(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039620
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部を備えたキャリアバスケット搬送装置
(51)【国際特許分類】
B65G 17/20 20060101AFI20240314BHJP
B65G 17/48 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
B65G17/20 Z
B65G17/48 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023140152
(22)【出願日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】63/405,161
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505047267
【氏名又は名称】フランケ・テクノロジー・アンド・トレードマーク・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FRANKE TECHNOLOGY AND TRADEMARK LTD.
【住所又は居所原語表記】SONNENBERGSTRASSE 9, 6052 HERGISWIL, SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】イレネウシュ・ツァップ
(72)【発明者】
【氏名】アンジェイ・トゥスク
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイチェフ・レブコフスキー
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034HA01
3F034HB12
3F034HE09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】搬送バスケットがコンベアによって画定された経路に沿って移動する際の、搬送バスケットの揺動を減衰または抑制する。
【解決手段】キャリアバスケット枢動接続部80は、カーを取り付ける支持接続部82を含む。支持接続部82は、円形エンベロープを画定する少なくとも3つの接続ローラ84と、キャリアバスケットの背面支持部に取り付けられるように構成された嵌合接続部92とを有する。嵌合接続部92は、ローラが部分円形トラック96内に配置され得るように、部分円形トラック96を有するハウジング94を含む。部品円形トラック96は、内向き突出部を含む。接続ローラ84は、部分円形トラック96において係合し、キャリアバスケットの製品支持面は、経路に沿うキャリアバスケットの移動の間、概ね水平に維持され、内向き突出部は、ハウジング94と、突出部に接触するローラとの間の相対移動に対する増大した抵抗をもたらす。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路に沿って移動するように構成された複数のカーを有するキャリアバスケット搬送システム用の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部であって、
その枢動接続部の少なくともいくつかには、キャリアバスケットが枢動接続されており、
前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部が、
少なくとも1つの前記カーに取り付けるように構成された支持接続部であって、円形エンベロープを画定する少なくとも3つの接続ローラ、を有する支持接続部と、
前記キャリアバスケットの背面支持部に取り付けられるように構成された嵌合接続部と、を含み、
前記嵌合接続部が、
第1半径を有し、180°より大きく円周方向に延在し、一般に前記円形エンベロープと一致するか、あるいは前記円形エンベロープより大きい部分円形トラックを含むハウジング、を含み、
前記部分円形トラックが、少なくとも1つの内向き突出部を含み、
前記接続ローラが、前記キャリアバスケットが重力によって枢動可能に適合されるように、前記部分円形トラックにおいて係合され、よって、前記キャリアバスケットの製品支持面が、前記経路に沿う前記キャリアバスケットの移動の間、概ね水平に維持され、
前記少なくとも1つの内向き突出部が、前記ハウジングと、前記少なくとも1つの内向き突出部に接触する前記ローラのうちの少なくとも1つと、の間の相対運動に対する抵抗の増大をもたらす、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項2】
前記接続ローラが、エラストマー材料で作られた外周面を含む、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項3】
前記少なくとも3つの接続ローラが、その軸が正方形の角を画定にするように配置された4つの接続ローラ、を含む、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項4】
前記少なくとも1つの内向き突出部が、複数の前記内向き突出部を含む、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項5】
前記内向き突出部が、
前記部分円形トラックの一部を画定し、前記内向き突出部が前記第1半径によって画定される円から半径方向内側に延びるように、概ね前記第1半径の距離に配置される、前記第1半径よりも小さい第2半径を有する円弧状セグメントの端部、によって形成される、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項6】
前記接続ローラが、ローラ半径を有し、前記第2半径が、前記ローラ半径以上である、請求項5に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項7】
前記円弧状セグメントが少なくとも6つある、請求項5に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項8】
前記円弧状セグメントが、前記ハウジングの上部に位置する、請求項5に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項9】
前記ハウジングの底部が、開口している、請求項8に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項10】
前記ハウジングを前記接続ローラ上に保持する前記部分円形トラックの各側部に沿って半径方向内向きに延びている第1唇部および第2唇部をさらに含む、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項11】
前記円形エンベロープが、前記部分円形トラックの前記第1半径よりも小さい半径を有する、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項12】
前記ハウジングが、キャリアバスケットコネクタを含む、請求項1に記載の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部。
【請求項13】
キャリアバスケット搬送システムであって、
経路に沿って移動するように構成された複数のカーであって、前記カーのうちの少なくとも1つには、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部が接続されており、前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部が、前記カーうちの1つに取り付けられている支持接続部を含み、前記支持接続部が、円形エンベロープを画定する少なくとも3つの接続ローラを備える、複数のカーと、
背面支持部とその背面支持部から延在する製品支持面と前記背面支持部に取り付けられている嵌合接続部とを有するキャリアバスケットであって、前記嵌合接続部が、第1半径を有し、180°より大きく円周方向に延在し、一般に前記円形エンベロープと一致するか、あるいは前記円形エンベロープより大きい部分円形トラックを有するハウジング、を含み、前記部分円形トラックが、少なくとも1つの内向き突出部を含む、キャリアバスケットと、を含み、
前記接続ローラが、前記キャリアバスケットが重力によって枢動可能であるように、前記部分円形トラックにおいて係合され、よって、前記製品支持面が、前記経路に沿う前記キャリアバスケットの移動の間、概ね水平に維持され、
前記少なくとも1つの内向き突出部が、前記ハウジングと、前記少なくとも1つの内向き突出部に接触する前記接続ローラのうちの少なくとも1つと、の間の相対移動に対する抵抗の増大をもたらす、キャリアバスケット搬送システム。
【請求項14】
前記カーのうちの2つに接続された支持プレート、をさらに含み、
前記支持接続部が、前記支持プレートに取り付けられている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記支持プレート上に配置された支持ローラ、をさらに含み、
その支持ローラのうちの少なくとも1つが、前記支持接続部から間隔をあけた位置で前記背面支持部に接触するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記製品支持面が、間隔をあけて配置された複数のフィンガー、を備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記カーが、前記経路を画定するトラック上に乗るにように構成されたトラックローラを含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンレストラン、バー、カフェテリアなどにおける注文品の配達など、製品の移動に使用するコンベアシステムの分野に関する。より詳細には、本発明は、搬入ステーションおよび/または搬出ステーションの間をコンベアによって移動する際に、キャリアバスケットを支持し安定させるためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、互いに接続された小ホイールカーによる無端の「列(train)」を含む閉ループへと形成される連続トラックに基づくオーバーヘッドコンベアシステムを開発し、それを販売している。前記トラックは、通常、天井又は壁から吊り下げられ、積み込みポイントから積み下ろしポイントへ、そして逆に、建物を通って、蛇行するように構成することができる。搬送対象の食品は、パッケージや袋に入っている必要があり、一部のホイールカーが搭載するキャリアバスケットに入れられる。キャリアバスケットから包装や袋を降ろし、あるいは解放し、食品を保持トレイに投入するためのさまざまな手段を設けることができる。
【0003】
レストランの一つのフロアから別のフロアへのパッケージ食品の垂直搬送のための別の食品搬送システムが米国特許第7708135号明細書に記載されている。この食品搬送システムは、それに対してキャリアが枢動可能に接続されたベルトまたはチェーンによって形成される閉ループ経路に沿って食品支持キャリアを搬送するコンベアを有している。支持キャリア上に置かれた食品の搬送は便利ではあるが、ベルトまたはチェーン式のコンベアは、空間利用と曲がりくねった搬送経路の点で柔軟性が低い。
【0004】
本出願人の米国特許出願公開第2021/0094761号明細書も、レストラン等において包装された食品を搬送するためのコンベアシステムに関するものであり、レイアウトの柔軟な設計が可能である。これにより、搬送される食品を積み込みステーションで積み込むことができる支持キャリアを備えたトラックベースのコンベアシステムが、提供される。また、食品は、積み込みステーションから離れた顧客引き渡しポイントまで、搬送される。包装された品目は、積み込みステーションと積み下ろしステーションで、キャリアに積み込まれる。1つの好ましい構成では、前記キャリアは、コンベアトラック内を移動できるカーに枢動可能に取り付けられた単一の後部支持体から片持ち支持された一連の支持フィンガーを有するバスケット(キャリアバスケット)によって、形成される。前記キャリア支持フィンガーは、積み込み/積み下ろしステーションの支持フィンガーまたはローラの間にあるスペースで並んでいる。米国特許出願公開第2021/0094761号明細書の全内容は、あたかも完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7708135号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0094761号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知の配置は、動作において成功しているが、搬送バスケットがコンベアによって画定された経路に沿って移動する際に、搬送バスケットの揺動を減衰または抑制することに関して、システムの機能を改善することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、経路に沿って移動するように構成された複数のカー(車、車両)を有するキャリアバスケット搬送システム用の自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部であって、その枢動接続部の少なくともいくつかには、キャリアバスケットが枢動接続されている、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部、を対象とする。前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部は、少なくとも1つの前記カーに取り付けるように構成された支持接続部、を含み、前記支持接続部は、円形エンベロープを画定する少なくとも3つの接続ローラを有する。好ましいキャリアバスケット輸送システムでは、支持接続部は、複数の前記カーに設けられ、また、向上した重量搬送能力を提供するために、支持接続部が2つの前記カーのグループに接続される構成も、提供される。自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部は、キャリアバスケットの背面支持部に取り付けられるように構成された嵌合接続部をさらに含む。前記嵌合接続部は、第1半径を有し180°より大きく円周方向に延在し前記ローラが部分円形トラック内に配置され得るように一般に前記円形エンベロープと一致するかまたは前記円形エンベロープより大きい部分円形トラックを含むハウジング、を含む。前記部分円形トラックは、少なくとも1つの内向き突出部を含む。前記接続ローラは、前記キャリアバスケットが重力によって枢動可能に適合されるように、前記部分円形トラックにおいて係合され、よって、前記キャリアバスケットの製品支持面は、経路に沿ったキャリアバスケットの移動の間、概ね水平に維持され、前記少なくとも1つの内向き突出部は、前記ハウジングと、前記少なくとも1つの内向き突出部に接触する前記ローラのうちの少なくとも1つとの間の相対移動に対する抵抗の増大をもたらす。
【0008】
1つの実施形態では、前記接続ローラは、エラストマー材料で作られた外周面を含む。
【0009】
1つの好ましい構成では、前記少なくとも3つの接続ローラは、軸が正方形の角を画定にするように配置された4つの接続ローラ、を含む。
【0010】
1つの実施形態では、前記少なくとも1つの内向き突出部は、複数の内向き突出部を含む。好ましくは、前記内向き突出部は、前記部分円形トラックの一部を画定し、前記内向き突出部が前記第1半径によって画定される円から半径方向内側に延びるように、概ね第1半径の距離に配置される、前記第1半径よりも小さい第2半径を有する円弧状セグメントの端部、によって形成される。特に好ましい実施形態では、前記接続ローラはローラ半径を有し、第2半径はローラ半径以上である。
【0011】
1つの実施形態では、前記円弧状セグメントは、少なくとも6つあり、より好ましくは、8つの前記円弧状セグメントがある。
【0012】
好ましくは、前記円弧状セグメントはハウジングの上部に位置する。このことは、搬送バスケット搬送システムにおけるハウジングの使用位置に関連する。
【0013】
好ましくは、前記ハウジングの底部は開口しており、これによって前記部分円形トラックが延在する長さが制限される。好ましくは、前記部分円形トラックは円周方向に約270°延在するが、さらに延在し得る。
【0014】
1つの構成では、前記ハウジングを前記接続ローラ上に保持するために、第1唇部および第2唇部が、前記部分円形トラックの各側部に沿って半径方向内向きに延在している。
【0015】
好ましい実施形態では、前記円形エンベロープは、前記部分円形トラックの前記第1半径よりも小さい半径を有する。これにより、前記少なくとも1つの突出部に接触する前記接続ローラが(ハウジングが上方に移行することによって)突出部を通り過ぎることができ、取り付けられた前記キャリアバスケットが枢動することができる。ここで、前記キャリアバスケット上の重量が増加すると、前記少なくとも1つの内向き突出部に接触し、通過する接続ローラの減衰作用が増加する。代替的または追加的に、前記ローラの表面は、前記ローラが前記少なくとも1つの内向き突出部を通過できるように、弾性的に撓み得る。
【0016】
1つの実施形態では、前記ハウジングは、キャリアバスケットコネクタを含む。これにより、前記嵌合接続部は、好ましくは、キャリアバスケットの背面支持部に取り付けられる。
【0017】
別の態様では、キャリアバスケット搬送システムが提供される。このシステムは、経路に沿って移動するように構成された複数のカーを含み、前記カーの少なくとも1つ、好ましくは前記カーいくつかには、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部が接続されている。前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部は、前記カーのうちの少なくとも1つに取り付けられた支持接続部を含み、前記支持接続部は、円形エンベロープを画定する少なくとも3つの接続ローラを備える。背面支持部と、その背面支持部から延在する製品支持面と、を有するキャリアバスケットも提供され、嵌合接続部が前記背面支持部に取り付けられる。前記嵌合接続部は、第1半径を有し、180°より大きく円周方向に延在し、一般に円形エンベロープと一致するか、または前記円形エンベロープより大きい部分円形トラックを有するハウジング、を含む。前記部分円形トラックは、少なくとも1つの内向き突出部を含む。前記接続ローラは、キャリアバスケットが重力によって枢動可能であるように、部分円形トラックにおいて係合され、よって、前記製品支持面は、前記経路に沿う前記キャリアバスケットの移動の間、概ね水平に維持され、前記少なくとも1つの内向き突出部は、前記ハウジングと、前記少なくとも1つの内向き突出部に接触する前記接続ローラのうちの少なくとも1つと、の間の相対移動に対する抵抗の増大をもたらす。
【0018】
1つの好ましい構成では、2つの前記カーに接続された支持プレートが設けられ、前記支持接続部が前記支持プレートに取り付けられる。これにより、重量搬送能力が増加する。ただし、前記支持接続部は、1つのカーまたは2つ以上のカーに取り付けられ得る。
【0019】
1つの好ましい構成では、支持ローラが前記支持プレート上に配置され、そのうちの少なくとも1つは、前記支持接続部から間隔をあけた位置で前記背面支持部に接触するように構成されている。これにより、キャリアバスケットから経路を形成するトラックシステムに片持ち梁式荷重を伝達するために、キャリアバスケットに付加的な支持がもたらされる。
【0020】
1つの好ましい構成では、前記製品支持面は、間隔をあけて配置された複数のフィンガーを備える。これにより、キャリアバスケットを積み下ろすために前記経路に沿って配置される特定のタイプの積み込みステーションおよび積み下ろしステーションと併用することが、可能となる。
【0021】
好ましい1つの実施形態では、前記カーは、前記経路を画定するトラック上に乗るように構成されたトラックローラを含む。しかし、トラックローラは必須ではなく、他のタイプのスライドブロックや他の低摩擦ガイドも使用され得る。
【0022】
上述したさまざまな特徴は、単独で、またはさまざまな組み合わせで使用され得、搬送バスケットが経路に沿って移動する際に、搬送バスケットの揺れ動きの減衰を強化することが出来る。これは、搬送バスケット搬送システムの積み下ろしステーションにおいて特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のさらなる利点および特徴は、添付の図面を参照した以下の実施形態の説明によって明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、1つまたは複数のキャリアバスケットを積み込みステーションと積み下ろしステーションとの間で移動させるために、複数のカーが移動する経路を画定するトラックを含む、従来技術のキャリアバスケット搬送システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、キャリアバスケット搬送システムと接続して使用することができる自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部の断面図である。
【
図4】
図4は、前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部が取り付けられ得る、本開示によるキャリアバスケット搬送システムに関連して使用される支持プレートの背部図である。
【
図5】
図5は、キャリアバスケットの重量搬送能力を高めるために、前記カーのうちの2つに接続するように適合された、
図4に示すキャリアバスケット支持プレートの正面斜視図である。
【
図6】
図6は、例えば
図8および
図13~
図16に示されるキャリアバスケットが接続され得る自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部のハウジングと共に支持プレートに取り付けられた自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部を示す、
図5と同様の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図4~
図6に示される支持プレートの背部図であり、本開示によるキャリアバスケット搬送システムの経路に沿って移動する前記カーのうちの2つへの接続を示す。
【
図8】
図8は、前記支持プレートに接続されたキャリアバスケットを示す、
図7と同様の背部斜視図である。
【
図9】
図9は、経路の一部に沿って移動する、支持プレートおよびその上に配置された自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部の一部の断面図である。
【
図10】
図10は、キャリアバスケット輸送システムの垂直カーブを通過する、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部の支持接続部が配置された支持プレートを示す、立面図である。
【
図11】
図11は、キャリアバスケット搬送システムの経路に沿って水平カーブを通過する、支持プレート上に位置する自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部の支持接続部を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、キャリアバスケット搬送システムの経路に沿って内側の水平カーブを通過する2つのカーに接続された支持プレートを示す、
図9と同様の断面図である。
【
図13】
図13は、キャリアバスケットを支持プレートに取り付ける自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部を有する支持プレートを示す、キャリアバスケット搬送システムの外側水平カーブでの上面図である。
【
図14】
図14は、キャリアバスケットを支持プレートに取り付ける自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部を有する支持プレートを示す、キャリアバスケット搬送システムの内側水平カーブでの上面図である。
【
図15】
図15は、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部を介して前記カーのうちの2つによって運搬される支持プレートに接続されたキャリアバスケットを示す斜視図である。
【
図16】
図16は、キャリアバスケット搬送システムの経路に沿って垂直カーブを通過する
図15の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(詳細な説明)
以下の説明では、便宜上特定の用語が使用されているが、これは限定的なものではない。「右」、「左」、「上部」、および「下部」という語は、参照される図面における方向を示す。特許請求の範囲および明細書の対応する部分で使用される「一つの(a)」および「一つの(one)」という語は、特に断りのない限り、参照される物品の1つまたは複数を含むものとして非限定される。この用語には、上記で特に言及した語、その派生語、および類似の語句が含まれる。「A、B、またはC」などの、2つ以上の物品のリストが続く「少なくとも1つ」という語句は、A、B、またはCのうちの任意の個別の1つ、およびそれらの任意の組み合わせを意味する。「約」または「概して」という用語は、特に断りのない限り、指定された値の±10%以内、および指定された角度または方向の±25°以内を意味する。
【0025】
図1は、本明細書中に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2021/0094761号からの出願人のコンベアシステム10の一実施形態を示す図である。このシステムは、1つ以上の湾曲部分14を有するトラック13によって画定される経路12と、複数のカー20が案内される直線セグメント15と、を含む。前記カー20が互いに直接接続されているか、あるいは前記カー20の間に中間部分ある状態で、モータは、前記カー20を前記トラック13に沿って駆動させる。各キャリアバスケット30は、少なくともいくつかの前記カー20に枢動可能に取り付けられており、各キャリアバスケット30は、前記カー20に枢動可能に取り付けられているキャリアバスケット30の側面から片持ち梁状に取り付けられているキャリア支持フィンガー32を含む。積み込みステーション40または積み降ろしステーション42の少なくとも一方は、好ましくは、経路12に沿って配置されている。前記積み込みステーション40および前記積み下ろしステーション42は、前記コンベアシステム10を介して搬送される物品を受け取るかまたは降ろすかのいずれかのために、前記積み込みステーションまたは前記積み下ろしステーション支持フィンガー44の間を移動する前記キャリアバスケット支持フィンガー32によって前記キャリアバスケット30から搬送される物品を取り出すために使用される支持フィンガー44、を含む。これらの支持フィンガー44は、搬送経路または送達経路に沿って物品をさらに運ぶために、動力を供給され得る、すなわち、動力ローラ、ベルト、またはチェーンによって形成され得る。米国特許第2021/0094761号で説明されているように、前記コンベアシステム10は、特定の用途やスペース要件に適合させるために、レイアウト設計の柔軟性を高めることを可能にする。
【0026】
図2~16を参照すると、本開示による自己減衰式キャリアバスケット枢軸接続部80を有するキャリアバスケット110用のキャリアバスケット搬送システム50の一実施形態が示されている。キャリアバスケット搬送システム50は、
図1に開示されるコンベアシステム10と同様の、キャリアバスケット110が運搬される経路56を有するコンベア54(
図9および
図10に示される)を含む。前記経路56は、上述したトラック13と同様のトラック57によって画定され、このトラック57は、キャリアバスケット110中に置かれる、例えばファーストフードであり得る製品を、好ましくは
図1に示される40および42などの積み込みステーションと積み下ろしステーションとの間で移動させるために、直線セグメントだけでなく湾曲セグメント(湾曲部分)を有する様々な構成で、配置され得る。
【0027】
図2、
図3、および
図6に詳細に示すように、自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部80は、前記カー60の少なくとも1つに取り付けられるように構成された支持接続部82、を含む。前記支持接続部82は、円形エンベロープC
Eを画定する少なくとも3つの接続ローラ84を備える。嵌合接続部92は、例えば
図13~16に示すように、キャリアバスケット110の背面支持部112に取り付けられるように構成されている。嵌合接続部92は、一般に第1半径R1によって画定され、180゜より大きく、好ましくは225゜より大きく、より好ましくは約270゜円周方向に延在する部分円形トラック96を有するハウジング94、を備える。前記部分円形トラック96は、一般に、少なくとも3つの接続ローラ84によって画定される円形エンベロープC
Eと一致するか、またはそれよりも大きい。前記部分円形トラック96は、少なくとも1つの内向き突出部98を含み、より好ましくは、一連の内向き突出部98を含む。
【0028】
さらに
図2および
図3を参照すると、前記接続ローラ84は、キャリアバスケット110が重力によって枢動可能に適合されるように、前記部分円形トラック96において係合され、よって、
図13~
図16に示されるその製品支持面114は、前記経路56に沿った前記キャリアバスケット110の移動の間、概ね水平に維持される。少なくとも1つの内向き突出部98、好ましくは一連の内向き突出部98は、ハウジング94と、少なくとも1つの内向き突出部98に接触するローラ84のうちの少なくとも1つと、の間の相対運動に対する抵抗の増大をもたらす。
【0029】
図2および
図3に詳細に示すように、好ましい実施形態では、接続ローラ84は4つあり、内向き突出部98のうちの2つまたは場合によってはそれ以上が、接続ローラ84に対するハウジング94の相対的な位置に応じて、任意の時点で接続ローラ84のそれぞれと接触し得る。
【0030】
図3に示すように、接続ローラ84が4つ設けられている場合、好ましくは、その軸X1~X4が正方形の角を画定するように配置される。
【0031】
特に好ましい実施形態では、内向き突出部98は、第1半径R1よりも小さい第2半径R2を有し、部分円形トラック96の一部を画定し、内向き突出部98が第1半径R1によって画定される円CTから半径方向内側に延在するように前記第1半径R1の距離に概ね配置される円弧状セグメント100の端部、によって形成される。
【0032】
好ましい実施形態では、前記接続ローラ84はローラ半径RRを有し、前記第2半径R2はローラ半径RR以上である。
【0033】
好ましい実施形態では、接続ローラ84に対するハウジング94の枢動運動を可能にするために、円CTは、好ましくは、円CEよりも大きな直径を有するが、これは、前記キャリアバスケット110が枢動するにつれて接続ローラ84のうちの1つ以上が突出部98の間のスペースに移動する際にハウジング94が下方に下がる前に、接続ローラ84が内向き突出部98のうちの1つ以上を通過する際に前記部分円形トラック96を有するハウジング94がわずかに上方に移動するための隙間、を提供するためである。エンベロープ円CEの中心はまた、部分円形トラック96を一般に画定する円CTの中心からオフセットされ得る。
【0034】
図2および
図3に示す好ましい実施形態では、円弧状セグメント100は少なくとも6つあり、より好ましくは、図示のように円弧状セグメント100は8つある。これらの円弧状セグメント100は、ハウジング94の上部、好ましくは部分円形トラック96の中心上方に、部分円形トラック96の外側の領域における開放空間とは反対側に、配置されている。この開放空間は、前記ハウジング94を前記接続ローラ84上に組み立てるのを助けるために使用され得る。
【0035】
さらに
図2、
図3、および
図6を参照すると、前記ハウジング94は、好ましくは、前記接続ローラ84上に前記ハウジング94を保持する部分円形トラック96の各側部に沿って半径方向内向きに延在する第1唇部および第2唇部102、104、を含む。
【0036】
前述のように、円形エンベロープCEは、好ましくは部分円形トラック96の第1半径R1よりも小さい半径R3を有する。
【0037】
この配置の1つの特別な利点は、前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部80によって、キャリアバスケット110が、アンバランスな荷重または偏心荷重を担持するときに、水平位置を維持できることである。(垂直カーブの周りを移動する場合に望ましい)前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部80が枢動する前に許容できる偏心荷重またはアンバランスな荷重の量は、荷重の重量、ならびに接続ローラ84の形状および内向き突出部98を有する部分円形トラック96の形状によって異なり、これは、特定の用途に合わせて調節され得る。
【0038】
1つの実施形態では、前記接続ローラ84は、エラストマー材料で作られた外面85を任意に含んでいてもよい。これにより、経路56の垂直カーブの周りの移行によってキャリアバスケット110の角度が変化し、キャリアバスケット110に作用する重力が、接続ローラ84のうちの少なくとも1つとそれぞれの突出部98との接触によって生じる抵抗力を超えるときに、前記内向き突出部98の1つまたは複数を越えて移行できるようにするために、接続ローラが少なくともある程度圧縮されることが可能になる。しかし、これは必須ではなく、経路56における垂直カーブの周りの移行によりキャリアバスケット110の角度が変化するにつれて、接続ローラ84が1つ以上の内向き突出部98を越えて移行することは、上述のように、前記ハウジング94および取り付けられたキャリアバスケット110を上方に上昇させることによって、実施され得る。
【0039】
図2および
図6に詳細に示すように、前記ハウジング94は、好ましくは、キャリアバスケットコネクタ106を含む。これは、キャリアバスケット110の背面支持部112上の対応するセグメントが係合する2つの溝付きトラック106a、106bによって、提供され得る。
【0040】
図7~16を参照すると、キャリアバスケット搬送システム50が示されており、これは、上述したように、前記カー60の少なくとも1つに自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部80が接続された状態で経路56に沿って移動するように構成された複数のカー60、を含む。
【0041】
前記キャリアバスケット搬送システム50において、好ましい一実施形態では、支持プレート70が前記カー60うちの2つに接続され、前記支持接続部82が前記支持プレート70に接続されている。この好ましい実施形態では、支持ローラ72が前記支持プレート70上に配置され、支持ローラ72の少なくとも1つが、支持接続部82から間隔を隔てた位置でキャリアバスケット110の背面支持部112に接触するように構成されている。この構成により、より大きな荷重が、キャリアバスケット110によって運搬され得る。さらに、前記自己減衰式キャリアバスケット枢動接続部80は、接続ローラ84が内向き突出部98の少なくとも1つに接触する構成により、キャリアバスケット110が荷重を受けたときのキャリアバスケット110の過度の揺れを防止する。このことは、キャリアバスケットフィンガー116と、積み込みステーションおよび/または積み下ろしステーション40、42上に位置する支持フィンガー44との間の干渉を防止するために、好ましくは、複数の離間したフィンガー116を有する製品支持面114を備えるキャリアバスケット110が、上述した40、42などの積み込みステーションまたは積み下ろしステーションに移行する際の揺動を減衰させるのに、特に有用である。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、カー60は、経路56を画定するトラック57上に乗るように構成されたトラックローラ68を含む。トラックローラ68は、前記カー60の低摩擦移動のために好ましいが、低摩擦スライダーを提供することも可能である。
【0043】
前述の内容は、例示のために提示されたものであり、限定を意味するものではないことが理解されよう。記載されている実施形態に対して、該本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな代替および変更を行えることが意図されている。本発明をこのように詳細に記載してきたが、そのうちの一部のみが本発明の詳細な説明において例示されている多くの物理的変更は、本発明に包含されている発明の概念および原理を変更することなく行われ得ることが理解され、当業者には明らかであろう。また、本発明に包含されている好適な実施形態の部分、発明の概念および原理に関して変更しない、該好適な実施形態の部分のみを組み込んでいる多くの実施形態が可能であることも理解されよう。したがって、本実施形態および任意の構成は、あらゆる点で例示的および/または説明的であり、限定的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示されており、したがって、前記特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内にある、この実施形態に関するすべての代替的な実施形態および変更は、本発明に包含される。
【外国語明細書】