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特開2024-39635ツール又はコンプリートツールを測定するためのデバイス、及び、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法
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  • 特開-ツール又はコンプリートツールを測定するためのデバイス、及び、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039635
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】ツール又はコンプリートツールを測定するためのデバイス、及び、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20240314BHJP
   B23Q 17/24 20060101ALI20240314BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALN20240314BHJP
【FI】
G01B11/24 K
B23Q17/24 B
B23Q17/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023144075
(22)【出願日】2023-09-06
(31)【優先権主張番号】10 2022 123 017.1
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
(71)【出願人】
【識別番号】503019925
【氏名又は名称】フランツ・ハイマー・マシーネンバウ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハイマー,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーメ,カイ
【テーマコード(参考)】
2F065
3C029
【Fターム(参考)】
2F065AA52
2F065CC10
2F065FF02
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065MM03
2F065MM04
2F065QQ21
2F065QQ28
2F065SS13
3C029AA40
3C029EE06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ツール又はコンプリートツールを測定するためのデバイスを提供する。
【解決手段】本発明はツールホルダにクランプされた切削ツールを測定するための装置、並びに、特に、そのような装置を使用することによって、ツールホルダにクランプされた切削ツールのデジタル画像をコンパイルするための方法に関する。その方法の間、ツール又はコンプリートツールは、デジタル画像のコンパイルのためにサンプリングされる。さらにまた、少なくとも1つの第1の切削点、特に、第1の切削点、たとえば、切削開始点、及び、第2の切削点、たとえば、切削終了点が、ツール又はコンプリートツールのために測定される。次いで、デジタル画像において、切削領域が、第1の切削点及び第2の切削点を使用することによって確認される(「衝突関連デジタルツイン」)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ツール又はツールホルダ及び前記ツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置であって、
測定ユニット並びに計算及び制御ユニットが、
前記ツール又は前記コンプリートツールのデジタル画像のコンパイルのために、前記ツール又は前記コンプリートツールがサンプリングされ、前記ツール又は前記コンプリートツールの前記サンプリングに加えて、少なくとも1つの第1の切削点、特に、前記第1の切削点、たとえば、切削開始点、及び、第2の切削点、たとえば、切削終了点が、前記ツール又は前記コンプリートツールのために測定され、切削領域が、少なくとも前記第1の切削点、特に、前記第1の切削点及び前記第2の切削点を使用することによって、前記デジタル画像において確認される(「衝突関連デジタルツイン」)
ように適合されることを特徴とし、
特に、前記測定ユニットが、請求項5~16のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合される
ことを特徴とする、
装置。
【請求項2】
ツール又はツールホルダ及び前記ツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置であって、
測定ユニット並びに計算及び制御ユニットが、デジタル画像又は衝突関連デジタルツインを使用することによって、前記衝突関連ツインに割り当てられる情報項目の他に、さらなる情報項目及び/又は特定の構造若しくは加工におけるこれらの独自の情報項目を有する機械加工関連ツインをコンパイルすることができるようにさらに適合される
ことを特徴とする、
装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の、ツール又はツールホルダ及び前記ツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置を有する、
(ツール)プリセット機器。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の、ツール又はツールホルダ及び前記ツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置、特に、請求項3に記載の(ツール)プリセット機器、及び工作機械を有し、特に、前記装置及び前記工作機械が、共通基部上に取り付けられ、及び/又は、前記装置が、前記工作機械に一体化される、
加工センタ。
【請求項5】
特に、請求項1又は2に記載の装置によって、ツール又はツールホルダ及びツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法において、
前記デジタル画像の前記コンパイルのために、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによって、前記ツール又は前記コンプリートツールがサンプリングされ、前記ツール又は前記コンプリートツールの前記サンプリングに加えて、少なくとも1つの第1の切削点、特に、前記第1の切削点、たとえば、切削開始点、及び、第2の切削点、たとえば、切削終了点が、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによって、前記ツール又は前記コンプリートツールのために測定され、切削領域が、少なくとも前記第1の切削点、特に、前記第1の切削点及び前記第2の切削点を使用することによって、前記デジタル画像において確認される(「衝突関連デジタルツイン」)
ことを特徴とする、
方法。
【請求項6】
前記ツール又は前記コンプリートツールの前記サンプリングが、異なるツール又はコンプリートツール高さで実行され、前記デジタル画像が、前記サンプリングから確認される
ことを特徴とする、
請求項5に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項7】
前記切削領域の決定中、少なくとも前記第1の切削点、特に、前記第1の切削点及び前記第2の切削点を使用することによって、この点又はこれらの点に最も近い1つ又は複数の点が、前記ツール又は前記コンプリートツールの前記デジタル画像において決定され、
この最も近い点又はこれらの最も近い点を使用することによって、前記切削領域が確認され、特に、前記デジタル画像においてマーキング可能である
ことを特徴とする、
請求項5又は6に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項8】
前記サンプリング中、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによって、前記ツール又は前記コンプリートツールの2Dスキャンが実行され、前記2Dスキャン中、所定の固定位置で、前記ツール又は前記コンプリートツールの両側の輪郭が測定される
ことを特徴とする、
請求項5~7のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項9】
前記サンプリング中、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによって、前記ツール又は前記コンプリートツールの3Dスキャンが実行され、前記3Dスキャン中、前記ツール又は前記コンプリートツールの片側の輪郭が測定され、前記ツール又は前記コンプリートツールが、前記測定中、回転しており、包囲輪郭が確認される
ことを特徴とする、
請求項5~8のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項10】
前記サンプリング中、前記ツールが回転ツールである場合、前記ツール又は前記コンプリートツールの3Dスキャンが実行される
ことを特徴とする、
請求項5~9のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項11】
前記ツールホルダの前記デジタル画像のデータが、別の方法で利用可能であるとき、特に、すでに保存されている及び/又は読み込まれているときに、前記コンプリートツールの前記デジタル画像の前記コンパイルのために、前記ツールの前記サンプリングのみが、前記コンプリートツールのために実行される
ことを特徴とする、
請求項5~10のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項12】
前記ツール又は前記コンプリートツールの前記デジタル画像のコンパイル中に、少なくとも1つのデータセット、特に、複数のデータセット、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによる測定からの、特に、前記デジタル画像のデータを有する及び前記確認された切削領域のためのデータを有するデータセット、及び/又は、前記デジタル画像のデータを有する及び前記確認された切削領域のためのデータを有する並びに前記ツールの測定データを有するデータセットが生成される
ことを特徴とする、
請求項5~11のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項13】
特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための前記装置を使用することによって、前記ツール又は前記コンプリートツールが測定される
ことを特徴とする、
請求項5~12のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項14】
衝突検査が、前記デジタル画像又は前記衝突関連デジタルツインを使用することによって実行される
ことを特徴とする、
請求項5~13のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項15】
前記デジタル画像又は前記衝突関連デジタルツインを使用することによって、前記衝突関連ツインに割り当てられる前記情報項目の他に、さらなる情報項目及び/又は特定の構造若しくは加工におけるこれらの独自の情報項目を有する機械加工関連ツインがコンパイルされる
ことを特徴とする、
請求項5~14のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【請求項16】
切削ツールで、及び/又は、前記ツールホルダに圧縮された切削ツールで実行される、
請求項5~15のいずれか一項に記載のデジタル画像をコンパイルするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツール、特に、切削ツール、又は、ツールホルダ及びツールからなるコンプリートツール、特に、ツールホルダにクランプされた切削ツールを測定するための装置、並びに、特に、そのような装置を使用することによって、ツール、特に、切削ツール、又は、ツールホルダ及びツールからなるコンプリートツール、特に、ツールホルダにクランプされた切削ツールのデジタル画像をコンパイルするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下で簡単に「プリセット機器」(「プリセット」、「プリセットデータ」)とも呼ばれる、ツールを測定するための装置によって、たとえば、CNC加工機として構成された工作機械への結合前に、ツールホルダ及びツールからなるコンプリートツール、たとえば、ツールホルダにクランプされた、たとえば、圧縮された切削ツールを測定することは従来的である。
【0003】
次いで、このようにプリセット機器によって確認される、ツール又はコンプリートツールの寸法は、工作機械でのワークピース加工の最適化のために、工作機械で利用可能である、又は、工作機械で使用される。
【0004】
特に、プリセットは、ツールのワークピース加工部分、たとえば、切削ツールの刃先が、工作機械上のワークピースの計画された加工に対して許容可能な位置寸法を有することを保証する。
【0005】
このようなプリセット機器によって、この場合、特に、コンプリートツールの長さ、クランプされたツール又は切削ツールの直径及び/又は切削形状、並びに、適切な場合、ツール若しくはコンプリートツールのさまざまなさらなる比率又はツール若しくはコンプリートツールのためのさまざまなさらなる比率が測定される。
【0006】
これらのデータが工作機械におけるワークピースのワークピース加工の品質に直接関連する場合、プリセット機器におけるツール測定が、高精度で行われなければならない。
【0007】
そのような測定デバイス又はそのようなプリセット機器は、たとえば、Haimerの種類範囲「UNO」又は種類範囲「VIO」のプリセット機器が知られている。
【0008】
さらに、プリセット機器で確認されたデータからのツール又はコンプリートツールの、いわゆる、デジタルツイン、又は簡単に言えば、デジタル画像を、工作機械における予防的な衝突保護にこのデジタルツインを使用するために、確認することも知られている。
【0009】
この予防的な衝突保護の範囲では、特に、結合されたコンプリートツールによる工作機械の加工動作全体が、少なくとも計算的にシミュレートされて、ツール又はコンプリートツールとワークピース又は周辺部分(工作台、クランプ装置など)との間で衝突が起こるかどうかについて検査される(衝突観測、衝突シミュレーション)。
【0010】
ここで、ツールプリセットのために必要とされる非常に高い精度が、衝突保護のために、又は、衝突シミュレーションのために使用されるデジタルツインには必要ではないことも知られている。
【0011】
ツール又はコンプリートツールのデジタルツインの確認は、たとえば、(特許文献1)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3664961A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、先行技術で知られているプリセット機器を改善すること、特に、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像による衝突検査を改善及び/又は簡略化することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、それぞれの独立請求項の特徴を有する、ツール又はツールホルダ及びツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置、並びに、ツール又はツールホルダ及びツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法によって、実現される。
【0015】
本発明の有利な発展形態は、従属請求項及び以下の明細書の主題であり、本発明による装置、及び、本発明による方法の両方に関する。
【0016】
使用されることがある、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、又は「右」などの用語は、別途明確な定義がない限り、従来の理解に従って、並びに、添付の図面に照らして、理解されるべきである。「半径方向」及び「軸方向」などの用語は、使用されて、別途明示的に定義されない場合、ここに記載される構成要素/構成部品の中央軸又は対称軸に関して、並びに、添付の図面に照らして、理解されるべきである。
【0017】
用語「略」は、使用される場合、それは「実際には依然として有意である範囲」の内容であると(最高裁判所の解釈に従って)理解されてもよい。したがって、この用語は、製造又は取付公差などのために、正確さからの可能性があるずれが、意図せずに(すなわち、機能的な理由なしに)生じることがあることを意味する。
【0018】
ツール又はツールホルダ及びツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールのデジタル画像をコンパイルするための方法において、デジタル画像のコンパイルのために、ツール又はコンプリートツールはサンプリングされる。
【0019】
ツール又はコンプリートツールのサンプリングに加えて、少なくとも1つの第1の切削点、特に、第1の切削点、たとえば、切削開始点、及び、第2の切削点、たとえば、切削終了点が、ツール又はコンプリートツールのために測定される。
【0020】
任意選択的に、複数の切削点又は切削領域(より複雑なツールの場合)も測定又は表示されてもよく、それは、特に、たとえば、異なる高さにおける複数の切削領域、及び/又は、旋削若しくは切削位置があるときに、好都合であることがある。
【0021】
1つの切削点、すなわち、第1の切削点のみを測定することは、特に、切削の幾何学的形状に関する従来の知識が利用可能である場合、たとえば、切削が第1の切削点からツールの端部まで延在することを知ることによって、すでに十分であることがある。
【0022】
少なくとも第1の切削点の測定、又は、第1の切削点及び第2の切削点の測定は、測定ユニットによって、たとえば、測定ユニットに一体化された若しくは測定ユニットと協働する、画像処理、フィーラ、レーザ、若しくは他の測定手段の使用によって、及び/又は、自己学習アルゴリズムの助けを借りて、若しくは、たとえば、測定に関する計測プログラムにおいて対応する点を決定する操作者によって手動で最適化される人工知能によって、自動化された方法で行われてもよい。
【0023】
測定することは、すでに測定され、次いで、方法で使用されている切削点も含んでもよい。さらにまた、測定することは、測定することによって得られたグラフィカルなデータセットの点が、意図的に選択されて、切削点として確立されることも意味する。
【0024】
測定のために、特に、又は、たとえば、提案の形態において、たとえば、測定による設定値/実測値の比較の助けを借りて、次いで、任意選択的に調整若しくは適合及び/又は整列される、対応するデータ又はデータセットによる、及び/又は、データベース又はプログラミングシステムからの、少なくとも測定される第1の切削点又は第1の切削点及び第2の切削点に関する、従来の知識が利用可能となることも好都合であることがある。
【0025】
したがって、本発明による測定において、たとえば、したがって、そのような従来の知識の使用により提案される点は、自動的に接近(次いで、測定)されてもよい。
【0026】
特に、複雑なツールの場合、それによって(そのような複雑なツールの)異なる高さ及び/又は回転角度位置における切削領域が接近されるときに、これは特に有利であることがある。
【0027】
別の方法で表現すると、又は、より一般的には、従来の知識、特に、たとえば、既存のデータから利用可能となる、ツールの切削点又は切削領域に関するツールデータ、たとえば、製造業者のデータ又は正規化データは、1つ又は複数の測定された切削点を確立及び/又は検査するために、及び/又は、任意選択的に、適合させるために、使用されてもよい。
【0028】
次いで、デジタル画像において、切削領域は、少なくとも第1の切削点、特に、第1の切削点及び第2の切削点を使用することによって確認される(「衝突関連デジタルツイン」(機械加工ツール、同様に「機械加工関連デジタルツイン」の場合))。
【0029】
複数の切削領域を有してもよい複雑なツールについては、少なくとも1つの第1の切削点、特に、第1の切削点及び第2の切削点は、切削領域ごとに別個に測定され、それぞれの切削領域は、それから確認される。
【0030】
したがって、本発明は、一般的なデジタルツインからの最も速い可能な方法で、衝突関連ツインに迅速に到達することができ、さらに、プログラミングシステムにおいてすぐに使用されてもよい機械加工関連ツインを確認する。
【0031】
特に、追加の測定、及び、測定の使用は、たとえば、デジタル画像の完全に純粋な(自動/自動化された)画質評価という利点をさらに有し、自動画質評価又はそのロジックの不確実さが、追加の測定によって避けられる。それによって、確認される切削領域の精度及び/又は信頼性はより高くなる。
【0032】
一変形例において、サンプリングによって、又は、サンプリング中、たとえば、サンプリング点又はデジタル画像からの自動化された方法で、少なくとも第1の切削点又は第1の切削点及び第2の切削点、又は複数の切削点が、すでに確認されているという対応もされてもよい。この場合、追加のステップとしての、1つ又は複数の切削点の測定は、不要とされてもよい。
【0033】
「デジタル画像」は、二次元画像又は三次元画像、たとえば、輪郭プロファイル又は包囲輪郭を意味してもよい。
【0034】
この場合、「サンプリングされた」は、特に、たとえば、特に、プリセット機器で使用されるような光測定又は計測ユニット/デバイスによって、たとえば、透過光方法で、物体の、ここでは、ツール又はコンプリートツールの異なる領域の画像が取得され、デジタル画像及び/又は衝突関連ツインを生成するために評価されることを意味してもよい。
【0035】
サンプリングは、実行される方法に応じて、二次元又はさらには三次元デジタル画像をもたらしてもよく、たとえば、サンプリング中、物体が回転することによって、三次元画像をもたらしてもよい。
【0036】
或いは、三次元画像はまた、二次元画像から数学的に生成又は計算されてもよい。たとえば、物体の上述の回転は、二次元画像から三次元画像を製作するように、数学的に「シミュレート」されてもよい。
【0037】
「異なる領域」は、異なる高さにおけるツール、及び/又は、異なる回転された図におけるツールを意味してもよい。
【0038】
特に、物体、たとえば、ここでは、ツール又はコンプリートツールの輪郭又は輪郭プロファイル又は包囲輪郭は、そのようなサンプリングによって確認されてもよい。
【0039】
「輪郭」又は「輪郭プロファイル」は、特に、ツール又はコンプリートツールの回転軸に沿った任意の断面積の最大の範囲として理解されることが意図されている。輪郭又は輪郭プロファイルは、特に、事前に、加工プロセスにおけるワークピースとの衝突を計算可能とするのに好適である(衝突シミュレーション/観測)。同じことは、包囲輪郭に同様に適用され、それは、三次元輪郭又は輪郭プロファイルとして理解することができる。
【0040】
この場合、本発明は、任意の衝突観測のために使用可能である、ツール又は切削ツールの切削領域を識別し、輪郭全体と区別しなければならないという発見に基づく。これは、ツールの切削領域は、衝突なしに、加工されるワークピースに入ることができなければならないためである。他方で、切削領域は、機械要素、たとえば、ワークピースをクランプするためのチャックに対する衝突観測のために考慮されなければならない。
【0041】
この点で、本発明は、「通常の」デジタルツインと衝突関連又は機械加工関連デジタルツインとを区別する。
【0042】
この場合、「機械加工関連ツイン」は、衝突関連ツインに割り当てられる情報項目の他に、優先的に、さらに、共形的に又はCAD/CAMシステム及び/又は加工システムと互換性を有するように、さらなる情報項目、及び/又は、特定の構造若しくは加工、たとえば、レイヤ構造における、及び/又は、マーキング、特に、カラーマーキングによる、これらの独自の情報項目を有するものとして理解されてもよい。
【0043】
したがって、本発明は、衝突観測中に、簡略化されているが、それでも十分な精度を有する方法で、ツール又はコンプリートツールの、少なくとも1つの第1の切削点、又は、任意選択的に、第1の切削点及び第2の切削点、たとえば、切削開始点及び切削終了点を測定することによって、この区別される切削領域を決定する。
【0044】
「測定」は、この文脈では、データを高い精度でこの時点で生成することができることも意味してもよく、測定は、(たとえば、対応する高解像度の計測システムによって)他の形態の確認又は確立よりも高い精度で利用可能となることがある。
【0045】
先行技術とは対照的に、これは、実際の製造環境から除かれるCAD/CAMプログラミング環境においては、理論的には行われず、その環境においては、異なるモデルは、単に組み合わせられるだけであるが、実際には、便宜上、直接、製造又はツールプリセットにおいて、実際のツール又はコンプリートツール(取付後)上で組み合わされる。
【0046】
このようにして、インタフェース問題、欠陥のある不完全なデータセット及び/若しくはツール図面又はモデル、並びに/又は、実際のツールへの欠陥のあるフィードバックループが、回避される。
【0047】
さらにまた、部門での、手動での決定又は測定によって、又は、手動での決定又は測定において、再研削後の長さ公差、首部隙間、及び/又は、削り屑凹部などの固有の経験値が考慮されてもよい。
【0048】
次いで、少なくとも第1の切削点、任意選択的に、第1の切削点及び第2の切削点、又は、切削開始点及び切削終了点は、切削領域を定義してもよく、次いで、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像(衝突関連又は機械加工関連デジタルツイン)において考慮されてもよい。
【0049】
さらにまた、本発明は、方法が統合されたプロセス又は統合された(全)方法を形成する利点を提供し、それは、(既存の)プロセスの全体のフロー、たとえば、プリセット機器におけるツール測定にさらに組み込む又は統合することができ、特に、測定ユニット又はその中の計測システムに統合することができる。
【0050】
前もって、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像に関して、データ、たとえば、ツールの(CAD/CAM)データ、ツールホルダの(CAD/CAM)データ、及び、場合によっては、さらに、切削の個別の(CAD/CAM)データなどを、一般的な(全体)データ構造(DINに従うレイヤ構造)を形成するために、(異なるプロセスからの)さまざまなデータ源から組み合わせる必要があったことがあり(すなわち、実例として表現すると、デジタル画像がそのようなさまざまなデータ源のデータから「組み立てる」必要があった)、そのため、特に、たとえば、互換性がない又は非共形的な基準点、及び、それらが繰り返されるので難しいフィードバックチェーンのために、インタフェース問題が実質的に避けられなかった場合、本発明は、全体のフローを表す統合可能な又は統合された方法として、(統合された、互換性のある)データを、1つのデータ源から生成し、衝突関連デジタルツインのために使用することを可能にする。
【0051】
したがって、データ適合性及びデータ互換性、並びに、本物の実測値に対応する、1つの「場所」において生成されて利用可能である又は1つの源からのデータは、本発明における又は方法における、高い効率及び効果、簡潔性、及び低いエラー感受性を保証する。
【0052】
簡潔且つ簡単に表現すると、インタフェース問題及びデータ適合性問題、又は、一般に、データ統合に関する問題は、本発明によって回避することができる。
【0053】
よって、特に、方法が、デジタル画像又は本発明による衝突関連デジタルツインの他に通常のプリセットデータも生成及び測定される(プリセット機器の)ツール測定と統合される場合、1つのデータ源から来る共形的なデータの2つのデータセットを組み合わせることによって、特に、(デジタル)データフォーマットの、統合された包括的に機能するデータセットが、たとえば、工作機械又はプログラミングステーションに対して、(プリセット及び衝突観測のために)利用可能となってもよい。
【0054】
この場合、特に、デジタル画像及び/又は衝突関連デジタルツインを、デジタルデータフォーマットのデータの形態又はデータセットの形態で、たとえば、データフォーマットVDA-FS、IFC、IGES、STEP(ISO規格10303)、STL、又はDXFで、利用可能にすることは好都合である。
【0055】
たとえば、ツール若しくはコンプリートツール及び/又はデジタル画像及び/又は衝突関連デジタルツインの全体部分及び/又は1つ若しくは複数のセクションを示す、データフォーマットJPEG、Windows Bitmap、又はGraphics Interchange Formatで画像ファイルを生成することはさらに好都合であることがある。
【0056】
さらに、データ接続によって、方法の間に生成されるデータ若しくはデータセットを送信するために、及び/又は、それらのデータ若しくはデータセットを記憶媒体に書き込むために、インタフェースを提供することも好都合である。
【0057】
「記憶媒体」は特に、データ処理において使用されるデータキャリア、たとえば、フラッシュメモリ、USBメモリ、フロッピーディスク、又はハードディスクとして理解されることが意図される。「データ接続」は、特に、有線及び/又は無線データ接続、特に、無線データ接続として理解されることが意図される。
【0058】
データ接続を介して、データ又はデータセットは、装置又は機器、たとえば、工作機械に、特に、プロトコルによって送信されてもよい。
【0059】
さらにまた、方法は、発見されたように、ツールプリセットのために必要とされる非常に高い精度が、衝突保護のために、又は、衝突シミュレーションのために使用されるデジタルツインには必要ではないという利点も提供する。
【0060】
よって、さまざまな(予め決定可能な)ツール又はコンプリートツール高さ(及び、任意選択的に、そこのさまざまな回転位置)において、離散的に「のみ」ツール又はコンプリートツールのサンプリングを実行し、それからデジタル画像を確認することは有利である。
【0061】
好適な数学的方法によって、たとえば、確認される、したがって、数値的に限定可能なサンプリングデータの間の補間によって、その後、ツール又はコンプリートツールの2Dモデル及び/又は3Dモデル(又は、2D及び/又は3D輪郭モデル)は、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像として、サンプリングデータから計算されてもよい。
【0062】
次いで、衝突関連ツインのためのデジタル画像において、「衝突非該当の」切削領域が定義される。
【0063】
低い精度要件が、衝突保護又は衝突シミュレーションのために使用されるデジタルツイン、すなわち、ここでは、衝突関連デジタルツインに課される場合、便宜上限られた数のサンプリング高さを指定することによって、確認されるデータ量が制限されてもよく、演算時間及びメモリ空間が節約されてもよく、衝突シミュレーションが信頼性を失わずに実行されてもよい。
【0064】
切削領域の決定の間、少なくとも第1の切削点、任意選択的に、第1の切削点及び第2の切削点を使用することによって、この点又はこれらの点に最も近い1つ又は複数の点は、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像において決定され、この最も近い点/これらの最も近い点を使用することによって、切削領域が、定義又は確認され、特に、デジタル画像においてマーキング可能であることはさらに好都合である。
【0065】
簡単に表現すると、1つ又は複数の「再測定された」切削点を使用することによって、1つ又は複数の対応する点が、たとえば、「最少の距離」によって、デジタル画像において検索され、よって、このように見いだされた「1つ又は複数の画像点」は、1つ又は複数のデジタル画像の点として、デジタル画像における切削領域を定義してもよい。
【0066】
この場合、一方で、デジタル画像又は衝突関連デジタルツインは、ある程度低い精度要件を条件とし、他方で、1つ又は複数の画像点は、1つ又は複数の測定された切削点からのみ確認されるので、少なくとも1つの切削点、又は、任意選択的に、2つの切削点の再測定に高い精度が課される必要はないことも有利であることが分かる。
【0067】
さらにまた、ツール又はコンプリートツールのスキャン、たとえば、2D又は3Dスキャンが、サンプリング中に実行される対応もされてもよい。
【0068】
異なる計測システム、たとえば、レーザ支援若しくは超音波支援システム、又は、光及び/又は触覚システムなどによってスキャン又はサンプリングを実行することも好都合であることがある。
【0069】
2Dスキャン中、ツール又はコンプリートツールの所定の固定位置で、ツール又はコンプリートツールの両側の輪郭を測定するは好都合であり、そのため、測定中、ツール又はコンプリートツールは回転しないままであり、したがって、2D輪郭を確認することができる。
【0070】
この場合、ここで特に、サンプリング中、ツールが非回転ツール、たとえば、旋盤チゼルであるときに、ツール又はコンプリートツールの2Dスキャンが実行されることが対応されてもよい。
【0071】
サンプリング中、ツール又はコンプリートツールの3Dスキャンが実行されることも対応されてもよい。
【0072】
3Dスキャン中、ツール又はコンプリートツールの片側の輪郭が測定されることは好都合であり、ツール又はコンプリートツールは、測定中、回転しており、そのため、包囲輪郭を確認されることができる。
【0073】
この場合、特に、サンプリング中、ツールが回転ツール、たとえば、ミリングツールであるときに、ツール又はコンプリートツールの3Dスキャンが実行されることがここで対応されてもよい。
【0074】
この場合、回転ツールは、そのようなツールがワークピースの加工中、回転することを意味してもよく、非回転ツールは、そのようなツールが、ワークピースの加工中、回転しないことを意味してもよい。
【0075】
「片側」又は「両側」は、輪郭が、二次元的に画像化されたツール又はコンプリートツールの、片側(場合によっては、中央軸、対称軸まで)のみで、又は、両側で決定されることを意味してもよい。
【0076】
本発明によるサンプリングはまた、デジタルツインのコンパイルのために、スティッチング方法(画像の連結)によって行われてもよい。
【0077】
この場合、ツール若しくはコンプリートツールの、又は、ツール又はコンプリートツールの一部の個々の画像は、任意選択的に、高解像度で、生成されてもよく(すなわち、この場合には、縁部などの関連領域のみ継ぎ合わされる)、これらは、ツール又はツール全体の全体的な画像を形成するために組み合わされる(「スティッチング」)(一方、スキャニングの場合、列は互いに隣接して置かれる)。そのような全体的な画像は、デジタルツインであってもよく、又は、デジタルツインをコンパイルするために使用されてもよい。
【0078】
スティッチングは、たとえば、透過光方法、並びに、反射光方法及び/又は他の画像処理方法で行われてもよい。反射光方法によって、たとえば、表面/表面構造に関して、透過光方法によって利用可能とすることができない測定が可能である。
【0079】
そのようなスティッチングの間、全体的な画像の助けを借りて、画像点の位置及び/又は座標を確認するように、個々の画像の座標も固定されてもよい。別の方法で又は実例として表現すると、全体的な画像からの画像点のこの「読み出し」も、点の測定とみなされてもよく、したがって、切削点に適用されてもよい。したがって、一般に、全体画像上の可視要素を遡及的に決定又は測定することも可能である。
【0080】
ツールホルダのデジタル画像のデータが、別の方法で利用可能であるとき、特に、すでに保存されている及び/又は読み込まれているときに、コンプリートツールのデジタル画像のコンパイルのために、ツールのサンプリングのみがコンプリートツールのために実行される場合、好都合であることがある。
【0081】
別の方法で表現すると、たとえば、この点について、ツールホルダ及び/又はツールのインタフェースに関する、たとえば、製造業者、及び/又は標準化及び規格(DIN/ISO)からの従来の知識がこの点についてある場合、及び/又は、長さ及び/又は直径などの幾何学的な情報項目が利用可能となる(場合によっては、(定義された)インタフェースを介して読み込まれる)場合、サンプリングは、任意選択的に、ツール又はコンプリートツールの「欠損」領域のみに制限されてもよい。
【0082】
したがって、サンプリング及び従来の知識は、デジタル画像のために又はデジタル画像において組み合わされてもよく、それは、加工時間及び/又は加工能力を節約する。このようにして、サンプリングに対する不利益な影響を有する状況、たとえば、ツール又はコンプリートツール上の汚れなども、排除することができる。
【0083】
さらにまた、少なくとも1つのデータセット、特に、複数のデータセット、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための本発明による装置を使用することによる測定からの、特に、デジタル画像のデータを有する且つ確認された切削領域のためのデータを有するデータセット、及び/又は、デジタル画像のデータを有する且つ確認された切削領域のためのデータを有する並びにツールの測定データを有するデータセットが、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像のコンパイルの間に生成されることも好都合である。
【0084】
ツール又はコンプリートツールが、特に、ツール又はコンプリートツールを測定するための本発明による装置を使用することによって測定されることは特に好都合である。
【0085】
すなわち、ここで、ツール又はコンプリートツールが、通常通り、特に、本発明による装置を使用することによって、測定されることが対応される。
【0086】
発展として、次いで、本発明によって確認されるデジタル画像又は衝突関連デジタルツインを使用することによって、衝突検査が実行されることも対応されてもよい。
【0087】
たとえば、切削領域の測定とともに(切削)開始点及び/又は終了点をマーキングすることによって、ISOに従って必要とされるカラーラベリング及び/又はレイヤ構造を有するファイルはコンパイルされ、従来のプログラミングシステムの使用が、自動化された方法で、且つ、(理想的な場合)追加の再処理(機械加工関連デジタルツイン)なしで実行されてもよいことは特に好都合である。
【0088】
別の方法で、又はより簡単且つ一般的に表現すると、本発明によって決定される切削情報はまた、他の方法で、又は、加工及び/又はプログラミングシステム(たとえば、CAD/CAMシステム)などの他のシステムに、たとえば、レイヤ及び/又はレイヤ構造又は他のデジタルマーキングで、利用可能となってもよい。
【0089】
一般に、本発明によって生成されるデータが、他のシステム(たとえば、CAD/CAMシステム)のために、たとえば、及び、便宜上、DXF及び/又はステップファイルによって、正規化された又は規格化された形態で、たとえば、レイヤ構造で利用可能となることも好都合であると思われる。
【0090】
ツール又はコンプリートツールのために本発明に従って生成されたデータ(又は、データセット)が、たとえば、ID番号の形態の識別情報を割り当てられることも特に好都合であることがあり、それは、同時に、本発明によって扱われるツール又はコンプリートツールに特異的である。次いで、このように指定されたデータは、ツール又はコンプリートツールのために、加工プログラム、(在庫)管理システムなどにおいて、さらに使用されてもよい。
【0091】
さらにまた、本発明による方法が、切削ツールで、及び/又は、ツールホルダに圧縮された切削ツールで実行されることも好都合であることがある。
【0092】
ツール又はツールホルダ及びツールホルダにクランプされたツールからなるコンプリートツールを測定するための装置は、測定ユニット及び計算及び制御ユニットを提供する。
【0093】
この測定ユニット及び計算及び制御ユニットは、ツール又はコンプリートツールのデジタル画像のコンパイルのために、ツール又はコンプリートツールがサンプリングされ、ツール又はコンプリートツールのサンプリングに加えて、少なくとも1つの第1の切削点、特に、第1の切削点、たとえば、切削開始点及び、第2の切削点、たとえば、切削終了点がツール又はコンプリートツールのために測定され、切削領域が、少なくとも第1の切削点、特に、第1の切削点及び第2の切削点を使用することによって、デジタル画像においてマーキングされるように適合される。
【0094】
したがって、特に、測定ユニット及び/又は計算及び制御ユニットは、本発明による上記の方法又は本発明による方法ステップの1つを実行するように適合される。
【0095】
この場合、測定ユニット並びに計算及び制御ユニットなどの「・・・ユニット」は、特に、プロセッサ、メモリユニット、インタフェース、並びに/又は、特に、メモリユニットに記憶された、オペレーティング、制御、及び計算プログラムも有してもよい。
【0096】
簡単に且つ実例として表現すると、本発明による装置を使用することによって、1つ又は複数の切削点のサンプリング及び/又は「再測定」などの、本発明による方法、及び/又は、さらには本発明による方法ステップを実行することは特に好都合である。
【0097】
この場合、それ自体ですでに知られている従来のプリセット機器が、(装置及び/又は方法の)本発明による機能で補足されることが特に好都合であると分かる。
【0098】
従来のプリセット機器は、ハードウェア及び/又は制御に関してほとんど不変のままであってもよく、それに基づいて、本発明による捕捉物のみソフトウェアに及ぶことは、この場合には特に有利であることが分かる。新しい又は適合されるプログラムモジュールは、これを保証することができる。
【0099】
任意選択的に、本発明による上記の方法又は本発明による方法ステップの1つの実行について、本発明による測定ユニット及び/又は装置は、本発明による上記の方法又は本発明による方法ステップの1つを実行するために、測定ユニットの対応する駆動を保証する制御ユニットを有してもよい。
【0100】
(ツール)プリセット機器は、ツール又はコンプリートツールを測定するための、本発明による上記の装置を提供する。
【0101】
加工センタは、ツール又はコンプリートツールを測定するための本発明による上記の装置、特に、本発明による(ツール)プリセット機器、並びに、工作機械を提供する。
【0102】
特に、装置及び工作機械が共通基部上に取り付けられること、及び/又は、装置が(機能的に及び/又は構成要素として)工作機械に一体化されることは、この場合には好都合である。
【0103】
本発明の有利な構成のこれまで提供された説明は、個々の従属請求項において複合的に組み合わされるように時には複製される多数の特徴を含む。しかしながら、これらの特徴も、便宜上個々に考慮されてもよく、配置/装置と方法との間を含む、好適なさらなる組合せを形成するために組み合わせられてもよい。
【0104】
いくつかの用語は本明細書又は特許請求の範囲において、単数で又は数詞と組み合わせて使用されるとしても、本発明の範囲は、これらの用語の単数形又はそれぞれの数詞に限定されることを意図しない。さらにまた、単語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、数字としてではなく、不定冠詞として理解されるべきである。
【0105】
本発明の上記の特性、特徴、及び利点、並びに、それらが実現される方法は、本発明の例示的な実施形態の以下の説明とともに、より明確になり、より明確に理解できるようになり、これは、図面/図(同じ構成要素/構成部品及び機能は、図面/図では同じ参照符号を有する)とともにより詳細に説明される。
【0106】
例示的な実施形態は、本発明を説明するために使用され、本発明をその中に明示された特徴の組合せにも機能的な特徴に対しても限定しない。さらにまた、任意の例示的な実施形態の好適な特徴を、分離して明示的に考慮し、例示的な実施形態から切り離し、別の例示的な実施形態を補足するために別の例示的な実施形態に導入し、及び/又は、特許請求の範囲の任意の請求項と組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
図1】本発明による実施形態によるプリセット機器を使用することによってワークピースを加工するためのプロセスを概略的に示す。
図2図1のプリセット機器を詳細図で示す。
図3】本発明による実施形態による、2Dスキャン中の、コンプリートツール、ここでは、ツールホルダにクランプされた旋削ツールのサンプリングをスクリーンショットで示す。
図4】本発明による実施形態による、ツール、ここでは、ツールホルダにクランプされた旋削ツールの第1の切削点の測定をスクリーンショットで示す。
図5】本発明による実施形態による、ツール、ここでは、ツールホルダにクランプされた旋削ツールの第2の切削点の測定をスクリーンショットで示す。
図6】本発明による実施形態による、3Dスキャン中の、コンプリートツール、ここでは、ツールホルダにクランプされたミリングツールのサンプリングをスクリーンショットで示す。
図7】本発明による実施形態による、ツール、ここでは、ツールホルダにクランプされたミリングツールの第1の切削点の測定をスクリーンショットで示す。
図8】本発明による実施形態による、ツール、ここでは、ツールホルダにクランプされたミリングツールの第2の切削点の測定をスクリーンショットで示す。
図9】本発明による実施形態による衝突関連デジタルツインを示す。
図10a】本発明による実施形態によるツールの透過光方法で継ぎ合わせられた画像を示す。
図10b】本発明による実施形態によるツールの反射光方法で継ぎ合わせられた画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0108】
図「ワークピースの加工」(図1
図1は、工作機械26によるワークピース32の加工、ここでは、CNC工作機械/加工機械26によってミリングされるワークピース32のミリング加工を示す。
【0109】
図1で示されるように、加工は、CNC工作機械26を備え、CNC工作機械26上で、ワークピース32は、ツールホルダ8、ここでは、(液圧拡張)チャック8にクランプされた(ミリング)ツール4(全体として、コンプリートツール6と呼ばれる)によって、加工又はミリングされる。
【0110】
ワークピース32が加工される前に、加工のための模擬衝突検査が、工作機械26のために、又は、工作機械26上で実行される。
【0111】
工作機械上での衝突検査の実行に代わるものとして、この検査はまた、個別のプログラミングワークステーション上で同様に実行されてもよい。
【0112】
この目的のために、図1にも示されるように、プリセット機器2が提供され、プリセット機器2は、プリセットのために必要とされるデータ(プリセットデータ)、並びに、衝突検査のために必要とされるデータ(衝突関連デジタルツイン20、図9参照)を生成し、これらのデータは、図1において矢印で示されるように、複数のデータセットの形態で(プリセット機器2から)工作機械26に送信される。
【0113】
プリセット機器2(図2
図2は、ツール4又はコンプリートツール6を測定するための、プリセット機器2と略されるツールプリセット機器を詳細に示す。
【0114】
プリセット機器2は、カメラ装置10の形態の光測定装置10を有し、それによって、情報項目が、ツール4又はコンプリートツール6から取得されてもよい。
【0115】
プリセット機器2は、計算及び制御ユニット34をさらに有し、計算及び制御ユニット34は、特に、プロセッサと、メモリユニットと、カメラ装置へのインタフェースと、工作機械へのインタフェース36と、メモリユニットに記憶された計算及び動作プログラムとを備え、たとえば、ツール4の測定、及び、ツール4又はコンプリートツール6の衝突関連デジタルツイン20のためのデータの生成が、計算及び制御ユニット34によって実行可能であり、表示手段38及び入力手段40によって「作動可能」である。
【0116】
したがって、計算及び制御ユニット34は、対応する計算及び動作プログラムによって、カメラ装置10を使用して、ツール4又はコンプリートツール6の従来の測定が実行される、又は、ツール4又はコンプリートツール6の従来の測定を実行することが意図され、プリセットデータがツール4又はコンプリートツール6によって生成される。
【0117】
さらにまた、計算及び制御ユニット34は、同様に対応する計算及び動作プログラムによって、且つ、カメラ装置10を使用することによって、衝突検査のためのツール4又はコンプリートツール6のデータ、すなわち、衝突関連デジタルツイン20を生成することを可能にする。
【0118】
プリセットデータ及び/又は衝突関連デジタルツイン20は、1つ又は複数のデータセットの形態で、さらなる機械加工のためのデジタル形式、たとえば、データフォーマットVDA-FS、IFC、IGES、STEP、STL、及びDXFで提供されてもよい。
【0119】
本事例において、プリセットデータ及び衝突関連デジタルツイン20の個別のデータセットが提供され、さらに、一般的なデータセットはデータの両方のセットを備える。
【0120】
工作機械26へのインタフェース36を介して、データ又はデータセットは、(模擬衝突検査を実行することができる、又は、データによって模擬衝突検査が実行される)工作機械26に送信/通信されてもよい。
【0121】
さらに、プリセット機器2は、図2で示されるように、モニタ38の形態の表示手段38と、キーボード40として構成される入力手段40とを有する。或いは、入力手段40はまた、タッチスクリーン機能モニタ38として構成されてもよい。
【0122】
操作者は、キーボード40を介して計算及び動作プログラムを作動させることができ、機能によって、計算及び動作プログラムのデータ及びステータス表示が、モニタ38上に表示され、インタフェース36を介して、工作機械26にデータ又はデータセットの発送を開始する。
【0123】
同様に図2で示されるように、コンプリートツール6は、スピンドル42上に配置され、スピンドル42は、操作者44によって手動で、さらに、アクチュエータ(詳細に表されない)によって駆動可能でありながら、回転軸46を中心に回転可能に取り付けられる。アクチュエータは、操作者44が手動で駆動可能であり、さらに、自動化された方法で、計算及び制御ユニットによって駆動可能である。
【0124】
プリセット機器2の上述のカメラ装置10は、透過光システムとして構成される。この場合、カメラ48及び照明手段50が、スピンドル42上に配置されたコンプリートツール6の両側にある。カメラ装置10は、往復台52上に取り付けられ、2つの軸に沿って変位可能である。
【0125】
プリンタ54のためのインタフェースがさらに利用可能である。
【0126】
図3~5及び図6~8は、異なる種類のツール4、一方は、非回転ツール4、及び、他方は、回転ツール4であり、それぞれ、簡単に、衝突関連デジタルツイン20のコンパイルと呼ばれる、衝突関連デジタルツイン20のためのデータの生成を示し、次いで、それによって、模擬衝突検査が実行される(図9、衝突関連デジタルツイン20の図を参照)。
【0127】
非回転ツール4のための衝突関連デジタルツイン20のコンパイル(図3~5)
ここでは、非回転ツール4、たとえば、旋削ツール4のコンプリートツール6の衝突関連デジタルツイン20の生成中、旋削ツール4はサンプリング100され、それによって、コンプリートツールの(二次元)デジタル画像18がコンパイルされる。
【0128】
サンプリング100は、コンプリートツール6の所定の固定位置(固定スピンドル42)において実行され、この場合、コンプリートツール6の非回転ツール4が、2Dスキャンによって、カメラ装置10で実行され、コンプリートツール6の両側の輪郭28が測定される。
【0129】
この場合、カメラ装置10は、自動化された方法でコンプリートツール6のさまざまな高さに接近して、それぞれ、これらの高さにおいて、コンプリートツール6又はコンプリートツール6のセクション56の取得を実行し、次いで、その取得物から、コンプリートツール6の輪郭28又は輪郭プロファイル28が「抽出」されて、次いで、(二次元)デジタル画像18を形成する。
【0130】
これは、最初にカメラ装置10を、下から、すなわち、コンプリートツール6の下端から、上向きに、すなわち、コンプリートツール6の上端の方へ、段階的に移動させることによって行われ、この場合、カメラ装置10は、コンプリートツール6の一方側の輪郭28に焦点を合わせ、この場合、コンプリートツール6の一方側の輪郭28を決定することができる。
【0131】
その後、カメラ装置10は、頂部から下向きに、段階的に移動し、この場合、カメラ装置10は、コンプリートツール6の他方側の輪郭28に焦点を合わせ、この場合、コンプリートツール6の他方側の輪郭28を決定することができる。
【0132】
コンプリートツールのサンプリング100に加えて、次いで、第1の切削点12、すなわち切削開始点12、及び、第2の切削点14、すなわち切削終了点14は、ツール4又はコンプリートツール6に関して、カメラ装置10によって、順番に測定102、104される。
【0133】
この目的のために、操作者44は、2つの対応する高さにカメラ装置10を移動させ、それらは、モニタ38上のディスプレイ58によって、それぞれ制御することができ、そこで、切削開始点12又は切削終了点14に焦点を合わせ、次いで、キーボード40によって、それぞれの測定102、104をトリガすることができる。
【0134】
次いで、デジタル画像18において、切削領域16が、測定された第1の切削点12及び測定された第2の切削点14を使用することによって、又は、デジタル画像18のこれらの確認された最も近い点22、24を使用して、確認106される(「衝突関連デジタルツイン」20)。
【0135】
回転ツール4のための衝突関連デジタルツイン20のコンパイル(図6~8)
ここでは、回転ツール4、たとえば、ミリングツール4のコンプリートツール6の衝突関連デジタルツイン20の生成中、ミリングツール4は同様にサンプリング100され、この場合、回転ツール4のコンプリートツール6の(三次元)デジタル画像18がコンパイルされる。
【0136】
サンプリング100は、異なるように回転されるコンプリートツール6(回転スピンドル42)とともに実行され、この場合、コンプリートツール6の回転ツール4が、3Dスキャンによって、カメラ装置10で実行され、コンプリートツールの片側の輪郭28が測定される。
【0137】
この場合、カメラ装置10は、自動化された方法でコンプリートツール6のさまざまな高さに接近して、それぞれ、これらの高さで、(スピンドル42によって)異なるように回転するコンプリートツールの位置において、コンプリートツール6又はコンプリートツール6のセクション56の取得を実行し、次いで、その取得物から、コンプリートツール6の包囲輪郭30が「抽出」されて、次いで、三次元デジタル画像18を形成する。
【0138】
これは、カメラ装置10を、下から、すなわち、コンプリートツール6の下端から、上向きに、すなわち、コンプリートツール6の上端の方へ、段階的に移動させることによって行われ、この場合、カメラ装置10は、コンプリートツール6の一方側の輪郭28に焦点を合わせる。接近された高さで、それぞれ異なるように回転するコンプリートツール位置において、コンプリートツール6のさまざまな取得がそれぞれ行われる。
【0139】
コンプリートツール6のサンプリング100に加えて、次いで、第1の切削点12、すなわち切削開始点12、及び、第2の切削点14、すなわち切削終了点14は、ツール4又はコンプリートツール6に関して、カメラ装置10によって、順番に測定102、104される。
【0140】
この目的のために、操作者44は、2つの対応する高さにカメラ装置10を移動させ、それらは、モニタ38上のディスプレイ58によって、それぞれ制御することができ、そこで、切削開始点12又は切削終了点14に焦点を合わせ、次いで、キーボード40によって、それぞれの測定102、104をトリガすることができる。
【0141】
次いで、デジタル画像18において、切削領域16は、測定された第1の切削点12及び測定された第2の切削点14を使用することによって、又は、デジタル画像18のこれらの確認された最も近い点22、24を使用して、確認106される(「衝突関連デジタルツイン」20)。
【0142】
衝突関連デジタルツイン20(図9
図9は、コンプリートツール6の衝突関連デジタルツイン20を示し、プリセット機器2によって生成されたステップデータから表される(セクション「回転ツール4のための衝突関連デジタルツイン20のコンパイル(図6~8)」参照)。
【0143】
したがって、図9は、クランプされたツール4を有するツールホルダ8のデジタル画像18(3次元モデル)、ここでは、図1のクランプされたミリングツール4を有する(液圧拡張)チャック8に類似したものを示し、ツールの本発明による切削領域16が決定106される(そして、説明のために、色でマーキングされる)。
【0144】
次いで、これらのデータに基づいて、工作機械26及び/又は外部プログラミングステーションは、衝突シミュレーションを実行する。
【0145】
ツール4(図10a及びb)の「継ぎ合わされた」画像
図10a及びbは、透過光方法及び反射光方法で継ぎ合わされたツール4の画像18をそれぞれ示す。
【0146】
次いで、この画像で、切削領域16は、少なくとも、第1の切削点12、又は第1の切削点12及び第2の切削点14を使用することによって確認されてもよく、したがって、「衝突関連」又は「機械加工関連デジタルツイン」20を生成することができる。
【0147】
本発明が好ましい例示的な実施形態によって図示及び説明されたが、本発明は、開示された例によって限定されず、他の変形形態が、本発明の保護された範囲から逸脱することなく、そこから導き出されてもよい。
【符号の説明】
【0148】
参照符号のリスト
2 ツール又はコンプリートツールを測定するための装置、プリセット機器
4 (回転/非回転)ツール、旋削ツール、ミリングツール
6 コンプリートツール
8 ツールホルダ、(液圧拡張)チャック
10 測定ユニット、(光)計測デバイス、カメラユニット
12 第1の切削点、切削開始点
14 第2の切削点、切削終了点
16 切削領域
18 デジタル画像
20 衝突関連デジタルツイン
22 デジタル画像において第1の切削点に最も近い点
24 デジタル画像において第2の切削点に最も近い点
26 工作機械、CNC工作機械、CNC加工機
28 輪郭、輪郭プロファイル
30 包囲輪郭
32 ワークピース
34 計算及び制御ユニット
36 工作機械へのインタフェース
38 表示手段、モニタ
40 入力手段、キーボード
42 スピンドル
44 操作者
46 回転軸
48 カメラ
50 照明手段
52 往復台
54 プリンタ
56 セクション
58 ディスプレイ
100 サンプリング
102 第1の切削点又は切削開始点の測定
104 第2の切削点又は切削終了点の測定
106 切削領域の確認
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
【外国語明細書】