トラックや大型の重機が使えない問題があった。また、建築現場において組立てが容易であり、特に一人で組み立てができるような施工方法が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6911069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、取扱い性に優れ、組み立てが容易であり、耐久性及び強度が高い建築構造及び建築システム並びにこれらを産業上有利に構築できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、建築物の梁及び/又は柱を含む建築構造であって、前記梁及び/又は柱に、トラス状のフレーム枠を用いることにより、取扱い性に優れ、前記梁及び/又は柱の組み立てが容易であり、建築物の耐久性及び強度が非常に高いことを見出し、このような建築構造が上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 建築物の梁及び/又は柱を含む建築構造であって、前記梁及び/又は柱が、トラス状のフレーム枠を含むことを特徴とする建築構造。
[2] 前記梁及び/又は柱がモジュールユニットを含み、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる前記[1]記載の建築構造。
[3] 前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である前記[1]記載の建築構造。
[4] 前記フレーム枠が直角三角形の形状である前記[1]記載の建築構造。
[5] 前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる前記[2]記載の建築構造。
[6] 前記フレーム枠が金属からなる前記[1]記載の建築構造。
[7] 前記フレーム枠の断面がL字型である前記[1]記載の建
築構造。
[8] 前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する前記[5]記載の建築構造。
[9] 建築物の梁及び/又は柱を形成する方法であって、前記梁及び/又は柱を、トラス状のフレーム枠を用いて形成することを特徴とする方法。
[10] 前記の梁及び/又は柱の形成を、モジュールユニットを用いて行い、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる前記[9]記載の方法。
[11] 前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である前記[9]記載の方法。
[12] 前記フレーム枠が直角三角形の形状である前記[9]記載の方法。
[13] 前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる前記[10]記載の方法。
[14] 前記フレーム枠が金属からなる前記[9]記載の方法。
[15] 前記フレーム枠の断面がL字型である前記[9]記載の方法。
[16] 前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する前記[13]記載の方法。
[17] 建築物の梁及び/又は柱を補強する補強方法であって、前記梁及び/柱の補強を、トラス状のフレーム枠を用いて行うことを特徴とする補強方法。
[18] 前記の梁及び/又は柱の補強を、モジュールユニットを用いて行い、前記フレームが前記モジュールユニットの構成材料として含まれる前記[17]記載の補強方法。
[19] 前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である前記[17]記載の方法。
[20] 前記フレーム枠が直角三角形の形状である前記[17]記載の方法。
[21] 前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる前記[18]記載の方法。
[22] 前記フレーム枠が金属からなる前記[17]記載の方法。
[23] 前記フレーム枠の断面がL字型である前記[17]記載の方法。
[24] 前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する前記[21]記載の方法。
[25] 建築物の梁及び/又は柱が補強された建築物であって、前記梁及び/柱が、トラス状のフレーム枠で補強されていることを特徴とする建築物。
[26] 建築物の梁及び/又は柱を含む建築システムであって、前記梁及び/又は柱が、トラス状のフレーム枠を含むことを特徴とする建築システム。
[27] 前記梁及び/又は柱がモジュールユニットを含み、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれる前記[26]記載の建築システム。
[28] 前記フレーム枠が二等辺三角形の形状である前記[26]記載の建築システム。
[29] 前記フレーム枠が直角三角形の形状である前記[26]記載の建築システム。
[30] 前記モジュールユニットが前記フレーム枠と接合部材との組み合わせからなる前記[27]記載の建築システム。
[31] 前記フレーム枠が金属からなる前記[26]記載の建築システム。
[32] 前記フレーム枠の断面がL字型である前記[26]記載の建築システム。
[33] 前記接合部材が前記フレーム枠同士を螺合により接合する螺合部を具備する前記[30]記載の建築システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、取扱い性に優れ、組み立てが容易であり、耐久性及び強度が高い建築構造及び建築システム並びにこれらを産業上有利に構築できる方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明において用いられるフレーム枠の好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図2】本発明の好適な態様の一例を模式的に示す図であり、直角三角形のフレーム枠がガセットプレートで接続されている建築構造の一例を示す。
図3】本発明の好適な態様の別の一例を模式的に示す図であり、二等辺三角形のフレーム枠がガセットプレートで接続されている建築構造の一例を示す。
図4】本発明においてトラス状のモジュールユニットを用いた梁及び/又は柱を含む建築構造の好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図5】本発明において好適に用いられる、断面がL字型のフレーム枠の一例を模式的に示す図である。
図6】本発明においてL字型のフレーム枠同士をボルトで接合している建築構造の好適な一例を模式的に示す図である。
図7】本発明においてフレーム枠を建築物の補強材として用いた場合の好適な態様の一例を模式的に示す図である。
図8】本発明においてフレーム枠とガセットプレートとの組合せとしての好適な態様の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の建築構造は、建築物の梁及び/又は柱を含む建築構造であって、前記梁及び/又は柱が、トラス状のフレーム枠からなることを特長とする。前記建築構造は、公知の手段を用いて、建築物の梁及び/又は柱をトラス状とし、前記梁及び/又は柱を、前記トラス状のフレーム枠を用いて形成することにより容易に構築することができる。前記フレーム枠は、通常、前記建築物の梁及び/又は柱の全部又は一部の骨組みの枠をいう。また、前記梁及び/又は柱がモジュールユニットを含み、前記フレーム枠が前記モジュールユニットの構成材料として含まれるのが好ましい。
【0011】
前記モジュールユニットは、前記梁及び/又は柱を構成する任意の単位をいうが、本発明においては、前記接合部材と前記フレーム枠同士との組み合わせからなるのが好ましく、前記接合部材及び前記フレーム枠同士の組合せにより、トラス状のモジュールユニットを形成するのがより好ましく、また建築物の梁及び/又は柱に前記モジュールユニットが二個以上使用されるのもより好ましい。また、前記フレーム枠同士と前記接合部材との組合せにより形成される前記モジュールユニットのトラス状は、二等辺三角形の形状であることが好ましく、また直角三角形の形状であることも好ましい。前記トラス状は、前記接合部材を2個以上、前記フレーム枠を2個以上用いられるのが好ましい。また、前記フレーム枠の接合に溶接を用いることもできる。なお、本発明においては、前記トラス状の具体的な形状が前記建築物の種類等、地球の自転や重力に応じて適宜設定されるのが好ましく、例えば、建築物の中心に向かって前記建築物の梁及び/又は柱を見た場合、前記トラス状の斜辺が左上から右下へ伸びるのが好ましい。このような好ましい範囲によれば、より耐久性に優れ、かつ、より自然に調和した建築物とすることができる。
【0012】
前記フレーム枠の種類としては、特に限定されないが、断面がL字型であるフレーム枠であるのが好ましく、前記フレーム枠の構成材料は、特に限定されないが、金属であるのが好ましい。前記金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。断面がL字型であるフレーム枠であると、トラス状からなる前記梁及び/又は柱を形成する際に、より作業性や取り扱い性を向上させることができる。また、前記フレーム枠の長さは特に限定されないが、20cmから2mであるのが好ましく、例えば、前記フレーム枠が直角三角形である場合には、直角を成す辺がそれぞれ910mm及び1820mmであるのがより好ましい。前記フレーム枠に形成される螺合部の位置及び大きさは、特に限定されないが、前記フレーム枠の両端の近傍に設けられるのが好ましい。
【0013】
前記接合部材は、前記フレーム枠同士を螺合により接合するための螺合部を1つ以上具備しているのが好ましい。前記接合部材の螺合部の位置及び大きさは、特に限定されないが、本発明においては、前記接合部材の端部近傍の位置に前記螺合部が設けられているのが好ましい。また、前記接合部材は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されないが、ガセットプレートと治具との組み合わせであるのが好ましい。前記ガセットプレートは、公知のガセットプレートであってよい。また、前記治具は、例えば、ボルト及びナットなどの公知の治具であってよく、治具の数等は本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、適宜設定されてよい。前記接合部材は公知の接合部材が用いられ得る。
【0014】
本発明においては、建築物の梁及び/又は柱に前記モジュールユニットを複数個使用するのが好ましく、このような方法も本発明に含まれる。前記モジュールユニットの使用手段は特に限定されず公知の手段であってよい。なお、本発明の建築システムは、前記梁及び/又は柱を含んでいれば特に限定されず、前記梁及び/又は柱を含む以外は公知の建築システムと同様であってよい。
【0015】
本発明においては、前記接合部材と前記フレーム枠同士の組合せにより、トラス状を形成するモジュールユニットが好ましく、このような好ましいモジュールユニットで建築物の梁及び/又は柱を構成することにより、建築物の梁及び/又は柱は取扱い性に優れ、組み立てが容易であり、耐久性及び強度がより高く、更に居住性及びデザイン性により優れたものとすることができる。
【実施例0016】
以下、図面を用いて、本発明の好適な態様をより具体的に説明するが、本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明において好適に用いられるフレーム枠を模式的に示す。図1のフレーム枠はトラス状のフレーム枠1及び螺合部3からなっている。フレーム枠1及び螺合部3は金属で構成されており、フレーム枠1の断面は、L字型となっており、螺合部3は、例えば、フレーム枠1と螺合可能なガセットプレートと螺合した際に、フレーム枠同士を固定するために用いることができるように構成されている。螺合毎の螺合部3の数(例えば、ボルトの数等)は建築物の構造計算により適宜設定されるが、本発明においては2以上の螺合部3が設けられるのが好ましく、4以上の螺合部3が設けられるのがより好ましい。
【0018】
図2は、本発明の好適な態様の一例を模式的に示す図であり、直角三角形のフレーム枠がガセットプレートで接続されている建築構造の一例を示す。図2のトラス状のモジュールユニットを用いた梁及び/又は柱は、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32から構成されている。また、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32は、例えばアルミニウムやSUS等の金属で構成されている。フレーム枠1はガセットプレート2と、治具32を用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠同士を固定することができ、図2のトラス状は直角三角形の形状であり、かかる形状によると前記梁及び/柱を構築する際の作業性や取り扱い性をより向上させることができる。また、これらの構成によりモジュールユニット全体の耐久性、耐震性及びデザイン性をより向上させることができる。
【0019】
図3は、本発明においてトラス状のモジュールユニットを用いた梁及び/又は柱の好適な態様の一例を模式的に示す。図3のトラス状のモジュールユニットを用いた梁及び/又は柱は、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32からなっている。また、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32は金属で構成されている。フレーム枠1はガセットプレート2と、治具32を用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠同士を固定することができ、図3のトラス状は二等辺三角形の形状である。かかる形状によれば、前記橋及び/柱の強度及び耐久性をより向上させることができ、また、これらの構成によりモジュールユニット全体及び前記建築物全体の耐久性及び耐震性をより向上させている。
【0020】
図4は、本発明においてトラス状のモジュールユニットを用いた梁構造及びは柱構造の好適な態様の一例を模式的に示す。図4のトラス状のモジュールユニットを用いた梁構造及び柱構造は、それぞれフレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32からなっている。フレーム枠1はガセットプレート2と、治具32を用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠1同士を固定することができ、トラス状のフレーム枠は直角三角形の形状であり、ガセットプレート2を用いてそれぞれモジュールユニットを形成している。これらの構成によりモジュールユニット全体の耐久性、耐震性及びデザイン性をより向上させている。また、これらの梁及び/又は柱をユニット化することにより、作業性を向上させることができ、例えば、狭小地であっても、フレーム枠やモジュールユニットを容易に運搬等ができるので、建築期間や重機等の運搬工程を大幅に削減することができる。
【0021】
図5は、本発明において好適に用いられるフレーム枠を模式的に示す。図6のフレーム枠はフレーム枠1及び螺合部3からなっている。フレーム枠1及び螺合部3は金属で構成されており、フレーム枠1の断面は、L字型となっており、螺合部3は、フレーム枠1と螺合可能なガセットプレートと螺合した際に、フレーム枠同士を固定するために用いられている。フレーム枠1のトラスは二等辺三角形であり、かつ直角三角形である。このように構成することにより、前記橋及び/柱の強度及び耐久性をより向上させることができ、さらには前記梁及び/柱を構築する際の作業性や取り扱い性をもより向上させることができる。螺合毎の螺合部3の数(例えば、ボルトの数等)は建築物の構造計算により適宜設定されるが、本発明においては2以上の螺合部3が設けられるのが好ましく、4以上の螺合部3が設けられるのがより好ましい。
【0022】
図6は、本発明においてフレーム枠同士の組合せの好適な態様の一例を模式的に示す。図6のフレーム枠同士の組み合わせは、フレーム枠1、ボルト33及びナット34からなっている。また、フレーム枠1、ボルト33及びナット34は金属で構成されている。フレーム枠1はボルト33及びナット34を用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠同士を固定することができ、フレーム枠1のトラスは直角三角形を形成している。直角三角形のトラス状のフレーム枠と、ボルト及びナット又は溶接等の簡単な接合とを組み合わせることにより、前記梁及び/柱を構築する際の作業性や取り扱い性をより向上させることができ、また、これらの構成によりモジュールユニット全体の耐久性、耐震性及びデザイン性をより向上させている。なお、前記の簡単な接合を組み合わせる場合には、前記建築物は低層(好ましくは2階以下)の建築物であるのが好ましい。
【0023】
図7は、本発明においてフレーム枠を建築物の補強材として用いた場合の好適な態様の一例を模式的に示す。図7は、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32を含む建築物35を示す。また、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32は、アルミニウムやSUS等の金属で構成されている。フレーム枠1はガセットプレート2と、治具32とを用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠同士の固定及び建築物35の補強を行うことができる。フレーム枠1のトラス状は二等辺三角形を形成しており、補強時の取り扱い性や作業性等をより向上させている。また、これらの構成により建物全体の耐久性、耐震性をより向上させている。
【0024】
図8は、本発明においてフレーム枠とガセットプレートとの組合せの好適な態様の一例を模式的に示す。図8のフレーム枠とガセットプレートとの組み合わせは、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32から構成されている。また、フレーム枠1、ガセットプレート2及び治具32は金属で構成されている。フレーム枠1はガセットプレート2と、治具32を用いて螺合可能な構成となっており、螺合することで前記フレーム枠同士を固定することができ、また、これらの構成によりモジュールユニット全体の耐久性、耐震性及びデザイン性をより向上させている。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の建築構造及び建築システムは、種々の建築物に適用可能であり、特にビル、家屋、施設、倉庫等の各種建築物などに有用である。
【符号の説明】
【0026】
1 フレーム枠
2 ガセットプレート
3 螺合部
32 治具
33 ボルト
34 ナット
35 建築物

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8