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特開2024-39776移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039776
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144380
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敦
(72)【発明者】
【氏名】藤村 晃太郎
(72)【発明者】
【氏名】安井 裕司
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA28
5H181BB04
5H181BB13
5H181BB20
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】より迅速にリスクに基づく目標軌道を生成することができる移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】移動体の周辺に存在する物体を認識する認識部と、前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定するリスク設定部と、前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成する目標軌道生成部と、を備え、前記目標軌道生成部は、前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定すると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索する、移動体制御装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の周辺に存在する物体を認識する認識部と、
前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定するリスク設定部と、
前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成する目標軌道生成部と、を備え、
前記目標軌道生成部は、前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定すると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索する、
移動体制御装置。
【請求項2】
前記目標軌道生成部は、前記観測点グループに含まれる第1観測点および第2観測点のうち、前記移動体からみて左右方向に隣接する観測点の間の前記リスクの差分を計算し、前記リスクの差分に基づいてリスク勾配を計算し、前記リスク勾配に基づいて前記リスクが小さくなる方向に前記目標軌道の通過点を修正する、
請求項1記載の移動体制御装置。
【請求項3】
前記目標軌道生成部は、前記リスクの差分の加重和を計算することで前記リスク勾配を計算する、
請求項2記載の移動体制御装置。
【請求項4】
前記目標軌道生成部は、前記リスクの差分について左右対称の重みを適用した加重和を計算することで前記リスク勾配を計算する、
請求項3記載の移動体制御装置。
【請求項5】
前記目標軌道生成部は、1回の制御サイクルにおいて、まずベースパスを設定し、前記ベースパス上に前記複数の第1観測点を間隔をもって設定し、前記リスク勾配に基づいて前記リスクが小さくなる方向に前記ベースパスを修正することで、前記目標軌道を生成する、
請求項2記載の移動体制御装置。
【請求項6】
移動体制御装置が、
移動体の周辺に存在する物体を認識し、
前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定し、
前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成し、
前記目標軌道を生成する際に、
前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定すると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、
互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索する、
移動体制御方法。
【請求項7】
移動体制御装置に、
移動体の周辺に存在する物体を認識することと、
前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定することと、
前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成することと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記目標軌道を生成する際に、
前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定させると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定させ、
互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体、例えば車両を自動的に(Autometedly)走行させること(以下、自動運転)について研究および実用化が進められている。自動運転において、進行方向の状況に応じて目標軌道を自動的に生成することが求められる。
【0003】
これに関連し、道路領域を分割した複数の分割領域に対して、前記道路領域に基づいて第1のポテンシャルを設定する第1の設定部と、前記検出部により検出された周辺物体に基づいて、前記分割領域に対して第2のポテンシャルを設定する第2の設定部と、前記複数の分割領域のうち着目する着目分割領域に設定された前記第1のポテンシャルおよび第2のポテンシャルと、前記着目分割領域の周辺から選択される周辺分割領域に対して生成された予見情報とに基づいて、前記着目分割領域のポテンシャルを評価した指標値を導出する評価部と、前記評価部により導出された指標値に基づいて、前記複数の分割領域から前記車両の進行方向に沿った一以上の分割領域を選択する選択部と、を備える車両制御装置の発明が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
目標軌道は、例えば、移動体が進入すべきでない度合いを示す指標値(特許文献1におけるポテンシャル、以下ではリスクと称する)を走路面に対して設定しておき、リスクが小さい地点を通過するように生成される。
【0005】
ところで、リスクが小さい地点を網羅的に探索すると処理負荷が高くなってしまうため、正弦波を用いた探索手法が検討されている。図1は、探索手法の一例について説明するための図である。この探索手法では、基準となる基準観測点pR(例えば走路中心に沿って設定される)に対して摂動信号と称される正弦波を乗算することで左右に位置をずらした可動観測点pMを設定し、複数の可動観測点pMにおけるリスクの移動平均を求めることで、リスク勾配(左右どちらに通過点をずらせばリスクが小さくなるのかを示す値)を求めるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-34627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の探索手法では、1回の制御サイクルにつき一つの可動観測点pM上のリスクを抽出し、制御サイクルごとに繰り返し計算を行う処理の流れが想定されているが、自動運転を制御する制御コンピュータの処理負荷が過大になっている現状では、制御サイクルを十分に早くすることが困難なため、移動体が移動するのに間に合うように目標軌道を生成するのが困難な場合があった。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、より迅速にリスクに基づく目標軌道を生成することができる移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る移動体制御装置は、移動体の周辺に存在する物体を認識する認識部と、前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定するリスク設定部と、前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成する目標軌道生成部と、を備え、前記目標軌道生成部は、前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定すると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索するものである。
【0010】
(2):上記(1)の態様において、前記目標軌道生成部は、前記観測点グループに含まれる第1観測点および第2観測点のうち、前記移動体からみて左右方向に隣接する観測点の間の前記リスクの差分を計算し、前記リスクの差分に基づいてリスク勾配を計算し、前記リスク勾配に基づいて前記リスクが小さくなる方向に前記目標軌道の通過点を修正するものである。
【0011】
(3):上記(2)の態様において、前記目標軌道生成部は、前記リスクの差分の加重和を計算することで前記リスク勾配を計算するものである。
【0012】
(4):上記(3)の態様において、前記目標軌道生成部は、前記リスクの差分について左右対称の重みを適用した加重和を計算することで前記リスク勾配を計算するものである。
【0013】
(5):上記(2)の態様において、前記目標軌道生成部は、1回の制御サイクルにおいて、まずベースパスを設定し、前記ベースパス上に前記複数の第1観測点を間隔をもって設定し、前記リスク勾配に基づいて前記リスクが小さくなる方向に前記ベースパスを修正することで、前記目標軌道を生成するものである。
【0014】
(6):本発明の他の態様に係る移動体制御方法は、移動体制御装置が、移動体の周辺に存在する物体を認識し、前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定し、前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成し、前記目標軌道を生成する際に、前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定すると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索するものである。
【0015】
(7):本発明の他の態様に係るプログラムは、移動体制御装置に、移動体の周辺に存在する物体を認識することと、前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定することと、前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成することと、を実行させるためのプログラムであって、前記目標軌道を生成する際に、前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定させると共に、前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定させ、互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索させるものである。
【発明の効果】
【0016】
上記(1)~(7)の態様によれば、より迅速にリスクに基づく目標軌道を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】探索手法の一例について説明するための図である。
図2】実施形態に係る移動体制御装置を利用した車両システム1の構成図である。
図3】第1制御部120および第2制御部160の機能構成図である。
図4】リスク設定部140が設定するリスクについて説明するための図である。
図5図4における5-5線におけるリスクの値を示している。
図6】目標軌道生成部150による処理の流れの一例を示す図である。
図7】ステップS1~S3の処理について説明するための図である。
図8】リスク勾配ΔRを計算する処理について説明するための図である。
図9】パス修正部158の処理について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の移動体制御装置、移動体制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下の説明において、移動体の代表例として車両を挙げるが、移動体は車両に限らず、マイクロモビリティやロボット(車輪を有するもの、多足歩行するものなどを含む)など、自律移動するあらゆる移動体に適用可能である。また、移動体制御装置の一例として、自動運転制御装置と称して説明する。
【0019】
[全体構成]
図2は、実施形態に係る移動体制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0020】
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、LIDAR(Light Detection and Ranging)14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、ドライバモニタカメラ70と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0021】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両M)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0022】
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0023】
LIDAR14は、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDAR14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。LIDAR14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
【0024】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
【0025】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi-Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
【0026】
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
【0027】
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0028】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
【0029】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
【0030】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報の情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0031】
ドライバモニタカメラ70は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。ドライバモニタカメラ70は、自車両Mの運転席に着座した乗員(以下、運転者)の頭部を正面から(顔面を撮像する向きで)撮像可能な位置および向きで、自車両Mにおける任意の箇所に取り付けられる。例えば、ドライバモニタカメラ70は、自車両Mのインストルメントパネルの中央部に設けられたディスプレイ装置の上部に取り付けられる。
【0032】
運転操作子80は、例えば、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
【0033】
自動運転制御装置100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部160とを備える。第1制御部120と第2制御部160およびその内部構成は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0034】
図3は、第1制御部120および第2制御部160の機能構成図である。第1制御部120は、例えば、認識部130と、リスク設定部140と、目標軌道生成部150とを備える。第1制御部120は、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能と、予め与えられたモデルによる機能とを並行して実現する。例えば、「交差点を認識する」機能は、ディープラーニング等による交差点の認識と、予め与えられた条件(パターンマッチング可能な信号、道路標示などがある)に基づく認識とが並行して実行され、双方に対してスコア付けして総合的に評価することで実現されてよい。これによって、自動運転の信頼性が担保される。
【0035】
認識部130は、カメラ10、レーダ装置12、およびLIDAR14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。物体とは、他車両や歩行者、自転車などの交通参加者、後述する走行車線を区画する走路境界などを含む。
【0036】
また、認識部130は、例えば、自車両Mが走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部130は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、道路区画線および走行車線を認識する。なお、認識部130は、道路区画線に限らず、路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識する。
【0037】
認識部130は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角度を、走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
【0038】
リスク設定部140は、認識部130により認識された物体に近いほど否定的な値になる指標値であるリスクR()を、自車両Mの進行方向側の走路平面上に設定する。リスクR()は、自車両Mが進入を避けるべき度合いを表す指標値である。走路平面とは、仮想的に上空から見た平面であり、地図と同様のものである。図4は、リスク設定部140が設定するリスクについて説明するための図である。図中、R(O)は障害物(例えば駐車車両)OBに対応するリスクである。リスクR(O)は、障害物OBに近い程大きくなり(例えば、障害物OBの中心に近い程大きくなり)、障害物OBから離れるのに連れて小さくなり、ゼロに到達する。図中、R(B)は走路境界に対応するリスクである。リスクR(B)は、例えば、自車両Mが居る車線L1の中心線CLに近い程小さくなり、左側の走路境界に近づく程大きくなり、右側の走路境界に近づく程大きくなる。但し、図示する場面では車線L2に車線変更可能であるため、右側の走路境界におけるリスクR(B)の値は左側の走路境界におけるリスクR(B)の値よりも小さく設定されてもよい。
【0039】
図5は、図4における5-5線におけるリスクの値を示している。リスク設定部140は、このようにリスクR(O)、R(B)を計算し、各地点についてリスクR(O)とリスクR(B)を加算して合成リスクとする。以下、この合成リスクを単にリスクRと称する。
【0040】
なお、リスクRの分布を示すリスクマップは、例えば0.1秒後、0.2秒後、…というように将来の各時点に対応したものとして時系列に作成される。障害物OBの中には、車両、自転車、歩行者といった交通参加者が含まれ、交通参加者に関しては、時点によって位置が変わるものであるため、既知の技術によって将来の位置がリスク設定部140により予測され、将来の各時点に対応するリスクが計算される。後にリスクRの値参照される場合、何秒後の軌道点に対応するリスクRを取得するかに応じて、リスクマップが選択される。これについては本発明の中核部分では無いため詳細な説明を省略する。
【0041】
目標軌道生成部150は、自車両Mが自動的に(運転者の操作に依らずに)将来走行する目標軌道を、リスクRが小さい地点を通るように生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
【0042】
目標軌道生成部150は、例えば、ベースパス設定部152と、観測点設定部154と、リスク勾配計算部156と、パス修正部158とを備える。図6は、目標軌道生成部150による処理の流れの一例を示す図である。目標軌道生成部150は、図示する処理を繰り返し実行する。リスクを計算する処理は、図5に示す処理と並行して、同期してあるいは非同期にリスク設定部140により実行されており、最新のリスクの値がメモリに保存されて逐次更新されているものとする。
【0043】
まず、ベースパス設定部152が、ベースパスを設定する(ステップS1)。図7は、ステップS1~S3の処理について説明するための図である。ベースパス設定部152は、例えば、自車両の進行方向側に延在する、自車両Mが居る走路(例えば車線)の中心線CLをベースパスBPに設定する。これに代えて、ベースパス設定部152は、前回このフローチャートに係る処理で決定した目標軌道をベースパスBPに設定してもよい。なお目標軌道は軌道点の集まりであるが、ここではそれに対する説明を省略し、目標軌道が軌道点を適宜に繋いだ線であるものとする。設定されたベースパスBPは、以降の処理における初回の基準パスRPとして扱われる。基準パスRPは、暫定的な目標軌道である。
【0044】
次に、観測点設定部154が、自車両Mの基準パスRP上に間隔をもって第1観測点p1を設定し(ステップS2)、それぞれの第1観測点p1の自車両から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点p2を設定する(ステップS3)。図示する例では、左右それぞれに2つの第2観測点p2が設定されている。図中、白丸が第1観測点p1を、黒丸が第2観測点p2をそれぞれ表している。第2観測点p2を左側から順に、p2-1、p2-2、p2-3、p2-4と定義する。以下、自車両Mからの距離が略同じである互いに対応する第1観測点p1と第2観測点p2の組を、観測点グループpGと称する。第1観測点p1は、例えば、自車両Mからみて等間隔に設定されるが、自車両Mからの距離に応じて間隔が可変になるように設定されてもよい。また、基準パスRPが曲線状になっている場合、第2観測点p2は、第1観測点p1に対して、自車両Mの進行方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に設定されてもよいし、基準パスRPの第1観測点p1における法線方向に設定されてもよい。
【0045】
次に、リスク勾配計算部156が、各観測点(第1観測点p1および第2観測点p2のそれぞれ)のリスクの値を読み込む(ステップS4)。リスク勾配計算部156は、観測点グループpGにおけるリスクの値に基づいて、当該観測点グループpGにおけるリスク勾配ΔRを計算する(ステップS5)。
【0046】
図8は、リスク勾配ΔRを計算する処理について説明するための図である。リスク勾配計算部156は、例えば、観測点グループpGに含まれる第1観測点p1および第2観測点p2のうち、自車両Mからみて左右方向に隣接する観測点(図示する例では第2観測点p2-1と第2観測点p2-2、第2観測点p2-2と第1観測点p1、第1観測点p1と第2観測点p2-3、第2観測点p2-3と第2観測点p2-4)の間のリスクRの差分(順にA、B、C、Dとする)を計算し、リスクRの差分に基づいてリスク勾配ΔRを計算する。リスク勾配計算部156は、例えば、各リスクの差分について左右対称の重みを適用した加重和を計算することで、リスク勾配ΔRを計算する。勾配ΔRは、例えば式(1)により計算される。式(1)における実数はあくまで一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り任意に変更可能である。リスクRの差分A、B、C、Dのそれぞれは、式(2)~(5)で表される。Rp2-1は第2観測点p2-1のリスクの値、Rp2-2は第2観測点p2-2のリスクの値、Rp2-3は第2観測点p2-3のリスクの値、Rp2-4は第2観測点p2-4のリスクの値、Rp1は第1観測点p1のリスクの値である。
【0047】
ΔR=(-0.3)×A+(-0.7)×B+0.7×C+0.3×D …(1)
A=Rp2-1-Rp2-2 …(2)
B=Rp2-2-Rp1 …(3)
C=Rp2-3-Rp1 …(4)
D=Rp2-4-Rp2-3 …(5)
【0048】
パス修正部158は、リスク勾配ΔRに基づいて基準パスRPを修正する(ステップS6)。図9は、パス修正部158の処理について説明するための図である。パス修正部158は、リスク勾配ΔRがマイナスの値である場合、当該リスク勾配ΔRに対応する観測点グループに含まれる第1観測点p1を、リスクが小さくなる方向すなわち右側に動かし、リスク勾配ΔRがプラスの値である場合、当該リスク勾配ΔRに対応する観測点グループに含まれる第1観測点p1を、リスクが小さくなる方向すなわち左側に動かす。パス修正部158は、例えば、移動量が所定の上限値を超えない範囲で、リスク勾配ΔRの絶対値が大きい程、第1観測点p1の移動量を大きくしてもよい。また、パス修正部158は、リスク勾配ΔRの絶対値がゼロ近傍の閾値未満である場合、第1観測点p1を移動させない。これによって、最終的には目標軌道の通過点(最終的な第1観測点p1)が修正される。このように移動させられた、或いは移動せずそのまま維持された第1観測点p1を連ねた線が、修正された基準パスとなる。
【0049】
次に、目標軌道生成部150は、収束条件が満たされたか否かを判定する(ステップS7)。収束条件は、例えば、ステップS6で移動させられずに維持された第1観測点p1の割合が基準値(例えば80~90%程度)以上であるといった条件である。収束条件が満たされなかった場合、ステップS2に処理が戻される。この場合、ステップS6で修正された基準パスRPが、ステップS2で処理対象となる。収束条件が満たされた場合、目標軌道生成部150は、ステップS6で修正された基準パスを目標軌道として第2制御部160に出力する(ステップS8)。
【0050】
第2制御部160は、目標軌道生成部150によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。つまり、第2制御部160は、目標軌道に沿って自車両Mを移動させる。
【0051】
図2に戻り、第2制御部160は、例えば、取得部162と、速度制御部164と、操舵制御部166とを備える。取得部162は、目標軌道生成部150により生成された目標軌道(軌道点)の情報を取得し、メモリ(不図示)に記憶させる。速度制御部164は、メモリに記憶された目標軌道に付随する速度要素に基づいて、走行駆動力出力装置200またはブレーキ装置210を制御する。操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道の曲がり具合に応じて、ステアリング装置220を制御する。速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、自車両Mの前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
【0052】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0053】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、第2制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0054】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0055】
以上説明した実施形態によれば、移動体(自車両M)の周辺に存在する物体を認識する認識部130と、物体の位置に基づいて、移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定するリスク設定部140と、移動体が走行すべき目標軌道を、リスクが小さい地点を通るように生成する目標軌道生成部150と、を備え、目標軌道生成部150は、移動体の進行方向側に複数の第1観測点p1を間隔をもって設定し、複数の第1観測点p1のそれぞれに対して、移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点p2を設定し、互いに対応する第1観測点p1および第2観測点p2を含む観測点グループpGにおけるリスクに基づいて、リスクが小さい地点を探索するため、より迅速にリスクに基づく目標軌道を生成することができる。
【0056】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)
移動体の周辺に存在する物体を認識し、
前記物体の位置に基づいて、前記移動体が進入を避けるべき度合いを表す指標値であるリスクを設定するリスクを設定し、
前記移動体が走行すべき目標軌道を、前記リスクが小さい地点を通るように生成し、
前記目標軌道を生成する際に、
前記移動体の進行方向側に複数の第1観測点を間隔をもって設定し、
前記複数の第1観測点のそれぞれに対して、前記移動体から見て左方向および右方向のそれぞれに一以上の第2観測点を設定し、
互いに対応する第1観測点および第2観測点を含む観測点グループにおける前記リスクに基づいて、前記リスクが小さい地点を探索する、
移動体制御装置。
【0057】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0058】
100 自動運転制御装置
120 第1制御部
130 認識部
140 リスク設定部
150 目標軌道生成部
152 ベースパス設定部
154 観測点設定部
156 リスク勾配計算部
158 パス修正部
160 第2制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9