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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039625
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】薬剤送達デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20240314BHJP
   A61M 5/145 20060101ALI20240314BHJP
   A61M 5/158 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A61M5/142 522
A61M5/145 500
A61M5/158 500Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023142108
(22)【出願日】2023-09-01
(31)【優先権主張番号】22194978.7
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】514207337
【氏名又は名称】ゼンジーレ・メディカル・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】パスカル・ラゴルジェット
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン・ビューリ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD12
4C066FF04
4C066HH03
4C066LL13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】薬剤送達デバイスを提供する。
【解決手段】薬剤送達デバイス1であって、ハウジング3と、送達ユニットと、駆動ユニットと、ポンプシステムと、を含み、送達ユニットは、皮下送達システムと、針アクチュエータシステムと、を含み、針支持体は、針がハウジング内部に装着されている後退位置から、針が皮下送達のためにハウジングの皮膚接触壁を通って突出する伸長位置まで、ハウジングに対して移動可能であり、針アクチュエータ機構は、作動ディスクの回転によってスライド可能な針支持体を後退位置から伸長位置まで変位させるように構成されている、薬剤送達デバイスは、連結インターフェースを含む回転駆動シャフトまたはスタブをさらに含み、回転駆動シャフトまたはスタブに連結されたモータをさらに含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤送達デバイス(1)であって、
ハウジング(2)と、
送達ユニット(3)と、
駆動ユニット(4)と、
ポンプシステムと、を含み、
前記送達ユニットは、皮下送達システム(6)と、針アクチュエータシステム(7)と、を含み、
前記皮下送達システムは、スライド可能な針支持体(10)と、前記スライド可能な針支持体に装着された注射針と、を含み、
前記針支持体は、前記針が前記ハウジング内部に装着されている後退位置から、前記針が皮下送達のために前記ハウジングの皮膚接触壁(48)を通って突出する伸長位置まで、前記ハウジング(2)に対して移動可能であり、
前記針アクチュエータ機構は、前記ハウジング(2)内部のハウジング部分(38)に回転可能に装着された作動ディスク(12)を含み、これは、前記作動ディスクの回転によって前記スライド可能な針支持体を前記後退位置から前記伸長位置まで変位させるように構成されており、
前記薬剤送達デバイス(1)は、連結インターフェース(40b)を含む回転駆動シャフトまたはスタブ(14)をさらに含み、前記作動ディスクは、前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)の前記連結インターフェース(40b)と係合可能な連結インターフェース(40a)を含み、
前記薬剤送達デバイスは、前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)に連結されたモータをさらに含み、
前記針アクチュエータ機構は、前記作動ディスクと前記ハウジング部分(38)との間のカム装置(15、15a、15b)と、ばね(32)と、を含む駆動分離機構(13)をさらに含み、前記ばねおよび前記カム装置は、前記スライド可能な針支持体(10)の前記後退位置から前記伸長位置への変位を引き起こす前記作動ディスクの回転中に前記作動ディスク(12)の軸方向変位をもたらすように構成され、前記軸方向変位は、前記作動ディスクの前記連結インターフェース(40a)からの前記ロータ駆動シャフトまたはスタブ(14)の前記連結インターフェース(40b)の分離を引き起こすことを特徴とする、薬剤送達デバイス。
【請求項2】
前記駆動分離機構は、前記ハウジング壁部分(38)内のオリフィス(39)を通って延びる接続部分を介して前記作動ディスクに接続されたばね係合フランジまたは肩部(34)を含み、前記ばねは、前記ばね係合フランジと、前記作動ディスクが位置付けられる側面とは反対側の前記ハウジング壁部分(38)の側面との間に、プレストレスを与えられる方法で位置付けられている、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項3】
前記ばねは、前記ハウジング壁部分(38)の後側に装着され、前記作動ディスク(12)は、前記ハウジング壁部分(38)の前側に装着されている、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項4】
前記カム装置は、前記作動ディスクの後側と前記ハウジング壁部分(38)の前側との間に位置付けられ、前記作動ディスク(12)上の前記駆動連結インターフェース(40a)は、前記作動ディスクの前側に装着されている、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項5】
前記カム装置は、前記作動ディスクおよび前記ハウジング壁部分の前側のうちの一方におけるカムトラック(15a)と、前記作動ディスクおよび前記ハウジング壁部分の前側のうちの他方におけるカムピン(15b)と、を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項6】
前記カム装置は、前記ばねの軸方向付勢により前記作動ディスクが前記完全伸長位置まで回転するように、前記カム装置の摩擦係数よりも大きい、前記作動ディスクの変位方向に直交する平面に対する傾斜角度スロープ角度βのスロープを有するカムトラック(15a)を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項7】
前記針アクチュエータ機構は、前記ハウジング壁部分(38)に旋回可能に装着されたピボット部分(17)と、前記作動ディスク(12)と係合可能な、前記ピボット部分(17)から延びるレバーアーム部分(16)と、を有する旋回作動レバー(11)を含み、前記レバーアーム部分は、前記針支持体を前記後退位置から前記伸長位置に変位させるために前記針支持体(10)の相補的連結器と係合する針支持体連結器(19)を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項8】
前記作動ディスク(12)は、前記レバーアーム部分の先端部(28)に係合するように構成されたくぼみの形態のレバー係合部材(30)を含む、請求項7に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項9】
前記駆動分離機構は、前記ハウジング壁部分(38)のオリフィス(39)を通して前記作動ディスク(12)に組み付けられた前記ばね係合フランジまたは肩部(34)を含むボタン(36)の形態のばね係合部材を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項10】
前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)は、前記駆動ユニット(4)のモータに接続され、前記モータは、薬剤容器(5)から前記針へと前記液体薬剤を送り込むための前記薬剤送達デバイスのポンプシステムにも連結されている、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項11】
前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)は、前記モータまたは前記ポンプシステムのロータに連結するためのギア歯(21)を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項12】
前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)と前記作動ディスク(12)との間の前記連結インターフェース(40a、40b)は、キーおよびスロット装置を含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項13】
前記送達ユニットおよび前記駆動ユニットは、一緒に組み立てられ得る別々の部品として形成され、前記送達ユニットは使い捨ての単回使用部品であり、前記駆動ユニットは再利用可能な部品である、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項14】
前記ポンプシステムは、前記薬剤送達デバイス内に装着された薬剤容器に圧力を加える空気圧ポンプシステムを含む、請求項1に記載の薬剤送達デバイス。
【請求項15】
前記薬剤容器は、プランジャを備えたカートリッジの形態である、請求項14に記載の薬剤送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばパッチデバイスの形態をした、液体薬剤を皮下投与するための薬剤送達デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
液体薬剤を皮下送達するために患者の皮膚に装着されるパッチデバイスの形態の薬剤送達デバイスが知られている。駆動および制御電子機器を収容する再利用可能なユニットに組み付けられた単回使用の使い捨てユニットを有するパッチデバイスの形態の薬剤送達デバイス、またはすべての構成要素および機能を組み込んだ単一ユニットの使い捨てデバイスとしての薬剤送達デバイスを提供することが知られている。
【0003】
患者が装着する薬剤送達デバイスの信頼性、安全性、コンパクトさ、使いやすさは重要である。使い捨ての構成要素については、部品の量、および、その結果として使い捨てデバイスのコストも、重要な考慮事項である。
【0004】
薬剤送達デバイスの使用の安全性のために、患者の皮膚に取り付けられているときのみデバイスが作動され得ること、薬剤の投与までデバイスが無菌状態を保つこと、使用および取り外しの後、デバイスの使い捨て部分が再利用されたり誰かに危害を加えたりできないようにすることを確実にすることも重要である。
【0005】
患者の皮膚に接して設置され接着剤で保持されるパッチデバイスとして提供される、既知の薬剤送達デバイスでは、注射針が、液体薬物の皮下送達のためにデバイスの起動時に作動される。
【0006】
信頼性を高め、コストを削減し、さらに医療デバイスのコンパクト性(compacity)を高めるために、薬剤送達デバイスにおいて自動的に動作する機構の複雑さを軽減する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したことを鑑み、本発明の目的は、信頼性が高く、コンパクトで、安全である針作動システムを備えた薬剤送達デバイスを提供することである。
【0008】
製造するのに経済的である針作動システムを備えた薬剤送達デバイスを提供することが有利である。
【0009】
操作が簡単な薬剤送達デバイスを提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、請求項1に記載の薬剤送達デバイスを提供することによって達成された。従属請求項には、本発明のさまざまな有利な実施形態が記載されている。
【0011】
本明細書で開示されるのは、薬剤送達デバイスであり、これは、ハウジングと、送達ユニットと、駆動ユニットと、ポンプシステムと、を含み、送達ユニットは、皮下送達システムと、針アクチュエータシステムと、を含み、皮下送達システムは、スライド可能な針支持体と、スライド可能な針支持体に装着された注射針と、を含み、針支持体は、針がハウジング内部に装着されている後退位置から、針が皮下送達のためにハウジングの皮膚接触壁を通って突出する伸長位置まで、ハウジングに対して移動可能であり、針アクチュエータ機構は、ハウジング内部のハウジング部分に回転可能に装着された作動ディスクを含み、これは、作動ディスクの回転によってスライド可能な針支持体を後退位置から伸長位置まで変位させるように構成されている。薬剤送達デバイスは、連結インターフェースを含む回転駆動シャフトまたはスタブをさらに含み、作動ディスクは、回転駆動シャフトまたはスタブの連結インターフェースと係合可能な相補的連結インターフェースを含み、薬剤送達デバイスは、回転駆動シャフトまたはスタブに連結されたモータをさらに含む。
【0012】
針アクチュエータ機構は、作動ディスクとハウジング部分との間のカム装置と、ばねと、を含む駆動分離機構をさらに含み、ばねおよびカム装置は、スライド可能な針支持体の後退位置から伸長位置への変位を引き起こす作動ディスクの回転中に作動ディスクの軸方向変位をもたらすように構成され、軸方向変位は、作動ディスクの連結インターフェースからのロータ駆動シャフトまたはスタブの連結インターフェースの分離を引き起こす。
【0013】
有利な実施形態では、駆動分離機構は、ハウジング壁部分内のオリフィスを通って延びる接続部分を介して作動ディスクに接続されたばね係合フランジまたは肩部を含み、ばねは、ばね係合フランジと、作動ディスクが位置付けられる側面とは反対側のハウジング壁部分の側面との間に、プレストレスを与えられる方法で位置付けられる。
【0014】
有利な実施形態では、ばねは、ハウジング壁部分の後側に装着され、作動ディスクは、ハウジング壁部分の前側に装着される。
【0015】
有利な実施形態では、カム装置は、作動ディスクの後側とハウジング壁部分の前側との間に位置付けられ、作動ディスク上の駆動連結インターフェースは、作動ディスクの前側に装着される。
【0016】
有利な実施形態では、カム装置は、作動ディスクおよびハウジング壁部分の前側のうちの一方におけるカムトラックと、作動ディスクおよびハウジング壁部分の前側のうちの他方におけるカムピンと、を含む。
【0017】
有利な実施形態では、カム装置は、ばねの軸方向付勢により作動ディスクが完全伸長位置まで回転するように、カム装置の摩擦係数よりも大きい、作動ディスクの変位方向に直交する平面に対する傾斜角度スロープ角度βのスロープを有するカムトラックを含む。
【0018】
有利な実施形態では、針アクチュエータ機構は、ハウジング壁部分に旋回可能に装着されたピボット部分と、作動ディスクと係合可能な、ピボット部分から延びるレバーアーム部分と、を有する旋回作動レバーを含み、レバーアーム部分は、針支持体を後退位置から伸長位置に変位させるために針支持体の相補的連結器と係合する針支持体連結器を含む。
【0019】
有利な実施形態では、作動ディスクは、レバーアーム部分の先端部に係合するように構成されたくぼみの形態のレバー係合部材を含む。
【0020】
有利な実施形態では、駆動分離機構は、ハウジング壁部分のオリフィスを通して作動ディスクに組み付けられたばね係合フランジまたは肩部を含むボタンの形態のばね係合部材を含む。
【0021】
有利な実施形態では、回転駆動シャフトまたはスタブは、駆動ユニットのモータに接続され、前記モータは、薬剤容器から針へと液体薬剤を送り込むための薬剤送達デバイスのポンプシステムにも連結される。
【0022】
有利な実施形態では、回転駆動シャフトまたはスタブは、モータまたはポンプシステムのロータに連結するためのギア歯を含む。
【0023】
有利な実施形態では、回転駆動シャフトまたはスタブと作動ディスクとの間の連結インターフェースは、キーおよびスロット装置を含む。
【0024】
一実施形態では、送達ユニットおよび駆動ユニットは、一緒に組み立てられ得る別々の部品として形成され、送達ユニットは使い捨ての単回使用部品であり、駆動ユニットは再利用可能な部品である。
【0025】
代替的な実施形態では、送達ユニットおよび駆動ユニットは、使い捨ての単一部品としてハウジング内に装着される。
【0026】
一実施形態では、ポンプシステムは、薬剤送達デバイス内に装着された薬剤容器に圧力を加える空気圧ポンプシステムを含む。
【0027】
有利な実施形態では、薬剤容器は、プランジャを備えたカートリッジの形態である。
【0028】
本発明のさらなる目的および有利な特徴は、特許請求の範囲、詳細な説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】本発明の実施形態による薬剤送達デバイスの、左側から見た斜視図である。
図1b】本発明の実施形態による薬剤送達デバイスの、右側から見た斜視図である。
図1c】送達ユニットおよび駆動ユニットが分離された、図1aおよび図1bの薬剤送達デバイスの斜視図である。[提供される図]
図2a】本発明の実施形態による薬剤送達デバイスの送達ユニットの一部の斜視図であり、特に、このデバイスの皮下送達システムおよび針アクチュエータシステムを示している。
図2b図2aのデバイスの分解組立斜視図である。
図3a】薬剤送達デバイスの使用前の初期状態にある図2aのデバイスの図を示し、デバイスの駆動連結側の方を向いた図を例示している。
図3b】薬剤送達デバイスの使用前の初期状態にある図2aのデバイスの図を示し、図3aの線Bを通る断面を例示している。
図3c】薬剤送達デバイスの使用前の初期状態にある図2aのデバイスの図を示し、後端の方を向いた図3aのデバイスの斜視図を例示している。
図3d】薬剤送達デバイスの使用前の初期状態にある図2aのデバイスの図を示し、図3cのDで示される部分の拡大図を例示している。
図4a】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3aに対応した図であり、図3に示すような完全後退位置と図7に示すような完全伸長位置との間の中間位置にある針作動機構を示している。
図4b】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3bに対応した図であり、図3に示すような完全後退位置と図7に示すような完全伸長位置との間の中間位置にある針作動機構を示している。
図4c】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3cに対応した図であり、図3に示すような完全後退位置と図7に示すような完全伸長位置との間の中間位置にある針作動機構を示している。
図4d】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3dに対応した図であり、図3に示すような完全後退位置と図7に示すような完全伸長位置との間の中間位置にある針作動機構を示している。
図5a】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3aに対応した図であり、作動機構が完全伸長位置に近づいている、次の位置を示している。
図5b】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3bに対応した図であり、作動機構が完全伸長位置に近づいている、次の位置を示している。
図5c】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3cに対応した図であり、作動機構が完全伸長位置に近づいている、次の位置を示している。
図5d】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3dに対応した図であり、作動機構が完全伸長位置に近づいている、次の位置を示している。
図6a】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3aに対応した図であり、作動機構が分離されている、図5に続く位置を示している。
図6b】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3bに対応した図であり、作動機構が分離されている、図5に続く位置を示している。
図6c】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3cに対応した図であり、作動機構が分離されている、図5に続く位置を示している。
図6d】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3dに対応した図であり、作動機構が分離されている、図5に続く位置を示している。
図7a】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3aに対応した図であり、完全に分離された作動機構、および、薬剤送達中の位置に対応する完全伸長位置にある針を示している。
図7b】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3bに対応した図であり、完全に分離された作動機構、および、薬剤送達中の位置に対応する完全伸長位置にある針を示している。
図7c】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3cに対応した図であり、完全に分離された作動機構、および、薬剤送達中の位置に対応する完全伸長位置にある針を示している。
図7d】異なる段階にあるデバイスを示すことを除き図3と同様であり、図3dに対応した図であり、完全に分離された作動機構、および、薬剤送達中の位置に対応する完全伸長位置にある針を示している。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図を参照すると、本発明の実施形態による薬剤送達デバイス1は、ハウジング2と、送達ユニット3と、駆動ユニット4と、を含み、送達ユニット3および駆動ユニット4は、ハウジング2内部で組み立てられている。ハウジング2は、2つ以上の部品で作られ得、送達ユニット3、駆動ユニット4、および任意の他の構成要素をハウジング2内部で組み立てることができる。
【0031】
図示された実施形態では、液体薬剤(薬物)の皮下投与のための薬剤送達デバイス1は、電子機器および電源を含む、駆動ユニットによって形成された再利用可能な部分に組み付けられ得る、送達ユニット3によって形成された使い捨て部分を含む。送達ユニット3は薬剤送達デバイスの第1のハウジング部分内に装着され、駆動ユニット4は分離可能な第2のハウジング部分内に装着され、駆動ユニット4は次の送達ユニットに再利用され得る。
【0032】
図に示す実施形態は、使い捨てユニットと再利用可能なユニットとを有する2部品式薬剤送達デバイスに関するものであるが、本明細書に記載するさまざまな態様に関する本発明の範囲内で、薬剤送達デバイスは、単回使用の使い捨てユニットであってもよい。投与は、短時間、典型的には1時間未満、例えば約30分またはそれ未満にわたる単回投与で行われ得る。単回使用の使い捨て薬剤送達デバイスは、数時間から数日までの長期間にわたる液体薬剤の皮下注射に使用することもできる。注射する薬剤の量によっては、薬剤送達デバイスは、数分以内に液体薬剤を注射するように構成することもできる。
【0033】
薬剤送達デバイスは、薬剤送達デバイス1を作動させるための1つ以上のボタン、光および/または音のステータスインジケータ、ならびにオプションとして、デバイスの操作者に情報を提示するためのスクリーンまたは他のディスプレイを含むことができるユーザーインターフェース46を含む。
【0034】
本発明の実施形態による薬剤送達デバイスは、有利には、患者の皮膚に装着するためのパッチデバイスとして構成され得る。接着剤層49が、保護フィルム50によって覆われてハウジング2の皮膚接触壁48の外面上に設けられ得、保護フィルム50は、接着剤層を注射部位において患者の皮膚上に貼付する前に接着剤層49から剥がされ得る。皮膚接触側の針オリフィス20は、使用前には保護フィルム50で覆われており、薬剤送達デバイス1の起動時に経皮注射針9が針オリフィスを通って延びて、患者の皮膚を刺すことを可能にする。
【0035】
送達ユニット3は、液体薬剤を収容した薬剤容器5、例えば薬剤カートリッジと、液体薬剤を患者の皮下に運ぶための注射針9を含む皮下送達システム6と、注射針を使用前の後退位置から皮下薬剤送達のための伸長位置まで移動させるように構成された針作動機構7と、を含む。
【0036】
薬剤送達デバイスは、薬剤送達デバイスが起動されたら薬剤容器からの液体を注射針9に送り込むポンプシステム(図示せず)をさらに含む。
【0037】
一実施形態では、ポンプシステムは、駆動ユニット内に装着され、薬剤容器のプランジャに圧力を加えて、正圧によって薬剤容器から皮下送達システム内に液体を押し出すことができる。薬剤容器のプランジャに圧力を加えるためのそれ自体既知のさまざまな手段を採用することができる。
【0038】
有利な実施形態では、ポンプシステムは、特許出願PCT/EP2022/055835に記載されているような空気圧ポンプシステムを含むことができる。
【0039】
駆動ユニット4は、感知信号の処理、および、無線通信リンクを介した、例えばブルートゥースを使用した、外部デバイスとのデータの送受信などの追加機能を有することができる。
【0040】
皮下送達システム6は、ハウジング2内部にスライド可能に装着されたスライド可能な針支持体10を含み、針9は、針支持体10上に装着され、送達ユニット3のハウジング内部の完全後退位置から、薬剤投与中の完全伸長位置まで、針支持体10と共に移動可能である。
【0041】
スライド可能な針支持体は、その中で、針から、薬剤供給チューブ(図示せず)に連結する供給チューブ接続部分24まで延びる流体チャネルを含む。薬剤供給チューブは、有利には、後退位置から伸長位置への針支持体のスライド移動を可能にするしなやかなチューブの形態とすることができ、このチューブは、薬剤供給部に(すなわち薬剤容器に、例えば薬剤カートリッジの隔壁を貫通する隔壁針(図示せず)を介して)接続される。
【0042】
スライド可能な針支持体は、針アクチュエータ機構7による作動中に針支持体をスライド可能に案内するために、ハウジング部分38の相補的なガイドに係合する、例えばレールの形態の、1つ以上のガイド26を含む。
【0043】
針作動機構7は、針9のスライド変位軸Zに直交する軸Xの周りに回転可能に装着された回転可能な作動ディスク12を含み、作動ディスク12は、回転駆動シャフトまたはスタブ14に連結可能である。回転駆動シャフトまたはスタブ14は、駆動ユニット4内に装着されたモータ(図示せず)に連結されている。モータは、針作動機構専用の駆動ユニットのモータであってもよいし、針作動機構のため、および薬剤容器から針に液体を強制的に流す薬剤送達デバイスのポンプシステムを駆動するため、の両方に役立つモータであってもよい。
【0044】
好ましい実施形態では、モータは、WO2015015379またはPCT/EP2022/055835に記載されているような構成を有するポンプエンジンのロータを駆動する回転モータを含む。
【0045】
この好ましい構成では、ハウジング内部の後退位置から、針が患者の皮膚を貫通する、薬剤送達のための伸長位置への針の変位は、薬剤送達デバイスが作動され、液体の送り込みが開始されるときにのみ起こり得る。これは、薬剤送達デバイスが患者の皮膚に当てられ、薬剤送り込みサイクルが始まるときにのみ針が作動することを確実にすることによって、安全性を向上させる。さらに、針の作動および薬剤の送り込みの両方に単一のモータを使用することが可能になる。
【0046】
上述したように、薬剤の送り込みは、例えば前述した出願PCT/EP2022/055835に記載されているような空気圧ポンプシステムを用いて、薬剤カートリッジのプランジャ、もしくは薬剤容器、例えばしなやかな薬剤容器の他の可動壁を押圧するか、または、例えばWO2015015379に記載されているように、吸引によって薬剤容器から液体を抜き出す、さまざまな機構によって行われ得る。
【0047】
ポンプシステムは、他のそれ自体周知のポンプシステムを含むこともでき、例えば、モータは、プランジャを押圧するリニアナットおよびスクリューシステムを駆動することができる。
【0048】
前述したすべての構成において、モータは、ポンプシステム駆動部に、また後退位置から完全伸長位置への針の変位を作動させるための回転駆動シャフトまたはスタブ14に、連結され得る。
【0049】
図示の実施形態では、針作動機構は、ハウジング部分38に旋回可能に装着された作動レバー11をさらに含む。作動レバー11は、薬剤カートリッジのキャップ端部を受容するのに役立ち得るシュラウド46の周りに装着された支持リングの形態のピボット部分17を含む。しかし、ピボット部分は、薬剤カートリッジを受容するためのシュラウドとは無関係に、ハウジング部分38に形成されたピボット軸またはオリフィスに連結されてもよい。
【0050】
作動レバー11は、ピボット部分17から先端部28まで延びるレバーアーム部分16をさらに含む。レバーアーム部分は、スライド可能な針支持体10に設けられた対応する連結器に係合するように構成された針支持体連結器19を含み、作動レバーが第1の位置から第2の位置まで旋回されるとき、スライド可能な針支持体は、作動レバー11との係合によって第1の後退位置から第2の伸長位置まで移動される。
【0051】
図示の実施形態では、針支持体連結器19は、レバーアーム部分16に形成されたスロット19aと、ハウジングから延びるピン19bと、を含むが、当業者であれば、例えば、レバーアーム部分から延びるピンと、スライド可能な針支持体内のスロットと、を有するなど、このような配置を逆にしてもよいことを理解するであろう。
【0052】
図示の実施形態では、作動ディスクは、作動ディスク12の回転時に作動レバー11のレバーアーム部分16に係合するレバー係合部材30を含む。図示の実施形態では、レバー係合部材は、作動レバーの先端部28が受容される、作動ディスク内のくぼみとして形成されているが、くぼみの代わりに、作動ディスクの周縁部にまたはその近傍に装着されたピンまたは他の形態の突起を有することが可能であり、これは、先端部28の近くで作動レバーと係合し、そのため、作動ディスクが(図では反時計回り方向に)回転すると、突起がレバーアームと係合し、レバーアームを反対方向(この場合は時計回り方向)に回転させ、これにより針支持ハウジングが後退位置から伸長位置に移動することを、当業者は理解するであろう。
【0053】
しかし、本発明の範囲内において、作動レバー11の存在なしに、作動ディスク12をスライド可能な針支持体10に直接係合させることも可能であろう。例えば、作動ディスクは、スライド可能な針支持体上の相補的なピンまたはスロットに係合するスロットまたはピンを有するアームまたは他の形態の延長部を有することができる。このような配置は、以下でさらに詳細に説明するように、スライド可能な針支持体が伸長位置に達したときに作動ディスク12が回転駆動シャフトまたはスタブ14から分離されるため、本発明の範囲内で可能である。
【0054】
本発明の一態様によれば、針アクチュエータ機構7は、駆動分離機構13をさらに含み、これは、スライド可能な針支持体10の後退位置において作動ディスク12が回転駆動シャフトまたはスタブ14に連結されることを確実にし、スライド可能な針支持体10が薬剤送達のための伸長位置にあるときに作動ディスク12を回転駆動シャフトまたはスタブ14から分離するように構成されている。
【0055】
駆動分離機構13は、ハウジング壁部分38に対する作動ディスク12の回転角度の関数として、ハウジング部分38に対して作動ディスク12を軸方向に変位させるように構成されたカム装置15、15a、15bを含む。
【0056】
図示された実施形態では、カム装置は、駆動連結インターフェース側とは反対側の作動ディスク12の内側に配置され、ハウジング壁部分38から延びるカムピン15bと係合する、カムトラック15aを含む。安定性の理由から、一対のカムが、図示されているように回転軸Xから径方向に対向して配置され得る。当業者であれば、カム装置を反転させること、すなわち、作動ディスクから突出するカムピンをハウジング壁部分上のカムトラックに係合させることがもちろん可能であることを理解するであろう。「ピン」という用語は、特にピン形状を意味することを意図しておらず、カムトラックに係合するように適合された任意の突起形状を含むことができる。
【0057】
カムトラックおよびカムピンは、駆動分離機構13のばね32の力によって一緒に付勢されている。
【0058】
図示された実施形態では、ばね32は、ハウジング壁部分38の、作動ディスクとは反対側に設けられ、作動ディスクに固定されたばね係合フランジまたは肩部34を押圧し、その結果、作動ディスクをハウジング壁部分38の前側に向かって引っ張る。
【0059】
ばね係合フランジ34は、例えば、作動ディスク12にクリップ留め、溶接、または他の手段で固定され得る、ボタン36の形態で提供されてもよい。相補的なカムトラック15aおよびカムピン15bが接触したままであることを保証するための、さまざまな他のばね機構または付勢機構が使用され得ることが理解されよう。例えば、ばねは、(別個の組み立てられたばねである代わりに)ボタン36などの支持部材と一体的に形成されてもよく、または、ばね要素が、ハウジング壁部分38に対抗してもしくはハウジング壁部分38に向かって作動ディスクを引っ張るために、圧縮の代わりに牽引で作用してもよい。
【0060】
図3a~図3dに最もよく見られるように、針が後退位置にあるとき、カム装置15、15a、15bは、作動ディスク12の駆動連結インターフェース40aが回転駆動シャフトまたはスタブ14の相補的駆動連結インターフェース40bに係合するような、作動ディスク12の軸方向位置を定める。
【0061】
図示の実施形態では、駆動連結インターフェース40aは、キースロットとして提供され、回転駆動シャフトまたはスタブのアクチュエータ連結インターフェース40bは、キースロットに挿入される相補的なキーとして提供される。しかしながら、当業者であれば、作動ディスクの軸方向位置が係合位置から係合解除位置にシフトされたときに分離を可能にするように連結インターフェースが軸方向に相対的に移動可能であるという条件で、回転駆動シャフトまたはスタブ14と作動ディスク12との間の連結を確実にするためにさまざまな相互係合歯を設けてもよいことを理解するであろう。
【0062】
図3a~図3d、特に図3dに最もよく見られるように、カムピン15bは、作動ディスクの軸方向位置を定める高位置を有するカムトラック15aを押圧し、この位置では、作動ディスクは、ハウジング壁部分38から最も遠く、駆動シャフトまたはスタブ14に最も近く、そのため、連結インターフェース40a、40bは係合される。図3に示す後退位置から、図4に示す中間位置を経て、図5に示すほぼ完全伸長位置、および図6に示す完全伸長位置へと作動ディスク12が回転すると、カムピンがカムトラックに沿って相対的に移動し、作動ディスク12の回転が針完全伸長位置に達すると、カム装置は、作動ディスクが駆動シャフトまたはスタブ14から係合解除されるように作動ディスクの軸方向変位を引き起こす。カムトラックおよびカムピンは、針支持体が変位している間、駆動シャフトまたはスタブおよび作動ディスクの連結インターフェース40a、40bが係合されていることを保証し、一方、完全伸長位置に近づくと、カム装置は、作動ディスクの軸方向移動により図7に示すように連結インターフェース40a、40bが完全に係合解除されるまで、ばね32の付勢力によって、ハウジング壁部分38に向かう作動ディスクの軸方向変位を可能にする。
【0063】
完全伸長位置部分52に隣接するカムトラック部分51は、(軸方向軸Xに直交する平面に対して)スロープ角度βを有するように構成されてもよく、このスロープ角度βは、連結インターフェース40a、40bの間が存在しない場合であっても、ばね32の付勢力によって作動ディスクが回転し続けるのに十分である。これにより、作動ディスクが、針を完全に伸長させ、かつ作動ディスクを回転駆動シャフトまたはスタブから完全に係合解除させるために必要な回転角度を完了することが保証される。スロープ角度βは、カムトラックとカムピンとの間の摩擦係数よりも大きく、好ましくは、移動終了時の軸方向変位に関連する、ある回転変位を確保するために60°未満である。
【0064】
有利なことに、本発明の実施形態による分離機構は、駆動シャフトまたはスタブ14が、例えばポンプシステムも駆動するモータの一部を形成する場合に、針作動機構と干渉することなく、回転し続けることを可能にし、同時に、モータが、薬剤送達プロセスの開始時の針作動と、針の作動時に始まり、その後継続する液体の送り込みと、の両方に使用されることも可能にする。
【0065】
〔特徴部のリスト〕
薬剤送達デバイス1
ハウジング2
皮膚接触壁48
針シールドオリフィス20
接着剤層49
保護フィルム50
送達ユニット3
薬剤容器5
皮下送達システム6
注射針9
スライド可能な針支持体10
アクチュエータ連結器22
供給チューブ接続部24
ガイド26
針アクチュエータ機構7
作動レバー11
ピボット部分17
支持リング
レバーアーム部分18
針支持体連結器19
スロット19a
先端部28
作動ディスク12
レバー係合部材30
くぼみ
(駆動)連結インターフェース40a
キー
駆動分離機構13
ばね32
ばね係合フランジ/肩部34
ボタン36
カム装置15、15a、15b
カムトラック15a
カムピン15b
ハウジング壁部分38
オリフィス39
回転駆動シャフト/スタブ14
(アクチュエータ)連結インターフェース40b
スロット
ギア歯21
針シールドカバー16
駆動ユニット4
電子制御システム
電源(バッテリ)
ユーザーインターフェース46
ポンプシステム
ポンプエンジン
ステータ
ロータ
【0066】
〔実施の態様〕
(1) 薬剤送達デバイス(1)であって、
ハウジング(2)と、
送達ユニット(3)と、
駆動ユニット(4)と、
ポンプシステムと、を含み、
前記送達ユニットは、皮下送達システム(6)と、針アクチュエータシステム(7)と、を含み、
前記皮下送達システムは、スライド可能な針支持体(10)と、前記スライド可能な針支持体に装着された注射針と、を含み、
前記針支持体は、前記針が前記ハウジング内部に装着されている後退位置から、前記針が皮下送達のために前記ハウジングの皮膚接触壁(48)を通って突出する伸長位置まで、前記ハウジング(2)に対して移動可能であり、
前記針アクチュエータ機構は、前記ハウジング(2)内部のハウジング部分(38)に回転可能に装着された作動ディスク(12)を含み、これは、前記作動ディスクの回転によって前記スライド可能な針支持体を前記後退位置から前記伸長位置まで変位させるように構成されており、
前記薬剤送達デバイス(1)は、連結インターフェース(40b)を含む回転駆動シャフトまたはスタブ(14)をさらに含み、前記作動ディスクは、前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)の前記連結インターフェース(40b)と係合可能な連結インターフェース(40a)を含み、
前記薬剤送達デバイスは、前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)に連結されたモータをさらに含み、
前記針アクチュエータ機構は、前記作動ディスクと前記ハウジング部分(38)との間のカム装置(15、15a、15b)と、ばね(32)と、を含む駆動分離機構(13)をさらに含み、前記ばねおよび前記カム装置は、前記スライド可能な針支持体(10)の前記後退位置から前記伸長位置への変位を引き起こす前記作動ディスクの回転中に前記作動ディスク(12)の軸方向変位をもたらすように構成され、前記軸方向変位は、前記作動ディスクの前記連結インターフェース(40a)からの前記ロータ駆動シャフトまたはスタブ(14)の前記連結インターフェース(40b)の分離を引き起こすことを特徴とする、薬剤送達デバイス。
(2) 前記駆動分離機構は、前記ハウジング壁部分(38)内のオリフィス(39)を通って延びる接続部分を介して前記作動ディスクに接続されたばね係合フランジまたは肩部(34)を含み、前記ばねは、前記ばね係合フランジと、前記作動ディスクが位置付けられる側面とは反対側の前記ハウジング壁部分(38)の側面との間に、プレストレスを与えられる方法で位置付けられている、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(3) 前記ばねは、前記ハウジング壁部分(38)の後側に装着され、前記作動ディスク(12)は、前記ハウジング壁部分(38)の前側に装着されている、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(4) 前記カム装置は、前記作動ディスクの後側と前記ハウジング壁部分(38)の前側との間に位置付けられ、前記作動ディスク(12)上の前記駆動連結インターフェース(40a)は、前記作動ディスクの前側に装着されている、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(5) 前記カム装置は、前記作動ディスクおよび前記ハウジング壁部分の前側のうちの一方におけるカムトラック(15a)と、前記作動ディスクおよび前記ハウジング壁部分の前側のうちの他方におけるカムピン(15b)と、を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
【0067】
(6) 前記カム装置は、前記ばねの軸方向付勢により前記作動ディスクが前記完全伸長位置まで回転するように、前記カム装置の摩擦係数よりも大きい、前記作動ディスクの変位方向に直交する平面に対する傾斜角度スロープ角度βのスロープを有するカムトラック(15a)を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(7) 前記針アクチュエータ機構は、前記ハウジング壁部分(38)に旋回可能に装着されたピボット部分(17)と、前記作動ディスク(12)と係合可能な、前記ピボット部分(17)から延びるレバーアーム部分(16)と、を有する旋回作動レバー(11)を含み、前記レバーアーム部分は、前記針支持体を前記後退位置から前記伸長位置に変位させるために前記針支持体(10)の相補的連結器と係合する針支持体連結器(19)を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(8) 前記作動ディスク(12)は、前記レバーアーム部分の先端部(28)に係合するように構成されたくぼみの形態のレバー係合部材(30)を含む、実施態様7に記載の薬剤送達デバイス。
(9) 前記駆動分離機構は、前記ハウジング壁部分(38)のオリフィス(39)を通して前記作動ディスク(12)に組み付けられた前記ばね係合フランジまたは肩部(34)を含むボタン(36)の形態のばね係合部材を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(10) 前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)は、前記駆動ユニット(4)のモータに接続され、前記モータは、薬剤容器(5)から前記針へと前記液体薬剤を送り込むための前記薬剤送達デバイスのポンプシステムにも連結されている、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
【0068】
(11) 前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)は、前記モータまたは前記ポンプシステムのロータに連結するためのギア歯(21)を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(12) 前記回転駆動シャフトまたはスタブ(14)と前記作動ディスク(12)との間の前記連結インターフェース(40a、40b)は、キーおよびスロット装置を含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(13) 前記送達ユニットおよび前記駆動ユニットは、一緒に組み立てられ得る別々の部品として形成され、前記送達ユニットは使い捨ての単回使用部品であり、前記駆動ユニットは再利用可能な部品である、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(14) 前記ポンプシステムは、前記薬剤送達デバイス内に装着された薬剤容器に圧力を加える空気圧ポンプシステムを含む、実施態様1に記載の薬剤送達デバイス。
(15) 前記薬剤容器は、プランジャを備えたカートリッジの形態である、実施態様14に記載の薬剤送達デバイス。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図4c
図4d
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図7c
図7d
【外国語明細書】