(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003962
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】携帯用加工機
(51)【国際特許分類】
B23D 47/02 20060101AFI20240109BHJP
B23D 45/16 20060101ALI20240109BHJP
B27B 9/00 20060101ALI20240109BHJP
B27B 9/04 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B23D47/02
B23D45/16
B27B9/00 E
B27B9/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103343
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻野 洋平
【テーマコード(参考)】
3C040
【Fターム(参考)】
3C040AA01
3C040BB01
3C040DD01
3C040GG16
3C040GG19
3C040LL05
(57)【要約】
【課題】携帯用加工機のベースに平行定規等の補助器具を固定できかつ修理性が良好な携帯用加工機用補助器具固定機構が必要とされている。
【解決手段】携帯用加工機1のベース2に平行定規を固定する携帯用加工機用の補助器具固定機構20は、ベース2に取付けられて平行定規をベース2に押圧する押圧部材22を有する。補助器具固定機構20は、押圧部材22と平行定規の間に介在される介在部材23を有する。介在部材23は、ベース2に解除可能に係合する係合部28を有する。係合部28をベース2から係合解除することで押圧部材22をベース2から取外すことなく介在部材23をベース2から取外し可能である。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用加工機のベースに補助器具を固定する携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記ベースに取付けられて前記補助器具を前記ベースに押圧する押圧部材と、
前記押圧部材と前記補助器具の間に介在される介在部材を有し、
前記介在部材は、前記ベースに解除可能に係合する係合部を有し、前記係合部を前記ベースから係合解除することで前記押圧部材を前記ベースから取外すことなく前記介在部材を前記ベースから取外し可能である携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記ベースは、前記押圧部材が取付けられる支持部と、前記支持部の下方にて前記補助器具が水平方向に挿通されることを許容する補助器具受入部を有し、
前記介在部材は、前記支持部の上面に当接する天部と、前記支持部の下面に当接しかつ前記押圧部材によって下方に押される底部と、前記天部と前記底部を連結して前記天部と前記底部によって前記支持部を挟持させる連結部を有する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項3】
請求項1または2に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記ベースは、前記押圧部材が取付けられる支持部と、前記支持部より前記ベースの側縁に近い場所にて上方に突出する側壁を有し、
前記介在部材は、前記側縁側から前記支持部に装着され、
前記介在部材の前記係合部は、前記側壁に対向して前記支持部から外れることを規制する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項4】
請求項3に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記介在部材は、前記支持部の上面に当接する天部と、前記支持部の下面に当接する底部と、前記天部と前記底部を連結する連結部と、前記連結部の横縁から延出する腕部を有し、
前記介在部材の前記係合部は、前記腕部の下部に設けられる携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記腕部は、前記連結部の前記横縁を起点として前記ベースの前記側壁から離れる方向に延出し、
前記係合部は、前記腕部の前記下部から前記側壁に向けて突出する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項6】
請求項5に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記腕部と前記底部の間に下切欠きが設けられ、
前記腕部と前記天部の間に上切欠きが設けられる携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項7】
請求項2に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記介在部材の前記係合部は、前記天部の先端から下方へ突出して前記支持部の側面に対向する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項8】
請求項2に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって、
前記介在部材の前記係合部は、前記底部から上方へ突出し、
前記ベースの前記支持部は、下方に突出しかつ前記介在部材の前記係合部に対向することで前記介在部材の前記ベースからの外れを抑制する凸部を有する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項9】
請求項8に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって
前記介在部材は、前記底部から上方へ突出する突出部を有し、前記突出部は、前記押圧部材の下端に対向することで前記介在部材の前記ベースからの外れを規制する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【請求項10】
請求項9に記載の携帯用加工機用補助器具固定機構であって
前記係合部および/または前記突出部は、前記底部の一部を切り起こした形状で、かつ前記連結部に近いほど上方に位置する傾斜角度を有する携帯用加工機用補助器具固定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯用加工機のベースに平行定規等の補助器具を固定する携帯用加工機用補助器具固定機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯用マルノコと称される携帯用加工機は、略矩形板状で下面が平面状に形成されたベースと、ベースの上方に支持される加工機本体を有する。加工機本体は、略円板形の刃具を回転可能に支持する。刃具は、ベースに設けられた窓部からベースの下面の下方に突出する。使用者は、ベースの下面を被加工材に当接させ、かつ刃具を回転させた状態で携帯用加工機を刃具の側面に沿った切断方向(前方)へ移動させる。これによりベースの下面から下方に突出した刃具は、切断方向に沿って木材等の被加工材を切断する。
【0003】
従来、被加工材の側面に当接可能なガイド面を具備する定規本体と、定規本体を支持しかつベースに連結可能な連結バーを有する平行定規が知られている。平行定規は、ガイド面が刃具の側面と平行な姿勢でベースに連結される。ガイド面を被加工材の側面に当接させた状態で連結バーをベースに固定する。使用者は、携帯用加工機をガイド面の案内に沿って切断方向に移動させる。これにより刃具は、所定の幅で被加工材を切断できる。
【0004】
ベースは、連結バーを解除可能に固定するための支持部を有する。支持部には、雄ねじ状の押圧部材が取付けられる。押圧部材は、連結バーの上面との間に介在部材を挟んだ状態で支持部に締結される。押圧部材を締結することで、連結バーは介在部材を介して押圧部材に押圧される。これにより連結バーは、任意の位置でベースに固定される。
【0005】
特許文献1に記載されるように従来の補助器具固定機構は、略C字状の板金素材で設けられた介在部材を有する。従来例の補助器具固定機構50の介在部材51を
図21に示す。介在部材51は、押圧部材の先端が押圧される底部52と、押圧部材が挿通される貫通孔を具備する天部53と、底部52と天部53を上下に連結する連結部54を有する。底部52は、押圧部材の先端と当接する押圧面52aと、連結部54の反対側で上方に向けてわずかに屈曲する曲げ部52bを有する。天部53の中央には上下方向に貫通する貫通孔53aが設けられる。天部53の先端53bは、曲げ部52bと略同じ左右位置まで延出する。
【0006】
介装部材51をベースの支持部に取付けるためには、押圧部材をベースの支持部と介在部材51の貫通孔53aの両方に挿通させる必要がある。介装部材51をベースの支持部から取外すためには、押圧部材をベースの支持部と介在部材51の貫通孔53aの両方から取外す必要がある。そのため介在部材を交換する際の手間が多く、修理性に改良の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって携帯用加工機のベースに平行定規等の補助器具を固定できかつ修理性が良好な携帯用加工機用補助器具固定機構が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一つの特徴は、携帯用加工機のベースに補助器具を固定する携帯用加工機用の補助器具固定機構に関する。補助器具固定機構は、ベースに取付けられて補助器具をベースに押圧する押圧部材を有する。補助器具固定機構は、押圧部材と補助器具の間に介在される介在部材を有する。介在部材は、ベースに解除可能に係合する係合部を有する。係合部をベースから係合解除することで押圧部材をベースから取外すことなく介在部材をベースから取外し可能である。
【0010】
したがって押圧部材を支持部に取付けたままの状態で、介在部材を支持部に取付けることができる。押圧部材を支持部に取付けたままの状態で、介在部材を支持部から取外すことができる。そのため押圧部材を支持部から取外すことなく介在部材を交換できる。これにより携帯用加工機用の補助器具固定機構の修理性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】平行定規を取付けた状態の携帯用加工機の斜視図である。
【
図3】第1実施例に係る携帯用加工機のベース前部の上面図である。
【
図5】第1実施例に係るベースと押圧部材の分解斜視図である。
【
図6】第1実施例に係る補助器具固定機構を前側左方から見た斜視図である。
【
図7】介在部材を外した状態の補助器具固定機構を示す斜視図である。
【
図8】補助器具固定機構を前側右方から見た斜視図である。
【
図11】
図3中のIV-IV線断面において介在部材が取付けられる際の支持部を示す断面図である。
【
図12】
図3中のIV-IV線断面における補助器具固定機構の断面図である。
【
図13】第2実施例に係る補助器具固定機構を前側左方から見た斜視図である。
【
図14】第2実施例に係る介在部材の斜視図である。
【
図16】
図3中のIV-IV線に相当する断面における第2実施例に係る補助器具固定機構の断面図である。
【
図17】第3実施例に係る補助器具固定機構を前側左方から見た斜視図である。
【
図18】第3実施例に係る介在部材の斜視図である。
【
図20】
図3中のIV-IV線に相当する断面における第3実施例に係る補助器具固定機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の他の特徴によるとベースは、押圧部材が取付けられる支持部を有する。ベースは、支持部の下方にて補助器具が水平方向に挿通されることを許容する補助器具受入部を有する。介在部材は、支持部の上面に当接する天部を有する。介在部材は、支持部の下面に当接しかつ押圧部材によって下方に押される底部を有する。介在部材は、天部と底部を連結して天部と底部によって支持部を挟持させる連結部を有する。したがって天部と底部が支持部を挟持する弾性力を利用して介在部材を支持部に保持させる。そのため支持部に取付けられる介在部材の取付状態を安定化させることができる。また、押圧部材に介在部材を抜け止めする構造を設けることなく、介在部材を支持部に保持できる。
【0013】
本開示の他の特徴によるとベースは、押圧部材が取付けられる支持部を有する。ベースは、支持部よりベースの側縁に近い場所にて上方に突出する側壁を有する。介在部材は、側縁側から支持部に装着される。介在部材の係合部は、側壁に対向して支持部から外れることを規制する。したがって介在部材の係合部をベースの側壁に対向させることにより、介在部材が支持部から不用意に外れにくい。そのため支持部に対する介在部材の取付状態の安定性を高めることができる。
【0014】
本開示の他の特徴によると介在部材は、支持部の上面に当接する天部を有する。介在部材は、支持部の下面に当接する底部を有する。介在部材は、天部と底部を連結する連結部を有する。介在部材は、連結部の横縁から延出する腕部を有する。介在部材の係合部は、腕部の下部に設けられる。したがって係合部は、腕部の下部に設けられることでベースの上面の近くに位置する。そのため係合部は、ベースに係合して外れにくい。これにより介在部材を支持部から不用意に外れにくくすることができる。
【0015】
本開示の他の特徴によると腕部は、連結部の横縁を起点としてベースの側壁から離れる方向に延出する。係合部は、腕部の下部から側壁に向けて突出する。したがって係合部と腕部は、略垂直に起立する。そのため、例えば介在部材がベースの側壁に向けて略水平方向に移動する場合、係合部の先端は上下方向に長い姿勢でベースの側壁と対向する。そのため係合部がベースの側壁に引掛かり易い。これにより介在部材が支持部から不用意に外れにくくなる。しかも係合部は、係合部と反対方向に延出した腕部に支持される。そのため係合部の剛性が腕部で補強される。これにより係合部による介在部材の抜け止めを安定させることができる。
【0016】
本開示の他の特徴によると腕部と底部の間に下切欠きが設けられる。腕部と天部の間に上切欠きが設けられる。したがって腕部は、片持ち梁状態で連結部に弾性的に支持される。そのため腕部の弾性を利用して係合部をベースの側壁に係合させることができる。これにより介在部材が支持部から不用意に外れることを抑制できる。また、腕部の弾性力よりも強い力で介在部材をベースの側壁側に向けて引張ることで、介在部材を支持部から取外すことができる。これにより補助器具固定機構の修理性を向上させることができる。
【0017】
本開示の他の特徴によると介在部材の係合部は、天部の先端から下方へ突出して支持部の側面に対向する。したがって介在部材を支持部に保持させる構造をシンプルに形成できる。これにより製品の製造性を向上させることができる。
【0018】
本開示の他の特徴によると介在部材の係合部は、底部から上方へ突出する。ベースの支持部は、下方に突出しかつ介在部材の係合部に対向することで介在部材のベースからの外れを抑制する凸部を有する。したがって介在部材の素材を大きくすることなく底部を加工して係合部を設けることができる。そのため材料費の増加を抑制できる。
【0019】
本開示の他の特徴によると介在部材は、底部から上方へ突出する突出部を有する。突出部は、押圧部材の下端に対向することで介在部材のベースからの外れを規制する。したがって介在部材の素材を大きくすることなく突出部を設けることができる。そのため材料費の増加を抑制できる。
【0020】
本開示の他の特徴によると係合部および/または突出部は、底部の一部を切り起こした形状で、かつ連結部に近いほど上方に位置する傾斜角度を有する。したがって介在部材を取付方向(連結部と反対方向)へ移動させる際には、係合部はベースの凸部に引掛かりにくい。また、突出部は押圧部材の下端に引掛かりにくい。そのため介在部材を支持部にスムーズに取付けることができる。一方、介在部材を取外し方向(連結部が設けられる方向)へ移動させようとする場合、係合部はベースの凸部に引掛かり易い。また、突出部は押圧部材の下端に引掛かり易い。そのため介在部材が支持部から不用意に外れることを抑制できる。
【0021】
本開示の一つの実施例を
図1~12に基づいて説明する。本実施例の補助器具固定機構20は、携帯用切断機の一種であるいわゆる携帯用マルノコと称される携帯用加工機1に設けられる。
図1,4に示すように携帯用加工機1は、略矩形の板状のベース2と、ベース2の上方に支持される加工機本体3を有する。加工機本体3は、回転可能に支持された略円板状の刃具5と、刃具5を回転させる駆動源としての電動モータ4と、使用者が把持するハンドル部3aを有する。刃具5は、チップソー(英語名:tipped saw blade)と称される略円板形の丸鋸刃である。刃具5は、窓部2aからベース2の下面よりも下方に突出する。
【0022】
図1,4に示すように携帯用加工機1は、刃具5を覆う固定カバー6と可動カバー7を有する。固定カバー6は、加工機本体3に固定されて刃具5の上側半周範囲を覆う。可動カバー7は、ベース2の下面より下方に突出した刃具5の下側半周範囲を覆う閉じ位置と、刃具5の下側半周範囲を露出する開き位置の間で開閉可能である。使用者は、ベース2の下面を被加工材Wの上面に当接させた状態で、ハンドル部3aを把持して携帯用加工機1を前方へ移動させる。可動カバー7は、被加工材Wと当接することで開き位置方向に回転する。これにより刃具5の下側半周範囲が露出され、刃具5を被加工材に切り込ませることができる。かくして被加工材Wは、携帯用加工機1を移動させる切断方向に切断される。以下の説明において、切断方向前側を前方とし、携帯用加工機1に対して使用者が位置する側を後方とする。上下左右方向については、携帯用加工機1の後方(
図1において右方奥側)に位置する使用者から見た視点で規定する。
【0023】
図2,4に示す平行定規10は、携帯用加工機用の補助器具である。平行定規10は、定規本体12と、定規本体12を支持しかつベース2に連結可能な連結バー11を有する。定規本体12は、被加工材Wの側面に当接される平面状のガイド面12aを有する。連結バー11は、前後方向から見てU字状に湾曲した湾曲部11cと、湾曲部11cの先端で下方に屈曲する先端部11dを有する。先端部11dには、定規本体12が一体に連結される。連結バー11のバー本体部分は、断面矩形状で直線状に延出する。連結バー11の上面11aと下面11bは、相互に平行に延出する。
【0024】
図3,4に示すようにベース2の前部には、連結バー11を水平方向に挿通させるための補助器具受入部2c,2dが設けられる。ベース2の左側の側縁近傍には、上下方向に起立する側壁2bが設けられる。側壁2bには、切欠き溝状の補助器具受入部2cが設けられる。補助器具受入部2cは、上部が開口した略U字状に形成される。ベース2の右側で上下方向に起立する側壁には、矩形の貫通孔形状の補助器具受入部2dが設けられる。補助器具受入部2dは、補助器具受入部2cと同じ前後位置に設けられる。連結バー11を右側の補助器具受入部2dから左側の補助器具受入部2cへ挿通する。これにより平行定規10は、ベース2に対して左右方向にスライド可能に支持される。定規本体12のガイド面12aは、ベース2取り付けられた状態でベース2の下面よりも下方に位置する。定規本体12のガイド面12aは、ベース2に取付けられた状態で前後方向および上下方向に延出し刃具5の側面と平行である。
【0025】
図3,4に示すようにベース2は、平行定規10を任意の左右位置で固定する補助器具固定機構20を有する。補助器具固定機構20は、補助器具受入部2cと略同じ前後位置で補助器具受入部2cの右側近傍に設けられる。補助器具固定機構20は、連結バー11が挿通される支持部21と、連結バー11の上面11aを上方から押圧する押圧部材22と、連結バー11の上面11aと押圧部材22の間に介在される介在部材23を有する。押圧部材22と介在部材23は、支持部21に取付けられる。連結バー11を任意の左右位置に移動させ、押圧部材22で連結バー11の上面11aを押圧する。これにより平行定規10は、任意の左右位置でベース2に固定される。このときガイド面12aは、刃具5に対して左右方向に所定距離の位置で固定される。そのため刃具5は、刃具5とガイド面12aの左右方向の距離に相当する所定の幅で被加工材Wを切断できる。
【0026】
図5,12に示すように支持部21は、ベース2の上面から上方へ突出する略矩形箱形に設けられる。支持部21の下部には、連結バー11を挿通可能な中空路Cが設けられる。支持部21は、水平方向に延出する上面21aと、中空路Cの上端面に相当する下面21bを有する。支持部21は、左端で上下方向に起立する側面21cと、右端で上下方向に起立する側面21dと、前端で上下方向に起立する前面21iと、後端で上下方向に起立する後面21jを有する。上面21aには、上下方向に貫通する透孔21eが設けられる。支持部21の内部には、透孔21eの下端と連結するナット保持凹部21fが設けられる。ナット保持凹部21fは、後述するナット22cを回り止めして保持する。下面21bには、ナット保持凹部21fの外周側において下方へ突出する凸部21gが設けられる。凸部21gは、下端に頂点を有する断面略三角形の山形形状である。凸部21gの外周側には、支持部21の外側に向けて上方へ傾斜する傾斜面21hが設けられる。
【0027】
図3,5に示すようにベース2の左側の側壁2bには、補助器具受入部2cの右側の開口縁に沿って係合面2eが設けられる。係合面2eは、補助器具受入部2cの前後に計2つ設けられる。係合面2eは、左右方向および上下方向に延出する平面状である。係合面2eは、支持部21の前面21iおよび後面21jと略同じ前後位置に配置される。
【0028】
図5,7,12に示すように押圧部材22は、雄ねじ22aと、雄ねじ22aに螺合するナット22cを有する。雄ねじ22aの上部には、使用者が回転操作するための摘み操作部22bが設けられる。雄ねじ22aは、支持部21の透孔21eに上から挿通される。ナット22cは、支持部21の内部のナット保持凹部21fに挿入されて雄ねじ22aと締結される。ナット22cは、ナット保持凹部21fによって回り止めされている。そのため、摘み操作部22bを締め付け方向に回転させると、雄ねじ22aが下方へ移動する。雄ねじ22aの下端22dは、支持部21の中空路Cに挿通された連結バー11の上面11aを押圧する。押圧部材22の押圧力によってベース2に対する連結バー11の移動が規制される。摘み操作部22bを緩め方向に回転させると、雄ねじ22aが上方へ移動する。そのため、雄ねじ22aの下端22dが連結バー11の上面11aを押圧する押圧力は解除される。押圧力が解除されることで、連結バー11はベース2に対して左右方向に移動可能になる。
【0029】
図6,8,9に示すように介在部材23は、板金素材を加工することで形成される。介在部材23は、下方に位置する略矩形平板状の底部24と、上部に位置する略矩形平板状の天部25と、底部24と天部25を上下に連結する連結部26を有する。底部24と天部25と連結部26は、前後方向から見て略C字状である。底部24の上面には、押圧部材22の下端22dと当接する押圧面24aが設けられる。底部24の右端には、上方に向けてわずかに屈曲する曲げ部24bが設けられる。天部25は、先端25aが支持部21に取付けられた雄ねじ22aと当接しない長さまで連結部26から右方へ延出する。先端25aは、介在部材23を支持部21に取付けた状態で透孔21eの左端と概ね同じ左右位置に位置する(
図12参照)。
【0030】
図9,10に示すように連結部26の前後端には、横縁26aが設けられる。横縁26aは、連結部26の全高よりも短い上下長さで連結部26の上下方向の略中央に設けられる。横縁26aの先端には、右方に向けて略垂直に屈曲した腕部27が設けられる。腕部27は、左右方向および上下方向に延出する平板状である。腕部27は、介在部材23の前部と後部で計2つ設けられる。腕部27は、左端の基部27aで連結部26の横縁26aに支持される。腕部27の上端と天部25は、互いに離間しており、間に上切欠き23aが形成される。腕部27の下端と底部24は、互いに離間しており、間に下切欠き23bが形成される。
【0031】
図9に示すように腕部27は、基部27aより下方に延出する下部27bを有する。下部27bの左端には、左方へ延出する係合部28が設けられる。腕部27と係合部28は、一体の平面状に設けられる。係合部28は、前後方向から見て角部が円弧状に面取りされた略矩形である。係合部28の先端は、連結部26よりも左方に突出する。係合部28と基部27aの間には、前後方向から見て略C字状の切欠きが形成される。
【0032】
図6,8,11,12を参照して介在部材23を支持部21に取付ける一連の流れを説明する。先ず、雄ねじ22aとナット22cを締結させることで押圧部材22が支持部21に取付けられている。介在部材23は、押圧部材22が支持部21に取付けられた状態で支持部21に取付けまたは支持部21から取外しできる。底部24を補助器具受入部2c側から支持部21の下方の中空路Cへ挿入する。この時、押圧面24aが傾斜面21hに倣うように、底部24が右方に向けて下方へ延出する姿勢で介在部材23を傾斜させる(
図11参照)。天部25の先端25aが上面21aに当接した状態で、底部24をさらに右方に向けて挿入させる。介在部材23が先端25aを支点にして回転し、底部24と天部25が略水平になる。介在部材23は、弾性変形しながら支持部21に取付けられる。
【0033】
介在部材23が支持部21に取付けられた状態において、底部24の押圧面24aは、支持部21の下面21bと当接する。曲げ部24bは、中空路Cから支持部21の右方へ突出する。天部25は、支持部21の上面21aと当接する。連結部26は、支持部21の側面21cに倣って上下方向に延出する。底部24と天部25が支持部21を上下方向で挟持することで、支持部21に対する介在部材23の上下方向の移動が規制される。一対の腕部27は、それぞれ支持部21の前面21iまたは後面21jに倣って左右方向に延出する。一対の係合部28は、ベース2の側壁2bと対向して係合面2eの下部と当接する。一対の係合部28が一対の係合面2eと当接することで、支持部21に対する介在部材23の左方への移動が規制される。そのため介在部材23の脱離が抑制される。一対の係合部28は、一対の係合面2eが前後方向の間に入るように前後方向に隙間をもって配置している。そのため支持部21に対する介在部材23の前後方向の移動が抑制される。
【0034】
介在部材23を支持部21から取外す場合には、取付ける場合と逆に、
図11に示すように介在部材23の左端部を左上方へ持ち上げて、介在部材23を傾斜させて取外す。介在部材23の弾性力よりも十分に大きい力で介在部材23を引張る。これにより、介在部材23を弾性変形させながら支持部21から取外すことができる。
【0035】
上述するように携帯用加工機1のベース2に平行定規10を固定する携帯用加工機用の補助器具固定機構20は、
図1,4に示すようにベース2に取付けられて平行定規10をベース2に押圧する押圧部材22を有する。補助器具固定機構20は、押圧部材22と平行定規10の間に介在される介在部材23を有する。介在部材23は、ベース2に解除可能に係合する係合部28を有する。係合部28をベース2から係合解除することで押圧部材22をベース2から取外すことなく介在部材23をベース2から取外し可能である。
【0036】
したがって押圧部材22を支持部21に取付けたままの状態で、介在部材23を支持部21に取付けることができる。押圧部材22を支持部21から取付けたままの状態で、介在部材23を支持部21から取外すことができる。そのため押圧部材22を支持部21から取外すことなく介在部材23を交換できる。これにより携帯用加工機用の補助器具固定機構20の修理性を向上させることができる。
【0037】
図6,12に示すようにベース2は、押圧部材22が取付けられる支持部21を有する。ベース2は、支持部21の下方にて平行定規10が水平方向に挿通されることを許容する補助器具受入部2cを有する。介在部材23は、支持部21の上面21aに当接する天部25を有する。介在部材23は、支持部21の下面21bに当接しかつ押圧部材22によって下方に押される底部24を有する。介在部材23は、天部25と底部24を連結して天部25と底部24によって支持部21を挟持させる連結部26を有する。したがって天部25と底部24が支持部21を挟持する弾性力を利用して介在部材23を支持部21に保持させる。そのため支持部21に取付けられる介在部材23の取付状態を安定化させることができる。また、押圧部材22に介在部材23を抜け止めする構造を設けることなく、介在部材23を支持部21に保持できる。
【0038】
図6,8に示すようにベース2は、押圧部材22が取付けられる支持部21を有する。ベース2は、支持部21よりベース2の側縁に近い場所にて上方に突出する側壁2bを有する。介在部材23は、側縁側から支持部21に装着される。介在部材23の係合部28は、側壁2bに対向して支持部21から外れることを規制する。したがって介在部材23の係合部28をベース2の側壁2bに対向させることにより、介在部材23が支持部21から不用意に外れにくい。そのため支持部21に対する介在部材23の取付状態の安定性を高めることができる。
【0039】
図6,8,12に示すように介在部材23は、支持部21の上面21aに当接する天部25を有する。介在部材23は、支持部21の下面21bに当接する底部24を有する。介在部材23は、天部25と底部24を連結する連結部26を有する。介在部材23は、連結部26の横縁26aから延出する腕部27を有する。介在部材23の係合部28は、腕部27の下部27bに設けられる。したがって係合部28は、腕部27の下部27bに設けられることでベース2の上面の近くに位置する。そのため係合部28は、ベース2に係合して外れにくい。これにより介在部材23を支持部21から不用意に外れにくくすることができる。
【0040】
図6,8に示すように腕部27は、連結部26の横縁26aを起点としてベース2の側壁2bから離れる方向に延出する。係合部28は、腕部27の下部27bから側壁2bに向けて突出する。したがって係合部28と腕部27は、略垂直に起立する。そのため、例えば介在部材23がベース2の側壁2bに向けて略水平に左右方向に移動する場合、係合部28の先端は上下方向に長い姿勢でベース2の側壁2bと対向する。そのため係合部28がベース2の側壁2bに引掛かり易い。これにより介在部材23が支持部21から不用意に外れにくくなる。しかも係合部28は、係合部28と反対方向に延出した腕部27に支持される。そのため係合部28の剛性が腕部27で補強される。これにより係合部28による介在部材23の抜け止めを安定させることができる。
【0041】
図9,10に示すように腕部27と底部24の間に下切欠き23bが設けられる。腕部27と天部25の間に上切欠き23aが設けられる。したがって腕部27は、片持ち梁状態で連結部26に弾性的に支持される。そのため腕部27の弾性を利用して係合部28をベース2の側壁2bに係合させることができる(
図6,8参照)。これにより介在部材23が支持部21から不用意に外れることを抑制できる。また、腕部27の弾性力よりも強い力で介在部材23をベース2の側壁2b側に向けて引張ることで、介在部材23を支持部21から取外すことができる。これにより補助器具固定機構20の修理性を向上させることができる。
【0042】
次に本開示の第2実施例に係る携帯用加工機用の補助器具固定機構30を
図13~16に基づいて説明する。補助器具固定機構30は、
図6に示す第1実施例の介在部材23に代えて、
図13に示す介在部材31を有する。以下の説明においては、第1実施例と異なる構成についてのみ詳細に説明する。
【0043】
図13~15に示すように介在部材31は、板金素材を加工することで形成される。介在部材31は、下方に位置する略矩形平板状の底部32と、上部に位置する略U字状の平板状の天部33と、底部32と天部33を上下に連結する連結部34を有する。底部32と天部33と連結部34は、前後方向から見て略C字状である。底部32の上面には、押圧部材22の下端22dと当接する押圧面32aが設けられる。底部32の右端には、上方に向けてわずかに屈曲する曲げ部32bが設けられる。
【0044】
図13,16に示すように天部33は、支持部21の上面21aと略同じ左右方向の長さで延出する。天部33の中央には、U字状のU字溝33aが設けられる。U字溝33aは、右端に開口を有し、左側に溝底を有する。U字溝33aは、押圧部材22の雄ねじ22aが通過可能な幅で設けられる。天部33の先端33bは、U字溝33aによって分割されて前後に2つ設けられる。各先端33bには、下方へ略垂直に屈曲して突出する係合部35が設けられる。
【0045】
図13,16に示すように介在部材31が支持部21に取付けられた状態において、底部32の押圧面32aは、支持部21の下面21bと当接する。曲げ部32bは、中空路Cから支持部21の右方へ突出する。天部33は、支持部21の上面21aと当接する。連結部34は、支持部21の側面21cに倣って上下方向に延出する。底部32と天部33が支持部21を上下方向で挟持することで、支持部21に対する介在部材31の上下方向の移動が規制される。一対の係合部35は、支持部21の側面21dと左右方向に対向する。一対の係合部35と連結部34は、支持部を左右方向で挟持する。これにより支持部21に対する介在部材31の左方への移動が規制される。かくして介在部材31の脱離が抑制される。
【0046】
介在部材31を支持部21に取付ける場合、介在部材31は支持部21に取付けられた雄ねじ22aに対して左方から右方へ略水平に移動する。雄ねじ22aは、介在部材31に対して相対的に移動することで、U字溝33aの右端の開口から左端の溝底へ移動する。これにより支持部21から押圧部材22を取外すことなく、介在部材31を支持部21に取付けることができる。介在部材31を支持部21から取外す場合には、介在部材31は雄ねじ22aに対して右方から左方へ略水平に移動する。雄ねじ22aは、介在部材31に対して相対的に移動することで、U字溝33aの左端の溝底から右端の開口へ移動する。これにより支持部21から押圧部材22を取外すことなく、介在部材31を支持部21から取外すことができる。
【0047】
上述するように介在部材31の係合部35は、
図16に示すように天部33の先端33bから下方へ突出して支持部21の側面21dに対向する。したがって介在部材31を支持部21に保持させる構造をシンプルに形成できる。これにより製品の製造性を向上させることができる。
【0048】
次に本開示の第3実施例に係る携帯用加工機用の補助器具固定機構40を
図17~20に基づいて説明する。補助器具固定機構40は、
図6に示す第1実施例の介在部材23に代えて、
図17に示す介在部材41を有する。以下の説明においては、第1実施例と異なる構成についてのみ詳細に説明する。
【0049】
図17~19に示すように介在部材41は、板金素材を加工することで形成される。介在部材41は、下方に位置する略矩形平板状の底部42と、上部に位置する略U字状の平板状の天部43と、底部42と天部43を上下に連結する連結部44を有する。底部42と天部43と連結部44は、前後方向から見て略C字状である。底部42の上面には、押圧部材22の下端22dと当接する押圧面42aが設けられる。底部42の右端には、上方に向けてわずかに屈曲する曲げ部42bが設けられる。
【0050】
図18に示すように底部42には、2つの切り起こし孔42c,42dが設けられる。
切り起こし孔42c,42dは、底部42の前後方向の中央において左右に並んで設けられる。切り起こし孔42c,42dは、上方から見て略矩形である。左側の切り起こし孔42cには、底部42の板金素材から上方へ切り起こされた係合部45が設けられる。係合部45の右端は、底部42に一体に連結されている。係合部45は、左端に先端45aを有する。係合部45は、右方から連結部44が位置する左方に向けて上方へ傾斜するように延出する。係合部45は、角部が円弧状に面取りされた略矩形である。
【0051】
図18,20に示すように右側の切り起こし孔42dには、底部42の板金素材から上方へ切り起こされた突出部46が設けられる。突出部46の右端は、底部42に一体に連結されている。突出部46は、左端に先端46aを有する。突出部46は、右方から連結部44が位置する左方に向けて上方へ傾斜するように延出する。突出部46は、係合部45と略同じ形状かつ略同じサイズで設けられる。
【0052】
図17,20に示すように天部43は、支持部21の上面21aと略同じ左右方向の長さで延出する。天部43の中央には、U字状のU字溝43aが設けられる。U字溝43aは、右端に開口を有し、左側に溝底を有する。U字溝43aは、押圧部材22の雄ねじ22aが通過可能な幅で設けられる。天部43の先端43bは、U字溝43aによって分割されて前後に2つ設けられる。
【0053】
図17,20に示すように介在部材41が支持部21に取付けられた状態において、底部42の押圧面42aは、支持部21の下面21bと当接する。曲げ部42bは、中空路Cから支持部21の右方へ突出する。天部43は、支持部21の上面21aと当接する。連結部44は、支持部21の側面21cに倣って上下方向に延出する。底部42と天部43が支持部21を上下方向で挟持することで、支持部21に対する介在部材41の上下方向の移動が規制される。
【0054】
図20に示すように係合部45の先端45aは、下面21bに設けられて下方に突出した凸部21gの内側斜面と対向する。例えば押圧部材22が支持部21に対して緩められた状態の時、押圧部材22の下端22dは底部42の押圧面42aを押圧しない。したがって介在部材41を抜け止めするために介在部材41のいずれかの箇所と支持部21のいずれかの箇所を係合させる必要がある。係合部45の先端45aと凸部21gの内側斜面を対向させて係合させることで、介在部材41が支持部21から抜け止めされる。
【0055】
図20に示すように突出部46の先端46aは、押圧部材22の下端22dと対向する。例えば押圧部材22が支持部21に対して締め付けられた状態の時、押圧部材22の下端22dは突出部46の先端46aに接近する。突出部46の先端46aと押圧部材22の下端22dを対向させて係合させることで、介在部材41が押圧部材22から抜け止めされる。押圧部材22は支持部21から脱離しないように取付けられている。そのため介在部材41は、押圧部材22を介して支持部21から抜け止めされる。
【0056】
介在部材41を支持部21に取付ける場合、介在部材41は支持部21に取付けられた雄ねじ22aに対して左方から右方へ略水平に移動する。雄ねじ22aは、介在部材41に対して相対的に移動することで、U字溝43aの右端の開口から左端の溝底へ移動する。これにより支持部21から押圧部材22を取外すことなく、介在部材41を支持部21に取付けることができる。しかも係合部45と突出部46は、右方から左方に向けて上方へ延出する。そのため介在部材41を左方から右方へ移動させる際、係合部45はベース2の凸部21gに引掛かりにくく、突出部46は押圧部材22の下端22dに引掛かりにくい。そのため介在部材41を支持部21にスムーズに取付けることができる。
【0057】
介在部材41を支持部21から取外す場合には、介在部材41は雄ねじ22aに対して右方から左方へ略水平に移動する。雄ねじ22aは、介在部材41に対して相対的に移動することで、U字溝43aの左端の溝底から右端の開口へ移動する。これにより支持部21から押圧部材22を取外すことなく、介在部材41を支持部21から取外すことができる。しかも係合部45と突出部46は、右方から左方に向けて上方へ延出する。そのため介在部材41を左方から右方へ移動させようとする場合、係合部45はベース2の凸部21gに引掛かり易く、突出部46は押圧部材22の下端22dに引掛かり易い。そのため介在部材41が支持部21から不用意に外れることを抑制できる。
【0058】
上述するように介在部材41の係合部45は、
図20に示すように底部42から上方へ突出する。ベース2の支持部21は、下方に突出しかつ介在部材41の係合部45に対向することで介在部材41のベース2からの外れを抑制する凸部21gを有する。したがって介在部材41の素材を大きくすることなく係合部45を設けることができる。そのため材料費の増加を抑制できる。
【0059】
図20に示すように介在部材41は、底部42から上方へ突出する突出部46を有する。突出部46は、押圧部材22の下端22dに対向することで介在部材41のベース2からの外れを規制する。したがって介在部材41の素材を大きくすることなく底部42を加工して突出部46を設けることができる。そのため材料費の増加を抑制できる。
【0060】
図20に示すように係合部45および突出部46は、底部42の一部を切り起こした形状で、かつ連結部44に近いほど上方に位置する傾斜角度を有する。したがって介在部材41を取付方向(連結部44と反対方向)へ移動させる際には、係合部45はベース2の凸部21gに引掛かりにくい。また、突出部46は押圧部材22の下端22dに引掛かりにくい。そのため介在部材41を支持部21にスムーズに取付けることができる。一方、介在部材41を取外し方向(連結部44が設けられる方向)へ移動させようとする場合、係合部45はベース2の凸部21gに引掛かり易い。また、突出部46は押圧部材22の下端22dに引掛かり易い。そのため介在部材41が支持部21から不用意に外れることを抑制できる。
【0061】
以上説明した本実施例には様々な変更を加えることができる。携帯用加工機1として携帯用マルノコを例示したが、例えばカッタやジグソー等の他の携帯用切断機、あるいはルータ等の携帯用切削機に本開示の補助器具固定機構を設ける構成としても良い。補助器具として平行定規10を例示したが、例えばサブベース、長尺定規アダプタ等を携帯用加工機のベースに固定するために本開示の補助器具固定機構20,30,40を設ける構成としても良い。
【0062】
ベース2の前部に平行定規10を左右方向に挿通させて固定するために、支持部21がベース2の前部左側に設けられる構成を例示した。これに代えて、支持部21を例えばベース2の前部右側、後部左側、後部右側に設ける構成としても良い。平行定規10の連結バー11をベース2に対して左右方向に挿通させて固定する補助器具固定機構20,30,40を例示した。これに代えて、例えば補助器具をベース2に対して前後方向に挿通させる構成であっても良い。
【0063】
介在部材23,31,41を支持部21に対して左方から右方へ移動させることで介在部材23,31,41が支持部21に取付けられる補助器具固定機構20,30,40を例示した。また、介在部材23,31,41を支持部21に対して右方から左方へ移動させることで介在部材23,31,41が支持部21から取外される補助器具固定機構20,30,40を例示した。介在部材23,31,41の取付方向、取外し方向はこれに限定されず、例えば例示した方向と左右逆であっても良い。例えば介在部材23,31,41の取付方向と取外し方向は前後方向や上下方向であっても良い。押圧部材22が連結バー11の上面11aを上方から下方へ押圧する構成を例示した。押圧部材22が補助器具を押圧する方向はこれに限定されず、例えば左右方向や前後方向であっても良い。
【0064】
1つの介在部材に、第1実施例の係合部28、第2実施例の係合部35、第3実施例の係合部45のいずれか2つあるいは全部を含む構成としても良い。第1実施例の腕部27と係合部28は、連結部26の前方または後方のいずれか一方のみに設けられていても良い。第2実施例の係合部35は、天部33の前側の先端33bまたは後側の先端33bのいずれか一方のみに設けられていても良い。
【符号の説明】
【0065】
1…携帯用加工機
2…ベース、2a…窓部、2b…側壁、2c,2d…補助器具受入部、2e…係合面
3…加工機本体、3a…ハンドル部
4…電動モータ
5…刃具
6…固定カバー
7…可動カバー
10…平行定規(補助器具)
11…連結バー、11a…上面、11b…下面、11c…湾曲部、11d…先端部
12…定規本体、12a…ガイド面
20…(携帯用加工機用)補助器具固定機構(第1実施例)
21…支持部、21a…上面、21b…下面、21c,21d…側面、21e…透孔
21f…ナット保持凹部、21g…凸部、21h…傾斜面、21i…前面、21j…後面
22…押圧部材、22a…雄ねじ、22b…摘み操作部、22c…ナット
22d…下端
23…介在部材、23a…上切欠き、23b…下切欠き
24…底部、24a…押圧面、24b…曲げ部
25…天部、25a…先端
26…連結部、26a…横縁
27…腕部、27a…基部、27b…下部
28…係合部
30…(携帯用加工機用)補助器具固定機構(第2実施例)
31…介在部材
32…底部、32a…押圧面、32b…曲げ部
33…天部、33a…U字溝、33b…先端
34…連結部
35…係合部
40…(携帯用加工機用)補助器具固定機構(第3実施例)
41…介在部材
42…底部、42a…押圧面、42b…曲げ部、42c,42d…切り起こし孔
43…天部、43a…U字溝、43b…先端
44…連結部
45…係合部、45a…先端
46…突出部、46a…先端
50…(携帯用加工機用)補助器具固定機構(従来例)
51…介在部材
52…底部、52a…押圧面、52b…曲げ部
53…天部、53a…貫通孔、53b…先端
54…連結部
W…被加工材
C…中空路