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特開2024-39654プロジェクタおよびその制御方法、並びに、画像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039654
(43)【公開日】2024-03-22
(54)【発明の名称】プロジェクタおよびその制御方法、並びに、画像システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240314BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240314BHJP
   H04L 67/50 20220101ALI20240314BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
G03B21/00 D
H04L67/50
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212814
(22)【出願日】2023-12-18
(62)【分割の表示】P 2020521837の分割
【原出願日】2019-05-15
(31)【優先権主張番号】P 2018102080
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】久保 統規
(57)【要約】
【課題】プロジェクタが実行する動作を簡単に制御する。
【解決手段】プロジェクタは、機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備える。本技術は、例えば、ネットワークを介して他の機器と接続されるプロジェクタ等に適用できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備える
プロジェクタ。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記表示データを、ネットワークを介して接続されるサーバから取得する
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項3】
前記機器制御情報は、前記他の機器を特定するアドレスと、前記他の機器の動作を特定するコマンドを含み、
前記表示制御部は、前記アドレスに、前記コマンドを送信する
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項4】
前記アドレスは、URLまたはIPアドレスで指定される
請求項3に記載のプロジェクタ。
【請求項5】
前記表示制御部は、記憶部に記憶された所定のタイミングで、前記表示データを取得し、前記他の機器を制御する
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項6】
前記所定のタイミングは、所定の装置との接続が切れたタイミングである
請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項7】
前記所定のタイミングは、前記表示データを取得するユーザの操作を検出したタイミングである
請求項5に記載のプロジェクタ。
【請求項8】
前記表示データの取得先を記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された前記取得先にアクセスして前記表示データを取得する
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項9】
前記表示制御部は、ブラウザで構成される
請求項1に記載のプロジェクタ。
【請求項10】
プロジェクタが、
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する
プロジェクタの制御方法。
【請求項11】
プロジェクタとサーバとを含み、
前記プロジェクタは、
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを前記サーバから取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備え、
前記サーバは、
前記表示データを記憶する記憶部を備える
画像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、プロジェクタおよびその制御方法、並びに、画像システムに関し、特にプロジェクタが実行する動作を簡単に制御することができるようにしたプロジェクタおよびその制御方法、並びに、画像システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタに、所定のタイミングで所望の動作を行わせたい場合、例えば、プロジェクタとネットワークを介して接続されたサーバから制御する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-231610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サーバからプロジェクタの動作を制御する場合には、サーバがプロジェクタの動作状態を監視する必要があり、制御するプロジェクタの台数が増えると、サーバの負荷も大きくなる。
【0005】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、プロジェクタが実行する動作を簡単に制御することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面のプロジェクタは、機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備える。
【0007】
本技術の第2の側面のプロジェクタの制御方法は、プロジェクタが、機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する。
【0008】
本技術の第3の側面の画像システムは、プロジェクタとサーバとを含み、前記プロジェクタは、機器を制御する機器制御情報を含む表示データを前記サーバから取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備え、前記サーバは、前記表示データを記憶する記憶部を備える。
【0009】
本技術の第1乃至第3の側面においては、プロジェクタにおいて、機器を制御する機器制御情報を含む表示データが取得され、前記機器制御情報に基づいて、他の機器が制御される。
【0010】
プロジェクタは、独立した装置であっても良いし、1つの装置を構成している内部ブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本技術の第1乃至第3の側面によれば、プロジェクタが実行する動作を簡単に制御することができる。
【0012】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本技術を適用した画像システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
図2】画像システムの各機器の設置例を示す図である。
図3】プロジェクタとサーバの機能ブロック図である。
図4】設定情報を生成する設定画面の例を示す図である。
図5】表示データの例を示す図である。
図6】サーバデータ表示処理を説明するフローチャートである。
図7】複数台のプロジェクタの連係動作を説明する図である。
図8】ホワイトリストを設定する設定画面の例を示す図である。
図9】アクセス制御処理を説明するフローチャートである。
図10】本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.画像システムの構成例
2.プロジェクタとサーバの機能ブロック図
3.表示データの例
4.サーバデータ表示処理
5.アクセス制御処理
6.コンピュータ構成例
【0015】
<1.画像システムの構成例>
図1は、本技術を適用した画像システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0016】
図1の画像システム1は、プロジェクタ11、サーバ12、照明装置13、カーテン14、および、スクリーン装置15を含み、プロジェクタ11による所定の画像の表示を行うシステムである。
【0017】
プロジェクタ11、サーバ12、照明装置13、カーテン14、および、スクリーン装置15は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の所定のネットワーク16を介して相互に接続される。
【0018】
図2は、画像システム1の各機器の設置例を示している。
【0019】
プロジェクタ11、照明装置13、カーテン14、および、スクリーン装置15は、例えば、会社内の所定の会議室21に設置されている。サーバ12は、会議室21とは別の場所に設置されている。
【0020】
本実施の形態では、説明を簡単にするために、プロジェクタ11、サーバ12、照明装置13、カーテン14、および、スクリーン装置15の各機器が、それぞれ1台ずつ、ネットワーク16に接続される構成とするが、ネットワーク16に接続される各機器の台数は限定されない。すなわち、各機器について、複数台がネットワーク16に接続されてもよい。
【0021】
例えば、複数の会議室21のそれぞれに、プロジェクタ11、照明装置13、カーテン14、および、スクリーン装置15の各機器が設置され、それらがネットワーク16に接続されている場合、画像システム1は、複数台のプロジェクタ11、複数台の照明装置13、複数台のカーテン14、および、複数台のスクリーン装置15と、1台のサーバ12とで構成される。
【0022】
なお、画像システム1は、照明装置13、カーテン14、若しくは、スクリーン装置15の一部の機器が省略された構成、または、マイクロホンやプリンタなど、その他の機器がネットワーク16にさらに接続された構成とすることができる。
【0023】
図2に示されるように、会議室21で開かれた所定の会議において、ユーザは、自分のパーソナルコンピュータ22(以下、PC22という。)とプロジェクタ11とを、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等の通信ケーブル23で接続し、ユーザによって予め作成されたプレゼンテーション画像を、プロジェクタ11から投影させる。プロジェクタ11は、PC22からプレゼンテーションデータを取得し、スクリーン装置15のスクリーンや壁などの投影面に、プレゼンテーション画像を表示(投影)する。
【0024】
また、プロジェクタ11は、予め設定された所定のタイミングで、ネットワーク16を介してサーバ12にアクセスし、表示データ31をサーバ12から取得して、表示データ31に基づく画像を、スクリーン装置15のスクリーンや壁などの投影面に表示する。図2の例では、サーバ12には、「夏祭りのお知らせ」に関する表示データ31が格納されており、プロジェクタ11は、その表示データ31をサーバ12から取得して、「夏祭りのお知らせ」を投影面に表示する。
【0025】
サーバ12に格納された表示データ31には、ネットワーク16に接続されている所定の機器を制御する機器制御情報が組み込まれており、プロジェクタ11は、表示データ31に組み込まれた機器制御情報を基に、所定の機器を制御する。すなわち、プロジェクタ11は、表示データ31に基づいて、所定の画像を投影面に表示するとともに、所定の機器に所定の動作を行わせることができる。
【0026】
例えば、サーバ12にアクセスして表示データ31を取得する所定のタイミングが、PC22と接続している通信ケーブル23がプロジェクタ11から抜かれたタイミングであり、そのタイミングで取得される表示データ31の機器制御情報として、照明装置13をオフし、カーテン14を開け、スクリーン装置15のスクリーンを上昇(収納)させる制御情報が記述されているとする。
【0027】
この場合、例えば、会議が終了し、ユーザが通信ケーブル23をプロジェクタ11から抜いた場合、プロジェクタ11は、サーバ12から表示データ31を取得し、機器制御情報を実行することにより、照明装置13をオフさせ、カーテン14を開き、スクリーン装置15のスクリーンを上昇させる。ユーザから見ると、ユーザが通信ケーブル23をプロジェクタ11から抜くと、自動で、照明装置13がオフし、カーテン14が開き、スクリーン装置15のスクリーンが上昇する。これにより、ユーザが特段の操作を行わずに、会議室21を退室するための環境が構築される。
【0028】
取得した表示データ31に、図2に示されるように、夏祭りについての情報を告知する画像を表示させるコマンドが記述されていた場合、夏祭りについての情報が、壁などの投影面に表示される。これにより、会議室21を利用する多数のユーザに周知させたい情報を投影面に表示させることができる。特に告知情報がない場合には、例えば、会社のロゴマークなどを表示させてもよい。
【0029】
表示データ31は、機器制御情報のみが記述されたデータであってもよいし、投影面に表示させる表示制御情報と機器制御情報の両方でもよい。また勿論、機器を制御する必要がない場合には、プロジェクタ11は、投影面に画像を表示する動作のみを行うこともできる。
【0030】
その他のプロジェクタ11の動作例としては、例えば、サーバ12にアクセスして表示データ31を取得する所定のタイミングが、PC22とプロジェクタ11とが通信ケーブル23によって接続されたタイミングであり、そのタイミングで取得される表示データ31の機器制御情報として、照明装置13をオフし、カーテン14を閉め、スクリーン装置15のスクリーンを降下させる制御情報が組み込まれているとする。
【0031】
この場合、ユーザが、PC22とプロジェクタ11とを通信ケーブル23で接続した場合、照明装置13がオフし、カーテン14が閉じ、スクリーン装置15のスクリーンが降下する。これにより、ユーザが特段の操作を行わずに、会議室21において、プレゼンテーション画像を表示する環境が構築される。機器制御情報として、照明装置13、カーテン14、スクリーン装置15の制御に加えて、データ入力を通信ケーブル23の入力端子に切り替えてもよい。
【0032】
<2.プロジェクタとサーバの機能ブロック図>
図3は、上述した処理が実行されるプロジェクタ11とサーバ12の機能ブロック図を示している。
【0033】
プロジェクタ11は、入力部40、通信部41、操作部42、投影部43、制御部44、および、記憶部45を有する。また、図1および図2では図示が省略されていたが、プロジェクタ11にはリモートコントローラ11Rが付属されている。
【0034】
入力部40は、HDMI(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等の所定の規格に準拠した通信ケーブルが接続される1以上の入力端子を備え、入力端子を介して入力される画像信号や制御信号を制御部44に供給する。
【0035】
通信部41は、LAN、WAN、インターネット等のネットワーク16を介した通信を行うネットワークインタフェースで構成される。通信部41は、制御部44の制御に従い、他の機器と所定の通信を行う。なお、通信部41が行う通信は、有線通信でもよいし、Wi-Fi(商標)等を用いた無線通信でもよい。また、有線通信と無線通信の両方を備えていてもよい。
【0036】
操作部42は、プロジェクタ11の本体に設けられた複数の操作ボタン51を含み、操作ボタン51に対するユーザの操作を受け付け、ユーザの操作に対応する操作信号を制御部44に供給する。また、操作部42は、リモートコントローラ11Rから赤外線等の無線通信により送信されてくる操作信号を受信し、制御部44に供給する。
【0037】
リモートコントローラ11Rは、操作ボタン52を備え、操作ボタン52に対するユーザの操作を受け付け、ユーザの操作に対応する操作信号を、赤外線等の無線通信により操作部42に送信する。
【0038】
操作ボタン51または52の一方または両方には、例えば、電源をオンオフする電源ボタン、投影する画像信号の入力部を切り替える入力切替ボタン、プロジェクタ11の設定画面を表示させる設定ボタン、サーバ12から表示データ31を直接取得する動作を指示するダイレクトボタンなどがある。
【0039】
投影部43は、光学レンズ部、液晶パネル、光源等により構成され、制御部44から供給される画像信号に基づいて画像を投影する(投影面に表示させる)。
【0040】
制御部44は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、記憶部45に記憶されている動作制御プログラムを読み出し、動作制御プログラムにしたがって、プロジェクタ11全体の動作を制御する。例えば、制御部44は、操作部42から供給される操作信号に従って、投影する画像信号が供給される入力端子を切り替え、指定された入力端子から入力される画像信号を投影部43に供給し、投影部43に画像を投影させる。
【0041】
制御部44は、通信部41を制御する通信制御部61と、投影部43による画像の表示(投影)を制御する表示制御部62とを少なくとも備える。
【0042】
通信制御部61は、例えば、記憶部45に記憶されている設定情報71に基づいて通信部41を制御して、通信部41に表示データ31を取得させる。
【0043】
表示制御部62は、例えば、通信部41から表示データ31を取得し、取得した表示データ31に基づいて、画像を表示させるとともに、他の機器を制御する。すなわち、表示制御部62は、通信部41を介して取得された表示データ31に基づき、投影部43に画像を投影させる。また、表示制御部62は、表示データ31に組み込まれた機器制御情報に基づいて、所定の機器に所定の動作を行わせる。
【0044】
表示制御部62は、Google Chrome(登録商標)、Opera(商標)、Firefox(登録商標)などに代表されるウェブブラウザそのもの、または、ウェブブラウザと同等の機能を含み、HTML(HyperText Markup Language)、CSS(Cascading Style Sheets)、JavaScript(登録商標)等で記述されたプログラムである表示データ31を解析して、レンダリングする。表示データ31において、投影面に表示する画像に関しては、例えばHTMLやCSSで記述され、機器制御情報は、例えばJavaScript(登録商標)で記述される。
【0045】
記憶部45は、例えば、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびNVRAM(Non Volatile RAM)などで構成され、プロジェクタ11の動作を制御するプログラムである動作制御プログラムなどを記憶する。また、記憶部45は、サーバ12に格納されている表示データ31を取得するタイミングや取得先等が設定された設定情報71を記憶する。
【0046】
図4は、記憶部45に記憶される設定情報71を生成する設定画面の例を示している。
【0047】
例えば、プロジェクタ11の設定画面を表示させる設定ボタンが操作(押下)されると、図4の設定画面が投影部43によって投影面に表示される。
【0048】
設定画面では、予め設定された所定のタイミングごとに、各タイミングが発生した場合に表示データ31を取得する取得先を設定(登録)することができる。
【0049】
図4の設定画面では、HDMI(登録商標)の通信ケーブル23の接続が切断されたとき、リモートコントローラ11R等においてブラウザ入力を選択する操作が行われたとき、および、表示データ31をサーバ12から直接取得するダイレクトボタンが操作(押下)されたとき、の3種類のタイミングにおいて、表示データ31を取得する取得先を設定することができるように構成されている。表示データ31を取得する取得先は、URL(Uniform Resource Locator)またはIPアドレスで指定される。
【0050】
図4の例では、通信ケーブル23の接続が切断されたとき、表示データ31として「http://www.server1/document1.html」を取得することが指定されている。また、ブラウザ入力を選択する操作が行われたとき、「http://www.server1/document2.html」を取得することが指定されている。さらに、ダイレクトボタンが操作(押下)されたとき、「http://www.server2/document11.html」を取得することが指定されている。
【0051】
登録ボタン押下により、入力された情報が設定情報71として記憶部45に記憶される。キャンセルボタンは、入力された情報を設定情報71として更新しない場合、押下される。
【0052】
図4は、設定画面の一例であり、これ以外のタイミングおよび表示データ31の取得先が設定画面で指定できるように構成することができる。
【0053】
表示データ31の取得先は、設定画面以外の方法を用いて指定してもよい。例えば、通信ケーブル23またはネットワーク16を介して接続されたパーソナルコンピュータ等から、表示データ31を取得するコマンドとともに、パラメータとして取得先を指定してもよい。
【0054】
図3の説明に戻り、サーバ12は、通信部81、記憶部82、および、制御部83を有する。
【0055】
通信部81は、LAN、WAN、インターネット等のネットワーク16を介した通信を行うネットワークインタフェースで構成される。通信部81は、制御部83の制御に従い、他の機器と所定の通信を行う。なお、通信部81が行う通信は、有線通信でもよいし、Wi-Fi(商標)等を用いた無線通信でもよい。また、有線通信と無線通信の両方を備えていてもよい。
【0056】
記憶部82は、例えば、ハードディスク、ROM、RAM、およびNVRAMなどで構成され、サーバ12の動作を制御するプログラムである動作制御プログラムなどを記憶する。また、記憶部82は、プロジェクタ11に送信される表示データ31を記憶する。
【0057】
制御部83は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM等で構成され、記憶部82に記憶されている動作制御プログラムを読み出し、動作制御プログラムにしたがって、サーバ12全体の動作を制御する。例えば、制御部83は、プロジェクタ11からの表示データ31の要求を受信し、通信部81を制御して、記憶部82に記憶されている表示データ31をプロジェクタ11に送信させる。
【0058】
また、制御部83は、ネットワーク16を介して接続される所定の端末(例えば、パーソナルコンピュータ)から送信されてくる表示データ31を、記憶部82に記憶させたり、更新(上書き記憶)する。
【0059】
<3.表示データの例>
図5は、記憶部82に記憶される表示データ31の例を示している。
【0060】
図5の表示データ31はHTMLファイルで構成され、HTMLファイルでは、<body>タグから</body>タグまでの記述が文書の内容を示している。
【0061】
<body>タグから</body>タグまでの記述のうち、1行目の<img src=“image.png”>は、画像を表示させる記述である。これにより、画像ファイル“image.png”が取得され、画像が表示される。1行目の<img src=“image.png”>は、画像を表示させる画像表示制御情報に相当する。
【0062】
<img>タグより下の<script>タグから</script>タグまでは、機器を制御する機器制御情報としての記述である。機器制御情報には、制御対象の機器を特定するアドレスと、制御対象の機器に行わせる動作を特定するコマンドが含まれる。
【0063】
<script>タグの「type=“text/javascript”」は、スクリプトがJaveScript(登録商標)で記述されていることを表す。
【0064】
次の「function control_other_system()」は、他の機器を制御する関数を定義(設定)する記述である。
【0065】
次の「//他機器のPower ON 制御」は、コメント行であり、動作に影響を及ぼさない。
【0066】
次の「var xhr = new XMLHttpRequest();」は、他の機器に制御を依頼するためのオブジェクトであるXMLHttpRequest オブジェクトを作成するコマンドである。
【0067】
次の「xhr.onload = function()」は、関数functionが呼び出されたときに、次行以降の3行を実行するように設定するコマンドである。
【0068】
次の「var resp = xhr.responseText;」は、返信コマンドを受け取るためのコマンドである。ただし、この動作では返信コマンドはないため、実際の動作は行われない。
【0069】
次の「xhr.open('POST', 'othersystem_url/command/power_on');」は、他の機器が存在する場所をURLで指定するコマンドである。この例では、他の機器への接続先が“othersystem_url/command/power_on”となる。他の機器への接続先は、URLで指定する他、IPアドレスで指定してもよい。URLまたはIPアドレスにより、制御対象の機器が特定される。
【0070】
次の「xhr.send(JSON.stringify({ method: "power", version: '1.0', params: "on" }));」は、method、version、およびparamsの各パラメータを送信するコマンドである。methodおよびparamsのパラメータは、機器に行わせる動作を指定しており、制御対象の機器に行わせる動作を特定するコマンドに相当する。第1のパラメータであるmethodには“power”がセットされ、第2のパラメータであるversionには“1.0”がセットされ、第3のパラメータであるparamsには、“on”がセットされている。このパラメータは、電源をオンする動作を指定している。各パラメータの送信先は、“othersystem_url/command/power_on”である。
【0071】
例えば、“othersystem_url/command/power_on”のURLで指定された場所に存在する機器が、照明装置13であるとすると、プロジェクタ11の表示制御部62が、図5のHTMLファイルで構成される表示データ31を取得すると、“image.png”の画像を投影面に表示させるとともに、照明装置13の電源がオンされて、照明装置13の照明を点灯させる。“image.png”の画像は、例えば、図2に示したように夏祭りについての情報を告知する画像である。カーテン14とスクリーン装置15の機器制御情報についての例示は省略するが、同様にして、複数の機器を制御する機器制御情報を、HTMLファイルに組み込むことができる。
【0072】
<4.サーバデータ表示処理>
次に、図6のフローチャートを参照して、プロジェクタ11がサーバ12に記憶されている表示データ31を取得して、画像の表示と機器制御を行うサーバデータ表示処理を説明する。この処理は、例えば、プロジェクタ11の電源がオンされたときに開始される。
【0073】
初めに、ステップS11において、表示制御部62は、記憶部45に格納されている設定情報71を読み出し、設定情報71で設定されている、表示データを取得するタイミングであるかを判定する。例えば、図4の設定画面で設定された情報が設定情報71として記憶部45に記憶されているとすると、表示制御部62は、通信ケーブル23の接続が切断されたか、ブラウザ入力を選択する操作が行われたか、または、ダイレクトボタンが押下されたかを判定する。
【0074】
ステップS11で、表示データを取得するタイミングであると判定されるまで、ステップS11の処理が繰り返し実行される。
【0075】
そして、ステップS11で、表示データを取得するタイミングであると判定された場合、即ち、通信ケーブル23の接続が切断された、ブラウザ入力を選択する操作が行われた、または、ダイレクトボタンが押下された、のいずれかのイベントが発生した場合、処理はステップS12に進む。
【0076】
ステップS12において、表示制御部62は、発生したイベントに基づいて、設定情報71で指定されているサーバ12へアクセスし、表示データ31を取得する。
【0077】
ステップS13において、表示制御部62は、表示データ31に記述された画像表示制御情報に基づいて、所定の画像信号を投影部43に供給し、画像を投影部43に投影させる。投影部43は、表示制御部62から供給された画像信号に基づいて、画像を投影する。
【0078】
ステップS14において、表示制御部62は、表示データ31に記述された機器制御情報に基づいて、ネットワーク16を介して接続された他の機器(制御対象機器)に所定のコマンドを送信し、他の機器を制御する。表示データ31に、ネットワーク16を介して接続された複数の制御対象機器を制御する機器制御情報が記述されていた場合には、複数の制御対象機器に対して、コマンドが送信される。
【0079】
ステップS14の後、処理はステップS11へ戻され、上述したステップS11乃至S14の処理が繰り返される。すなわち、設定情報71で設定されている所定のタイミングとなったか否かが判定され、所定のタイミングとなった場合に、表示データ31を取得して、画像を表示し、機器を制御する処理が実行される。
【0080】
サーバデータ表示処理は以上のように実行され、例えばプロジェクタ11の電源がオフされたとき、サーバデータ表示処理は終了する。
【0081】
図1の画像システム1によれば、他の機器を制御する機器制御情報が組み込まれた表示データ31が、プロジェクタ11とネットワーク16を介して接続されるサーバ12に記憶される。プロジェクタ11は、設定情報71で指定された所定のタイミングにおいて、サーバ12から表示データ31を取得し、取得した表示データ31に基づいて、画像を表示(投影)するとともに、他の機器を制御する。
【0082】
プロジェクタ11が所定のタイミングで実行する動作を、表示データ31を用いて制御することができる。プロジェクタ11は、取得した表示データ31に基づいて主体的に動作し、表示データ31に機器制御情報が組み込まれていることにより、他の機器も制御することができる。
【0083】
例えば、サーバ12がプロジェクタ11の動作状態を監視して、プロジェクタ11が所定の動作または状態となった場合に、サーバ12がプロジェクタ11に所定の動作を行うように命令するようなサーバによる制御システムと比較すると、画像システム1では、サーバ12がプロジェクタ11の動作状態を常時監視する必要がない。例えば、各会議室に1台ずつ設置された複数台のプロジェクタ11を、動作状態に応じて制御するような場合、サーバ12が常時監視する場合には、監視対象のプロジェクタ11の台数が増えるほど、サーバ12の負荷は増大するが、図1の画像システム1によれば、何台のプロジェクタ11の動作を制御する場合であっても、1つの表示データ31がサーバ12に記憶されていればよい。
【0084】
また、所定のタイミングでプロジェクタ11が実行する動作や、他の機器の制御を変更したい場合、サーバ12に記憶されている1つの表示データ31を変更するだけで良いため、複数台のプロジェクタ11それぞれに対して修正作業を行う必要はない。
【0085】
したがって、図1の画像システム1によれば、プロジェクタが実行する動作を簡単に制御することができる。
【0086】
なお、上述した画像システム1では、プロジェクタ11が制御する制御対象機器がプロジェクタ以外の機器であるシステム構成について説明したが、制御対象機器がプロジェクタであってもよい。
【0087】
例えば、図7に示されるように、プロジェクタ11Aないし11Cの3台のプロジェクタ11がネットワーク16を介して接続されている場合、主となるプロジェクタ11Aが、従となるプロジェクタ11Bおよび11Cを制御する構成が実現可能である。
【0088】
この場合、図7のAに示されるように、主となるプロジェクタ11Aが、従となるプロジェクタ11Bおよび11Cを並列に制御する構成、図7のBに示されるように、主となるプロジェクタ11Aが従としてのプロジェクタ11Bを制御し、かつ、プロジェクタ11Aによって制御されたプロジェクタ11Bが主となって、従としてのプロジェクタ11Cを制御する構成のいずれも実現可能である。3台のプロジェクタ11Aないし11Cは、同一場所で投影を行う状況でもよいし、異なる場所で投影を行う状況でもよい。表示データ31に組み込んだ機器制御情報を用いて、複数台のプロジェクタ11を連係動作させることにより、サーバ12の負荷低減を図ることができる。
【0089】
<5.アクセス制御処理>
ところで、プロジェクタ11は、図1等で説明したように、サーバ12、照明装置13、カーテン14、・・・等の複数の機器と、ネットワーク16を介して接続される。プロジェクタ11が通信ケーブル23等でユーザが管理する個別の機器と接続される場合には、セキュリティ性についての心配はあまり必要ないが、ネットワーク16を介して多数の機器が接続されるような環境では、悪意のあるサーバ等がプロジェクタ11にアクセスしてくることも考えられ、セキュリティ性の低下が懸念される。
【0090】
そこで、プロジェクタ11の記憶部45は、設定情報71の一部として、自身が接続可能な機器を示す接続先リストであるホワイトリストを記憶しておき、通信制御部61が、ホワイトリストに基づいて、自身が接続してよい機器か否かを判定し、他の機器への接続を制御する。換言すれば、通信制御部61は、ホワイトリストに基づいて、他の機器に対するコマンドやデータの送信または受信等のアクセスを制御する。
【0091】
具体的には、例えば、表示制御部62が表示データ31を取得するため、取得先であるサーバ12に接続しようとする場合に、通信制御部61が、記憶部45に設定情報71の一部として記憶されているホワイトリストを参照し、接続先であるサーバ12が、自身(プロジェクタ11)が接続可能な機器であるか否かを判定する。サーバ12がホワイトリストに登録されている場合、通信制御部61は、表示制御部62によるサーバ12への接続を許可する。一方、サーバ12がホワイトリストに登録されていない場合、通信制御部61は、表示制御部62によるサーバ12への接続を許可せず、ブロックする。
【0092】
また、表示制御部62が、取得した表示データ31に基づき、照明装置13、カーテン14、スクリーン装置15などの制御対象機器に接続しようとする場合に、通信制御部61が、ホワイトリストを参照し、制御対象機器が、自身が接続可能な機器であるか否かを判定する。制御対象機器がホワイトリストに登録されている場合、通信制御部61は、表示制御部62による制御対象機器への接続を許可する。一方、制御対象機器がホワイトリストに登録されていない場合、通信制御部61は、表示制御部62による制御対象機器への接続を許可せず、ブロックする。
【0093】
また例えば、プロジェクタ11が他の機器から接続の要求を受信した場合、通信制御部61が、ホワイトリストを参照し、接続を要求してきた機器(以下、接続要求機器と称する。)が、自身が接続可能な機器であるか否かを判定する。接続要求機器がホワイトリストに登録されている場合、通信制御部61は、接続要求機器からの接続を許可する。一方、接続要求機器がホワイトリストに登録されていない場合、通信制御部61は、接続要求機器からの接続を許可せず、ブロックする。
【0094】
プロジェクタ11が接続可能な1以上の機器は、設定画面を用いて、ユーザが登録(設定)することができ、登録された1以上の機器のリストが、ホワイトリストとして、記憶部45に記憶される。
【0095】
図8は、ユーザがホワイトリストを設定する設定画面の例を示している。
【0096】
図8において、「設定画面2」は、図4に示した表示データ31の取得先を設定する設定画面と異なる設定画面であることを表す。
【0097】
図8の設定画面では、プロジェクタ11が接続可能な1以上の機器の場所を表すURLが入力される入力欄が複数設けられている。ユーザは、操作部42等を操作して、所定の機器のURLを入力(登録)する。操作部42またはリモートコントローラ11R等は、ホワイトリストを登録する登録部として機能する。
【0098】
ホワイトリストの登録方法は、図8の設定画面を用いて入力する方法の他、例えば、ホワイトリストを記録したファイルが記憶されたUSBメモリをプロジェクタ11の入力部40に接続することによって、ファイルを読み込ませる方法などでもよい。
【0099】
ホワイトリストの登録は、所定のユーザのみが行えるようにしてもよい。
【0100】
なお、図8の設定画面では、5個の入力欄が設けられているが、設定可能な機器の数は、5個に限らず、6個以上とすることもできるし、4個以下でもよい。入力欄に入力される、プロジェクタ11が接続可能な機器の場所は、URLで指定してもよいし、IPアドレスで指定することもできる。
【0101】
登録ボタン押下により、入力された情報が設定情報71として記憶部45に記憶される。キャンセルボタンは、入力された情報を設定情報71として更新しない場合、押下される。
【0102】
図9のフローチャートを参照して、プロジェクタ11によるアクセス制御処理を説明する。この処理は、例えば、プロジェクタ11の電源がオンされたときに開始される。
【0103】
初めに、ステップS41において、通信制御部61は、表示制御部62が他の機器に接続するかを判定する。
【0104】
ステップS41で、表示制御部62が他の機器に接続すると判定された場合、処理はステップS42に進み、通信制御部61は、接続先がホワイトリストに登録されているかを判定する。
【0105】
ステップS42で、接続先がホワイトリストに登録されていると判定された場合、処理はステップS43に進み、通信制御部61は、表示制御部62による接続先へのアクセスを許可する。これにより、表示制御部62は、サーバ12や制御対象機器へ接続することができる。
【0106】
一方、ステップS42で、接続先がホワイトリストに登録されていないと判定された場合、処理はステップS44に進み、通信制御部61は、表示制御部62による接続先へのアクセスをブロックする。これにより、表示制御部62は、接続しようとした機器へ接続することができない。
【0107】
一方、ステップS41で、表示制御部62が他の機器に接続しないと判定された場合、処理はステップS45に進み、通信制御部61は、他の機器から接続が要求されたかを判定する。
【0108】
ステップS45で、他の機器から接続が要求されていないと判定された場合、処理はステップS41に戻される。
【0109】
一方、ステップS45で、他の機器から接続が要求されたと判定された場合、処理はステップS46に進み、通信制御部61は、接続要求機器がホワイトリストに登録されているかを判定する。
【0110】
ステップS46で、接続要求機器がホワイトリストに登録されていると判定された場合、処理はステップS47に進み、通信制御部61は、接続要求機器からのアクセスを許可する。
【0111】
一方、ステップS46で、接続要求機器がホワイトリストに登録されていないと判定された場合、処理はステップS48に進み、通信制御部61は、接続要求機器からのアクセスをブロックする。
【0112】
ステップS43、S44、S47、または、S48の後、処理はステップS41に戻り、上述したステップS41ないしS48が再度実行される。これにより、プロジェクタ11がネットワーク16に接続された他の機器に接続しようとした場合、および、ネットワーク16に接続された他の機器から接続が要求された場合、ホワイトリストに基づく判定処理が繰り返される。
【0113】
以上のように、プロジェクタ11は、自身が接続可能な機器を示す接続先リストであるホワイトリストを設定情報71の一部として記憶部45に記憶し、ホワイトリストに基づいて、自身の接続先の機器を制御する。
【0114】
これにより、プロジェクタ11の接続先を所定の範囲に制限することができるので、悪意のあるサーバ等のアクセスを防止することができ、ネットワーク16に接続されるプロジェクタ11のセキュリティ性を向上させることができる。ホワイトリストという接続可能な機器を限定列挙する方式であるので、高いセキュリティ精度を確保することができる。また、サーバ等がネットワーク接続されたプロジェクタ11を集中管理する方式ではないため、簡便なシステム構成でセキュリティを確保することができる。
【0115】
図9のアクセス制御処理は、図6を参照して説明したサーバデータ表示処理において、表示データ31を取得する際や、取得した表示データ31に組み込まれた機器制御情報に基づいて制御対象機器と接続する際も実行される。したがって、コマンドを送信する制御対象機器(例えば照明装置13)や、表示データ31の取得先であるサーバ(例えばサーバ12)等の機器の接続可否も検証される。これにより、例えば、著作権等の管理されていない機器から送信されてくる画像の投影(表示)を制限することができる。また、想定していない機器による遠隔制御を防止することができる。
【0116】
上述した実施の形態では、ネットワーク16に接続されたプロジェクタ11が、取得した表示データ31に基づいて能動的に他の機器(制御対象機器)を制御したり、ホワイトリストに基づいて、自身の接続先の機器を制御する例について説明した。
【0117】
しかしながら、本技術は、プロジェクタ11のみに適用が限定されるものではなく、テレビジョン受像機、コンテンツ記録再生装置等のその他の表示機器または表示制御機器、撮像装置、監視カメラなどの電子機器にも適用することができる。
【0118】
<6.コンピュータ構成例>
プロジェクタ11により実行される上述の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。プロジェクタ11により実行される上述の処理をソフトウエアにより実行する場合には、その処理を構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているマイクロコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0119】
図10は、上述したプロジェクタ11の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
【0120】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0121】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、入力部106、出力部107、記憶部108、通信部109、及びドライブ110が接続されている。
【0122】
入力部106は、操作ボタン、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチパネル、入力端子などよりなる。出力部107は、ディスプレイ、スピーカ、出力端子などよりなる。記憶部108は、ハードディスク、RAMディスク、不揮発性のメモリなどよりなる。通信部109は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体111を駆動する。
【0123】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0124】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体111に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0125】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記録媒体111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0126】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0127】
また、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる場合はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで実行されてもよい。
【0128】
本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0129】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0130】
例えば、上述した実施の形態の全てまたは一部を適宜組み合わせた形態を採用することができる。
【0131】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0132】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0133】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0134】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
【0135】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備える
プロジェクタ。
(2)
前記表示制御部は、前記表示データを、ネットワークを介して接続されるサーバから取得する
前記(1)に記載のプロジェクタ。
(3)
前記機器制御情報は、前記他の機器を特定するアドレスと、前記他の機器の動作を特定するコマンドを含み、
前記表示制御部は、前記アドレスに、前記コマンドを送信する
前記(1)または(2)に記載のプロジェクタ。
(4)
前記アドレスは、URLまたはIPアドレスで指定される
前記(3)に記載のプロジェクタ。
(5)
前記表示制御部は、記憶部に記憶された所定のタイミングで、前記表示データを取得し、前記他の機器を制御する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載のプロジェクタ。
(6)
前記所定のタイミングは、所定の装置との接続が切れたタイミングである
前記(5)に記載のプロジェクタ。
(7)
前記所定のタイミングは、前記表示データを取得するユーザの操作を検出したタイミングである
前記(5)に記載のプロジェクタ。
(8)
前記表示データの取得先を記憶する記憶部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記記憶部に記憶された前記取得先にアクセスして前記表示データを取得する
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載のプロジェクタ。
(9)
前記表示制御部は、ブラウザで構成される
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載のプロジェクタ。
(10)
プロジェクタが、
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する
プロジェクタの制御方法。
(11)
プロジェクタとサーバとを含み、
前記プロジェクタは、
機器を制御する機器制御情報を含む表示データを前記サーバから取得し、前記機器制御情報に基づいて、他の機器を制御する表示制御部を備え、
前記サーバは、
前記表示データを記憶する記憶部を備える
画像システム。
【符号の説明】
【0136】
1 画像システム, 11 プロジェクタ, 12 サーバ, 13 照明装置, 14 カーテン, 15 スクリーン装置, 16 ネットワーク, 23 通信ケーブル, 31 表示データ, 40 入力部, 41 通信部, 42 操作部, 43 投影部, 44 制御部, 45 記憶部, 61 通信制御部, 62 表示制御部, 71 設定情報, 101 CPU, 102 ROM, 103 RAM, 106 入力部, 107 出力部, 108 記憶部, 109 通信部, 110 ドライブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10