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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039583
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】共振器
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/02 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
G10K11/02 140
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022209856
(22)【出願日】2022-12-27
(31)【優先権主張番号】17/941,037
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522071603
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(72)【発明者】
【氏名】スロッテ,ベネディクト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所望性能を保証する共振器を提供する。
【解決手段】共振器は、エアチャンバ1と、エアチャンバ1に連通するチューブ2を含む複数のエア通路と、を含み、エアチャンバ1とエアチャンバ1に連通するエア通路との同調により、必要な音質と低音響減衰を合理的に保持しつつ、広い周波数範囲内に高モードを割り当てることができ、共振器の周波数応答のうちの高モードによって引き起こされた共振スパイク値を減衰させて、共振器の所望性能に干渉しないようにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振器であって、
少なくとも1つのエアチャンバと、前記エアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、
前記エアチャンバは、前記エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成することを特徴とする共振器。
【請求項2】
少なくとも1つのエアチャンバに設けられる音響ポートをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項3】
前記エア通路は、チューブを含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項4】
前記チューブの横断面の形状は、円形、矩形状又は不規則な図形を含むことを特徴とする請求項3に記載の共振器。
【請求項5】
複数の前記チューブの軸線は、いずれも一方側へ屈曲することを特徴とする請求項3に記載の共振器。
【請求項6】
前記チューブの両端は、フィレット構造又はラッパ状構造を含むことを特徴とする請求項3に記載の共振器。
【請求項7】
前記エア通路は、単一のチューブの内部の仕切り部を含み、隣接する前記仕切り部の間には、1つの仕切り壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項8】
前記エア通路は、凹溝を含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項9】
前記複数のエア通路は、互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項10】
前記複数のエア通路は、第1方向に沿って配置され、前記第1方向に沿って、前記複数のエア通路の有効長さは、徐々に減少することを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項11】
前記複数のエア通路の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さとの比は、2より小さいことを特徴とする請求項10に記載の共振器。
【請求項12】
前記エア通路の有効長さは、式L=kにより計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項13】
前記エア通路の有効長さは、
により計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、Nは、前記エア通路の総数であり、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項14】
前記エア通路の有効断面積は、
により計算され、Aは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の断面積であり、kは、Lの係数であり、Nは、前記エア通路の総数であり、Aは、前記エア通路の有効断面積であり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項15】
前記係数kは、
を満たし、Nは、前記エア通路の総数であり、rは、定数であることを特徴とする請求項14に記載の共振器。
【請求項16】
前記エアチャンバは、第1面、第2面及び第3面を含み、第1面は、第2面に隣接して設けられ、第1面は、第3面に隣接して設けられ、第2面は、第3面に対向して設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第1面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第2面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第3面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項17】
前記第2面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲し、前記第3面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲することを特徴とする請求項16に記載の共振器。
【請求項18】
前記エア通路の一部は、前記エアチャンバに入り込み、又は、前記エア通路の全体は、前記エアチャンバに入り込むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項19】
前記エア通路の一端は、前記エアチャンバに連通し、前記エア通路の他端は、外部空気源に連通し、前記外部空気源は、前記エア通路、前記エアチャンバ又は音響共振器を含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器の技術分野に関し、特に共振器に関する。
【背景技術】
【0002】
共振器は、共振周波数を生成する電子部品を指し、電子共振器を含む。音響学において、共振器は、音響共振周波数を生成する構造を指し、一般的にヘルムホルツ(Helmholtz)レゾネータである。共振器は、周波数を生成する役割を有し、安定しかつノイズ耐性が良好であるという特長を持ち、様々な電子機器に広く応用されている。
【0003】
関連技術において、共振器の主(最低)共振周波数より高い周波数の如何なる共振も適切な減衰が必要であり、この場合、一般的には、音響減衰材料が共振器のエア通路又はエア容積に適用され、かつ、共振器の主共振周波数での必要な低音響減衰が保証され得ない。
【0004】
別の関連技術において、より高いモードがエア通路に現れることが回避されるように共振器のエア通路の長さを短めにするため、エア通路も小さい断面積を必要とする。すると、共振器のエア通路内のエア流量を増加させ、共振器の低音響減衰を合理的に保持することができないため、共振器の所望性能を保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに鑑みて、本発明の実施例は、共振器を提供し、本発明の実施例における共振器の設計は、共振器の所望性能を保証するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明の実施例は、共振器を提供し、少なくとも1つのエアチャンバと、前記エアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、
前記エアチャンバは、前記エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。
【0007】
好ましくは、少なくとも1つのエアチャンバに設けられる音響ポートをさらに含む。
【0008】
好ましくは、前記エア通路は、チューブを含む。
【0009】
好ましくは、前記チューブの横断面の形状は、円形、矩形状又は不規則な図形を含む。
【0010】
好ましくは、複数の前記チューブの軸線は、いずれも一方側へ屈曲する。
【0011】
好ましくは、前記チューブの両端は、フィレット構造又はラッパ状構造を含む。
【0012】
好ましくは、前記エア通路は、単一のチューブの内部の仕切り部を含み、隣接する前記仕切り部の間には、1つの仕切り壁が設けられている。
【0013】
好ましくは、前記エア通路は、凹溝を含む。
【0014】
好ましくは、前記複数のエア通路は、互いに平行である。
【0015】
好ましくは、前記複数のエア通路は、第1方向に沿って配置され、前記第1方向に沿って、前記複数のエア通路の有効長さは、徐々に減少する。
【0016】
好ましくは、前記複数のエア通路の有効長さのうち、最大の有効長さと最小との比は、2より小さい。
【0017】
好ましくは、前記エア通路の有効長さは、式L=kにより計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号である。
【0018】
好ましくは、前記エア通路の有効長さは、
により計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、Nは、前記エア通路の総数であり、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号である。
【0019】
好ましくは、前記エア通路の有効断面積は、
により計算され、Aは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の断面積であり、kは、Lの係数であり、Nは、前記エア通路の総数であり、Aは、前記エア通路の有効断面積であり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号である。
【0020】
好ましくは、前記係数kは、
を満たし、Nは、前記エア通路の総数であり、rは、定数である。
【0021】
好ましくは、前記エアチャンバは、第1面、第2面及び第3面を含み、第1面は、第2面に隣接して設けられ、第1面は、第3面に隣接して設けられ、第2面は、第3面に対向して設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第1面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第2面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第3面に設けられている。
【0022】
好ましくは、前記第2面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲し、前記第3面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲する。
【0023】
好ましくは、前記エア通路の一部は、前記エアチャンバに入り込み、又は、前記エア通路の全体は、前記エアチャンバに入り込む。
【0024】
好ましくは、前記エア通路の一端は、前記エアチャンバに連通し、前記エア通路の他端は、外部空気源に連通し、前記外部空気源は、前記エア通路、前記エアチャンバ又は音響共振器を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例に関わる技術案において、共振器は、少なくとも1つのエアチャンバと、エアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバとエアチャンバに連通するエア通路との同調により、必要な音質と低音響減衰を合理的に保持しつつ、広い周波数範囲内に高モードを割り当てることができ、共振器の周波数応答のうちの高モードによって引き起こされた共振スパイク値を減衰させて、共振器の所望性能に干渉しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下に実施例に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は、本発明のいくつかの実施例だけであり、当業者にとって、創造的労働をしない前提で、更にこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
図1】関連技術に関わる共振器の構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例に関わる共振器の構成を示す模式図である。
図3図2におけるエア通路のA-A’方向の断面図である。
図4】本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図である。
図5】本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図である。
図6図4又は図5における空気通路のB-B’方向の断面図である。
図7】本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図である。
図8】本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図である。
図9】本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図である。
図10】関連技術に関わる共振器の応用模式図である。
図11】関連技術に関わる別の共振器の応用模式図である。
図12】本発明の実施例に関わる共振器の応用模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0028】
説明した実施例は、すべての実施例ではなく、本発明の実施例の一部にすぎないことは、明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに得ることができる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0029】
本発明の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明することのみを目的とし、本発明を限定することを意図しない。本発明の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1種」、「前記」及び「当該」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことも意図される。
【0030】
理解すべきことは、本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するだけであり、3種類の関係が存在してもよく、例えば、甲及び/又は乙は、以下の関係を表すことができ、甲が単独で存在し、同時に甲と乙が存在し、乙が単独で存在するという3種類の状況が存在する。なお、ここで符号「/」とは、一般に、前後関連オブジェクトが「又は」の関係であることを意味する。
【0031】
関連技術における共振器の多くの構造は、エア通路を所望の共振器が動作するオーディオ周波数範囲内で音質として表現することが望ましい。しかし、音声の波長は、周波数に伴って低下するため、より高い周波数に達すると、このようなエア通路の表現は、純粋な音質ではなく、当該周波数で、エア通路の軸方向の長さ(すなわち音声伝播方向での長さ)に比べて、音声の波長は、もはや減少しない。追加の縦方向音響共振は、波長のいくつかの分数倍(例えば1/2、1、3/2、…)とエア通路の長さが一致する周波数で発生する。これらの高い縦モードの確実な周波数は、エア通路に接続された音響構造に依存し、所定の周波数の上に複数の縦モードが規則的又はほぼ規則的な間隔で出現し、より高いモードは、一般的に、共振器を含む構造の周波数応答に悪影響を与える。
【0032】
図1は、関連技術に関わる共振器の構成を示す模式図であり、図1に示すように、当該共振器は、エアチャンバ1とエアチャンバ1に連通するチューブ2を含み、エアチャンバ1とチューブ2とが同調して、音響共振を生成する。一般的には、長さが短くかつ断面積が小さいチューブ2を用いてエアチャンバ1に連通し、その結果、共振器内の空気流速が速くなり、他のいくつかのアーチファクトのリスクを増加させ、特にチューブ2の内部又はチューブ2の外部で生成された常時音を増加させ、流速に伴って音響抵抗の過度の変動による非線形歪みを引き起こし、それにより共振器における主共振を減衰させ、共振器の低音響減衰も保証されなく、さらに共振器の所望性能を保証することができない。
【0033】
関連技術における技術課題を解決するために、本発明の実施例は、共振器を提供する。図2は、本発明の実施例に関わる共振器の構成を示す模式図であり、図2に示すように、当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1とエアチャンバ1に連通する複数のエア通路を含み、エアチャンバ1は、エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。
【0034】
本発明の実施例おいて、図2に示すように、共振器は、1つのエアチャンバ1を含む。エアチャンバ1の内部は、中空構造を呈し、かつエアチャンバ1は、外部空気に連通してもよく、外部空気に連通していなくてもよく、エアチャンバ1は、外部空気に連通すると、エアチャンバ1は、エア通路のみである。エアチャンバ1は、複数の側壁11を有していてもよい。選択可能な解決手段として、エアチャンバ1は、立方体構造を含み、当該エアチャンバ1の側壁11の数は、6つであってもよく、又は、当該エアチャンバ1の側壁11の数は、6つより小さくてもよく、例えば、5つである。1つ又は複数側壁11にエア通路が設けられる。
【0035】
本発明の実施例において、エア通路は、チューブ2を含むことができる。当該共振器は、複数のチューブ2を含み、複数のチューブ2は、いずれもエアチャンバ1に連通する。図2に示すように、例示的に、複数のチューブ2は、いずれも1つの側壁11に設けられる。
【0036】
本発明の実施例において、複数のエア通路は、互いに平行である。図2に示すように、空気通路がチューブ2を含む場合、複数のチューブ2は、互いに平行に配置される。複数のチューブ2は、一行複数列又は複数行複数列に配置することができ、図2に示すように、複数のチューブ2は、一行複数列に設けられる。複数のチューブ2の間は、間隔を隔てて設けられ、隣接する2つのチューブ2の間の間隔が同じであってもよく異なってもよく、図2に示すように、例示的に、隣接する2つのチューブ2の間の間隔が同じであり、換言すれば、複数のチューブ2は、互いに等間隔で設けられる。
【0037】
選択可能な解決手段として、複数のチューブ2は、平行でなくてもよく、例えば、複数のチューブ2同士は、発散状に設けられ、このような状況は、具体的に描かれない。
【0038】
チューブ2の数は、複数であってもよい。本発明の実施例において、チューブ2の数は、実際の状況に応じて設定することができ、ここで、チューブ2の数は、共振器の利用可能な空間、利用可能なサイズ及び要求性能等に依存して設定することができる。図2に示すように、4つのチューブ2を例として説明し、4つのチューブ2は、互いに平行であり、かつ等間隔で設けられる。
【0039】
本発明の実施例において、複数のチューブ2の横断面の形状は、同じであってもよく異なってもよく、例えば、全てのチューブ2の横断面の形状が同じであり、又は、部分のチューブ2の横断面の形状が同じであり、又は、各チューブ2の横断面の形状がいずれも同じではない。
【0040】
チューブ2の横断面の形状は、実際の必要に応じて設けられる。図3は、図2におけるエア通路のA-A’方向の断面図であり、図3に示すように、チューブ2の横断面の形状は、円形である。選択可能な解決手段として、チューブ2の断面の形状は、矩形状、六角形、楕円形又は不規則な図形など他の形状をさらに含むことができる。
【0041】
本発明の実施例において、エア通路の一端23は、エアチャンバ1に連通し、エア通路の他端24は、閉鎖されるか又は開放される。図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、チューブ2の一端23は、エアチャンバ1に連通し、チューブ2の他端24が閉鎖されるか又は開放される。ここで、チューブ2の一端23は、エアチャンバ1に連通する一端であり、チューブ2の他端24は、エアチャンバ1から離れた一端である。
【0042】
選択可能な解決手段として、エア通路の一端は、1つのエアチャンバに連通し、エア通路の他端は、外部空気源に連通する。外部空気源は、エア通路、エアチャンバ又は音響共振器を含む。外部空気源がエア通路を含み、エア通路がチューブを含む場合、チューブの一端がエアチャンバに連通し、チューブの他端が他のエアチャンバに連通し、即ちチューブの両端にそれぞれ1つのエアチャンバが接続され、チューブが2つのエアチャンバに接続され、このような状況が具体的に示されない。
【0043】
本発明の実施例において、複数のエア通路は、第1方向に沿って配列され、複数のエア通路の有効長さは、第1方向に沿って徐々に減少する。図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、複数のチューブ2が第1方向に沿って配列され、複数のチューブ2の有効長さは、第1方向に沿って徐々に減少する。
【0044】
本発明の実施例において、第1方向に沿って、いずれかのエア通路の有効長さと次のエア通路の有効長さとの比は、1より大きくかつ2以下である。図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、第1方向に沿って、いずれかのチューブ2の有効長さと次のチューブ2の有効長さとの比は、2を含む。選択可能な解決手段として、いずれかのチューブ2の有効長さと次のチューブ2の有効長さとの比は、1より大きくかつ2より小さいことができる。
【0045】
本発明の実施例において、複数のエア通路の有効長さと次のエア通路の有効長さとの比は、いずれも同じであり、部分が同じであるか又はいずれも異なる。エア通路がチューブを含む場合、複数のチューブの有効長さと次のチューブの有効長さとの比は、いずれも同じであり、一部が同じであるか又はいずれも異なる。図2に示すように、複数のチューブ2の有効長さと次のチューブ2の有効長さとの比は、いずれも同じである。
【0046】
本発明の実施例において、複数のエア通路の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さとの比は、2より小さい。図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、複数のチューブ2の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さとの比は、2より小さい。
【0047】
本発明の実施例において、エア通路の有効長さは、式(1)により算出され、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のチューブ2の長さであり、kは、Lの係数であり、Lは、チューブ2の有効長さであり、nは、第1方向に沿ったチューブ2の記号である。
=k (1)
【0048】
本発明の実施例において、エア通路の有効断面積は、式(2)により算出され、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、Aは、所要の音質の実現に対応する単一のチューブ2の断面積であり、kは、Lの係数であり、Nは、チューブ2の総数であり、Aは、チューブ2の有効断面積であり、nは、第1方向に沿ったチューブ2の記号である。
【0049】
本発明の実施例において、係数kは、式(3)により算出され、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、Nは、チューブ2の総数であり、rは、定数である。
【0050】
本発明の実施例において、第1方向に沿うエア通路の記号nの値の範囲は、1以上N以下を含む。図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、チューブ2の総数は、4であり、第1方向に沿ったチューブ2に対して順に記号を付け、第1方向に沿ったチューブ2の記号は、順に1、2、3、4であり、すなわちnは、1、2、3又は4である。
【0051】
本発明の実施例において、定数rの値の範囲は、1より大きくかつ2以下である。いくつかの最高モードによって引き起こされたフォルマントの高さを低減することに寄与するが、代価として、低モードをさらに減らす。
【0052】
エア通路の有効長さ及び有効断面積は、式(1)~式(3)により決定することができる。選択可能な解決手段として、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、計算されたチューブ2の有効長さとチューブ2の有効断面積を僅かに拡大することができ、それにより複数のチューブ2を使用することによる生成された音響抵抗の僅かな増加を補償する。
【0053】
より簡単な機械的実現を確保するために、各エア通路の横断面がいずれも同じである場合、式(2)のように横断面をスケーリングすることではない。選択可能な解決手段として、エア通路の有効長さは、式(4)により算出され、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のチューブ2の長さであり、kは、Lの係数であり、Nは、チューブ2の総数であり、Lは、チューブ2の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号である。図2において、チューブ2の総数は、4であり、すなわちNは、4である。
【0054】
本発明の実施例において、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、チューブ2の有効長さとチューブ2の有効断面積は、式(1)から式(4)で近似的に決定することができ、かつチューブ2の横断面の形状及び他の制約に基づいて、チューブ2の有効長さとチューブ2の有効断面積を僅かに調整することができる。
【0055】
本発明の実施例において、図2に示すように、エア通路がチューブ2を含む場合、チューブ2の総数Nを自由に選択することができ、Nの数が小さいと、Nの数が多いほど高モードを効果的に再割り当ておよび減衰することができず、しかし、数が多いと各チューブ2の個々の面積が小さくなるため、徐々に音響減衰が大きくなり、必要な音響共振器の所望の主共振を減衰することになる。
【0056】
本発明の実施例に関わる技術案において、共振器は、少なくとも1つのエアチャンバとエアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバとエアチャンバに連通するエア通路との同調により、必要な音質と低音響減衰を合理的に保持しつつ、広い周波数範囲内に高モードを割り当てることができ、共振器の周波数応答のうちの高モードによって引き起こされた共振スパイク値を減衰させて、共振器の所望性能に干渉しないようにすることができる。
【0057】
本発明の実施例に関わる技術案において、共振器の構造は、理想的な主共振周波数と高モードの低減効果を保証し、関連技術においてより短い又は狭いエア通路による引き起こされる非線形歪み問題を解決する。
【0058】
本発明の実施例に関わる技術案において、分離されたエア通路の一端又は両端の気流は、自然により大きい距離に沿って分布し、全ての端点に分布するわけではない。エア通路が狭い又は幾何学形状の複雑な空気空間に接続される場合に有利であり、そうでなければ、常時音又は他のアーチファクトを引き起こさない状況で、単一のエア通路からの大流量を収容しにくい。
【0059】
本発明の実施例に関わる技術案において、任意の所定のエア通路の長さにいずれも断続的ではない。このようにして、常時音が発生する可能性があるという問題を回避することができ、単一のエア通路にエッジが出現する平行な共振器などが取り付けられると、このような問題を引き起こす可能性がある。
【0060】
本発明は、の実施例は、別の共振器を提供する。図4は、本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図であり、図4に示すように、当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1とエアチャンバ1に連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバ1は、エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。
【0061】
本発明の実施例おいて、図4に示すように、共振器は、1つのエアチャンバ1を含む。エアチャンバ1の内部は、中空構造を呈し、かつエアチャンバ1は、外部空気に連通してもよく、外部空気に連通していなくてもよく、エアチャンバ1は、外部空気に連通すると、エアチャンバ1は、エア通路のみである。エアチャンバ1は、複数の側壁11を有していてもよい。選択可能な解決手段として、エアチャンバ1は、立方体構造を含み、当該エアチャンバ1の側壁11の数は、6つであってもよく、又は、当該エアチャンバ1の側壁11の数は、6つより小さくてもよく、例えば、5つである。1つ又は複数側壁11にエア通路が設けられる。
【0062】
本発明の実施例において、エア通路は、チューブ2を含むことができる。当該共振器は、複数のチューブ2を含み、複数のチューブ2は、いずれもエアチャンバ1に連通する。図4に示すように、例示的に、複数のチューブ2は、いずれも1つの側壁11に設けられる。選択可能な解決手段として、複数のチューブ2は、異なる側壁11に設けられてもよく、このような状況は、具体的に描かれない。
【0063】
本発明の実施例において、図4に示すように、エア通路は、単一のチューブ2の内部の仕切り部21を含み、隣接する仕切り部21の間に仕切り壁22が設けられる。
【0064】
本発明の実施例において、図4に示すように、チューブ2は、仕切り壁22により複数の仕切り部21に分割されてもよく、複数の仕切り部21は、一行複数列又は複数行複数列に設けられてもよい。隣接する仕切り部21の間に薄い隔壁22しかない。
【0065】
選択可能な解決手段として、図5は、本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図であり、図5に示すように、仕切り壁22は、チューブ2を支持する外壁25に用いられ、例えば、チューブ2の外壁25は、プラスチックフィルム又はプラスチックフィルム類似体を含むことができる。
【0066】
本発明の実施例において、複数のエア通路の間は、平行に設けられる。エア通路は、仕切り部21を含む場合、複数の仕切り部21の間は、平行に設けられる。図4に示すように、エア通路は、チューブ2の内部の仕切り部21を含む場合、複数の仕切り部21は、一行複数列に設けられる。
【0067】
選択可能な解決手段として、複数の仕切り部の間は、平行でなくてもよく、例えば、複数の仕切り部の間は、発散状に設けられ、このような状況は、具体的に描かれない。
【0068】
仕切り部21の数は、複数であってもよい。図4に示すように、1つのチューブ2は、4つの仕切り部21を含み、4つの仕切り部21を例として説明し、4つの仕切り部21の間は、平行である。
【0069】
本発明の実施例において、選択可能な解決手段として、複数の仕切り部21の横断面の形状は、同じであってもよい。
【0070】
本発明の実施例において、仕切り部21の横断面の形状は、必要に応じて設置することができる。図6は、図4又は図5におけるエア通路のB-B’方向の断面図であり、図6に示すように、仕切り部21の横断面の形状は、矩形状を含む。選択可能な解決手段として、仕切り部21の横断面の形状は、他の形状をさらに含むことができ、例えば、円形、六角形又は楕円形である。
【0071】
本発明の実施例において、エア通路の一端23は、エアチャンバ1に連通し、エア通路の他端24は、閉鎖されるか又は開放される。図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、仕切り部21の一端23がエアチャンバ1に連通し、仕切り部21の他端24が閉鎖されるか又は開放される。ここで、仕切り部21の一端23は、エアチャンバ1に連通する一端であり、仕切り部21の他端24は、エアチャンバ1から離れた一端である。
【0072】
選択可能な解決手段として、エア通路の一端は、1つのエアチャンバに連通し、エア通路の他端は、他の外部空気源に連通する。外部空気源は、エア通路、エアチャンバ又は音響共振器を含む。外部空気源がエア通路を含み、エア通路が仕切部を含む場合、仕切り部の一端がエアチャンバに連通し、仕切り部の他端が他のエアチャンバに連通し、即ち仕切り部の両端にそれぞれ1つのエアチャンバが接続され、仕切り部が2つのエアチャンバに接続され、このような状況が具体的に描かれない。
【0073】
本発明の実施例において、複数のエア通路は、第1方向に沿って配列され、複数のエア通路の有効長さは、第1方向に沿って徐々に減少する。図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、複数の仕切り部21は、第1方向に沿って配列され、複数の仕切り部21の有効長さは、第1方向に沿って徐々に減少する。
【0074】
本発明の実施例において、第1方向に沿って、いずれかのエア通路の有効長さと次のエア通路の有効長さとの比は、1より大きくかつ2以下である。図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、第1方向に沿って、いずれかの仕切り部21の有効長さと次の仕切り部21の有効長さとの比は、2を含む。選択可能な解決手段として、いずれかの仕切り部21の有効長さと次の仕切り部21の有効長さとの比は、1より大きくかつ2より小さいことができる。
【0075】
本発明の実施例において、複数のエア通路の有効長さと次のエア通路の有効長さとの比は、いずれも同じであり、部分が同じであるか又はいずれも異なる。エア通路が仕切り部を含む場合、複数の仕切り部の有効長さと次の仕切り部の有効長さとの比は、いずれも同じであり、部分が同じであるか又はいずれも異なる。図4に示すように、複数の仕切り部21の有効長さと次の仕切り部21の有効長さとの比は、いずれも同じである。
【0076】
本発明の実施例において、仕切り部21の有効長さは、仕切り部21の数に依存し、仕切り部21の有効長さと次の仕切り部21の有効長さとの比は、仕切り部21の数に依存する。
【0077】
本発明の実施例において、複数のエア通路の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さの比は、2より小さい。図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、複数の仕切り部21の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さとの比は、2より小さい。
【0078】
本発明の実施例において、エア通路の有効長さは、式(1)により算出され、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、Lは、所要の音質の実現に対応する単一仕切り部21の長さであり、kは、Lの係数であり、Lは、仕切り部21の有効長さであり、nは、第1方向に沿う仕切り部21の記号である。
=k (1)
【0079】
本発明の実施例において、エア通路の有効断面積は、式(2)により算出され、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、Aは、所要の音質の実現に対応する単一の仕切り部21の断面積であり、kは、Lの係数であり、Nは、仕切り部21の総数であり、Aは、仕切り部21の有効断面積であり、nは、第1方向に沿った仕切り部21の記号である。
【0080】
本発明の実施例において、係数は、式(3)により算出され、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、Nは、仕切り部21の総数であり、rは、定数である。
【0081】
本発明の実施例において、第1方向に沿うエア通路の記号nの値の範囲は、1以上N以下を含む。図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、仕切り部21の総数は、4であり、第1方向に沿った仕切り部21に対して順に記号を付け、第1方向に沿った仕切り部の記号は、順に1、2、3、4であり、すなわちnは、1、2、3又は4である。
【0082】
本発明の実施例において、定数rの値の範囲は、1より大きくかつ2以下であり、一般的に定数rは、2に等しい。rが1より大きくかつ2より小さい場合、いくつかの最高モードによって引き起こされたフォルマントの高さを低減することに寄与するが、代価として、低モードをさらに減らす。
【0083】
エア通路の有効長さ及び有効断面積は、式(1)~式(3)により決定することができる。選択可能な解決手段として、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、計算された仕切り部21の有効長さと仕切り部21の有効断面積を僅かに拡大することができ、それにより複数の仕切り部21を使用することによる生成された音響抵抗の僅かな増加を補償する。
【0084】
より簡単な機械的実現を確保するために、各エア通路の横断面がいずれも同じである場合、式(2)のように横断面をスケーリングすることでは、ない。選択可能な解決手段として、エア通路の有効長さは、式(4)により算出され、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、Lは、所要の音質の実現に対応する単一の仕切り部21の長さであり、kは、Lの係数であり、Nは、仕切り部21の総数であり、Lは、仕切り部21の有効長さである。図4において、仕切り部21の総数は、4であり、すなわちNは、4である。
【0085】
本発明の実施例において、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、仕切り部21の有効長さと仕切り部21の有効断面積は、式(1)から式(4)で近似的に決定することができ、かつ仕切り部21の横断面の形状及び他の制約に基づいて、仕切り部21の有効長さ及び仕切り部21の有効断面積を僅かに調整することができる。
【0086】
本発明の実施例において、図4に示すように、エア通路が仕切り部21を含む場合、仕切り部21の総数Nを自由に選択することができ、Nの数が小さいと、Nの数が多いほど高モードを効果的に再割り当ておよび減衰することができず、しかし、数が多いと各チューブ2の個々の面積が小さくなるため、徐々に音響減衰が大きくなり、必要な音響共振器の所望の主共振を減衰することになる。
【0087】
選択可能な解決手段として、図7は、本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図であり、図7に示すように、当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1とエアチャンバ1に連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバ1は、エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1に設けられる音響ポート3をさらに含む。
【0088】
本発明の実施例において、エア通路は、チューブ2を含む。
【0089】
選択可能な解決手段として、複数のチューブ2は、異なる側壁11に設けられ、図7に示すように、エアチャンバ1は、複数の側面11を含み、例えば、複数の側壁11は、第1面111、第2面112及び第3面113を含み、ここで、第1面111は、第2面112に隣接して設けられ、第1面111は、第3面113に隣接して設けられ、第2面112は、第3面113に対向して設けられ、複数のエア通路のうちの一部のエア通路は、第1面111に設けられ、複数のエア通路のうちの一部のエア通路は、第2面112に設けられ、複数のエア通路のうちの一部のエア通路は、第3面113に設けられる。例えば、第2面112に設けられるチューブ2は、第1面111に設けられるチューブ2の延在方向へ屈曲し、第3面113に設けられるチューブ2は、第1面111に設けられるチューブ2の延在方向へ屈曲する。
【0090】
本発明の実施例において、エア通路の一部は、エアチャンバに入り込み、又は、エア通路の全体は、エアチャンバに入り込む。このような状況は、具体的に描かれない。
【0091】
本発明の実施例において、チューブ2の外端に接続された外層空間が非常に狭く、十分な空気流動空間を提供することができないと、図7に示すように、複数のチューブ2を設置することが有益である。
【0092】
選択可能な解決手段として、図8は、本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図であり、図8に示すように、当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1とエアチャンバ1に連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバ1は、エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1に設けられる音響ポート3をさらに含む。
【0093】
本発明の実施例において、エア通路は、チューブ2を含む。
【0094】
本発明の実施例において、チューブ2の軸線は、任意の形状に屈曲していてもよい。図8に示すように、複数のチューブ2の軸線は、いずれも一方側へ屈曲し、複数の屈曲したチューブ2は、側壁11に設けられる。ここで、複数のチューブ2の入口が側壁11に近づく側に集合することにより、複数のチューブ2の入口が接続され、複数のチューブ2の出口が側壁11から遠ざかる側に集合することにより、複数のチューブ2の出口が接続され、複数のチューブ2の中間部分は、間隔を隔てて設けられる。
【0095】
本発明の実施例において、チューブの形状は、スパイラル、直管形又は部分直管形であってもよい。
【0096】
本発明の実施例において、チューブの両端は、フィレット構造又はラッパ状構造を含み、このような状況は、具体的に描かれない。
【0097】
選択可能な解決手段として、図9は、本発明の実施例に関わる別の共振器の構成を示す模式図であり、図9に示すように、当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1とエアチャンバ1に連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバ1は、エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成する。当該共振器は、少なくとも1つのエアチャンバ1に設けられる音響ポート3をさらに含む。
【0098】
本発明の実施例において、チューブ2の軸線は、いずれも任意の形状に屈曲することができる。図9に示すように、複数のチューブ2の軸線は、いずれも一方側へ屈曲し、複数の屈曲したチューブ2は、側壁11に設けられる。ここで、複数のチューブ2の入口が側壁11に近づく側に集合することにより、複数のチューブ2の入口が接続され、複数のチューブ2の出口が側壁11から遠ざかる側集合することにより、複数のチューブ2の出口が接続され、複数のチューブ2の中間部分は、間隔を隔てて設けられる。エア通路がチューブ2を含む場合、チューブ2の一端がエアチャンバ1に連通し、チューブ2の他端が外部空気源4に連通する。
【0099】
本発明の実施例において、外部空気源は、エア通路、エアチャンバ又は音響共振器を含む。
【0100】
本発明の実施例において、外部空気量は、電子機器内の内部空気量を表すことができる。電子機器間の空間の空気カバーと全ての内部アセンブリは、通常非常に複雑である。複数のチューブを空間の各部分に接続することができれば、それらが発生する音圧は、共振器の空気が収縮する空間をより効果的に結合することができ、音質を向上させることもできる。
【0101】
本発明の実施例に関わる技術案において、共振器は、少なくとも1つのエアチャンバとエアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバとエアチャンバに連通するエア通路との同調により、必要な音質と低音響減衰を合理的に保持しつつ、広い周波数範囲内に高モードを割り当てることができ、共振器の周波数応答のうちの高モードによって引き起こされた共振スパイク値を減衰させて、共振器の所望性能に干渉しないようにすることができる。
【0102】
本発明の実施例に関わる技術案において、仕切られたエア通路の一端又は両端の気流は、自ずとより大きい距離に沿って分布し、全ての端点に分布するわけではない。エア通路が狭い又は幾何学形状の複雑な空気空間に接続される場合に有利であり、そうでなければ、常時音又は他のアーチファクトを引き起こさない状況で、単一のエア通路からの大流量を収容しにくい。
【0103】
本発明の実施例に関わる技術案において、任意の所定のエア通路の長さにいずれも断続的ではない。このようにして、常時音が発生する可能性があるという問題を回避することができ、単一のエア通路にエッジが出現する平行な共振器などが取り付けられると、このような問題を引き起こす可能性がある。本発明の実施例に関わる技術案により、径方向モードをより高い周波数に移動することができる。
【0104】
本発明の実施例は、別の共振器を提供する。本実施例における共振器と上記共振器の実施例との違いは、エア通路は、凹溝を含む。具体的な説明は、上記共振器の実施例を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。本実施例において、凹溝の材料は、剛性材料を含む。選択可能な解決手段として、凹溝は、他の共振器の部材又は粘着剤に被覆され、このような状況は、具体的に描かれない。
【0105】
本発明の実施例において、上記図2図4図7図8又は図9に供される実施例における共振器の共振器は、いずれも1つのスピーカにより駆動される。しかし、本発明の実施例に関わる共振器は、スピーカの代わりに別の共振器によって駆動されてもよい。
【0106】
本発明の実施例において、チューブは、音響ポートとして、又は、音響ポートの一部とすることができ、このようなチューブは、バンドパススピーカ構造に設置することができ、それにより音響ポートを通常より低い周波数に同調することができる。
【0107】
本発明の実施例において、長いチューブを使用する必要がある全ての構造において優位性を提供することができ、チューブが長すぎると、音響波長と比較して1つ又は1つ以上の不必要な追加共振をもたらし、それらのより高い音響モデルにより、長いチューブは、一般的にエアチャンバと結合され、かつヘルムホルツレゾネータとして動作する。本発明の実施例において、ヘルムホルツレゾネータの長いチューブではなく、1本のチューブの代わりに1組のチューブを用いて音質として優位性を提供する。
【0108】
図10は、関連技術に関わる共振器の応用模式図であり、図10は、関連技術における共振器がより高いモードにある時のシミュレーション画像を示し、図10に示すように、パターンの右半部分が4つのスパイクに分けられ、スパイクでの音圧レベルが大きいと、共振器での損失がより大きいことを示し、それによりスパイクでの減衰がより大きい。関連技術において、これらの高い周波数の共振が音響構造に干渉し、それにより共振器の所望性能を保証することができない。
【0109】
例えば、カットオフ周波数に1つだけの共振を持つ音響のローパス又はバンドパスフィルタ効果が期待されるが、縦モード(図7に示すスパイク)が追加されているため、他の意図しないアーチファクトとともに、通過する可能性のある高い周波数のある狭い範囲も存在することによる。
【0110】
図11は、関連技術に関わる別の共振器の応用模式図であり、図11は、音響ダンピングを図10のシミュレーション結果に応用し、音響ダンピングをエア通路の一端に添加すると、図11において主共振のダンピングが明らかに高くなり、主共振を減衰し、それにより共振器の所望性能を保証することができない。
【0111】
図12は、本発明の実施例に関わる共振器の応用模式図であり、図12は、本発明の実施例を図10に応用したシミュレーション結果を示し、図12に示す共振器のエア通路の総数は、6であり、すなわち6つの平行なチューブ、仕切り部又は凹溝であり、定数rは、1.8である。
【0112】
図12に示すように、高モードは、大幅に減衰され、1000Hzよりわずかに高い主共振に小さい影響を与えるだけである。図10に比べて、図12におけるパターンの右半部分の1000Hzよりわずかに高い複数のスパイクの音圧レベルが小さく、共振器での損失がより小さいことを示し、それによりスパイクでの減衰がより小さく、それにより共振器の所望性能を保証することができる。図10又は図11に示す径方向モードに比べて、図12における径方向モードがより高い周波数に移動され、それにより共振器の所望性能を保証することができる。
【0113】
本発明の実施例は、電子機器を提供し、電子機器は、マイクロ電子デバイスで構成された電気機器を含み、例えば、スピーカボックス、イヤホン、コンピュータ又は腕時計である。
【0114】
本発明の実施例に関わる電子機器は、上記図2図4図7図8又は図9に関わる実施例における共振器を含み、具体的な説明は、上記共振器の実施例を参照することができ、ここで繰り返して説明しない。
【0115】
本発明の実施例に関わる技術案において、共振器は、少なくとも1つのエアチャンバとエアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、エアチャンバとエアチャンバに連通するエア通路との同調により、必要な音質と低音響減衰を合理的に保持しつつ、広い周波数範囲内に高モードを割り当てることができ、共振器の周波数応答のうちの高モードによって引き起こされた共振スパイク値を減衰させて、共振器の所望性能に干渉しないようにすることができる。
【0116】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振器であって、
少なくとも1つのエアチャンバと、前記エアチャンバに連通する複数のエア通路とを含み、
前記エアチャンバは、前記エア通路と同調することにより、1つ又は複数の音響共振を生成し、
前記複数のエア通路は、第1方向に沿って配置され、前記第1方向に沿って、前記複数のエア通路の有効長さは、徐々に減少し、
前記複数のエア通路の有効長さのうち、最大の有効長さと最小の有効長さとの比は、2より小さい
ことを特徴とする共振器。
【請求項2】
少なくとも1つのエアチャンバに設けられる音響ポートをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項3】
前記エア通路は、チューブを含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項4】
前記チューブの横断面の形状は、円形、矩形状又は不規則な図形を含むことを特徴とする請求項3に記載の共振器。
【請求項5】
複数の前記チューブの軸線は、いずれも一方側へ屈曲することを特徴とする請求項3に記載の共振器。
【請求項6】
前記チューブの両端は、フィレット構造又はラッパ状構造を含むことを特徴とする請求
項3に記載の共振器。
【請求項7】
前記エア通路は、単一のチューブの内部の仕切り部を含み、隣接する前記仕切り部の間
には、1つの仕切り壁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項8】
前記複数のエア通路は、互いに平行であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項9】
前記エア通路の有効長さは、式L=kにより計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、且つ
を満たし、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であり、Nは、前記エア通路の総数であり、rは、1より大きくかつ2以下の定数であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項10】
前記エア通路の有効長さは、
により計算され、Lは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の長さであり、kは、Lの係数であり、且つ
を満たし、Nは、前記エア通路の総数であり、Lは、前記エア通路の有効長さであり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であり、rは、1より大きくかつ2以下の定数であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項11】
前記エア通路の有効断面積は、
により計算され、Aは、所要の音質の実現に対応する単一のエア通路の断面積であり、kは、Lの係数であり、且つ
を満たし、Nは、前記エア通路の総数であり、Aは、前記エア通路の有効断面積であり、nは、第1方向に沿った前記エア通路の記号であり、rは、1より大きくかつ2以下の定数であることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項12】
前記エアチャンバは、第1面、第2面及び第3面を含み、第1面は、第2面に隣接して設けられ、第1面は、第3面に隣接して設けられ、第2面は、第3面に対向して設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第1面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第2面に設けられ、複数の前記エア通路のうちの一部の前記エア通路は、前記第3面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項13】
前記第2面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲し、前記第3面に設けられる前記エア通路は、前記第1面に設けられるエア通路の延在方向へ屈曲することを特徴とする請求項12に記載の共振器。
【請求項14】
前記エア通路の一部は、前記エアチャンバに入り込み、又は、前記エア通路の全体は、前記エアチャンバに入り込むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。
【請求項15】
前記エア通路の一端は、1つの前記エアチャンバに連通し、前記エア通路の他端は、外部空気源に連通し、前記外部空気源は、前記エア通路、他の前記エアチャンバ又は音響共振器を含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器。