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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039751
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】パッド部材付きの腰用サポーター
(51)【国際特許分類】
   A41C 1/02 20060101AFI20240315BHJP
   A61F 5/02 20060101ALI20240315BHJP
   A41C 1/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A41C1/02
A61F5/02 K
A41C1/00 A
A41C1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144348
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
【テーマコード(参考)】
3B131
4C098
【Fターム(参考)】
3B131AA02
3B131AB11
3B131BA02
3B131BA08
3B131BA11
3B131BB09
3B131CA20
3B131CA21
4C098AA02
4C098BB05
4C098BC02
4C098BC13
(57)【要約】
【課題】装着者の体型や、痛みなどに応じたパッド部材を取り付けることができる、パッド部材付きの腰用サポーターを提供する。
【解決手段】腰用サポーターSと、この腰用サポーターSの背部内面S1に着脱自在に取り付けられる複数のパッド部材(1,2)と、を備えており、前記複数のパッド部材(1,2)は、大きさ、形状または硬さが互いに異なるものを含む、パッド部材付きの腰用サポーターとした。複数のパッド部材(1,2)の一部または全部が、大きさの異なる複数枚の弾性シート(121,122,123)を、大きさが大きな順に、腰用サポーターS側から装着者側に順次重ね合わせてなる積層弾性部材12を有している、パッド部材付きの腰用サポーターとすることが好ましい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰用サポーターと、
この腰用サポーターの背部内面に着脱自在に取り付けられる複数のパッド部材と、
を備えており、
前記複数のパッド部材は、
大きさ、形状または硬さが互いに異なるものを含む、
パッド部材付きの腰用サポーター。
【請求項2】
複数のパッド部材の一部または全部が、
大きさの異なる複数枚の弾性シートを、大きさが大きな順に、腰用サポーター側から装着者側に順次重ね合わせてなる積層弾性部材を有している、
請求項1に記載のパッド部材付きの腰用サポーター。
【請求項3】
複数のパッド部材の一部または全部が、
腰用サポーター側に位置する硬質な板材と、
大きさの異なる複数枚の弾性シートを、大きさが大きな順に、腰用サポーター側に位置する前記板材から装着者側に順次重ね合わせてなる積層弾性部材と、を有している、
請求項2に記載のパッド部材付きの腰用サポーター。
【請求項4】
複数のパッド部材は、
腰用サポーターの背部内面の上部寄りに着脱自在に取り付けられる、
請求項3に記載のパッド部材付きの腰用サポーター。
【請求項5】
複数のパッド部材の一部または全部が、
長手方向と、この長手方向と直交する短手方向と、の長さが異なる長手構造を有しており、
前記長手構造を有するパッド部材は、
腰用サポーターの背部内面と、これに対面するパッド部材の底面とに割り振って設けた雄雌一対の面ファスナーで着脱自在に取り付けられる、
請求項1~4のいずれか1項に記載のパッド部材付きの腰用サポーター。
【請求項6】
長手構造を有するパッド部材が、
腰用サポーターの背部内面に対面するパッド部材の底面の概ね全面に、面ファスナー雄部材または面ファスナー雌部材を有する、
請求項5に記載のパッド部材付きの腰用サポーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッド部材付きの腰用サポーターに関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛は、多くの日本人が抱えている。ある調査によると、日本人が訴える痛みのなかで最も多いのが腰痛であるという結果もある。特に、いわゆるぎっくり腰(急性腰痛症)は、歩けないほどの激痛を感じることがあり、腰痛のなかでも症状が重い。
【0003】
このような腰痛を緩和するため、従来から、腰部に幅広の腰用サポーターを装着することが行なわれている。腰用サポーターを使用する際には、背部を強く押付けるようにすることが重要である。しかし、一般に、腰部は、背部が凹んだ、あるいはあまり突出していない形状であるため、腰用サポーターとの間に隙間ができてしまい、腰用サポーターを単に強く締め付けただけでは、腹部が苦しくなるだけで、背部を強く押さえて腰痛を効果的に緩和することはできなかった。
【0004】
そこで、このような課題を解決するための腰用サポーターが、例えば、下記特許文献1に記載されている。
【0005】
特許文献1には「サポーター本体部の背部内面に、着脱可能となったパッドを有する腰用サポーター。」が記載され、これによって「有効に背部を押さえることが可能となる。」とある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11‐192250号(図3、段落0007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
腰用サポーターの装着者の体型は様々であり、また腰痛の症状も千差万別である。体型や痛みに合わないパッドを取り付けても、痛みが緩和するどころか、かえって助長されることもありうる。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、装着者の体型や痛みなどに応じたパッド部材を取り付けることができる、パッド部材付きの腰用サポーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、下記態様のパッド部材付きの腰用サポーターとした。
【0010】
(態様1)腰用サポーターと、この腰用サポーターの背部内面に着脱自在に取り付けられる複数のパッド部材と、を備えており、前記複数のパッド部材は、大きさ、形状または硬さが互いに異なるものを含む、パッド部材付きの腰用サポーターとした。腰用サポーターの背部内面における「内面」は、装着者側の面である。
【0011】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、複数のパッド部材が大きさ、形状または硬さが互いに異なるものを含むため、装着者の体型や痛みなどの状態に応じたパッド部材を選択して腰用サポーターの背部内面に取り付けることができる。例えば、第1のパッド部材を腰用サポーターの背部内面に取り付けた状態から、装着者の体形や痛みなどに応じて、これよりも小さな第2のパッド部材を取り付けるには、第1のパッド部材を腰用サポーターの背部内面から取り外した状態で、第2のパッド部材を取り付けることができる。
【0012】
(態様2)複数のパッド部材の一部または全部が、大きさの異なる複数枚の弾性シートを、大きさが大きな順に、腰用サポーター側から装着者側に順次重ね合わせてなる積層弾性部材を有している、態様1に記載のパッド部材付きの腰用サポーターとすることができる。
【0013】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、大きさの異なる複数枚の弾性シートを重ね合わせた積層弾性部材を用いることで、大きさ、形状または硬さの異なるパッド部材を比較的簡単かつ安価に得ることが出来る。
【0014】
(態様3)複数のパッド部材の一部または全部が、腰用サポーター側に位置する硬質な板材と、大きさの異なる複数枚の弾性シートを、大きさが大きな順に、腰用サポーター側に位置する前記板材から装着者側に順次重ね合わせてなる積層弾性部材と、を有している、態様1または態様2に記載のパッド部材付きの腰用サポーターとすることができる。
【0015】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、硬質な板材の存在によって積層弾性部材をサポートすることができ、装着者の背中や腰にパッド部材をしっかりと当接させることができる。
【0016】
(態様4)複数のパッド部材は、腰用サポーターの背部内面の上部寄りに着脱自在に取り付けられる、態様1~3のいずれか1態様に記載のパッド部材付きの腰用サポーターとすることができる。
【0017】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、装着者の背中や腰の窪んだ部分にパッド部材をしっかりと当接させることができる。
【0018】
(態様5)複数のパッド部材の一部または全部が、長手方向と、この長手方向と直交する短手方向と、の長さが異なる長手構造を有しており、前記長手構造を有するパッド部材は、腰用サポーターの背部内面と、これに対面するパッド部材の底面とに割り振って設けた雄雌一対の面ファスナーで着脱自在に取り付けられる、態様1~4のいずれか1態様に記載のパッド部材付きの腰用サポーターとすることもできる。雄雌一対の面ファスナーは、面ファスナー雄部材と面ファスナー雌部材からなる。
【0019】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、長手構造を有するパッド部材を、腰用サポーターの背部内面に、好みの回転角度で取り付けることができる。
【0020】
(態様6)長手構造を有するパッド部材が、腰用サポーターの背部内面に対面するパッド部材の底面の概ね全面に、面ファスナー雄部材または面ファスナー雌部材を有する、態様5に記載のパッド部材付きの腰用サポーターとすることができる。パッド部材の底面は、腰用サポーターの背部内面に対面する面である。
【0021】
このパッド部材付きの腰用サポーターは、腰用サポーターの背部内面にパッド部材をしっかりと取り付けやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、装着者の体型や痛みなどに応じたパッド部材を取り付けることができる、パッド部材付きの腰用サポーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】パッド部材付きの腰用サポーターを例示する平面図(写真)である。
図2】第1のパッド部材を腰用サポーターに取り付けた状態を例示する平面図(写真)である。
図3】第2のパッド部材を腰用サポーターに取り付けた状態を例示する平面図(写真)である。
図4】第1のパッド部材の斜視図(写真)である。
図5】第1のパッド部材の底面図(写真)である。
図6】第1のパッド部材のカバーを取り外した状態を例示する斜視図(写真)である。
図7】第1のパッド部材を図2の状態から90度回転させて腰用サポーターに取り付けた状態を例示する平面図(写真)である。
図8】第1のパッド部材を腰用サポーターに取り付けて装着者(トルソー)に装着した状態を例示する斜視図(写真)である。
図9】パッド部材付きの腰用サポーターの別例を例示する平面図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図を用いてパッド部材付きの腰用サポーターを例示説明する。パッド部材付きの腰用サポーターは、図1などに例示するように、腰用サポーターSと複数のパッド部材(1,2)を備える。なお、図1図2図3図7および図9において、図面の表側が装着者側となる。
【0025】
以下、特定の実施形態を挙げて例示説明するが、本発明及びその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。
【0026】
1.腰用サポーター
腰用サポーターSは、装着者の腰回りに装着され、通常、腰痛の緩和や、腰部を保護するためなどに用いられる。腰用サポーターSとしては、特に制限されず、様々な構造のものを用いることができる。例えば、腰部を巻き包む帯状の一枚の本体で構成されたものや、より固定力を向上させるためにサポーター本体の外側にサポーター本体を補助する補助帯状物を付加しているもの等を用いることができる。
【0027】
本実施形態では、サポーター本体の外側にサポーター本体を補助する補助帯状物(図示せず)を付加した腰用サポーターSを用いてある。
【0028】
そして、本実施形態において、腰用サポーターSの背部内面S1には、面ファスナー雌部材S5が設けてある。詳細には、横長状の面ファスナー雌部材S5が、腰用サポーターSの背部内面S1の上部寄り(上下方向中央から上側)に設けてある。この面ファスナー雌部材S5は、後述するパッド部材(1,2)の底面に設けた面ファスナー雄部材16(後述)と着脱自在に係合し、腰用サポーターSの背部内面S1に、パッド部材(1,2)が、着脱自在に取り付けられる。
【0029】
2.複数のパッド部材
複数のパッド部材(1,2)は、腰用サポーターSの背部内面S1に着脱自在に取り付けられる。本実施形態では、図1などに例示するように、第1のパッド部材1と第2のパッド部材2という二つのパッド部材を用いてある。
【0030】
そして、本実施形態では、複数のパッド部材(1,2)の一部が、長手方向と、この長手方向と直交する短手方向と、の長さが異なる長手構造を有している。
具体的には、図1などに例示するように、第1のパッド部材1が、長手方向と、この長手方向と直交する短手方向と、の長さが異なる長手構造を有している。
【0031】
さらに、本実施形態において、腰用サポーターSの背部内面S1に対面する第1のパッド部材1の底面には、図5に例示するように、面ファスナー雄部材16が設けてある。前述したように、この面ファスナー雄部材16が腰用サポーターSの背部内面S1に設けた面ファスナー雌部材S5と着脱自在に係合することで、パッド部材(1,2)が、腰用サポーターSの背部内面S1に着脱自在に取り付けられる。
本実施形態では、第1のパッド部材1が、底面(腰用サポーターSの背部内面S1に対面する面)の概ね全面に、面ファスナー雄部材16を有する。
【0032】
本実施形態では、二つのパッド部材(1,2)の両方が、板材11と積層弾性部材12を有しており、さらに積層弾性部材12を覆うようにカバー13を設けてある。本実施形態では、カバー13はメッシュ状の布材である。
図6に、第1のパッド部材1について、カバー13を取り外した状態を例示する。以下、板材11と積層弾性部材12について例示説明する。
【0033】
[板材]
板材11は、腰用サポーターS側に位置する硬質部材である。硬質であるため、板材11は、後述する弾性シート(121,122,123)よりも硬いことを要する。本実施形態では、板材11として、厚みが概ね2mmの硬質なプラスチック板を用いた。
【0034】
[積層弾性部材]
積層弾性部材12は、大きさの異なる複数枚の弾性シート(121,122,123)を、大きさが大きな順に、腰用サポーターS側に位置する板材11から装着者側に順次重ね合わせてなる。本実施形態では、図6に例示するように、厚さ1cmの発泡樹脂製のシート(より詳細には発泡ウレタンシート)を用い、これから大きさの異なる三枚の弾性シートに切出し、これら3枚の弾性シートを、大きさが大きな順に、腰用サポーターS側に位置する板材11から装着者側に順次重ね合わせてある。重なり合う弾性シート同士は互いに接着することが好ましい。また、複数枚の弾性シートのうち、他の弾性シートとは硬さが異なる弾性シートを用いることができる。例えば、最も装着者側に位置する弾性シート123の硬さを、それ以外の弾性シート(121,122)よりも柔らかくしたり堅くしたりすることができる。
本実施形態では、大きさの異なる三枚の弾性シートは互いに相似形である。
【0035】
本実施形態では、パッド部材(1,2)は、板材11と積層弾性部材12を有しているが、板材11を有していない構造としてもよい。
【0036】
3. パッド部材の取り付け方法
図2に第1のパッド部材1を腰用サポーターSに取り付けた状態を例示する。第1のパッド部材1は、腰用サポーターSの背部内面S1と、これに対面する第1のパッド部材1の底面とに割り振って設けた雄雌一対の面ファスナーで着脱自在に取り付けられる。第1のパッド部材1は、腰用サポーターSの背部内面の上部寄りに取り付けられることが好ましい。
図8に、第1のパッド部材1付きの腰用サポーターSを装着者(トルソー)に装着した状態を例示する。装着者の背中や腰の窪んだ部分にパッド部材が当接している。
【0037】
次に、第2のパッド部材2を腰用サポーターSに取り付ける方法を例示する。まず第1のパッド部材を腰用サポーターから取り外して、図1に例示する状態とする。そして、この状態から、図3に例示するように、第2のパッド部材2を腰用サポーターSに着脱自在に取り付けるのである。このように、複数のパッド部材は、腰用サポーターに択一的に取り付けることができる。すなわち、装着者の体型や痛みあるいは装着者の好みなどに応じて、パッド部材を付け替える(交換する)ことができるのである。これによって、患部にあたってよく効くとともに、患部を固定しやすくなるのである。
【0038】
次に、図7を用いて、第1のパッド部材1を図2の状態から90度回転させて腰用サポーターSに取り付けた状態を例示する。第1のパッド部材1は長手構造を有しているため、着用者の体型や痛みなどに応じて、第1のパッド部材1を好みの角度まで回転させて腰用サポーターSに取り付けることができる。
【0039】
4.パッド部材付きの腰用サポーターの別例
図9に、パッド部材付きの腰用サポーターの別例を例示する。本実施形態では、第1のパッド部材1と第2のパッド部材2に加えて、第3のパッド部材3という三つのパッド部材を用いてある。このように、大きさ、形状(または硬さ)が互いに異なるパッド部材を有することで、より一層、装着者の体型や痛みあるいは装着者の好みなどに応じたパッド部材を選択しやすくなる。
【0040】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0041】
S 腰用サポーター
S1 背部内面
S5 面ファスナー雌部材

1 第1のパッド部材
11 板材
12 積層弾性部材
121,122,123 弾性シート
13 カバー
14 縁部材
15 底面
16 面ファスナー雄部材

2 第2のパッド部材

3 第3のパッド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9