(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039682
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
A63F5/04 605B
A63F5/04 691B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022142503
(22)【出願日】2022-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平川 善久
(72)【発明者】
【氏名】篠倉 和秀
(72)【発明者】
【氏名】木下 大
(72)【発明者】
【氏名】中東 和貴
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 智也
【テーマコード(参考)】
2C182
【Fターム(参考)】
2C182CA02
2C182CB03
2C182CD34
2C182EB11
(57)【要約】
【課題】遊技機の利便性を向上させる。
【解決手段】遊技者による所定操作に基づき、遊技者所有の情報からゲームを実行可能な遊技価値に変換するとともに、当該変換された遊技価値を記憶可能な記憶部を有する遊技機において、前記ゲームの実行に際して、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への変換を自動的に実行可能な自動変換手段と、を備え、前記自動変換手段は、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への自動変換を、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態において、前記操作手段が操作された場合に実行可能な構成とした。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による所定操作に基づき、遊技者所有の情報からゲームを実行可能な遊技価値に変換するとともに、当該変換された遊技価値を記憶可能な記憶部を有する遊技機において、
前記ゲームの実行に際して、遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段が操作された場合に、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への変換を自動的に実行可能な自動変換手段と、
を備え、
前記自動変換手段は、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への自動変換を、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態において、前記操作手段が操作された場合に実行可能とした
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記操作手段は、前記ゲームを実行するための賭け数を設定するものとし、
前記自動変換手段は、前記自動変換を実行した後、前記賭け数の設定を自動的に実行可能とした
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記遊技者所有の情報には、以前のゲームにおいて獲得した遊技価値情報と、金額情報とが含まれ、
前記自動変換手段は、前記金額情報からの自動変換よりも、前記遊技価値情報からの自動変換を優先的に実行可能とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
複数の情報を表示可能な表示手段と、
前記表示手段の表示制御を実行可能な表示制御手段と、
を備え、
前記表示制御手段は、所定のゲームが終了した時点で、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態となっている場合に、次のゲームにおいて前記自動変換が実行されることを事前に報知可能な情報を前記表示手段に表示させるための制御を実行可能とした
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記自動変換に関わる変換態様を外部操作に基づき設定変更可能な設定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記自動変換が実行されたことを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項7】
遊技者の操作に基づき、前記自動変換手段における自動変換を有効化させるか否かを設定可能な自動変換状態設定手段を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項8】
前記記憶部に前記遊技価値が記憶されている状態において、前記ゲームが所定時間実行されていない不正占有状態の発生を監視可能な監視手段を備え、
前記自動変換状態設定手段は、前記監視手段による監視結果に基づき、前記自動変換の有効化を解除可能とした
ことを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メダルなどの物理的な遊技媒体の介在なしに遊技を行えるスロットマシンなどの遊技機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような従来の遊技機には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技者による所定操作に基づき、遊技者所有の情報からゲームを実行可能な遊技価値に変換するとともに、当該変換された遊技価値を記憶可能な記憶部を有する遊技機において、前記ゲームの実行に際して、遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への変換を自動的に実行可能な自動変換手段と、を備え、前記自動変換手段は、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への自動変換を、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態において、前記操作手段が操作された場合に実行可能な構成としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】遊技機における外観を示す概略正面図である。
【
図2】遊技機における内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】遊技機における制御構成を示すブロック図である。
【
図4】遊技機における遊技方法を示すフローチャートである。
【
図5】遊技機における非不正占有状態と不正占有状態の遷移を説明するための図である。
【
図6】遊技機における不正占有状態中の持メダル数表示器と演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図7】遊技機における不正占有状態中の持メダル数表示器と演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図8】遊技機における主制御部での不正占有状態を監視するための監視タイマーの更新を開始させるタイマー更新開始処理を示すフローチャートである。
【
図9】遊技機における主制御部での不正占有状態を監視するための監視タイマーの更新を行うタイマー更新処理を示すフローチャートである。
【
図10】遊技機における主制御部での不正占有状態の報知を行うための不正占有状態移行処理を示すフローチャートである。
【
図11】遊技機における主制御部での不正占有状態を不能動化させるための不正占有状態監視不能動化処理を示すフローチャートである。
【
図12】遊技機における不正占有状態の監視時間の変更内容を説明するための図表である。
【
図13】遊技機における主制御部でのタイマー更新処理の変更例のフローチャートである。
【
図14】遊技機における遊技メダル数が「2」以下の場合にMAXベットボタンが操作された際に行われる主制御部での自動変換処理を示すフローチャートである。
【
図15】遊技機における持メダル数から自動変換が行われた場合の遊技メダル数表示器と持メダル数表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図16】遊技機における金額情報から自動変換が行われた場合の遊技メダル数表示器、持メダル数表示器および金額情報表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図17】遊技機における自動変換の事前報知が行われた場合の演出表示器の表示内容を説明するための図である。
【
図18】遊技機における自動変換の設定内容を説明するための図表である。
【
図19】遊技機における自動変換情報を外部に出力する際に行われる主制御部での外部出力処理を示すフローチャートである。
【
図20】遊技機における自動変換機能の変形例であり、自動変換を有効にするか否かを切り替えるための主制御部での自動変換状態切替処理を示すフローチャートである。
【
図21】遊技機における自動変換機能の変形例であり、自動変換が有効にされた場合の演出表示器での表示内容を説明するための図である。
【
図22】遊技機における自動変換機能の変形例であり、不正占有状態が発生した場合に自動変換を無効化するための主制御部での自動変換無効化処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明に係る遊技機の好ましい実施形態について説明する。
本実施形態の遊技機は、実物のメダル(遊技媒体)を使用せず、メダルをデータとして管理し、当該データ形式の疑似遊技媒体を使用して遊技を行う遊技機(以下、メダルレス遊技機という)である。
以下、メダルレス遊技機として、AT状態(ART)状態を有する6号機のスロットマシンに適用した例を説明するが、これに限らず、例えば、リアルボーナスの遊技が可能なAタイプのスロットマシンに本発明を適用することもできる。
なお、メダルレス遊技機で使用されるデータとしてのメダルを「遊技メダル」と称し、過去の遊技で獲得した「遊技メダル」を遊技店側(管理装置、専用ユニット)に預けたデータとしてのメダルを「持メダル」と称する。
【0008】
本発明に係る遊技機の実施形態について、
図1~
図22を参照して説明する。
【0009】
図1は、メダルレス遊技機(遊技機)の外観を示す概略正面図である。
図2は、メダルレス遊技機(遊技機)の内部構成を示す概略斜視図である。
図1、2に示すように、メダルレス遊技機1は、筐体1bと、この筐体の開口部を開閉可能に覆う前扉1aを備えている。
前扉1aの中央部には、後方を視認可能な表示窓6が形成されており、この表示窓6を透して、リール41に表された図柄を視認することができる。
表示窓6の下方には、前側に突出する段部が形成されており、この段部の周辺に、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、演出ボタン2g、計数ボタン2c、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5などの操作手段や、遊技メダル数表示装置7、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2fなどの報知手段を設けている。
表示窓6の側部には、有利区間ランプ13を設けており、表示窓6の上方には、遊技者に停止ボタン5の操作順序をナビゲートするナビランプ12を備えている。
前扉1aの上部には、報知手段として動作する演出表示器8を備えている。演出表示器8は、例えば、1画面の液晶表示器を例示することができるが、これに限らず、複数画面の構成(例えばメイン画面とサブ画面)でもよい。なお、演出表示器8に代え又は加えて前扉1aの下部(下パネル)に液晶表示器を設けても良く、必ずしも演出表示器8を設けなくてもよい。
【0010】
演出表示器8の側方には、報知手段として動作する、音による演出や報知を行うスピーカ9や、各役の入賞時や演出表示器8で表示される演出に対応して光の演出や報知を行うランプ11を備えている。
【0011】
筐体1bの内部には、遊技を統括的に制御するCPUを実装した主制御部10を備え、また、主制御部10の制御下で遊技の演出等に関する制御を行うCPUを実装した副制御部20を備えている。
また、筐体1bの内部には、ドラムユニット4を備えている。ドラムユニット4は、水平方向に並設される3つのリール41a~41cを備え、これらリール41が、ステッピングモータ(図示省略)の駆動によりそれぞれ回転可能に構成されている。
各リール41a~41cの外周面には、所定の配列に従って複数の図柄(識別情報)が表され、リール41の停止状態において、各リール41a~41cについて、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が表示窓6を透して視認可能となっている。
筐体1bの内部には、主制御部10及び副制御部20を含む各装置に電力を供給するための電源装置15を設けている。
筐体1bの内部には、遊技メダル数クリアボタン14や確率設定装置16が設けられており、台間装置である専用ユニット19が、各メダルレス遊技機1に対応して遊技機の外部に隣接されている(図示省略)。
【0012】
図3に示すように、主制御部10には、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2d、スタートレバー3、停止ボタン5、専用ユニット19、ドラムユニット4、有利区間ランプ13、計数ボタン2c、遊技メダル数表示装置7、遊技メダル数クリアボタン14、確率設定装置16、電源装置15などの各部が接続されている。
なお、
図3の破線部(専用ユニット19)は外部の機器であることを示している。
主制御部10は、遊技に関する抽選を実行可能な抽選手段として機能するほか、上記各部の動作を検知・制御したり、遊技状態を移行したり、所定のタイミングで、所定のコマンド(制御情報)を副制御部20に出力する。
また、主制御部10は、遊技者が所有する遊技価値(遊技メダル)を記憶可能な記憶部を有し、記憶部に記憶されている遊技価値に基づきゲームを実行させる制御を行う。
副制御部20には、ナビランプ12、計数ボタンランプ2e、ベット数ランプ2f、演出表示器8、スピーカ9、ランプ11、演出ボタン2gなどの各部が接続されている。
副制御部20は、演出制御手段として動作し、主制御部10からのコマンド(制御情報)に応じて、上記各部の動作を制御する。
主制御部10および副制御部20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、監視手段、報知手段、時間計数手段、自動変換手段、表示制御手段、外部出力手段、自動変換状態設定手段が構成される。
【0013】
要部の動作について説明する。
遊技メダル数表示装置7は、遊技価値表示手段であり、遊技に使用可能な遊技メダル(遊技価値)の総数を表示する。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7に表示されている遊技メダル数の範囲内で遊技メダルを投入して遊技を行うことができる。
遊技メダル数表示装置7は、記憶手段(RAMなど)と、例えば、7セグLEDで構成された遊技メダル数表示器7a(
図6参照)とを備え、主制御部10は、遊技メダルが貸し出されたり付与されたりした場合は、その貸出数や付与数を加算することで、加算結果(総計)を「遊技メダル数」として記憶手段に記憶(記録)し、遊技メダル数表示器7aに表示する。
また、主制御部10は、遊技メダルが投入されると、遊技メダル数表示装置7において「記憶・表示」している「遊技メダル数」から投入数を減算する。
遊技メダルの貸出しは、台間装置である専用ユニット19の貸出操作により行われ、遊技メダルの投入は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作により行われる。
遊技メダル数表示装置7において記憶・表示可能な遊技メダル数(遊技価値の量)には、上限値(例えば16300とする)が設定されており、例えば入賞による付与により遊技メダルの総計が上限値を超過すると遊技ができないように「遊技不可」の制御が実行される。
「遊技不可」の状態では、スタートレバー3、ベットボタン2a、MAXベットボタン2b、精算ボタン2dの各操作を受付けないようにしている。
【0014】
ベットボタン2a及びMAXベットボタン2bは、遊技の開始に際して遊技メダルを投入(ベット)するために使用される操作手段である。
ベットボタン2aは、押圧操作によりベット数「1」を設定(一時的にRAMに記憶)し、MAXベットボタン2bは、最大のベット数「3」を設定(一時的にRAMに記憶)する。
主制御部10は、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの押下操作に応じ、対応するベット数を遊技メダル数表示装置7にて記憶・表示されている遊技メダル数から減算する。
【0015】
スタートレバー3は、遊技メダルが投入された後に、遊技者が遊技を開始する際に操作する操作手段である。
停止ボタン5は、スタートレバー3の操作に応じて回転するリール41を停止する際に押圧操作する操作手段である。
【0016】
計数ボタン2cは、遊技者が獲得した遊技メダルを計数処理する場合に操作する操作手段である。
具体的には、計数ボタン2cは、遊技メダル数表示器7aに表示される遊技メダル(遊技価値)の少なくとも一部を計数データとして専用ユニット19(外部)に出力するために操作する計数操作手段である。
このため、計数ボタン2cは、遊技を終了する際において操作されるが、これに限らず、原則いつでも(遊技中や遊技不可の状態でも)操作可能である。
計数ボタン2cは、押下態様によって計数の量が異なる。
例えば、計数ボタン2cが「短押し」(例えば500ミリ秒未満押下)された場合、主制御部10は、「1」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち計数量「1」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する処理を実行する。
【0017】
計数ボタン2cが「長押し」(例えば500ミリ秒以上押下)された場合、主制御部10は、最大「50」の遊技メダルが計数されたこと、すなわち、最大計数量「50」を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。この場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量(最大「50」)を減算する処理を実行する。
例えば、遊技メダル数表示器7aにおいて「50以下」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cが長押しされた場合、最大「50」の遊技メダルが計数されることから、すべての遊技メダル数が計数される。
この場合、主制御部10は、計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量を減算する。
この結果、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は「0」に更新される。
また、遊技メダル数表示器7aにおいて「50超」の遊技メダル数が表示されている状態において計数ボタン2cの長押しが継続された場合、1回目の長押し検知に応じ遊技メダル数「50」が計数され、2回目以降の長押し検知のたび(例えば300ミリ秒ごと)に最大「50」の遊技メダルが計数される。
この場合、主制御部10は、計数総量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力すると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数総量を減算する。
なお、長押し継続に基づく専用ユニット19への計数データの出力は、長押し継続の終了時に計数総量を特定可能な計数データを一括で出力してもよく、長押し検知のたびに計数量(最大50)を特定可能な計数データを個別出力してもよい。
専用ユニット19側では、例えば専用ユニット19に設けられた返却ボタン(図示略)が操作されるまでの計数量の総数を持メダル数として管理する。
また、通常の計数ボタン2c以外に、例えば短押しで100枚計数できるボタンや、長押ししても500枚までで止めてくれる計数ボタンなど、別個の計数ボタンを設けてもよい。
【0018】
このように、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数は、計数処理によって減算することができる。
このため、遊技メダル数が上限値を超過することで「遊技不可」の状態になった場合、対処方法として、計数ボタン2cの操作により遊技メダル数を上限値以下に減らすことで「遊技不可」の状態を解除することができる。
【0019】
遊技メダル数クリアボタン14は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数をリセットする(0にする)ための店員用の操作手段である。
遊技メダル数クリアボタン14が操作された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「0」に更新する。
このため、「遊技不可」の状態は、店員による遊技メダル数クリアボタン14の操作によっても解除することができる。
【0020】
精算ボタン2dは、設定されたベット数を遊技メダル数表示装置7に返却(移行)する場合に操作する操作手段である。
例えば、ベット数「1」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダルに「1」を加算する。
ベット数「2」が設定されている状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「2」を加算する。
ベット数「3」が設定された状態で精算ボタン2dが押下操作された場合、主制御部10は、ベット数をクリアすると共に、遊技メダル数表示器7aにおいて表示されている遊技メダル数に「3」を加算する。
つまり、精算ボタン2dは、ベット数(賭け数)として設定された遊技メダル(遊技価値)を、遊技メダル数表示器7a(遊技価値表示手段)に表示される遊技メダル数(遊技価値)に加えるために操作可能な特定操作手段である。
このため、遊技者は、遊技を終了する場合、ベット数ランプ2fが点灯していることによりベット数が設定されていることを確認したときは、精算ボタン2dを押下すればよい。
これにより、設定中のベット数の遊技メダル数が遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に加算されるため、その後、計数ボタン2cを押下操作すればベット数も合わせて返却することができる。
【0021】
なお、ベットボタン2aなど他の操作手段に精算ボタン2dの機能を持たせることもできる。
例えば、ベットボタン2aを「短押し」した場合はベット数「1」を設定し、ベットボタン2aを「長押し」した場合は精算ボタン2dの動作(上記返却動作)を行うようにできる。
【0022】
ベット数ランプ2fは、ベット数が設定されたことや、ベット数(1~3ベット)をLEDの点灯により、遊技開始前に報知する報知手段である。
副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数「1」が設定された状態において1つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」のランプ)を点灯し、ベット数「2」が設定された状態において2つのランプ(例えば
図1に示す「1BET」と「2BET」のランプ)を点灯し、ベット数「3」が設定された状態において3つのランプ(例えば、
図1に示す「1BET」と「2BET」と「3BET」のランプ)を点灯する制御を行う。
すなわち、ベット数ランプ2fは、賭け数表示手段であり、遊技における賭け数として設定されたベット数(遊技価値)を少なくとも遊技開始前に表示するようにしている。
副制御部20は、主制御部10からの遊技の開始(スタートレバー3の操作)を特定する情報の受信に基づき、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
【0023】
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、ベット数に対応する遊技メダルが投入された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
また、副制御部20は、主制御部10からの制御情報の受信に基づき、精算ボタン2dが操作されてベット数が遊技メダル数に移行された場合に、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
つまり、ベット数ランプ2fは、ベット数が設定された状態において点灯し、遊技メダルの投入、あるいは遊技メダルの精算(返却)に応じて消灯する。
なお、ベット数ランプ2fとは別個に、ベット数を表示するための表示手段を設けて、当該表示手段を主制御部10で直接制御するようにしてもよい。
【0024】
有利区間ランプ13は、遊技者にとって有利な状態である旨を報知する報知手段である。
有利区間ランプ13は、有利区間中に点灯するが、有利区間中で、かつ、メダルが増加する遊技状態(AT状態等)中に点灯するようにしてもよい。
ただし、有利区間ランプ13を設けつつ、ランプを点灯しないようにもできる。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよい。この場合、AT状態中の認識が困難にならないように、有利区間ランプ13に代えてAT状態中に点灯するランプなどを設けることが好ましい。
【0025】
確率設定装置16はAT状態の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能である。
主制御部10は、遊技場の店員による確率設定装置16における確率設定操作に基づき、何れか1つの設定値を記憶部に記憶し、当該記憶された設定値に基づいてAT状態の当選確率を制御する。例えば、設定1が最も低い当選確率であり、大きい数字ほど当選確率が高くなっている。
【0026】
専用ユニット19は、遊技メダルの貸し出しを行う貸出装置である。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1の外部に併設され、メダルレス遊技機1とは接続端子板を介してデータ通信可能に接続されている。
専用ユニット19において現金の投入(紙幣)などの貸出操作が行われると、専用ユニット19は、遊技メダルの貸出数を特定可能な貸出データをメダルレス遊技機1に出力する。
メダルレス遊技機1では、主制御部10が、入力した貸出データに基づいて遊技メダルの貸出数を特定し、当該貸出数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数に加算する。
【0027】
専用ユニット19は、遊技メダルの返却を行う返却装置でもある。
具体的には、メダルレス遊技機1は、計数ボタン2cの操作に基づき、遊技メダルの計数量を特定可能な計数データを専用ユニット19に出力する。
専用ユニット19は、メダルレス遊技機1から出力された計数データを入力すると、当該計数データに基づき特定された遊技メダルの計数量を持メダル数として管理する。
【0028】
専用ユニット19には、例えば、7セグLEDで構成された持メダル数表示器19a(
図15参照)が設けられていて、記憶管理されている持メダル数を持メダル数表示器19aに表示するようになっている。
また、専用ユニット19は、カードユニット(図示省略)を備えており、カードユニット(図示省略)において持メダル数をICカードに記憶(記録)することができる。
ICカードは、専用ユニット19に設けられた返却ボタンの操作(返却操作)によりカードユニットから排出されることができる。
排出されたICカードは、遊技場に設けられた景品交換コーナーに渡すことで、持メダル数と景品とを景品交換したり、他の専用ユニット19のカードユニットに挿入することで、持メダル数を使用して再遊技することができる。
専用ユニット19と遊技メダル数表示装置7とは連動しており、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示している遊技メダル数が少なくとも「1」以上あればICカードを返却操作により排出できず、遊技メダル数が「0」の場合に限りICカードを返却操作により排出できるようになっている。
つまり、遊技者は、遊技メダル数をすべて計数した後でなければICカードを取得することができない。
これにより、遊技者が、残存する遊技メダルの返却漏れを無くすことができる。
【0029】
専用ユニット19は、ホールコンピュータや管理コンピュータと呼ばれるコンピュータと中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、アウト、セーフなどの遊技情報や売上情報等をコンピュータに出力できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
これにより、例えば、コンピュータにおいてアウト数、セーフ数、景品玉数などを遊技機毎に集計したり、これらの遊技情報により誤差玉を算出できるようになっている。
【0030】
また、専用ユニット19は、遊技者が係員(店員)を呼び出す際に操作する呼出ボタンや、係員が呼び出されたことを報知する呼出ランプ等が設けられた呼出装置(図示略)と中継装置を介して又は直接接続することが可能であり、メダルレス遊技機1から受信したゲームの実行情報や特別遊技状態(AT状態等)の発生情報などの遊技情報を呼出装置に出力できるようになっている。
【0031】
メダルレス遊技機1における遊技(メダルレス遊技ともいう)について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
まずは、ステップS1で、遊技開始処理を実行する。
遊技開始処理では、まず、メダルレス遊技機1は、専用ユニット19から出力された貸出データを入力する。
具体的には、遊技者が、専用ユニット19において遊技メダルの貸出操作を行うと、専用ユニット19から貸出数を特定可能な貸出データが出力されるので、メダルレス遊技機1は、この貸出データを入力する。
メダルレス遊技機1は、貸出データを入力すると、主制御部10が、当該貸出データに基づいて貸出数を特定し、当該貸出数に対応する遊技メダル数を遊技メダル数表示装置7において記憶・表示させる。
「貸出数」が「100」の場合、遊技メダル数表示装置7において表示されている初期の遊技メダル数は「0」であるから、「0」から「100」(=0+100)に更新される。
遊技開始処理では、次に、遊技者による操作に応じ、遊技メダルの投入を行う。
具体的には、ベットボタン2a又はMAXベットボタン2bの操作に応じ、1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数を設定する。
遊技メダル数表示装置7において遊技メダル数「100」が表示されている状態で、ベット数「3」が設定された場合、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数を「100」から「97」(=100-3)に更新し、副制御部20は、ベット数ランプ2fが有する「3BET」のランプを点灯させる。
1回の遊技に使用される遊技メダル数としてベット数(例えば3ベット)が設定されると、遊技開始可能な状態となり、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。
なお、メダルレス遊技機1をベット数「3」でのみゲームを実行可能としてもよい。
【0032】
次に、ステップS2で、抽選処理を実行する。
遊技開始な状態において、スタートレバー3が傾動操作されるとゲームが開始され、主制御部10は、複数の当選役の中から、今回ゲームの当選役を決定する内部抽選処理を実行する。
副制御部20は、スタートレバー3の傾動操作に応じ、ベット数ランプ2fを消灯する制御を行う。
ベット数ランプ2fの消灯により、投入(ベット)された遊技メダル数が使用されたことが示される。
【0033】
次に、ステップS3で、リール回転処理を実行する。
具体的には、主制御部10が、複数の図柄の表されたリール41a~41cの変動を開始させる。各リール41a~41cは、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達すると、各リール41a~41cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0034】
次に、ステップS4で、リール停止処理を実行する。
各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、主制御部10は、操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止表示するように、各リール41a~41cの停止制御を行う。
【0035】
次に、ステップS5で、入賞処理を実行する。
主制御部10は、リール41の停止制御では、停止ボタン5の操作タイミングに基づき、内部抽選処理の当選結果に応じた図柄の組合せで停止するように制御が行われるところ、第3停止操作後に、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定した結果、所定の図柄の組合せであるときに入賞と判定する。
なお、第3停止操作後とは、遊技者が第3リールを停止するために停止操作した停止ボタン5から指等を離した時点後のことをいい、第3リールとは、3つのリール41a~41cの停止操作が各1回ずつ計3回された場合において、その最後である3操作目に停止操作(第3停止操作)されたリールをいう。
【0036】
次に、ステップS6で、払出処理(付与処理)を実行する。
特定の小役について入賞したことが判定された場合、対応する数の遊技メダルを付与する(払い出す)処理を実行する。
主制御部10は、例えば、10枚役に入賞したことを判定した場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数に付与数「10」を加算する。
【0037】
次に、ステップS7で、遊技終了処理を実行する。
遊技終了処理では、遊技メダルの計数処理を実行する。
具体的には、遊技者により計数ボタン2cが操作されると、主制御部10は、遊技メダル数表示装置7に記憶・表示されている遊技メダル数を計数する。
より具体的には、計数ボタン2cが短押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から計数量「1」を減算する。
計数ボタン2cが長押しされた場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を減算する。
計数ボタン2cの長押しが継続された場合、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数から最大計数量「50」を続けて減算する。
これにより計数量を特定可能な計数データが専用ユニット19に出力される。
専用ユニット19は、入力した計数データに基づき計数量の総数を持メダル数として記憶する。
専用ユニット19では、返却操作に応じ、カードユニットにおいて持メダル数がICカードに記憶され、次いで、当該ICカードがカードユニットから排出される。
なお、ICカードは、遊技メダル数表示装置7において記憶・表示されている遊技メダル数が「0」の場合にのみ排出可能である。
このため、遊技者は、遊技メダル数表示装置7において表示されている遊技メダル数が「0」になるまで計数ボタン2cを操作して計数処理を実行させる必要がある。
遊技者は、排出されたICカードに基づいて再遊技や景品交換を行うことができる。
再遊技は、S1において現金を投入する代わりに、ICカードをカードユニットに挿入する。
これにより、専用ユニット19における貸出操作等に応じ遊技開始処理(S1)が実行可能になり、次いで、抽選処理(S2)~払出処理(S6)が実行可能になる。
本発明に係るメダルレス遊技機1は、上述の構成に加え、以下の特徴的な構成を備えている。各項目の構成をそれぞれ単独で搭載してもよく、組み合わせて搭載してもよい。
【0038】
<不正占有状態の監視機能>
次に、
図5~
図13を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における不正占有状態の監視機能について説明する。
【0039】
[不正占有状態に関わる状態移行]
まず、
図5を参照して、本実施形態のメダルレス遊技機1における不正占有状態に関わる状態移行について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、従来の遊技機とは異なり、物理的な遊技メダルを使用しないで遊技を実行する構成であるので、遊技者は、遊技メダル数表示器7aに表示されている遊技メダル数を確認しながらメダルレス遊技機1での遊技を行うようになっている。
また、遊技者が飲み物を購入する際等にメダルレス遊技機1を一時的に離席した場合にも、遊技メダル数表示器7aに遊技メダル数が表示されているので、この表示を確認した他の遊技者は、当該メダルレス遊技機1が離席中の遊技者の占有状態であることを認識できるので、当該メダルレス遊技機1で他の遊技者が間違って遊技を行ってしまうといったことを防止でき、遊技者間のトラブルを未然に防止可能となっている。
【0040】
しかしながら、遊技者の遊技メダルの計数忘れや悪戯等により、比較的少数(例えば、10枚等)の遊技メダルが残っている状態、すなわち遊技メダル数表示器7aに少数の遊技メダルが表示されている状態で、遊技者がメダルレス遊技機1での遊技を終了してしまった場合には、この遊技メダル数表示器7aにおける遊技メダル数の表示により、他の遊技者が当該メダルレス遊技機1での遊技を敬遠しまうこととなる。
このような状況が生じてしまうと、実際にはメダルレス遊技機1が特定の遊技者に占有されていないにも関わらず、当該メダルレス遊技機1での遊技が長時間行われない不正占有状態となってしまい、メダルレス遊技機1での稼働率が低下して遊技店側の不利益が多大になってしまうといった問題点があった。
そこで、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、以下のように不正占有状態を監視する機能を設けることで、メダルレス遊技機1の不正占有状態が長時間行われてしまうことを防止可能としている。
【0041】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、
図5に示すように、主制御部10は、メダルレス遊技機1の稼働に関する遊技状態を、大別して、メダルレス遊技機1が不正に占有されておらず通常に稼働している非不正占有状態と、メダルレス遊技機1が不正に占有されていて通常に稼働していない不正占有状態と、により管理するようにしている。
さらに、不正占有状態が発生した場合には、当該不正占有状態の発生初期時には第1不正占有状態として管理し、第1不正占有状態が所定期間継続した後では第2不正占有状態として不正占有状態を管理するようにしている。
【0042】
主制御部10では、詳細は後述するが、記憶部に記憶されている遊技メダル数と、メダルレス遊技機1においてゲームが実行されていない時間と、に基づき不正占有状態を検知可能としていて、非不正占有状態において、記憶部に所定数(例えば、50枚)未満の遊技メダルが記憶されている状態のままゲームが実行されていない時間が所定時間(例えば、第1時間としての60秒)経過した場合に、遊技状態を第1不正占有状態に移行するようにしている(
図5の矢印a)。
さらに、第1不正占有状態において、記憶部に所定数(例えば、50枚)未満の遊技メダルが記憶されている状態のままゲームが実行されていない時間が所定時間(例えば、第2時間としての10分)経過した場合に、遊技状態を第2不正占有状態に移行するようにしている(
図5の矢印c)。
【0043】
例えば、主制御部10は、記憶部に所定数未満の遊技メダルが記憶されている状態において、所定のゲームが終了した時点でタイマーを作動させて、その後ゲームが実行されていない間にタイマーを更新することでゲームが実行されていない時間を監視し、そのタイマーの更新値が第1時間に達した場合に、遊技状態を第1不正占有状態に移行させ、さらにその後タイマーの更新値が第2時間に達した場合に、遊技状態を第2不正占有状態に移行させるのである。
【0044】
一方、第1不正占有状態において、ゲームが実行された場合、あるいは記憶部に記憶されている遊技メダルが無くなった場合に、遊技状態を非不正占有状態に移行するようにしている(
図5の矢印b)。
【0045】
また、主制御部10では、非不正占有状態において、記憶部に所定数(例えば、50枚)以上の遊技メダルが記憶されている状態のままゲームが実行されていない時間が所定時間(例えば、第3時間としての15分)経過した場合に、遊技状態を直接第2不正占有状態に移行するようにしている(
図5の矢印d)。
そして、第2不正占有状態において、ゲームが実行された場合、あるいは記憶部に記憶されている遊技メダルが無くなった場合に、遊技状態を非不正占有状態に移行するようにしている(
図5の矢印e)。
以上のように、メダルレス遊技機1の稼働に関する遊技状態が管理され、不正占有状態が発生した場合には、所定の報知が行われたり、管理コンピュータ(管理装置)への情報の送信が行われたりすることで、不正占有状態の防止に関わる各種処理が行われることとなるのである。
また、主制御部10の記憶部に記憶されている遊技メダル数が、所定数未満の場合と、所定数以上の場合とで異なる態様で不正占有状態の移行が行われることとなるのである。
【0046】
[不正占有状態の報知]
次に、
図6、
図7を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における不正占有状態の報知について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、不正占有状態が発生した場合に、遊技店内の遊技者や係員にその旨を報知する機能を備えている。
例えば、遊技するメダルレス遊技機1を探している遊技者が、不正占有状態の報知により不正占有状態となっているメダルレス遊技機1の存在に気付いて係員に知らせることが可能となり、また、知らされた係員は、その不正占有状態を解除することが可能となるので、メダルレス遊技機1の稼働率が低下してしまうことを防止することができるのである。
【0047】
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、不正占有状態の報知を、遊技メダル数表示器7a(遊技メダル数表示装置7)と演出表示器8により行うようにしている。
すなわち、主制御部10では、不正占有状態として第1不正占有状態が発生した場合に、遊技メダル数表示器7aの表示態様を変更することで、第1不正占有状態の発生を報知するのである。
また、主制御部10では、不正占有状態として第2不正占有状態が発生した場合には、上記遊技メダル数表示器7aでの報知の他に、副制御部20に第2不正占有状態の発生を特定可能な制御情報を送信して、演出表示器8に所定の画像を表示させることで、第2不正占有状態の発生を報知するのである。
【0048】
図6は、主制御部10の記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(50枚)未満の場合の非不正占有状態において、不正占有状態が発生した場合の遊技メダル数表示器7aと演出表示器8での表示態様(表示内容)を示している。
すなわち、
図6においては、遊技メダル数が所定数未満である「2」の場合に、まず第1不正占有状態に移行し、その後第2不正占有状態に移行した場合を示している。
【0049】
まず、
図6(a)は、非不正占有状態における遊技メダル数表示器7aでの表示態様を示している。
図6(a)に示すように、非不正占有状態において遊技メダル数が「2」のときには、主制御部10の制御により、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「2」の数値情報が表示される。
このとき、主制御部10では、遊技メダル数表示器7aの発光部は常時点灯により数値情報を表示するようにしている。
【0050】
そして、遊技メダル数が所定数未満である「2」の場合において、ゲームが実行されていない時間が第1時間(例えば、60秒)に達した場合には、主制御部10は、第1不正占有状態が発生したと判断して、遊技メダル数表示器7aの表示態様を、第1不正占有状態を報知可能な第1不正占有表示(第1不正占有報知)に切り替えて、それ以降においても第1不正占有表示での表示制御を行う。
第1不正占有表示(第1不正占有報知)は、
図6(b)と(c)に示すように、遊技メダル数の表示と、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間(ゲームが実行されていない時間)の表示と、を所定時間(例えば、10秒)毎に切り替える交互切替表示により行われる。
【0051】
したがって、遊技メダル数表示器7aにおいては、
図6(b)に示す、遊技メダル数である「2」の数値情報と、
図6(c)に示す、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間である「90」の数値情報が交互に切り替わって表示されることとなる。
なお、
図6(b)と(c)においては、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が90秒であった場合を示しているので、その時間に対応した「90」の数値情報が遊技メダル数表示器7aに表示されることとなるが、時間経過とともに数値情報も更新されることとなる。
また、このとき、遊技メダル数を表示する場合の発光色と、経過時間を表示する場合の発光色とを異ならせてもよい。
【0052】
このように、第1不正占有状態が発生した場合には、遊技メダル数表示器7aの表示態様が変化して第1不正占有表示(第1不正占有報知)が行われることから、他の遊技者や係員は第1不正占有状態が発生したことを認識することとなるのである。
また、そのときメダルレス遊技機1が不正に占有されている時間も表示されることから、例えば、係員は第1不正占有状態となっている時間を把握することが可能となり、第1不正占有状態となっている時間に応じた適切な対応(呼出放送、不正占有状態の解除等)を行うことが可能となるのである。
【0053】
そして、上記した遊技メダル数が所定数未満である「2」の場合において、ゲームが実行されていない時間が、さらに第2時間(例えば、10分)に達した場合には、主制御部10は、不正占有状態を第2不正占有状態に移行させて、遊技メダル数表示器7aと演出表示器8の表示態様を、第2不正占有状態を報知可能な第2不正占有表示(第2不正占有報知)に切り替え、それ以降においても第2不正占有表示での表示制御を行う。
第2不正占有表示(第2不正占有報知)は、
図6(d)、(e)および(f)に示すように、遊技メダル数表示器7aでの表示態様は、第1不正占有表示と同様に行われ、それに加えて、演出表示器8において、離席している遊技者を呼び出す画像と、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が表示される。
すなわち、遊技メダル数表示器7aにおいてのみ行われる報知が第1不正占有報知となるのに対して、遊技メダル数表示器7aと演出表示器8の両方で行われる報知が第2不正占有報知となるのである。
【0054】
したがって、遊技メダル数表示器7aにおいては、
図6(d)に示す、遊技メダル数である「2」の数値情報と、
図6(e)に示す、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間である「660」の数値情報の交互切替表示が継続して実行されるとともに、
図6(f)に示すように、演出表示器8においても、画面の略中央部に、当該遊技メダルの所有者を呼び出していることを示す「呼出中」の文字情報からなる呼出画像30aと、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間である11分(660秒)を示す「経過時間:11分00秒」の経過時間画像30bが表示されることとなる。
【0055】
なお、
図6(d)~(f)においては、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が660秒であった場合を示しているので、その時間に対応して、遊技メダル数表示器7aには、「660」の数値情報が表示され、演出表示器8には、「経過時間:11分00秒」が経過時間画像30bとして表示されることとなるが、時間経過とともに各数値情報も更新されることとなる。
また、このとき、ランプ11を所定態様で発光させたり、スピーカ9から所定の効果音を出力したりして、第2不正占有状態が発生したことを報知するようにしてもよい。
【0056】
このように、第2不正占有状態が発生した場合には、遊技メダル数表示器7aにおける表示態様の変化に加えて、演出表示器8における表示態様を変化させることで第2不正占有表示(第2不正占有報知)が行われることから、第1不正占有表示よりも目立った態様で第2不正占有表示が行われることとなり、他の遊技者や係員は第2不正占有状態が発生したことを容易に認識することが可能となるのである。
また、そのときメダルレス遊技機1が不正に占有されている時間も表示されることから、例えば、係員は不正占有状態(第1不正占有状態および第2不正占有状態)となっている時間を把握することが可能となり、不正占有状態となっている時間に応じた適切な対応(呼出放送、不正占有状態の解除等)を行うことが可能となるのである。
特に、メダルレス遊技機1が不正に占有されている時間が長時間となっている場合には、不正占有状態を解除することが好ましいが、このような処置を迅速に行うことが可能となるのである。
【0057】
次に、
図7は、主制御部10の記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(50枚)以上の場合の非不正占有状態において、不正占有状態が発生した場合の遊技メダル数表示器7aと演出表示器8での表示態様(表示内容)を示している。
すなわち、前述したように、遊技メダル数が所定数(50枚)以上の場合には、所定数未満の場合とは異なる移行態様で不正占有状態に移行することとなるが、
図7においては、遊技メダル数が所定数以上である「150」の場合に、第1不正占有状態には移行せずに、直接第2不正占有状態に移行した場合を示している。
【0058】
まず、
図7(a)は、非不正占有状態における遊技メダル数表示器7aでの表示態様を示している。
図7(a)に示すように、非不正占有状態において遊技メダル数が「150」のときには、主制御部10の制御により、5桁のLEDからなる遊技メダル数表示器7aに「150」の数値情報が表示される。
このとき、図示は省略するが、主制御部10では、遊技メダル数表示器7aの発光部は常時点灯により数値情報を表示するようにしている。
【0059】
そして、遊技メダル数が所定数以上である「150」の場合において、ゲームが実行されていない時間が第3時間(例えば、15分)に達した場合には、主制御部10は、不正占有状態を第2不正占有状態に移行させて、遊技メダル数表示器7aと演出表示器8の表示態様を、第2不正占有状態を報知可能な第2不正占有表示に切り替え、第2不正占有状態が解除されるまで第2不正占有表示での表示制御を行う。
すなわち、遊技メダル数が所定数以上である場合には、ゲームが実行されていない時間が第1時間や第2時間に達した場合でも不正占有状態に移行させずに、第3時間に達した場合に不正占有状態に移行させることとなるが、このとき第1不正占有報知ではなく直接第2不正占有報知を実行するのである。
【0060】
したがって、遊技メダル数が所定数以上である「150」の場合において、ゲームが実行されていない時間が第3時間(例えば、15分)に達した場合には、遊技メダル数表示器7aにおいては、
図7(b)に示す、遊技メダル数である「150」の数値情報と、
図7(c)に示す、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間である「960」の数値情報が交互に切り替わって表示されるとともに、
図7(d)に示すように、演出表示器8においても、画面の略中央部に、当該遊技メダルの所有者を呼び出していることを示す「呼出中」の文字情報からなる呼出画像30aと、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間である16分(960秒)を示す「経過時間:16分00秒」の経過時間画像30bが表示されることとなる。
【0061】
なお、
図7(b)~(d)においては、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が960秒であった場合を示しているので、その時間に対応して、遊技メダル数表示器7aには、「960」の数値情報が表示され、演出表示器8には、「経過時間:16分00秒」が経過時間画像30bとして表示されることとなるが、時間経過とともに各数値情報も更新されることとなる。
【0062】
このように、遊技メダル数が所定数以上である場合には、第1不正占有状態の監視は行わずに、第2時間よりも長い第3時間が経過した時点で初めて第2不正占有状態と判断して、第2不正占有表示(第2不正占有報知)を行うのである。
これは、遊技メダル数が所定数以上である場合には、メダルレス遊技機1に対する悪戯を目的で不正に占有している可能性が低いので、例えば、トイレ休憩等の正当な理由で遊技者が離席しているにもかかわらず、離席中のメダルレス遊技機1において第1不正占有表示が行われてしまうことを防止するためである。
したがって、遊技メダル数に応じて適切な不正占有表示が行われることとなるのである。
【0063】
以上のように、主制御部10は、記憶部に遊技メダルが記憶されている状態において、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が所定時間に達した場合に、メダルレス遊技機1が不正に占有されている不正占有状態が発生したと判断(判定)するのである。
そして、不正占有状態が発生した場合には、不正占有状態であることを遊技者や係員が認識可能な報知を行うのである。
【0064】
すなわち、メダルレス遊技機1に設けられる主制御部10は、記憶部に遊技価値(遊技メダル)が記憶されている状態において、ゲームが所定時間(例えば、60秒)実行されていない不正占有状態の発生を監視可能な監視手段と、監視手段の監視結果に基づき、不正占有状態に関わる報知を実行可能な報知手段とを備えるのである。
したがって、メダルレス遊技機1が不正に占有されていることを迅速に他の遊技者や係員に伝えることが可能となり、他の遊技者が該当メダルレス遊技機1で遊技を行えなくなることを防止するとともに、不正な占有により生ずるメダルレス遊技機1の稼働率の低下を防止することが可能となるのである。
なお、不正占有状態に関わる報知は、主制御部10からの制御情報に基づき遊技メダル数表示装置7や副制御部20の制御により実行されるので、報知手段は、主制御部10と遊技メダル数表示装置7、および主制御部10と副制御部20の協働により構成されるものと捉えることもできる。さらに、報知手段に、実際に報知が行われる遊技メダル数表示器7aや演出表示器8を含ませることもできる。
【0065】
また、主制御部10は、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間を計数可能とし、不正占有状態が発生した場合には、遊技メダル数表示器7aや演出表示器8において、計数されている時間を報知するのである。
すなわち、監視手段としての主制御部10は、ゲームが実行されていない時間を計数可能な時間計数手段を備え、報知手段としての主制御部10は、不正占有状態の発生に基づき、時間計数手段により計数されている時間を報知可能とするのである。
したがって、他の遊技者や係員は、どの位の時間メダルレス遊技機1が不正に占有されているか等の不正占有状態の発生状況を正確に把握することが可能となり、不正に占有されている時間に応じた適切な対応を行うことが可能となるのである。
【0066】
また、主制御部10は、記憶部に遊技メダルが記憶されている状態において、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が第1時間(60秒)に達した場合に、第1不正占有状態が発生したと判断(判定)し、さらにその後、ゲームが行われていない時間が第2時間(10分)に達した場合に、第2不正占有状態が発生したと判断(判定)して、第1不正占有状態が発生した場合には第1不正占有表示(第1不正占有報知)を実行し、第2不正占有状態が発生した場合には第2不正占有表示(第2不正占有報知)を実行するのである。
【0067】
すなわち、監視手段としての主制御部10は、記憶部に遊技価値(メダル)が記憶されている状態において、ゲームが第1時間(60秒)実行されていない第1不正占有状態と、記憶部に遊技価値が記憶されている状態において、ゲームが第1時間よりも長い第2時間(10分)実行されていない第2不正占有状態と、の発生を監視可能とし、報知手段としての主制御部10は、第1不正占有状態に関わる第1不正占有報知と、第2不正占有状態に関わる第2不正占有報知と、を実行可能とするのである。
したがって、メダルレス遊技機1が不正に占有されている時間に応じた詳細な報知が実行されることとなり、例えば、遊技店の係員が各不正占有状態に応じて適切な対応を行うことが可能となるのである。
【0068】
また、主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(50枚)未満の場合には、まずは第1不正占有状態の監視を行い、その後第2不正占有状態の監視を行うのである。
すなわち、監視手段としての主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技価値(メダル)が所定数(50枚)未満の場合に、第1不正占有状態および第2不正占有状態を監視可能とするのである。
したがって、不正に占有されている時間に応じて段階的な不正占有状態の監視を行うことができ、各不正占有状態に応じた適切な報知を実行することが可能となるのである。
【0069】
また、主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(50枚)以上の場合には、第1不正占有状態の監視を行わずに、第2不正占有状態の監視のみを行い、このとき第2不正占有状態の監視時間は、第2時間よりも長い第3時間とするのである。
すなわち、監視手段としての主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技価値(メダル)が所定数(50枚)以上の場合には、第1不正占有状態の発生を監視しないものとし、記憶部に記憶されている遊技価値が所定数以上の場合には、第2不正占有状態の発生を監視するための時間を、第2時間よりも長い第3時間(15分)に延長するのである。
したがって、例えば、トイレ休憩等の正当な理由で遊技者が離席している場合に、離席中のメダルレス遊技機1において第1不正占有表示が行われてしまうことを防止することが可能となり、正当な理由で離席していた遊技者に対して、不満感を与えてしまうことを防止することができるのである。
また、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数以上の場合でも、長時間の不正な占有が行われていた場合には、より目立つ態様の第2不正占有表示が行われることとなるので、他の遊技者や係員に不正占有状態が発生したことを確実に認識させることが可能となるのである。
【0070】
なお、各不正占有状態の監視時間は上記した以外でもよく、第1時間よりも第2時間の方が長く、さらに第2時間よりも第3時間の方が長くなれば各時間は何れでもよい。
また、第1不正占有報知および第2不正占有報知を、遊技メダル数表示器7aと演出表示器8で実行するようにしているが、他の表示器で実行してもよいし、上記表示器に加えてスピーカ9やランプ11等で報知するようにしてもよく、また、各報知手段の組合せを変更することで異なる不正占有報知を実行するようにしてもよい。
また、第2時間が経過した場合に実行される不正占有報知と、第3時間が経過した場合に実行される不正占有報知とを同様にしているが、各々において異なる表示態様で報知を行うようにしてもよいし、異なる表示器を使用して報知を行うようにしてもよい。
また、第1不正占有報知および第2不正占有報知を行う場合に、ゲームが実行されていない時間を報知するようにしているが、第1不正占有状態が発生してからの現在までの経過時間を報知するようにしてもよい。
また、第2不正占有状態が発生した場合には、第2不正占有報知に加えて当該メダルレス遊技機1でのゲームを実行不能としてもよい。
以上のように、不正占有状態に関わる各種報知が行われる。
【0071】
[不正占有状態に関わる処理]
次に、
図8~
図13を参照して、主制御部10で行われる不正占有状態に関わる各処理について説明する。
なお、以下に示す各処理は、
図4のフローチャートにおける所定の時期に実行される。
【0072】
まず、
図8のフローチャートを参照して、主制御部10で実行されるタイマー更新開始処理について説明する。
図8は、前述した不正占有状態の監視に関わるタイマーの更新を開始させるためのタイマー更新開始処理を示している。
すなわち、不正占有状態の監視は、遊技メダルが記憶部に記憶されているにもかかわらずゲームが実行されていない状態の継続時間を計数することで行われるが、このときの監視タイマーの更新を開始するための処理を示している。
【0073】
まず、タイマー更新開始処理が実行されると、ステップS10において特別遊技状態中であるか否かの判定を行う。
これは、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態(ボーナス状態やAT状態等)中のメダルレス遊技機1に対しては、不正占有状態とされる可能性が低く、所定時間ゲームが実行されていなくても正当な理由による離席である可能性が高いので、特別遊技状態中においてはタイマーの更新開始を行わないためである。
特別遊技状態中でない場合には、ステップS11に移行し、特別遊技状態中である場合には、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0074】
次に、ステップS11で、ゲームが終了したか否かの判定を行う。
これは、ゲームが実行されていない時間の契機を設定するための判定であり、ゲームが終了した場合には、ステップS12に移行し、ゲームが終了していない場合には、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0075】
次に、ステップS12で、遊技メダル数が「0」か否かの判定を行う。
記憶部に記憶されている遊技メダル数が「0」でない場合には、ステップS13に移行し、遊技メダル数が「0」の場合には、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0076】
次に、ステップS13で、タイマーの更新を開始させる処理を行う。
ステップS13の処理で用いられるタイマーは、不正占有状態の発生を監視するためのタイマーであり、この処理によりゲーム終了時点で遊技メダル数が「0」でない場合にタイマーの更新が開始されることとなる。
その後、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0077】
以上のように、タイマー更新開始処理により、ゲーム終了時点で遊技メダル数が「0」でない場合が生じる毎にタイマーの更新が開始されることとなり、以降の処理により不正占有状態の発生を監視するためのタイマーの更新が行われることとなる。
一方、ゲーム終了時点で遊技メダル数が「0」の場合には、タイマーの更新は開始されないので、不正占有状態の発生の監視は行われないこととなる。
【0078】
次に、
図9のフローチャートを参照して、主制御部10で実行されるタイマー更新処理について説明する。
図9は、前述(
図8参照)した更新が開始されたタイマーに対して、所定条件の成立によりタイマー値を更新させるためのタイマー更新処理を示している。
【0079】
まず、タイマー更新処理が実行されると、ステップS14において遊技メダル数が「0」であるか否かの判定を行う。
遊技メダル数が「0」でない場合には、ステップS15に移行し、遊技メダル数が「0」の場合には、ステップS17に移行する。
【0080】
次に、ステップS15においてゲームが開始されたか否かの判定を行う。
ゲームが開始されていない場合には、ステップS16に移行し、ゲームが開始された場合には、ステップS17に移行する。
【0081】
次に、ステップS16においてタイマーを更新させる処理を行う。
これは、時間の経過に対応してタイマーを更新させる処理であり、遊技メダル数が「0」でない状態でゲームが開始されていない場合には、その時間がタイマーの更新により計測されることとなる。
その後、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0082】
一方、ステップS17に移行した場合には、タイマーの更新を終了させる処理、およびタイマーを初期化させる処理を行う。
したがって、ステップS17の処理により、遊技メダル数が「0」となった場合あるいはゲームが開始された場合に、
図8で開始されたタイマーの更新が終了されることとなり、さらに、タイマーが初期化(例えば、タイマー値を「0」に設定)されて、次のタイマー更新の開始時には初期化された状態からタイマーの更新が開始されることとなる。
また、このとき不正占有状態(第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態)に移行していた場合には、不正占有状態を終了して非不正占有状態に移行させる処理を行う。
その後、本タイマー更新開始処理を終了する。
【0083】
以上のように、タイマー更新処理により、遊技メダル数が「0」でない状態のままゲームが実行されていない時間がタイマーの更新により計測されることとなる。
すなわち、時間計数手段としての主制御部10は、遊技メダル数が「0」でない状態においてゲームが実行されていない時間を確実に計数可能となるのである。
また、遊技メダル数が「0」となるか、あるいはゲームが開始された場合には、タイマーの更新は終了して、今回の不正占有状態の発生の監視は終了することとなる。
【0084】
次に、
図10のフローチャートを参照して、主制御部10で実行される不正占有状態移行処理について説明する。
図10は、前述(
図9参照)したタイマーの更新値を参照して、不正占有状態に移行させるための不正占有状態移行処理を示している。
【0085】
まず、不正占有状態移行処理が実行されると、ステップS20において遊技メダル数が「50」以上であるか否かの判定を行う。
遊技メダル数が「50」以上でない場合(50未満の場合)には、ステップS21に移行し、遊技メダル数が「50」以上の場合には、ステップS27に移行する。
【0086】
次に、ステップS21においてタイマーの更新値は第1時間以上となっているか否かの判定を行う。
これは、
図9で更新されているタイマーの値が、第1不正占有状態へ移行させる閾値である第1時間(60秒)以上となっているか否かを判定するための処理であり、タイマーの更新値が第1時間以上となっている場合には、ステップS22に移行し、第1時間以上となっていない場合には、本不正占有状態移行処理を終了する。
【0087】
次に、ステップS22において第1不正占有状態への移行処理を行う。
したがって、遊技メダル数が「50」以上でない場合(50未満の場合)において、タイマーの更新値が第1時間以上となった場合に、第1不正占有状態に移行することとなる。
そして、この第1不正占有状態への移行により第1不正占有報知が行われて、前述したように第1不正占有状態が発生した旨や、ゲームが実行されていない時間が報知されることとなる。
その後、ステップS23に移行する。
【0088】
次に、ステップS23において第1不正占有状態の外部出力処理を行う。
これは、第1不正占有状態が発生したことを特定可能な情報や、第1不正占有状態の継続時間を特定可能な情報を、メダルレス遊技機1の外部装置(管理コンピュータあるいは専用ユニット19)に出力(送信)する処理である。
これにより、例えば、管理コンピュータにおいて各メダルレス遊技機1での第1不正占有状態の発生回数や継続時間等を管理可能となる。
その後、ステップS24に移行する。
【0089】
次に、ステップS24においてタイマーの更新値は第2時間以上となっているか否かの判定を行う。
これは、
図9で更新されているタイマーの値が、第2不正占有状態へ移行させる閾値である第2時間(10分)以上となっているか否かを判定するための処理であり、タイマーの更新値が第2時間以上となっている場合には、ステップS25に移行し、第2時間以上となっていない場合には、本不正占有状態移行処理を終了する。
【0090】
次に、ステップS25において第2不正占有状態への移行処理を行う。
したがって、遊技メダル数が「50」以上でない場合(50未満の場合)において、タイマーの更新値が第2時間以上となった場合に、第2不正占有状態に移行することとなり、この第2不正占有状態への移行により前述した第2不正占有報知が行われることとなるのである。
その後、ステップS26に移行する。
【0091】
次に、ステップS26において第2不正占有状態の外部出力処理を行う。
したがって、第1不正占有状態の外部出力を停止するとともに第2不正占有状態の外部出力を行い、第1不正占有状態の発生時と同様に、第2不正占有状態が発生したことを特定可能な情報や、第2不正占有状態の継続時間を特定可能な情報が、メダルレス遊技機1の外部装置に出力(送信)されることとなる。
これにより、例えば、管理コンピュータにおいて各メダルレス遊技機1での第2不正占有状態の発生回数や継続時間等を管理可能となる。
なお、第1および第2不正占有状態の継続時間を特定可能な情報は、メダルレス遊技機1から出力せずに、管理コンピュータにおいて第1および第2不正占有状態の継続時間を計数してもよい。
その後、本不正占有状態移行処理を終了する。
【0092】
一方、ステップS20において遊技メダル数が「50」以上であると判定された場合には、ステップS27においてタイマーの更新値は第3時間以上となっているか否かの判定を行う。
タイマーの更新値が第3時間以上となっている場合には、ステップS25に移行して、前述同様に第2不正占有状態の移行処理や外部出力が行われ、第3時間以上となっていない場合には、本不正占有状態移行処理を終了する。
したがって、遊技メダル数が「50」以上である場合には、第1不正占有状態へ移行させるための各種処理等は行われずに、タイマーの更新値が第3時間以上となった場合に、非不正占有状態から直接第2不正占有状態への移行処理が行われることとなる。
【0093】
以上のように、主制御部10は、記憶部に遊技メダルが記憶されている状態において、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が所定時間に達した場合に、メダルレス遊技機1が不正に占有されている不正占有状態(第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態)が発生したと判断(判定)するのである。
したがって、監視手段としての主制御部10は、不正占有状態の発生を確実に監視することが可能となるのである。
そして、不正占有状態が発生した場合には、不正占有状態であることを遊技者や係員が認識可能な報知や、ゲームが実行されていない時間の報知が確実に行われることなるのである。
【0094】
また、主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が「50」未満の状態においては、前回のゲームが終了した時点から現時点までの時間が第1時間(60秒)に達した場合に、第1不正占有状態が発生したと判断(判定)し、さらにその後、ゲームが行われていない時間が第2時間(10分)に達した場合に、第2不正占有状態が発生したと判断(判定)するのである。
したがって、監視手段としての主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が「50」未満の状態においては、第1不正占有状態および第2不正占有状態の発生を確実に監視することが可能となるのである。
そして、第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態が発生した場合には、各不正占有状態であることを遊技者や係員が認識可能な報知や、ゲームが実行されていない時間の報知が確実に行われることなるのである。
【0095】
また、主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(50枚)以上の場合には、第1不正占有状態の監視を行わずに、第2不正占有状態の監視のみを行い、このとき第2不正占有状態の監視時間は、第2時間よりも長い第3時間とするのである。
したがって、監視手段としての主制御部10は、記憶部に記憶されている遊技メダル数が「50」以上の状態においては、第3時間により第2不正占有状態の発生のみを確実に監視することが可能となるのである。
【0096】
なお、本実施形態においては、ステップS20において記憶部に記憶されている遊技メダル数が50枚未満の場合に、第1不正占有状態および第2不正占有状態を監視するようにしているが、それよりも少数の遊技メダルが記憶されている場合に限り、第1不正占有状態および第2不正占有状態を監視するようにしてもよく、例えば、1回のゲームを実行するには不十分な遊技メダル数(1枚や2枚)が記憶されている場合に限り、第1不正占有状態および第2不正占有状態を監視するようにしてもよい。
このようにすれば、1回のゲームを実行するには不十分な遊技メダルを残しての不正な遊技機の占有を防止することが可能となるし、多数の遊技メダルが残っている場合には、正当な理由で離席している可能性も高いので、離席中に第2不正占有報知が実行されてしまうことを防止することが可能となる。
また、第1不正占有状態および第2不正占有状態の発生を監視するための処理手順は、遊技メダル数とタイマーの更新値に基づき各不正占有状態を監視するものであれば上記以外でもよい。
【0097】
次に、
図11のフローチャートを参照して、主制御部10で実行される不正占有状態監視不能動化処理について説明する。
前述したように、メダルレス遊技機1の上部の島設備(遊技機外部)には、呼出装置(図示略)が配設されていて、呼出装置に設けられている呼出ボタンを遊技者が操作すると、内蔵されている呼出しランプが点灯して係員を呼び出すことが可能となっている。
また、呼出装置には、メダルレス遊技機1からの各種遊技情報を入力して、当該メダルレス遊技機1の遊技データを表示可能となっている。
【0098】
また、呼出装置には、休憩機能(食事休憩機能)が備えられているものが一般的であり、遊技者が食事休憩等の比較的長い時間(例えば、40分)離席する際には、係員によるリモコン操作等により、当該メダルレス遊技機1が休憩中である旨の報知や休憩中の経過時間等を表示可能としている。
また、遊技者は食事休憩等を行う場合には、メダルレス遊技機1に少数(例えば、5枚等)の遊技メダルを残して離席することも少なくない。
このように、呼出装置に休憩機能が設けられている場合には、正当な理由で遊技者が離席しているにもかかわらず、メダルレス遊技機1では、長時間の離席により不正占有状態の報知が行われてしまうこととなり、他の遊技者や係員に対して紛らわしい報知となってしまう虞がある。
そこで、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、呼出装置において休憩中の報知を行っている場合に、その旨を伝える情報を主制御部10に入力することで、主制御部10は、休憩中の報知が行われている場合には、不正占有状態の発生の監視を不能動化するような機能を設けている。
【0099】
図11のフローチャートは、上記不正占有状態の監視を不能動化する機能を実現するための、主制御部10で実行される不正占有状態監視不能動化処理を示している。
まず、ステップS27で、休憩中信号の入力があるか否かの判定を行う。
呼出装置からの休憩中信号が入力されている場合には、ステップS28に移行し、休憩中信号が入力されていない場合には、本不正占有状態監視不能動処理を終了する。
次に、ステップS28で、不正占有状態監視不能動化処理を実行する。
不正占有状態監視不能動化処理は、不正占有状態の発生を監視するための各種処理を無効にする処理であり、前述した
図8~
図10の各処理自体を一時的に無効にすることで実行される。
なお、既に不正占有状態となっている場合には、当該不正占有状態を解除する処理が行われる。
また、入力されていた呼出装置からの休憩中信号が停止した場合には、無効化されていた不正占有状態の発生を監視するための処理が有効化されることとなる。
その後、本不正占有状態監視不能動化処理を終了する。
【0100】
以上のように、主制御部10は、呼出装置から休憩中信号が入力されている場合には、不正占有状態の発生の監視を無効化して、不正占有状態の移行条件が成立した場合でも、不正占有状態の報知を不能動化するのである。
すなわち、判定手段としての主制御部10は、遊技機外部から休憩中を示す情報の受信に基づき、不正占有状態の発生の監視を無効とするのである。
したがって、既に呼出装置において休憩中の報知が行われている場合には、不正占有状態の報知は実行不能となり、両方の報知が同時に行われる、といった紛らわしい報知状態が生じてしまうことを防止可能となるのである。
【0101】
なお、呼出装置からの休憩中信号を入力するようにしているが、休憩機能が備えられているその他の装置からの信号を入力して占有状態の不能動化を行うようにしてもよい。
また、本実施形態においては、休憩中において不正占有状態の監視に関わる各処理を無効にすることで、不正占有状態の報知が行われないようにしているが、不正占有状態の報知が行われない(あるいは、実行中ならば中止)ようにするものであれば上記以外でもよく、例えば、不正占有状態の監視に関わる各処理は実行するが、不正占有状態の移行条件が成立した場合でも不正占有状態の判定を無効にするものでもよいし、不正占有状態の移行条件が成立した場合でも報知を無効にするものでもよい。
【0102】
次に、
図12を参照して、不正占有状態の監視時間の変更について説明する。
前述したように、主制御部10では、遊技メダル数が所定数未満の場合に、ゲームが実行されていない時間が、第1時間となった場合に第1不正占有状態に移行させ、さらにゲームが実行されていない時間が、第2時間となった場合に第2不正占有状態に移行させるようにしている。
また、遊技メダル数が所定数以上の場合には、ゲームが実行されていない時間が、第3時間となった場合に第2不正占有状態に移行させるようにしている。
本実施形態においては、主制御部10では、この第1時間、第2時間、第3時間を種々の状況に応じて変更可能としている。
したがって、不正占有状態を判定する時点の遊技状態やその他の状態に応じて、不正占有状態の報知が開始されるまでの時間が変化することとなるのである。
【0103】
図12は、各種状況に応じて変化させる監視時間を示している。
なお、表中最も右側の欄(「左記以外」)の時間が通常用いられる基本時間を示し、それ以外の欄には各種状況に応じて変化させる時間を示している。
図12に示すように、主制御部10では、当日のゲーム数が「50回以下」の場合は、第1時間を「40秒」に変更し、第2時間を「8分」に変更し、第3時間を「12分」に変更するようにしている。
したがって、遊技店の開店直後等の当日のゲーム数が少ない場合には、不正占有状態の各監視時間が、基準時間である「60秒」、「10分」、「15分」に比べて短くなるのである。
これは、遊技店の開店直後は、多くの遊技者が遊技を行う遊技機を選定していることから、このときに不正占有状態となっていると遊技機選びをしている多くの遊技者に迷惑を掛けることとなるが、このような事態を防止するためである。
【0104】
また、当日の差枚数(付与されたメダル数-投入されたメダル数)が「-5000枚以下」の場合にも、第1時間を「40秒」に変更し、第2時間を「8分」に変更し、第3時間を「12分」に変更するようにしている。
したがって、当日に遊技者側の不利益が大きくなっている場合にも、不正占有状態の各監視時間が、基準時間に比べて短くなるのである。
これは、遊技者側の不利益が大きくなっている場合は、遊技を終了した遊技者による悪戯等で不正占有状態とされることも少なくないので、このような事態を防止するためである。
【0105】
また、当日の営業時間が「18時以降」の場合には、第1時間を「30秒」に変更し、第2時間を「7分」に変更し、第3時間を「10分」に変更するようにしている。
したがって、遊技店の混雑が予想される18時以降の場合には、不正占有状態の各監視時間が、基準時間に比べてより短くなるのである。
これは、遊技店の混雑時に不正占有状態となっている遊技機が多いと、多くの遊技者に迷惑を掛けることとなるが、このような事態を防止するためである。
なお、主制御部10では、不正占有状態を判定する際に上記各条件を参照して、各判定値を設定をするようにしている。
また、主制御部10では、リアルタイムクロック(RTC)を設けて、上記各条件を監視することが好ましい。
【0106】
以上のように、主制御部10では、上記した各条件に応じて不正占有状態の各監視時間を変更可能とするのである。
すなわち、監視手段としての主制御部10は、所定条件の成立に基づき、不正占有状態の発生を監視するための時間を変更可能とするのである。
したがって、各種状況に応じて効率よく不正占有状態の発生を監視することが可能となり、他の遊技者が迷惑となるような不正行為を防止したり、遊技店の不利益を防止したりすることが可能となるのである。
【0107】
なお、上記した各効果が得られるものであれば、各監視時間は上記した以外でもよい。
また、各監視時間を外部操作により遊技店の好みに応じて変更可能としてもよいし、監視時間を変更しないモードと、上記した態様で変更するモードに切り替える手段を設けて、遊技店側の外部操作でモードを切り替え可能としてもよい。
【0108】
次に、
図13を参照して、不正占有状態を終了させる場合の変形例について説明する。
前述したように、本実施形態においては、主制御部10は、記憶部に遊技メダルが記憶されている状態で、ゲームが所定時間実行されなかった場合に不正占有状態(第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態)と判定することとなるが、不正占有状態中においては、遊技メダル数が「0」となった場合、あるいは次のゲームが実行された場合に、不正占有状態を終了して非不正占有状態に移行させるようにしている。
【0109】
しかしながら、悪意な遊技者が既に不正占有状態となっているメダルレス遊技機1に対して1回ゲームを実行した後、再度当該メダルレス遊技機1を放置した場合には、一旦不正占有状態が解除されてしまうことから、実質的な不正な占有状態がその分長く継続してしまうこととなる。
【0110】
図13のフローチャートは、上記のような課題を解決するための主制御部でのタイマー更新処理の変更例を示している。
まず、本変形例におけるタイマー更新処理が実行されると、ステップS40において遊技メダル数が「0」であるか否かの判定を行う。
遊技メダル数が「0」でない場合には、ステップS41に移行し、遊技メダル数が「0」の場合には、ステップS44に移行する。
【0111】
次に、ステップS41において第2不正占有状態中か否かの判定を行う。
これは、現時点において第2不正占有状態に移行しているか否かの判定であり、第2不正占有状態中でない場合には、ステップS42に移行し、第2不正占有状態中の場合には、ステップS45に移行する。
【0112】
次に、ステップS42においてゲームが開始されたか否かの判定を行う。
ゲームが開始されていない場合には、ステップS43に移行し、ゲームが開始された場合には、ステップS44に移行する。
【0113】
次に、ステップS43においてタイマーを更新させる処理を行う。
したがって、遊技メダル数が「0」でない状態でゲームが開始されていない場合には、その時間がタイマーの更新により計測されることとなる。
その後、本タイマー更新処理を終了する。
【0114】
一方、ステップS44に移行した場合には、タイマーの更新を終了させる処理、およびタイマーを初期化させる処理を行う。
したがって、この処理により、遊技メダル数が「0」となった場合あるいはゲームが開始された場合に、
図8で開始されたタイマーの更新が終了されることとなり、さらに、タイマーが初期化(例えば、タイマー値を「0」に設定)されて、今回の不正占有状態の監視が終了することとなる。
また、このとき不正占有状態(第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態)に移行していた場合には、不正占有状態を終了して非不正占有状態に移行させる処理を行う。
その後、本タイマー更新処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS41の判定により、ステップS45に移行した場合には、ステップS45において所定時間内に複数回のゲームが開始されたか否かの判定を行う。
例えば、20秒以内に2回のゲームが開始された場合には、ステップS44に移行し、20秒以内に2回のゲームが開始されていない場合、すなわち前回のゲーム終了から今回のゲーム開始までの時間が20秒よりも大きかった場合には、ステップS43に移行する。
すなわち、第2不正占有状態中においては、所定時間内に複数回のゲームが開始されたことを条件に第2不正占有状態を終了させるのである。
なお、上記第2不正占有状態を終了させる条件は、上記した以外でもよく、例えば、20秒以内に3回ゲームが実行された場合、30秒以内に2回ゲームが実行された場合等でもよい。
【0116】
以上のように、不正占有状態を終了させる場合の変形例においては、発生している不正占有状態が第2不正占有状態であった場合には、所定時間内に複数回のゲームが開始されたことを条件に当該第2不正占有状態を終了させるのである。
したがって、悪意な遊技者が第2不正占有状態となっているメダルレス遊技機1に対して1回ゲームを実行した場合でも第2不正占有状態は解除されないこととなるので、不正にメダルレス遊技機1が占有されてしまうことを効果的に防止することが可能となるのである。
【0117】
本変形例においては、第2不正占有状態であった場合に限り、所定時間内に複数回のゲームが開始されたことを条件に当該第2不正占有状態を終了させるようにしている。すなわち、第1不正占有状態中においては1回のゲームの開始により第1不正占有状態は終了することとなる。これは、遊技者の中にはゆっくりと時間を掛けて遊技を行う場合もあり、このような場合には、正当に遊技を行っているにもかかわらず、第1不正占有状態に移行してしまう可能性もあるので、このようなときに1回のゲームの開始により迅速に第1不正占有状態を終了させるためである。
【0118】
なお、第1不正占有状態であった場合にも、所定時間内に複数回のゲームが開始されたことを条件に当該第1不正占有状態を終了させるようにしてもよい。
また、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(例えば、10枚等)以上の場合には、その遊技メダル数の損失を考えて悪戯で遊技機を不正に占有状態にする可能性が低くなるので、記憶部に記憶されている遊技メダル数が所定数(例えば、10枚等)未満の場合に限り、所定時間内に複数回のゲームが開始されたことを条件に不正占有状態を終了させるようにしてもよい。
以上のように、不正占有状態の監視機能が実現される。
【0119】
<自動変換機能>
次に、
図14~
図22を参照して、本発明に係るメダルレス遊技機1における自動変換機能について説明する。
【0120】
まず、本実施形態のメダルレス遊技機1において遊技を開始する際の手順について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1において遊技を開始する際には、当該メダルレス遊技機1に併設された専用ユニット19が記憶保持している遊技者所有の金額情報から遊技メダル数(遊技価値)への変換を行う必要がある。
金額情報から遊技メダル数への変換は、専用ユニット19における遊技者による貸出操作(例えば、所定操作としての貸出ボタンの操作)により行われ、貸出操作が行われた場合には、金額情報から予め定められた単位(例えば、1000円)分のメダル数を特定可能な貸出データがメダルレス遊技機1の主制御部10に対して出力されるとともに、専用ユニット19においては貸出データ分の金額情報が減算される。
【0121】
また、専用ユニット19には、遊技者所有の持メダル数も記憶保持可能となっていて、持メダル数が記憶保持されている場合には、持メダル数から遊技メダル数(遊技価値)への変換も可能となっている。
持メダル数から遊技メダル数への変換は、専用ユニット19における遊技者による払出操作(例えば、所定操作としての払出ボタンの操作)により行われ、払出操作が行われた場合には、持メダル数から予め定められた単位(例えば、50枚)のメダル数を特定可能な払出データがメダルレス遊技機1の主制御部10に対して出力されるとともに、専用ユニット19においては払出データ分の持メダル数が減算される。
【0122】
メダルレス遊技機1の主制御部10は、専用ユニット19から出力された上記貸出データあるいは払出データの入力に基づき、記憶部の遊技メダル数に、入力したデータ分のメダル数を加算することとなる。
また、主制御部10は、遊技メダル数表示器7aの数値情報を加算した分だけ更新し、専用ユニット19は、金額情報あるいは持メダル数に対応する表示器の数値情報を減算した分だけ更新する。
【0123】
記憶部に遊技メダル数が記憶されると、メダルレス遊技機1でのゲームが可能な状態となり、操作手段としてのベットボタン2aあるいはMAXベットボタン2bの操作により、ゲームの実行に際してベット数(賭け数)を設定する操作が可能となる。
そして、遊技者はゲームの実行に際してベットボタン2aあるいはMAXベットボタン2bのいずれかのボタンを操作することとなるが、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、1回のゲームを実行するための最大ベット数である「3」(MAXベット)を設定しなければゲームを実行できないものとなっているので、遊技者は1回の操作でMAXベットが設定できるMAXベットボタン2bの操作を主に行うこととなる。
なお、MAXベット以外のベット数(「1」や「2」)でもゲームを実行可能とするメダルレス遊技機1もあるが、この場合でも、MAXベットを設定してゲームを実行した方が最も遊技者にとって有利にゲームが進行されることから、一般的には、遊技者はゲームの実行に際してMAXベットボタン2bを操作することとなる。
【0124】
主制御部10は、MAXベットボタン2bからの検出信号を受信すると、ゲーム実行記憶部にベット数「3」を記憶(設定)することとなる。また、副制御部20に制御情報を送信して、副制御部20は、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプを点灯する。
また、MAXベットが設定されると、主制御部10は、MAXベット分のメダル数を遊技メダル数表示器7aの数値情報を減算更新する。
ベット数が設定されるとスタートレバー3の操作が有効化されて、ゲームが実行可能な状態となるのである。
【0125】
そして、遊技者は、遊技メダル数がMAXベット分以上残っている状態においては、MAXベットボタン2bを操作しながら連続してゲームを実行することとなるが、遊技メダル数が例えば「2」となった場合には、MAXベットの設定が不能となり、新たに金額情報や持メダル数から遊技メダル数への変換操作といった、遊技者にとって煩わしい操作を行う必要が生ずることとなる。
そこで、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、上記課題を解決するために以下のような自動変換機能を設けるようにしている。
すなわち、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、遊技メダル数がMAXベット分以上残っていない状態が生じた場合に、金額情報や持メダル数から遊技メダル数への変換操作を遊技者が行う必要を無くし、MAXベットボタン2bの操作のみを行えば、自動的に金額情報や持メダル数からの遊技メダル数への変換、およびMAXベットの設定を行う機能を設けるようにしているのである。
【0126】
[自動変換処理]
まず、
図14のフローチャートを参照して、上記自動変換機能を実現するための主制御部10で実行される自動変換処理について説明する。
図14に示すように、自動変換処理が開始されると、まずステップS50において、MAXベットボタン2bが操作(ON)されたか否かの判定を行う。
MAXベットボタン2bが操作された場合には、ステップS51に移行し、MAXベットボタン2bが操作されていない場合は、本自動変換処理を終了する。
【0127】
次に、ステップS51において、遊技メダル数は「2」以下か否かの判定を行う。
遊技メダル数が「2」以下の場合、すなわち、記憶部に記憶されている遊技メダル数が1回のゲームを実行するための最大遊技メダル数(「3」)に満たない場合には、ステップS52に移行し、遊技メダル数が「2」以下でない場合、すなわち、記憶部に記憶されている遊技メダル数が1回のゲームを実行するための最大遊技メダル数を満たしている場合には、ステップS56に移行する。
【0128】
次に、ステップS52において、持メダル数はMAXベット(「3」)以上か否かの判定を行う。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、専用ユニット19からの情報の送信に基づき、主制御部10は専用ユニット19に記憶されている金額情報と持メダル数を記憶部に記憶することで、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者が保有する金額情報と持メダル数を常に把握可能としている。
したがって、ステップS52においては、主制御部10は、専用ユニット19から送信されて記憶部に記憶されている持メダル数を参照して、当該持メダル数がMAXベット以上か否かの判定を行うのである。
持メダル数がMAXベット以上の場合には、ステップS53に移行し、持メダル数がMAXベット以上でない場合には、ステップS54に移行する。
【0129】
次に、ステップS53において、持メダル数から遊技メダル数への自動変換処理を行う。
すなわち、メダルレス遊技機1の主制御部10は、持メダル数がMAXベット以上の場合には、専用ユニット19に対して持メダル数からの変換要求情報を送信し、専用ユニット19は、当該変換要求情報の受信に基づき変換メダル数情報を主制御部10に対して送信し、この送信された変換メダル数情報に基づき、主制御部10は、変換メダル数情報に対応した遊技メダル数を、記憶部に記憶されている既存の遊技メダル数に加算記憶することにより持メダル数から遊技メダル数への自動変換処理が行われることとなる。
なお、持メダル数からの1回の自動変換処理時に変換されるメダル数(変換単位)は、専用ユニット19において予め設定可能となっていて、例えば、「50枚」のメダル数が設定されている場合には、「50枚」に対応する変換メダル数情報が送信されることとなる。また、持メダル数が「50枚」に達していない場合には、残りの全ての持メダル数に対応する変換メダル数情報が送信されることとなる。
その後、ステップS56に移行する。
【0130】
一方、ステップS52の判定により持メダル数がMAXベット以上でない場合には、ステップS54において、金額情報があるか否かの判定を行う。
すなわち、ステップS54においては、主制御部10は、専用ユニット19から送信されて記憶部に記憶されている金額情報を参照して、金額情報がある場合には、ステップS55に移行し、金額情報がない場合には、本自動変換処理を終了する。
【0131】
次に、ステップS55において、金額情報から遊技メダル数への自動変換処理を行う。
すなわち、メダルレス遊技機1の主制御部10は、金額情報がある場合には、専用ユニット19に対して金額情報からの変換要求情報を送信し、専用ユニット19は、当該変換要求情報の受信に基づき変換メダル数情報を主制御部10に対して送信し、この送信された変換メダル数情報に基づき、主制御部10は、変換メダル数情報に対応した遊技メダル数を、記憶部に記憶されている既存の遊技メダル数に加算記憶することにより金額情報から遊技メダル数への自動変換処理が行われることとなる。
なお、金額情報からの1回の自動変換処理時に変換される金額情報(変換単位)は、専用ユニット19において予め設定可能となっていて、例えば、「1000円」が設定されている場合には、「1000円」に対応する変換メダル数情報が送信されることとなる。また、金額情報が「1000円」に達していない場合には、残りの全ての金額情報に対応する変換メダル数情報が送信されることとなる。
その後、ステップS56に移行する。
上記ステップS52~ステップS55までの処理手順により、金額情報からの自動変換よりも持メダル数からの自動変換の方が優先的に行われることとなる。
【0132】
次に、ステップS56において、MAXベット処理を行う。
すなわち、MAXベットボタン2bが操作されたときに、遊技メダル数が「3」以上の場合には、そのまま遊技メダル数を「3」減算するとともにMAXベットを設定し、遊技メダル数が「2」以下の場合には、持メダル数からの自動変換、もしくは金額情報からの自動変換により加算更新された後の遊技メダル数を「3」減算するとともにMAXベットを自動設定することとなる。
なお、上記自動変換が行われる場合には、自動変換が行われてから自動設定が行われるまでに所定時間(例えば、3秒)を設けることが好ましい。
その後、本自動変換処理を終了する。
【0133】
以上のように、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、MAXベットボタン2bが操作されたときに、遊技メダル数が「2」以下の場合には、持メダル数もしくは金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われることとなるのである。
すなわち、メダルレス遊技機1の主制御部10は、操作手段(MAXベットボタン2b)が操作された場合に、遊技者所有の情報(持メダル数、金額情報)からゲームを実行可能な遊技価値(遊技メダル数)への変換を自動的に実行可能な自動変換手段を備えるのである。
そして、自動変換手段としての主制御部10は、遊技者所有の情報からゲームを実行可能な遊技価値への自動変換を、記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための遊技価値数(「3」)に満たない状態において、操作手段が操作された場合に実行可能とするのである。
【0134】
したがって、遊技メダル数がMAXベットを設定できない場合でも、MAXベットボタン2bを操作するだけで、持メダル数もしくは金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われるので、貸出操作や払出操作等の煩わしい操作を行う必要なく、スムーズに連続したゲームを実行することが可能となるのである。
【0135】
また、通常のゲームの実行時に操作するMAXベットボタン2bを操作するだけで、持メダル数もしくは金額情報から遊技メダル数への自動変換の後に、当該遊技メダル数からMAXベットが自動設定されることとなるのである。
すなわち、自動変換手段としての主制御部10は、自動変換を実行した後、賭け数の設定を自動的に実行可能とするのである。
したがって、遊技メダル数が「2」以下の場合でも、MAXベットボタン2bを操作するだけで、通常のゲームの進行時と同様に何ら違和感なく連続したゲームを実行することが可能となるのである。
また、遊技者は自動変換の後に自動設定が行われた、という手順を確実に認識することとが可能となるので、自動変換と自動設定が同時に行われる場合よりも、遊技者に安心感を与えることが可能となるのである。
【0136】
また、遊技メダル数への自動変換を行う場合には、以前のゲームにおいて獲得した遊技価値情報である持メダル数が「3」以上の場合には、まずは持メダル数からの自動変換を優先的に行い、持メダル数が「3」以上でない場合には、金額情報からの自動変換を行うのである。
すなわち、自動変換手段としての主制御部10は、金額情報からの自動変換よりも、遊技価値情報(持メダル数)からの自動変換を優先的に実行可能とするのである。
したがって、持メダル数が有るにもかかわらず金額情報からの自動変換が行われてしまう、といった遊技者が不満感を覚えることを防止することが可能となるのである。
【0137】
なお、本実施形態においては、遊技メダル数が「2」以下の場合に自動変換を行うようにしているが、遊技メダル数が「0」の場合には、自動変換を行わないようにしてもよい。
このようにすれば、遊技メダル数が「0」となった時点で遊技を終了しようとした遊技者が、遊技メダル数が「0」となったことに気付かずに、間違ってMAXベットボタン2bを操作してしまっても自動変換は行われないので、このような遊技者が不満感を覚えることを防止可能となる。
【0138】
なお、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、専用ユニット19からの情報の送信に基づき、主制御部10は専用ユニット19に記憶されている金額情報と持メダル数を記憶部に記憶することで、当該メダルレス遊技機1で遊技している遊技者が保有する金額情報と持メダル数を常に把握可能としているが、主制御部10が金額情報と持メダル数を把握しない構成としてもよい。
この場合、主制御部10は、MAXベットボタン2bが操作されたときに、遊技メダル数が「2」以下の場合に、まずは専用ユニット19に対して持メダル数からの変換要求情報を送信し、この送信に対応した変換メダル数情報が専用ユニット19から送信された場合に、主制御部10は、受信した変換メダル数情報に基づき遊技メダル数への自動変換を行い、当該送信に対応した変換メダル数情報が専用ユニット19から送信されなかった場合には、次いで主制御部は、専用ユニット19に対して金額情報からの変換要求情報を送信し、この送信に対応した変換メダル数情報が専用ユニット19から送信された場合に、主制御部10は、受信した変換メダル数情報に基づき遊技メダル数への自動変換を行えばよい。
したがって、この場合には、主制御部10で行われる、持メダル数からの変換要求情報と、金額情報からの変換要求情報の送信順序により、金額情報からの自動変換よりも、持メダル数からの自動変換を優先的に実行する優先機能が実現することとなる。
【0139】
また、主制御部10は、MAXベットボタン2bが操作されたときに、遊技メダル数が「2」以下の場合に、専用ユニット19に対して金額情報と持メダル数の識別のない変換要求情報を送信し、専用ユニット19において持メダル数が「3」以上ある場合には、持メダル数から変換した変換メダル数情報を主制御部10に対して送信し、持メダル数が「3」以上ない場合には、金額情報から変換した変換メダル数情報を主制御部10に対して送信し、主制御部10は、受信した変換メダル数情報に基づき遊技メダル数への自動変換を行うようにしてもよい。
この場合には、金額情報からの自動変換よりも、持メダル数からの自動変換を優先的に実行する優先機能は専用ユニット19が備えることとなる。
以上のように主制御部10での自動変換処理が行われる。
【0140】
[自動変換に関わる各表示器の表示内容]
次に、
図15~
図17を参照して、自動変換に関わる各表示器での表示内容について説明する。
【0141】
まず、
図15を参照して、持メダル数から遊技メダル数への自動変換が行われる場合の遊技メダル数表示器7aと持メダル数表示器19aの表示内容について説明する。
なお、
図15では、遊技メダル数がMAXベットに満たない値である「2」の場合であって、持メダル数がMAXベット以上の値である「500」の場合に自動変換が行われる場合を示している。
【0142】
図15(a)に示すように、遊技メダル数が「2」の場合には、メダルレス遊技機1の遊技メダル数表示器7aには「2」の数値情報が表示され、持メダル数が「500」の場合には、専用ユニット19の持メダル数表示器19aには「500」の数値情報が表示されることとなる。
【0143】
そして、この状態において
図15(b)に示すように、MAXベットボタン2bが操作された場合には、遊技メダル数が「2」以下であり、持メダル数が「3」以上であるから、前述(
図14参照)の主制御部10の自動変換処理において、持メダル数から遊技メダル数への自動変換が行われることとなる。
自動変換は、持メダル数のうちの予め定められた「50」の持メダル数が遊技メダル数へ変換されることとなるので、自動変換により専用ユニット19の持メダル数から「50」が減算されるとともに、主制御部10の記憶部に記憶された遊技メダル数が「50」加算されることとなる。
【0144】
したがって、
図15(c)に示すように、持メダル数から遊技メダル数への自動変換が行われると、遊技メダル数表示器7aの数値情報が「52」(2+50)に加算更新されるとともに、持メダル数表示器19aの数値情報が「450」(500-50)に減算更新されることとなる。
【0145】
その後、遊技メダル数からMAXベットへの自動設定が行われることとなる。
自動設定は、主制御部10の記憶部に記憶された遊技メダル数から「3」が減算されてMAXベットが設定されることとなる。
したがって、
図15(d)に示すように、自動設定が行われると、遊技メダル数表示器7aの数値情報が「49」(52-3)に減算更新されるとともに、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプが点灯されることとなる。
【0146】
なお、遊技者に対して自動変更が行われた後に、自動設定が行われたことを明確に報知するために、
図15(c)に示す、遊技メダル数表示器7aにおける「52」への加算更新、および持メダル数表示器19aにおける「450」への減算更新が行われた後、所定時間(例えば、3秒)経過後に、
図15(d)に示す、遊技メダル数表示器7aにおける「49」への減算更新、およびベット数ランプ2fの「3BET」のランプの点灯を行うことが好ましい。
【0147】
次に、
図16を参照して、金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われる場合の遊技メダル数表示器7a、持メダル数表示器19aおよび金額情報表示器19bの表示内容について説明する。
なお、
図15では、遊技メダル数がMAXベットに満たない値である「2」の状態において、持メダル数がMAXベット以下の値である「0」の場合であって、金額情報が「5000」(5000円)の場合に自動変換が行われる場合を示している。
【0148】
図16(a)に示すように、遊技メダル数が「2」の場合には、メダルレス遊技機1の遊技メダル数表示器7aには「2」の数値情報が表示され、持メダル数が「0」の場合には、専用ユニット19の持メダル数表示器19aには「0」の数値情報が表示され、専用ユニット19の金額情報表示器19bには「5000」の数値情報が表示されることとなる。
【0149】
そして、この状態において
図16(b)に示すように、MAXベットボタン2bが操作された場合には、遊技メダル数が「2」以下であり、持メダル数が「2」以下であるから、前述(
図14参照)の主制御部10の自動変換処理において、金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われることとなる。
上記自動変換は、金額情報のうちの予め定められた「1000円」分のメダル数(50枚)が遊技メダル数へ変換されることとなるので、自動変換により専用ユニット19の金額情報から「1000円」が減算されるとともに、主制御部10の記憶部に記憶された遊技メダル数が「50」加算されることとなる。
なお、このときの金額情報からの1回の変換金額や、メダル数への変換率は上記以外でもよい。
【0150】
したがって、
図16(c)に示すように、金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われると、遊技メダル数表示器7aの数値情報が「52」(2+50)に加算更新されるとともに、金額情報表示器19bの数値情報が「4000」(5000-1000)に減算更新されることとなる。
【0151】
その後、遊技メダル数からMAXベットへの自動設定が行われることとなる。
自動設定は、主制御部10の記憶部に記憶された遊技メダル数から「3」が減算されてMAXベットが設定されることとなる。
したがって、
図16(d)に示すように、自動設定が行われると、遊技メダル数表示器7aの数値情報が「49」(52-3)に減算更新されるとともに、ベット数ランプ2fの「3BET」のランプが点灯されることとなる。
【0152】
なお、持メダル数からの自動変換時と同様に、遊技者に対して自動変更が行われた後に、自動設定が行われたことを明確に報知するために、
図16(c)に示す、遊技メダル数表示器7aにおける「52」への加算更新、および金額情報表示器19bにおける「4000」への減算更新が行われた後、所定時間(例えば、3秒)経過後に、
図16(d)に示す、遊技メダル数表示器7aにおける「49」への減算更新、およびベット数ランプ2fの「3BET」のランプの点灯を行うことが好ましい。
【0153】
以上のように、持メダル数あるいは金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われると、当該自動変換に対応して各表示器での表示内容が変化することとなる。
したがって、遊技者は自動変換が行われたことを確実に認識することが可能となり、何ら不信感なくスムーズにゲームを実行することが可能となるのである。
【0154】
また、持メダル数あるいは金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われた後に、MAXベットの自動設定が行われることとなるが、自動変換に関わる報知の後に、自動設定に関わる報知が行われることとなる。
したがって、遊技者は自動変換の後に自動設定が行われた、という手順を確実に認識することとが可能となるので、自動変換と自動設定が同時に行われる場合よりも、遊技者に安心感を与えることが可能となるのである。
なお、このときに、自動変換に関わる報知と自動設定に関わる報知との間に、所定時間経過を設けるようにすれば、遊技者はより上記手順を確実に認識することが可能となるのである。
【0155】
次に、
図17を参照して、自動変換に関わる事前報知について説明する。
本実施形態においては、前述したように、遊技メダル数が「2」以下の場合においてMAXベットボタン2bが操作された場合には、持メダル数あるいは金額情報から遊技メダル数への自動変換が行われることとなるが、主制御部10では、この自動変換が行われる状態を事前に判定し、当該判定結果に基づき自動変換が行われる旨を遊技者に対して事前に報知する機能を有している。
主制御部10における自動変換が行われることの事前判定は、所定のゲーム終了時点において、遊技メダル数が「2」以下であった場合に実行される。
そして、主制御部10は、副制御部20に対して自動変換の事前報知に関わる制御情報を送信し、表示制御手段としての副制御部20は、当該制御情報の受信に基づき表示手段としての演出表示器8において自動変換の事前報知を実行するのである。
【0156】
図17は、主制御部10において自動変換が行われることの事前判定が行われ、副制御部20の制御により自動変換の事前報知が行われた場合における演出表示器8での演出画像を示している。
なお、自動変換の事前報知は、遊技メダル数が「2」以下となったゲーム終了時点で開始されることとなる。
【0157】
図17に示すように、自動変換の事前報知が行われると、演出表示器8の画面下方部に、「次ゲームでMAXベットボタンを操作すると、遊技メダル数に自動変換されます」の文字情報からなる事前報知画像31が表示されて事前報知が実行される。
なお、事前報知は、次ゲームが開始された時点で終了させるようにしてもよし、自動変換が終了した時点や自動設定が終了した時点で終了させるようにしてもよい。
また、この事前報知を確認した遊技者は、その時点で遊技を終了することも可能となるので、遊技の終了に際して計数ボタン2cが操作されると、事前報知は終了することとなる。
また、遊技者による専用ユニット19での貸出操作や払出操作が行われた場合にも、事前報知は終了することとなる。
【0158】
以上のように、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、所定のゲーム終了時点において、遊技メダル数が「2」以下であった場合に、副制御部20の制御により自動変換の事前報知が行われるのである。
すなわち、表示制御手段としての副制御部20は、所定のゲームが終了した時点で、主制御部10の記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態となっている場合に、次のゲームにおいて自動変換が実行されることを事前に報知可能な情報を表示手段(演出表示器8)に表示させるための制御を実行可能とするのである。
したがって、遊技者は、次ゲームで自動変換が行われることを確実に認識することが可能となり、不本意に遊技メダル数への変換が行われてしまうことを防止することが可能となるのである。
なお、演出表示器8での事前報知が行われた場合に、スピーカ9から事前報知に対応する効果音(音声合成を含む)を出力するようにしてもよし、ランプ11において事前報知に対応する装飾発光を行うようにしてもよい。
【0159】
[自動変換に関わる設定]
次に、
図18を参照して、自動変換に関わる設定について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、自動変換を行うか否か、あるいは自動変換を行う際の変換元をどの情報にするかを設定可能な設定手段としての自動変換設定装置(図示略)を設けるようにしている。
なお、自動変換設定装置は、主制御部10と電気的に接続されることとなるが、主制御部10を構成する回路上に一体的に設けてもよいし、当該回路とは別体で設けてもよい。
また、自動変換設定装置には、遊技店側で各種変換設定値を変更可能な操作部や変換設定値を確認可能な表示部が設けられ、例えば、メダルレス遊技機1の電源投入時に、自動変換に関わる設定変更操作を行うと、当該操作信号を入力した主制御部10において、自動変換に関わる設定変更処理が行われることとなる。
なお、変換設定値の確認表示は、演出表示器8等の既存の表示器を利用して実行するようにしてもよい。
【0160】
図18は、各変換設定値に対応した変換態様を示している。
図18に示すように、主制御部10では、自動変換設定装置において「変換設定値1」(第1変換態様)が設定された場合には、変換態様として「自動変換不可」の制御が行われることとなる。
したがって、遊技メダル数が「2」以下の状態でMAXベットボタン2bが操作された場合でも自動変換は行われないこととなる。
具体的には、
図14の自動変換処理自体が行われない制御となる。
【0161】
また、主制御部10では、自動変換設定装置において「変換設定値2」(第2変換態様)が設定された場合には、変換態様として「持メダルから遊技メダルへの変換のみ可」の制御が行われることとなる。
したがって、遊技者が所有する持メダルから遊技メダルへの自動変換のみが可能となり、金額情報が有る場合でも金額情報から遊技メダルへの自動変換は不能となるような制御が行われることとなる。
具体的には、
図14の自動変換処理でのステップS52において、持メダル数が「3」以上ない場合にはステップS54に移行せずに自動変換処理が終了する制御となる。
【0162】
また、主制御部10では、自動変換設定装置において「変換設定値3」(第3変換態様)が設定された場合には、変換態様として「金額情報から遊技メダルへの変換のみ可」の制御が行われることとなる。
したがって、遊技者が所有する金額情報から遊技メダルへの自動変換のみが可能となり、持メダルが有る場合でも持メダルから遊技メダルへの自動変換は不能となるような制御が行われることとなる。
具体的には、
図14の自動変換処理でのステップS51の後、ステップS52をスルーしてステップS54に移行する制御となる。
【0163】
また、主制御部10では、自動変換設定装置において「変換設定値4」(第4変換態様)が設定された場合には、変換態様として「持メダルおよび金額情報から遊技メダルへの変換のみ可」の制御が行われることとなる。
したがって、前述の
図14で示した、遊技者が所有する持メダルおよび金額情報のいずれかから遊技メダルへの自動変換が可能となるような制御が行われることとなる。
なお、主制御部10のリセット時には、初期設定として「変換設定値4」に設定されることとなる。
また、「変換設定値1」が設定されている場合には、前述の自動変換の事前報知は行われないこととなる。
【0164】
以上のように、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、自動変換時の変換態様を自動変換設定装置により変更可能となるのである。
すなわち、メダルレス遊技機1は、自動変換に関わる変換態様を外部操作に基づき設定変更可能な設定手段(自動変換設定装置)を備えるのである。
したがって、遊技店の営業形態に対応した自動変換態様に設定することが可能となり、遊技店における営業時の利便性を向上させることが可能となるのである。
以上のように自動変換に関わる設定が実現される。
【0165】
[自動変換に関わる外部出力]
次に、
図19のフローチャートを参照して、主制御部10で行われる自動変換に関わる外部出力について説明する。
本実施形態のメダルレス遊技機1においては、自動変換が行われた場合に、主制御部10は、自動変換に関わる情報を、例えば、管理コンピュータ(管理装置)に出力(送信)することで、管理コンピュータにおいて、自動変換に関わる各種情報を収集させることを可能としている。
【0166】
図19は、主制御部10で実行される外部出力処理を示している。
まず、外部出力処理が行われると、ステップS60において、持メダルから遊技メダルへの自動変換が実行されたか否かの判定を行う。
持メダルから遊技メダルへの自動変換が実行された場合には、ステップS61に移行して、持メダルから遊技メダルへの自動変換が実行されていない場合には、ステップS62に移行する。
【0167】
次に、ステップS61において、持メダルから遊技メダルへの自動変換情報の外部出力処理を行う。
持メダルから遊技メダルへの自動変換情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、持メダルから遊技メダルへの自動変換が行われた回数を特定可能な情報や、そのときに自動変換された持メダル数を特定可能な情報を出力する処理であり、当該情報の出力により外部装置においては、メダルレス遊技機1において持メダルから遊技メダルへの自動変換に関わる情報が把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、メダルレス遊技機1の台番号、種類、発生時間等と関連付けて持メダルから遊技メダルへの自動変換が行われた回数や、自動変換された持メダル数等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、持メダルからの自動変換が行われた場合には、例えば、当該呼出装置に備えられた情報表示器において、持メダルからの自動変換が行われた旨の報知や自動変換された持メダル数の報知等を行うこととなる。
【0168】
次に、ステップS62において、金額情報から遊技メダルへの自動変換が実行されたか否かの判定を行う。
金額情報から遊技メダルへの自動変換が実行された場合には、ステップS63に移行して、金額情報から遊技メダルへの自動変換が実行されていない場合には、本外部出力処理を終了する。
【0169】
次に、ステップS63において、金額情報から遊技メダルへの自動変換情報の外部出力処理を行う。
金額情報から遊技メダルへの自動変換情報の外部出力処理は、管理コンピュータや呼出装置等の外部装置に対して、金額情報から遊技メダルへの自動変換が行われた回数を特定可能な情報や、そのときに自動変換された金額情報を特定可能な情報を出力する処理であり、当該情報の出力により外部装置においては、メダルレス遊技機1において金額情報から遊技メダルへの自動変換に関わる情報が把握(管理)されることとなる。
そして、管理コンピュータにおいては、メダルレス遊技機1の台番号、種類、発生時間等と関連付けて金額情報から遊技メダルへの自動変換が行われた回数や、自動変換された持メダル数等をデータ収集することとなる。
また、呼出装置においては、金額情報からの自動変換が行われた場合には、例えば、当該呼出装置に備えられた情報表示器において、金額情報からの自動変換が行われた旨の報知や自動変換された金額情報の報知等を行うこととなる。
【0170】
以上のように、本実施形態のメダルレス遊技機1においては、自動変換が行われた場合に、主制御部10は、自動変換に関わる情報を外部装置(例えば、管理コンピュータ)に出力するのである。
すなわち、主制御部10は、自動変換が実行されたことを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段を備えるのである。
したがって、自動変換に関わる各種データを、例えば、管理コンピュータにおいて収集させることが可能となり、遊技店において自動変換の実行回数や実行時間等の自動変換の利用状況を正確に把握させることが可能となるのである。
また、遊技店では、自動変換設定装置による設定変更時の参考情報を得ることができるので、自動変換設定装置を効率よく活用することが可能となるのである。
【0171】
[自動変換機能に関わる変形例]
次に、
図20~
図22を参照して、自動変換機能に関わる変形例について説明する。
なお、本変形例においては、
図20~
図22で説明する箇所のみ前述した実施形態と異なっていて、その他は前述の実施形態と同様となっている。
本変形例においては、自動変換機能を有効にするか、あるいは無効にするかを、遊技者の操作により設定可能な自動変換状態設定手段を設けるようにしている。
すなわち、前述した実施形態においては、自動変換設定装置において自動変換が可能な状態に設定されている場合には、自動変換条件の成立により常に自動変換が行われることとなるが、本変形例においては、遊技者の操作により自動変換が有効とされている場合にのみ、自動変換が行われることとなるのである。
【0172】
具体的には、前述(
図18参照)した自動変換設定装置において、「変換設定値2」~「変換設定値4」のいずれかが設定されている場合でも、通常(例えば、初期設定時)では自動変換は無効とされ、これを遊技者の操作により有効(有効化)にすることを可能として、遊技者の操作により自動変換が有効にされた場合には、指定された各変換態様での自動変換が行われることとなる。また、有効にされた状態を再度遊技者の操作により無効(無効化)にすることも可能としている。
なお、「変換設定値1」が設定されている場合には、自動変換機能を有効にするか否かの遊技者による設定は不能となる。
自動変換機能を有効にするか否かの設定は、主制御部10が、以下に示す自動変換状態切替処理を実行することで行われる。
【0173】
図20のフローチャートは、主制御部10により実行される自動変換状態切替処理を示している。
まず、自動変換状態切替処理が行われると、ステップS70において、自動変換の有効/無効の切替操作があるか否かの判定が行われる。
自動変換を有効にするか否か(有効化させるか否か)の設定は、遊技者による所定の操作手段からの操作信号を主制御部10が入力することで実行され、例えば、ゲームが所定時間実行されていない場合(呼び込み表示が行われた場合)に、自動変換機能の切替画像を演出表示器8に表示させるとともに停止ボタン5を有効にし、このとき左停止ボタン5aを操作すると自動変換機能が有効に切り替わり(既に有効の場合はそのまま維持され)、右停止ボタン5cを操作すると自動変換機能が無効に切り替わる(既に無効の場合はそのまま維持される)ような切替処理が行われる。
【0174】
したがって、例えば、初期設定時に自動変換が無効となっている場合には、ステップS70において、左停止ボタン5aが操作された場合に、ステップS71に移行し、左停止ボタン5aが操作されなかった場合に、本自動変換状態切替処理を終了する。
一方、自動変換が有効となっている場合には、ステップS70において、右停止ボタン5cが操作された場合に、ステップS71に移行し、右停止ボタン5cが操作されなかった場合に、本自動変換状態切替処理を終了する。
【0175】
次に、ステップS71において、自動変換の有効/無効の切替処理を行う。
したがって、自動変換が無効となっている状態において、左停止ボタン5aが操作された場合には、自動変換を有効に切り替え、自動変換が有効となっている状態において、右停止ボタン5cが操作された場合には、自動変換を無効に切り替える処理が行われる。
自動変換が有効に切り替えられると、その後、自動変換設定装置で設定された各変換態様での自動変換が行われることとなり、例えば、「変換設定値2」が設定されていた場合には、持メダルから遊技メダルへの自動変換のみが実行されることとなる。
また、自動変換が有効に切り替えられると、前述した自動変換の事前報知も行われることとなる。
その後、本自動変換状態切替処理を終了する。
【0176】
以上のように、本変形例においては、自動変換を有効にするか否かを遊技者の操作により切り替え可能とするのである。
すなわち、主制御部10、遊技者の操作に基づき、自動変換手段(主制御部10)における自動変換を有効化させるか否かを設定可能な自動変換状態設定手段を備えるのである。
したがって、遊技者の好みに応じて自動変換を有効にしたり無効にしたりすることが可能となり、遊技者が満足する遊技環境を提供することが可能となるのである。
また、事前に自動変換を無効にしておくことで、例えば、遊技メダル数が「2」以下となった場合に遊技を終了しようとしていた遊技者が、遊技メダル数が「2」以下となったことに気付かずに、不本意に自動変換が行われてゲームを実行してしまった、というような事態を未然に防止することが可能となるのである。
【0177】
なお、停止ボタン5の操作により自動変換を有効にするか否かの切替を行うようにしているが、切替操作は主制御部10に入力されるその他の操作手段により行ってもよく、また、切替操作を有効化する時期も上記した以外でもよい。
また、メダルレス遊技機1の電源投入時に自動変換を無効に切り替えるようにしてもよい。
【0178】
次に、
図21を参照して、本変形例における自動変換が有効となっている場合の報知について説明する。
本変形例においては、前述したように、遊技者により自動変換を有効にすることが可能となるが、主制御部10では、自動変換が有効とされているか、あるいは無効とされているかを特定可能な制御情報を副制御部20に送信し、表示制御手段としての副制御部20では、当該制御情報の受信に基づき、自動変換が有効とされている場合には、表示手段としての演出表示器8において、自動変換が有効とされていることを報知可能な有効化報知を実行するようにしている。
【0179】
図21は、副制御部20の制御により有効化報知が行われた場合における演出表示器8での演出画像を示している。
図21に示すように、自動変換の有効化報知が行われると、演出表示器8の画面右下に、「自動変換有効中」の文字情報からなる有効化報知画像32が表示される。
なお、有効化報知画像32は、自動変換が有効とされている間に常に表示するようにしてもよいし、ゲームが実行されていないことを条件に表示するようにしてもよい。
また、自動変換が有効に切り替えられると、自動変換が行われる直前のゲーム終了後には、有効化報知と併行して、前述した自動変換の事前報知も行われることとなる。
【0180】
以上のように、本変形例においては、自動変換が有効とされている場合には、副制御部20の制御により自動変換の有効化報知が行われるのである。
したがって、遊技者は、自動変換が有効とされていることを確実に認識することが可能となり、不本意に遊技メダル数への自動変換が行われてしまうことを防止することが可能となるのである。
なお、自動変換の有効化報知は、自動変換が有効とされていることを遊技者が認識可能なものであれば、演出表示器8以外で実行するようにしてもよく、例えば、所定のランプを点灯することで自動変換の有効化報知を実行するようにしてもよい。
【0181】
次に、
図22を参照して、本変形例における自動変換の無効化について説明する。
本変形例においては、上記したように遊技者の操作により自動変換を有効にすることが可能となっているが、所定条件の成立に基づき、自動変換が有効とされている状態においても、自動的に自動変換を無効とするように切り替える機能を設けている。
図22は、上記自動変換を無効に切り替える処理を実行するための、主制御部10における自動変換無効化処理を示している。
【0182】
まず、自動変換無効化処理が実行されると、ステップS80において、不正占有状態(第1不正占有状態あるいは第2不正占有状態)が発生しているか否かの判定を行う。
前述した実施形態においては、遊技メダルが残っている状態において、ゲームが所定時間実行されなかった場合には、メダルレス遊技機1が不正に占有されている不正占有状態に移行することとなるが、ステップS80においては、この不正占有状態が発生しているか否かの判定を行うのである。
不正占有状態が発生している場合には、ステップS81に移行し、不正占有状態が発生していない場合には、本自動変換無効化処理を終了する。
【0183】
次に、ステップS81において、自動変換が有効とされているか否かの判定を行う。
遊技者の操作により、自動変換が有効とされている場合には、ステップS82に移行し、自動変換が有効とされていない場合には、本自動変換無効化処理を終了する。
【0184】
次に、ステップS82において、自動変換の無効化処理を実行する。
すなわち、遊技者の操作により有効とされている自動変換を、遊技者の操作無しで自動的に無効とする処理、すなわち自動変換の有効化を解除する処理を実行するのである。
その後、本自動変換無効化処理を終了する。
【0185】
以上のように、本変形例においては、不正占有状態が発生した場合には、遊技者の操作により有効とされている自動変換を無効とする処理を実行するのである。
すなわち、自動変換状態設定手段としての主制御部10は、不正占有状態の発生を監視可能な監視手段(主制御部10)による監視結果に基づき、自動変換の有効化を解除可能とするのである。
したがって、不正占有状態が係員により解除されて、その後新たな遊技者が当該メダルレス遊技機1で遊技を行う場合には、初期状態と同様の自動変換が無効となっている状態に復帰しているので、不本意に自動変換が行われてしまうことを防止可能となるのである。
【0186】
なお、本変形例において、自動変換が有効化されている場合に、計数ボタン2cが操作されたことに基づき、無効化に切り替えるようにしてもよい。
また、自動変換が有効とされている場合に、不正占有状態が発生している間にのみ自動変換を自動的に無効にして、不正占有状態が解除された場合には、自動的に自動変換を有効にするようにしてもよい。
また、自動変換が有効化されている状態と、無効化されている状態とで、不正占有状態に移行するまでの時間を変化させるようにしてもよい。
例えば、自動変換が無効化されている状態においては、10分で不正占有状態に移行させるが、自動変換が有効化されている状態においては、5分で不正占有状態に移行させるようにしてもよい。
以上のように、自動変換機能に関わる変形例が実現される。
【0187】
以上、本実施形態のメダルレス遊技機1について説明したが、不正占有状態の監視処理を実行するか否かを外部操作により設定可能な手段を設けるようにしてもよい。
また、不正占有状態の監視時間(第1~3時間)を外部操作により設定変更可能な手段を設けるようにしてもよい。
また、不正占有状態中に、主制御部10の記憶部に記憶されている遊技メダル数が増加(貸し出し操作等による増加)した場合には、不正占有状態を終了してもよいし、不正占有状態を継続するようにしてもよい。
また、不正占有状態が発生した場合に、ゲームの実行が不能なゲーム実行不能状態に移行させるようにしてもよい。
また、不正占有状態が発生した場合でも、第2不正占有状態が発生した場合に限り、ゲームの実行が不能なゲーム実行不能状態に移行させるようにしてもよい。
【0188】
また、持メダルからの自動変換は、そのことに気付いていない遊技者でも不満感を持つ可能性が低いので、遊技メダル数が、例えば、10枚となった場合等の、まだゲームを実行可能な時点から自動変換を行うようにしてもよい。
ただし、金額情報からの自動変換は、遊技者が不満感を持つ可能性があるので、ゲームを実行不能な時点で自動変換を行うことが好ましい。
また、通常の変換時と、自動変換時等で変換単位を異ならせるようにしてもよい。
例えば、通常の変換時には1000円分の遊技メダルを変換するが、自動変換時には500円分の遊技メダルを変換するようにしてもよい。
【0189】
以上説明したように、本発明は、遊技者による所定操作に基づき、遊技者所有の情報(持メダル、金額情報)からゲームを実行可能な遊技価値(遊技メダル)に変換するとともに、当該変換された遊技価値を記憶可能な記憶部を有する遊技機(メダルレス遊技機1)において、前記ゲームの実行に際して、遊技者が操作可能な操作手段(MAXベットボタン2b)と、前記操作手段が操作された場合に、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への変換を自動的に実行可能な自動変換手段(主制御部10)と、を備え、前記自動変換手段は、前記遊技者所有の情報から前記ゲームを実行可能な遊技価値への自動変換を、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数(「3」)に満たない状態において、前記操作手段が操作された場合に実行可能な構成としている。
したがって、遊技価値数が1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態においても、操作手段を操作するだけで、遊技者所有の情報から遊技価値への自動変換が行われるので、遊技価値を変換するための遊技者にとって煩わしい操作を行う必要なく、スムーズに連続したゲームを実行することが可能となる。
【0190】
また、前記操作手段は、前記ゲームを実行するための賭け数を設定するものとし、前記自動変換手段は、前記自動変換を実行した後、前記賭け数の設定を自動的に実行可能な構成としている。
したがって、遊技価値数が1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態においても、操作手段を操作するだけで、通常のゲームの進行時と同様に何ら違和感なく連続したゲームを実行することが可能となる。
また、遊技者は自動変換の後に自動設定が行われた、という手順を確実に認識することとが可能となるので、自動変換と自動設定が同時に行われる場合よりも、遊技者に安心感を与えることが可能となる。
【0191】
また、前記遊技者所有の情報には、以前のゲームにおいて獲得した遊技価値情報(持メダル)と、金額情報とが含まれ、前記自動変換手段は、前記金額情報からの自動変換よりも、前記遊技価値情報からの自動変換を優先的に実行可能な構成としている。
したがって、以前のゲームにおいて獲得した遊技価値情報が有るにもかかわらず金額情報からの自動変換が行われてしまう、といった遊技者が不満感を覚えることを防止することが可能となる。
【0192】
また、複数の情報を表示可能な表示手段(演出表示器8)と、前記表示手段の表示制御を実行可能な表示制御手段(副制御部20)と、を備え、前記表示制御手段は、所定のゲームが終了した時点で、前記記憶部に記憶されている遊技価値数が、1回のゲームを実行するための最大遊技価値数に満たない状態となっている場合に、次のゲームにおいて前記自動変換が実行されることを事前に報知可能な情報を前記表示手段に表示させるための制御を実行可能な構成としている。
したがって、遊技者は、次ゲームで自動変換が行われることを確実に認識することが可能となり、不本意に自動変換が行われてしまうことを防止することが可能となる。
【0193】
また、前記自動変換に関わる変換態様を外部操作に基づき設定変更可能な設定手段(自動変換設定装置)を備えた構成としている。
したがって、遊技店の営業形態に対応した自動変換態様に設定することが可能となり、遊技店における営業時の利便性を向上させることが可能となる。
【0194】
また、前記自動変換が実行されたことを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段(主制御部10)を備えた構成としている。
したがって、自動変換に関わる各種データを、例えば、管理コンピュータにおいて収集させることが可能となり、遊技店において自動変換の実行回数や実行時間等の自動変換の利用状況を正確に把握させることが可能となる。
また、遊技店では、設定手段(自動変換設定装置)による設定変更時の参考情報を得ることができるので、設定手段を効率よく活用することが可能となる。
【0195】
また、遊技者の操作に基づき、前記自動変換手段における自動変換を有効化させるか否かを設定可能な自動変換状態設定手段(主制御部10)を備えた構成としている。
したがって、遊技者の好みに応じて自動変換を有効にしたり無効にしたりすることが可能となり、遊技者が満足する遊技環境を提供することが可能となる。
【0196】
また、前記記憶部に前記遊技価値が記憶されている状態において、前記ゲームが所定時間実行されていない不正占有状態の発生を監視可能な監視手段(主制御部10)を備え、前記自動変換状態設定手段は、前記監視手段による監視結果に基づき、前記自動変換の有効化を解除可能な構成としている。
したがって、不正占有状態が係員により解除されて、その後新たな遊技者が当該遊技機で遊技を行う場合には、初期状態と同様の自動変換が無効となっている状態に復帰しているので、不本意に自動変換が行われてしまうことを防止可能となる。
【0197】
なお、自動変換手段、表示制御手段、外部出力手段、自動変換状態設定手段、監視手段は、主制御部10が備えるものであってもよいし副制御部20が備えるものであってもよい。また、主制御部10と副制御部20の協働により構成されるものであってもよい。
【0198】
一方、従来の遊技機として、特許文献(特開2015-134010)には、メダルレスで遊技が可能なスロットマシンが開示されている。
しかしながら、このような従来の遊技機では、利便性を向上させる上で十分とはいえないものであった。
本実施形態の遊技機によれば、従来の遊技機が改善すべき上記課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0199】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、主制御部10は、CPUを搭載する主基板を2枚とすることもできる。
この場合、主制御部10は、主制御CPUが搭載された主制御基板とメダル数制御CPUが搭載されたメダル数制御基板とで構成することができる。
具体的には、メダル数制御CPUに、遊技メダル数表示装置7の制御や、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を担わせ、それ以外の遊技を統括的に制御する動作を主制御CPUに担わせることができる。
【0200】
また、主制御部10が担う動作の一部又は全部を副制御部20が担う構成でもよく、副制御部20が担う動作の一部又は全部を主制御部10が担う構成でもよい。
例えば、副制御部20により遊技メダル数表示装置7を制御してもよく、計数ボタン2c、遊技メダル数クリアボタン14、専用ユニット19の動作に応じた制御を副制御部20が担ってもよい。
また、主制御部10により計数ボタンランプ2eやベット数ランプ2fの動作を制御してもよい。
【0201】
また、本実施形態において、遊技機は、スロットマシンである例を示したが、パチンコ機でもよい。
すなわち、遊技球などの遊技媒体を外部に払い出さず、内部循環させてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機でもよい。
この場合、遊技機は、遊技メダル数表示装置7に対応する遊技球数表示装置を設けることができる。
その上で、例えば、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数の多寡に応じて報知態様を変更してもよく、また、計数ボタンを長押しした場合には短押しの場合よりも計数の量を多くし、遊技球数表示装置において記憶・表示されている遊技球数が0となった後も長押しされたまま遊技球を獲得した場合に、当該遊技球を計数してもよい。
【符号の説明】
【0202】
1 メダルレス遊技機
2a ベットボタン
2b MAXベットボタン
2c 計数ボタン
2d 精算ボタン
2f ベット数ランプ
7 遊技メダル数表示装置
7a 遊技メダル数表示器
8 演出表示器
10 主制御部
19 専用ユニット
19a 持メダル数表示器
19b 金額情報表示器