(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039774
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ライブ配信システム、推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/235 20110101AFI20240315BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240315BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240315BHJP
【FI】
H04N21/235
G06Q50/10
H04N21/24
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144377
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】及川 佑人
(72)【発明者】
【氏名】中山 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】村上 浩司
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SB08P
5C164SB41P
5C164YA11
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】ライブ配信サービスにおける視聴者コメントが適切であるか否かを推定するコンピュータの処理負荷を軽減する。
【解決手段】ライブ配信システム(1)の視聴者コメント取得部(101)は、ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する。第1推定部(102)は、第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第1基準判定部(103)は、第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する。第2推定部(104)は、第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第2モデルに基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する視聴者コメント取得部と、
第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第1推定部と、
前記第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する第1基準判定部と、
前記第1スコアが前記第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第2推定部と、
を含むライブ配信システム。
【請求項2】
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1モデルの推定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1に記載のライブ配信システム。
【請求項3】
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1スコアと、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項4】
前記ライブ配信システムは、前記視聴者コメントに所定のキーワードが含まれるか否かを判定するキーワード判定部を更に含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントに前記キーワードが含まれるか否かの判定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項5】
前記キーワード判定部は、
前記視聴者コメントに、第1キーワード群における第1キーワードが含まれるか否かを判定する第1キーワード判定部と、
前記視聴者コメントに、第2キーワード群における第2キーワードが含まれるか否かを判定する第2キーワード判定部と、
を含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントに前記第1キーワードが含まれるか否かの第1判定結果、前記視聴者コメントに前記第2キーワードが含まれるか否かの第2判定結果、及び前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項4に記載のライブ配信システム。
【請求項6】
前記ライブ配信サービスでは、商品を紹介する動画が配信され、前記商品に関する属性ごとに、キーワード群が用意されており、
前記キーワード判定部は、前記視聴者が視聴中の前記動画で紹介されている前記商品の前記属性に関連付けられた前記キーワード群に基づいて、前記視聴者コメントに前記キーワードが含まれるか否かを判定する、
請求項4に記載のライブ配信システム。
【請求項7】
前記ライブ配信システムは、第3訓練コメントが学習された第3モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第3推定部を更に含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第3モデルの推定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項8】
前記第1モデルは、前記第2モデルよりも高速なモデルである、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項9】
前記第2モデルは、条件分岐を有するモデルであり、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントが満たす前記条件分岐に応じた出力を取得することによって、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項10】
前記ライブ配信システムは、
前記第2モデルの推定精度に関する第2スコアが所定の第2基準を満たすか否かを判定する第2基準判定部と、
前記第2スコアが前記第2基準を満たすと判定された場合には、第4訓練コメントが学習された第4モデルに基づく推定を行わずに、前記第2スコアが前記第2基準を満たさないと判定された場合に、前記第4モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第4推定部と、
を更に含む請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項11】
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1スコアに基づいて、複数の前記第2モデルのうちの何れかを選択し、当該選択された第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項12】
前記第1推定部及び前記第2推定部の少なくとも一方は、前記視聴者に関する特徴に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項13】
前記ライブ配信システムは、前記第1モデル及び前記第2モデルの少なくとも一方の推定結果に基づいて、前記視聴者コメントを表示するか否かを制御する表示制御部を更に含む、
請求項1又は2に記載のライブ配信システム。
【請求項14】
ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する視聴者コメント取得ステップと、
第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第1推定ステップと、
前記第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する第1基準判定ステップと、
前記第1スコアが前記第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第2推定ステップと、
を含む推定方法。
【請求項15】
ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する視聴者コメント取得部、
第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第1推定部、
前記第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する第1基準判定部、
前記第1スコアが前記第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第2推定部、
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ライブ配信システム、推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画又は音声等の情報をリアルタイムで配信するライブ配信サービスが知られている。ライブ配信サービスでは、視聴者が不適切な視聴者コメントを入力することがあるので、視聴者コメントが適切であるか否かを推定することが求められている。例えば、特許文献1には、訓練コメントが適切であるか否かを人手で分類して訓練データを作成し、機械学習手法を利用して訓練データを学習させたモデルに基づいて、未分類のコメントが適切であるか否かを分類する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1の技術をライブ配信サービスに適用した場合、特許文献1のモデルによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定できる。この点、1つのモデルだけでは、推定精度が十分ではないことがあるので、互いに異なる訓練データを学習させた複数のモデルを併用することが考えられる。しかしながら、全ての視聴者コメントに対し、複数のモデルに基づく推定を実行したとすると、視聴者コメントが適切であるか否かを推定するコンピュータの処理負荷が高まる。
【0005】
本開示の目的の1つは、ライブ配信サービスにおける視聴者コメントが適切であるか否かを推定するコンピュータの処理負荷を軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るライブ配信システムは、ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する視聴者コメント取得部と、第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第1推定部と、前記第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する第1基準判定部と、前記第1スコアが前記第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第2推定部と、を含む。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ライブ配信サービスにおける視聴者コメントが適切であるか否かを推定するコンピュータの処理負荷を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ライブ配信システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】ライブ配信サービスで配信される動画の一例を示す図である。
【
図3】ライブ配信システムで実現される機能の一例を示す図である。
【
図5】第1モデル及び第2モデルに基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する処理の一例を示す図である。
【
図6】ライブ配信システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図7】ライブ配信システムで実行される処理の一例を示す図である。
【
図8】変形例で実現される機能の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.ライブ配信システムの全体構成]
本開示に係るライブ配信システムの実施形態の一例を説明する。
図1は、ライブ配信システムの全体構成の一例を示す図である。例えば、ライブ配信システム1は、サーバ10、運営者端末20、配信者端末30、及び視聴者端末40を含む。サーバ10、運営者端末20、配信者端末30、及び視聴者端末40の各々は、インターネット又はLAN等のネットワークNに接続可能である。
【0010】
サーバ10は、ライブ配信サービスを提供するサーバコンピュータである。ライブ配信サービスは、リアルタイムで情報を配信するサービスである。例えば、サーバ10は、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
【0011】
運営者端末20は、運営者のコンピュータである。運営者は、ライブ配信サービスを運営する企業である。例えば、運営者端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。例えば、運営者端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。操作部24は、タッチパネル等の入力デバイスである。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
【0012】
配信者端末30は、配信者のコンピュータである。配信者は、ライブ配信サービスで情報を配信するユーザである。例えば、配信者端末30は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。例えば、配信者端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35を含む。制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、及び表示部25と同様である。配信者端末30には、カメラ36が接続される。カメラ36は、配信者端末30の内部に含まれてもよい。
【0013】
視聴者端末40は、視聴者のコンピュータである。視聴者は、ライブ配信サービスで情報を視聴するユーザである。例えば、視聴者端末40は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォンである。例えば、視聴者端末40は、制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45を含む。制御部41、記憶部42、通信部43、操作部44、及び表示部45の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、通信部13、操作部24、及び表示部25と同様である。
【0014】
なお、記憶部12,22,32,42に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して供給されてもよい。また、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して供給されてもよい。
【0015】
また、ライブ配信システム1は、少なくとも1つのコンピュータを含めばよく、
図1の例に限られない。例えば、ライブ配信システム1は、サーバ10だけを含み、運営者端末20、配信者端末30、及び視聴者端末40は、ライブ配信システム1の外部に存在してもよい。例えば、ライブ配信システム1は、サーバ10及び運営者端末20だけを含み、配信者端末30及び視聴者端末40は、ライブ配信システム1の外部に存在してもよい。
【0016】
[2.ライブ配信システムの概要]
本実施形態では、商品を宣伝する動画を配信するライブ配信サービスを例に挙げる。ライブ配信サービスは、種々のタイプであってよく、本実施形態の例に限られない。例えば、ゲーム実況、セミナー、サービスを宣伝する動画、配信者による歌唱若しくは演奏、配信者との雑談、又はバラエティ番組を配信するライブ配信サービスであってもよい。ライブ配信サービスでは、画像及び音声の両方ではなく、画像又は音声の何れか一方だけが配信されてもよい。本実施形態では、視聴者は、画像を見るだけの者と、音声を聴くだけの者と、も含む意味である。
【0017】
図2は、ライブ配信サービスで配信される動画の一例を示す図である。例えば、配信者は、カメラ36の前で、オンラインショッピングモールで販売される商品を宣伝する。配信者端末30は、サーバ10に対し、カメラ36により生成された動画を送信する。サーバ10は、不特定多数の視聴者の視聴者端末40に対し、配信者端末30から受信した動画をリアルタイムで配信する。視聴者端末40の表示部45には、リアルタイムで動画が表示される。視聴者は、視聴中の動画における商品を気に入れば、ボタンBを選択することによって、商品を購入することができる。
【0018】
例えば、視聴者は、入力フォームFに対し、コメントを入力できる。以降、視聴者により入力されたコメントを、視聴者コメントという。視聴者コメントは、任意の文字列を含むことができる。例えば、視聴者コメントは、配信者又は他の視聴者に向けたメッセージである。視聴者コメントは、他人に向けたメッセージではなく、独り言のような内容であってもよい。例えば、ウィンドウWには、複数の視聴者コメントが時系列順に並べて表示される。
図2のように、商品の感想や配信者の印象といった種々の視聴者コメントがウィンドウWに表示される。本実施形態では、視聴者コメントは、原則として、配信者と視聴者を含む全ての者に公開されるものとする。
【0019】
例えば、視聴者は、不適切な視聴者コメントを入力することがある。不適切な視聴者コメントは、ライブ配信サービスの利用規約に違反する内容を含む。不適切な視聴者コメントは、公開しない方が良い視聴者コメントということもできる。例えば、不適切な視聴者コメントは、誹謗中傷、卑猥な内容、他人が不快に感じるその他の内容、又は意味不明な内容を含む。
図2の例では、視聴者C,Eにより入力された視聴者コメントは、不適切である。
【0020】
例えば、管理者が、全ての視聴者コメントをチェックして不適切な視聴者コメントを削除しようとすると、非常に手間がかかる。本実施形態では、管理者の手間を軽減するために、機械学習手法を利用した学習モデルに基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定するようにしている。機械学習手法自体は、種々の手法を利用可能である。例えば、学習モデルは、教師有り学習、半教師有り学習、又は教師無し学習の何れの機械学習手法を利用したモデルであってもよい。機械学習手法の具体例は、後述する。
【0021】
本実施形態では、全ての視聴者コメントは、ひとまずウィンドウWに表示される。学習モデルによって不適切であると推定された視聴者コメントは、運営者端末20に通知される。運営者は、視聴者コメントが本当に不適切であるか否かをチェックする。運営者は、視聴者コメントが不適切であると判定すると、運営者端末20の操作部24を操作して、視聴者コメントを削除する。このため、学習モデルによって不適切であると推定された視聴者コメントは、運営者により削除されるまでは、ウィンドウWに表示される。
【0022】
本実施形態では、不適切な視聴者コメントの推定精度を高めるために、第1モデル及び第2モデルといった複数の学習モデルが併用される。しかしながら、全ての視聴者コメントに対し、第1モデル及び第2モデルの両方に基づく推定を実行すると、サーバ10の処理負荷が高くなる。例えば、サーバ10の処理負荷が高くなると、ライブ配信サービスで配信される動画に遅延が生じたり、不適切な視聴者コメントを検出するのに時間がかかったりする可能性がある。
【0023】
そこで、本実施形態のライブ配信システム1は、第1モデルの推定精度が高い場合には、第1モデルの推定結果を信用できるので、第2モデルに基づく推定を実行しないようにしている。ライブ配信システム1は、第1モデルの推定精度が低い場合には、第1モデルの推定結果をあまり信用できないので、第2モデルに基づく推定を実行するようにしている。これにより、サーバ10の処理負荷を軽減するようにしている。以降、本実施形態の詳細を説明する。
【0024】
[3.ライブ配信システムで実現される機能]
図3は、ライブ配信システム1で実現される機能の一例を示す図である。
【0025】
[3-1.サーバで実現される機能]
例えば、サーバ10は、データ記憶部100、視聴者コメント取得部101、第1推定部102、第1基準判定部103、第2推定部104、及び通知部105を含む。データ記憶部100は、記憶部12により実現される。視聴者コメント取得部101、第1推定部102、第1基準判定部103、第2推定部104、及び通知部105の各々は、制御部11により実現される。
【0026】
[データ記憶部]
データ記憶部100は、ライブ配信サービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、配信データベースDB1を記憶する。
【0027】
図4は、配信データベースDB1の一例を示す図である。配信データベースDB1は、ライブ配信サービスで配信中の動画に関するデータが格納されたデータベースである。例えば、配信データベースDB1には、動画ID、配信者ID、動画のタイトル、動画の実データ、視聴者コメントの実データ、視聴者ID、投稿日時、及び推定結果が格納される。配信中の動画だけではなく、過去に配信された動画のアーカイブが配信データベースDB1に格納されていてもよい。
【0028】
動画IDは、動画を一意に識別可能な情報である。ライブ配信サービスで動画の配信が開始されると、サーバ10は、他の動画IDと重複しないように新たな動画IDを発行し、配信データベースDB1に新たなレコードを作成する。配信者IDは、動画の配信者を一意に識別可能な情報である。動画のタイトルは、配信者により入力された動画の名前である。動画の実データは、任意の形式であってよく、例えば、MPEG形式、MP4形式、MOV形式、又はAVI形式であってもよい。
【0029】
視聴者コメントの実データは、任意の形式であってよく、例えば、テキスト形式、リッチテキスト形式、又はメッセージ形式であってもよい。視聴者IDは、視聴者コメントを入力した視聴者を一意に識別可能な情報である。投稿日時は、視聴者コメントが投稿された日時である。推定結果は、第1モデルM1及び第2モデルM2の少なくとも一方による推定結果である。視聴者が視聴者コメントを入力するたびに、視聴者コメントの実データ、視聴者ID、投稿日時、及び推定結果が配信データベースDB1に格納される。
【0030】
例えば、データ記憶部100は、学習済みの第1モデルM1と、学習済みの第2モデルM2と、を記憶する。学習済みとは、パラメータの調整が完了したことを意味する。データ記憶部100は、第1モデルM1及び第2モデルM2の各々のプログラム及びパラメータを記憶する。本実施形態では、第1モデルM1及び第2モデルM2の各々の学習が運営者端末20によって実行される場合を説明するが、第1モデルM1及び第2モデルM2の各々の学習が運営者端末20以外の他のコンピュータによって実行されてもよい。第1モデルM1及び第2モデルM2は、1つのデータとして結合されていてもよい。即ち、1つのモデルの中に、第1モデルM1及び第2モデルM2が含まれていてもよい。
【0031】
図5は、第1モデルM1及び第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する処理の一例を示す図である。以降、第1モデルM1に入力されるデータを、第1入力データという。第1モデルによる推定結果を、第1推定結果という。第2モデルM2に入力されるデータを、第2入力データという。第2モデルによる推定結果を、第2推定結果という。第1入力データ、第2入力データ、第1推定結果、及び第2推定結果は、任意の形式であってよい。
【0032】
例えば、第1モデルM1は、fastTextを利用したモデルである。fastTextは、インターネット百科事典等のテキストデータに基づいて、単語の意味を特徴ベクトル化するモデルである。fastTextは、Word2Vec等の他のモデルよりも高速に、単語の特徴ベクトルを計算できる。例えば、第1モデルM1には、第1入力データとして、視聴者コメントそのものが入力される。第1モデルM1は、第1入力データに対して形態素解析を実行し、単語ごとの特徴ベクトルを計算する。
【0033】
例えば、第1モデルM1は、単語ごとの特徴ベクトルに基づいて、第1入力データ全体の特徴ベクトルを計算する。第1モデルM1は、第1入力データ全体の特徴ベクトルに応じた第1推定結果及び第1スコアを出力する。なお、第1モデルM1の外部で形態素解析が実行され、第1入力データは、視聴者コメントが単語に分解された後の単語の並びであってもよい。また、第1モデルM1の外部で単語の特徴ベクトルが計算され、第1入力データは、特徴ベクトルの並びであってもよい。
【0034】
本実施形態では、第1モデルM1は、視聴者コメントが適切であるか否かを示す2値データを、第1推定結果として出力する。第1推定結果は、視聴者コメントの適否に関するデータであればよく、本実施形態の例に限られない。例えば、第1推定結果は、2値データではなく、中間値が存在してもよい。例えば、視聴者コメントの適否を5段階で分類する場合には、第1推定結果は、5段階で表現されてもよい。第1モデルM1は、視聴者コメントの適否を分類するので、第1推定結果は、視聴者コメントの適否の分類結果ということもできる。
【0035】
第1スコアは、第1モデルM1の推定精度に関するスコアである。第1スコアは、第1モデルM1がどの程度自信を持って推定しているかを示す指標である。第1スコアは、第1推定結果の信頼度ということもできる。本実施形態では、第1入力データごとに計算されるconfidence scoreと呼ばれる指標が第1スコアに相当する場合を説明する。confidence scoreの計算方法自体は、公知の種々の方法を利用可能である。例えば、Log Loss(クロスエントロピー)、AUC(Area Under the Curve)、又はジニ係数を利用して、第1スコアが計算されてもよい。本実施形態では、第1スコアは、0~100の数値で表現される場合を説明するが、第1スコアは、任意の数値範囲で表現可能である。
【0036】
なお、第1スコアは、confidence scoreではなく、他の指標であってもよい。例えば、第1スコアは、視聴者コメントの特徴ベクトルと、後述の第1訓練コメントの特徴ベクトルと、のコサイン類似度であってもよい。この場合、コサイン類似度が高いほど、視聴者コメントが学習済みの第1訓練コメントと似ているので、推定結果の精度が高くなる。第1スコアは、F値、正解率、又は適合率といった指標であってもよい。
【0037】
本実施形態では、第2モデルM2は、条件分岐を有するモデルである。例えば、第2モデルM2は、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)を利用したモデルである。LightGBMは、決定木の勾配ブースティングアルゴリズムを利用したモデルである。LightGBMは、複数の決定木を含む。LightGBMは、自身に入力されたデータに基づいて、複数の条件分岐の各々が示す条件を満たすか否かを判定し、当該判定結果に応じた推定結果を出力する。LightGBMは、決定木の勾配ブースティングアルゴリズムの一種であるXGBoostよりも高速かつ高精度であることが知られているが、本実施形態では、fastTextよりも低速であるものとする。
【0038】
図5の例では、第2モデルM2は、条件1~7といった複数の条件分岐を含む。例えば、第2モデルM2には、第2入力データとして、視聴者コメントの特徴に関する複数の項目が入力される。各項目は、視聴者コメントの何らかの特徴に関するものであればよく、例えば、視聴者コメントの文字数、視聴者コメントに含まれる単語数、又は視聴者コメント全体の特徴ベクトルであってもよい。後述する変形例のように、第2入力データは、キーワードとの比較結果等の他の項目を含んでもよい。決定木における条件は、第2入力データに含まれる項目によって判定可能な条件であればよい。例えば、視聴者コメントの文字数、単語数、又は特徴ベクトルの閾値が条件として設定されていてもよい。
【0039】
例えば、第2モデルM2に含まれる複数の条件分岐の各々は、第2入力データに含まれる少なくとも1つの項目に基づいて判定される条件を有する。
図5の例では、第2モデルM2は、第2入力データに基づいて、1つ目の条件1が満たされるか否かを判定する。第2モデルM2は、条件1が満たされると判定された場合には、第2入力データに基づいて、条件2が満たされるか否かを判定する。第2モデルM2は、条件1が満たされないと判定された場合には、第2入力データに基づいて、条件3が満たされるか否かを判定する。以降同様に、第2モデルM2は、決定木の末尾に到達するまで、ツリー状の条件分岐の条件が満たされるか否かを判定する。決定木の末尾には、第2推定結果が関連付けられる。第2モデルM2は、決定木の末尾の第2推定結果を出力する。
【0040】
本実施形態では、第2モデルM2は、視聴者コメントが適切であるか否かを示す2値データを、第2推定結果として出力する。第2推定結果は、視聴者コメントの適否に関するデータであればよく、本実施形態の例に限られない。例えば、第2推定結果は、2値データではなく、中間値が存在してもよい。例えば、視聴者コメントの適否を5段階で分類する場合には、第2推定結果は、5段階で表現されてもよい。第1推定結果と第2推定結果の段階数が異なってもよい。第2モデルM2は、視聴者コメントの適否を分類するので、第2推定結果は、視聴者コメントの適否の分類結果ということもできる。
【0041】
本実施形態では、第1モデルM1は、第2モデルM2よりも高速なモデルであるものとする。第1モデルM1は、第2モデルM2よりも計算量が少ないモデルということもできる。例えば、あるn(nは自然数)個の視聴者コメントが、第1モデルM1及び第2モデルM2による推定の対象になったとする。第1モデルM1が推定するn個の視聴者コメントと、第2モデルM2が推定するn個の視聴者コメントと、は互いに同じである。第1モデルM1がn個全ての第1推定結果を出力するのに要する第1時間は、第2モデルM2がn個全ての第2推定結果を出力するのに要する第2時間よりも短い。
【0042】
本実施形態では、第2モデルM2は、第1モデルM1よりも精度が高いものとする。例えば、予め正解が分かっているn個の視聴者コメントが、第1モデルM1及び第2モデルM2の各々に入力されたとする。第1モデルM1が推定するn個の視聴者コメントと、第2モデルM2が推定するn個の視聴者コメントと、は互いに同じである。この場合、第2モデルM2の正解率は、第1モデルM1の正解率よりも高い。正解率ではなく、適合率又はF値といった他の指標も、第2モデルM2の方が第1モデルM1よりも高いものとする。
【0043】
なお、第1モデルM1及び第2モデルM2は、fastText及びLightGBM以外の他の機械学習手法を利用したモデルであってもよく、本実施形態の例に限られない。第1モデルM1及び第2モデルM2は、任意の組み合わせであってよい。例えば、第1モデルM1は、Word2Vec、XGBoost、BERT、BERT以外のTransformer、ニューラルネットワーク、長・短期記憶、又はサポートベクターマシンを利用したモデルであってもよい。第2モデルM2は、これら例示した機械学習手法のうち、第1モデルM1とは異なる他の機械学習手法であってもよい。第1モデルM1及び第2モデルM2は、同じ機械学習手法を利用したモデルであるが、互いに異なる訓練データが学習されたモデルであってもよい。
【0044】
また、第1モデルM1は、第2モデルM2よりも低速であってもよい。第1モデルM1は、第2モデルM2よりも精度が高くてもよい。例えば、本実施形態の例とは逆に、第1モデルM1がLightGBMを利用したモデルであり、第2モデルM2がfastTextを利用したモデルであってもよい。第1モデルM1の機械学習手法と、第2モデルM2の機械学習法と、が互いに異なっていればよい。
【0045】
[視聴者コメント取得部]
視聴者コメント取得部101は、ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する。視聴者コメントを取得するとは、視聴者コメントの実データを取得することである。本実施形態では、視聴者コメント取得部101がサーバ10により実現されるので、視聴者コメント取得部101は、視聴者端末40の視聴者コメント送信部401により送信された視聴者コメントを取得する。視聴者コメント取得部101は、ある動画に対して入力された視聴者コメントの実データを、この動画の動画IDに関連付けて、視聴者コメントを入力した視聴者の視聴者ID及び投稿日時とともに配信データベースDB1に格納する。
【0046】
[第1推定部]
第1推定部102は、第1訓練コメントが学習された第1モデルM1に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第1訓練コメントは、第1モデルM1に学習させる訓練用のコメントである。第1訓練コメントは、後述の第1訓練データベースDB2に格納されている。例えば、第1推定部102は、視聴者コメントを第1入力データとして第1モデルM1に入力する。第1モデルM1は、第1入力データに基づいて、視聴者コメント全体の特徴ベクトルを計算し、当該特徴ベクトルに応じた推定結果を出力する。第1推定部102は、第1モデルM1の推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0047】
[第1基準判定部]
第1基準判定部103は、第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する。本実施形態では、第1スコアが第1モデルM1によって計算され、第1基準判定部103が、第1モデルM1から出力された第1スコアを取得する場合を説明するが、第1スコアは、第1モデルM1の内部処理を示すデータが第1スコアの計算アリゴリズムに入力されることによって計算されてもよい。また、本実施形態では、第1スコアが高いほど第1モデルM1の推定精度が高いことを意味する場合を説明するが、第1スコアと、第1モデルM1の推定精度と、の間に相関関係があればよく、第1スコアが低いほど第1モデルM1の推定精度が高いことを意味してもよい。
【0048】
第1基準は、第2モデルM2に基づく推定を実行するか否かを判定するための基準である。本実施形態では、第1スコアが高いほど第1モデルM1の推定精度が高いことを意味するので、第1スコアが所定の第1閾値以上であることが第1基準に相当する。第1閾値は、運営者が指定可能な可変値であってもよいし、予め定められた固定値であってもよい。なお、第1スコアが低いほど第1モデルM1の推定精度が高いことを意味する場合、第1スコアが第1閾値未満であることが第1基準に相当すればよい。
【0049】
例えば、第1基準判定部103は、第1スコアが第1閾値以上であるか否かを判定することによって、第1スコアが第1基準を満たすか否かを判定する。第1基準判定部103は、第1スコアが第1閾値以上である場合に、第1スコアが第1基準を満たすと判定する。第1基準判定部103は、第1スコアが第1閾値未満である場合に、第1スコアが第1基準を満たさないと判定する。
【0050】
[第2推定部]
第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルM2に基づく推定を行わず、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
図5のように、第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合には、視聴者コメントに基づく第2入力データを第2モデルM2に入力せず、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第2入力データを第2モデルM2に入力する。
【0051】
本実施形態では、第2モデルM2が条件分岐を有するので、第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントが満たす条件分岐に応じた出力を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。例えば、第2モデルM2は、視聴者コメントの特徴に関する複数の項目を含む第2入力データを生成し、第2入力データに基づいて、複数の条件分岐の各々の条件を満たすか否かを判定し、当該判定結果に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2の第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0052】
[通知部]
通知部105は、運営者端末20に対し、第1モデルM1及び第2モデルM2の少なくとも一方の推定結果を通知する。例えば、通知部105は、運営者端末20に対し、第1モデルM1により適切ではないと推定された視聴者コメントを通知する。通知部105は、運営者端末20に対し、第2モデルM2により適切ではないと推定された視聴者コメントを通知する。通知部105は、第1モデルM1により適切ではないと推定されたが、第2モデルM2により適切であると推定された視聴者コメントについては、運営者端末20に通知しなくてもよい。通知部105は、第1モデルM1により適切であると推定されたが、第2モデルM2により適切ではないと推定された視聴者コメントを、運営者端末20に通知してもよい。
【0053】
なお、サーバ10は、第1推定結果及び第2推定結果の少なくとも一方に基づいて、所定の処理を実行すればよい。所定の処理は、通知部105による通知に限られない。例えば、後述する変形例10における表示制御部110による処理も、所定の処理の一例である。所定の処理は、通知部105又は表示制御部110による処理以外の他の処理であってもよく、例えば、投稿者コメントの表示を一定時間待機する処理、投稿者コメントの表示順を下げる処理、又は投稿者コメントを小さく表示する処理であってもよい。
【0054】
例えば、サーバ10は、第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合には、第1推定結果に基づいて、所定の処理を実行する。サーバ10は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合には、第1推定結果には基づかずに、第2推定結果に基づいて、所定の処理を実行する。サーバ10は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合には、第1推定結果及び第2推定結果の両方に基づいて、所定の処理を実行してもよい。
【0055】
[3-2.運営者端末で実現される機能]
例えば、運営者端末20は、データ記憶部200、学習部201、及び制限部202を含む。データ記憶部200は、記憶部22により実現される。学習部201及び制限部202は、制御部21により実現される。
【0056】
[データ記憶部]
データ記憶部200は、ライブ配信サービスの運営に必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、学習前の第1モデルM1及び第2モデルM2を記憶する。学習前の第1モデルM1及び第2モデルM2は、パラメータが初期値のモデルである。学習前の第1モデルM1及び第2モデルM2は、学習部201によって学習される。例えば、データ記憶部200は、第1訓練データベースDB2及び第2訓練データベースDB3を記憶する。
【0057】
第1訓練データベースDB2は、複数の第1訓練データが格納されたデータベースである。第1訓練データは、第1モデルM1に学習させる訓練データである。第1訓練データには、第1訓練コメント(入力部分)と、第1訓練コメントが適切であるか否かを示す正解(出力部分)と、の関係が示されている。第1訓練データの入力部分は、第1入力データと同じ形式である。第1訓練データの出力部分は、第1推定結果と同じ形式である。第1訓練コメントは、ライブ配信サービスで過去に入力された投稿者コメントであってもよいし、運営者が訓練用に用意した仮想的なコメントであってもよい。正解は、運営者により人手でラベリングされるものとするが、自動的にラベリングを実行するツールが利用されてもよい。
【0058】
第2訓練データベースDB3は、複数の第2訓練データが格納されたデータベースである。第2訓練データは、第2モデルM2に学習させる訓練データである。第2訓練データは、第2訓練コメント(入力部分)と、第2訓練コメントが適切であるか否かを示す正解(出力部分)と、を含む。第2訓練データの入力部分は、第2入力データと同じ形式である。第2訓練データの出力部分は、第2推定結果と同じ形式である。第2訓練コメントは、ライブ配信サービスで過去に入力された投稿者コメントであってもよいし、運営者が訓練用に用意した仮想的なコメントであってもよい。正解は、運営者により人手でラベリングされるものとするが、自動的にラベリングを実行するツールが利用されてもよい。
【0059】
[学習部]
学習部201は、第1モデルM1及び第2モデルM2の学習を行う。例えば、学習部201は、ある第1訓練データに含まれる第1訓練コメントが入力された場合に、この第1訓練データに含まれる正解が出力されるように、第1モデルM1のパラメータを調整する。学習部201は、ある第2訓練データに含まれる第2訓練コメントが入力された場合に、この第2訓練データに含まれる正解が出力されるように、第2モデルM2のパラメータを調整する。
【0060】
なお、第1モデルM1及び第2モデルM2の学習手法自体は、機械学習手法で利用されている手法を利用すればよい。本実施形態の例であれば、学習部201は、FastTextで利用されている学習手法に基づいて、第1モデルM1の学習を行う。学習部201は、Light GBMで利用されている学習手法に基づいて、第2モデルM2の学習を行う。例えば、第1モデルM1及び第2モデルM2に利用する機械学習手法によっては、誤差逆伝播法又は勾配降下法といった手法が利用されて、第1モデルM1及び第2モデルM2の学習が実行されてもよい。
【0061】
[制限部]
制限部202は、第1モデルM1及び第2モデルM2の少なくとも一方により適切ではないと判定された投稿者コメントが表示されることを制限する。本実施形態では、制限部202は、運営者端末20に通知された投稿者コメントのうち、運営者が指定した投稿者コメントの表示を制限する。例えば、制限部202は、運営者が適切ではないと判定した投稿者コメントを、配信データベースDB1から削除する。制限部202は、投稿者コメントを削除するのではなく、表示を制限する旨のフラグをオンにすることによって、投稿者コメントの表示を制限してもよい。この場合、このフラグは、配信データベースDB1に格納されているものとする。フラグがオンの投稿者コメントは、ウィンドウWに表示されない。
【0062】
[3-3.配信者端末で実現される機能]
例えば、配信者端末30は、データ記憶部300及び配信部301を含む。データ記憶部300は、記憶部32により実現される。配信部301は、制御部31により実現される。
【0063】
[データ記憶部]
データ記憶部300は、配信者がライブ配信サービスを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部300は、配信者が動画を配信するためのブラウザ、又は、ライブ配信サービス専用のアプリケーションを記憶する。
【0064】
[配信部]
配信部301は、視聴者に対し、カメラ36により生成された動画を配信する。例えば、配信部301は、サーバ10に対し、動画を送信する。
【0065】
[3-4.視聴者端末で実現される機能]
例えば、視聴者端末40は、データ記憶部400及び視聴者コメント送信部401を含む。データ記憶部400は、記憶部42により実現される。視聴者コメント送信部401は、制御部41により実現される。
【0066】
[データ記憶部]
データ記憶部400は、視聴者がライブ配信サービスを利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部400は、視聴者が動画を視聴するためのブラウザ、又は、ライブ配信サービス専用のアプリケーションを記憶する。
【0067】
[視聴者コメント送信部]
視聴者コメント送信部401は、サーバ10に対し、視聴者コメントを送信する。
【0068】
[4.ライブ配信システムで実行される処理]
図6及び
図7は、ライブ配信システム1で実行される処理の一例を示す図である。
図6及び
図7の処理は、制御部11,21,31,41がそれぞれ記憶部12,22,32,42に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。
図6及び
図7では、ライブ配信サービスで配信される動画に対し、視聴者コメントが入力される流れが示されている。
【0069】
図6のように、配信者端末30は、サーバ10に対し、カメラ36により生成された動画を送信する(S1)。サーバ10は、配信者端末30から動画を受信すると(S2)、視聴者端末40に対し、動画を配信する(S3)。視聴者端末40は、動画を受信すると(S4)、動画を表示部45に表示させる(S5)。視聴者端末40は、入力フォームFに対する視聴者コメントの入力を受け付けて(S6)、サーバ10に対し、視聴者コメントを送信する(S7)。
【0070】
サーバ10は、視聴者端末40から視聴者コメントを受信すると(S8)、視聴者コメントを配信データベースDB1に格納して、視聴者端末40に対し、ウィンドウWに視聴者コメントを表示させる旨の要求を送信する(S9)。本実施形態では、視聴者コメントが表示された後に第1モデルM1による推定が実行される場合を説明するが、第1モデルM1又は第2モデルM2による推定が実行された後に、視聴者コメントが表示されてもよい。視聴者端末40は、サーバ10から要求を受信すると(S10)、視聴者コメントをウィンドウWに表示させる(S11)。
【0071】
サーバ10は、第1モデルM1に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する(S12)。S12では、サーバ10は、第1モデルM1に第1入力データを入力し、第1モデルM1から出力された第1推定結果及び第1スコアを取得する。第1推定結果は、配信データベースDB1に格納される。サーバ10は、第1スコアが第1基準を満たすか否かを判定する(S13)。第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合(S13:Y)、サーバ10は、第1推定結果を参照する(S14)。第1モデルM1の推定結果が適切であることを示す場合(S14:適切)、本処理は終了する。この場合、ウィンドウWに視聴者コメントが表示されたままになる。
【0072】
S14において、第1モデルM1の推定結果が不適切であることを示す場合(S14:不適切)、サーバ10は、運営者端末20に対し、視聴者コメントを送信する(S15)。運営者端末20は、視聴者コメントを受信すると(S16)、視聴者コメントを表示部25に表示させる(S17)。運営者は、表示部25に表示された視聴者コメントをチェックする。運営者端末20は、操作部24から、運営者による判定結果を受け付ける(S18)。
【0073】
図7に移り、運営者端末20は、サーバ10に対し、運営者による判定結果を送信する(S19)。サーバ10は、運営者による判定結果を受信すると(S20)、当該判定結果を参照する(S21)。運営者による判定結果が適切を示す場合(S21:適切)、本処理は終了する。この場合、ウィンドウWに視聴者コメントが表示されたままになる。S21において、運営者による判定結果が不適切を示す場合(S21:不適切)、サーバ10は、配信データベースDB1に格納された視聴者コメントを削除し、視聴者端末40に対し、ウィンドウWから視聴者コメントの削除を要求する(S22)。視聴者端末40は、要求を受信すると(S23)、視聴者コメントをウィンドウWから削除し(S24)、本処理は終了する。
【0074】
図6のS13において、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合(S13:N)、
図7に移り、サーバ10は、第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する(S25)。S25では、サーバ10は、第2モデルM2に第2入力データを入力し、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得する。第2推定結果は、配信データベースDB1に格納される。第2モデルM2の推定結果が適切であることを示す場合(S26:適切)、本処理は終了する。この場合、ウィンドウWに視聴者コメントが表示されたままになる。S26において、第2モデルM2の推定結果が不適切であることを示す場合(S26:不適切)、S15の処理に移行する。第1モデルM1の推定結果に関係なく、第2モデルM2の推定結果が優先されることになる。
【0075】
ライブ配信システム1によれば、第1スコアが第1基準を満たすと判定された場合には、第2モデルM2に基づく推定を行わずに、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第1スコアが第1基準を満たす場合には、第1モデルM1による推定結果の信頼性が高いので、第2モデルM2による推定を省略することによって、サーバ10の処理負荷を軽減できる。更に、第2モデルM2のよる推定を省略することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを、より高速に推定できるようになる。第1スコアが第1基準を満たさない場合には、第1モデルM1による推定結果の信頼性が低いので、第2モデルM2による推定を実行することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを精度良く推定できる。例えば、サーバ10の処理負荷を軽減することによって、動画の遅延が生じるといったライブ配信サービスのリアルタイム性が損なわれることを防止できる。推定を高速化することによって、不適切な視聴者コメントが表示されたままになるといったことも防止できる。動画配信サービスでは、種々の動画が同時に配信されることもあるが、サーバ10の処理負荷を軽減することによって、配信中の動画の数が増えても問題なく対応できるようになる。
【0076】
また、ライブ配信システム1は、第1モデルM1は、第2モデルM2よりも高速なモデルである。これにより、より高速な第1モデルM1を最初に利用することによって、サーバ10の処理負荷を効果的に軽減できる。更に、視聴者コメントが適切であるか否かを、より高速に推定できるようになる。
【0077】
また、ライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントが満たす条件分岐に応じた第2モデルM2の出力を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、条件分岐を有する第2モデルM2によって、視聴者コメントが適切であるか否かの推定精度が高まる。
【0078】
[5.変形例]
なお、本開示は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0079】
図8は、変形例で実現される機能の一例を示す図である。
図8のように、以降説明する変形例では、サーバ10は、キーワード判定部106、第3推定部107、第2基準判定部108、第4推定部109、及び表示制御部110を含む。これらの機能は、制御部11により実現される。
【0080】
[変形例1]
例えば、実施形態では、第2モデルM2に入力される第2入力データは、実施形態の例に限られない。第2入力データには、第1推定結果が含まれてもよい。変形例1では、第1推定結果として、実施形態と同様に、視聴者コメントが適切であるか否かを示す2値データを例に挙げるが、中間値が存在する推定結果であってもよい。第2モデルM2の少なくとも1つの条件分岐は、第1推定結果に関する条件となる。第1推定結果に応じて、少なくとも1つの条件分岐の条件が満たされるか否かが変わる。
【0081】
図9は、第2モデルM2の処理の一例を示す図である。
図9では、変形例1~6における第2モデルM2の処理がまとめて示されている。第2入力データは、変形例1~6で説明する全ての項目を含まなければならないわけではなく、一部の項目だけを含んでいてもよい。変形例1の第2モデルM2には、ある第2訓練コメントの第1推定結果と、この第2訓練コメントの適否の正解と、の関係を示す第2訓練データが学習されている。第2訓練コメントの第1推定結果は、学習済みの第1モデルM1に対し、第2訓練コメントに応じた第1入力データが入力されることによって取得されてもよいし、運営者が手動で指定してもよい。第2訓練データに含まれる内容が実施形態とは異なるが、学習方法自体は、実施形態と同様である。
【0082】
変形例1の第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1推定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。例えば、第2推定部104は、第1推定結果を含む第2入力データを第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、複数の条件分岐の各々の条件を第2入力データが満たすか否かを判定する。第2モデルM2は、第2入力データが満たす条件に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0083】
変形例1のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1推定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第1スコアが第1基準を満たさなかったとしても、第1推定結果がある程度参考になることがあるので、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0084】
[変形例2]
例えば、
図9のように、第2入力データには、第1スコアが含まれてもよい。変形例2の第2モデルM2には、ある第2訓練コメントの第1スコアと、この第2訓練コメントの適否の正解と、の関係を示す第2訓練データが学習されている。第2訓練コメントの第1スコアは、学習済みの第1モデルM1に対し、第2訓練コメントに応じた第1入力データが入力されることによって取得されてもよいし、運営者が手動で指定してもよい。第2訓練データに含まれる内容が実施形態とは異なるが、学習方法自体は、実施形態と同様である。
【0085】
変形例2の第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1スコアと、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。例えば、第2推定部104は、第1スコアを含む第2入力データを第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、複数の条件分岐の各々の条件を第2入力データが満たすか否かを判定する。第2モデルM2は、第2入力データが満たす条件に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0086】
変形例2のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1スコアと、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第1スコアが第1基準を満たさなかったとしても、第1スコアと投稿者コメントの適否との間に相関関係が存在することがあるので、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0087】
[変形例3]
例えば、
図9のように、第2入力データには、キーワードが含まれるか否かの判定結果が含まれてもよい。変形例3のデータ記憶部100は、キーワードデータベースDB4を記憶する。例えば、キーワードデータベースDB4には、適切なキーワードと、不適切なキーワードと、の少なくとも一方が格納される。変形例3では、適切なキーワードと、不適切なキーワードと、の両方がキーワードデータベースDB4に格納される場合を説明するが、キーワードデータベースDB4には、適切なキーワード又は不適切なキーワードの何れか一方のみが格納されていてもよい。キーワードデータベースDB4に格納されるキーワードは、運営者によって指定されるものとする。
【0088】
変形例3のライブ配信システム1は、キーワード判定部106を含む。キーワード判定部106は、視聴者コメントに所定のキーワードが含まれるか否かを判定する。例えば、キーワード判定部106は、キーワードデータベースDB4に格納された複数のキーワードの各々が視聴者コメントに含まれているか否かを判定する。変形例3では、キーワード判定部106がキーワードとの完全一致を判定する場合を説明するが、キーワード判定部106は、キーワードとの部分一致又はあいまい一致(あいまい検索)を判定してもよい。
【0089】
変形例3の第2モデルM2には、ある第2訓練コメントにキーワードが含まれるか否かの判定結果と、この第2訓練コメントの適否の正解と、の関係を示す第2訓練データが学習されている。判定結果は、キーワードの数、キーワードの長さ、及びキーワードの種類のうちの少なくとも1つである。キーワードごとに、適切度が関連付けられている場合には、判定結果は、キーワードの適切度であってもよい。第2訓練データに含まれる内容が実施形態とは異なるが、学習方法自体は、実施形態と同様である。
【0090】
変形例3の第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントにキーワードが含まれるか否かの判定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。判定結果の意味は、第2訓練コメントにおける判定結果と同様である。例えば、第2推定部104は、キーワードが含まれるか否かの判定結果を含む第2入力データを第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、複数の条件分岐の各々の条件を第2入力データが満たすか否かを判定する。第2モデルM2は、第2入力データが満たす条件に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0091】
変形例3のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントにキーワードが含まれるか否かの判定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0092】
[変形例4]
例えば、変形例3のようにキーワードが利用される場合に、キーワードに応じて不適切の程度が異なることがある。このため、最も不適切なブラックワードのキーワード群と、ある程度不適切なグレーワードのキーワード群と、を使い分けるようにしてもよい。変形例4のキーワードデータベースDB4には、ブラックワードのキーワード群と、グレーワードのキーワード群と、が格納されている。キーワードがブラックワードであるかグレーワードであるかを示す情報は、予めキーワードデータベースDB4に格納されているものとする。ブラックワードのキーワード群と、グレーワードのキーワード群と、は別々のデータベースに格納されていてもよい。
【0093】
変形例4のキーワード判定部106は、第1キーワード判定部106A及び第2キーワード判定部106Bを含む。第1キーワード判定部106Aは、視聴者コメントに、第1キーワード群における第1キーワードが含まれるか否かを判定する。変形例4では、ブラックワードのキーワード群が第1キーワード群に相当する場合を説明する。変形例4では、第1キーワード判定部106Aが第1キーワードとの完全一致を判定する場合を説明するが、第1キーワード判定部106Aは、第1キーワードとの部分一致又はあいまい一致(あいまい検索)を判定してもよい。
【0094】
第2キーワード判定部106Bは、視聴者コメントに、第2キーワード群における第2キーワードが含まれるか否かを判定する。変形例4では、グレーワードのキーワード群が第2キーワード群に相当する場合を説明する。即ち、第1キーワード群の適切度は、第2キーワード群の適切度よりも低い場合を説明するが、第1キーワード群の適切度は、第2キーワード群の適切度よりも高くてもよい。例えば、グレーワードが第1キーワード群に相当し、ブラックワードが第2キーワード群に相当してもよい。第1キーワード群及び第2キーワード群は、ブラックワード及びグレーワードに限られない。例えば、第1キーワード群又は第2キーワード群の何れかは、適切なキーワードであるホワイトワードであってもよい。変形例4では、第2キーワード判定部106Bが第2キーワードとの完全一致を判定する場合を説明するが、第2キーワード判定部106Bは、第2キーワードとの部分一致又はあいまい一致(あいまい検索)を判定してもよい。
【0095】
変形例4の第2モデルM2には、ある第2訓練コメントに第1キーワードが含まれるか否かの判定結果及び第2キーワードが含まれるか否かの判定結果と、この第2訓練コメントの正解と、の関係を示す第2訓練データが学習されている。判定結果の意味は、変形例3と同様である。第2訓練データに含まれる内容が実施形態とは異なるが、学習方法自体は、実施形態と同様である。
【0096】
変形例4の第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントに第1キーワードが含まれるか否かの第1判定結果、視聴者コメントに第2キーワードが含まれるか否かの第2判定結果、及び第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。例えば、第2推定部104は、第1判定得結果及び第2判定結果を含む第2入力データを第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、複数の条件分岐の各々の条件を第2入力データが満たすか否かを判定する。第2モデルM2は、第2入力データが満たす条件に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0097】
変形例4のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1判定結果、第2判定結果、及び第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0098】
[変形例5]
例えば、変形例3及び変形例4で説明したキーワードは、商品の属性ごとに用意されていてもよい。変形例5のライブ配信サービスでは、商品を紹介する動画が配信され、商品に関する属性ごとに、キーワード群が用意されている。例えば、変形例5のキーワードデータベースDB4には、商品の属性ごとに、キーワード群が用意されている。商品の属性は、商品を何らかの観点で分類するための情報である。商品の属性は、商品のカテゴリ又はジャンルと呼ばれることもある。商品の属性ごとに、別々のデータベースが用意されていてもよい。
【0099】
変形例5のキーワード判定部106は、視聴者が視聴中の動画で紹介されている商品の属性に関連付けられたキーワード群に基づいて、視聴者コメントにキーワードが含まれるか否かを判定する。商品の属性は、配信者が指定してもよいし、商品の属性が定義された商品データベースをデータ記憶部100に用意しておいて、商品データベースが参照されることによって取得されてもよい。
【0100】
変形例5のキーワード判定部106は、データ記憶部100に記憶されたキーワードデータベースDB4のうち、キーワードデータベースDB4のうち、商品の属性に関連付けられたキーワード群に基づいて、視聴者コメントにキーワードが含まれるか否かを判定する。商品の属性以外の他の属性に関連付けられたキーワード群は、判定対象にはならない。判定対象となるキーワード群が商品の属性に応じたものである点で変形例3及び変形例4とは異なるが、他の点については同様である。
【0101】
変形例5のライブ配信システム1は、視聴者が視聴中の動画で紹介されている商品の属性に関連付けられたキーワード群に基づいて、視聴者コメントにキーワードが含まれるか否かを判定する。これにより、第2モデルM2が商品の属性に応じた推定を実行できるので、第2モデルM2による推定精度が高まる。例えば、商品の属性が洋服であれば、「お尻」といった単語を含む投稿者コメントが適切であることが多いが、他の属性の商品であれば不適切になる可能性があるので、属性に応じたキーワード群を利用することによって、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0102】
[変形例6]
例えば、
図9のように、第2入力データには、第1モデルM1及び第2モデルM2とは異なる機械学習手法を利用した第3モデルM3による第3推定結果が含まれてもよい。変形例6では、第3モデルM3がサポートベクターマシンを利用したモデルである場合を例に挙げる。第3モデルM3は、第1モデルM1及び第2モデルM2とは異なる機械学習手法を利用したモデルであればよく、サポートベクターマシンを利用したモデルに限られない。例えば、第3モデルM3は、ニューラルネットワークを利用したモデルであってもよい。
【0103】
変形例6のライブ配信システム1は、第3推定部107を含む。第3推定部107は、第3訓練コメントが学習された第3モデルM3に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第3モデルM3には、第3訓練コメントと、第3訓練コメントの適否の正解と、の関係を示す第3訓練データが学習されている。第3訓練データは、データ記憶部200が記憶する第3訓練データベースDB5に格納されている。実施形態と同様に、運営者端末20のデータ記憶部200に第3訓練データが記憶されており、学習部201によって第3モデルM3の学習が実行されてもよい。学習部201は、ある第3訓練データに含まれる第3訓練コメントが入力された場合に、この第3訓練データに含まれる正解となる推定結果が出力されるように、第3モデルM3のパラメータを調整する。
【0104】
変形例6の第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第3モデルM3の推定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。例えば、第2推定部104は、第3推定結果を含む第2入力データを第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、複数の条件分岐の各々の条件を第2入力データが満たすか否かを判定する。第2モデルM2は、第2入力データが満たす条件に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得することによって、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0105】
変形例6のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第3推定結果と、第2モデルM2と、に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第2モデルM2が、第3推定結果を参考にすることができるので、第2モデルM2による推定精度が高まる。
【0106】
[変形例7]
例えば、実施形態では、第2モデルM2が第1モデルM1よりも低速であるが高精度のモデルである場合を説明したが、第2モデルM2による推定精度が十分でないこともある。この場合、第1モデルM1及び第2モデルM2とは異なる機械学習手法を利用した第4モデルM4を利用した推定が実行されてもよい。変形例7では、第4モデルM4がBERTを利用したモデルである場合を例に挙げる。第4モデルM4は、第1モデルM1及び第2モデルM2とは異なる機械学習手法を利用したモデルであればよく、BERTを利用したモデルに限られない。例えば、第4モデルM4は、BERT以外のTransformerを利用したモデルであってもよい。第4モデルM4には、第4訓練コメントと、第4訓練コメントの適否の正解と、の関係を示す第4訓練データが学習されている。第4訓練データは、データ記憶部200が記憶する第4訓練データベースDB6に格納されている。
【0107】
変形例7のライブ配信システム1は、第2基準判定部108及び第4推定部109を含む。第2基準判定部108は、第2モデルM2の推定精度に関する第2スコアが所定の第2基準を満たすか否かを判定する。第2スコアは、第2モデルM2の推定精度に関するスコアという点で第1スコアとは異なるが、他の点については、第1スコアと同様である。第2基準は、第2スコアに関する基準という点で第1基準とは異なるが、他の点については、第2基準と同様である。このため、第1スコア及び第1基準の説明における第1スコア、第1基準、及び第1モデルM1の記載を、第2スコア、第2基準、及び第2モデルM2と読み替えることができる。
【0108】
例えば、第2基準判定部108は、第2モデルM2により出力された第2スコアを取得する。第2基準判定部108は、第2スコアが第2閾値以上であるか否かを判定することによって、第2スコアが第2基準を満たすか否かを判定する。第2基準判定部108は、第2スコアが第2閾値以上である場合に、第2スコアが第2基準を満たすと判定する。第2基準判定部108は、第2スコアが第2閾値未満である場合に、第2スコアが第2基準を満たさないと判定する。
【0109】
第4推定部109は、第2スコアが第2基準を満たすと判定された場合には、第4訓練コメントが学習された第4モデルM4に基づく推定を行わずに、第2スコアが第2基準を満たさないと判定された場合に、第4モデルM4に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。第4推定部109は、第2スコアが第2基準を満たすと判定された場合には、視聴者コメントを第4モデルM4に入力せず、第2スコアが第2基準を満たさないと判定された場合に、視聴者コメントを第4モデルM4に入力する。実施形態で説明した所定の処理は、第4モデルM4による推定結果に基づいて実行される。
【0110】
変形例7のライブ配信システム1は、第2スコアが第2基準を満たすと判定された場合には、第4訓練コメントが学習された第4モデルM4に基づく推定を行わずに、第2スコアが第2基準を満たさないと判定された場合に、第4モデルM4に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第2モデルM2の推定精度が高くなかったとしても、第4モデルM4に基づく推定を実行することによって、視聴者コメントが適切であるか否かの推定精度が高まる。また、第2モデルM2の推定精度が高かった場合には、第2推定結果を信頼できるので、第4モデルM4に基づく推定を実行しないようにすることで、サーバ10の処理負荷を軽減できる。
【0111】
[変形例8]
例えば、互いに異なる機械学習手法の複数の第2モデルM2、又は、互いに異なる第2訓練データが学習された複数の第2モデルM2を用意しておき、第1スコアに応じた第2モデルM2が利用されてもよい。第2推定部104は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1スコアに基づいて、複数の第2モデルM2のうちの何れかを選択し、当該選択された第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。
【0112】
なお、第1スコアと第2モデルM2の関係は、予めデータ記憶部100に記憶されているものとする。例えば、第1スコアが低いほど(第1推定結果の精度が低いほど)、高精度かつ低速の第2モデルM2が選択されるように、これらの関係が定義されている。第2推定部104は、第1スコアに関連付けられた第2モデルM2を選択すればよい。第2モデルM2に基づく推定自体は、実施形態で説明した通りである。実施形態で説明した条件分岐を有する第2モデルM2以外の他の第2モデルM2が利用される場合には、当該他の第2モデルM2の機械学習手法に応じた処理が実行されることによって、第2推定結果が取得されるようにすればよい。
【0113】
変形例8のライブ配信システム1は、第1スコアが第1基準を満たさないと判定された場合に、第1スコアに基づいて、複数の第2モデルM2のうちの何れかを選択し、当該選択された第2モデルM2に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、第1スコアに応じた第2モデルM2に基づく推定を実行できるので、視聴者コメントが適切であるか否かの推定精度と、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する速度と、をバランスよく両立できる。例えば、第1スコアが第1基準を満たさないが、ある程度は第1推定結果を信頼できる場合には、ある程度高精度かつ高速の第2モデルM2を利用することによって、高速な処理で高精度な第2推定結果を得ることができる。例えば、第1スコアが非常に低く、第1推定結果を全く信頼できない場合には、より高精度な第2モデルM2を利用することによって、あまり高速ではないが高精度な第2推定結果を得ることができる。
【0114】
[変形例9]
例えば、不適切な視聴者コメントは、特定の視聴者によって入力されることがある。このため、第1推定部102及び第2推定部104の少なくとも一方は、視聴者に関する特徴に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定してもよい。視聴者に関する特徴は、過去に入力された視聴者コメントに関する特徴である。例えば、ある視聴者が過去に不適切な視聴者コメントを入力した回数が多いほど、この視聴者の不正度が高まるように、特徴が取得される。
【0115】
例えば、サーバ10は、配信データベースDB1を参照し、視聴者ごとに、当該視聴者が入力した過去の視聴者コメントの第1推定結果及び第2推定結果を取得する。サーバ10は、第1推定結果及び第2推定結果が不適切を示す視聴者コメントが多いほど、視聴者の不正度が高くなるように、視聴者の特徴を計算する。変形例9では、視聴者の不正度が特徴として利用される場合を説明するが、視聴者の正当度が特徴として利用されてもよい。サーバ10は、ライブ配信サービス以外にも、SNS等の他のサービスにおける視聴者のコメントの入力実績に応じた特徴を取得してもよい。
【0116】
変形例9では、第1推定部102及び第2推定部104の両方が、視聴者に関する特徴に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する場合を説明するが、第1推定部102又は第2推定部104の何れか一方のみが、視聴者に関する特徴に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定してもよい。変形例9では、第1訓練データ及び第2訓練データには、視聴者に関する特徴も含まれる。第1モデルM1及び第2モデルM2は、視聴者に関する特徴が学習されている。
【0117】
例えば、第1推定部102は、視聴者に関する特徴を含む第1入力データを、第1モデルM1に入力する。第1モデルM1は、視聴者に関する特徴に応じた第1推定結果を出力する。第1推定部102は、第1モデルM1から出力された第1推定結果を取得する。第2推定部104は、視聴者に関する特徴を含む第2入力データを、第2モデルM2に入力する。第2モデルM2は、視聴者に関する特徴に応じた第2推定結果を出力する。第2推定部104は、第2モデルM2から出力された第2推定結果を取得する。
【0118】
なお、視聴者の特徴を第1入力データ又は第2入力データに含めるのではなく、複数の第1モデルM1と、複数の第2モデルM2と、を用意しておき、視聴者の特徴に応じた第1モデルM1及び第2モデルM2が利用されてもよい。例えば、第1推定部102は、視聴者の不正度が高いほど高精度の第1モデルM1を選択してもよい。第2推定部104は、視聴者の不正度が高いほど高精度の第2モデルM2を選択してもよい。即ち、視聴者の特徴に応じて、第1モデルM1及び第2モデルM2が使い分けられてもよい。
【0119】
変形例9のライブ配信システム1は、視聴者に関する特徴に基づいて、視聴者コメントが適切であるか否かを推定する。これにより、視聴者に関する特徴も顧慮できるので、視聴者コメントの推定精度が高まる。例えば、普段から不適切な視聴者コメントを入力する視聴者については、速度ではなく精度を重視した第1モデルM1及び第2モデルM2で推定を実行するといったこともできる。
【0120】
[変形例10]
例えば、実施形態では、適切ではないと推定された視聴者コメントが運営者によるチェックに回される場合を例に挙げたが、適切ではないと推定された視聴者コメントは、運営者によるチェックに回すのではなく、そもそもウィンドウWに表示されないようにしてもよい。更に、第1モデルM1又は第2モデルM2によって適切ではないと推定された視聴者コメントが、運営者によって適切であると判定された場合には、ウィンドウWに表示されるようにしてもよい。
【0121】
変形例10のライブ配信システム1は、表示制御部110を含む。表示制御部110は、第1モデルM1及び第2モデルM2の少なくとも一方の推定結果に基づいて、視聴者コメントを表示するか否かを制御する。例えば、表示制御部110は、第1スコアが第1基準を満たす視聴者コメントについては、第1モデルM1の推定結果に基づいて、視聴者コメントを表示するか否かを制御する。表示制御部110は、第1モデルM1により適切ではないと推定された視聴者コメントをウィンドウWに表示させず、第1モデルM1により適切と推定された視聴者コメントをウィンドウWに表示させる。
【0122】
例えば、表示制御部110は、第1スコアが第1基準を満たさない視聴者コメントについては、第2モデルM2の推定結果に基づいて、視聴者コメントを表示するか否かを制御する。表示制御部110は、第2モデルM2により適切ではないと推定された視聴者コメントをウィンドウWに表示させず、第2モデルM2により適切と推定された視聴者コメントをウィンドウWに表示させる。第1モデルM1又は第2モデルM2により適切と推定された視聴者コメントだったとしても、運営者のチェックによって不適切と判定された場合には、視聴者コメントが削除されてもよい。
【0123】
変形例10のライブ配信システム1は、第1モデルM1及び第2モデルM2の少なくとも一方の推定結果に基づいて、視聴者コメントを表示するか否かを制御する。これにより、不適切な視聴者コメントが公開されることを防止できる。
【0124】
[その他の変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
【0125】
例えば、サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、運営者端末20、配信者端末30、視聴者端末40、又は他のコンピュータで実現されてもよい。例えば、1台のコンピュータで実現されるものとして説明した機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。各機能は、少なくとも1つのコンピュータで実現されるようにすればよい。
【0126】
[6.付記]
例えば、ライブ配信システムは、下記のような構成も可能である。
【0127】
(1)
ライブ配信サービスの視聴者により入力された視聴者コメントを取得する視聴者コメント取得部と、
第1訓練コメントが学習された第1モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第1推定部と、
前記第1モデルの推定精度に関する第1スコアが所定の第1基準を満たすか否かを判定する第1基準判定部と、
前記第1スコアが前記第1基準を満たすと判定された場合には、第2訓練コメントが学習された第2モデルに基づく推定を行わずに、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第2推定部と、
を含むライブ配信システム。
(2)
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1モデルの推定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)に記載のライブ配信システム。
(3)
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1スコアと、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)又は(2)に記載のライブ配信システム。
(4)
前記ライブ配信システムは、前記視聴者コメントに所定のキーワードが含まれるか否かを判定するキーワード判定部を更に含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントに前記キーワードが含まれるか否かの判定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)~(3)の何れかに記載のライブ配信システム。
(5)
前記キーワード判定部は、
前記視聴者コメントに、第1キーワード群における第1キーワードが含まれるか否かを判定する第1キーワード判定部と、
前記視聴者コメントに、第2キーワード群における第2キーワードが含まれるか否かを判定する第2キーワード判定部と、
を含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントに前記第1キーワードが含まれるか否かの第1判定結果、前記視聴者コメントに前記第2キーワードが含まれるか否かの第2判定結果、及び前記第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(4)に記載のライブ配信システム。
(6)
前記ライブ配信サービスでは、商品を紹介する動画が配信され、前記商品に関する属性ごとに、キーワード群が用意されており、
前記キーワード判定部は、前記視聴者が視聴中の前記動画で紹介されている前記商品の前記属性に関連付けられた前記キーワード群に基づいて、前記視聴者コメントに前記キーワードが含まれるか否かを判定する、
(4)又は(5)に記載のライブ配信システム。
(7)
前記ライブ配信システムは、第3訓練コメントが学習された第3モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第3推定部を更に含み、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第3モデルの推定結果と、前記第2モデルと、に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)~(6)の何れかに記載のライブ配信システム。
(8)
前記第1モデルは、前記第2モデルよりも高速なモデルである、
(1)~(7)の何れかに記載のライブ配信システム。
(9)
前記第2モデルは、条件分岐を有するモデルであり、
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記視聴者コメントが満たす前記条件分岐に応じた出力を取得することによって、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)~(8)の何れかに記載のライブ配信システム。
(10)
前記ライブ配信システムは、
前記第2モデルの推定精度に関する第2スコアが所定の第2基準を満たすか否かを判定する第2基準判定部と、
前記第2スコアが前記第2基準を満たすと判定された場合には、第4訓練コメントが学習された第4モデルに基づく推定を行わずに、前記第2スコアが前記第2基準を満たさないと判定された場合に、前記第4モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する第4推定部と、
を更に含む(1)~(9)の何れかに記載のライブ配信システム。
(11)
前記第2推定部は、前記第1スコアが前記第1基準を満たさないと判定された場合に、前記第1スコアに基づいて、複数の前記第2モデルのうちの何れかを選択し、当該選択された第2モデルに基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)~(10)の何れかに記載のライブ配信システム。
(12)
前記第1推定部及び前記第2推定部の少なくとも一方は、前記視聴者に関する特徴に基づいて、前記視聴者コメントが適切であるか否かを推定する、
(1)~(11)の何れかに記載のライブ配信システム。
(13)
前記ライブ配信システムは、前記第1モデル及び前記第2モデルの少なくとも一方の推定結果に基づいて、前記視聴者コメントを表示するか否かを制御する表示制御部を更に含む、
(1)~(12)の何れかに記載のライブ配信システム。
【符号の説明】
【0128】
1 ライブ配信システム、10 サーバ、11,21,31,41 制御部、12,22,32,42 記憶部、13,23,33,43 通信部、20 運営者端末、24,34,44 操作部、25,35,45 表示部、30 配信者端末、36 カメラ、40 視聴者端末、B ボタン、F 入力フォーム、N ネットワーク、W ウィンドウ、M1 第1モデル、M2 第2モデル、M3 第3モデル、M4 第4モデル、100 データ記憶部、101 視聴者コメント取得部、102 第1推定部、103 第1基準判定部、104 第2推定部、105 通知部、106 キーワード判定部、107 第3推定部、108 第2基準判定部、109 第4推定部、110 表示制御部、200 データ記憶部、201 学習部、202 制限部、300 データ記憶部、301 配信部、400 データ記憶部、401 視聴者コメント送信部、DB1 配信データベース、DB2 第1訓練データベース、DB3 第2訓練データベース、DB4 キーワードデータベース、DB5 第3訓練データベース、DB6 第4訓練データベース。