(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039576
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】ブラケット連結コネクタとこれに連結する連結部付きブラケット
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20240314BHJP
E06B 9/38 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
E06B9/42 A
E06B9/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144230
(22)【出願日】2022-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】522361456
【氏名又は名称】天谷 栄作
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】天谷 栄作
(57)【要約】
【課題】本発明は、天井付けの場合も正面付けの場合も、複数の遮蔽体を同時に吊り下げられるブラケット連結コネクタとこれに連結する連結部付きブラケットを提供する。
【解決手段】本発明に係るブラケット連結コネクタは、壁又は天井に固定可能であり、遮蔽体を吊下げるための軌道装置を支持機構により下方に支持可能であると共に上面に連結部が形成された連結部付きブラケットを、連結部を介して複数個連結できる。ブラケット連結コネクタは、連結部付きブラケットの連結部を連結可能な被連結部が少なくとも1つ設けられた吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面を有する本体と、本体の吊下面の後端面側に設けられ、表面に少なくとも1つの被連結部が設けられた凸部とから構成される側面視L字型の形状を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁又は天井に固定可能であり、
遮蔽体を吊り下げるための軌道装置を支持機構により下方に支持可能であると共に上面に連結部が形成された遮蔽体ブラケット(以下、「連結部付きブラケット」という)を、該連結部を介して複数個連結可能なコネクタであって、
前記連結部付きブラケットの連結部を連結可能な被連結部が少なくとも1つ設けられた吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面を有する本体と、
本体の吊下面の後端面側に設けられ、吊下面、先端面及び後端面、左右の側面、又は、内表面のうちの何れか複数の面からなる表面に、少なくとも1つの被連結部が設けられた凸部と、から構成される側面視L字型の形状を含み、
本体及び/又は凸部の固定面あるいは後端面を天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、
本体の吊下面と凸部の表面に設けた被連結部に、複数の連結部付きブラケットの連結部を連結して、
天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、該複数の連結部付きブラケットから、複数の遮蔽体を吊り下げることができるブラケット連結コネクタ。
【請求項2】
本体の固定面に、該後端面を壁又は天井に釘又はビス又はネジで固定するための貫通孔が、吊下面と固定面とを貫通して設けられた、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項3】
凸部は、その表面が、少なくとも後端面、左右の側面、及び内表面を含む中空の直方体状であり、
凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備えると共に、凸部の表面に少なくとも1つの被連結部を備え、
凸部の後端面に、該後端面を壁又は天井に釘又はビス又はネジで固定するための貫通孔が、内表面と後端面とを貫通して設けられた、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項4】
凸部の後端面に被連結部が設けられ、
本体の固定面を天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、
本体の吊下面と凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結して、該連結部付きブラケットから該遮蔽体を吊下げ可能な側面視L字型のコネクタであって、
正面付けの場合には、少なくとも凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、
天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項5】
凸部は、本体の吊下面の後端面側に設けた直方体状の突起部であり、
凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備えると共に、凸部の後端面と吊下面及び/又は左右側面とに夫々被連結部を備え、
天井付けの場合に、本体の吊下面と凸部の吊下面及び/又は左右側面とに備えた被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結し、
正面付けの場合に、本体の吊下面と凸部の後端面とに備えた被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、
天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる、請求項4に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項6】
凸部に設けられた被連結部が、該凸部の左右の側面に、その吊下面に沿う方向及び/又は先端面及び後端面に沿う方向に彫設された1又は複数の凹溝である請求項1に記載のブラケット連結コネクタにおいて、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の内面に、連結部として1又は複数の凸線を立設し、このΠ型の2枚の板を上面に設けたΠ型の連結部付きブラケットを連結するブラケット連結コネクタであって、
前記Π型の2枚の板により、凸部の左右の側面を挟むように、その凸線を凸部の凹溝に嵌合させつつ、該凸部の吊下面に沿う方向及び/又は先端面及び後端面に沿う方向にスライドさせ、該凸部の凹溝に溝係合させ得る(溝係合機構)、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項7】
吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面からなる凸部の吊下面が、左右の側面を貫通する回転軸を中心とした側面視円弧型の突起部である請求項1に記載のブラケット連結コネクタにおいて、
凸部より先端面側の本体の吊下面に1つの被連結部を備えると共に、該回転軸を被連結部として、軸孔付きΠ型の連結ブラケットを軸支可能なブラケット連結コネクタであって、
前記軸孔付きΠ型の連結ブラケットは、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の中央上方に、連結部として回転孔が設けられており、このΠ型の2枚の板を上面に設けたΠ型の連結部付きブラケットであり、
凸部に設けた回転軸に、前記Π型の2枚の板に設けた回転孔を勘合して連結し、
正面付けの場合に、前記軸孔付きΠ型のブラケットを回転させることにより、
天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項8】
遮蔽体を吊り下げる軌道装置を下方に支持し、壁又は天井に固定したブラケット連結コネクタに上面を連結するブラケットであって、
前記ブラケット連結コネクタに設けられた被連結部に連結する連結部を上面に設け、これを該被連結部に連結し、
下方に設けた支持機構により前記軌道装置を支持し、該軌道装置を、前記ブラケット連結コネクタに固定することができる、連結部付きブラケット。
【請求項9】
凸部に設けられた被連結部が、該凸部の左右の側面に、その吊下面に沿う方向と先端面及び後端面に沿う方向とに彫設された1又は複数の凹溝であるブラケット連結コネクタに連結する連結部付きブラケットであって、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の内面に、連結部として1又は複数の凸線を立設し、このΠ型の2枚の板を上面に設け、
前記Π型の2枚の板により、凸部の左右の側面を挟むように、その凸線を凸部の凹溝に嵌合させつつ、該凸部の吊下面に沿う方向又は先端面及び後端面に沿う方向にスライドさせ、該凸部の凹溝に溝係合させ得る(溝係合機構)、請求項8に記載の連結部付きブラケット。
【請求項10】
凸部の吊下面が、左右の側面を貫通する回転軸を中心とした側面視円弧型の突起部であるブラケット連結コネクタに連結する連結部付きブラケットであって、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の中央上方に、連結部として回転孔が設けられており、
このΠ型の2枚の板を上面に設け、
凸部に設けた回転軸に、前記Π型の2枚の板に設けた回転孔を勘合して連結し、該Π型の2枚の板を該回転軸の周りに回転させ得る、請求項8に記載の連結部付きブラケット。
【請求項11】
前記遮蔽体は、フラットカーテンを含むカーテン、調光ロールスクリーンを含むロールスクリーン、ウッドブラインド及びバーチカルブラインドを含むブラインド、シェード、プリーツスクリーン、アコーデオンドア、間仕切り目隠し、のれん、タペストリーを含む、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【請求項12】
前記ブラケット連結コネクタの被連結部の位置に、前記連結部付きブラケットの連結部の位置が符合されて一体化されており、該ブラケット連結コネクタと該連結部付きブラケットとが一体成形された、請求項1に記載のブラケット連結コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン、ロールスクリーンなどの遮蔽体を吊り下げる軌道体の上部に取り付ける連結部付きブラケットと、この連結部付きブラケットを複数個連結して天井等に固定するブラケット連結コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
窓を遮蔽するカーテン、ロールスクリーン、ブラインド、ウッドブラインドなどの遮蔽体は、上面を天井に固定した遮蔽体ブラケットにより軌道装置を支持し、この軌道装置から吊り下げる。遮蔽体ブラケットには、このように、その上面を天井に固定する天井付けをするタイプの他、その背面を壁に固定する正面付けをするタイプもあり、これらの上面や背面に穿設した孔を介して、天井や木枠などに釘打ちするなどして固定する(
図10(c)を参照)。
【0003】
また、吊り下げる遮蔽体の種類によって軌道装置は異なり、軌道装置を支持する遮蔽体ブラケットも、遮蔽体ごとに異なる。例えば、カーテンの軌道装置(カーテン軌道体)にはカーテンレールやカーテン吊下棒などがあり、これに取り付けたランナーやカーテンリングを介してカーテンを吊り下げるが、ロールスクリーン軌道体やブラインド軌道体は、その両端に巻取装置や昇降装置が取り付けられ、これらの装置により開閉等を行う。
【0004】
遮蔽体をカーテンとして、具体例を
図11に示す。すなわち、
図11(a)のように、カーテンブラケット110(遮蔽体ブラケット100)にはレールブラケット111、吊下棒支持フック112、吊下棒支持リング113などがあり、
図11(b)に示すカーテン軌道体210(軌道装置200)のカーテンレール212又はカーテン吊下棒214を支持する。そして、
図11(c)に示すようなランナー212aや8字型リング214aを、これらのカーテン軌道体210の長手方向に沿って移動自在に取り付け、
図11(d)のカーテン310(遮蔽体300)の上部に取り付けたカーテンフック311、カーテンリング312、S字フック313などを接続してカーテン310を吊下することができる。
【0005】
このように、遮蔽体がカーテンで同一であっても(
図11(d))、異なるタイプの軌道装置が存在し(
図11(b))、夫々の軌道装置に適した遮蔽体ブラケットが使用される(
図11(a))。また、メーカーによって異なる規格の軌道装置と遮蔽体ブラケットが使用されることが多い。
【0006】
とはいえ、遮蔽体ブラケットの備える支持部が、軌道装置の備える被支持部を支持する軌道装置支持機構(以下、単に「支持機構」という)は、実用的には数種類に限定され、爪係止機構、スライダ機構、ネジ止め機構(貫通固定機構)などに分類することができる(
図10を参照)。そのため、同じ遮蔽体を吊り下げる遮蔽体ブラケットも、支持する軌道装置によって適合する種類が自ずと限定される。例えば上記
図11(a)、(b)のように、カーテン軌道体210としてカーテンレール212を選択すると、爪係止機構を備えるレールブラケット111が好適であり、カーテン吊下棒214には夫々係止機構や貫通機構を備える吊下棒支持フック112や吊下棒支持リング113が好適である。
【0007】
以上のように、遮蔽体の吊り下げ方法は、遮蔽体の種類やこれを吊下する軌道装置の種類によって異なり、夫々の軌道装置を、遮蔽体ブラケットが支持するために適切な支持機構は異なる(
図11(a)~(d)を参照)。したがって、遮蔽体ブラケットのタイプは、上記のような天井付け、正面付けの分類の外に、支持する軌道装置との間の支持機構によっても分類することができる。
【0008】
一方、窓を遮蔽する遮蔽体にも、上記のように種々のものが存在し、夫々に異なる機能と役割を担っている。
【0009】
例えば、ロールスクリーン、ブラインド、厚地カーテンなどの遮蔽体は、窓を遮蔽して日光を遮り、断熱・遮熱効果を発揮し、部屋の内部を屋外から遮断するなどの機能を持ち、室内を装飾するインテリアとしても用いられる。これに対して、レースカーテンは、これらの機能に優れた厚地カーテンを補う役割を担い、厚地カーテンとセットで、その裏面側の窓際に取り付けられる場合が多い。レースカーテンは、屋外から室内を見えにくくしプライバシーを守ると共に、室内からは屋外の様子を確認できるという機能を持つが、自然光や風を適度に取り入れつつ、屋外の冷気や熱気を和らげる、外から入る花粉や埃や排気ガス等の侵入を防ぐなどの機能も発揮する。このようなレースカーテンは、常に清潔であることが重要である。
【0010】
ロールスクリーン、ブラインドなどの遮蔽体は、上述のように厚地カーテンと同様の機能を発揮するが、これらを設置するための巻取装置や昇降装置(巻取りパイプやヘッドボックスなど)が、カーテンに比べて煩雑であるため、単独で用いられることが多い。したがって、厚地カーテンを補うレースカーテンのような補助的遮蔽体がないため、換気や風通しのため窓を開放する場合や、日差しの弱い朝夕や夜などに、屋外の眺望や外気を一定程度保ちたい場合は、これらの遮蔽体は好適とはいえない。
【0011】
そのため、ロールスクリーン、ブラインドなどを購入して取り付けた後に、レースカーテンを取り付けられないことへの後悔、プライバシーを守りながら換気や風通し採光を望む購入者の声が、度々販売者の元に寄せられることがある。ロールスクリーン、ブラインドなどの遮蔽体は、小窓に使用される場合が多いが、このようなレースカーテンを併用できない不満も一因と考えられる。
【0012】
従って、レースカーテンと他の遮蔽体を同時に吊り下げられるブラケット、あるいは、複数の遮蔽体ブラケットを同時に天井等に固定可能なコネクタがあれば有用である。
【0013】
複数の遮蔽体を吊下するブラケットの例として、特許文献1、特許文献2には、2重構成のロールスクリーンが開示されている。例えば、特許文献1のロールスクリーンは、一対のサイドプレート間に2つの巻取りパイプが平行に配置されており、特許文献2のロールスクリーンは、2つの巻取りパイプが同軸に配置されているロールスクリーンが開示されている。しかし、これらは機構が複雑で、掃除や洗濯などのために、一方又は双方のロールスクリーンを巻取りパイプから外し、再度組み立てるのは大変困難である。例えば、ロールスクリーンが巻取りパイプに対して直角に出入し、正確に機能するようにセットするには熟練を要し、一般の消費者には困難である。また、これらの2重構成のロールスクリーンは大変高価という問題もある。
【0014】
特許文献3には、予め設置してある溝付きカーテンレールに、直角方向にブラケット部材を取付けできるレール用取付具が開示されている。特許文献3の発明によれば、既存の溝付きカーテンレールを残したまま、これに当該レール用取付具本体を直角に取り付けて、ロールスクリーンを比較的容易に取り付けることができるので、例えば、既存の溝付きレールにレースカーテンを吊り下げ、取り付けた当該レール用取付具を介してロールスクリーン等を吊り下げることができる。
【0015】
また、特許文献4は、ブラインドの前方にカーテン又はロールスクリーンを配置する組合せ型ブラインドの発明であり、ブラインドのヘッドボックスの前方にカーテンレール又はロールスクリーン巻取り部を平行に取付ける構成が開示されている。
【0016】
【特許文献1】特許第3765996号公報
【特許文献2】特許第6870953号公報
【特許文献3】実用新案登録第3241744号公報
【特許文献4】実開平4-16299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかし、上述のように、遮蔽体ブラケットには多様な規格や形状、連結機構のものが存在するため、複数の遮蔽体ブラケットを連結して天井等に固定する単体のブラケット連結コネクタは存在しなかった。
【0018】
本発明は、このような問題を解決するため、複数の遮蔽体ブラケットを同時に天井等に固定することができ、天井付けする場合も正面付けする場合も、レースカーテンと共に複数の遮蔽体を同時に吊り下げられるブラケット連結コネクタとこれに連結する連結部付きブラケットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係るブラケット連結コネクタは、壁又は天井に固定可能であり、遮蔽体を吊り下げるための軌道装置を支持機構により下方に支持可能であると共に上面に連結部が形成された遮蔽体ブラケット(以下、「連結部付きブラケット」という)を、該連結部を介して複数個連結可能なコネクタであって、
前記連結部付きブラケットの連結部を連結可能な被連結部が少なくとも1つ設けられた吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面を有する本体と、本体の吊下面の後端面側に設けられ、その表面(吊下面、先端面及び後端面、左右の側面)に少なくとも1つの被連結部が設けられた凸部と、から構成される側面視L字型の形状を含み、本体及び/又は凸部の固定面あるいは後端面を天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、本体の吊下面と凸部の表面に設けた被連結部に、複数の連結部付きブラケットの連結部を連結して、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、該複数の連結部付きブラケットから、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0020】
本発明に係るブラケット連結コネクタは、本体の固定面に、該後端面を壁又は天井に釘又はビス又はネジで固定するための貫通孔が、吊下面と固定面とを貫通して設けられる。
【0021】
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、凸部は、その表面が、少なくとも後端面、左右の側面、及び内表面を含む中空の直方体状であり、凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備えると共に、凸部の表面に少なくとも1つの被連結部を備え、凸部の後端面に、該後端面を壁又は天井に釘又はビス又はネジで固定するための貫通孔が、内表面と後端面とを貫通して設けられてもよい。
【0022】
本発明に係るブラケット連結コネクタは、下面に遮蔽体を吊り下げるための軌道装置を支持機構により支持可能であると共に上面に連結部が形成された連結部付きブラケットを、該連結部付きブラケットの連結部を介して複数個連結して、壁又は天井に固定することができるコネクタにおいて、連結部付きブラケットの連結部を連結可能な被連結部が設けられた吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面を有する本体と、本体の吊下面の後端面側に設けられ、少なくともその後端面に被連結部が設けられた凸部と、から構成される側面視L字型であり、本体の固定面を天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、本体の吊下面と凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結して、該連結部付きブラケットから該遮蔽体を吊下げ可能なコネクタであって、
正面付けの場合には、少なくとも凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0023】
本発明に係るブラケット連結コネクタは、凸部の後端面に被連結部が設けられ、本体の固定面を天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、本体の吊下面と凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結して、該連結部付きブラケットから該遮蔽体を吊下げ可能な側面視L字型のコネクタであって、
正面付けの場合には、少なくとも凸部の後端面に設けた前記被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0024】
(板状突起片)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、凸部は、本体の後端面と面一になるように、本体の吊下面方向に突出した板状の突起片であり、凸部より先端面側の本体の吊下面に、2つの被連結部を備えると共に、該凸部の後端面に被連結部を備え、天井付けの場合に、本体の吊下面に備えた先端面側と凸部側に備えた2つの被連結部に、夫々連結部付きブラケットの連結部を連結し、正面付けの場合に、本体の吊下面に備えた先端面側と凸部の後端面とに備えた被連結部に、夫々連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0025】
(直方体状の突起部)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、凸部は、本体の吊下面の後端面側に設けた直方体状の突起部であり、凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備えると共に、凸部の後端面と吊下面及び/又は左右側面とに夫々被連結部を備え、天井付けの場合に、本体の吊下面と凸部の吊下面及び/又は左右側面とに備えた被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結し、正面付けの場合に、本体の吊下面と凸部の後端面とに備えた被連結部に、連結部付きブラケットの連結部を連結することにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0026】
(中空後端面固定型)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、凸部は、その表面が吊下面と後端面、及び左右の側面からなる中空の直方体状であり、凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備えると共に、凸部の吊下面に少なくとも1つの被連結部を備え、凸部の後端面に、該後端面を壁又は天井に釘又はビス又はネジで固定するための貫通孔が設けられた。
【0027】
(溝係合機構)
本発明に係るブラケット連結コネクタは、凸部に設けられた被連結部が、該凸部の左右の側面に、その吊下面に沿う方向と先端面及び/又は後端面に沿う方向とに彫設された1又は複数の凹溝である上記ブラケット連結コネクタにおいて、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の内面に、連結部として1又は複数の凸線を立設し、このΠ型の2枚の板を上面に設けたΠ型の連結部付きブラケットを連結するブラケット連結コネクタであって、
前記Π型の2枚の板により、凸部の左右の側面を挟むように、その凸線を凸部の凹溝に嵌合させつつ、該凸部の吊下面に沿う方向及び/又は先端面及び後端面に沿う方向にスライドさせ、該凸部の凹溝に溝係合させ得る。
【0028】
(回転機構)
本発明に係るブラケット連結コネクタは、吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面からなる凸部の吊下面が、左右の側面を貫通する回転軸を中心とした側面視円弧型の突起部である上記ブラケット連結コネクタにおいて、
凸部より先端面側の本体の吊下面に1つの被連結部を備えると共に、該回転軸を被連結部として、軸孔付きΠ型の連結ブラケットを軸支可能なブラケット連結コネクタであって、
前記軸孔付きΠ型の連結ブラケットは、凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の中央上方に、連結部として回転孔が設けられており、このΠ型の2枚の板を上面に設けたΠ型の連結部付きブラケットであり、凸部に設けた回転軸に、前記Π型の2枚の板に設けた回転孔を勘合して連結し、正面付けの場合に、前記軸孔付きΠ型ブラケットを回転させることにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0029】
(連結部付きブラケット)
本発明に係る連結部付きブラケットは、遮蔽体を吊り下げる軌道装置を下方に支持し、壁又は天井に固定したブラケット連結コネクタに上面を連結するブラケットであって、
前記ブラケット連結コネクタに設けられた被連結部に連結する連結部を上面に設け、これを該被連結部に連結し、下方に設けた支持機構により前記軌道装置を支持し、該軌道装置を、前記ブラケット連結コネクタに固定することができる。
【0030】
(内面凸線付きΠ型ブラケット:溝係合機構)
本発明に係る連結部付きブラケットは、凸部に設けられた被連結部が、該凸部の左右の側面に、その吊下面に沿う方向と先端面及び後端面に沿う方向とに彫設された1又は複数の凹溝であるブラケット連結コネクタに連結する連結部付きブラケットであって、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の内面に、連結部として1又は複数の凸線を立設し、このΠ型の2枚の板を上面に設け、前記Π型の2枚の板により、凸部の左右の側面を挟むように、その凸線を凸部の凹溝に嵌合させつつ、該凸部の吊下面に沿う方向又は先端面及び後端面に沿う方向にスライドさせ、該凸部の凹溝に溝係合させ得る。
【0031】
(軸孔付きΠ型ブラケット:回転機構)
本発明に係る連結部付きブラケットは、凸部の吊下面が、左右の側面を貫通する回転軸を中心とした側面視円弧型の突起部であるブラケット連結コネクタに連結する連結部付きブラケットであって、
凸部の左右の側面の幅と略同一の間隔で離間されたΠ型の2枚の板の中央上方に、連結部として回転孔が設けられており、このΠ型の2枚の板を上面に設け、凸部に設けた回転軸に、前記Π型の2枚の板に設けた回転孔を勘合して連結し、該Π型の2枚の板を該回転軸の周りに回転させ得る。
【0032】
(遮蔽体)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、前記遮蔽体は、フラットカーテンを含むあらゆるカーテン、調光ロールスクリーンを含むロールスクリーン、ウッドブラインド、バーチカルブラインドを含むブラインドの他、あらゆるウインドウトリートメント用品、シェード、プリーツスクリーン、アコーデオンドア、間仕切り目隠し、のれん、タペストリーなどを含む。
【0033】
(連結機構)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、前記被連結部に前記連結部付きブラケットの連結部を連結する連結機構は、本体又は凸部に設けられた被連結部と、前記連結部付きブラケットの上面に設けられ、あるいは、該軌道装置の上面に一体成形された被連結部とから成り、この両者を連結することにより、該連結部付きブラケットの下方に支持機構により支持した前記軌道装置を、本体又は凸部に固定することができる。
【0034】
(連結機構の例)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、前記連結機構は、前記軌道装置に設けられた連結部及び本体又は凸部に設けられた被連結部の組が、スライダ及びスライダ挿入枠の組であるスライダ機構、又は、爪及びこれを受ける突起部からなる爪係止機構の何れかである。
【0035】
(軌道装置)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、前記軌道装置は、カーテン軌道体、ロールスクリーン用巻取装置、ブラインド又はウッドブラインド用昇降装置から選択される。
【0036】
(カーテン軌道体)
本発明に係るブラケット連結コネクタにおいて、前記カーテン軌道体は、8字型リングを長手方向に沿って移動自在に貫通させ得るカーテン吊下棒、又は、ランナーを長手方向に沿って移動自在に取付け得るカーテンレール、である。
【0037】
(軸孔付きΠ型ブラケット:回転機構)
本発明に係るブラケット連結コネクタは、吊下面及び固定面、先端面及び後端面、左右の側面からなり、固定面が本体の吊下面に固定される凸部は、本体の吊下面の後端面側に設けられ、その吊下面が、左右の側面を貫通する回転軸を中心とした側面視円弧型の突起部であり、凸部より先端面側の本体の吊下面に、1つの被連結部を備え、凸部は、その後端面に、被連結部を備えると共に、前記回転軸を被連結部として、軸孔付きΠ型ブラケットを軸支可能であり、本体の吊下面と凸部の吊下面及び/又は左右側面とに備えた被連結部に、夫々連結部付きブラケットの連結部を連結し、正面付けの場合に、軸孔付きΠ型ブラケットを回転させることにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体を吊り下げることができる。
【0038】
(一体成形)
本発明に係るブラケット連結コネクタは、前記ブラケット連結コネクタの被連結部の位置に、前記連結部付きブラケットの連結部の位置が符合されて一体化されており、該ブラケット連結コネクタと該連結部付きブラケットとが一体成形されてもよい。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係るブラケット連結コネクタは、その表面に設けた被連結部に複数の連結部付きブラケットを連結することにより、ロールスクリーン、ブラインド、ウッドブラインドなど、窓を遮蔽する遮蔽体の裏面側(窓側)に、これらの遮蔽体と共にレースカーテンなどの他の遮蔽体を吊り下げることができる。本発明に係るブラケット連結コネクタは、例えば、上記遮蔽体を昇降可能に吊り下げるための昇降装置とカーテン軌道体を、同時に容易に取付けることができるため、従来のような複雑な機構の接続具を介さずに、例えばロールスクリーンなどの遮蔽体とレースカーテとンをスムーズに併用することができる。
【0040】
このような本発明のブラケット連結コネクタは、これを用いて取り付けた遮蔽体とレースカーテンの夫々の機能を、十分に発揮させることができる。すなわち、ロールスクリーンなどの遮蔽体を用いれば、その断熱・遮熱効果、遮光効果を発揮して室内を彩ることができ、遮蔽体を昇降装置に収容すれば、レースカーテンを窓側に閉じて、室内からは屋外の様子を確認できるように、室内を隠すことができる。また、自然光や風を適度に取り入れる場合や、冷気や熱気を和らげる程度に外気を取り入れたい場合などにも、レースカーテンは有用である。
【0041】
本発明に係る連結部付きブラケットは、その上面をブラケット連結コネクタに連結する連結部と、従来の遮蔽体ブラケットと同様に、その下方に軌道装置を支持する支持部とから構成される。上記連結部は、連結するブラケット連結コネクタの備える被連結部と適合するように、スライダ機構、爪係止機構などの連結機構から選ぶことができる。また、上記支持部は、その下方に支持する軌道装置(カーテンレールなど)に合わせて、爪係止機構、スライダ機構、ネジ止め機構などの支持機構から選択することができる。
【0042】
本発明に係る連結部付きブラケットは天井に固定することができ(天井付け)、壁にも固定することができる(正面付け)。これらの天井付けや正面付けの固定は、例えば、本体及び/又は凸部の表面に設けた貫通孔に、釘又はビス又はネジなどの突起具を貫通させて固定する貫通固定機構(釘打ち機構、ビス止め機構、ネジ止め機構等)により行うことができる。この貫通固定機構の場合、貫通孔は、本体の固定面に、吊下面と固定面とを貫通して設けられる。また、凸部の表面が、少なくとも後端面、左右の側面の外表面と内表面を含む中空の直方体状である場合は、凸部の後端面に、内表面と後端面とを貫通するように貫通孔を設けて、後端面を壁又は天井に突起具で固定することができる。
【0043】
従来のカーテン軌道体や、ロールスクリーンなど遮蔽体の昇降装置などの軌道装置は、壁に固定するか天井に固定するかで、異なるブラケットや異なる固定方法を必要としたが、本発明に係るブラケット連結コネクタは、その形状や種類を変えることなく、上記のように天井付けも正面付けも両方行うことができる。また、ブラケット連結コネクタに連結する連結部付きブラケットの種類を選択することにより、これに取り付ける遮蔽体、すなわち、ロールスクリーン、ブラインド、ウッドブラインドなどを自由に選ぶることができ、交換することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明に係るブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケットを用いたカーテンと遮蔽体(ロールスクリーン)の斜視図。
【
図2】凸部の後端面を固定できる実施例に係るブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケットの模式図であって、(a)右側面視模式図、(b)後端面視模式図、(c)先端面視模式図。
【
図3】第1実施形態に係るブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケットの模式図であって、(a)天井付けした場合の右側面視模式図、(b)正面付けした場合の右側面視模式図。
【
図4】第2実施形態に係るブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケットの模式図であって、(a)天井付けした場合の右側面視模式図、(b)正面付けした場合の右側面視模式図。
【
図5】実施例に係るブラケット連結コネクタの模式図であって、(a)天井付けした場合の右側面視模式図、(b)正面付けした場合の右側面視模式図。
【
図6】カーテンレールに結合するΠ型のカーテンブラケットの内表面に設けられた凸線(連結部)を、凸部の側面に設けられた凹溝(被連結部)に嵌合する様子を表す、溝嵌合機構の模式図であって、(a)右側面視模式図、(b)先端面視模式図。
【
図7】本発明に係るΠ型の連結ブラケットの上方に設けられた軸孔(連結部)を、吊下面が円弧型の凸部に設けられた回転軸(被連結部)に嵌合する様子を表す、回転機構の模式図であって、(a)連結ブラケットとブラケット連結コネクタの右側面及び後端面視模式図、(b)連結ブラケットを回転軸の周りに90度回転(時計回り)した場合の右側面及び先端面視模式図。
【
図8】本発明に係る連結機構又は支持機構の例であるスライダ機構を模式的に表す図であって、スライダとスライダ挿入枠の(a)斜視模式図、(b)正面模式図、(c)側面模式図。
【
図9】最上段のシンボリックな連結機構を具体化した連結機構の正面模式図であって、それぞれ、本体又は凸部に設けられた被連結部と連結部付きブラケットに設けられた連結部からなる連結機構を表す模式図であって、それぞれ、(a)スライダ挿入枠とスライダからなるスライダ機構、(b)凹溝と凸線からなる溝係合機構、(c)回転軸とこれに軸支する軸孔からなる回転機構、の模式図。
【
図10】記号化された固定機構、連結機構又は支持機構の表示図であり、(a)スライダ機構の記号化された表示図、(b)爪係止機構の記号化された表示図、(c)貫通固定機構(ビス止め機構、ネジ止め機構、釘打ち機構)の記号化された表示図。
【
図11】従来のカーテン吊り下げのための組み立て部品を夫々表す図であって、(a)カーテンブラケット(レールブラケット、吊下棒支持フック、吊下棒支持リング)の斜視模式図、(b)カーテン軌道体(カーテンレール、吊下棒)の斜視模式図、(c)カーテン軌道体の吊下部品(ランナー、カーテンリング)の断面模式図、(d)カーテン及びカーテンフックの斜視模式図。
【
図12】本発明に係る連結ブラケットを例示する記号図であって、(a)は、連結部3mをスライダ(スライダ機構)とし、支持機構の支持部を爪(爪係止機構)とした記号図、(b)は、連結部をスライダ(スライダ機構)とし、支持機構の支持部をスライダ挿入枠(スライダ機構)とした記号図、(c)は、連結部を突起(爪係止機構)とし、支持機構の支持部を爪(爪係止機構)とした記号図、(d)は、連結部をスライダ挿入枠(スライダ機構)とし、支持機構の支持部を、吊下棒支持フック(左図)及び吊下棒支持リング(右図)とした記号図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、図面を参照しながら本発明に係るブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケットの実施形態、実施例について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
(1)ブラケット連結コネクタ及び連結部付きブラケット
【0046】
本発明に係るブラケット連結コネクタと連結部付きブラケットは、以下に説明する連結機構により連結される。ブラケット連結コネクタは、複数の連結部付きブラケットを連結し、その表面に穿設した釘孔等に釘打ちするなどして(貫通固定機構、
図10(c)参照)、天井や壁の木枠に固定される。カーテンやロールスクリーンなどの遮蔽体は、例えばカーテンについて上記した
図11(a)~(d)の順に組み立てられる(
図1参照)が、従来は既成の遮蔽体ブラケット(
図11(a))を用いたのに代えて、本発明においては、本発明に係るブラケット連結コネクタに連結可能な本発明に係る連結部付きブラケットを用いる。
(1.1)ブラケット連結コネクタ
【0047】
(ブラケット連結コネクタ)
本発明に係るブラケット連結コネクタ1は、
図1のように、下方に遮蔽体300を吊り下げるための軌道装置200を支持機構101により支持可能であると共に、上面30uに連結部3mが形成された連結部付きブラケット30を、連結部付きブラケット30の連結部3mを介して複数個連結して、壁又は天井に固定することができるコネクタである。
【0048】
図1において、遮蔽体300は、ロールスクリーン320とカーテン310である。そして、これらの遮蔽体300を吊り下げる連結部付きブラケット30は、夫々ロールスクリーンブラケット120とカーテンブラケット110であり、その夫々が、ロールスクリーン軌道体220とカーテンレール212(いずれも軌道装置200)を、支持機構101により支持している。支持機構101は、上述のように、遮蔽体ブラケット30の備える支持部が、軌道装置200の備える被支持部を支持する機構であり、
図1においては、支持部であるスライダ32aが被支持部のスライダ挿入枠32bを支持している。
【0049】
(連結部付きブラケット)
図1には表示されていないが、連結部付きブラケット30の上面の連結部3mは、例えば
図9(a)~(c)又は
図10(a)~(c)に示すような連結機構3Cにより、ブラケット連結コネクタ1の被連結部3fに連結されている。また、
図1において、ロールスクリーンブラケット120(連結部付きブラケット30)は、その下面に突設されたスライダ32a(支持機構101)を、ロールスクリーン軌道体220の上部に設けたスライダ挿入枠32b(支持機構101)に挿入して、ロールスクリーン軌道体220を固定している(
図8(a)~(c)参照)。
【0050】
(L字型形状、本体)
本発明に係るブラケット連結コネクタ1は、
図3~
図5のように、本体10とその吊下面10dの後端面10b側に設けられた凸部20とからなる側面視L字型(以下、単に「L字型」という)の形状を含む。本体10は、連結部付きブラケット30の連結部3mを連結可能な被連結部3fが少なくとも1つ設けられた吊下面10d及び固定面10u、先端面10f及び後端面10b、左右の側面10l、10rを有する。
【0051】
(L字型形状、凸部)
また、凸部20は、その表面に少なくとも1つの被連結部3fが設けられる。凸部20の形状は特に限定されないため、例えば中空の場合も含まれる。従って、凸部20の表面は、吊下面20d及び固定面20u、先端面20f及び後端面20b、左右の側面20l、10rからなる外表面の他に、内表面を含む場合もある。
【0052】
そして、本発明のブラケット連結コネクタ1は、本体10の固定面10uあるいは後端面10bを天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)し、本体10の吊下面10dと凸部20の表面に設けた被連結部3fに、複数の連結部付きブラケット30の連結部3mを連結して、夫々の連結部付きブラケット30から遮蔽体300を吊り下げることができる。このような本発明に係るブラケット連結コネクタ1は、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体300を吊り下げることができる。
【0053】
(貫通固定機構)
天井付けや正面付けの固定は、例えば
図10(c)のように、本体10及び/又は凸部20の表面に設けた貫通孔33bに、釘又はビス又はネジなどの突起具33aを貫通させて固定する貫通固定機構(釘打ち機構、ビス止め機構、ネジ止め機構等)により行う。貫通孔33bは、本体10の固定面10uに、吊下面10と固定面とを貫通して設けられる。また、凸部20の表面が、少なくとも後端面20b、左右の側面20l、20rの外表面と内表面を含む中空の直方体状である場合は、凸部20の後端面20bに、内表面と後端面20bとを貫通するように貫通孔33bを設けて、後端面20bを壁又は天井に突起具33aで固定することもできる。
(1.2)連結部付きブラケット
【0054】
(連結部付きブラケット)
図3~
図5における吊下棒支持リング113のように、本発明に係る連結部付きブラケット30は、本体10又は凸部20に設けられた被連結部3fに連結する連結部3mを上面30uに設け、支持機構101により下方に軌道装置200(
図3~
図5においてカーテン吊下棒214)を支持し得る遮蔽体ブラケットである。
【0055】
本発明に係る連結部付きブラケット30は、上面30uに設ける連結部3mと、下方に設ける支持機構101の支持部の組み合わせにより構成することができる。この支持機構101の支持部は、
図11(a)のように、カーテンレール212やカーテン吊下棒214のような軌道装置200を支持するレールブラケット111、吊下棒支持フック112、吊下棒支持リング113など、遮蔽体ブラケット100の支持部と同一である。
【0056】
図12に、そのような連結部付きブラケット30の例をいくつか挙げるが、連結部3mと支持部との間には基体30nを挟んでもよい。
図12(a)は、連結部3mをスライダ32a(スライダ機構32C)とし、支持機構101の支持部を爪31a(爪係止機構31C)とした記号図である。また、
図12(c)は、連結部3mを突起31b(爪係止機構31C)とし、支持機構101の支持部を爪31a(爪係止機構31C)とした記号図である。また、
図12(d)は、連結部3mをスライダ挿入枠32b(スライダ機構)とし、支持機構101の支持部を、吊下棒支持フック112(左図)及び吊下棒支持リング113(右図)とした記号図である。連結部付きブラケット30の例はこれらに限定されず、
図12(b)のように、連結部3mをスライダ32a(スライダ機構32C)とし、支持機構101の支持部をスライダ挿入枠32b(スライダ機構)として、この支持部のスライダ挿入枠32bに、スライダ32aを上部に取り付けた吊下棒支持フック112や吊下棒支持リング113などを挿入して固定してもよい。
【0057】
このような本発明に係る連結部付きブラケット30は、上面30uに設けた連結部3mを被連結部3fに連結することにより、その下方に支持機構101を介して支持した軌道装置200を、本体10又は凸部20に固定することができる。以下、
図3~
図5に示すように、遮蔽体300として、主にカーテン310とロールスクリーン320を例にとって説明する。
【0058】
(連結機構)
本発明に係るブラケット連結コネクタ1と連結部付きブラケット30とを連結する連結機構3Cは、本体10の吊下面10dや凸部20の吊下面20d、後端面20bなどに設けられた被連結部3fと、連結部付きブラケット30の上面30u等に設けられ、あるいは、連結部付きブラケット30の上面30u等に一体成形された連結部3mとのペアである。この両者(連結部3mと被連結部3f)を連結することにより、ブラケット連結コネクタ1と連結部付きブラケット30とを連結することができ、連結部付きブラケット30の下方に支持機構101により取り付けた軌道装置200を、本体10又は凸部20に固定することができる。なお、連結部3mと被連結部3fとは相対的な呼称であり、ペアになって連結機構3Cの機能を果たせば、適時入れ替わってもよい。
【0059】
(スライダ機構)
このような連結機構3Cとしては、例えば
図8(a)~(c)又は
図9(a)のように、軌道装置200に設けられた被連結部3f及び本体10又は凸部20に設けられた連結部3mの組が、スライダ32a及びスライダ挿入枠32bの組であるスライダ機構32Cが挙げられる。上記のように、スライダ機構32Cを構成するスライダ32aとスライダ挿入枠32bは、何れが被連結部3f又は連結部3mに対応してもよい。
【0060】
(連結機構の一覧図)
図10は、代表的な種々の連結機構3Cの例を、記号化してまとめたものである。
図3~
図5等には、本体10又は凸部20に被連結部3fが、軌道装置200に連結部3mが記号化されて表示されているが、この被連結部3fと連結部3mに対応する連結機構3C(3f、3m)を、
図10の最上段に示している。
図10(a)は、上述したスライダ機構32C(32a、32b)を記号化した表示である。
図10(b)は、爪31a及びこれを受ける突起部31bからなる爪付き爪係止機構31C(31a、31b)を記号化した表示である。また、
図10(c)は、ネジ孔33bにネジ33aを螺合させるネジ止め機構33C(33a、33b)、その他、ビス止め機構、釘打ち機構33C(33a、33b)などの貫通固定機構33Cを記号化した表示である。なお、上述のように、
図10(c)に表す貫通固定機構33C(33a、33b)は、本体10(又は凸部20)を天井や壁の木枠に固定する際に好適に使用される。
【0061】
(連結機構と連結部付きブラケット)
本発明に係る連結部付きブラケット30は、これらの連結機構3Cの連結部3mが、その上面30uに一体成形され、又は取り付けられる。例えば、カーテン用の連結部付きブラケット30には、
図11(a)のように、レールブラケット111、吊下棒支持フック112、吊下棒支持リング113などがあるが、これらの上部に連結機構3Cの連結部3mが設けられ、本体10や凸部20に設けられた被連結部3fに連結される。
【0062】
(連結部付きブラケットと支持機構)
このような連結機構3Cによりブラケット連結コネクタ1と連結された本発明の連結部付きブラケット30は、
図11(a)に示す遮蔽体ブラケット等が果たす本来の機能である支持機構により、軌道装置200を固定、係止するなどして支持する。例えば、上記カーテン用の連結部付きブラケット30を例に挙げると、吊下棒支持フック112(
図11(a)の真ん中)は、
図11(b)のように、カーテン吊下棒214を係止する係止機構(支持機構)により、カーテン吊下棒214を支持する。また、吊下棒支持リング113(
図11(a)右)は、カーテン吊下棒214を貫通させる貫通機構(支持機構)により、カーテン吊下棒214を支持する。また、レールブラケット111(
図11(a)左)は、カーテンレール212の上端に設けたレール上部突起を、下面に設けた2つの爪により係止する爪係止機構(支持機構)により係止して、カーテンレール212を支持する。このように、これらの係止機構、貫通機構、爪係止機構は、何れも軌道装置200の支持機構101として用いられる。
【0063】
このように、同じ遮蔽体300を吊り下げる場合でも、軌道装置200の種類によって、連結部付きブラケット30の下面30d等に設ける支持機構101の種類は異なり得る。吊り下げる遮蔽体300の種類が異なれば、用いる軌道装置200の種類も当然に異なるため、適切な支持機構と連結機構を備える連結部付きブラケット30を選択する必要がある。例えば、遮蔽体300がロールスクリーン320の場合は、ロールスクリーン軌道体220に適合する支持機構を備える連結部付きブラケット30を採用する。また、ブラインドの場合は、ブラインド軌道体に適合する支持機構を備える連結部付きブラケット30を採用する。
(1.3)構成要素
【0064】
(遮蔽体)
本発明に係るブラケット連結コネクタ1において、遮蔽体300は、フラットカーテンを含むあらゆるカーテン310、調光ロールスクリーンを含むロールスクリーン320、ウッドブラインド、バーチカルブラインドを含むブラインドの他、あらゆるウインドウトリートメント用品、シェード、プリーツスクリーン、アコーデオンドア、間仕切り目隠し、のれん、タペストリーなどを含む。
【0065】
(軌道装置)
また、軌道装置200は、上述したように、カーテン軌道体210、ロールスクリーン巻取装置222を備えるロールスクリーン軌道体220、昇降装置を備えるブラインド軌道体又はウッドブラインド軌道体などがある。このうち、カーテン軌道体210には、8字型リング214aを長手方向に沿って移動自在に貫通させ得るカーテン吊下棒214や、ランナー212aを長手方向に沿って移動自在に取付け得るカーテンレール212などがある(
図11(b)、(c)参照)。
(2)L字型ブラケット連結コネクタの実施形態
【0066】
本実施形態では、L字型ブラケット連結コネクタの実施形態について説明する。本実施形態のL字型ブラケット連結コネクタ1は、
図3~
図5に示すように、凸部20の後端面20bに、被連結部3fを設けたL字型のブラケット連結コネクタ1である。
【0067】
本実施形態に係るL字型ブラケット連結コネクタ1を、
図3(b)、
図4(b)などのように正面付けする場合には、少なくとも凸部20の後端面20bに設けた被連結部3fに、連結部付きブラケット30の連結部3mを連結することにより、天井付けの場合と同様に、遮蔽体300を吊り下げることができる。
図3(b)、
図4(b)において、凸部20の後端面20bに連結した連結部付きブラケット30は吊下棒支持リング113であり、例えばスライダ機構を用いて、吊下棒支持リング113(連結部付きブラケット30)の上部に設けたスライダ32aを、凸部20の後端面20bに設けたスライダ挿入枠32bに挿入して連結する。
【0068】
このように、本実施形態に係るブラケット連結コネクタ1は、凸部20の後端面20bに被連結部3fが設けられており、本体10の固定面10uを天井に固定(天井付け)し、又は、壁に固定(正面付け)することができる。そして、本体10の吊下面10dと凸部20の後端面20bに設けた被連結部3fに、連結部付きブラケット30の連結部3mを連結して、連結部付きブラケット30から遮蔽体を吊り下げることができる。
【0069】
なお、本実施形態において、本体10と凸部20とに備えた被連結部3fを介して吊り下げる遮蔽体300は、ロールスクリーン320とカーテン310である。ロールスクリーン320を吊下するロールスクリーン軌道体220は、本実施形態では、天井付けの場合も正面付け場合もそのまま付け替えることなく使用できるが、天井付け用と正面付け用のロールスクリーン軌道体220を適宜使い分けてもよい。また、カーテン310を吊下するカーテン軌道体210は、本実施形態では、天井付けの場合には本体10又は凸部20の吊下面10d又は20dに連結した連結部付きブラケット30により支持し、正面付け場合には凸部20の後端面20bに連結した連結部付きブラケット30により支持する。
【0070】
以上のように、本実施形態のブラケット連結コネクタ1は、正面付けの場合には、少なくとも凸部20の後端面20bに設けた被連結部3fに、連結部付きブラケット30の連結部3mを連結することにより、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体300を吊り下げることができる。
(2.1)実施形態1(凸部が板状突起片のL字型ブラケット連結コネクタ)
【0071】
本実施形態1に係るブラケット連結コネクタ1は、本体10の吊下面10dの後端面10b側に設けた凸部20が、
図3(a)、(b)のように、板状の突起片である。この板状の突起片の凸部20は、本体10と一体成形されてもよいし、組み立て式であってもよく、その材料は特に限定されない。
【0072】
本実施形態1のブラケット連結コネクタ1は、凸部20より先端面10f側の本体10の吊下面10dに、2つの被連結部3fを備えると共に、凸部20の後端面20bに被連結部3fを備える。そして、天井付けの場合に、本体10の吊下面10dに備えた先端面10f側と凸部20側に備えた2つの被連結部3fから夫々遮蔽体300を吊り下げることができる。また、正面付けの場合には、本体10の吊下面10dに備えた先端面10f側と凸部20の後端面20bとに備えた被連結部3fから夫々遮蔽体300を吊り下げることができる。
【0073】
したがって、本実施形態1に係るブラケット連結コネクタ1は、上述のように、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体300を吊り下げることができる。
(2.2)実施形態2(凸部が直方体状のL字型ブラケット連結コネクタ)
【0074】
本実施形態2に係るブラケット連結コネクタ1は、本体10の吊下面10dの後端面10b側に設けた凸部20は、
図4(a)、(b)のように、直方体状の突起部である。そして、凸部20より先端面10f側の本体10の吊下面10dに、1つの被連結部3fを備えると共に、凸部20の吊下面20dと後端面20bとに夫々被連結部3fを備える。
【0075】
このような本実施形態2のブラケット連結コネクタ1は、天井付けの場合に、本体10の吊下面10dと凸部20の吊下面20dとに備えた被連結部3fから夫々遮蔽体300を吊下げ、正面付けの場合に、本体10の吊下面10dと凸部20の後端面20bとに備えた被連結部3fから夫々遮蔽体300を吊り下げることができる。したがって、本実施形態2に係るブラケット連結コネクタ1は、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体300を吊り下げることができる。
【実施例0076】
(分離可能なブラケット連結コネクタ)
本実施例1に係るブラケット連結コネクタ1において、上記直方体状の突起部の凸部20は、
図5(a)、(b)のように、着脱可能に設けてもよい。このような凸部20は、本体10の吊下面10dの後端面10b側に、
図10(a)~(c)に示すような連結機構を用いて取り外しすることができる。
【0077】
すなわち、本実施例1のブラケット連結コネクタ1は、スライダ機構32C(
図10(a))や爪係止機構31C(
図10(b))、ビス止め機構等の貫通固定機構33C(
図10(c))などで、凸部20を本体10の吊下面10dの後端面10b側に設け、上記本実施形態2に係るブラケット連結コネクタ1と同様に、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、複数の遮蔽体300を吊り下げることができる。
(3)連結機構の実施例
【0078】
本節では、本実発明に係るブラケット連結コネクタ1と連結部付きブラケット30とを連結する連結機構の別の態様について、以下に実施例により説明する。
本実施例2に係るブラケット連結コネクタ1は、本体10の固定面10uに設けた貫通孔33bに、釘又はビス又はネジなどの突起具33aを貫通させて固定する貫通固定機構(釘打ち機構、ビス止め機構、ネジ止め機構等)により行う。したがって、天井付け及び正面付けの何れの場合であっても、本体10の固定面10uを天井又は壁に固定し、正面付けの場合は、先端面及び後端面に沿う方向にΠ型の2枚の板をスライドさせ、カーテン310を吊り下げることができる。