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  • 特開-歯科補綴物を製造する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039618
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】歯科補綴物を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/00 20060101AFI20240314BHJP
   A61C 13/08 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A61C13/00 Z
A61C13/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023137593
(22)【出願日】2023-08-25
(31)【優先権主張番号】22194872.2
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596032878
【氏名又は名称】イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100064012
【弁理士】
【氏名又は名称】浜田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】ガスナー,セバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】マティス,ニーナ
(72)【発明者】
【氏名】ティーフェンターラー,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ファビアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歯科補綴物の製造を単純化する製造方法を提供する。
【解決手段】製造すべき最終形状に比べて超過体積を有する初期形状で歯科補綴物100を作成し、前記初期形状に埋没材105を浸透させ、最終形状101-2を形成するために前記超過体積を埋没材と共に除去する、ステップを有してなる、歯科補綴物を製造する方法。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造すべき最終形状(101-2)に比べて超過体積(103)を有する初期形状(101-1)で歯科補綴物(100)を作成し(S101);
前記初期形状(101-1)に埋没材(105)を浸透させ(S102);
最終形状(101-2)を形成するために前記超過体積(103)を埋没材(105)と共に除去する(S103)、ステップを有してなる
歯科補綴物(100)を製造する方法。
【請求項2】
埋没材(105)を硬化させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
最終形状の形成および/または超過体積(103)の除去に際して切削残留物が吸引、ブラシ洗浄、あるいは空気洗浄される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
超過体積(103)が均一な厚みを有する一層から形成される請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
初期形状(101-1)が印刷あるいはフライス削りによってブランク(107)から製造されるか、および/または超過体積(103)がサブトラクティブ工法によって製造される請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ブランク(107)が二酸化ジルコニウム、ポリメチルメタクリレート、珪酸リチウム、またはコバルトクロムから形成される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
埋没材(105)が初期形状(101-1)とブランク(107)の間のフライス削りされた間隙内に充填される請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
埋没材(105)を浸透させる初期形状(101-1)の一部分をまず製造し、その後埋没材(105)を浸透させる初期形状(101-1)の別の部分を製造する請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
埋没材(105)がポリマー、光硬化性ポリマー、ワックス、または界面活性剤によって形成される請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
歯科補綴物(100)を加熱することによって埋没材(105)が除去される請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
製造すべき最終形状(101-2)に対して超過体積(103)を有する初期形状(101-1)において歯科補綴物(100)を形成するための成形装置(111)と;
前記初期形状(101-1)内に埋没材(105)を浸透させるための浸透装置(113)と;
最終形状(101-2)を形成するために前記超過体積(103)を埋没材(105)と共に除去するための除去装置(115)を有してなる
歯科補綴物(100)を製造するための製造装置(200)。
【請求項12】
製造装置(200)が埋没材(105)を硬化させるため硬化装置(117)を備える請求項11に記載の製造装置(200)。
【請求項13】
硬化装置が埋没材(105)を硬化させるための光源(117)を備える請求項12に記載の製造装置(200)。
【請求項14】
製造装置(200)が埋没材(105)を除去するための加熱装置(121)を備える請求項11ないし13のいずれかに記載の製造装置(200)。
【請求項15】
成形装置(111)がフライス装置を含む請求項11ないし14のいずれかに記載の製造装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯科補綴物を製造する方法、ならびに歯科補綴物を製造する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科補綴物は、ブランクから製造することができる。フライス加工プロセスの終了後に歯科補綴物が保持バーを介してブランクと結合されている。保持バーの削減は、不安定なブランクへの結合につながる。歯科補綴物をブランクから除去するための手動の後処理には、時間と習熟度が必要とされる。さらに、歯科補綴物の手動の後処理によって幾何形状が不要に変更される問題が発生する。溶融したワックスを使用する歯科補綴物の手動の固定には、時間と労力が必要である。表面処理も時間を要し、手動のプロセスにおいては使用者のスキルに結果が依存する。加えて、設計指標によって歯科補綴物の形状に関して使用者が制約され、調節された加工パラメータによっても部分的にしか目標を達成することができない。
【0003】
ブラシを使用する洗浄は労力を要する。他方で、洗浄効果が十分に高いものであるどうかの判断も困難である。焼成によって単純に除去することができる埃は、しばしば焼成後も目視可能である。歯科補綴物の後処理が材料の汚染の問題につながり、焼成プロセス後の乾燥時間が不可欠になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の目的は、歯科補綴物の製造を単純化することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の課題は、独立請求項の対象によって解決される。技術的に好適な実施形態が、従属請求項、発明の詳細な説明、および添付図面の対象である。
【0006】
第1の態様によれば、製造すべき最終形状に比べて超過体積を有する初期形状で歯科補綴物を作成し;前記初期形状に埋没材を浸透させ;最終形状を形成するために前記超過体積を埋没材と共に除去する、ステップを有してなる、歯科補綴物を製造する方法によって上記の技術的な課題が解決される。前記の初期形状は、製造すべき最終形状に対して部分的あるいは全体的に超過体積を有することができる。最終形状を形成するために、超過体積および/または埋没材を部分的あるいは全体的に除去することができる。歯科補綴物をフライス削りした後に、ブランクに結合された保持バーを手動で分離する必要が無くなる。フライス削りされた歯科補綴物の表面が平滑な構造を有していて、手動で後処理および研磨する必要は無い。この方法によれば、材料、工具、およびプロセス特性のために脆弱な材料において増加した破断リスクが存在する場合でも、べニアおよびインレイ等のフィリグリー構造を作成することができる。後続の焼成プロセスに際して問題になり大きな洗浄および後処理労力を発生させる、細孔内および表面上の粉塵残留物の堆積を防止することができる。加えて、手動の後処理も削減される。この方法によれば、手動で研磨あるいは洗浄することが困難である、特に亀裂内の粉塵残留物の発生が防止される。
【0007】
この方法の技術的に好適な実施形態によれば、埋没材を硬化させる。硬化は、光あるいは熱処理によって実行することができる。それによって例えば、処理能力を改善させるという技術的な利点が達成される。
【0008】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、最終形状の形成および/または超過体積の除去に際して切削残留物が吸引、ブラシ洗浄、あるいは空気洗浄される。それによって例えば、焼成に際して切削残留物が問題にならないようにされるという技術的な利点が達成される。
【0009】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、超過体積が均一な厚みを有する一層から形成される。それによって例えば、超過体積を簡便な方式で除去し得るという技術的な利点が達成される。
【0010】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、初期形状が印刷あるいはフライス削りによってブランクから製造されるか、および/または超過体積がサブトラクティブ工法によって製造される。それによって例えば、初期形状を効率的に製造し得るという技術的な利点が達成される。
【0011】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、ブランクが二酸化ジルコニウム、ポリメチルメタクリレート、珪酸リチウム、またはコバルトクロムから形成される。それによって例えば、特に好適な材料が使用されるという技術的な利点が達成される。
【0012】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、埋没材が初期形状とブランクの間のフライス削りされた間隙内に充填される。それによって例えば、間隙内に埋没材を分配し得るという技術的な利点が達成される。
【0013】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、埋没材を浸透させる初期形状の一部分をまず製造し、その後埋没材を浸透させる初期形状の別の部分を製造する。それによって例えば、ブランク内に歯科補綴物を保持し得るという技術的な利点が達成される。
【0014】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、埋没材がポリエチレングリコール等のポリマー、光硬化性ポリマー、ワックス、または界面活性剤によって形成される。それによって例えば、特に好適な埋没材が使用されるという技術的な利点が達成される。
【0015】
この方法の技術的に好適な別の実施形態によれば、歯科補綴物を加熱することによって埋没材が除去される。それによって例えば、簡便な方式で残留物を伴わずに埋没材を除去し得るという技術的な利点が達成される。
【0016】
第2の態様によれば、製造すべき最終形状に対して超過体積を有する初期形状において歯科補綴物を形成するための成形装置と;前記初期形状内に埋没材を浸透させるための浸透装置と;最終形状を形成するために前記超過体積を埋没材と共に除去するための除去装置を有してなる、歯科補綴物を製造するための製造装置によって技術的な課題が解決される。それによって前述した第1の態様に係る方法と同様の技術的な利点が達成される。
【0017】
この製造装置の技術的に好適な実施形態によれば、製造装置が埋没材を硬化させるため硬化装置を備える。それによって例えば、歯科補綴物の表面を改善させ得るという技術的な利点が達成される。その際に、浸透させた層の一部のみを部分的に硬化させることもでき、例えば深度の上層の硬化が可能である。埋没材を少なくとも超過体積の末端まで硬化させると、所要の切削縁部のような効果が得られる。
【0018】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、硬化装置が埋没材を硬化させるための光源を備える。それによって例えば、簡便な方式で埋没材を硬化させ得るという技術的な利点が達成される。
【0019】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、製造装置が埋没材を除去するための加熱装置を備える。それによって例えば、埋没材を効率的に除去し得るという技術的な利点が達成される。
【0020】
この製造装置の技術的に好適な別の実施形態によれば、成形装置がフライス装置を含む。それによって例えば、簡便な方式で歯科補綴物を製造し得るという技術的な利点が達成される。
【0021】
次に、本発明の実施例につき、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】歯科補綴物を製造する方法のブロック線図である。
図2】歯科補綴物を製造するための製造装置の概略構成図である。
図3】歯科補綴物と歯科補綴物の保持バーを赤道回りの輪において示した立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1には、歯科補綴物を製造する方法のブロック線図が示されている。ステップS101において歯科補綴物が最終形状に対して超過体積を有する初期形状で形成される。その後、ステップS102において前記初期形状に埋没材を浸透させる。最後に、ステップS103において最終形状を形成するために前記超過体積が埋没材と共に除去される。
【0024】
例えば多孔質の二酸化ジルコニウムの加工に際して表面品質を改善するために、初期形状をまず超過体積をもって加工し、その後埋没材を浸透させる。超過体積は、埋没材がどの程度深く細孔内に浸透するかに適応する。最小限の超過体積は、0.02mmないし0.2mm、好適には0.05mm(仕上げプロセス)、または0.1mmあるいは0,08mmないし2mm(荒削りプロセス)の層厚に相当するが、他の数値も考えられる。
【0025】
超過体積を除去するためには、その後の仕上げあるいは荒削りプロセスで十分である。加工すべき面を超過寸法と共に準備して埋没材を浸透させて硬化させた後、ポリマーと残留物を最終形状まで除去する。それによって、第1に光沢性の表面をフライス削りし、他方で二酸化ジルコニウムとポリマーの混合物からなる切削粉塵を容易に排除することができる。
【0026】
歯科補綴物から分離することができない埋没材の残留物は、その後焼成プロセスの昇熱相中に、好適には580℃ないし600℃の温度で、加熱装置121内で燃焼することができる。ブランクのクランピングから焼成窯への装填まで、中断あるいは使用者による介入を伴わずに全自動の加工プロセスを実行することができる。
【0027】
浸透材あるいは埋没材は最初歯科補綴物への浸透のために流動性あるいは粘性を有し、その後フライスプロセスのために固形になる。埋没材は例えば有機結合を有する。有機結合には:
a) 重合可能なモノマーおよび/または液体性の重合可能なモノマーを含む重合可能なモノマーの混合物、および/または、
b) ポリマー、特に上述のモノマーのポリマー、および/または、
c) ワックス、特に液体化可能なワックス、中でも未分解の液体化可能なワックス、または界面活性剤、またはポリエチレングリコールが含まれる。ワックスとしては、例えば接着性ワックス、フライス用および多用途ワックスが適しており、特にパラフィンを含有するワックス、歯科用ワックス、特にパラフィン、セレシン、カルナウバワックス、カカオバター、蜜蝋、ステアリン酸、および/または微結晶性のパラフィン系炭化水素ワックスである。
【0028】
図2には、歯科補綴物100を製造するための製造装置200の概要が示されている。製造装置200は、歯科補綴物100を製造すべき最終形状101-2に対して超過体積103を有する初期形状101-1において形成するための成形装置111を備える。成形装置は、例えばフライス工具119を有するフライス装置によって構成される。
【0029】
製造装置200は、追加的に初期形状101-1に埋没材105を浸透させるための浸透装置113を備える。埋没プロセスに際して、例えば光硬化性モノマーが埋没材105として使用される。その材料は、製造装置200上のタンク123内に貯蔵されて、スクイーズポンプによってブランク107に供給される。
【0030】
モノマーをブランク107内に導入した後、硬化装置としての紫外線を有する光源117を付勢して硬化プロセスを開始する。そのプロセスを複数のサイクルで実行することができる。その場合に光源117がフライス空間内に存在して、ブランク107への光接続を有する。
【0031】
フライス工具119は、例えば最終形状101-2を形成するために超過体積103を埋没材105と共に除去するための除去装置115として機能する。加えて、ノズル125によって工具先端に気流を指向させることができる。それによって、発生した切削微粉が歯科補綴物上100に沈着する前に放散する。パルス振動する圧力気流によってその効果を高めることができる。
【0032】
加えて、保持バーを伴わずに歯科補綴物100を加工することができ、従って手動の後処理が排除される。その場合に、歯科補綴物100を、まず赤道の上側で超過体積を伴って製造する。除去された材料は、光硬化性モノマーと共に埋没材105として再充填して硬化させる。
【0033】
その後、赤道の下側で加工を継続することができる。その下側の加工が完了した後、先に埋入された埋没材105の殆どが再び削除され、歯科補綴物100を埋没材105からなる1本あるいは複数本の保持バーによって保持し得るようになる。
【0034】
薄いリングも保持バーに対する好適な代替策を成し得る。製造装置200からの自動化された個別送出を可能にするために保持バーをブランク107から分離することができ、それによって歯科補綴物100が自由落下によって送出機構内に落下するか、またはグリッパを使用して取り出すことができる。
【0035】
その場合に、埋没材105が充填される領域は可変である。しかしながら、工具119が貫通する場合に歯科補綴物100が十分な安定性を備え、脱落あるいは逸脱が防止される必要がある。そのため、赤道の周りの領域に十分な埋没材105が充填される。その場合に、赤道から測定した充填高が少なくとも工具半径に相当する。通常赤道より下にあるフライス軌道から測定した充填高は、少なくとも工具直径に相当する。その場合、工具119が貫通しても保持バーあるいはリング等その他の保持形状を形成するために十分な埋没材105が存在する。
【0036】
ワックス残渣が焼成に際して初めて除去されるため、ワックスによって被覆されている領域はブラシで洗浄することができない。従って、窩洞内あるいは裂溝内のワックス残渣を防止するか、または超過体積と共に削除する必要がある。
【0037】
窩洞および咬合部は埋入プロセスの後に初めてフライス削りすることが好適である。それによれば、それらの面が機械加工の後に自由に接近可能になって、ブラシあるいはその他の方法で洗浄可能である。
【0038】
埋没材による粉塵の発生を、超過体積を設けない箇所においても最小化することができる。その場合、最終形状が存在する箇所を、製造プロセス中に吸引、ブラシ洗浄、あるいは空気洗浄する必要がある。それらの箇所にも埋没材が浸透するかあるいは塗付される場合、埋没材と最終形状の箇所を超過体積と共に機械内で削除すれば好適である。
【0039】
その場合、必要な埋没材105の量および埋入位置は、CAMソフトウェアによって決定することができる。埋没材105は、光照射によって固形のポリマーになる粘性のモノマーに係る。焼成窯内でポリマーを残留物無しで除去することができる。代替的な材料は、ワックスあるいは界面活性剤である。それらの材料は加熱された状態で液状あるいは粘性で、冷却された状態では固形になる。
【0040】
加えて、製造装置200が、埋没材105を除去するためのあるいは歯科補綴物100を焼成するための加熱装置121を備えることができる。埋没材105の残留物無しの燃焼が技術的に有効である。代替的に、燃焼プロセスの前に補綴物から洗い落とすことができる(水)溶性の材料を使用することもできる。埋没材は固形の状態において歯科ブランク107と同様なフライス削り特性を有する必要がある。
【0041】
ブランク107が例えば多孔質の二酸化ジルコニウムである場合、二酸化ジルコニウムを損傷させないために、埋没材105の加工に際してのフライス力を過度に高くすべきでない。ブランク107がコバルトクロムあるいは珪酸リチウム等の固形の材料から形成される場合、埋没材105が高いフライス力に対応しブランク107の材料と同様な加工パラメータを許容することが好適である。
【0042】
図3には、歯科補綴物100の赤道の周りのリング123と歯科補綴物100の保持バー127の立体図が示されている。
【0043】
その場合、保持バー127は、従来のフライスプロセスのように赤道上にのみ存在せず、赤道から逸れた側、すなわち埋没材が存在する側に位置することができる。従来の保持バー127に対する代替的な形状も可能である。従って、歯科補綴物100を、例えば薄いリング123によってブランク107の赤道に沿って、赤道を横断して、あるいは赤道の下側に保持することができる。
【0044】
保持バーが存在する必要がないため、フライス軌道が保持バーを回避する必要もない。従って、軸方向に沿った工具の急激な加減速を防止することができる。
【0045】
本発明の個々の実施形態に関連して説明および図示した全ての特徴を、多様な組み合わせで本発明の対象とすることができ、それによって同時に有効な利点が達成される。
【0046】
全ての方法ステップは、各方法ステップを実行するために適した装置を使用して実行することができる。対象である特徴によって実行される全ての機能は、この方法における方法ステップとすることができる。
【0047】
本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義され、説明中に記述されたあるいは図示された特徴によって限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
100 歯科補綴物
101-1 初期形状
101-2 最終形状
103 超過体積
105 埋没材
107 ブランク
111 成形装置
113 浸透装置
115 除去装置
117 硬化装置
119 フライス工具/工具
121 加熱装置
123 リング
125 ノズル
127 保持バー
図1
図2
図3
【外国語明細書】