(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039738
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/123 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
G08G1/123 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144327
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直人
(72)【発明者】
【氏名】関 隆征
(72)【発明者】
【氏名】山口 純一
(72)【発明者】
【氏名】松本 晃
(72)【発明者】
【氏名】須藤 桃
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA27
5H181BB04
5H181BB15
5H181MA07
5H181MA12
5H181MA44
5H181MA48
(57)【要約】 (修正有)
【課題】モビリティオフィス等として利用できる移動体をユーザに適切に提供できる情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理装置と、複数のユーザ端末及び複数の移動体が、ネットワークにより通信できるように接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置10は、取得部11と、決定部12と、制御部13と、を有する。取得部11は、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する。決定部12は、取得部11により取得された情報に応じた場所を決定する。制御部13は、決定部11により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、
前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯に基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯と、当該時間帯の天候とに基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯と、当該時間帯における前記ユーザにより指定された位置に応じた道路の混雑状況と、に基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、前記ユーザが前記移動体を利用する時間長に応じた目的地へ前記移動体を移動させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定部は、前記取得部により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、当該場所を周回する複数の経路のうち、時間当たりの消費エネルギー量が低い経路を前記移動体に走行させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記取得部により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、ライドシェア用の経路を前記移動体の移動先として決定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、
取得した情報に応じた場所を決定し、
決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、
情報処理方法。
【請求項9】
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、
取得した情報に応じた場所を決定し、
決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
移動体と、情報処理装置とを有し、
前記情報処理装置は、
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、
前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、
を有し、
前記移動体は、情報処理装置から指定された場所へ自律的に移動する、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、移動体の車内をモビリティオフィスとして利用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、例えば、モビリティオフィス等として利用できる移動体をユーザに適切に提供することができない場合がある。それは、特許文献1では、移動体をユーザへ割り当てることについて検討されていないためである。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、モビリティオフィス等として利用できる移動体をユーザに適切に提供できる情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、を有する情報処理装置が提供される。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、取得した情報に応じた場所を決定し、決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、取得した情報に応じた場所を決定し、決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0009】
また、本開示に係る第4の態様では、移動体と、情報処理装置とを有し、前記情報処理装置は、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、を有し、前記移動体は、情報処理装置から指定された場所へ自律的に移動する、情報処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
一側面によれば、モビリティオフィス等として利用できる移動体をユーザに適切に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置システムの処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】実施形態に係る移動体DB(データベース)に記憶される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
【0013】
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、決定部12、及び制御部13を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラム104と、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0014】
取得部11は、ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する。決定部12は、取得部11により取得された情報に応じた場所を決定する。決定部12は、決定した目的地及び移動経路の少なくとも一方の複数の候補を示す情報をユーザへ通知し、当該候補の中から目的地または移動経路をユーザに選択させてもよい。制御部13は、決定部12により決定された場所へ移動体30を移動させる。
【0015】
(実施の形態2)
次に、
図2を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2の例では、情報処理システム1は、情報処理装置10を有する。また、情報処理システム1は、ユーザ端末20A、ユーザ端末20B、及びユーザ端末20C(以下で、区別する必要が無い場合は、単に、「ユーザ端末20」とも称する。)を有する。また、情報処理システム1は、移動体30A、移動体30B、及び移動体30C(以下で、区別する必要が無い場合は、単に、「移動体30」とも称する。)を有する。
図2の例では、情報処理装置10、ユーザ端末20、及び移動体30は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。なお、情報処理装置10、ユーザ端末20、及び移動体30の数は
図2の例に限定されない。
【0016】
ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G、Beyond 5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0017】
情報処理装置10は、例えば、サーバ、クラウド、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等の装置である。情報処理装置10は、例えば、移動体30の車内をモビリティオフィスとして利用できる移動体30をユーザに提供する。
【0018】
ユーザ端末20は、例えば、ユーザが所持している、スマートフォン、タブレット、カーナビゲーション装置等の端末である。
【0019】
移動体30は、例えば、ユーザが搭乗して移動できる乗り物でもよい。この場合、移動体30は、例えば、車両でもよいし、eVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing)等のエア・モビリティ(空飛ぶクルマ)でもよい。なお、移動体30には、運転手が搭乗していてもよいし、法令等により許可されている場合には運転手が搭乗せずに自律的に移動(自動運転)を行う移動体でもよい。
【0020】
移動体30の内装は、オフィススタイルとして、机及び椅子を備え、非アイドリング環境での電源確保ができるように改装されていてもよい。また、移動体30の内装は、収納可能な机及び椅子を備え、外部電源の取込が可能な端子を備えるように改装されていてもよい。
【0021】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0022】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0023】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0024】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0025】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0026】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0027】
<処理>
次に、
図4及び
図5を参照し、実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理システム1の処理の一例を示すシーケンス図である。
図5は、実施形態に係る移動体DB(データベース)501に記憶される情報の一例を示す図である。
【0028】
なお、ユーザ端末20と情報処理装置10との間の通信は、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等により暗号化されていてもよい。この場合、ユーザ端末20は、例えば、情報処理装置10により提供されるサービスにおけるユーザのアカウントのID(ユーザID)とパスワード等による認証を受けて、当該サービスにログインしていてもよい。
【0029】
ステップS1において、ユーザ端末20は、ユーザの操作等に応答して、利用要求を情報処理装置10へ送信する。ここで、ユーザ端末20は、例えば、ユーザが移動体30の利用の開始を希望する日時である利用開始日時、ユーザが移動体30の利用を希望する時間長である利用時間長、及びユーザが移動体30の利用の開始を希望する位置である利用開始位置等の入力を受け付けてもよい。この場合、ユーザ端末20は、例えば、本日13:00から1時間、ユーザ端末20の現在の緯度及び経度の付近等とユーザから指定されてもよい。そして、ユーザ端末20は、ユーザに指定された利用開始日時、利用時間長、及び利用開始位置等を示す情報とユーザIDとを含む利用要求を送信してもよい。また、ユーザ端末20は、机、椅子、電源など、ユーザが働くために必要な設備の候補を表示し、ユーザが所望する設備をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0030】
続いて、決定部12は、移動体DB501を参照し、ユーザに割り当てる移動体30を決定する(ステップS2)。ここで、決定部12は、ユーザにより利用されていない(空いている)移動体30のうち、利用開始位置までの移動に要する時間が比較的短い(例えば、最も短い)移動体30を、ユーザに割り当てる移動体30として決定してもよい。また、決定部12は、机、椅子、電源など、ユーザに指定された設備の情報と、移動体30の内装とに基づいて、ユーザが所望する設備の条件に合致する移動体30を決定してもよい。
【0031】
図5の例では、移動体DB501には、移動体IDに対応付けて、移動体情報、利用状況、及び現在位置が記録されている。なお、移動体DB501は、情報処理装置10の内部の記憶装置に記録されてもよいし、情報処理装置10の外部の記憶装置に記録されてもよい。
【0032】
移動体IDは、移動体30の識別情報である。移動体情報は、移動体30に関する情報である。移動体情報には、例えば、移動体30の車種、内装、通信用アドレス等の情報が含まれてもよい。利用状況は、ユーザによる移動体30の利用状況である。
【0033】
利用状況には、移動体30の状態と、ユーザID、利用開始日時、利用時間長、及び利用開始位置等の情報とが含まれてもよい。移動体30の状態には、ユーザにより利用されていない状態を示す「空き」、ユーザにより利用されている状態を示す「利用中」、ユーザに割り当てられている状態を示す「割り当て中」等が含まれてもよい。決定部12は、ステップS2の処理で割り当てた移動体30の状態を「空き」から「割り当て中」へ変更し、受信したユーザIDと、ユーザに指定された利用開始日時、利用時間長、及び利用開始位置等の情報とを、移動体30の利用状況として記録してもよい。
【0034】
現在位置は、移動体30の現在位置である。現在位置は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを用いて移動体30にて算出されてもよい。
【0035】
移動体ID及び移動体情報は、情報処理装置10の管理者等により予め設定(登録)されていてもよい。現在位置は、例えば、定期的等のタイミングで情報処理装置10が移動体30から受信した際に、情報処理装置10によって記録されてもよい。
【0036】
なお、決定部12は、固定オフィス及び移動体30の中から、ユーザに割り当てる固定オフィスまたは移動体30を決定してもよい。この場合、決定部12は、固定オフィス及び移動体30の利用状況(予約状況)及び位置と、ユーザに指定された情報とに基づいて、ユーザに割り当てる固定オフィスまたは移動体30を決定してもよい。
【0037】
続いて、制御部13は、決定部12により決定された目的地へ移動体30を移動させる移動指示を移動体30へ送信する(ステップS3)。これにより、例えば、ユーザが所望する場所(例えば、ホテル、空港、アミューズメント施設、商業施設、公民館等)の駐車場にシェアカー等である移動体30を配置し、移動体30の内部をバーチャルオフィスエリアとして仕事をできる環境をユーザへ提供できる。
【0038】
ここで、制御部13は、例えば、移動体30に搭載されているカーナビゲーション装置へ、ユーザにより指定された利用開始位置を目的地として設定させるコマンドを送信してもよい。これにより、例えば、移動体30の運転手は、移動体を当該目的地へ移動させることができる。
【0039】
また、制御部13は、例えば、移動体30に搭載されている自動運転装置へ、ユーザにより指定された利用開始位置を目的地として設定させるコマンドを送信してもよい。これにより、例えば、法令等により自動運転が許可されている等の場合には、移動体30を自動でユーザの希望する場所へ移動させることができる。
【0040】
続いて、ユーザ端末20は、ユーザによる搭乗操作等に応答して、搭乗通知を情報処理装置10へ送信する(ステップS4)。ここで、ユーザは、情報処理装置10から通知されている車両番号等の移動体30を目視で確認した際に、ユーザ端末20にて所定の操作を行うことにより情報処理装置10へ、ユーザIDを含む搭乗通知を送信してもよい。そして、制御部13は、移動体30のドアの開錠するコマンドを移動体30へ送信してもよい。また、移動体30は、例えば、移動体30に搭載されているカメラの画像、及びユーザ端末20から無線で受信した認証情報の少なくとも一方に基づいてユーザを認証して、情報処理装置10へ、移動体IDを含む搭乗通知を送信してもよい。
【0041】
続いて、決定部12は、取得部11により取得された情報等に基づいて、移動体30の目的地及び移動経路の少なくとも一方を決定する(ステップS5)。なお、決定部12は、ユーザが移動体30に搭乗する前のステップS3の処理で、移動体30の目的地または搭乗場所(ピックアップ場所)となる駐車スペース等を決定してもよい。この場合、決定部12は、決定したピックアップ場所、目的地及び移動経路の少なくとも一方の複数の候補を示す情報をユーザ端末20へ通知し、当該候補の中からピックアップ場所、目的地または移動経路をユーザに選択させてもよい。
【0042】
決定部12は、例えば、ユーザに指定された利用開始日時及び利用開始位置と、当該利用開始日時の際に他のユーザに対して予定しているピックアップ場所の駐車スペースと、に基づいて、当該ユーザに対するピックアップ場所の駐車スペースを決定してもよい。これにより、例えば、他のユーザに対するピックアップのために混雑が予想される場所を回避できるピックアップ場所の提案等ができる。また、決定部12は、例えば、ピックアップ場所が混雑している場合(例えば、ピックアップ場所の駐車場が満車の場合、またはピックアップ場所に停車している車両の車列ができている場合)、当該ユーザに対して他のピックアップ場所を決定してユーザに提案してもよい。
【0043】
(目的地を決定する例)
決定部12は、ユーザが移動体30を利用する時間帯に基づいて、移動体30を駐車させる駐車スペースを決定してもよい。これにより、例えば、ユーザは、利用時間帯に応じて、駐車料金が比較的低い駐車場や、駐車場の営業時間内に入庫または出庫できる駐車場を利用できる。この場合、決定部12は、例えば、ユーザに指定された利用開始日時、及び利用時間長と、各駐車場の利用料金の情報及び営業時間の情報とに基づいて、移動体30を駐車させる駐車スペースを決定してもよい。この場合、情報処理装置10には、各駐車場の利用料金の情報及び営業時間の情報が管理者等により予め設定されていてもよい。
【0044】
また、決定部12は、ユーザが移動体30を利用する時間帯と、当該時間帯の天候とに基づいて、移動体30を移動させる駐車スペースを決定してもよい。これにより、例えば、ユーザが晴天日の夕方の時間帯に移動体30を利用する場合、西日を避けられる駐車スペースに移動体30を駐車できる。また、例えば、ユーザが雨天日の夕方の時間帯に移動体30を利用する場合、照明により明るさが確保されている駐車スペースに移動体30を駐車できる。
【0045】
この場合、決定部12は、例えば、ユーザに指定された利用開始日時、及び利用時間長と、天気予報サービス等を提供するサーバから取得した天候の情報と、駐車場の各駐車スペースに対する各時間帯の照度を示す情報とに基づいて、移動体30を駐車させる駐車スペースを決定してもよい。この場合、情報処理装置10には、駐車場の各駐車スペースに対する各時間帯の照度を示す情報が管理者等により予め設定されていてもよい。
【0046】
また、決定部12は、ユーザが移動体30を利用する時間帯と、ユーザの周辺の情報とに基づいて、移動体30を移動させる駐車スペースを決定してもよい。この場合、決定部12は、例えば、予め設定されている、ユーザに推奨する場所及び時間帯のデータベース等に基づいて、移動体30を移動させる駐車スペースを決定してもよい。これにより、例えば、夕日が沈むのが見える海岸近くの駐車スペース、静かな森の中の駐車スペース、話題の弁当屋台の近くの駐車スペースなど、移動体30のモビリティを活かしてユーザに働く場所または休憩できる場所を提供することが可能となる。
【0047】
また、決定部12は、ユーザが移動体30に搭乗した後、ユーザが移動体を利用する時間長(利用時間長)に応じた目的地を決定してもよい。この場合、決定部12は、例えば、利用時間長が閾値(例えば、3時間)以上である場合、当該利用時間長以内に往復及び所定時間(例えば、30分間)滞在できる施設等を目的地として決定してもよい。
【0048】
また、決定部12は、ユーザが移動体30を利用する時間帯と、当該時間帯におけるユーザにより指定された位置に応じた道路の混雑状況と、に基づいて、移動体30を移動させる駐車スペースを決定してもよい。これにより、例えば、ユーザが移動体30に搭乗した後、比較的空いている経路を走行できる駐車スペースを決定できる。この場合、決定部12は、例えば、ユーザに指定された利用開始日時、及び利用時間長と、道路の渋滞情報サービス等を提供するサーバから取得した渋滞情報と、に基づいて、移動体30を駐車させる駐車スペースを決定してもよい。渋滞情報は、例えば、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)等により取得されてもよい。
【0049】
(移動経路を決定する例)
決定部12は、取得部11により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、ユーザが移動体30に搭乗した後、当該場所を周回する複数の経路のうち、時間当たりの消費エネルギー量が低い経路を移動体30に走行させてもよい。これにより、例えば、ユーザが宿泊している施設の駐車場に空きが無い等の場合に、駐車場の周辺を適切に周回できる。この場合、決定部12は、例えば、駐車場の満空情報を提供するサーバから、駐車スペースの空きが無いことを示す情報を取得してもよい。また、決定部12は、例えば、移動体30に搭載されたカメラにて撮影された画像に基づいて、AI(Artificial Intelligence)等を用いて駐車スペースの空きが無いことを判定してもよい。また、決定部12は、例えば、経路上の道路の混雑度が高いほど、時間当たりの消費エネルギー量が低いと判定してもよい。これは、混雑度が高いほど、走行速度が低くなると考えられるためである。また、決定部12は、例えば、経路上の道路の法定速度が低いほど、時間当たりの消費エネルギー量が低いと判定してもよい。
【0050】
決定部12は、取得部11により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、ユーザが移動体30に搭乗した後、ライドシェア用の経路を移動体30に走行させる経路として決定してもよい。これにより、例えば、ユーザが移動体30内で仕事をしている間に、当該移動体30にてライドシェアを行えるため、当該ユーザの移動体30の利用料の負担を低減できる。この場合、移動体30の内装は、例えば、前部座席と後部座席とを仕切り等で区切られることにより、オフィス用とライドシェア用の空間が物理的に区画されていてもよい。
【0051】
また、ユーザにより指定された、ユーザが移動体30に搭乗する位置及び時刻、ユーザが移動体30から降車する位置等の情報が取得部11により取得された場合、取得部11により取得された情報に応じたライドシェア用の経路を移動体30に走行させてもよい。また、決定部12は、複数のユーザを同一の移動体30の車内で働けるようにしてもよい。この場合、移動体30の内装は、例えば、ユーザ毎の空間が物理的に区画されていてもよい。
【0052】
続いて、制御部13は、決定した目的地及び移動経路の少なくとも一方に基づいて移動体30を移動させる移動指示を移動体30へ送信する(ステップS6)。ここで、制御部13は、上述したステップS3の処理と同様に、移動体30に搭載されているカーナビゲーション装置へ、決定した目的地及び移動経路の少なくとも一方を設定させるコマンドを送信してもよい。また、制御部13は、例えば、移動体30に搭載されている自動運転装置へ、決定した目的地及び移動経路の少なくとも一方を設定させるコマンドを送信してもよい。
【0053】
続いて、ユーザ端末20は、ユーザの操作等に応答して、返却要求を情報処理装置10へ送信する(ステップS7)。ここで、ユーザ端末20は、例えば、ユーザIDを含む返却要求を送信してもよい。
【0054】
続いて、制御部13は、移動体30を特定の場所へ移動させる移動指示を移動体30へ送信する(ステップS8)。ここで、制御部13は、上述したステップS3の処理と同様に、移動体30に搭載されているカーナビゲーション装置へ、返却先の目的地を設定させるコマンドを送信してもよい。また、制御部13は、例えば、移動体30に搭載されている自動運転装置へ、返却先の目的地を設定させるコマンドを送信してもよい。返却先の目的地は、例えば、所定の駐車場の駐車スペースでもよいし、近隣の充電スタンド等でもよい。
【0055】
なお、制御部13は、ユーザからの返却要求に基づいて移動体30を返却させる代わりに、またはこれに加えて、特定のタイミングで、自動で移動体30を返却させてもよい。この場合、制御部13は、例えば、予めユーザ等から設定されている時刻等に応じたタイミングで、移動体30を特定の場所へ移動させる移動指示を移動体30へ送信してもよい。
【0056】
なお、情報処理装置10の制御部13は、例えば、ユーザの組織のメンバー、ユーザの家族、ユーザの知人のスケジュールに基づいて、ユーザが働く場所及び時間と、ユーザが移動体30に搭乗、降車場所をユーザに提案してもよい。この場合、制御部13は、ユーザのスケジュール情報、及び当該ユーザに共有されている他の人物のスケジュール情報に基づいて、当該ユーザが空いている時間帯等を特定してもよい。そして、制御部13は、特定した情報を含む提案情報を、当該ユーザのユーザ端末20へ送信してもよい。この場合、制御部13は、クラウド上で各ユーザのスケジュールを比較することで混雑状況を予測し、ユーザに対して混雑状況を通知したり、混雑していない場所を提供するのに利用してもよい。また、ユーザのスケジュールだけでなく地域のイベントスケジュールに基づいて提案を行ってもよい。
【0057】
<その他>
ロケーションフリーの働き方が増える中、ホテルや空港内にサテライトオフィスとして利用できる施設が増えているが、事前予約が必要だったり、満室時に使えなかったりするため、家族や知人と行動を共にしながらフレキシブルに利用できる状況には至っていない。そのため、組織メンバーと調整して自身の休暇をスケジューリングする必要があり、家族や知人のスケジュールと合わせるのは未だ難しい状況となっている。例えば、学校の春休みや夏休み等の長期休暇は組織メンバーと重複するケースが多く、調整が難しい。また、他業種に従事している知人と休みを合わせる事が難しい。
【0058】
そのため、自身の休暇中や出張中にいつでも、どこでも気軽に仕事ができる環境への需要があると考えられる。また、シェアオフィス等の空きの有無に左右されず、利用者がオンデマンドで利用できるオフィス環境への需要があると考えられる。
【0059】
本開示の技術によれば、モビリティオフィス等として利用できる移動体をユーザに適切に提供できる。そのため、ユーザは、いつでも、どこでも気軽に仕事ができる環境を手に入れる事ができる。また、ユーザは、自分が休暇中でも必要な業務を行うことができるため、家族や知人の休暇スケジュールと合わせ易くなる。
【0060】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10を移動体30に搭載し、一体の情報処理装置として構成してもよい。また、情報処理装置10の各機能部の少なくとも一部の処理を、ユーザ端末20及び移動体30の少なくとも一方が実行するようにしてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0062】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、
前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯に基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯と、当該時間帯の天候とに基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体を利用する時間帯と、当該時間帯における前記ユーザにより指定された位置に応じた道路の混雑状況と、に基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、前記ユーザが前記移動体を利用する時間長に応じた目的地へ前記移動体を移動させる、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記決定部は、前記取得部により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、当該場所を周回する複数の経路のうち、時間当たりの消費エネルギー量が低い経路を前記移動体に走行させる、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記決定部は、前記取得部により取得された情報に応じた場所に駐車スペースの空きが無い場合、前記ユーザが前記移動体に搭乗した後、ライドシェア用の経路を前記移動体の移動先として決定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記8)
前記決定部は、前記ユーザが前記移動体の利用を開始する日時と、当該日時の際に他のユーザに対して予定している搭乗場所の駐車スペースと、に基づいて、前記移動体を移動させる駐車スペースを決定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記9)
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、
取得した情報に応じた場所を決定し、
決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、
情報処理方法。
(付記10)
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得し、
取得した情報に応じた場所を決定し、
決定した場所へ移動体を移動させる情報を送信する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
(付記11)
移動体と、情報処理装置とを有し、
前記情報処理装置は、
ユーザにより指定された位置及び時間を示す情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された情報に応じた場所を決定する決定部と、
前記決定部により決定された場所へ移動体を移動させる情報を送信する制御部と、
を有し、
前記移動体は、情報処理装置から指定された場所へ自律的に移動する、
情報処理システム。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 決定部
13 制御部
20 ユーザ端末
30 移動体