(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039664
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】定着装置用の冷却装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240315BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G03G15/20 510
G03G21/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022096228
(22)【出願日】2022-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】511076424
【氏名又は名称】ヒューレット-パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー.
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100211052
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大和田 諭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大之
【テーマコード(参考)】
2H033
2H270
【Fターム(参考)】
2H033AA24
2H033BA03
2H033BA04
2H033BA29
2H033BB17
2H033BB37
2H033BE03
2H270SA09
2H270SB13
2H270SB15
2H270SB18
2H270SC08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】定着ベルトが過剰に加熱されることを抑制するために、加熱ベルトの非接触領域を冷却する。
【解決手段】冷却装置70は、定着装置50に隣接して延在する回転可能なシャフト71と、前記シャフト71に連結されたブレードを含むブレード装置と、前記ブレード装置を収容するハウジング73であり、空気を取り込む入口85と、前記空気を前記定着装置50の定着ベルト51に向けて導くように配置された出口86とを含む、該ハウジングと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着装置用の冷却装置であって、
前記定着装置に隣接して延在する回転可能なシャフトと、
前記シャフトに連結されたブレードを含むブレード装置と、
前記ブレード装置を収容するハウジングであり、空気を取り込む入口と、前記空気を前記定着装置の加熱体に向けて導くように配置された出口とを含む、該ハウジングと、
を備える、冷却装置。
【請求項2】
前記シャフトは回転軸線に沿って延在し、
前記ハウジングの前記出口は、前記ブレード装置と少なくとも部分的に整列された状態で前記回転軸線に沿って延在し、前記回転軸線と実質的に垂直な方向に前記空気の流れを導く、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記ブレード装置は、前記シャフトから放射状に延び、且つ、前記シャフトの回転軸線と平行に延在する複数のブレードを含む、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記ブレード装置に対応する第1ブレード装置と第2ブレード装置とを含む一対のブレード装置を備え、
前記第1ブレード装置は、前記シャフトの第1端部に配置され、前記第2ブレード装置は、前記シャフトの前記第1端部とは反対側の第2端部に配置される、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ハウジングの前記入口は、前記シャフトの回転軸線に沿った方向において前記出口に対してオフセットされた位置に形成されている、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ハウジングの前記出口の開口面積を調節するシャッタを更に備える、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
回転可能な加熱体と、
前記加熱体に圧接する回転可能な加圧ローラと、
を含む定着部と、
前記定着部に隣接して延在する回転可能なシャフトと、
前記シャフトに連結されたブレードを含むブレード装置と、
前記ブレード装置を収容するハウジングであり、空気を取り込む入口と、前記定着部の前記加熱体に向けて開口する出口とを含む、該ハウジングと、
を含む冷却装置と、
を備える、定着装置。
【請求項8】
前記冷却装置の前記シャフトは、前記加熱体の回転軸線に平行に延在する、請求項7に記載の定着装置。
【請求項9】
前記ブレード装置は、前記シャフトから放射状に延び、且つ、前記シャフトの回転軸線と平行に延在する複数のブレードを含む、請求項8に記載の定着装置。
【請求項10】
前記冷却装置は、前記ブレード装置に対応する第1ブレード装置と、第2ブレード装置とを含む一対のブレード装置を備え、
前記第1ブレード装置は、前記冷却装置の前記シャフトの第1端部に配置され、前記第2ブレード装置は、前記シャフトの前記第1端部とは反対側の第2端部に配置される、請求項7に記載の定着装置。
【請求項11】
前記ハウジングの前記入口は、前記シャフトの回転軸線に沿った方向において前記出口に対してオフセットされた位置に形成されている、請求項7に記載の定着装置。
【請求項12】
前記冷却装置の前記ハウジングの前記出口の開口面積を調整するシャッタを更に備える、請求項7に記載の定着装置。
【請求項13】
前記加圧ローラの駆動力を前記冷却装置の前記シャフトに伝達して、前記シャフトを回転させる駆動伝達部を更に備える、請求項7に記載の定着装置。
【請求項14】
回転可能な加熱体と、前記加熱体に圧接して印刷媒体を搬送する回転可能な加圧ローラと、前記印刷媒体の搬送時に前記加熱体の一部を冷却する冷却装置と、を含む定着装置を備え、
前記冷却装置は、
前記定着装置に隣接して延在する回転可能なシャフトと、
前記シャフトに連結されたブレードを含むブレード装置と、
前記ブレード装置を収容するハウジングであり、空気を取り込む入口と、前記加熱体に向けて開口する出口とを含む、該ハウジングと、
を含む、画像形成装置。
【請求項15】
前記冷却装置は、前記ハウジングの前記出口の開口面積を調節するシャッタを含み、
前記加圧ローラと前記加熱体との間に搬送される前記印刷媒体のサイズに基づいて前記シャッタを制御する制御装置を更に備える、請求項14に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
画像形成システムは、印刷媒体を搬送する搬送装置と、静電潜像が形成される感光体と、静電潜像を現像する現像装置と、トナー像を印刷媒体に転写する転写装置と、トナー像を印刷媒体に定着させる定着させる定着装置と、印刷媒体を排出する排出装置と、を備える。定着装置は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することでトナー像を用紙に定着させる。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1】本明細書に開示された種々の例を実施するために使用することができる例示的な画像形成装置の概略図である。
【
図2】冷却装置を含む定着装置の一例を示す斜視図である。
【
図4】シャフトに連結された一対のブレード装置を示す斜視図である。
【
図10】シャッタの別の変形例を示す斜視図である。
【
図11】シャッタの別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0003】
以下では、図面を参照して、例示的な冷却装置、当該冷却装置を含む定着装置、及び、当該定着装置を備える画像形成装置について説明する。なお、図面に基づいて説明するにあたり、同一の要素又は同一の機能を有する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率及び角度等は図面に記載のものに限定されない。
【0004】
本開示に係る画像形成装置は、例えばプリンタ等の画像形成装置である。この画像形成装置は、トナー像を印刷媒体に定着させる定着装置を備える。後述するように、定着装置は、発熱体を有する定着ベルト及び当該定着ベルトに当接する加圧ローラを備える。トナー像が転写された用紙は定着ベルトと加圧ローラとの間に形成される定着ニップ領域を通過するときに、加熱された状態で加圧される。その結果、用紙に転写されたトナー像が用紙に定着される。
【0005】
画像形成装置は、異なるサイズの用紙に画像を形成することが可能な場合がある。ここで、定着ニップ領域にサイズの小さな用紙を通過させると、定着ベルトに用紙と接触しない非接触領域が形成される。典型的には、非接触領域は、定着ベルトの端部に形成される。定着ベルトの非接触領域では用紙に熱が奪われないので、非接触領域の温度が過剰に高くなることがある。定着装置の冷却装置は、定着ベルトが過剰に加熱されることを抑制するために、加熱ベルトの非接触領域を冷却する。
【0006】
図1は、例示的な画像形成装置を概略的に示す図である。
図1に示す画像形成装置1は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色を用いてカラー画像を形成する装置である。画像形成装置1は、印刷媒体である用紙5を搬送する搬送装置10と、静電潜像を現像する複数の現像装置20C,20M,20Y,20K(以下、個々の構成要素を区別する必要がない場合には、「現像装置20」と称する。)と、各色のトナー像を用紙5に二次転写する転写装置30と、表面に静電潜像が形成される複数の感光体40C,40M,40Y,40K(以下、個々の構成要素を区別する必要がない場合には、「感光体40」と称する。)と、積層トナー像を用紙5に定着させる定着装置50と、用紙5を排出する排出装置60とを備える。これら搬送装置10、現像装置20、転写装置30、感光体40、定着装置50及び排出装置60は、画像形成装置1の筐体15内に収容される。
【0007】
搬送装置10は、画像が形成される印刷媒体である用紙5を搬送経路12上で搬送する。用紙5は、カセット7に積層されて収容され、給紙ローラ11によりピックアップされて搬送される。搬送装置10は、用紙5に転写されるトナー像が転写領域13に到達するタイミングで、搬送経路12を介して転写領域13に用紙5を到達させる。
【0008】
現像装置20C,20M,20Y,20Kは、色ごとに設けられている。各現像装置20は、トナーを感光体40に担持させる現像ローラ45を備えている。現像装置20では、現像剤として、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤を用いる。つまり、現像装置20では、トナーとキャリアを所望の混合比になるように調整し、さらに混合撹拌してトナーを均一に分散させ最適な帯電量を付与した現像剤が調整される。この現像剤を現像ローラ45に担持させる。そして、現像ローラ45の回転により現像剤が感光体40と対向する現像領域まで搬送されると、現像ローラ45に担持された現像剤に含まれるトナーが感光体40の周面上に形成された静電潜像に移動し、静電潜像が現像される。
【0009】
転写装置30は、現像装置20で形成されたトナー像を用紙5に二次転写する転写領域13に搬送する。転写装置30は、感光体40からトナー像が一次転写される中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31を張架する張架ローラ34と、アイドラローラ35,36と、中間転写ベルト31を駆動する駆動ローラ37と、感光体40C,40M,40Y,40Kと共に中間転写ベルト31をそれぞれ挟持する一次転写ローラ32C,32M,32Y,32Kと、駆動ローラ37と共に中間転写ベルト31を挟持する二次転写ローラ33とを備えている。
【0010】
感光体40C,40M,40Y,40Kは、静電潜像担持体、感光体ドラム等とも呼ばれる。感光体40C,40M,40Y,40Kは、色ごとに設けられている。各感光体40は、中間転写ベルト31の移動方向に沿って設けられている。感光体40の周上には、現像装置20と、帯電装置41と、露光ユニット42と、クリーニング装置43とが設けられている。
【0011】
帯電装置41は、例えば感光体40に対して当接する帯電ローラであり、感光体40の表面を所定の電位に均一に帯電させる。露光ユニット42は、帯電装置41によって帯電した感光体40の表面を、用紙5に形成する画像に応じて露光する。これにより、感光体40の表面のうち露光ユニット42により露光された部分の電位が変化し、静電潜像が形成される。現像装置20C,20M,20Y,20Kは、それぞれの現像装置20に対向して設けられたトナータンク18C,18M,18Y,18Kから供給されたトナーによって感光体40に形成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する。各トナータンク18C,18M,18Y,18K内には、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナーが充填されている。クリーニング装置43は、感光体40上に形成されたトナー像が中間転写ベルト31に一次転写された後に感光体40上に残存するトナーを回収する。
【0012】
定着装置50は、定着ニップ領域14に用紙5を通過させることで、中間転写ベルト31から用紙5に二次転写されたトナー像を用紙5に定着させる。定着装置50は、定着ベルト51と、定着ベルト51の外周面に圧接された加圧ローラ52と、定着ベルト51、及び加圧ローラ52を収容するケーシング53とを備えている。定着ベルト51は、発熱体によって加熱される加熱体である。定着ベルト51と加圧ローラ52との間には定着ニップ領域14が形成される。用紙5が当該定着ニップ領域14を通過するときにトナー像が用紙5に溶融定着される。
【0013】
排出装置60は、定着装置50によりトナー像が定着された用紙5を装置外部へ排出するための排出ローラ62,64を備えている。
【0014】
画像形成装置1は、制御装置80を更に備える。制御装置80は、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、画像形成装置1の全体の動作を制御する機能を有している。制御装置80の記憶部には、画像形成装置1で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラムが格納されている。
【0015】
図2は、例示的な定着装置50の斜視図である。
図3は、定着装置50を概略的に示す断面図である。定着装置50は、積層トナー像を用紙5に定着させる定着部54と、定着部54の定着ベルト51の一部を冷却する冷却装置70を備える。
【0016】
定着部54は、定着ベルト51、加圧ローラ52及びケーシング53を含む。定着ベルト51は、回転軸線16に沿って延在する略円筒形状のベルトであり、例えば弾性変形可能な材料によって構成されている。定着ベルト51は、回転軸線16周りに回転可能にケーシング53に支持されている。
図3に示すように、定着ベルト51の内部には、支持部材55、断熱部材56及び発熱体57が設けられている。
【0017】
支持部材55は、定着ベルト51の回転軸線16に平行に延在する金属製の長尺部材であり、例えばU字状の断面形状を有する。支持部材55の両端は、断熱部材56に支持されている。断熱部材56は、例えば断熱性を有する樹脂材料によって構成され、ケーシング53に固定又はガイドされている。発熱体57は、断熱部材56と定着ベルト51との間で断熱部材56に固定されている。発熱体57は、例えばセラミックヒータであり、不図示の電源から電力を受けて発熱する。発熱体57の発熱によって定着ベルト51が加熱される。発熱体57の温度は、電源から発熱体57に供給される電力を制御装置80が制御することにより、制御される。なお、画像形成装置1は、略円筒形状の定着ベルト51に代えて中実の定着ローラを備えていてもよい。
【0018】
加圧ローラ52は、定着ベルト51に隣接して配置されている。加圧ローラ52は、略円筒形状又は略円柱形状を有し、定着ベルト51の回転軸線16に平行に延在している。加圧ローラ52は、例えば芯金65、弾性層66及び離型層67を有している。芯金65は、例えば金属材料によって構成される。芯金65は、定着ベルト51の回転軸線16に平行に延在し、芯金65の両端部は、定着装置50のケーシング53に回転可能に支持されている。弾性層66は、弾性変形可能な材料によって構成され、芯金65の外周面を覆っている。離型層67は、樹脂組成物によって構成され、弾性層66の外周面を覆っている。加圧ローラ52は、定着ベルト51に圧接することで、定着ベルト51と加圧ローラ52との間に定着ニップ領域14を形成する。
【0019】
加圧ローラ52の一方の端部には、ギヤ58が設けられている。加圧ローラ52のギヤ58には、駆動モータに接続されている。駆動モータの駆動力は、ギヤ58を介して加圧ローラ52に伝達され、当該加圧ローラ52を回転させる。定着ベルト51に圧接された状態で加圧ローラ52が回転することにより、定着ベルト51は従動回転する。このとき、定着ベルト51は発熱体57に対して摺動しながら回転する。加圧ローラ52の回転速度は、制御装置80が駆動モータの動作を制御することにより、制御される。
【0020】
冷却装置70は、シャフト71、一対のブレード装置72、一対のハウジング73及び一対のシャッタ74を備える。シャフト71は、定着装置50の定着ベルト51に隣接して配置され、定着ベルト51の回転軸線16に平行に延在している。シャフト71は、例えば金属製の長尺部材であり、定着装置50のケーシング53に回転可能に支持されている。シャフト71は、定着ベルト51の回転軸線16に平行な回転軸線18周りに回転する。
【0021】
シャフト71には、一対のブレード装置72が設けられている。
図4は、シャフト71に連結された一対のブレード装置72を示す斜視図である。一対のブレード装置72は、例えば耐熱性を有する樹脂によって構成されている。
図4に示すように、一対のブレード装置72は、シャフト71の第1端部に連結された第1ブレード装置81と、シャフト71の第1端部の反対側の第2端部に連結された第2ブレード装置82とを含む。以下の説明では、特に区別する必要がない場合には、第1ブレード装置81及び第2ブレード装置82をまとめてブレード装置72という。
【0022】
一対のブレード装置72は、空気の流れを発生させる少なくとも一つのブレードを含む。例えば、一対のブレード装置72は、複数のブレードを有する多翼ファンである。多翼ファンには、シロッコファンが含まれる。より具体的には、
図4に示すように、一対のブレード装置72の各々は、シャフト71から放射状に延び、且つ、シャフト71の回転軸線18に平行に延在する複数のブレード83を含んでいる。一対のブレード装置72は、シャフト71の回転に伴って回転軸線18周りに回転し、回転軸線18を中心とする円周の接線方向に向かう空気の流れを発生させる。
【0023】
なお、
図3に示すように、回転軸線18に平行な方向から見て、複数のブレード83は、回転軸線18周りの回転方向とは反対側に膨らむように湾曲する主面を有していてもよい。このように複数のブレード83を湾曲させることで空気の流れが効率的に生成される。
【0024】
また、シャフト71の一方の端部には、ギヤ79が設けられている。加圧ローラ52のギヤ58とシャフト71のギヤ79との間には、駆動伝達部90が設けられている。駆動伝達部90は、駆動モータによる加圧ローラ52の回転駆動力をシャフト71に伝達する。例えば駆動伝達部90は、加圧ローラ52の回転駆動力を伝達する複数のギヤを含み、これら複数のギヤは、シャフト71の回転速度が所望の回転速度になるような速度伝達比を有している。駆動モータの駆動力は、駆動伝達部90によって加圧ローラ52と冷却装置70のシャフト71に分配され、加圧ローラ52とシャフト71を回転させる。定着装置50が駆動伝達部90を備えることにより、加圧ローラ52とシャフト71を一つの駆動モータで回転させることができるので、定着装置50の部品点数を削減することができる。なお、定着装置50は、駆動伝達部90を備えずに、シャフト71を駆動する独立した駆動モータを備えていてもよい。
【0025】
一対のブレード装置72は、一対のハウジング73にそれぞれ収容されている。
図5は、例示的な一対のハウジング73の斜視図である。
図5に示すように、一対のハウジング73は、回転軸線18の軸線方向に互いに離間して配置されている。一対のハウジング73は、例えば耐熱性を有する樹脂によって形成されている。一対のハウジング73の各々は、空気を取り込む入口85と、定着装置50の定着ベルト51に向けて開口する出口86を有する。
【0026】
また、ハウジング73は、導入部77及び収容部78を含む。導入部77は、シャフト71の回転軸線18に垂直な方向に延在する略角筒状を呈し、その内部に空気の導入路87を形成する。収容部78は、回転軸線18の軸線方向において導入部77よりもシャフト71の端部側に配置されている。収容部78は、回転軸線18に沿って延在する略円筒形状を呈し、その内部にブレード装置72を収容する収容空間88を形成する。収容空間88は、導入路87に連通する。
【0027】
ハウジング73の入口85は、出口86よりも定着ベルト51から離間した位置、例えば導入部77の上部に形成される。一対のハウジング73の出口86は、例えば収容部78の下部に形成される。ハウジング73の出口86は、一対のブレード装置72と少なくとも部分的に整列された状態で回転軸線18に平行に延在している。ハウジング73の入口85は、シャフト71の回転軸線18に平行な方向において出口86に対してオフセットされた位置に形成されている。ハウジング73の入口85は、導入路87及び収容空間88を介して出口86に連通する。
【0028】
収容空間88で一対のブレード装置72が回転軸線18周りに回転すると、収容空間88が負圧になり、ハウジング73の入口85から空気が取り込まれる。入口から取り込まれた空気は、導入路87を回転軸線18に垂直な方向に流れ、導入路87の下部において回転軸線18に平行な方向に向きを変え、収容空間88に導入される。収容空間88に導入された空気は、一対のブレード装置72によってシャフト71の回転軸線18に実質的に垂直な方向に導かれ、出口86から定着ベルト51の両端部に向けて排出される。
【0029】
図2に示すように、一対のシャッタ74は、略円筒形状を有し、一対のハウジング73の収容部78を囲むようにそれぞれ配置される。一対のシャッタ74は、一対のハウジング73の出口86の開口面積を調整する。
図2に示すように、一対のシャッタ74の各々には、互いに面積の異なる複数の開口91,92,93が形成されている。複数の開口91,92,93は、シャッタ74の径方向において互いに離間した位置に形成されている。
【0030】
複数の開口91,92,93は、例えば矩形状の開口であり、シャフト71の回転軸線18に平行な方向に延在している。複数の開口91,92,93の各々は、回転軸線18に平行な方向において第1端部及び第2端部を有している。第1端部は、シャフト71の回転軸線18に沿った方向において、第2端部よりも外側に配置されている。
図2に示すように、回転軸線18に平行な方向において、複数の開口91,92,93の第1端部の位置は揃えられている。一方、回転軸線18に平行な方向において、複数の開口91,92,93の第2端部は互いに異なる位置に配置されている。具体的には、回転軸線18に平行な方向において、開口91の第2端部は開口92の第2端部よりも内側に配置され、開口92の第2端部は開口93の第2端部よりも内側に配置されている。
【0031】
したがって、シャフト71の回転軸線に平行な方向において、開口91の長さは開口92の長さよりも長く、開口92の長さは開口93の長さよりも長い。すなわち、複数の開口91,92,93の面積は、開口91,92,93の順で小さくなっている。
【0032】
例示的な冷却装置70は、シャフト71に隣接し、シャフト71の回転軸線18に平行に延在するシャフト75を更に備えている。シャフト75は、定着装置50のケーシング53に回転可能に支持されている。シャフト75には、駆動モータが連結され、当該駆動モータの駆動力によって回転する。シャフト75には、シャッタ74に係合する一対の回転ギヤ76が設けられている。一対の回転ギヤ76は、シャフト75の回転に伴って回転し、一対のシャッタ74を回転軸線18周りに回転させる。シャッタ74の回転角度は、制御装置80が駆動モータの動作を制御することにより、制御される。
【0033】
制御装置80は、定着ニップ領域14を通過する用紙5のサイズに応じてシャッタ74の回転角度を制御して、ハウジング73の出口86の開口面積を調整する。上述したように、定着ニップ領域14に幅の小さな用紙5を通す場合には、定着ベルト51の長手方向の端部に用紙5と接触しない非接触領域が形成される。非接触領域では熱が用紙5に奪われないので、定着ベルト51の温度が過剰に高くなることがある。定着装置50の冷却装置70は、定着ベルト51が過剰に加熱されることを抑制するために、定着ベルト51の非接触領域を冷却する。制御装置80は、出口86の開口面積を調整することで、定着ベルト51の非接触領域に向けて空気を供給して、非接触領域を選択的に冷却する。
【0034】
例えば、定着ベルト51の全長よりも小さな第1の幅を有する用紙5が定着ニップ領域14を通過する場合には、定着ベルト51の両端部に比較的大きな非接触領域が形成される。この場合には、
図6(a)に示すように、制御装置80は、ハウジング73の出口86とシャッタ74の開口91とが整列するようにシャッタ74を回転させる。これにより、一対のハウジング73の出口86が定着ベルト51に向けて開放され、一対のブレード装置72の回転に伴って一対のハウジング73の出口86から定着ベルト51の非接触領域に向けて空気が供給される。その結果、定着ベルト51の非接触領域が選択的に冷却される。
【0035】
定着ベルト51の全長よりも小さく、第1の幅よりも大きな第2の幅を有する用紙5が定着ニップ領域14を通過する場合には、定着ベルト51の両端部に比較的小さな非接触領域が形成される。この場合には、
図6(b)に示すように、制御装置80は、ハウジング73の出口86とシャッタ74の開口93とが整列するようにシャッタ74を回転させる。開口93の面積は開口91の面積よりも小さいので、シャッタ74の開口93を出口86上に配置することにより、一対のハウジング73の出口86の一部のみが定着ベルト51に向けて露出される。これにより、ハウジング73の出口86の開口面積が制限される。したがって、一対のブレード装置72の回転に伴って一対のハウジング73の出口86から定着ベルト51の非接触領域に向けて空気が供給される。その結果、定着ベルト51の非接触領域が選択的に冷却される。
【0036】
定着ベルト51の全長と同じ第3の幅を有する用紙5が定着ニップ領域14を通過する場合には、定着ベルト51の両端部に非接触領域が形成されない。この場合には、
図6(c)に示すように、制御装置80は、ハウジング73の出口86がシャッタ74の壁面で覆われるようにシャッタ74を回転させる。これにより、一対のハウジング73の出口86が閉鎖され、一対のハウジング73の出口86から定着ベルト51への空気の供給が停止される。上記のように、制御装置80によってシャッタ74の回転角度を制御して、一対のハウジング73の出口86の開口面積を調整することにより、定着ベルト51の冷却範囲が調整される。
【0037】
以上説明した定着装置50は、一対のブレード装置72を収容する一対のハウジング73を備え、一対のハウジング73の各々には、空気を取り込む入口85、及び、定着ベルト51の両端部に対向する出口86が形成されている。したがって、一対のブレード装置72の回転によって生成された空気の流れを定着ベルト51の両端部に形成された非接触領域に向けて供給し、定着ベルト51の非接触領域を選択的に冷却することができる。
【0038】
特に、一対のブレード装置72のような多翼ファンによって生成される空気の流れは、一般的な軸流ファンによって生成される空気の流れよりも整流されている。したがって、一対のブレード装置72として多翼ファンを用いることにより、整流ダクトを用いずに整流された空気の流れを定着ベルト51に供給することが可能である。したがって、一対のブレード装置72を定着ベルト51に近接させて配置することができ、その結果、定着装置50を小型化することが可能となる。
【0039】
次に、一対のブレード装置72を収容するハウジングの変形例について説明する。以下では、
図5に示すハウジング73との相違点について説明し、重複する説明は省略する。
図7(a)は、変形例に係るハウジング153を示す斜視図である。ハウジング153は、一対の入口185と1つの出口186を有している。シャフト71の回転軸線18に平行な方向において、出口186は、一対の入口185の間に形成されている。すなわち、一対の入口185は、回転軸線18に平行な方向において出口186に対してオフセットされている。このハウジング153は、一対の入口185を有しているので、より多くの空気をハウジング153内に取り込むことができる。
【0040】
図7(b)は、別の変形例に係るハウジング253を示す斜視図である。ハウジング253は、空気を取り込む入口285と、定着ベルト51に向けて開口する出口286とを有する。ハウジング253の入口285は、出口286に平行な面に沿って配置された第1開口部287と、当該第1開口部287に連続し、第1開口部287に対して傾斜する面に沿って配置された第2開口部288とを有する。ハウジング253の入口285は、第1開口部287に傾斜する面に沿って配置された第2開口部288を含むことにより、ハウジング73の入口85よりも大きな開口面積を有するので、より多くの空気をハウジング253内に取り込むことができる。
【0041】
図8(a)は、更に別の変形例に係るハウジング353を示す斜視図である。ハウジング353は、空気を取り込む入口385と、定着ベルト51に向けて開口する出口386とを有する。ハウジング353の入口385には、ハウジング353の内部に空気を吸引する吸気ファン387が設けられている。このハウジング353は、吸気ファン387を備えることにより、より多くの空気をハウジング353内に取り込むことができる。したがって、定着ベルト51の冷却効率を向上させることができる。
【0042】
図8(b)は、更に別の変形例に係るハウジング453を示す斜視図である。ハウジング453は、一対のブレード装置72を収容する点で一つのブレード装置72を収容するハウジング73と相違する。
図8(b)に示すように、ハウジング453は、一つの導入部477及び一対の収容部478を有する。シャフト71の回転軸線18に平行な方向において、導入部477は一対の収容部478の間に配置されている。一対のブレード装置72は、一対の収容部478の内部に収容される。導入部477の上部には、入口485が形成されている。一対の収容部478の下部には、定着ベルト51の両端部に向けて開口する一対の出口486が形成されている。
【0043】
このハウジング453では、入口485から取り込まれた空気は、一対の収容部478に分配され、一対のブレード装置72の回転に伴って一対の出口486から定着ベルト51の両端部に向けて排出される。このハウジング453は、一対のブレード装置72を収容するので、定着装置の部品点数を削減することができる。
【0044】
次に、ハウジング73の出口86の開口面積を調整するシャッタの変形例について説明する。以下では、
図6(a)~(c)に示すシャッタ74との相違点について説明し、重複する説明は省略する。
【0045】
図9(a)~(c)は、変形例に係るシャッタ174を示す斜視図である。シャッタ174には、開口191が形成されている。シャフト71の回転軸線18に平行な方向におけるシャッタ174の開口191の幅は、当該シャッタ174の径方向の位置によって異なっている。したがって、シャッタ174の回転角度を変化させると、シャッタ174がハウジング73の出口86に重なる面積が変化する。したがって、
図9(a)~(c)に示すように、用紙5の幅に応じて出口86の開口面積を無段階で調節することが可能となる。
【0046】
図10(a)~(c)は、別の変形例に係るシャッタ274を示す斜視図である。シャッタ274は、シャフト71の回転軸線18に平行な方向に延在する開口291を有する。シャッタ274の開口291は、ハウジング73の出口86に整列するように形成されている。シャッタ274は、回転軸線18に平行な方向に開口291に沿ってスライド可能なプレート292を備えている。このシャッタ274では、
図10(a)~(c)に示すように、不図示の駆動部によってプレート292の位置を変化させることで、ハウジング73の出口86の開口面積を無段階で調整することができる。
【0047】
図11(a)~(c)は、更に別の変形例に係るシャッタ374を示す斜視図である。シャッタ374は、シャフト71の回転軸線18に平行な方向に延在する開口391を有する。シャッタ374の開口391は、ハウジング73の出口86に整列するように形成されている。シャッタ374は、回転軸線18に垂直な上下方向に開口291に沿ってスライド可能なプレート392を備えている。シャフト71の回転軸線18に平行な方向におけるプレート392の幅は、上下方向の位置によって異なっている。このシャッタ374では、
図11(a)~(c)に示すように、不図示の駆動部によってプレート392の上下方向の位置を変化させることで、ハウジング73の出口86とプレート392の重なる面積が変化する。したがって、このシャッタ374では、ハウジング73の出口86の開口面積を無段階で調整することができる。
【0048】
本明細書に記載の全ての側面、利点及び特徴が、必ずしも、いずれかひとつの特定の例及び実施形態により達成される又は含まれるわけではないことは理解されたい。実際、本明細書において様々な例を記載し示したが、他の例もその配置及び詳細について修正することができることは明らかであるべきだ。ここに請求される保護主題の精神及び範囲に包含される全ての修正及び変形を請求する。
【0049】
なお、
図2に示す例では、冷却装置70は、定着ベルト51の長手方向の両端部を冷却しているが、定着ベルト51の長手方向の一方の端部のみを冷却してもよい。例えば、定着ニップ領域14に小さなサイズの用紙5を通す場合には、定着ベルト51の長手方向の中心に用紙5の中心を揃える手法と、定着ベルト51の長手方向の第1端部に用紙5の端を揃える手法とが存在する。定着ベルト51の第1端部に用紙5の端を揃える場合には、定着ベルト51の第2端部側のみに非接触領域が形成される。この場合には、冷却装置70は、定着ベルト51の第2端部側に形成された非接触領域にのみ空気を供給する。定着ベルト51の一方の端部のみを冷却する場合には、冷却装置70は、シャフト71の一方の端部側に固定された一つのブレード装置72と、当該ブレード装置72を収容する一つのハウジング73を備えていればよい。