(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039640
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】固定機構及びこれを構成する部材
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A61B17/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023145296
(22)【出願日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2022144200
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】510202167
【氏名又は名称】Next Innovation合同会社
(72)【発明者】
【氏名】道脇 裕
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL32
4C160LL70
(57)【要約】
【課題】 本発明によれば、簡易な構造によって、規定角固定体をベースプレートに対して所定の傾斜角で確実に固定すると共に解除でき、繰り返しの使用が可能な手段を提供する。
【解決手段】
本発明の固定機構は、第一部材に凹設されて成る受孔と、上記受孔に挿嵌し得る規定角固定体を有して成る第二部材と、を備え、上記規定角固定体の外周面は、上記受孔の内周面に対して圧接し得る複数の圧接外周面部を有し、複数の上記圧接外周面部は、それぞれ仮想軸方向における相異なる位置且つ該軸の周方向における相異なる位相に、配位される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材に凹設されて成る受孔と、
上記受孔に挿嵌し得る規定角固定体を有して成る第二部材と、
を備え、
上記規定角固定体の外周面は、上記受孔の内周面に対して圧接し得る複数の圧接外周面部を有し、
複数の上記圧接外周面部は、それぞれ仮想軸方向における相異なる位置且つ該軸の周方向における相異なる位相に、配位されることを特徴とする固定機構。
【請求項2】
前記第一部材が、板状を成すものであることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項3】
前記受孔は、前記第二部材を挿通する際の入口側開口と出口側開口とを有することを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項4】
前記受孔は、前記入口側開口に対して前記出口側開口が小径に設定されることを特徴とする請求項3に記載の固定機構
【請求項5】
前記入口側開口は、入口側を成す外開口部から出口側を成す内開口部に向かって縮径する案内部を有することを特徴とする請求項3に記載の固定機構。
【請求項6】
前記受孔は、前記内開口部の内径に対して前記出口側開口の内径が小径に設定されることを特徴とする請求項3に記載の固定機構。
【請求項7】
前記受孔は、前記入口側開口の内径或いは前記内開口部の内径、及び、出口側開口の内径に対して、該入口側開口或いは該内開口部と、出口側開口との中間部の内径が最大となるように構成されることを特徴とする請求項3に記載の固定機構。
【請求項8】
前記受孔の内周面は、仮想部分球面に沿うものであることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項9】
前記第二部材は、全体として略鋲状を成すものであることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項10】
前記第二部材は、前記ロッド部に雄ねじ部を有し、全体として略鋲螺状を成すものであることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項11】
前記第二部材の複数の圧接外周面部は、前記仮想軸の周方向に等間隔で配位されることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項12】
前記第二部材の複数の圧接外周面部は、前記仮想軸の軸方向に等間隔で配位されることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【請求項13】
前記受孔は、前記第二部材の規定角固定体が挿嵌される湾曲面を有し、該湾曲面は分割されて、それぞれの湾曲面が、第二部材の規定角固定体の外周に応じて、異なった曲率に形成されることを特徴とする請求項1に記載の固定機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定角固定体をベース部材に対して、所定の範囲内における任意の傾斜角で固定可能とする固定機構及びこれを構成する部材(固定システム)に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッド状部材やピン状部材などの部材におけるヘッド状部分とベース部材とが互いに固定される場合、例えば、その固定手段としては、一般的な機械工学における二つの構造部分を互いに固定する様々な固定機構が知られている。具体的には、ヘッド状を成す部材、部分としては、釘体の頭部、鋲体の頭部や雄ねじ体の頭部、或いは、雌ねじ体その物もヘッド状を成す部材として存在する。他方、ヘッド状部材やヘッド状部分を受容する類いのベース部材としては、ヘッド状部材、部分の頭部を受容し得、内底部が表裏に貫通した貫通孔を有する凹部が設けられた座金やコニカルワッシャ等が知られている。これらの中には、長尺軸状を成すスクリュの第一の雄ねじ部の一端に設けられる、該第一の雄ねじ部より大径のヘッド状部分の外周に第二の雄ねじ部が設けられ、ベース部材である座金(プレート)の貫通凹部の内周面には雌ねじ部が設けられ、これらヘッド状部分の第二の雄ねじ部とベース状部材の雌ねじ部とが互いに螺合可能に構成されたプレートとスクリュによるロッキングシステム等も存在し、それらの如くのロッキングシステムの多くは、プレートに対するスクリュの固定状態が予め定められた一定の角度でしかなく、所望の角度に調整することが出来ないものであった。
【0003】
この種のロッキングプレートシステムの一応用としては、医工学分野における骨折治療に適用される創内固定用器具、所謂インプラント用途が知られている。この種の治療用には、脛骨や大腿骨、橈骨等における遠位端部の骨折治療等があるが、骨折時の適切な治療としては、骨折した個々の骨を正常な位置に戻し、ベース部材としての骨板及びヘッド状部分を有する骨ネジによって所望の位置に固定する必要がある。
【0004】
例えば、橈骨の遠位端部の骨折を治療する場合、骨折線を跨ぐように骨板の頭板部と幹板部が、橈骨の遠位端部と幹部に当接され、骨ネジが骨板の貫通孔を介して橈骨に埋め込まれることによって、遠位端部の骨断片が幹部に固定されて、骨折した個々の骨が正常な位置に整復されて固定される。
【0005】
骨形状や骨折状態は千差万別である為、骨折の状態に応じて骨断部位を適切に固定する為には、個々の状態に合わせて、骨ネジは、骨板に対して適宜の傾斜角で固定可能であるのが望ましい。このような固定技術としては、例えば、骨板に特殊な雌ネジを形成するようにしている。具体的には、骨板には、骨ネジを通す為の貫通孔が形成され、該貫通孔の内周面には、骨ネジの頭部に設けられた雄ねじと螺合する雌ねじが形成される。
【0006】
貫通孔の内周面には軸方向に延びる複数の凹溝が形成され、上記雌ねじは周方向において分割して設けられることになる。これによって、骨ネジの頭部の雄ねじは、骨板の貫通孔の雌ねじと螺旋がずれた状態であっても係合可能となり、骨ネジは、骨板に対し所定の傾斜角、即ち、多軸にて固定可能となる。
(例えば、特許文献1、2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2010-536427号公報
【特許文献2】特許第4999327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
橈骨の遠位端部には筋力等による外力が作用していることから、骨板を橈骨の遠位端側骨折部に設置した骨ネジで固定した後に、骨ネジに緩みやズレが生じた場合、骨折部における骨片が橈骨の幹部側に落ち込みやすく、この落ち込みが生じると骨折が正常に治癒しなくなるおそれがある。
【0009】
例えば、特許文献1に記載されるように、骨板の貫通孔と骨ネジの頭部とを球形に形成し、各球面にネジを形成した場合、骨ネジを多軸型として、所定の傾斜角で適正位置に埋設することができるが、各球面のネジ同士の結合力は比較的弱い為、骨に無理な力が加わると骨ネジと骨板との固定状態が解除されるおそれがある。
【0010】
又、特許文献1、2のごとく骨板の貫通孔内の雌ネジをその周方向で間欠的に形成した場合も、骨ネジを傾斜することができるが、傾斜角はネジ同士が噛み合うことが可能な箇所に限られる為、決まった傾斜角からずれた箇所で固定したい場合には対応し難い。このような場合に、骨ネジの傾斜角が、決まった傾斜角での固定力は非常に弱く、骨ネジに緩みが生じやすい。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、簡易な構造によって、規定角固定体をベース部材に対して所定の傾斜角で確実に固定すると共に解除でき、繰り返しの使用が可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の固定機構は、第一部材に凹設されて成る受孔と、上記受孔に挿嵌し得る規定角固定体を有して成る第二部材と、を備え、上記規定角固定体の外周面は、上記受孔の内周面に対して圧接し得る複数の圧接外周面部を有し、複数の上記圧接外周面部は、それぞれ仮想軸方向における相異なる位置且つ該軸の周方向における相異なる位相に、配位される。
【0013】
前記第一部材が、板状を成す。
【0014】
前記受孔は、前記第二部材を挿通する際の入口側開口と出口側開口とを有する。
【0015】
前記受孔は、前記入口側開口に対して前記出口側開口が小径に設定される。
【0016】
前記入口側開口は、入口側を成す外開口部から出口側を成す内開口部に向かって縮径する案内部を有する。
【0017】
前記受孔は、前記内開口部の内径に対して前記出口側開口の内径が小径に設定される。
【0018】
前記受孔は、前記入口側開口の内径或いは前記内開口部の内径、及び、出口側開口の内径に対して、該入口側開口或いは該内開口部と、出口側開口との中間部の内径が最大となる。
【0019】
前記受孔の内周面は、仮想部分球面に沿う。
【0020】
前記第二部材は、全体として略鋲状を成す。
【0021】
前記第二部材は、前記ロッド部に雄ねじ部を有し、全体として略鋲螺状を成す。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡易な構造によって、規定角固定体をベース部材に対して所定の傾斜角で確実に固定する共に解除することができ、繰り返しの使用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第一の実施形態に係る固定機構が適用されるロッキングプレートシステムを示す斜視図である。
【
図2】ベースプレートを示す(a)平面図、(b)側面図、(c)底面図、(d)正面図である。
【
図3】
図2のベースプレートにおける貫通孔のA-A断面図である。
【
図4】骨ネジを示す(a)斜視図、(b)平面図、(c)側面図である。
【
図5】骨ネジの頭部を示す(a)拡大平面図(b)α方向視側面図、(c)β方向視側面図、(d)γ方向視側面図である。
【
図6】骨ネジのベースプレートへの取付状態を示す(a)挿入前状態、(b)挿入途中、(c)挿入状態である。
【
図7】骨ネジがベースフレームに対して所定の円錐角範囲内における最大の傾斜角で傾斜した状態図。
【
図8】圧接外周面部の形状及び配置の他の例を示す頭部と貫通孔との概略正面図である。
【
図10】貫通孔の他の例を示す(a)断面図(b)(a)のB部拡大断面図である。
【
図11】第二の実施形態に係る固定機構が適用されるロッキングプレートシステムのうち第一部材を示す(a)全体斜視図(b)(a)の止め穴部分拡大図である。
【
図12】第二の実施形態に適用される第二部材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の固定機構を応用して成る実施形態を、図面を参照して説明する。なお、実施形態として記載され又は図面に示された構成部品の寸法、素材、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲を前述した内容に限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。例えば、「平行」、「直交」、「垂直」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは一義的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度及び距離をもって相対的に変位した状態も表すものとする。例えば、「同一」、「等しい」、「均等」及び「等密度」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差、又は、比率が存在した状態も表すものとする。例えば、三角錐、円錐、三角柱及び円柱等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での三角錐、円錐、三角柱及び円柱等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部及び面取り部等を含む形状も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「形成される」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0025】
尚、本実施形態においては、本発明の固定機構を、骨折の治療に使用されるロッキングプレートシステムに適用した例を説明するが、例えば、二部品の傾斜角を変更可能に接続するようユニバーサルジョイントのような様々な機械部品の固定機構として適用することができ、適用対象は特に限定されるものではない。
【0026】
まず、本発明の全体的な概略構造を以下に説明する。
【0027】
図1、2に示すように、第一部材(ベース部材、座状部材)としてのベースプレート1は、例えば左手の橈骨における遠位端部の骨折を治療する為に用いられる。ベースプレート1は、橈骨の遠位端部に当接する頭板部1aと、橈骨の幹部に掌側から当接する幹板部1bとを備えて略T字形を成す、一枚の金属板で形成されている。ベースプレート1は、骨の弾性係数に近い、例えば純チタンやチタン合金など適宜の材料によって構成される。
【0028】
ベースプレート1には、一面から他面へと貫通すると共に後述する骨ネジ2の頭部2aを受ける受孔としての貫通孔10が複数形成されている。頭板部1aには、頭板部1aの先端辺に沿い、且つ略平行に二列に並ぶ七つの貫通孔10aが形成され、幹板部1bには、幹板部1bの長手方向に沿うように、一つの貫通孔10bが形成されている。
【0029】
図1、4に示すように、第二部材としての骨ネジ2は、規定角固定体としての頭部2aとロッド部2bとを備えている。骨ネジ2は、硬度がベースプレート1と同等か、又はベースプレート1よりも硬いセラミック合金など適宜の材料によって構成される。骨ネジ2の頭部2aには、ロッド部2bと反対側の面にドライバーが挿入される六角星形の穴21が形成され、ロッド部2bの表面には雄ねじ部20が形成されている。尚、橈骨に埋め込み固定できるのであれば、
図9に示すように、ロッド部2bの表面に雄ねじ部を形成せずに平滑面を形成した鋲状の骨ピンを使用しても良い。
【0030】
ベースプレート1の橈骨への固定は、まず、ベースプレート1の頭板部1aの先端辺を橈骨の遠位端部の軟骨下骨に沿わせると共に幹板部1bを橈骨の幹部に沿わせるように、ベースプレート1を設置し、続いて、骨ネジ2を貫通孔10に所定の傾斜角で挿入し、ドライバーを頭部2の六角星形の穴21に差し込んで回転して、骨ネジ2を橈骨にねじ込む(埋め込む)ことによって行われる。ベースプレート1が橈骨に固定された時、骨ネジ2とベースプレート1が、後述する固定構造によって、所定の円錐角範囲内にて所望の傾斜角で固定される。
【0031】
次に、固定構造を中心に、ベースプレート1と骨ネジ2の詳細な構造を説明する。
【0032】
図3に示すように、ベースプレート1の貫通孔10は、一方の面に開口する入口側開口としての開口11と、他方の面に開口する出口側開口としての開口13とを有している。貫通孔10の内周面には、一方の開口11側にテーパ面12が形成され、他方の開口13側に湾曲面14が形成されている。一方の開口11と他方の開口13は、何れも正円形状を成し、両円の中心を貫通孔10の中心軸Oが通る。
【0033】
テーパ面12は、中心軸Oを中心線とする円錐台形状を成し、一方の開口11から他方の開口13に向って縮径するように形成されている。湾曲面14は、中心軸O上に中心を有する仮想部分球面に沿う球帯形状をなしている。テーパ面12と湾曲面14との交線により内開口15が形成される。内開口15は正円形状を成し、該円の中心を貫通孔10の中心軸Oが通る。湾曲面14は、テーパ面12に連なる一端の内開口15の径に比べて他端の開口13の径が小さくなっている。
【0034】
貫通孔10における、開口11の径と、内開口15の径と、開口13の径のサイズは、以下の関係を有している。
【0035】
開口11の径>内開口15の径>開口13の径
尚、実施例においては、内開口15から開口13にかけて拡径した後に縮径するように構成されている。
【0036】
図4に示すように、骨ネジ2の頭部2aは、ロッド部2bの一端に設けられている。頭部2aは、長手方向に延びるロッド部2bの中心軸P(仮想軸)を中心線とする仮想部分球体形状(球台形状)に近い異形球台形状を成している。頭部2aは、三つの略真球のそれぞれ一部ずつが重なるように組み合わせて成り、外周面22が三つの湾曲面22a、22b、22cから構成され、該湾曲面のそれぞれに圧接外周面部23(23a、23b、23c)を有している(図中斜線で示す領域)。頭部2aは、外周面22の最大外寸が、貫通孔10の湾曲面14内径よりも若干小さくなるように形成され、湾曲面14内に収容された頭部2aが、湾曲面14内で自由に回転可能となっている。
【0037】
複数、実施例では三つの圧接外周面部23は、ロッド部2bの軸方向における相異なる位置に配置され、且つ、該軸の周方向における相異なる位相に複数配置されている。該圧接外周面部23が、貫通孔10の内周面を構成する湾曲面14と係合して、骨ネジ2がベースプレート1に対して所定の傾斜角で固定されることになる。
【0038】
頭部2aは、開口11及び内開口15を通過可能で、且つ、開口13を通過できない形状・サイズになるように構成されている。
【0039】
本実施形態において、複数の圧接外周面部23(23a、23b、23c)が、頭部2aの外周面22(22a、22b、22c)にどのように配置されているかについて、
図5(a)~(d)により説明する。
【0040】
図5(a)は、頭部2aの拡大平面図であって、これによると、圧接外周面部23の周方向中心付近から、隣接する圧接外周面部23の周方向中心付近までの角度が、120°になっている。即ち、圧接外周面部23(23a、23b、23c)は、中心軸Pを中心として周方向に120°の角度で均等に3箇所配位されている。
【0041】
図5(b)は、
図5において、圧接外周面部23aの周方向中心付近における接線方向αから見た頭部側面図であって、
図5(c)は、
図5において、圧接外周面部23aから右回りに120°ずれた箇所に位置する圧接外周面部23bの周方向中心付近における接線方向βから見た頭部側面図であって、
図5(d)は、
図5において、圧接外周面部23bから右回りに120°ずれた箇所に位置する圧接外周面部23cの周方向中心付近における接線方向γから見た頭部側面図である。
【0042】
図5(b)~(d)には、圧接外周面部23aの軸方向略中心を通る水平線h1と、圧接外周面部23bの軸方向略中心を通る水平線h2と、圧接外周面部23cの軸方向略中心を通る水平線h3を示している。このことからわかるように、圧接外周面部23a、23b、23cは、六角星形穴21側方向からロッド部2b側方向に向かって、順次に、それぞれ一定量(所定のピッチ)でずれる(図面上は、上から下に向って一定量で徐々に下がる)ように配位されている。
【0043】
以上に説明したように、複数の圧接外周面部23は、頭部2aを六角星形穴21側方向から見て、圧接外周面部23aから右回り(回転方向は、
図5(a)の平面図における方向を示し、以降も説明が無い場合は同じとする)に、120°ずつ、圧接外周面部23b、23cへと順次進むに従って、ロッド2b側方向に向かって軸方向に略等ピッチずつ移動した位置に来るように、謂わば、仮想状の螺旋上に配置されている。
【0044】
骨ネジ2をベースプレート1に対して、所定の円錐角範囲内にて所望の傾斜角で固定する手順について説明する。
【0045】
図6(a)に示すように、骨ネジ2を、ベースプレート1に対して所望の傾斜角で傾斜して、ベースプレート1の一方の開口11側にセットし、骨ネジ2のロッド部2bを一方の開口11から貫通孔10に挿入する。このとき、骨ネジ2は、ベースプレート1の案内部としてのテーパ面12に誘い込まれるようにガイドされて貫通孔10に挿入される。
【0046】
図6(b)に示すように、骨ネジ2のロッド部2bが貫通孔10に挿入されると、ロッド部2bに続いて頭部2aの下方が貫通孔10の一方の開口11から挿入され始める。ここで、骨ネジ2の外周面22の最大外形は、貫通孔10の内開口15よりも大きくなっている為、挿入された頭部2aは、内開口15に引っ掛かる。ここで、骨ネジ2を右回り(回転方向は、
図5(a)の平面図における方向を示し、以降も説明が無い場合は同じとする)に回転しながら挿入方向へと押し込むと、頭部2aが湾曲面14内へと挿入される。
【0047】
図6(c)に示すように、骨ネジ2の頭部2aが湾曲面14内に挿入され頭部2aを湾曲面14内で回転しながら骨ネジ2をベースプレート1に対して所望の傾斜角になるようにし、更に、頭部2aの外周面22の圧接外周面部23を貫通孔10の湾曲面14の内周面に圧接するように、骨ネジ2を右回りに回転しながら押し込むと、三つの圧接外周面部23a、23b、23cと湾曲面14とが圧接力を以って噛み合った状態が作出され、骨ネジ2がベースプレート1に対して固定される。
【0048】
これによって、骨ネジ2は、ベースプレート1に対して所望の傾斜角で固定可能となる。
【0049】
尚、
図7に示すように、骨ネジ2がベースプレート1に対して所定の円錐角範囲内にて所望の傾斜角で傾斜可能となる最大の傾斜角は、貫通孔10の中心軸Oから15°であって、貫通孔10における各部寸法は、このような傾斜が可能な寸法に設計されている。
【0050】
ベースプレート1に対する骨ネジ2の固定位置を変更したい場合、骨ネジ2を左回り(回転方向は、
図5(b)の平面図における方向を示し、以降も説明が無い場合は同じとする)に回転することで圧接外周面部23と湾曲面14との係合を解除することができる。
【0051】
以上説明したように、本発明によれば、簡易な構造によって、頭部(規定角固定体)をベースプレートに対して所定の傾斜角で確実に固定すると共に解除することができ、繰り返しの使用ができる。
【0052】
図8(a)~(f)に、圧接外周面部の形状・配置の他の例を示す。
【0053】
図8(a)~(f)は、何れも、頭部と貫通孔とを正面から見て、頭部の外形(実線)と、湾曲面の最大径部分(破線)14Mを示した図である。
【0054】
図8(a)に示す変形例1では、頭部200aは、第一の実施形態と比較して、頭部200aを構成する三つの略真球の径が小さく形成されている。これにより、圧接外周面部230a~230cの湾曲面との接触面積が小さくなる。
【0055】
図8(b)に示す変形例2では、頭部201aは、第一の実施形態と比較して、頭部201aを構成する三つの略真球の径が小さく形成され、且つ、圧接外周面部の配置が中心軸Pを中心とした周方向に均等ではなくなっている。
【0056】
図8(c)に示す変形例3では、頭部202aは、第一の実施形態と比較して、頭部202aを構成する三つの略真球の径が小さく形成され、且つ、1つの大きさを異ならせている(大きくしている)。
【0057】
図8(d)に示す変形例4では、頭部203aは、第一の実施形態と比較して、頭部203aを構成する略真球の径が小さくなり、且つその数が四つになっている。これにより、圧接外周面部233a~233dの4箇所になっている。
【0058】
図8(e)に示す変形例5では、頭部204aは、変形例4と比較して、圧接外周面部234a、234b、234c、234dが、中心軸Pを中心として周方向に90°の角度で均等に4箇所配位されている。
【0059】
図8(f)に示す変形例6では、頭部205aは、第一の実施形態と比較して、三つの圧接外周面部235a、235b、235cに加えて、四つ目の圧接外周面部235dが圧接外周面部235cから右回りに120°ずれた箇所に配位されている。即ち、圧接外周面部235aと圧接外周面部235dとの周方向位置は、骨ネジの軸方向から見て略一致する。又、圧接外周面部235a~235dの軸方向におけるピッチは、第一の実施形態における圧接外周面部23a~23cの軸方向におけるピッチと比べて狭くなるように配位されている。
【0060】
尚、圧接外周面部の数は、二つ、或いは五つ以上であっても良い。
【0061】
【0062】
図10に示す変形例は、ベースプレート1Aの貫通孔100が、一方の面に開口する入口側開口としての開口110と、他方の面に開口する出口側開口としての開口130とを有している。貫通孔100の内周面には、開口110から開口130に向って、テーパ面120、湾曲面140及び平行面160が順次形成されている。一方の開口110と他方の開口130は、何れも正円形状を成し、両円の中心を貫通孔100の中心軸Oが通る。
【0063】
テーパ面120は、中心軸Oを中心線とする円錐台形状を成し、一方の開口110から他方の開口130に向って縮径するように形成されている。テーパ面120は中心軸Oに対して略20°の角度で形成されている。
【0064】
湾曲面140は、テーパ面120に近い第一の湾曲面140aと、開口130に近い第二の湾曲面140bを有している。第一及び二の湾曲面140a、140bは、中心軸O上に中心を有する仮想部分球面に沿う球帯形状が二つ組み合わされた形状をなしている。第一の湾曲面140aはテーパ面120側から第二の湾曲面140b側に向って拡径し、第二の湾曲面140bは、第一の湾曲面140a側から平行面160側に向って縮径している。第一の湾曲面140aの曲率と、第二の湾曲面140bの曲率は、それぞれ挿嵌される骨ネジの頭部の外周形状に沿うようにそれぞれ独立して設定されている。実施例では、第一の湾曲面140aの曲率は、第二の湾曲面140bの曲率よりも大きくなるように設定させているがこれに限られない。第一の湾曲面140aは、
図9中、三角マークJ2の頂部からJ3の頂部までの領域であって、第二の湾曲面140bは、三角マークJ3の頂部からJ4の頂部までの領域である。
【0065】
テーパ面120と湾曲面140との接続部分180は、R加工が施されて、湾曲面140とは逆方向に湾曲する半径方向内向きの湾曲面に形成されている。R加工された接続部分180の貫通孔100の中心に向かって最も突出した部分は、内開口150を成している。内開口15は正円形状を成し、該円の中心を貫通孔100の中心軸Oが通る。接続部分180は、
図9中、三角マークJ1の頂部からJ2の頂部までの領域である。
【0066】
平行面160は、中心軸Oを中心線とする円筒形状を成している。平行面160は、一端が開口130を成し、該開口130と反対の他端が開口130と径を同一にする開口130’を成している。
【0067】
ベースプレート1Aの平行面160周囲における第二の湾曲面140b下方は、補強部を構成している。その為、骨ネジ(図示しない)がベースプレート1Aに所定の傾斜角で固定されるべく、頭部の圧接外周面部が第二の湾曲面140bに圧接力を以って噛み合ったとしても、第二の湾曲面140bの特に下方(平行面160側)に位置する部分が、平行面160側に変形してしまうことがなく、圧接外周面部と第二の湾曲面140bとの圧接が維持される。
【0068】
ここで、貫通孔100における、開口110の径、開口130の径、開口130’の径及び内開口150の径のサイズは、以下の関係を有している。
【0069】
開口110の径>内開口150の径>開口130’の径≧開口130の径
尚、内開口150から第一の湾曲面140aと第二の湾曲面140bとの間における軸直角断面開口170にかけて拡径し、該軸直角断面開口170から開口130’にかけて縮径するように構成されている。
【0070】
骨ネジの頭部は、貫通孔100の内開口150から開口130’の間で保持される。
【0071】
以上のように、貫通孔形状の他の例によれば、貫通孔内周の湾曲面140が第一の湾曲面140aと第二の湾曲面140bとに分割されて、それぞれの湾曲面140の曲率を、挿嵌される頭部の形状に合わせて独立して設定することが可能なので、頭部を確実に固定することが可能となる。
【0072】
尚、上記の変形例では、湾曲面140を、第一の湾曲面140aと第二の湾曲面140bの二つで構成したが、二つに限られず三つ以上に分けて構成しても良い。
【0073】
次に、本発明の固定機構に係る第二の実施形態を、
図11、12を参照して説明する。
図11は、第一部材及び該第一部材に凹設される受孔の他の例を示し、(a)は第一部材の全体斜視図、(b)は受孔の一つの断面図である。
【0074】
第一の実施形態との主な相違点は、第一の実施形態は、第一部材が板状であって、該第一部材に形成される受孔が貫通孔であるのに対し、第二の実施形態は、第一部材がブロック状で、該第一部材に形成される受孔が有底の止め穴である点である。又、第一の実施形態の第二部材と、第二の実施形態の第二部材とは、頭部に対するロッド部の取付位置が逆、即ち、第一の実施形態において六角星形の穴21が形成される部分にロッド部が形成され、更に、ロッド部が無くなった頭部が止め穴の底形状に合わせて球形に形成されており、第一の実施形態は、ロッド部から受孔に挿入されるのに対し、第二の実施形態は、頭部から受孔に挿入される点で相違する。
【0075】
図11に示すように、第一部材は、球形の塊から成る球体状ブロック1Bの外周部に、受孔としての有底の止め穴100aが複数形成されている。
図11(a)に示す球体状ブロック1Bの斜視図には、三つの止め穴100aが形成されている。止め穴100aは、
図10で説明した貫通孔100を有底に変形したもので、
図10と同様の構成については、同一の符号を使用している。
【0076】
図11(b)に示すように、止め穴100aは、球体状ブロック1Bの外周面側に形成される開口110を有している。止め穴100aの内周面には、開口110から穴の奥に向って、テーパ面120と、湾曲面140Bが順次形成されている。
【0077】
湾曲面140Bは、テーマ面120aに近い第一の湾曲面140aと、穴の奥側にある第二の湾曲面140cを有している。第二の湾曲面140cは、その曲率が、
図10で示した第二の湾曲面140bの曲率と同様に形成されて、球の一部が平面で切断された球冠状に形成されている。これによって、第二の湾曲面140cが止め穴100aの底部を構成する。
【0078】
図12(a)~(c)には、
図11で示した止め穴100aに適用可能なタイプの第二部材を示している。
図12(a)は、第二部材207が、頭部207aとロッド部207bとを備える。
【0079】
頭部207aは、
図4に示した第一の実施形態の頭部2aの外周面22と同様に、三つの略真球のそれぞれ一部ずつが重なるように組み合わせて成り、湾曲面22a、22b、22cに対応して、三つの湾曲面227a、227b、227cを備えている。尚、三つの湾曲面227a、227b、227cには、第一の実施形態の圧接外周面部23に対応して、それぞれの湾曲面に圧接外周面部237を有している。
【0080】
第一の実施形態では、ロッド部2bが湾曲面22c側に設けられていたが、第二の実施形態は、ロッド部207bが湾曲面227a側に設けられ、ロッド部207bが設けられない湾曲面227c側は、止め穴100aの湾曲面140Bに合わせて球形に形成されている。頭部207aは、外周面227の最大外寸が、止め穴100aの湾曲面140Bの最大内径よりも若干小さくなるように形成され、湾曲面140B内に収容された頭部207aが、湾曲面140内で自由に回転可能となっている。
【0081】
ロッド部207bは、表面に雄ねじ部が形成されておらず、平滑面となった鋲状に形成されている。
【0082】
第二部材207を球体状ブロック1Bに対して、所定の円錐角範囲内にて所望の傾斜角で固定する手順について説明する。
【0083】
まず、第二部材207を、球体状ブロック1Bに対して所望の傾斜角で傾斜してセットし、第二部材207のロッド部207bを開口110から止め穴100aに挿入する。このとき、第二部材207は、球体状ブロック1Bの案内部としてのテーパ面120に誘い込まれるようにガイドされて止め穴110に挿入される。このとき、ロッド部207bを把持して操作することが可能である。
【0084】
続いて、頭部207aの外周面227の湾曲面227c側が止め穴100aの開口110から挿入され始める。ここで、第二部材207の外周面227の最大外形は、止め穴100aの内開口150よりも大きくなっている為、挿入された頭部207aは、内開口150に引っ掛かる。ここで、第二部材207を球体状ブロック1Bに対して右回りに回転しながら挿入方向へと押し込むと、頭部207aが湾曲面140B内へと挿入される。
【0085】
第二部材207の頭部207aが湾曲面140B内に挿入され、頭部207aを湾曲面140B内で回転しながら第二部材207を球体状ブロック1Bに対して所望の傾斜角になるようにし、更に、頭部207aの外周面227の圧接外周面部237を止め穴100aの湾曲面140Bの内周面に圧接するように、第二部材207を右回りに回転しながら押し込むと、三つの圧接外周面部23と湾曲面140Bとが所定の圧接力を以って噛み合った状態が作出され、第二部材207が球体状ブロック1Bに対して固定される。
【0086】
これによって、第二部材207は、球体状ブロック1Bに対して所望の傾斜角で固定可能となる。
【0087】
尚、上記第二の実施形態では、第一部材の形状を球体状としたが、球体状に限られず、立方体、直方体などの多面体、円錐、多角錐、円柱、多角柱等の形状であってもよく、またこれらに限定されず所望の立体形状とすることができる。
【0088】
図12(b)及び(c)は、第二の実施形態に適用可能な第二部材の変形例を示す。
図12(a)に示す第二部材とは、頭部は共通し、ロッド部に対応する部分だけが異なっている。
【0089】
図12(b)の第二部材208は、頭部208aとボール部208bとを備える。
【0090】
頭部208aは、
図12(a)の頭部207aと同様の構成である為、説明を省略する。ボール部208bは、略真球状の球体状を成している。第二部材208においても、球体状ブロック1Bに対して所望の傾斜角で固定可能となる。
【0091】
図12(c)の第二部材209は、頭部209aと円筒部209bとを備える。
【0092】
頭部209aは、
図12(a)の頭部209aと同様の構成である為、説明を省略する。円筒部209bは、略真球状の球体状を成している。第二部材209においても、球体状ブロック1Bに対して所望の傾斜角で固定可能となる。
【0093】
以上に説明した第一の実施形態及びその変形例並びに第二の実施形態及びその変形例の構成要素は、矛盾の無い限り相互に組み合わせて実施することができ、更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。又、固定機構は、素材や部材の形状に限定はない。
【0094】
部材の素材には金属、非金属の何れも適用可能である。金属には、鉄系の金属と非鉄系の金属を含み、鉄系の金属としては、鋼(炭素量<0.02%)、鋳鉄(炭素量>2.14%)等を含む。鋼には、一般構造用圧延鋼材(SS)、溶接構造用圧延鋼材(SM)、冷間圧延鋼材(SPCC)等の普通鋼や、機械構造用合金鋼、工具鋼、特殊用途鋼等の特殊鋼を含む。機械構造用合金鋼炭素鋼は、クロム鋼(SCr)、ニッケルクロム鋼(SNC)等の合金鋼を含み、工具鋼は炭素工具鋼(SK)、合金工具鋼(SKD)、高速度工具鋼(SKH)を含み、特殊用途鋼は低合金系のバネ鋼(SUP)、軸受け鋼(SUJ)、快削鋼(SUM)、高合金系のステンレス鋼(SUS)、耐熱鋼(SUH)、高マンガン鋼を含む。鋳鉄は、ねずみ鋳鉄(FC)、球状黒鉛鋳鉄(FCD)を含む。非鉄系の金属としては、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウム、チタン等の軽金属、銅、スズ、亜鉛、鉛等のベースメタル、ニッケル、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、ビスマス、カドミニウム、コバルト等のレアメタル、セリウム、ネオジム、プラセオジム等のレアアース、金、銀、白金等の貴金属、ウラン、プルトニウム等の放射性金属が含まれ、またそれらを成分とする合金も含まれる。
【0095】
非金属には、木、プラスチック、紙、難燃処理した木、合板、ガラス、セラミック、陶器、磁器、ゴム、天然樹脂、合成樹脂、コンクリート、アスファルト等を含み、またこれらの複合材料を含む。
【0096】
木には、ツバキ、タブノキ、クスノキ、モミ、トウヒその他の常緑樹、カエデ、サクラ、カラマツ、ブナ、ミズナラその他の落葉樹を含み、またそれらの他、合板や集成材、樹脂複合材、樹脂強化や難燃処理を施した特殊仕様の木等も含まれる。
【0097】
プラスチック(合成樹脂)には、フェノール樹脂 (PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、尿素樹脂(ユリア樹脂、UF)、不飽和ポリエステル樹脂 (UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)等の熱硬化性樹脂、ポリエチレン (PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン (PP)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン (PS)、ポリ酢酸ビニル (PVAc)、ポリウレタン(PUR)、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン、PTFE)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂、アクリル樹脂 (PMMA)等の熱可塑性樹脂(汎用プラスチック)、各種ナイロン即ちポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)、ポリエチレンテレフタレート (PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート (GF-PET)、ポリブチレンテレフタレート (PBT)を含むボリエステル、環状ポリオレフィン (COP)等の熱可塑性樹脂(エンジニアリング・プラスチック)、ポリフェニレンスルファイド (PPS)、ポリサルフォン (PSF)、ポリエーテルサルフォン (PES)(Polyethersulfone)、非晶ポリアリレート (PAR)、液晶ポリマー (LCP)、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、熱可塑性ポリイミド (PI)、ポリアミドイミド (PAI)(Polyamide-imide)等の熱可塑性樹脂(スーパーエンジニアリングプラスチック)等を含み、またこれらの複合物であるポリマーアロイを含み、また、トリメチレンカーボネート(TMC)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)およびポリ-L-乳酸(PLLA)、ポリ-DL-乳酸(PDLLA)などの生体吸収性ポリマを含み、また、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ素繊維、アラミド繊維、金属繊維等の強化材を混合して成る所謂FRPや各種の強化材料を含む。
【0098】
紙には、アサ、カジノキ、ガンピ、コウゾ、マユミ、ミツマタ、竹、藁(稲わら、麦わら)、亜麻、木綿、サトウキビインド、マニラアサ、ケナフ、バナナ、アブラヤシ、その他の非木材植物の紙原料からなるものや、広葉樹、針葉樹、木材チップ、古紙、再生紙、その他の木材の紙原料から成るものを含み、樹脂強化や難燃処理を施した特殊仕様の紙類を含む。
【0099】
難燃材料には、難燃処理木、難燃合板、難燃繊維板、難燃プラスチック板を含む。合板は、構造用合板、コンクリート型枠用合板(コンパネ)、普通合板、難燃合板、化粧合板、湾曲合板を含む。
【0100】
ガラスは、ソーダ石灰ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、石英ガラス、偏光ガラス、複層ガラス(エコガラス)、強化ガラス、合わせガラス、耐熱ガラス・硼珪酸ガラス、防弾ガラス、ガラス繊維、表面に酸化チタン層を設けたり、極微細凹凸構造を形成するなどして構成される物を含む所謂光触媒クリーニングガラスや水ガラス、ウランガラス、アクリルガラス、ダイクロ、ゴールドストーン・茶金石・砂金石・紫金石、ガラスセラミックス、低融点ガラス、金属ガラス、サフィレット、分相ガラス、多孔質ガラス、リキッドガラスまたは液体ガラス、ハイブリッドガラス、有機ガラス、鉛ガラスを含む。
【0101】
セラミックは、酸化物系、水酸化物系、炭化物系、炭酸塩系、窒化物系、ハロゲン化物系、リン酸塩系等の元素系セラミック、チタン酸バリウム、高温超伝導セラミックス、窒化ホウ素、フェライト、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ステアタイト、酸化亜鉛、ジルコニア等のファインセラミックスを含む。
【0102】
陶磁器は、土器、せっ器(例えば半磁器、焼締め)、陶器、磁器を含む。
【0103】
合成ゴムは、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ポリイソブチレン(ブチルゴム IIR)等のRグループ(天然ゴムを除く)、エチレンプロピレンゴム(EPM, EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等のMグループ、エピクロルヒドリンゴム(CO, ECO)等のOグループ、ウレタンゴム(U)等のUグループ、シリコーンゴム(Q)等のQグループを含む。
【0104】
コンクリートは、普通コンクリート、高強度コンクリート、早強コンクリート、遮蔽コンクリート、軽量コンクリート、緑化コンクリート、水密コンクリート、補強コンクリート等を含む。補強コンクリートには、鉄筋コンクリート、竹筋コンクリート、コンクリート充填鋼管構造(CFT)、スチール繊維補強コンクリート(SFRC)、ガラス繊維補強コンクリート(GFRC, GRC)、炭素繊維補強コンクリート(CFRC)、ローマンコンクリートに代表される所謂古代コンクリートを含む。
【0105】
アスファルトは、ストレート・アスファルト(straight asphalt)、ブローン・アスファルト(blown asphalt)、防水工事用・アスファルト、舗装用改質アスファルト等を含む。
【0106】
部材の形状としては、例えば、板状、柱状、ブロック状等の同種のもの同士或いは異なる種類の部材にも適用することができる。
【0107】
例えば、圧接外周面部の中心軸P(仮想軸)の軸方向における配置位置は、均等でなくても良い。
【0108】
又、圧接外周面部の配置は、中心軸(仮想軸)の軸方向に螺旋状に配置しなくても良い。
【0109】
又、圧接外周面部の周辺部分を凹ませて、圧接外周面部が周辺部分から明らかに突出するように構成しても良い。
【0110】
さらに、ロッド部は骨ネジにあっては必要な構成であるが、用途によっては必ずしも必要ではない。この場合、頭部(規定角固定体)=第二部材となる。
【符号の説明】
【0111】
1 ベースプレート(第一部材)
10 貫通孔(受孔)
14 湾曲面(受孔)
2 骨ネジ(第二部材)
2a 頭部(第二部材)
2b ロッド部
22(22a~22c) 外周面
23(23a~23c、230a~230c、231a~231c、232a~232c、233a~233d、234a~234d、235a~235d) 圧接外周面部