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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039711
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】昇降式クローラ作業車両
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/02 20060101AFI20240315BHJP
   B62D 24/00 20060101ALI20240315BHJP
   B62D 55/06 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
E02F9/02 A
B62D24/00
B62D55/06
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144283
(22)【出願日】2022-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-25
(71)【出願人】
【識別番号】522361630
【氏名又は名称】有限会社長若建設
(74)【代理人】
【識別番号】100097205
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 正樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 明生
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA27
3D203CB38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】傾斜地等において運転室を水平に維持することができる構造の昇降式クローラ作業車両の提供。
【解決手段】クローラ走行体12と、クローラ走行体12の上部に設けられた上部作業部13と、上部作業部13とクローラ走行体12との間に設けられ、上部作業部13を昇降可能とする昇降機構15と、を有する昇降式クローラ作業車両11であって、クローラ走行体12は、クローラ走行体12の左右に設けられた右側クローラ走行部17aと、左側クローラ走行部12bとを有し、昇降機構15は、右側クローラ走行部17aと上部作業部13とを接続して上部作業部を昇降可能とする右側昇降機構(前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52)と、左側クローラ走行部17bと上部作業部13とを接続して上部作業部13を昇降可能とする左側昇降機構(前部左側昇降機構53、後部左側昇降機構55)とを有する構成である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローラ走行体と、該クローラ走行体の上部に設けられた上部作業部と、該上部作業部と前記クローラ走行体との間に設けられ、前記上部作業部を昇降可能とする昇降機構と、
を有する昇降式クローラ作業車両であって、
前記クローラ走行体は、左右一対に設けられた右側クローラ走行部と、左側クローラ走行部と、を有し、
前記昇降機構は、前記右側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする右側昇降機構と、前記左側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする左側昇降機構と、を有する昇降式クローラ作業車両。
【請求項2】
前記右側昇降機構は、前記右側クローラ走行体の右側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部右側昇降機構と、前記右側クローラ走行体の右側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部右側昇降機構と、前記左側クローラ走行体の左側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部左側昇降機構と、前記左側クローラ走行体の左側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部左側昇降機構と、を有する請求項1に記載の昇降式クローラ作業車両。
【請求項3】
前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構は、一端が前記上部作業部に含まれ前記上部作業部の下部に設けられた車台フレームに軸着される第1のリンク部材と、前記第1のリンク部材の他端と一端が軸着され、他端が前記右側走行部フレーム又は前記左側走行部フレームに軸着される第2のリンク部材と、一端が前記車台フレームに他端が前記第1のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第1のアクチュエータと、一端が前記車台フレームに他端が前記第2のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第2のアクチュエータと、を有する請求項1又は2に記載の昇降式クローラ作業車両。
【請求項4】
前記第1のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第1のリンク部材に軸着される第1の油圧シリンダであり、前記第2のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第2のリンク部材に軸着される第2の油圧シリンダである請求項3に記載の昇降式クローラ作業車両。
【請求項5】
前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降動作は、予め定められた前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降の組み合わせパターンに基づいて、行われる請求項2に記載の昇降式クローラ作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜地、山岳地等における作業において運転席を水平に保つことができる昇降式クローラ作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載の建設機械等の運転室装置が知られている。この建設機械等の運転室装置では、運転室を油圧シリンダとチェーンにより昇降させて、かつ、運転室とキャリアをフックと上下で位置の偏芯したローラで3点支持する装置とするものである。これにより、運転室の昇降を速やかにして作業現場の状況を目視確認して安全の向上を図り、かつ、揺動を防止して水平を保持することが可能となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-331701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、土木建築現場には山岳地等のように起伏に富んだ場所や、急な傾斜地などがあり、運転室の昇降を行っても運転室が傾いた状態では周囲の安全確認を十分に行うことが困難となり、作業の効率が低下することがある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、傾斜地等においても運転室を水平に維持することができ、周囲を見渡せる構造の昇降式クローラ作業車両の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る昇降式クローラ作業車両は、クローラ走行体と、該クローラ走行体の上部に設けられた上部作業部と、該上部作業部と前記クローラ走行体との間に設けられ、前記上部作業部を昇降可能とする昇降機構と、を有する昇降式クローラ作業車両であって、前記クローラ走行体は、左右一対に設けられた右側クローラ走行部と、左側クローラ走行部と、を有し、前記昇降機構は、前記右側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする右側昇降機構と、前記左側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする左側昇降機構と、を有する構成である。
【0007】
このような構成によれば、山岳部での伐採作業、傾斜地での土木作業等において、昇降式クローラ作業車両が傾いた状態となった場合でも、右側昇降機構又は左側昇降機構を作動させることで上部作業部を水平に維持することができるので、作業者の視界を良好にして安全性を確保することができる。昇降式クローラ作業車両が右側を下にして傾いた場合には右側昇降機構を傾斜の程度に合わせて所定長さ上昇させて上部作業部を水平に維持し、昇降式クローラ作業車両が左側を下にして傾いた場合には左側昇降機構を同様に作動させて上部作業部を水平に維持することができる。また、右側昇降機構及び左側昇降機構の両方を上昇させて視界を広くすることもでき、更に上昇の程度を左右で調整することで水平を維持しつつ、視界を広くすることができる。
【0008】
本発明に係る昇降式クローラ作業車両において、前記右側昇降機構は、前記右側クローラ走行体の右側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部右側昇降機構と、前記右側クローラ走行体の右側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部右側昇降機構と、前記左側クローラ走行体の左側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部左側昇降機構と、前記左側クローラ走行体の左側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部左側昇降機構と、を有する構成とすることができる。
【0009】
このような構成によれば、昇降式クローラ作業車両の左右の傾斜から上部作業部を水平状態に保持するだけでなく、前後方向の傾斜に対して上部作業部を水平状態に保持することができる。例えば、昇降式クローラ作業車両が前進する方向に傾斜(上向き又は下向き)がある場合には、前部右側昇降機構及び前部左側昇降機構を昇降させて上部作業部を水平状態に保持することができる。また、後進する方向に傾斜(上向き又は下向き)がある場合には、後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構を昇降させて上部作業部を水平状態に保持することができる
【0010】
本発明に係る昇降式クローラ作業車両において、前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構は、一端が前記上部作業部に含まれ前記上部作業部の下部に設けられた車台フレームに軸着される第1のリンク部材と、前記第1のリンク部材の他端と一端が軸着され、他端が前記右側走行部フレーム又は前記左側走行部フレームに軸着される第2のリンク部材と、一端が前記車台フレームに他端が前記第1のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第1のアクチュエータと、一端が前記車台フレームに他端が前記第2のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第2のアクチュエータと、を有する構成とすることができる。
【0011】
このような構成によれば、右側昇降機構、後部右側昇降機構、前部左側昇降機構及び後部左側昇降機構昇降機構が、第1のリンク部材、第2のリンク部材、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータで回動可能に軸着されているので、第1のアクチュエータ及び第2のアクチュエータを伸縮させることで上部作業部の昇降動作を制御することができる。一軸方向に伸縮可能なアクチュエータとしては、油圧シリンダ、空気シリンダ、電動シリンダ等が相当する。
【0012】
本発明に係る昇降式クローラ作業車両において、前記第1のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第1のリンク部材に軸着される第1の油圧シリンダであり、前記第2のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第2のリンク部材に軸着される第2の油圧シリンダである構成とすることができる。
【0013】
このような構成によれば、第1、第2のアクチュエータを油圧シリンダとするので、小型で強力な力、トルクを発揮することができ、エネルギーの蓄積ができ、高温や労働環境の悪い所での使用も可能となる利点がある。特に、昇降式クローラ作業車両が油圧で作動する場合には、油圧シリンダを使用することで効率性が良いものとなる。
【0014】
本発明に係る昇降式クローラ作業車両において、前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降動作は、予め定められた前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降の組み合わせパターンに基づいて、行われる構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、各昇降機構の昇降の組み合わせパターンに基づいて行われるので、操作者は適切な昇降の組み合わせパターンを選択して操作することができる。例えば、昇降式クローラ作業車両の右側を上昇させたい場合には、前部右側昇降機構及び後部右側昇降機構の組み合わせを選択して、両方の上昇操作を一度に行うことができる。操作は無線又は有線のリモコン装置で行うこともできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、昇降式クローラ作業車両が傾いた状態となった場合でも、昇降機構を作動させることで上部作業部を水平に維持し、周囲を見渡すことができ、作業者の視界を良好にして安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施形態に係る昇降式パワーショベル(昇降式クローラ作業車両)を進行方向の前側から見た図である。
図2図2は、図1の昇降式パワーショベルの操作室等を前側に旋回させたものを進行方向の右側から見た図であり、走行機構及び昇降機構については図1の矢視X1方向から見たものである。
図3図3は、図1の昇降式パワーショベルの配管・配線を示す概略系統図である。
図4図4は、図1のパワーショベルの昇降機構を操作する無線リモコン装置の概略図である。
図5図5は、図1の昇降式パワーショベルの昇降機構により上部作業部を上昇させた状態を進行方向の前側から見た図である。
図6図6は、図5の昇降式パワーショベルの操作室等を前側に旋回させたものを進行方向の右側から見た図であり、走行機構及び昇降機構については図5の矢視X2方向から見たものである。
図7図7は、図2の昇降式パワーショベルの後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構を上昇させた状態の図である。
図8図8は、図1の昇降式パワーショベルの前部右側昇降機構及び後部右側昇降機構を上昇させた状態を進行方向の後側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る昇降式パワーショベル(昇降式クローラ作業車両)を進行方向の前側から見た図であり、図2図1の昇降式パワーショベルの操作室等を前側に旋回させたものを進行方向の右側から見た図であり、走行機構及び昇降機構については図1の矢視X1方向から見たものであり、図3図1の昇降式パワーショベルの配管・配線を示す概略系統図であり、図4図1のパワーショベルの昇降機構を操作する無線リモコン装置の概略図であり、図5図1の昇降式パワーショベルの昇降機構により上部作業部を上昇させた状態を進行方向の前側から見た図であり、図6図5の昇降式パワーショベルの操作室等を前側に旋回させたものを進行方向の右側から見た図で走行機構及び昇降機構については図5の矢視X2方向から見たものであり、図7図2の昇降式パワーショベルの後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構を上昇させた状態の図であり、図8図1の昇降式パワーショベルの前部右側昇降機構及び後部右側昇降機構を上昇させた状態を進行方向の後側から見た図である。
【0020】
図1図2に示すように、本発明の実施形態に係る昇降式パワーショベル11(昇降式クローラ作業車両)は、クローラ(履帯)により走行するクローラ走行体12と、クローラ走行体12の上部にもうけられた上部作業部13と、上部作業部13とクローラ走行体12との間に設けられ、クローラ走行体12に対して上部作業部13を昇降可能とする昇降機構15と、を有する。
【0021】
昇降式パワーショベル11を前側から見た図1に示すように、クローラ走行体12は、昇降式パワーショベル11の前進方向右側にある右側クローラ走行部17aと、同じく前進方向左側にある左側クローラ走行部17bと、を有する。なお、図1における前進方向は紙面から手前側に向かう垂直方向であり、図2における前進方向は紙面上を左から右へ向かう方向である。右側クローラ走行部17a、左側クローラ走行部17bは、それぞれ油圧モーター18a、18bによりクローラ20a、20bを駆動させて昇降式パワーショベル11を走行させる。
【0022】
図1の矢印X1に示すように、図2においては左側クローラ走行部17bについて説明する。なお、右側クローラ走行部17aも同様の構造である。左側クローラ走行部17bは主として、前部側に油圧を動力源とする油圧モーター18bにより駆動する駆動輪22bと、後部側に設けられた従動輪23bと、その間に5個の下ローラ26bと、これらを前後方向に並んで配置する左側走行部フレーム25bと、で構成される。駆動輪22bと従動輪23bの中心間の距離は2800mmとなっている。なお、上記したように右側クローラ走行部17aについても同様に、油圧モーター18aにより駆動輪22aが駆動され、従動輪23a、下ローラ26aと、が右側走行部フレーム25aに設けられている。右側走行部フレーム25a、左側走行部フレーム25bは、断面が矩形状の長尺部材である。
【0023】
上部作業部13は、主として、土砂の掻き起こし等の作業を行う作業機装置31と、作業機装置31やクローラ走行部12等の操作を行う操作室32と、各種の機器が収納される機会本体部33と、操作室32、作業機装置31及び機械本体部33を旋回させる旋回部35と、旋回部35が設けられる車台フレーム36と、で構成される。
【0024】
作業機装置31は、土砂等の掘削、積み込み等を行うバケット37と、バケット37と軸着されるアーム38と、更にアーム38と軸着されるブーム41と、バケット37を回動させるバケットシリンダ42と、アーム38を回動させるアームシリンダ43と、ブーム41を回動させるブームシリンダ45と、を有する。ブーム41の一端は機械本体部33に軸着され、他端がアーム38に軸着されている。上記したバケットシリンダ42、アームシリンダ43及びブームシリンダ45は、油圧により伸縮してバケット37、アーム38及びブーム41を回動させる油圧シリンダである。
【0025】
操作室32には、作業機装置31、クローラ走行部12及び旋回部35を操作するためのコントロールバルブである制御弁機構39(図3参照)が設けられており、作動油の圧力、流量、流向を制御する機能を有する。なお、後述する昇降機構15を無線操作する無線リモコン装置28(図4参照)も設けられている。また、機械本体部33には、作動油を加圧する油圧ポンプ46、油圧ポンプ46を駆動させるエンジン47、作動油タンク48、旋回部油圧モーター50、作業機装置31とのバランスをとるためのカウンタウエイト(不図示)等が設けられている(図3参照)。
【0026】
操作室32、作業機装置31及び機械本体部33が360度旋回するため、旋回部35には、旋回による油圧の配管のねじれ防止のためにクローラ走行部12等への油圧供給のスイベルジョイント(不図示)が設けられている。旋回部35は、所定厚で方形状の車台フレーム36の上に設けられている。
【0027】
昇降機構15は、右側昇降機構である前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52と、左側昇降機構である前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55と、を有する。右側昇降機構及び左側昇降機構とも装置構成は共通であることから、図2に示すように、左側昇降機構を構成する前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55について説明し、前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52については省略する。
【0028】
前部左側昇降機構53は、一端が車台フレーム36に軸着される棒状の第1のリンク部材61aと、第1のリンク部材61aの他端と一端が軸着され、他端が左側走行部フレーム25bに軸着される棒状の第2のリンク部材61bと、本体部の端部が車台フレーム36に軸着され、ロッド部の端部が第1のリンク部材61aに軸着される第1の油圧シリンダ63a(第1のアクチュエータ)と、本体部の端部が車台フレーム36に軸着され、ロッド部の端部が第2のリンク部材61bに軸着される第2の油圧シリンダ63b(第2のアクチュエータ)と、を有する。上記軸着にはピン部材が使用される。
【0029】
後部左側昇降機構55は、一端が車台フレーム36に軸着される棒状の第1のリンク部材65aと、第1のリンク部材65aの他端と一端が軸着され、他端が左側走行部フレーム25bに軸着される棒状の第2のリンク部材65bと、本体部の端部が車台フレーム36に軸着され、ロッド部の端部が第1のリンク部材65aに軸着される第1の油圧シリンダ66a(第1のアクチュエータ)と、本体部の端部が車台フレーム36に軸着され、ロッド部の端部が第2のリンク部材65bに軸着される第2の油圧シリンダ66b(第2のアクチュエータ)と、を有する。上記同様軸着にはピン部材が使用される。前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52も同様に構成される。
【0030】
前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55は、油圧シリンダ63a、63b、66a、66bの伸縮によりリンク部材61a、61b、65a、65bが回動することで、上下に伸縮する。したがって、前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55の油圧シリンダを伸縮させることで、上部作業部13の昇降が可能であり、更に前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55の一部を昇降させることで、上部作業部13の前部の昇降、後部の昇降、右側の昇降又は左側の昇降が可能となり、各昇降機構の組み合わせの選択による昇降により、傾斜地においても上部作業部13の水平を維持することができる。
【0031】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係る昇降式パワーショベル11(昇降式クローラ作業車両)の配管・配線の概略と、パワーショベル11の昇降機構を操作する無線リモコン装置について説明する。図3に示すように、昇降式パワーショベル11の走行、作業、旋回及び昇降の動作については、油圧ポンプ46により供給される作動油により行われる。油圧ポンプ46はエンジン47(ディーゼルエンジン又はガソリンエンジン)と機械的に接続され作動油を加圧する。油圧ポンプ46により供給される作動油は、操作部71による操作により、流量、流向等を制御する制御弁機構39を介して作業機装置油圧シリンダ40(バケットシリンダ42、アームシリンダ43、ブームシリンダ45)、走行部油圧モーター18(油圧モーター18a、18b)、旋回部モーター50を駆動させる。
【0032】
昇降式パワーショベル11の昇降機構油圧シリンダ60(前部左側昇降機構53の第1の油圧シリンダ63a、第2の油圧シリンダ63b、後部左側昇降機構55の第1の油圧シリンダ66a、第2の油圧シリンダ66b、前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52の第1の油圧シリンダ及び第2の油圧(不図示))についても油圧ポンプからの作動油により駆動される。昇降に油圧シリンダを使用する為、通常の油圧スイベル(不図示)に付加して、車台フレーム36に油圧用の電磁弁72を設けている。電磁弁72の駆動は、旋回中央に電磁弁作動用の電気供給スリップリング(不図示)を配して電気を供給し、シーケンス回路と電磁弁の作動を担う。無線リモコン装置28(図4参照)からの通信を通信部73で受信し、制御部75が電磁弁72の作動を制御する。昇降機構油圧シリンダ60、作業機装置油圧シリンダ40、走行部油圧モーター18、旋回部モーター50を駆動させた作動油は、作動油タンク48に戻り更に油圧ポンプ46で加圧されて循環する。
【0033】
図4に示すように、無線リモコン装置28には、昇降パターン毎のスイッチが設けられている。A(全4)スイッチ81は、前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55の4台を同時に作動させるスイッチで、B(前2)スイッチ82は、前部右側昇降機構51及び前部左側昇降機構53の2台を同時に作動させるスイッチで、C(後4)スイッチ83は、後部右側昇降機構52及び後部左側昇降機構55を同時に作動させるスイッチで、D(左2)スイッチ84は、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55を同時に作動させるスイッチで、E(右2)スイッチ85は、前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52を作動させるスイッチである。また、上記各昇降機構のオンオフ(ON/OFF)スイッチ86も設けられている。更に、昇降の程度を調整する操作レバー87が設けられており、操作レバー87を右に移動させることで上昇、左に移動させることで下降の動作となる。操作レバー87の移動量が昇降の程度を調整する。これらの動作は、制御部88により通信部89を介して電磁弁72の操作に通じる通信部73及び制御部75に送信される(図3参照)。
【0034】
次に、昇降機構が図1及び図2の収縮した状態から伸長した状態について図3図8を参照して、本実施形態に係る昇降式パワーショベル(昇降式クローラ作業車両)の昇降動作について説明する。図5図1の昇降式パワーショベル11の上部作業部を上昇させた図で、図6図5の昇降式パワーショベルの上部作業部を前側に旋回させたものを進行方向の右側から見た図で走行機構及び昇降機構については図5の矢視X2方向から見たものである。図4に示す無線リモコン装置28のオン/オフ(ON/OFF)スイッチ86を押して昇降動作開始状態(ON)とし、更にA(全4)スイッチ81を押して操作レバー87を「伸」方向に移動させると、図5及び図6に示すように、前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55が伸長する。具体的には、無線リモコン装置28のボタン及び操作レバーの操作により制御部88から通信部89を介した操作指示信号が送信され、図3に示す通信部93に受信されると、制御部75により電磁弁72が操作されて油圧により昇降機構油圧シリンダ60(63a、63b、66a、66b)を伸長させ、更に前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55を伸長させる。
【0035】
図6に示すように、前部左側昇降機構53の第1の油圧シリンダ63a、第2の油圧シリンダ63b、及び後部左側昇降機構55の第1の油圧シリンダ66a、第2の油圧シリンダ66bが伸長することで、第1のリンク部材61a、65a及び第2のリンク部材61b、65bも伸長し、同様に前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52(図5参照)についても油圧シリンダの伸長により第1のリンク部材及び第2のリンク部材(不図示)も伸長する。これにより、図5及び図6に示すように、前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52、前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55が伸長することで、上部作業部13がH1(940mm:図1)からH2(2065mm)の高さに上昇するので、起伏のある丘陵地帯、山岳地帯、災害場所等における操作室32の視界を確保することができ、作業時の安全確保と作業効率を向上させることができる。なお、傾斜地等においては後述するように、右側昇降機構(前部右側昇降機構51、後部右側昇降機構52)又は左側昇降機構(前部左側昇降機構53及び後部左側昇降機構55)の何れかを更に伸縮させることで左右の傾斜に対応して操作室32の水平を維持することができる。
【0036】
また、昇降式パワーショベル11が図1及び図2の状態(収縮状態)にあるときに、図4に示す無線リモコン装置28のオン/オフ(ON/OFF)スイッチ86を押して昇降動作開始状態(ON)とし、更にC(後2)スイッチ83を押して操作レバー87を「伸」方向に移動させると、図7に示すように後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構55が伸長する。なお、図7は、図2の昇降式パワーショベルの後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構を上昇させた状態の図で、走行機構及び昇降機構については図1の矢視X1方向から見たものである。このとき、後部右側昇降機構及び後部左側昇降機構55の伸長の際に、前部の駆動輪22b(22a)と車台フレーム36との接触を回避するために前部右側昇降機構及び前部左側昇降機構53が所定長さ伸長する。ただし、前部右側昇降機構及び前部左側昇降機構53の伸長は、上記接触を回避するためのものであり、後部右側昇降機構52及び後部左側昇降機構55の伸長よりはるかに少ないものである。これにより、昇降式パワーショベル11のクローラ走行部12は、前側が上昇した状態で仰角A1(30度)の状態となる。
【0037】
具体的な手順を説明すると、無線リモコン装置28のボタン(ON/OFFスイッチ86、B(後2)スイッチ83)及び操作レバー87の操作により制御部88から通信部89を介して送信された操作指示信号が、図3に示す通信部73に受信され、制御部75により電磁弁72が操作され、図7に示すように、後部左側昇降機構55の第1の油圧シリンダ66a、第2の油圧シリンダ66bが伸長して、第1のリンク部材65a、第2のリンク部材65bも伸長する。同様に、後部右側昇降機構52の第1の油圧シリンダ、第2のシリンダ(不図示)が伸長して、第1のリンク部材、第2のリンク部材も伸長する(不図示)。更に、上記したように、駆動輪22b(22a)と車台フレーム36との接触を回避すべく、前部左側昇降機構53の第1の油圧シリンダ63a、第2の油圧シリンダ63b、及び前部右側昇降機構51の第1のリンク部材及び第2のリンク部材(不図示)も少しの長さ(駆動輪22b(22a)と車台フレーム36との接触回避のため)伸長して、図7に示すように、昇降式パワーショベル11は仰角A(30度)の状態となる。これにより、進行方向に隆起のある丘陵地帯、山岳地帯、災害場所等において操作室32を水平に維持して、視界を確保することができ、作業時の安全確保と作業効率を向上させることができる。
【0038】
なお、昇降式パワーショベル11が図1及び図2の状態にあるときに、上記の無線リモコン装置28のC(後2)スイッチ83に替えて、B(前2)スイッチ82を押して操作レバー87を「伸」方向に移動させると、前部左側昇降機構53及び前部右側昇降機構51が伸長して、図7の状態とは逆に昇降式パワーショベル11の後部側が仰角30度(不図示)となる。
【0039】
次に、昇降式パワーショベル11が図1及び図2の状態(収縮状態)にあるときに、図4に示す無線リモコン装置28のオン/オフ(ON/OFF)スイッチ86を押して昇降動作開始状態(ON)とし、更にE(右2)スイッチ85を押して操作レバー87を「伸」方向に移動させると、図8に示すように前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52が伸長する(図8は、昇降式パワーショベル11の後部から見た図である。)これにより、昇降式パワーショベル11のクローラ走行部12は、図1及び図2の状態から前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52のみが伸長するので、傾斜角A2(27度)の状態となる。
【0040】
具体的な手順を説明すると、図4に示す無線リモコン装置28のボタン86、85及び操作レバー87の操作により制御部88から通信部89を介して発生した操作指示信号が、図3に示す通信部73に受信され、制御部75により電磁弁72が操作される。そして、図8に示すように、油圧により前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52の第1シリンダ及び第2シリンダ(不図示)が伸長して、第1のリンク部材90a、91a及び第2のリンク部材90b、91bも伸長する。これにより、図1及び図2の状態から前部右側昇降機構51及び後部右側昇降機構52のみが伸長するので、図8に示すように、昇降式パワーショベル11は、右側クローラ走行部17aと左側クローラ走行部17bとで高低差が生じ、傾斜角A2(27度)の状態となり、進行方向の左側に隆起のある丘陵地帯、山岳地帯、災害場所等において操作室32を水平に維持して、視界を確保することができ、作業時の安全確保と作業効率を向上させることができる。なお、進行方向の右側に隆起のある場合には、図4の無線リモコン装置28において上記したE(右2)スイッチ85の代わりにD(左2)スイッチ84を押して、左側昇降機構(前部左側昇降機構53、後部左側昇降機構55)を伸長させて、右側クローラ走行部17aと左側クローラ走行部17bとの間に高低差を設けることで操作室32を水平に維持することができる。
【0041】
本発明の昇降式クローラ作業車両について、本実施形態では昇降式パワーショベルとして説明したがこれに限定するものではない。昇降式クローラの車両であれば、クレーン車、ブルドーザ、荷台車両等でもよい。また、本実施形態の昇降式パワーショベルは例示であり、ブレード付きのものでもよい。また、クローラ(履帯)は、金属製、ゴム製等いずれでもよい。更に、本実施形態では昇降機構の作動を無線リモコン装置としているが、これに限定するものではない。有線リモコン装置でもよく、更に図3の操作部71に組み込まれたものでもよい。更に、リモコン装置で昇降機構を操作するのでなく、昇降式パワーショベル(昇降式クローラ作業車両)の傾斜角を検出するセンサーを設け、操作室等の水平を自動制御で維持するようにしてもよい。また、本実施形態では昇降機構を油圧により作動させているが、エンジンの動力を機械的に伝達、分配し、各作動をウィンチ機構によりワイヤロープの巻き取り、巻き戻しで行う等の機械式でもよい。
【0042】
本実施形態に係る昇降式パワーショベル11の昇降機構を操作する無線リモコン装置28について、各昇降機構の昇降の組み合わせパターンについてのスイッチを設けたが、各昇降機構毎の操作スイッチを設け、昇降動作の対象となるものを操作者が選択することができるようにしてもよい。例えば、昇降式パワーショベル11の前方を上昇させたい場合には、前部右側昇降機構51の操作スイッチ及び前部左側昇降機構53の操作スイッチを選択押下して、操作レバー87を操作することで前部右側昇降機構51及び前部左側昇降機構を伸長させることができる。また、本実施形態では、前部右側昇降機構、後部右側昇降機構、前部左側昇降機構及び後部左側昇降機構の4つの昇降機構を設けているが、これに限定されず、左右2個でも、4個以上でもよい。
【0043】
以上、本発明のいくつかの実施形態及び各部の変形例を説明したが、この実施形態や各部の変形例は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上述したこれら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上述したように、本発明に係る昇降式クローラ作業車両は、傾斜地等で、昇降式クローラ作業車両が傾いた状態となった場合でも、昇降機構を作動させることで上部作業部を水平に維持することができるので、山岳部での伐採を行う作業車両、起伏に富んだ荒れ地での作業車両、災害現場での作業車両として有用である。
【符号の説明】
【0045】
11 昇降式パワーショベル
12 クローラ走行体
13 上部作業部
15 昇降機構
17a 右側クローラ走行部
17b 左側クローラ走行部
18 走行部油圧モーター
18a、18b 油圧モーター
22a、22b 駆動輪
23a、23b 従動輪
25a 右側走行部フレーム
25b 左側走行部フレーム
26a、26b 下ローラ
28 無線リモコン装置
31 作業機装置
32 操作室
33 機械本体部
35 旋回部
36 車台フレーム
37 バケット
38 アーム
39 制御弁機構
40 作業機装置油圧シリンダ
41 ブーム
43 アームシリンダ
45 ブームシリンダ
46 油圧ポンプ
47 エンジン
48 作動油タンク
50 旋回部油圧モーター
51 前部右側昇降機構
52 後部右側昇降機構
53 前部左側昇降機構
55 後部左側昇降機構
60 昇降機構油圧シリンダ
61a、65a 第1のリンク部材
61b、65b 第2のリンク部材
63a、66a 第1の油圧シリンダ
63b、66b 第2の油圧シリンダ
71 操作部
72 電磁弁
73 通信部
75 制御部
81 A(全4)スイッチ
82 B(前2)スイッチ
83 C(後2)スイッチ
84 D(左2)スイッチ
85 E(右2)スイッチ
86 ON/OFFスイッチ
87 操作レバー
88 制御部
89 通信部
90a、91a 第1のリンク部材
90b、91b 第2のリンク部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローラ走行体と、該クローラ走行体の上部に設けられた上部作業部と、該上部作業部と前記クローラ走行体との間に設けられ、前記上部作業部を昇降可能とする昇降機構と、
を有する昇降式クローラ作業車両であって、
前記クローラ走行体は、左右一対に設けられた右側クローラ走行部と、左側クローラ走行部と、を有し、
前記昇降機構は、前記右側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする右側昇降機構と、前記左側クローラ走行部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする左側昇降機構と、を有し、
前記右側昇降機構は、前記右側クローラ走行部の右側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部右側昇降機構と、当該前部右側昇降機構と独立して動作可能であって、前記右側クローラ走行部の右側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部右側昇降機構と、を有し、前記左側昇降機構は、前記左側クローラ走行部の左側走行部フレームの前部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする前部左側昇降機構と、当該前部左側昇降機構と独立して動作可能であって、前記左側クローラ走行部の左側走行部フレームの後部と前記上部作業部とを接続して前記上部作業部を昇降可能とする後部左側昇降機構と、を有する昇降式クローラ作業車両。
【請求項2】
前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構は、一端が前記上部作業部に含まれ前記上部作業部の下部に設けられた車台フレームに軸着される第1のリンク部材と、前記第1のリンク部材の他端と一端が軸着され、他端が前記右側走行部フレーム又は前記左側走行部フレームに軸着される第2のリンク部材と、一端が前記車台フレームに他端が前記第1のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第1のアクチュエータと、一端が前記車台フレームに他端が前記第2のリンク部材に軸着される、一軸方向に伸縮可能な第2のアクチュエータと、を有する請求項に記載の昇降式クローラ作業車両。
【請求項3】
前記第1のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第1のリンク部材に軸着される第1の油圧シリンダであり、前記第2のアクチュエータは、本体部の端部が前記車台フレームに軸着され、ロッド部の端部が第2のリンク部材に軸着される第2の油圧シリンダである請求項に記載の昇降式クローラ作業車両。
【請求項4】
前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降動作は、予め定められた前記前部右側昇降機構、前記後部右側昇降機構、前記前部左側昇降機構及び前記後部左側昇降機構の昇降の組み合わせパターンに基づいて、行われる請求項1乃至3のいずれかに記載の昇降式クローラ作業車両。