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特開2024-39775情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039775
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20240315BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144378
(22)【出願日】2022-09-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】512165628
【氏名又は名称】サイトセンシング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】平林 隆
(72)【発明者】
【氏名】興梠 正克
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062AA09
5J062BB05
5J062CC18
5J062FF01
5J062FF04
(57)【要約】
【課題】非GPS環境において、低コストにユーザの位置を検出するサービスを提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、病院や工場等においてユーザUが移動する場合における当該ユーザUの位置を検出する情報処理システムであり、位置検出部43を備える。位置検出部43は、病院内の病室や工場内の倉庫の区画等に予め設置されている電子機器(コンセントCOや照明器具SY等)から繰り返し発信されるBLEの電波を、ユーザUが携帯するユーザ端末1が受信することで、隠れビーコン検出技術を用いて、ユーザUの位置を検出する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出する情報処理システムにおいて、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体が携帯する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出手段
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記位置検出手段は、
自律航法を用いて前記端末の位置を検出する第2手法を用いて、前記移動体の位置を検出する第1検出手段と、
前記第1手法を用いた前記端末の位置の検出結果を用いて、前記第1検出手段により検出された前記移動体の位置を補正する補正手段と、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記電波を受信可能な端末を前記所定領域内で移動させ、当該端末が前記電波を受信する毎に、当該電波の発生源としての前記電子機器の配置位置を取得する発生源取得手段と、
前記配置位置が取得された1以上の前記発生源のうち、前記位置検出手段による前記第1手法での前記位置の検出に用いる発生源を、位置検出用発生源として1以上選別する発生源選別手段と、
選別された1以上の前記位置検出用発生源を登録する発生源登録手段と、
を備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記電波源取得手段は、前記配置位置を取得する前記電波源から発生される前記電波の強度及び頻度をさらに取得し、
前記電波源選別手段は、前記電波の前記強度及び前記頻度に基づいて、前記1以上の位置検出用発生源を選別する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1手法で用いられる前記電波は、所定頻度、所定強度、及び到達距離が所定以下で発生される電波である、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1手法で用いられる前記電波は、Bluetooth Low Energyの電波である、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出する情報処理システムが実行する情報処理方法において、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体に付属する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出ステップ
を含む情報処理方法。
【請求項8】
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出するコンピュータに、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体に付属する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出ステップ
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、病院や倉庫等のような屋内環境、つまり非GPS環境において、移動体の位置を検出するサービスの提供が望まれている。
非GPS環境下での移動体の測位技術の代表的なものとして、例えば自律航法等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
自律航法は、慣性航法技術の一種であるため、外部信号・映像を使わずに、人や車両といった移動体の位置を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-183920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自律航法では、演算を繰り返す内に誤差が蓄積するため、非GPS環境下でサービスを提供するにあたり、数m~10数mに1個程度の頻度で、計測誤差補正専用のビーコン発生源を設置する必要がある。ビーコン発生源は、電力を消費するため、電池交換や不具合発生時等のメンテナンス作業が必要であり、メンテナンス作業のための手間と労力が掛かり、間接的なコストが発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、非GPS環境において、低コストに移動体の位置を検出するサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出する情報処理システムにおいて、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体が携帯する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出手段
を備える。
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非GPS環境において、低コストに移動体の位置を検出するサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の情報処理システムが適用される位置検出サービス(以下「本サービス」と呼ぶ)の一実施形態を示す図である。
図2図1の本サービスに適用する情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
図3図2に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図2図3のユーザ端末とサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】ユーザのトラッキングに伴う各情報処理装置(サーバ、ユーザ端末)の動作を示す図である。
図6】既存設置の電子機器からのBLE電波を、補正用ビーコンの代替とすべく、BLE電波の電波源の位置を計測(逆PDR計測)する様子を示す図である。
図7】屋内をユーザが歩行した軌跡から発振源の位置を特定する様子を示す図である。
図8】電波源を選別するための電波強度と電波発生頻度との関係を示す図である。
図9】本サービスによりフォークリフトの移動位置を計測し、計測結果を管理側ポータルに表示する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の情報処理装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理システムが適用される位置検出サービス(以下「本サービス」と呼ぶ)の一実施形態を示す図である。
【0010】
人が居住/活動する生活空間やフォークリフトが行き来する産業空間等においては、様々なメーター・電子部品・照明・コンセント等の電子機器が建物の壁の中や壁の裏側に既に配置されていることが一般的である。
これら電子機器の多くは、BLE(Bluetooth Low Energy)電波を発する「隠れビーコン発生源」(電波源)を備えており、このBLE電波を補正用ビーコンの電波の代替として利用すれば、補正用ビーコンの機器を新たに設置したり、メンテナンスするといった必要性がなくなる。なお、BLE、Bluetoothは、夫々登録商標である。
本サービスは、こうした既存の「隠れビーコン発生源」と自律航法とを融合させることにより、人やフォークリフト等の移動体の位置を計測し、当該計測した結果の情報をベースとして、人の労務費原価の明確化、人やフォークリフトの最適配置数を、管理側の操作者による簡単な操作でポータル画面上に表示、つまり見える化するものである。
【0011】
病院等の例において、本サービスは、例えば建物内の廊下や病室等の所定領域において看護師等のユーザが移動する際に当該ユーザの位置を検出するサービスを提供する。
具体的に説明すると、本サービスは、図1に示すように、建物内のA部屋乃至D部屋に予め設置されている電子機器、例えばコンセントCOや照明器具SYに予め備えられている電波源、例えば電波源BL1乃至BL4から発生しているBLEの電波を隠れビーコンとして、ユーザUが携帯するユーザ端末1が受信することで、ユーザ端末1が隠れビーコン検出技術(第1手法)を用いてユーザUの位置を検出し、検出した当該ユーザUの位置を所定ユーザ(例えば管理側の者等)に提供するものである。
隠れビーコン検出技術で用いられるBLEの電波は、所定頻度(1秒間に2回以上検出)、所定強度(X(dBm)以上)、及び到達距離が所定以下(5メートル以下)で発生される電波である。
【0012】
本サービスの場合、ユーザ端末1に備えられている9軸のセンサ等を用いてPDR(Pedestrian Dead Reckoning)計測(第2手法)によりユーザUの位置を計測し、当該PDR計測により計測されたユーザUの位置を、隠れビーコン検出技術(第1手法)を用いたユーザ端末1の位置の検出結果により補正する。
PDRは、歩行者自律航法であり、センサによるセンシングデータ(加速度、ジャイロ、磁気、気圧等の計測結果)に基づいて、初期位置からの相対移動を演算により計測する。PDRは、人の移動距離、滞在時間、滞在分布等を計測することが可能であるが移動距離が長くなるにつれて計測誤差が大きくなる。
【0013】
具体的な図1の例では、C部屋では、ビーコンの電波源BL3がユーザUの近傍にあるため、部屋という単位であればビーコンのみでユーザUの位置を検出することができる。
一方、ユーザUがC部屋からB部屋の入口付近へ移動(図1の矢印参照)した場合は、ビーコンのみの検出だけでは精度が低下する。
そこで、本サービスは、PDR計測とビーコンによる位置計測とを共用して位置を計測する。具体的には、ユーザUがC部屋からB部屋の入口付近に移動する場合、ユーザUの移動をPDR計測により計測し、ビーコンを用いたユーザ端末1の位置の検出結果を用いて、PDR計測により計測されたユーザUの位置を補正する。
なお、ビーコンは、既存の電子機器に備えられているBLE電波の電波源のうち本サービスで使用可能なものを例えば電波強度と電波発生頻度で選別して利用することで、省力かつ高精度にユーザの位置を検出することができる。
【0014】
以上まとめると、本サービスによれば、既存の隠れビーコンを補正用に使いつつ、慣性航法技術である自律航法を使った測位計測手法に立脚しているため、本サービスを実施するにあたり、屋内環境に設置/配備/メンテンナンスするものがほとんどないため、サービス提供のためのインフラ投資、及び、導入後の維持経費等のランニングコストを極めて低く抑えることができる。
この結果、GPS等の衛星通信技術を用いることができない病院等の屋内におけるユーザUの移動に伴う位置検出サービスを、低コストにかつ高精度に提供することができる。
また、製造工場・物流倉庫といった労働集約的産業においては、作業員の労務費原価の明確化・作業員/フォークリフトの最適配置数の決定が容易になり、製造及び運搬コストの削減に繋げることができる。
即ち、非GPS環境において、補正用ビーコンのメンテナンス作業等の間接的なコストが発生することなく、自律航法による移動体の位置検出サービスを提供することができる。
【0015】
続いて、図2を参照して、上記図1の本サービスに適用する情報処理システムについて説明する。
図2は、上記図1の本サービスに適用する情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
本サービスに適用する情報処理システムは、例えば、図2に示すように、ユーザ端末1-1乃至1-n(nは任意の整数値)と、サーバ2とが、インターネット等のネットワークNWに夫々接続されることで構成される。
【0016】
サーバ2は、本サービスのサービス提供者により管理される情報処理装置であり、ユーザ端末1-1乃至1-nからの要求に応じて、位置の検出に用いる発生源を、位置検出用発生源として1以上選別する。
【0017】
ユーザ端末2は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォン等の情報処理装置である。
【0018】
なお、以下、n人のユーザの夫々を個々に区別する必要がない場合、ユーザ端末1-1乃至1-nをまとめて「ユーザ端末1」と呼ぶ。
【0019】
つまり、ユーザ端末1は、サーバ2と協働しながら、位置検出処理として、例えば次のような一連の処理を実行することができる。
ここで、「協働」の手法は、特に限定されない。例えばユーザ端末1は、サーバ2と適宜通信をしながら主要な処理(検出用隠れビーコン選別処理等)をサーバ2に実行してもらう第1手法を、「協働」の手法として採用することができる。また例えば、ユーザ端末1は、サーバ2又はその管理下の図示せぬ装置から専用のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」と呼ぶ)を予めダウンロード及びインストールして、アプリで実行する第2手法を、「協働」の手法として採用することができる。或いはまた第1手法と第2手法とを適宜組み合わせた手法を、「協働」の手法として採用することもできる。
但し、以下の例では、説明の便宜上、第1手法が「協働」の手法として採用されているものとして説明する。即ち、以下の例で、処理の動作主体が「ユーザ端末1」となっている個所は例示に過ぎず、実装時には適宜「サーバ2」としてよいことは言うまでもない。
【0020】
図3は、図2に示す情報処理システムのうちユーザ端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図3に示すように、ユーザ端末1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、センサ部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備えている。
【0022】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、センサ部19、通信部20及びドライブ21が接続されている。
【0024】
出力部16は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
センサ部19は、例えば自律航法での位置計測に用いられる9軸のセンサであり、例えば加速度、ジャイロ(方向)、磁気、気圧等を計測し、計測結果として夫々の計測データをセンシングデータとして出力する。
このセンサ部19の計測により得られた加速度を時間について積分的演算を実施することにより、ユーザ端末1を含む人等の移動体の相対的位置を求めることができる。
通信部20は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置(例えば図2のサーバ2等)との間で通信を行う。
【0025】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0026】
なお、図示はしないが、図2のサーバ2についても、ユーザ端末1のセンサ部19がサーバ2には備えられていない点と、出力部16が表示部66(図4参照)となる点を除き、図3に示すユーザ端末1のハードウェア構成と基本的に同様の構成(CPU61、通信部69等)を有する。従って、サーバ2のハードウェア構成の説明については省略する。
【0027】
このような図3のユーザ端末1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、移動体の位置検出のための一連の処理の実行が可能になる。
以下、このような処理を実行するためのユーザ端末1の機能的構成の一例について説明する。
【0028】
図4は、図3のユーザ端末の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、ユーザ端末1の記憶部18には、検出用隠れビーコンデータベース81(以下「検出用隠れビーコンDB81」と呼ぶ)が記憶されている。
【0029】
検出用隠れビーコンDB81には、隠れビーコン取得部41により取得された検出用隠れビーコンのデータ(電波源を識別するために検出毎に識別子を発行し、当該識別子に電波源の検出位置と、その時の電波強度と、電波発生頻度と、を対応させたデータ)が登録される。
【0030】
図4に示すように、ユーザ端末1のCPU11においては、位置検出処理が実行される際に、隠れビーコン取得部41と、検出用隠れビーコン登録部42と、位置検出部43と、が機能する。
【0031】
隠れビーコン取得部41は、電波を受信可能なユーザ端末1を所定領域内(例えば病院内)で移動させ、ユーザ端末1が電波を受信する毎に、当該電波の発生源(電波源)としての例えばコンセントCOや照明器具SY等の電子機器の配置位置を取得する。
また、隠れビーコン取得部41は、電波源から発生される電波の強度及び頻度をさらに取得する。
【0032】
検出用隠れビーコン登録部42は、サーバ2の検出用隠れビーコン選別部71により選別された1以上の位置検出用発生源を登録する。
具体的には、検出用隠れビーコン登録部42は、サーバ2の検出用隠れビーコン選別部71により選別された1以上の位置検出用発生源を検出用隠れビーコンDB81に登録する。
より具体的には、検出用隠れビーコン登録部42は、事前にユーザUが病院内を歩行する等して隠れビーコン取得部41により取得された検出用隠れビーコン発生源の中から、サーバ2の検出用隠れビーコン選別部71により選別された1以上の位置検出用発生源を検出用隠れビーコンDB81に登録する。
例えば図8の例では、テスト歩行によりBLE電波が取得された電波源BL1乃至BL6のうち、電波強度及び電波発生頻度が一定の閾値以上の電波源BL1乃至BL3が選別された位置検出用発生源として検出用隠れビーコンDB81に登録される。
なお、図8の例では、ビーコンの発生源を電波源BL1乃至BL6等として説明したが、図1の例では、電波源BL1は照明器具SYと同じ位置に存在し、電波源BL2はコンセントCOと同じ位置に存在するため、検出用隠れビーコン発生源と電波源は同じものと言える。
位置検出用発生源として検出用隠れビーコンDB81に登録される情報は、BLE電波に含まれる電波源BL1乃至BL3のMACアドレスと、検出された位置の情報と、が対応した情報である。
【0033】
位置検出部43は、所定領域(病院等)内の所定位置(病院内の廊下や病室等)に予め設置されているコンセントCOや照明器具SY等の電子機器から繰り返し発信されるBLEの電波を、例えば看護師等のユーザUが携帯(ユーザUに付属)するユーザ端末1が受信することで、ビーコン検出技術を用いて、ユーザUの位置を検出(特定)する。なお、ビーコン検出技術は、ユーザ端末1の位置を検出する第1手法である。
【0034】
位置検出部43は、PDR演算部51と、隠れビーコン補正部52と、を備える。
【0035】
PDR演算部51は、端末本体(ユーザ端末1)の変位を検出するセンサ部19(図3参照)を用いた自律航法(第2手法)によりユーザUの位置を検出する。
【0036】
隠れビーコン補正部52は、ビーコン検出技術(第1手法)を用いたユーザ端末1の位置の検出結果を用いて、PDR演算部51により検出されたユーザUの位置を補正する。
具体的には、隠れビーコン補正部52は、ユーザUがある位置から移動する中で、PDR演算部51によりユーザUの位置の検出結果は、誤差が徐々に蓄積されて大きくなるため、この誤差を、隠れビーコン補正部52が隠れビーコンを検出することで補正する。
【0037】
サーバ2は、検出用隠れビーコン選別部71と、表示制御部72とを備える。
検出用隠れビーコン選別部71は、隠れビーコン取得部41により配置位置が取得された1以上のビーコン発生源(例えば図1のコンセントCOや照明器具SYに備えられている電波源BL1乃至BL4)のうち、位置検出部43による隠れビーコン検出技術での位置の検出に用いることが可能な電波源を、位置検出用発生源として1以上選別する。
具体的には、検出用隠れビーコン選別部71は、テスト歩行時に、隠れビーコン取得部41によりビーコン発生源から発生される電波の強度及び頻度が取得されると、当該電波の強度及び頻度に基づいて、1以上の位置検出用発生源として、例えば図8では電波強度が一定以上(XdBm以上)で電波発生頻度が一定以上(1秒間に2回以上ビーコン発生が繰り返し検出される)の電波源、例えば電波源BL1乃至BL3等を選別する。
【0038】
表示制御部72は、隠れビーコン補正部52から受信されたユーザUの位置を表示部66へ表示する制御処理を実行する。
この他、表示制御部72は、ユーザUの位置を時間帯毎に集計して得られる情報に基づいて求められる人員の適正な配置リストや人員の再配置を促すレコメンド情報等を表示するためのグラフィック・ユーザ・インターフェース(GUI)を表示する。
【0039】
このように、ユーザ端末1の機能的構成によれば、ユーザUが建物内のある位置から他の場所へ移動する際に、PDR演算部51によりユーザUの位置の検出で生じる誤差を、隠れビーコン補正部52が、建物に既設の隠れビーコン発生源から発生する隠れビーコンを検出することで補正するので、屋内環境下においても、ユーザ端末1の位置を高精度に検出することができる。
また、ユーザ端末1及びサーバ2の機能的構成によれば、ユーザ端末1により検出された検出用隠れビーコン発生源の中から、サーバ2の検出用隠れビーコン選別部71が、位置検出に適する隠れビーコン発生源を選別するので、ユーザ端末1の移動位置を安定して計測することができる。
【0040】
次に、図5を参照して、本サービスをユーザが利用する利用シーンについて説明する。
図5は、ユーザのトラッキングに伴う各情報処理装置(サーバ、ユーザ端末)の動作を示す図である。なお、以下の説明では、検出用隠れビーコン発生源を「隠れBL」と称す。
【0041】
本サービスをユーザが利用する際には、ユーザ端末1の画面からアプリを起動操作することで、アプリがサーバ2と通信を開始し、ステップS21において、サーバ2は、ユーザ端末1からの計測データの受信を開始する。
【0042】
ステップSU1において、ユーザUは、ユーザ端末1を携帯して、ステップSU2において、建物内の通路を歩行する。
ユーザUの歩行に伴いユーザ端末1は、位置の計測を開始し、ステップS11において、隠れBLの電波を受信し、受信した隠れBL毎に電波強度、電波発生頻度、位置等の計測データを取得すると共に、PDR演算を実行することでユーザUが移動した軌跡(移動位置の推移)を求める。そして、ユーザ端末1は、当該計測データと軌跡とをサーバ2へ送信する。
【0043】
サーバ2は、ユーザ端末1から送信されてきた計測データと軌跡を受信し、ステップS22において、受信された当該計測データと軌跡に基づいて、測位に使える隠れBLを選別し、選別した結果(隠れBL)をユーザ端末1へ送信する。
【0044】
ユーザ端末1は、サーバ2から送信されてきた選別結果(隠れBLを含む)を受信し、選別結果に含まれる隠れBLを位置検出用発生源として、検出用隠れビーコンDB81に登録、つまりステップS13において、検出用隠れビーコンDB81の検出用隠れビーコンの登録内容に、選別された隠れBLを反映する。
【0045】
位置検出用発生源を検出用隠れビーコンDB81に登録した後、ユーザUがその位置からさらに歩行を継続すると、ユーザ端末1は、ステップS13において、PDR演算部51によりユーザUの位置を検出し、その位置検出の結果を、検出用隠れビーコンDB81に登録されている隠れBLの隠れビーコンを検出することで補正する。
【0046】
そして、サーバ2は、ステップS23において、位置を補正した結果(ユーザUの位置)を用いて現在位置、移動軌跡、滞留状況のうち少なくとも1つを可視化(例えば図8参照)する。
これにより、ユーザUの行動状況を、管理側ポータル(図8参照)で把握することができる。
【0047】
続いて、図6乃至図8を参照して、検出用隠れビーコン発生源の検出から選別及び登録の処理について説明する。
図6は、既存設置の電子機器からのBLE電波を、補正用ビーコンの代替とすべく、BLE電波の電波源の位置を計測(逆PDR計測)する様子を示す図である。
図7は、屋内をユーザが歩行した軌跡から電波源の位置を特定する様子を示す図である。
図8は、電波源を選別するための電波強度と電波発生頻度との関係を示す図である。
【0048】
例えば図6の例において、ユーザUがユーザ端末2を携帯して建屋内の経路R1乃至R3の夫々を歩行して検出用隠れビーコン発生源の存在を検出する。
例えば経路R1上では電波源BL2、BL3、BL4が検出用隠れビーコン発生源として検出される。また経路R2上では電波源BL1、BL2、BL3が検出用隠れビーコン発生源として検出される。さらに経路R3上では電波源BL2が検出用隠れビーコン発生源として検出される。なお、図7の例のように、ユーザは、屋内の廊下等を何度か行き来する中で、電波強度の高いエリアが集中する場所Aを電波源の存在位置としてもよい。
【0049】
そして、ユーザ端末2は、これら検出用隠れビーコン発生源の情報を含む選別要求をサーバ2へ送信する。
サーバ2では、ユーザ端末1からの選別要求を受信すると、検出用隠れビーコン選別部71が、選別要求に含まれる検出用隠れビーコン発生源の情報の中から、自律航法(第1手法)での位置の検出に用いる隠れビーコン発生源を、位置検出用発生源として1以上選別し、ユーザ端末1に返信する。
【0050】
ここで、検出用隠れビーコン選別部71は、図8に示すように、電波強度と電波発生頻度との関係に基づいて、隠れビーコン発生源を選別する。
図8に示す例では、隠れビーコン発生源のうち、電波強度が予め設定されている所定閾値(X(dBm))よりも強く(高く)、電波発生頻度が所定の回数以上検出される(例えばビーコンが1秒間に2回以上検出される)ものが位置検出用発生源として選別される。
【0051】
即ち、ユーザU(歩行速度がほぼ1m/秒程度の歩行者)が携帯するユーザ端末2(スマートフォン等)が、近くに来たときに相互に通信(折りキャッチ)できる電波を発生させているビーコンが、PDR計測結果を補正可能な『使えるビーコン』とされる。
ユーザ端末1では、選別要求に対して返信されてきた位置検出用発生源の情報を検出用隠れビーコン登録部42が受信すると、検出用隠れビーコン登録部42は、その受信された位置検出用発生源の情報を、検出用隠れビーコンとして、検出用隠れビーコンDB81に登録する。
【0052】
このようにこの実施形態の情報処理システムによれば、病院等において看護師等のユーザUが廊下や病室を移動する中で、位置検出部43は、廊下や病室に予め設置されているコンセントCOや照明器具SY等(図1参照)から繰り返し発信されるBLEの電波を、ユーザUが携帯する(ユーザUに付属又は装着された)ユーザ端末1が受信し、隠れビーコン検出技術を用いて、C部屋(ある病室)のユーザUの位置を検出し、ユーザUがB部屋(他の病室)へ移動する際には、PDR計測(自律航法)により位置を計測しその計測結果を隠れビーコン検出技術により補正することで、B部屋(他の病室)へ移動するユーザUの位置を正確に検出(追跡)することができる。
この結果、非GPS環境において、位置補正専用のビーコン発生源等を設置したりメンテナンスするような間接的なコストが発生することなく低コストに、PDR計測(自律航法)によりユーザUの位置を検出するサービスを提供することができる。
【0053】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0054】
上述した実施形態では、実空間内の所定領域内を移動する移動体の例として、例えば病院の各病室を移動する看護師等を例にして説明したが、人以外であってもよく、例えば工場の建屋内外の区画を走行して移動するフォークリフト等であってもよく、実空間内の所定領域において移動する移動体であれば足りる。
上述した実施形態では、自律航法補正用に隠れビーコンを用いたが、ある一定の範囲(病室等の部屋程度)を検出するのであれば隠れビーコンだけで位置を計測してもよい。
上述した実施形態では、ユーザ端末1で計測された検出用隠れビーコン発生源の選別処理をサーバ2で行ったが、ユーザ端末1で全ての処理を実行してもよい。
【0055】
ここで、図9を参照して本サービスによりフォークリフトの移動位置を計測し、計測結果を管理側ポータルに表示する例について説明する。
図9は、本サービスによりフォークリフトの移動位置を計測し、計測結果を管理側ポータルに表示する例を示す図である。
図9の例では、工場の建屋内外を移動するフォークリフト又はフォークリフトの塔乗者に装着された9軸センサモジュールが、本サービスによりフォークリフトが移動する位置を測位し、当該測位した測位データ(計測結果)をサーバ2が吸い上げる。
サーバ2は、吸い上げた測位データ(計測結果)を加工して管理側ポータルに表示する。
管理側ポータルにおける具体的な表示例としては、例えば画面91のように地図上で複数のフォークリフトが夫々に移動する軌跡を同時かつリアルタイムに色分けして表示することで(リアルタイム表示)、作業の状況が管理側でリアルタイムに分かる。
また、画面92のようにフォークリフトが滞留している時間の長さを色付きのマークで表示し、例えば暖色のマークであるほど、その位置に長く留まっていたことが分かる(ヒートマップ表示)。
さらに、画面93のように複数のフォークリフトの夫々が移動したエリアを色分けして時刻毎に表示することで(タイムライン表示)、夫々のフォークリフト(塔乗者)がいつどのエリアにいたかを知ることができる。
【0056】
また、上述した実施形態では、電子機器として、例えばコンセントCOや照明器具SYを例示して説明したが、これ以外であってもよく、所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器であれば足りる。
さらに、既設の電子機器に予め備えられている隠れビーコン発生源として、例えばBLE電波の電波源BL1乃至BL6等を例示したが、電波源の数はいくつであってもよく、m個(mは1以上の整数)であればよい。また、例示以外の電波源であってもよく、所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から定期的に(繰り返し)無線標識としての電波を発生するものであれば足りる。
【0057】
本実施形態では、メインの位置検出手法の自律航法による位置検出の補正として、隠れビーコン検出技術を採用したが、特にこれに限定されない。即ち、自律航法以外のメインの位置検出手法を採用して、この位置検出の補正のために、隠れビーコン検出技術を採用することができる。
さらに、補正目的ではなく、メインの位置検出手法として隠れビーコン検出技術を採用することもできる。
【0058】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となるユーザ端末1の機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、サーバ2等に移譲させてもよい。逆にサーバ2の機能ブロック及びデータベースをユーザ端末1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0059】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0060】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0061】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0062】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば図4の情報処理システム等)は、
実空間内の所定領域(病院や工場等)において移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)が移動する場合における当該移動体の位置を検出する情報処理システムにおいて、
前記所定領域内の所定位置(例えば病院内のある病室や工場のある倉庫内の区画等)に予め設置されている電子機器(例えばコンセントCOや照明器具SY等)から発生している電波(例えばBLEの電波等)を、移動体に付属する端末(例えばユーザ端末1等)が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)を用いて、前記移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を検出する位置検出手段(例えば図4の位置検出部43等)、
を備える。
このように、所定領域内の所定位置(例えば病院内ある部屋や倉庫内のある区画等)に予め設置されている電子機器(例えばコンセントCOや照明器具SY等)から繰り返し発信している電波(例えばBLEの電波等)を、移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)に付属する端末(例えばユーザ端末1等)が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)を用いて、移動体(例えば人やフォークリフト等)の位置を検出するので、GPS等の衛星通信技術を用いることができない屋内環境においても移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を検出(特定)することができる。
また、予め設置されている既存の電子機器(例えば図1のコンセントCOや照明器具SY等)に備えられている隠れビーコン発生源(既存の電波発声源)の電波を利用することで、受信側だけでシステムを構築できるので、システムを安価に構成することができる。
また、移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の移動状況が把握できれば、労務費原価を明確化できると共に、どの場所に人員やフォークリフトを配置するか等といった最適配置数を決定することができる。
【0063】
上記情報処理システム(例えば図4の情報処理システム等)は、
端末の変位を検出する9軸センサ(例えば図3のセンサ部19等)を用いて前記端末(例えばユーザ端末1等)の位置を検出する第2手法(例えばPDR計測等の自律航法)を用いて、前記移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を検出する第1位置検出手段(例えば図4のPDR演算部51等)と、
前記第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)を用いた前記端末(例えばユーザ端末1等)の位置の検出結果を用いて、前記第1検出手段(例えば図4のPDR演算部51等)により検出された前記移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を補正する補正手段(例えば図4の隠れビーコン補正部52等)と、
を備える。
このように、第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)を用いた端末(例えばユーザ端末1等)の位置の検出結果を用いて、第1検出手段(例えばPDR演算部51等)により検出された移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を補正することにより、屋根がある屋内環境においても移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の移動位置を高精度に検出することができる。
【0064】
上記情報処理システム(例えば図4の情報処理システム等)は、
前記電波を受信可能な端末(例えばユーザ端末1等)を前記所定領域内で移動させ、当該端末が前記電波を受信する毎に、当該電波の発生源としての前記電子機器(例えばコンセントCOや照明器具SY等)の配置位置を取得する発生源取得手段(例えば図4の隠れビーコン取得部41等)と、
前記配置位置が取得された1以上の前記発生源(例えば図1のコンセントCOや照明器具SY等に備えられている電波源(電波源BL1乃至BL4等))のうち、前記位置検出手段(例えば位置検出部43等)による前記第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)での前記位置の検出に用いる(ことが可能な)発生源を、位置検出用発生源として1以上選別する発生源選別手段(例えば図4の検出用隠れビーコン選別部71等)と、
選別された1以上の前記位置検出用発生源を登録する発生源登録手段(例えば図4の検出用隠れビーコン登録部42等)と、
を備える。
これにより、実際に利用することができる電波の発生源だけを利用して移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を検出するので、リトライ動作等を繰り返すことなく移動体の位置を安定して高速に計測することができる。
【0065】
前記発生源取得手段(例えば図4の隠れビーコン取得部41等)は、前記配置位置を取得する前記発生源から発生される前記電波の強度及び頻度をさらに取得し、
前記発生源選別手段(例えば図4の検出用隠れビーコン選別部71等)は、前記電波の前記強度及び前記頻度に基づいて、前記1以上の位置検出用発生源を選別する。
このように電波の強度及び頻度を取得し、当該電波の強度及び頻度に基づいて、1以上の位置検出用発生源を選別するので、電波の強度が強く、高頻度で発生している電波を掴んで、移動体(例えばユーザUやフォークリフト等)の位置を計測することができる。
【0066】
前記第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)で用いられる前記電波は、所定頻度(1秒間に2回以上検出)、所定強度(X(dBm)以上)、及び到達距離が所定以下(5メートル以下)で発生される電波である。
【0067】
前記第1手法(例えば隠れビーコン検出技術等)で用いられる前記電波は、Bluetooth Low Energyの電波である。
これにより、省電力下でシステムを運用することができる。
【0068】
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出する情報処理システムが実行する情報処理方法において、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体に付属する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出ステップ、
を含むことができる。
【0069】
プログラムは、
実空間内の所定領域において移動体が移動する場合における当該移動体の位置を検出するコンピュータに、
前記所定領域内の所定位置に予め設置されている電子機器から発生している電波を、移動体に付属する端末が受信することで、当該端末の位置を検出する第1手法を用いて、前記移動体の位置を検出する位置検出ステップ、
を含む制御処理を実行させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1、1-a乃至1-n・・・ユーザ端末、2・・・サーバ、11、61・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・センサ部、20、69・・・通信部、41・・・隠れビーコン取得部、42・・・検出用隠れビーコン登録部、43・・・位置検出部、51・・・PDR演算部、52・・・隠れビーコン補正部、71・・・検出用隠れビーコン選別部、72・・・表示制御部、66・・・表示部、81・・・検出用隠れビーコンDB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9