(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039624
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】可動機械部品を覆う保護カバー
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/08 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
B23Q11/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023140820
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】10 2022 122 950.5
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】513075113
【氏名又は名称】アルノ アルノルト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】ヒンバート, ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ヒンバート, イザベル
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011DD06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単で、信頼性が高く、長期にわたり、滑らかで抵抗なく移動され得る保護カバーを提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1つの支持プロファイル(100)を有するとともに、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素(20)を有する保護カバー(1)であって、支持プロファイルが、保護カバー要素を取り外し可能に接続するための第1の接続手段(111)を有し、保護カバーが、保護カバーの第1の位置(X1)と保護カバーの第2の位置との間で規定される所定の移動範囲(XB)内で移動方向(XR)に移動でき、支持プロファイルの断面の高さが第1の位置では移動方向に対して実質的に垂直に配置されるとともに第2の位置では移動方向と平行に配置されるように、支持プロファイルが軸(123)の周りで回転可能に取り付けられる、保護カバーに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの支持プロファイル(100)を有するとともに、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素(20)を有する保護カバー(1)であって、前記支持プロファイル(100)が、前記保護カバー要素(20)を取り外し可能に接続するための第1の接続手段(111)を有し、前記保護カバー(1)の第1の位置(X1)と前記保護カバー(1)の第2の位置(X2)との間で規定される所定の移動範囲(XB)内で移動方向(XR)に移動できる、保護カバー(1)において、
前記支持プロファイル(100)は、前記支持プロファイル(100)の断面(H)の高さが前記第1の位置(X1)では前記移動方向(XR)に対して実質的に垂直に配置されるとともに前記第2の位置(X2)では前記移動方向(XR)と平行に配置されるように、軸(123)の周りで回転可能に取り付けられることを特徴とする保護カバー(1)。
【請求項2】
前記支持プロファイル(100)が長尺な及び/又は高い断面(H)を有することを特徴とする請求項1に記載の保護カバー(1)。
【請求項3】
前記支持プロファイル(100)が角度(α)を成して回転可能に取り付けられ、前記角度(α)は、前記第1の位置(X1)では80°~100°であり、及び/又は前記第2の位置(X2)では0°~79°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護カバー(1)。
【請求項4】
前記保護カバー要素(20)が回転可能に取り付けられ、前記保護カバー要素(20)が角度(β)を成して回転可能に取り付けられ、前記角度(β)が0°~180°であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項5】
前記支持プロファイル(100)は、プレートガーダ、中空プロファイルガーダ、及び/又は中空ボックスガーダであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項6】
前記支持プロファイル(100)は、本質的に硬いプラスチック材料、本質的に硬いプラスチック化合物、金属、金属化合物、及び/又はそれらの複合体から形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項7】
前記支持プロファイル(100)が第2の接続手段(121)を有し、前記第1の接続手段(111)が前記支持プロファイル(100)の第1の端部(110)に配置され、前記第2の接続手段(121)は、前記第1の端部の反対側の前記支持プロファイル(100)の第2の端部(120)に配置されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項8】
前記第1及び/又は第2の接続手段(111、121)は、ヒンジ接続、ケダー接続、クリック接続、クランプ接続、ロック接続、螺合接続、リベット接続、及び/又は押し込み嵌合接続であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項9】
前記保護カバー要素(20)は、折り曲げ要素及び/又はローラブラインドであるとともに、プラスチック材料、プラスチック化合物、金属、織物及び/又はそれらの複合体から形成されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項10】
前記保護カバー要素(20)は、折り曲げ可能であり、巻き取り可能であり、本質的に剛性であり、熱可塑性であり、少なくとも部分的に透明であり、及び/又は少なくとも部分的に半透明であることを特徴とする請求項8に記載の保護カバー(1)。
【請求項11】
前記保護カバー(1)がガイドレール(50)を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項12】
前記ガイドレール(50)が円形ガイド及び/又はギアラックガイドであることを特徴とする請求項11に記載の保護カバー(1)。
【請求項13】
前記保護カバー(1)が少なくとも1つの駆動ユニット(30)を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項14】
前記保護カバー(1)がエンドフレーム(40)及び/又はシールドを備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項15】
前記支持プロファイル(100)が少なくとも1つのダンパ(125)を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の保護カバー(1)。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の保護カバーを備える機械、特に工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る可動機械部品を覆うための保護カバー、及び請求項16に係る保護カバーを備える機械に関する。
【背景技術】
【0002】
保護カバーは、最新技術により既知であり、特に、可動機械部品などを覆うために役立つが、決してこれに限定されるものではない。一般に、最新技術により既知の保護カバーは、長さ調整可能な保護カバー要素を備えており、この保護カバー要素により、機械部品は、収縮状態及び伸長状態の両方で、切り屑、塵埃粒子、又は他の汚染などの外部影響に対して保護されるだけでなく、環境に対してシールもされ得る。保護カバー要素は長さ調整可能であるため、保護カバー自体の全長も長さ調整可能である。この種の長さ調整可能な保護カバーは、前記保護カバーを安定させるのに役立つ、特に前記保護カバーを支持するのに役立つフレーム要素及び/又は支持フレームに接続される。例としてドイツ特許公開第10 2006 033 607号明細書及びドイツ実用新案第20 2012 008 987号明細書に留意すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、最新技術により既知の保護カバーは、使用される支持フレーム及び/又はフレーム要素が保護カバーを滑らかに抵抗なく移動させるのに必要な予荷耐重力又は支持力を有しないという意味で、不具合があることが分かってきている。これは、保護カバーが、障害を受けやすい態様でガイドに移動可能に取り付けられるとともに垂れ下がることが多く、そのため、環境から可動機械部品をシール(密封)できないからである。このことは、一般にルーフカバーとして使用されるような非常に大きくて重い保護カバーの場合に特に当てはまる。他の不都合は、保護カバーを大きな力を使用しないと移動できないことである。
【0004】
したがって、簡単で、信頼性が高く、長期にわたり、滑らかで抵抗なく移動され得る保護カバーには、大きな需要がある。更に、保護カバーは、必要な予荷耐重力及び/又は支持を簡単且つ信頼性の高い態様で確保し、必要に応じて可動機械部品が環境に対して確実にシールされるようにする必要がある。もう1つの焦点は、費用効率の高い製造可能性、保護カバーの耐久性、及び保護されるべき機械の領域に対する保護カバーの個別の適合性に当てられる。更に、保護カバーは、好ましくは、コンパクトであるとともに設置スペースをとらないように設計される必要がある。したがって、本発明の目的は、前述の困難を克服するための保護カバーを提供すること、特に、できるだけ少ない設置スペースを使用して保護カバーを確実に移動できることを保証することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立主請求項1の教示に係る保護カバー、及び独立主請求項16の教示に係る保護カバーを備える機械によって、驚くほど単純だが効果的な態様で達成される。
【0006】
本発明は、少なくとも1つの支持プロファイルを有するとともに、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素を有する保護カバーを提案し、支持プロファイルは、保護カバー要素を取り外し可能に接続するための第1の接続手段を有し、保護カバーは、保護カバーの第1の位置と保護カバーの第2の位置との間で規定される所定の移動範囲内で移動方向に移動できる。保護カバーは、支持プロファイルの断面の高さが保護カバーの第1の位置では移動方向に対して実質的に垂直に配置され、また、支持プロファイルの断面の高さが保護カバーの第2の位置では移動方向と平行に配置されるように、支持プロファイルが軸の周りで回転可能に取り付けられることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る保護カバーは、長さ調整可能な保護カバー要素と共にユニットを形成する支持プロファイルが、伸長時の保護カバーの寸法に大きく寄与するという考えに基づいている。これは、一方では、支持プロファイルの断面の高さが保護カバーの第1の位置では移動方向に対して実質的に垂直に配置され、また、支持プロファイルの断面の高さが保護カバーの第2の位置では移動方向と平行に配置されるように、支持プロファイルが移動範囲によって予め決定される移動方向に移動できる軸の周りに回転可能に取り付けられるという事実によって可能にされる。また、これは、支持プロファイルに取り外し可能に接続される保護カバー要素によっても可能にされる。更に、軸は、導入されたエネルギー、力、及び/又は運動量を所定の移動範囲内の所定の移動に、したがって、好ましくは2つの移動方向の移動、すなわち前後の移動に変換できるようにする。このようにすると、最大限の伸長と最大限のアクセスとを可能にしつつ、保護カバーをスムーズに、確実に、抵抗なく移動できるようにすることが可能である。
【0008】
「保護カバー」という用語は、特に、決して排他的ではないが、工作機械などの可動機械部品のカバーを指す。したがって、本発明に関連して、この用語は、保護カバー全体、保護カバーの一部、及び/又は保護カバーの少なくとも1つの要素を指す。本発明に係る保護カバーは、少なくとも1つの支持プロファイルと、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素とを備える。保護カバー、特に支持プロファイル及び保護カバー要素は、所定の移動範囲内で、移動可能であり、特に移動可能となるように案内される。「所定の移動範囲」という用語は、保護カバーの伸長方向、すなわち、保護カバーを何度でも前後に移動させて動かすことができる移動方向を指す。所定の移動範囲は、保護カバーの第1の位置と保護カバーの第2の位置との間で規定される。好ましくは、保護されるべき機械へのアクセス領域が開放されるように、保護カバーの第1の位置が保護カバーの最小伸長幅を規定することが考えられる。更に、保護されるべき機械にアクセスできないように、保護カバーの第2の位置が保護カバーの最大伸長幅によって規定されることが考えられる。好ましくは、保護カバーは、所定の移動範囲内で、したがって、少なくとも1つ、好ましくは2つの移動方向で、すなわち、前後に移動できる。当業者は、構成要素の所定の移動及び/又は案内に関する対応する可能性が分かる。
【0009】
「支持プロファイル」という用語は、支持プロファイルに取り外し可能に接続される保護カバー要素を支持するのに役立つ少なくとも1つのプロファイルを備え、プロファイルは、保護カバーの所定の移動範囲において、すなわち、少なくとも1つ、好ましくは2つの移動方向において、第1の位置と第2の位置との間で動くことができ、すなわち、移動又はシフトすることができる。本発明との関連で、支持プロファイルが保護カバーの全長にわたって等間隔で分布されることが意図される。保護カバーは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100個の同一に又は異なって設計される支持プロファイルを備える。
【0010】
本発明によれば、支持プロファイルは、支持プロファイルの断面の高さが第1の位置では移動方向に対して実質的に垂直に配置され、支持プロファイルの断面の高さが保護カバーの第2の位置では移動方向と平行に、好ましくは移動方向と実質的に平行に配置されるように、移動範囲によって予め決定される少なくとも1つ、好ましくは2つの移動方向で移動できる、好ましくは滑らかに移動できる軸の周りで回転可能に取り付けられる。本発明の範囲内で、前述の支持プロファイルの移動能力が実現できる限り、軸の形態は重要ではない。当業者に知られているこの種の軸としては、ロッド、バンド、ロープ、フラットバーなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
本発明の範囲内で、支持プロファイルが第1の接続手段を有し、この第1の接続手段によって長さ調整可能な保護カバー要素を取り外し可能に接続できる、特に直接的又は間接的に接続できることが不可欠であることが判明した。直接的又は間接的な接続を実現するのに適した第1の接続手段は、当業者に知られている。直接的で取り外し可能な接続は、単に第1の接続手段と保護カバー要素とを直接接触させることで、例えばそれらを互いに押し付けることで接続を確立することにより実現でき、また、接続は、それらを押し離すことによって取り外すことができる。間接的で取り外し可能な接続は、例えば適切な接続要素によって実現することができる。更に、支持プロファイルと保護カバー要素とがユニットを形成することが不可欠であり、支持プロファイルが回転可能に取り付けられるため、支持プロファイルが保護カバーの伸長時の寸法に大きく寄与することが判明した。保護カバーが、主として使用される材料に応じて、例えば、前記保護カバーを伸長させる、回転させる、及び/又は引き延ばすことによって、保護カバーの伸長寸法にも寄与することも考えられ、これは当業者に知られている。このことは、支持プロファイル及び保護カバー要素の両方が、可動機械部品を外部の影響から保護するとともに、収縮状態及び伸長状態の両方で、つまり、保護カバーの第1の位置と保護カバーの第2の位置とで可動機械部品を環境に対してシールすることを意味する。
【0012】
「保護カバー要素」という用語は、移動範囲によって予め決定される1つ、好ましくは2つの移動方向で移動できるとともに、可動機械部品を外部の影響から保護するとともに、収縮状態及び伸長状態の両方で、つまり、保護カバーの第1の位置と保護カバーの第2の位置とで可動機械部品を環境に対してシールする少なくとも1つの長さ調整可能な要素に関するものである。本発明によれば、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、又は100個の同一に又は異なって設計される保護カバー要素が考えられる。
【0013】
「シール」という用語は、環境に対する、すなわち、外部の影響、つまり、物質、流体及び/又はそれらの複合体に対する可動機械部品の不浸透性の程度を表わす。「外部の影響」という用語は、例えば、排他的ではないが、可動機械部品、機械、及び/又は環境を損なう全ての影響に関連する。例えば、湿気及び/又はガスなどの流体、油及び/又は潤滑剤などの作動供給物、切り屑、粉塵粒子、及び/又は他の汚染物質が想定し得る。
【0014】
当業者であれば分かるように、「不浸透性」という用語は、相対的な用語であり、環境に対する可動機械部品の絶対的な不浸透性は存在しない。本発明に関連して、「シール」又は「不浸透性」は、可動機械部品が外部の影響から確実に保護されるように、事前に確立された必要条件及び/又は所定の条件を常に指すものと理解されるべきである。機械部品の移動に起因して、外部の影響が一時的に機械に向かって又は機械から離れて通過する可能性があることが理解される。外部の影響が一時的に通過する可能性はそれほど重要ではない。
【0015】
関連する技術分野の当業者にとって、本発明に係る保護カバーが絶対的に不浸透性であることを意図したものでないことは明らかである。その代わりに、機械への損傷及び/又は環境の汚染を防ぐために、外部の影響が最大の想定し得る程度まで通過するのを防ぐことが好ましい。外部の影響が上記の方向の一方で完全に通過しないようにされ、それにより、絶対的な不浸透性を少なくとも部分的に又は瞬間的に達成できるようにすることが更に好ましい。不浸透性は、保護カバー及び/又は機械部品の構造形態によって調整することもできる。しかしながら、これにはコストの増大を伴う。本発明に関連して、シールのレベルは、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%以上である。
【0016】
本発明に関連して、必要な予荷耐重力及び/又は支持の達成及び/又は維持、及び環境に対する機械部品のシールのレベルが、使用される材料、使用部位、使用条件及び/又は保護カバーの目的に大きく依存することを考慮すべきである。当業者はこれを認識している。
【0017】
「可動機械部品」という用語は、当業者には知られており、外部の影響から保護されるべき機械、特に工作機械の移動/可動部品に関連する。機械のタイプ、サイズ、寸法、及び/又は形態はそれほど重要ではない。
【0018】
したがって、本発明に係る保護カバーによって、保護カバーの長さにわたって均一に配置される保護カバー要素を使用して、一貫して、抵抗なく、故障の影響を受けにくい信頼性の高い態様で保護カバーを移動できるようにすることが可能であり、そのため、動作条件に応じて、外部の影響に対して又はそれぞれの環境からの影響に対して可動機械部品を確実にシールすることができる。同時に、保護カバーのコンパクトな形態に起因して、保護カバーによって覆われるべき作業領域を可能な限り大きくすることが達成される。更に、特にシンプルでコンパクトで構成要素の多様性が低減された設計に起因して、かなりの生産費と材料費とを節約することができる。更に、本発明に係る保護カバーは設置スペースを殆ど必要としないため、保護カバーのために利用できるスペースが非常に限られている又はアクセスが困難な可動機械部品を覆うのにも適している。同時に、本発明に係る保護カバーの重量は非常に軽いため、考えられるあらゆる用途に適している。
【0019】
個別に又は組み合わせて実現され得る本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載される。
【0020】
一実施形態では、支持プロファイルが理想的な剛性を有する長尺な断面及び/又は高い断面(high cross section)を有することが考えられる。本発明では、長尺な及び/又は高い断面が、低度のたるみに寄与し、したがって保護カバーの不浸透性及び必要な予荷耐重力及び/又は支持の維持に寄与することが判明した。これは、支持プロファイルの狭い側が、重量を支える、すなわち、第2の位置で支持プロファイル及び保護カバー要素の重量を支えるため、及び、軸が曲げモーメントを吸収するため、長尺な断面を有する支持プロファイルの特定の構成によって達成される。本発明に関連して、前記支持プロファイルが回転可能に取り付けられるため、支持プロファイルの長尺な及び/又は高い断面が保護カバーの設置高さ及び/又は構造的高さを増大させないことが判明した。したがって、本発明によれば、支持プロファイルの長尺な及び/又は高い断面を、特に保護カバーの断面におけるその実装に起因して、保護カバーの伸長寸法として使用することができる。好ましくは、支持プロファイルの長尺な及び/又は高いプロファイル断面の高さは、保護カバー全体の設置高さに対応し、それにより、支持プロファイル及び保護カバー要素の伸長比率を理想的に利用しつつ、保護カバーのために必要な設置スペースを可能な限りコンパクトにすることができる。
【0021】
更に、支持プロファイルの回動面と移動方向との間に形成される角度αを成して支持プロファイルが回転可能に取り付けられることが考えられ、角度αは、第1の位置において80°~100°であり、及び/又は第2の位置において0°~79°である。「回動面」という用語は、回転軸に関連する支持プロファイルの仮想中心面を指す。本発明によれば、支持プロファイルは移動方向の平面内にある軸の周りで回動する。好ましくは、回動面は、軸と、軸とは反対側の支持プロファイルのポイントとの間に形成され、更により好ましくは、軸と第1の接続手段との間に形成される。当業者に明らかなように、支持プロファイルの外側形態に応じて、中心面を前記支持プロファイルの中心に対してオフセットして配置することもできる。中心面が支持プロファイルの最大外側寸法内に位置されることが重要である。好ましくは、第1の位置における角度αは、少なくとも80°、81°、82°、83°、84°、85°、86°、87°、88°、89°、90°、91°、92°、93°、94°、95°、96°、97°、98°、99°、又は100°に相当する。より好ましくは、第1の位置における角度αは、100°、99°、98°、97°、96°、95°、94°、93°、92°、91°、90°、89°、88°、87°、86°、85°、84°、83°、82°、81°又は80°以下に相当する。好ましくは、第2の位置における角度αは、少なくとも0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°、21°、22°、23°、24°、25°、26°、27°、28°、29°、30°、31°、32°、33°、34°、35°、36°、37°、38°、39°、40°、41°、42°、43°、44°、45°、46°、47°、48°、49°、50°、51°、52°、53°、54°、55°、56°、57°、58°、59°、60°、61°、62°、63°、64°、65°、66°、67°、68°、69°、70°、71°、72°、73°、74°、75°、76°、77°、78°又は79°に相当する。より好ましくは、第2の位置における角度αは、79°、78°、77°、76°、75°、74°、73°、72°、71°、70°、69°、68°、67°、66°、65°、64°、63°、62°、61°、60°、59°、58°、57°、56°、55°、54°、53°、52°、51°、50°、49°、48°、47°、46°、45°、44°、43°、42°、41°、40°、39°、38°、37°、36°、35°、34°、33°、32°、31°、30°、29°、28°、27°、26°、25°、24°、23°、22°、21°、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°又は1°以下に相当する。当業者であれば分かるように、第1の位置及び/又は第2の位置において、角度αは、特定の構成に依存するとともに、使用される材料、すなわち、支持プロファイルの材料及び保護カバー要素の材料の剛性に依存する。
【0022】
「実質的に」という用語は、ほんの僅か、特に重要ではない条件の変化及び/又は条件からの逸脱が起こることを意味する。好ましくは、この変化及び/又は逸脱は均一である。本発明において、「移動方向に対して実質的に垂直」という用語は、支持プロファイルの断面の高さを移動方向に対して80°~100°に配置できることを意味する。更に、「平行」という用語は、支持プロファイルの断面の高さを移動方向に対して0°~79°に配置できることを意味し、一方、「移動方向と実質的に平行」という用語は、支持プロファイルの断面の高さを移動方向に対して0°~50°に配置できることを意味する。
【0023】
更に、保護カバー要素が回転可能に取り付けられ、保護カバー要素が角度βを成して回転可能に取り付けられることが考えられ、角度βは、支持プロファイルの回動面と保護カバー要素の中心面との間に形成され、角度βは0°~180°である。本出願の他の箇所で説明したように、保護カバー要素の外側形態に応じて、中心面を前記保護カバー要素の中心に対してオフセットして配置できることは、当業者に明らかである。中心面が保護カバー要素の最大外側寸法内に位置されることだけが重要である。好ましくは、角度βは、少なくとも0°、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°、21°、22°、23°、24°、25°、26°、27°、28°、29°、30°、31°、32°、33°、34°、35°、36°、37°、38°、39°、40°、41°、42°、43°、44°、45°、46°、47°、48°、49°、50°、51°、52°、53°、54°、55°、56°、57°、58°、59°、60°、61°、62°、63°、64°、65°、66°、67°、68°、69°、70°、71°、72°、73°、74°、75°、76°、77°、78°、79°、80°、81°、82°、83°、84°、85°、86°、87°、88°、89°、90°、91°、92°、93°、94°、95°、96°、97°、98°、99°、100°、101°、102°、103°、104°、105°、106°、107°、108°、109°、110°、111°、112°、113°、114°、115°、116°、117°、118°、119°、120°、121°、122°、123°、124°、125°、126°、127°、128°、129°、130°、131°、132°、133°、134°、135°、136°、137°、138°、139°、140°、141°、142°、143°、144°、145°、146°、147°、148°、149°、150°、151°、152°、153°、154°、155°、156°、157°、158°、159°、160°、161°、162°、163°、164°、165°、166°、167°、168°、169°、170°、171°、172°、173°、174°、175°、176°、177°、178°、179°又は180°に相当する。より好ましくは、角度βは、180°、179°、178°、177°、176°、175°、174°、173°、172°、171°、170°、169°、168°、167°、166°、165°、164°、163°、162°、161°、160°、159°、158°、157°、156°、155°、154°、153°、152°、151°、150°、149°、148°、147°、146°、145°、144°、143°、142°、141°、140°、139°、138°、137°、136°、135°、134°、133°、132°、131°、130°、129°、128°、127°、126°、125°、124°、123°、122°、121°、120°、119°、118°、117°、116°、115°、114°、113°、112°、111°、110°、109°、108°、107°、106°、105°、104°、103°、102°、101°、100°、99°、98°、97°、96°、95°、94°、93°、92°、91°、90°、89°、88°、87°、86°、85°、84°、83°、82°、81°、80°、79°、78°、77°、76°、75°、74°、73°、72°、71°、70°、69°、68°、67°、66°、65°、64°、63°、62°、61°、60°、59°、58°、57°、56°、55°、54°、53°、52°、51°、50°、49°、48°、47°、46°、45°、44°、43°、42°、41°、40°、39°、38°、37°、36°、35°、34°、33°、32°、31°、30°、29°、28°、27°、26°、25°、24°、23°、22°、21°、20°、19°、18°、17°、16°、15°、14°、13°、12°、11°、10°、9°、8°、7°、6°、5°、4°、3°、2°、1°又は0°以下に相当する。当業者であれば分かるように、角度βは、特定の構成に依存するとともに、使用される材料、すなわち、支持プロファイルの材料及び保護カバー要素の材料の剛性に依存する。
【0024】
他の実施形態において、支持プロファイルは、プレートガーダ、特にシートメタルエッジプロファイル又は鋳造バープロファイル、及び/又はI-、P-、T-、H-、TH-、Z-、U字形又はL字形プロファイル、特に長方形プロファイル又は正方形プロファイルを伴う中空プロファイルガーダ、及び/又は中空ボックスガーダであることが考えられる。支持プロファイルの形状は、好ましくは三角形、長方形、六角形、特に正六角形又は多角形である。プレートガーダ、中空プロファイルガーダ、及び中空ボックスガーダは、軽量であり、製造に必要な材料が少ないという特徴がある。一貫した安定性と組み合わせた軽量性は、特にシール性と必要な予荷耐重力及び/又は保護カバーの支持の観点から、大型の保護カバーの場合に特に重要である。
【0025】
更に、支持プロファイルが、本質的に硬いプラスチック材料、本質的に硬いプラスチック化合物、金属、金属化合物及び/又はそれらの複合体から形成されることが考えられる。適切な材料及びそれらの固有の特性は当業者に知られている。好ましくは、支持プロファイルはアルミニウムから形成される。本発明に関連して、特に、物理的に硬い材料と、長尺な断面を有する支持プロファイルの特定の構成又は形状との組み合わせが、必要な予荷耐重力及び/又は保護カバーの支持を達成するのに寄与することが判明した。
【0026】
更に、支持プロファイルが第2の接続手段を有し、第1の接続手段が支持プロファイルの第1の端部に配置され、第2の接続手段が第1の端部とは反対側の支持プロファイルの第2の端部に配置されることが考えられる。好ましくは、第2の接続手段は、他の保護カバー要素を取り外し可能に接続するように設計され、好ましくは取り外し可能に支持するようにも設計される。本発明によれば、更なる保護カバー要素が角度ρを成して取り外し可能に支持されることも意図され、角度ρは、支持プロファイルの軸と第2の接続手段との間に形成される平面と移動方向との間に形成され、角度ρは0°~180°である。他の場所で詳しく説明される角度βの定義及び条件は、角度ρに適用される。
【0027】
本発明に関連して、前述したように、保護カバー要素は、直接的又は間接的に、適切な要素を用いて、支持プロファイルの第1及び/又は第2の接続手段に取り外し可能に接続されることが判明した。この構成により、保護カバーの構造を移動方向で任意のサイズまで増大することができ、したがって、最大伸長長さを長くすることができる。更に、保護カバーの構造は、それを繰り返し部品に起因して省スペースで保管できるという点で有利である。
【0028】
他の実施形態において、第1及び/又は第2の接続手段は、ヒンジ接続、ケダー接続、クリック接続、クランプ接続、ロック接続、螺合接続、リベット接続、及び/又は押し込み嵌合接続であることが考えられる。好ましくは、第1及び/又は第2の接続手段は、アルミニウム製のクランププロファイルである。このようにすると、個々の一体化された保護カバー要素を、現場で簡単に組み立てたり分解したりできるため、メンテナンス、整備、及び/又は修理の目的で、交換することができる。これにより、本発明に係る第1及び/又は第2の接続手段に起因して、横方向に挿入することなく省スペースの組立てが可能となり、訓練を受けた作業員が工具を使わずに組立てを行なうことができる。メンテナンス、整備、及び/又は修理は、それぞれの要素を交換するだけで現場で行なうことができるため、メンテナンス関連のコストを大幅に削減でき、機械のダウンタイムを完全に回避できる。
【0029】
更に他の実施形態では、保護カバー要素が折り曲げ要素及び/又はローラブラインドであり、保護カバー要素は、プラスチック材料、プラスチック化合物、金属、特に薄いシート、布地及び/又はその複合体から形成される。「折り曲げ要素」という用語は、当業者には知られており、バンド形状又はストリップ形状の長さ調整可能な要素に関連する。好ましくは、折り曲げ要素の最大長さは、保護カバーの所定の移動範囲に対応する。「ローラブラインド」という用語は、当業者には知られており、シャフト上に巻き上げられ及び/又は巻き付けられ得るとともに長さが可変である要素に関連する。好ましくは、ローラブラインドの最大長さは、保護カバーの所定の移動範囲に対応する。適切な材料は当業者に知られている。
【0030】
更に、保護カバー要素が、折り曲げ可能であり、巻き取り可能であり、本質的に硬く、熱可塑性であり、少なくとも部分的に透明であり、及び/又は少なくとも部分的に半透明であることが考えられる。当業者に知られているように、熱可塑性材料は、特定の温度範囲内で可逆的に変形できるプラスチック材料である。更に、熱可塑性材料を溶接することもできる。更に、当業者に知られているように、少なくとも部分的に透明及び/又は半透明である保護カバーは、入射光が少なくとも部分的に保護カバー要素を通り抜けることができるように照明条件を改善し、それにより、保護カバーのそれぞれの他方側の照明条件を大幅に改善できる。このことは、機械室内に更なる照明を使用する必要がない場合もあるルーフカバーとしても本発明に係る保護カバーが適している、或いは、この保護が未だ行なわれていなかったケースにおいて適用の領域が保護カバーを使用する可能性を広げることを意味する。当業者であれば分かるように、「少なくとも部分的に透明」及び「少なくとも部分的に半透明」という用語は、所定の移動範囲における保護カバーの位置に依存する。
【0031】
他の実施形態では、保護カバーが少なくとも1つのガイドレールを備えることが考えられる。ガイドレールの領域に配置されて形状嵌合及び/又は圧力嵌め態様でガイドレールに接続される少なくとも1つのガイド要素が備えられることが考えられる。好ましくは、ガイド要素は、軸に対して取り外し可能に又は不可分に接続され、及び/又は直接的又は間接的に接続される。より好ましくは、ガイド要素はガイドレールの上方に配置され得る。本発明に関連して、ガイドレールが直線、湾曲、傾斜及び/又は屈曲する態様で設計及び/又は位置合わせされることが考えられる。好ましくは、保護カバーは、少なくとも1つの、より好ましくは2、3、4、5、6つ以上の同一の又は異なるガイドレールを有する。更に、少なくとも2つのガイドレールが、互いに同期している或いは異なるように設計及び/又は位置合わせされるとともに、平行に又は異なる方向に延在することも考えられる。このようにすると、傾き及び/又はスキップを防止するために、保護カバーの所定の滑らかな案内を実現することができる。更に、支持プロファイルが所定の滑らかな態様で支持されることが達成される。ガイドレールの断面はそれほど重要ではない。前記断面が円形、長方形、又は多角形であることが考えられる。ガイド要素は、ガイドレール上での滑り案内を実現するためのすべり軸受又はスライドとすることができる。更に、ガイド要素が回転可能に取り付けられるローラ又はスプロケットであることが考えられる。
【0032】
他の実施形態では、ガイドレールが円形ガイド及び/又はギアラックガイドであることが考えられる。好ましくは、ガイドは円形ガイド及びギアラックガイドである。円形ガイドとして、実施形態は、エッジを有さず、切り屑が少なく、汚染が少なく、ガイド要素の滑らかで安全で抵抗がない移動を可能にするという点で有利である。円形ガイドとギアラックガイドとを組み合わせることで、必要な部品が少なくなるほか、設置スペースの高さを低くできるという利点もある。
【0033】
更に他の実施形態では、保護カバーが少なくとも1つの駆動ユニットを有することが考えられる。好ましくは、駆動ユニットは、当業者に知られている方法によって、ガイドレールに取り外し可能に又は不可分に、及び/又は直接的又は間接的に接続される。当業者は、構成要素を接続するための対応する可能性を熟知している。「駆動ユニット」という用語は、エネルギー、力、及び/又は運動量をガイドレール及び/又はそれに直接的又は間接的に接続されるガイド要素などの要素に導入するのに適した構造ユニットを指し、それにより、相互作用によって直線移動を実現できる。直線移動に起因して、駆動ユニットに接続される支持プロファイルは、所定の移動範囲内で移動する。当業者に明らかなように、保護カバーの移動可能性を確保するために、駆動ユニット及びガイドレールが当業者に知られた手段によって互いに接触している。本発明に関連して、駆動ユニットがどのように駆動され、位置決めされ、及び/又は設計されるかはそれほど重要ではない。例えば、駆動ユニットが内燃機関によって、電気的に、油圧的に、空気圧的に、手動で、及び/又はそれらの混合によって駆動されることが考えられる。更に、駆動ユニットが1つ又は複数のギア装置を有することが考えられる。好ましくは、保護カバーが1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上の同一又は異なって設計された駆動ユニットを有することが考えられる。
【0034】
「直線移動」という用語は、保護カバーの第1及び第2の位置によって予め決定された移動範囲内での保護カバーの所定の移動に関連し、この移動は、駆動ユニットによってガイドに及び/又はそれに直接的又は間接的に接続されるガイド要素などの要素に導入されて直線移動に変換されるエネルギー、力及び/又は運動量によって実現される。ガイドレールがガイド要素も備え、直線移動の変換がガイドレールとガイド要素との間の相互作用に基づいて行なわれるようになっていることも考えられる。「直線」という用語は、駆動ユニット及び/又はガイドレールに接続される支持プロファイルの1つの移動方向、好ましくは2つの移動方向での、すなわち、前後方向でのガイドレールに沿う所定の移動を単に表わすにすぎない。当業者であれば分かるように、直線移動は、ガイドの形態及び/又は位置合わせに直接依存する。ガイドレールが直線状であり、湾曲しており、傾斜しており、及び/又は屈曲していることにより、結果として生じる直線移動が、1つの移動方向、好ましくは2つの所定の移動方向、すなわち、前後方向であり、ガイドの形態及び/又は位置合わせに従っており、直線状の、曲線した、傾斜した、及び/又は屈曲した移動であることが考えられる。
【0035】
更に、保護カバーが少なくとも1つの固定エンドフレーム及び/又はシールドを備えることが考えられる。適切な材料は当業者に知られている。
【0036】
更に、支持プロファイルが少なくとも1つのダンパを備えることが考えられる。「ダンパ」という用語は、当業者には知られており、不要な振動を低減し、例えばガイドレールの凹凸を相殺し、停止機能及び/又は減速を実現するのに適した要素に関連する。本発明によれば、ダンパは、第1の位置で、すなわち、保護カバーが完全に互いに押し付けられた状態で、支持プロファイルを互いに分離する及び/又は支持プロファイルの衝突を防止するのにも適していることが判明した。適したダンパは当業者に知られている。好ましくは、支持プロファイルが少なくとも1、2、3、4、5、6個、又はそれ以上の同一の又は異なって設計されたダンパを有することが考えられる。
【0037】
前述の用語の定義及び/又は説明は、別段示唆されなければ、以下の説明に記載される全ての態様に適用されるものと想定される。
【0038】
更に、本発明は、請求項1から15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの保護カバーを備える機械、特に工作機械を提案する。
【0039】
本発明の他の詳細、特徴及び利点は、従属請求項に関連する好ましい実施形態の以下の説明から明らかである。それぞれの特徴は、個別に実現することも、相互に組み合わせて実現することもできる。本発明はこれらの実施形態に限定されない。実施形態は図に概略的に示される。個々の図における同一の参照符号は、同様の要素、同様の機能の要素、又は機能の点で対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】第1の位置にある本発明に係る保護カバーの等角図である。
【
図2】第1の位置にある本発明に係る保護カバーの側面図である。
【
図3】第1の位置と第2の位置との間の位置にある本発明に係る保護カバーの断面図である。
【
図4】本発明に係る支持プロファイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、保護カバー1が完全に収縮されるとき、すなわち、保護カバー1が移動方向XRの所定の移動範囲XBの第1の位置X1にあるときの、固定エンドフレーム40を有する本発明に係る保護カバー1の等角図を示す。保護カバー1が幾つかの支持プロファイル100を有し、これらの支持プロファイル100が、移動方向XRに均等に分布されるとともに、第1の接続手段111を取り付けるためのマウント112を第1の端部110に有し、第1の端部110とは反対側の端部120に第2の接続手段121のための取り付け領域122を有することが分かる。更に、支持プロファイル100は、保護カバー要素20、この場合には、第1の接続手段111によって2つの折り目を形成する折り曲げ要素に接続され、該折り曲げ要素と共にユニットを形成するのが分かる。各ユニットは、第2の接続手段121を介して隣り合うユニットの保護カバー要素20に接続される。この特定の実施形態において、第1及び第2の接続手段111,121は、アルミニウムから形成されるクランププロファイルであり、保護カバー要素20を取り外し可能に接続できるようにする。一実施形態では、保護カバー要素20を角度βを成して回転可能に取り付けることもできると考えられ、角度βは、支持プロファイル100の回動面140と保護カバー要素20の中心面150との間に形成可能である。また、支持プロファイル100が、ダンパ(図示せず)用のマウント126と、支持プロファイル100が回転可能に取り付けられる軸123用のマウント124とを有することも分かる。
【0042】
更に、
図1では、軸123上に配置されたローラ51の態様を成すガイド要素によって支持プロファイル100が円形ガイド50上で確実に移動可能に案内されてるのが分かる。支持プロファイル100の長尺な断面Hの高さは、保護カバー1が完全に収縮されるとき、すなわち、第1の位置X1にあるときに、移動方向XRに対して実質的に垂直に配置されることが容易に分かる。この特定の実施形態では、支持プロファイル100の回動面140と移動方向XRとの間に形成される角度αは、約90°になる。
【0043】
図2は、本発明に係る
図1の保護カバー1の側面図を示す。支持プロファイル100が軸123の両側にローラの形態のガイド要素51を有し、該ガイド要素上に前記支持プロファイル100が回転可能に取り付けられ、支持プロファイル100がガイドレール50上の前記ローラによって案内され、ガイドレール50がギアラックガイドを有する複合円形ガイドとして実現されることが容易に分かる。更に、
図2は、スプロケットの形態の駆動ホイール31を示し、該駆動ホイール31は、固定エンドフレーム40内に配置され、駆動ユニット(図示せず)に接続されるとともに、ギアラックガイド50に係合し、したがって、移動方向XRの所定の移動範囲XB内で保護カバー1の滑らかな移動を可能にする。
図2では、保護カバー1が第1の位置X1に完全に収縮された状態で示され、この状態では、支持プロファイル100の長尺な断面Hの高さが移動方向XRに対して実質的に垂直に配置される。
図2では、支持プロファイル100が長方形の断面Hを有する中空チャンバプロファイルを有し、前記支持プロファイル100が、
図1で説明した要素に加えて、マウント126内に配置されるダンパ125も有することが容易に分かる。
【0044】
図3は、移動方向XRに移動されるときの
図1及び
図2で説明した本発明に係る保護カバー1を示し、前記保護カバー1は、所定の移動方向XBの第1の位置における完全収縮状態と第2の位置における完全伸長状態との間に位置される。支持プロファイル100は、いずれも中空チャンバプロファイルを伴う長尺な断面Hを有する
図1及び
図2の支持プロファイルと比較して僅かに変更された長尺な断面Hを有するのが容易に分かる。
【0045】
更に、
図3では、角度αが支持プロファイル100の回動面140と移動方向XRとの間に形成され、角度βが支持プロファイル100の回動面140と保護カバー要素20の中心面150との間に形成され得ることが容易に分かる。更に、平面160と移動方向XRとの間に角度ρを形成することができ、前記平面160が支持プロファイル100の軸123と第2の接続手段121との間に形成されることが分かる。第1及び第2の接続手段111、121、この場合にはアルミニウム製のクランププロファイルは、保護カバー要素20の取り外し可能な接続を可能にする。
【0046】
図1及び
図2の支持プロファイルの断面図と同様に、
図4に詳細に示される、
図3の支持プロファイルの僅かに変更された長尺な断面Hは、この場合には2つの折り目を形成する折り曲げ要素として示される保護カバー要素20を取り外し可能に接続するための第1の接続手段111のための第1の端部110に配置されるマウント112を有する。更に、支持プロファイル100は、第1の端部110とは反対側の第2の端部120を有し、この第2の端部120上に、更なる保護カバー要素20を接続するための第2の接続手段121用のマウント122が配置される。更に、その第2の端部で、支持プロファイル100は、ダンパ125用のマウント126と、支持プロファイル100を回転可能に取り付ける軸123用のマウント124とを有する。更に、この場合にはスプロケットとして示される駆動ホイール31を介して駆動ユニット30によって導入され得るエネルギー、力、及び/又は運動量を、ガイドレール50と、ガイドレール50の上方で軸123上に配置されるローラ51とに導入できるのが容易に分かる。
【0047】
図5は、本発明に係る保護カバー1の正面図であり、この図から分かるように、支持プロファイル100の設置高さ、すなわち、断面Hの高さは、実質的に、駆動ユニット、ガイドレール50、及びガイドレール50上に配置されるガイド要素51の高さの合計に対応する。更に、支持プロファイル100に接続される保護カバー要素20が示される。
【外国語明細書】