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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039790
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ダイヤフラム弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/12 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
F16K7/12 B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144408
(22)【出願日】2022-09-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-10
(71)【出願人】
【識別番号】594165734
【氏名又は名称】イハラサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 直也
(57)【要約】
【課題】ダイヤフラムを強制的に作動させて大流量化を図ることができると共に、製造コストを抑え得るダイヤフラム弁を提供すること。
【解決手段】ダイヤフラム弁1は、第一流路11、第二流路12および弁座15を有する弁箱10と、弁箱10に螺合して取り付けられる蓋体20と、蓋体20に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒30と、弁棒30に連結されると共に弁棒30に沿った螺合軸42を有するステム40と、螺合軸42に螺合すると共に弁座15に対して接離して第一流路11および第二流路12の間を開閉するホルダ50と、螺合軸42が挿通される環状のダイヤフラム60とを備える。ダイヤフラム60の外周縁部61は、弁箱10および蓋体20の間に機械的に締付け固定され、ダイヤフラム60の内周縁部62は、ステム40およびホルダ50の間に機械的に締付け固定される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一流路、第二流路および弁座を有する本体と、
前記本体に螺合して取り付けられる蓋体と、
前記蓋体に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒と、
前記弁棒に連結されると共に前記弁棒に沿った螺合軸を有するステムと、
前記螺合軸に螺合すると共に前記弁座に対して接離して前記第一流路および前記第二流路の間を開閉するホルダと、
前記螺合軸が挿通される環状のダイヤフラムとを備え、
前記ダイヤフラムの外周縁部は、前記本体および前記蓋体の間に機械的に締付け固定され、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの間に機械的に締付け固定されるダイヤフラム弁。
【請求項2】
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記当接体の外径寸法は、前記ステム本体の外径寸法と同じ寸法とされる請求項1に記載のダイヤフラム弁。
【請求項3】
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記本体および前記蓋体は、前記ダイヤフラムが前記ステム側に向かって斜め上向きとなるように当該ダイヤフラムの外周縁部を締付け固定し、
前記当接体は、前記ダイヤフラムを受ける平面状の受け面と、前記受け面の外周に連続する凸曲状の凸曲面とを有する請求項1に記載のダイヤフラム弁。
【請求項4】
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記ホルダは、その上面で開口すると共に前記螺合軸が螺合する螺合穴を有し、
前記当接体には、前記螺合軸側に向かって斜め上向きに傾斜したテーパー面が形成され、
前記ホルダの上面および前記螺合穴が連続する角部は、鋭角に形成されていると共に前記テーパー面に対して上下方向に重なって配置される請求項1に記載のダイヤフラム弁。
【請求項5】
前記ダイヤフラムは、その原形が環状平板状であり、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの昇降に応じて当該ダイヤフラムの外周縁部よりも上方位置または下方位置に配置される請求項4に記載のダイヤフラム弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路を流れる流体の流量を調整、及び開閉を行うダイヤフラム弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイヤフラム弁として、ハンドルの回転によって弁棒を介して昇降するスラストボタンと、弁箱に設けられた弁座との間にメタルダイヤフラム(ダイヤフラム)が配置されるメタルダイヤフラム弁が知られている(特許文献1参照)。ダイヤフラムは、その周縁が弁箱に密封的に挟持されており、その中央部が上方(スラストボタン側)に膨出した形状とされている。
【0003】
このメタルダイヤフラム弁は、半導体製造装置などに用いられるものであり、ハンドル操作により下降するスラストボタンによってダイヤフラムを押圧して弁座に当接させる一方、ハンドル操作によりスラストボタンが上昇することで当該スラストボタンによるダイヤフラムの押圧を解除して、当該ダイヤフラムを原形状に自己復帰させることで、ダイヤフラムを弁座から離間させる構成とされており、このようにダイヤフラムを動作させることで流量を調整する構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-105554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のメタルダイヤフラム弁では、ダイヤフラムが自己復帰によって弁座から離間する構成とされているので、ダイヤフラムの自己復帰を超えて強制的に弁座から離間させて大流量化を図ることが困難である。
ここで例えば、ダイヤフラムをスラストボタンなどに溶接し、スラストボタンの上昇によってダイヤフラムを強制的に弁座から離間させることが考えられるが、メタルダイヤフラム弁の製造に溶接作業が必要となってしまい、製造コストを抑えることが困難である。
【0006】
本発明の目的は、ダイヤフラムを強制的に作動させて大流量化を図ることができると共に、製造コストを抑え得るダイヤフラム弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のダイヤフラム弁は、第一流路、第二流路および弁座を有する本体と、前記本体に螺合して取り付けられる蓋体と、前記蓋体に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒と、前記弁棒に連結されると共に前記弁棒に沿った螺合軸を有するステムと、前記螺合軸に螺合すると共に前記弁座に対して接離して前記第一流路および前記第二流路の間を開閉するホルダと、前記螺合軸が挿通される環状のダイヤフラムとを備え、前記ダイヤフラムの外周縁部は、前記本体および前記蓋体の間に機械的に締付け固定され、前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの間に機械的に締付け固定される。
本発明のダイヤフラム弁によれば、ダイヤフラムの内周縁部をステムおよびホルダの間に締付け固定するので、ダイヤフラムを弁棒の昇降に応じて強制的に昇降させることができ、例えば、前述したようにダイヤフラムの自己復帰によって流量を調整するようなダイヤフラム弁を備える場合と比べて、特にダイヤフラムの自己復帰を超えて流路開放できるので大流量化を図り得る。また、ダイヤフラムの外周縁部および内周縁部の双方等とも機械的に締付け固定されるので、ダイヤフラムをステムなどに溶接する必要がなく、ダイヤフラム弁の製造コストを抑え得る。
【0008】
本発明のダイヤフラム弁では、前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、前記当接体の外径寸法は、前記ステム本体の外径寸法と同じ寸法とされてもよい。
このような構成によれば、ステム本体の螺合軸にホルダを螺合する際、ホルダおよび当接体がダイヤフラムと共に回転することで、ダイヤフラムとステムおよびホルダとの間に摩擦が発生することを低減できる。また、当接体の外径寸法がステム本体の外径寸法と同じ寸法とされるので、弁棒とともにステムが昇降する際に当接体が蓋体などに干渉しない範囲で当接体のダイヤフラムに対する当接領域を大きくすることができる。このため、本体の内部を流れる流体の圧力を受けるダイヤフラムを当接体の前述した大きな当接領域で受けることができる。
【0009】
本発明のダイヤフラム弁では、前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、前記本体および前記蓋体は、前記ダイヤフラムが前記ステム側に向かって斜め上向きとなるように当該ダイヤフラムの外周縁部を締付け固定し、前記当接体は、前記ダイヤフラムを受ける平面状の受け面と、前記受け面の外周に連続する凸曲状の凸曲面とを有してもよい。
このような構成によれば、ステムが下降することで当接体の受け面がダイヤフラムの外周縁部の締め付け固定位置よりも下方に配置される場合には、ステム側に向かって斜め上向きとなるように外周縁部が締付け固定されたダイヤフラムの外周側寄りの部分よりも内周側寄りの部分はステム側に向かって斜め下向きに湾曲されるが、当接体に前述した凸曲面が形成されているので、ダイヤフラムに応力集中が生じることを抑制できる。
【0010】
本発明のダイヤフラム弁では、前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、前記ホルダは、その上面で開口すると共に前記螺合軸が螺合する螺合穴を有し、前記当接体には、前記螺合軸側に向かって斜め上向きに傾斜したテーパー面が形成され、前記ホルダの上面および前記螺合穴が連続する角部は、鋭角に形成されていると共に前記テーパー面に対して上下方向に重なって配置されてもよい。
このような構成によれば、ホルダの角部を、当接体のテーパー面と螺合軸との間に食い込ませるようにダイヤフラムの内周縁部を強固に締付け固定でき、前述したように溶接しなくても流体漏れなどのおそれを、より低減できる。
また、このようにダイヤフラムの内周縁部を締付け固定するので、締付け固定部分は外周側に向かって斜め下向きに傾斜するような形状となる。このため、ダイヤフラムの内周縁部を下降した際に、ダイヤフラムの形状に上下反転が生じて異音が発生することを抑制できると共にダイヤフラムの耐久性の向上を図り得る。
【0011】
本発明のダイヤフラム弁では、前記ダイヤフラムは、その原形が環状平板状であり、前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの昇降に応じて当該ダイヤフラムの外周縁部よりも上方位置または下方位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、原形が環状平板状のダイヤフラムの内周縁部を外周縁部よりも上方位置に強制的に配置したり、下方位置に強制的に配置したりするので、例えば、原形が上方に膨出したドーム状のダイヤフラムを用いる場合と比べて、更に異音の発生を抑え得る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ダイヤフラムを強制的に作動させて大流量化を図ることができると共に、製造コストを抑え得るダイヤフラム弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るダイヤフラム弁を示す斜視図である。
図2】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の開放状態を示す縦断面図である。
図3】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の中間状態を示す縦断面図である。
図4】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の閉鎖状態を示す縦断面図である。
図5】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の開放状態における要部を示す拡大模式図である。
図6】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の中間状態における要部を示す拡大模式図である。
図7】前記実施形態に係るダイヤフラム弁の閉鎖状態における要部を示す拡大模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図4において、本実施形態に係るダイヤフラム弁1は、半導体製造装置などにおいて各種の流体の流量を制御するメタルダイヤフラム弁であって高Cv値が求められる大流量型の弁である。このダイヤフラム弁1は、金属製であり、本体としての弁箱10と、弁箱10に螺合して取り付けられる蓋体20と、蓋体20に対して昇降可能に螺合する弁棒30と、弁棒30に連結されると共に弁棒30に沿った螺合軸42を有するステム40と、螺合軸42に螺合するホルダ50と、螺合軸42が挿通される環状のダイヤフラム60とを備えている。弁棒30にはこれを回転操作するハンドル70が取り付けられている。
以下の説明において、ダイヤフラム弁1の左右方向をX軸方向とし、ダイヤフラム弁1の前後方向をY軸方向とし、ダイヤフラム弁1の上下方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、ダイヤフラム弁1の上下左右の向きを特定しているが、実際の設置の向きによっては上下左右の向きは異なり得る。
【0015】
弁箱10は、流体が流れ込む入口側の第一流路11と、流体が流れ出る出口側の第二流路12と、第一流路11および第二流路12を連通するキャビティ131を形成する立上げ部13とを有している。
【0016】
第一流路11は、本実施形態では断面L字状に形成されており、X軸方向における一方側に位置する端部は、弁箱10の外周面14から突出した位置で開口しており、X軸方向における他方側に位置する端部は、キャビティ131を形成する底面132における略中央部で開口しており、その開口周縁には、底面132から若干上方に突出した弁座15が形成されている。
【0017】
第二流路12は、本実施形態では断面略「く」の字状に形成されており、X軸方向における一方側に位置する端部は、キャビティ131を形成する底面132および内周面133にわたって開口しており、第一流路11の他方側の端部よりもX軸方向における他方側に位置している。第二流路12のX軸方向における他方側に位置する端部は、弁箱10の外周面14から突出した位置で開口している。
【0018】
立上げ部13は、キャビティ131の周縁からZ軸方向に立ち上げられた筒状部分で構成されており、立上げ部13における上側部分134には蓋体20が螺合する雌ねじ部135が形成されており、立上げ部13における下側部分136は、上側部分134よりも内周側に向かって肉厚とされている。立上げ部13の上側部分134および下側部分136との間には、環状段部137が形成されている。この環状段部137には、後述するダイヤフラム抑235の環状突部239がZ軸方向に重なる環状の溝部が形成されている。
【0019】
蓋体20は、筒状に形成されており、本実施形態では上側環状蓋部21、中間環状蓋部22および下側環状蓋部23を一体に有しており、下側環状蓋部23にはダイヤフラム抑235が設けられている。この蓋体20では、上側環状蓋部21の外径寸法よりも中間環状蓋部22の外径寸法が大きく形成されており、中間環状蓋部22の外径寸法よりも下側環状蓋部23の外径寸法が大きく形成されており、上側環状蓋部21および中間環状蓋部22の内径寸法よりも下側環状蓋部23の内径寸法が大きく形成されている。
【0020】
上側環状蓋部21の外周部211には、インジケーター71がZ軸方向に沿った軸周りに回転案内可能に嵌着されている。上側環状蓋部21の内周部は、弁棒30が螺合する雌ねじ部212として形成されている。インジケーター71は、その上面に開放(OPEN)および閉鎖(CLOSE)の旨が表示されており、ハンドル70に形成された孔72から上記表示を目視可能に構成されている。このインジケーター71は、上記回転方向における所定箇所でハンドル70と凹凸嵌合し、嵌合状態でハンドル70と共に回転するようになっている。
【0021】
中間環状蓋部22の内周部222は、弁棒30がZ軸方向に昇降可能に当該弁棒30に摺接している。
【0022】
下側環状蓋部23の外周部は、立上げ部13の上側部分134に螺合する雄ねじ部231として形成されている。下側環状蓋部23の内周部232の内径寸法は、ステム40の外径寸法よりも大きく形成されている。この下側環状蓋部23には、前述したダイヤフラム抑235が設けられている。
ダイヤフラム抑235は、内周部232およびステム40の間に配置される筒状部236と、筒状部236の下端から外周側に延出した中空円板状の抑え部237とを有している。抑え部237の下面238(図5参照)は、外周側から内周側(ステム40側)に向かって斜め上向きに傾斜している。このダイヤフラム抑235の外周縁下部には、下方に突出した環状突部239が形成されており、下側環状蓋部23の雄ねじ部231が弁箱10の雌ねじ部135に螺合されることで、前述した環状突部239と立上げ部13の環状段部137との間でダイヤフラム60の外周縁部61を機械的に締付け固定(本実施形態ではねじ込み式固定)する。ここで、蓋体20に設けられたダイヤフラム抑235の環状突部239は、弁箱10の環状段部137における前述した溝部とZ軸方向に重なりながら、環状段部137との間にダイヤフラム60の外周縁部61を挟持する。このため、ダイヤフラム60の外周縁部61は、当該ダイヤフラム60がステム40側に向かって斜め上向きとなるように、弁箱10および蓋体20によって締付け固定されている。なお、ダイヤフラム60の外周縁部61は、環状突部239および環状段部137に対して、非溶接である。
【0023】
弁棒30は、Z軸方向に沿って延びており、上側環状蓋部21の雌ねじ部212に螺合する雄ねじ部311が外周部に形成された弁棒上部31と、中間環状蓋部22の内周部222に対して外周部が昇降可能に摺接する弁棒下部32とを有しており、本実施形態では、弁棒下部32の外周部には一つのOリングが嵌着されている。この弁棒30には、その上端部33にハンドル70が取り付けられており、その下端部34にステム40が取り付けられている。
【0024】
ステム40は、螺合軸42および凹部43を有するステム本体41と、ステム本体41に対して回転可能に螺合軸42が挿通されると共にダイヤフラム60に当接する当接体45(ピース)とを有している。
【0025】
ステム本体41は、螺合軸42および凹部43を除くと短尺円柱状体で形成されている。螺合軸42は、前述した短尺円柱状体の下面から下方に延出しており、その外周面に雄ねじが形成されている。この螺合軸42は、弁棒30のZ軸方向に沿った回転軸心線上に配置されている。凹部43は、前述した短尺円柱状体の上面で開口しており、弁棒30の下端部34が回転可能に嵌着されている。ステム本体41は、弁棒30の外形寸法よりも大きい外径寸法を有している。
【0026】
当接体45は金属製の環状板で形成されている。当接体45は、図5に示すように、上面451、下面452、内周面453および外周面454を有しており、下面452は、ダイヤフラム60を受ける平面状の受け面として構成されている。図5から図7に示すように、当接体45には、下面452および内周面453に連続すると共に螺合軸42側に向かって斜め上向きに傾斜したテーパー面455が形成されている。また、当接体45には、下面452(受け面の外周)および外周面454に連続すると共に外周側に向かって凸曲状の凸曲面456が形成されている。当接体45の外径寸法は、ステム本体41の外径寸法と同じ寸法とされている。
【0027】
ホルダ50には、弁座15に対して当接可能にシールリング51が装着されており、且つ、螺合軸42の雄ねじに螺合する雌ねじが内周面に形成された螺合穴52が形成されている。螺合穴52は、ホルダ50の上面53で開口している。ホルダ50の上面53は、螺合軸42側(内周側)から立上げ部13側(外周側)に向かって斜め下に傾斜しており、弁棒30が上昇した際におけるダイヤフラム60の形状に沿うように形成されている。上面53と螺合穴52とが連続する角部54は90°よりも小さい鋭角とされており、前述したテーパー面455に対してZ軸方向に重なって配置されている。ここで、ダイヤフラム60の内周縁部62は、角部54およびその近傍によって上方に押され、且つ、角部54よりも外周側の位置で当接体45に当接する。このため、ダイヤフラム60の内周縁部62は、当該ダイヤフラム60が外周側に向かって斜め下に傾斜するように機械的に締め付け固定(本実施形態ではねじ込み式固定)される。なお、ダイヤフラム60の内周縁部62は、ステム40およびホルダ50のいずれに対しても非溶接である。
【0028】
ダイヤフラム60は、金属製であってその原形が環状平板状でありZ軸方向に弾性変形可能である。ダイヤフラム60の外周縁部61は、蓋体20が弁箱10に対して螺合によって取り付けられることで、当該ダイヤフラム60がステム40側に向かって斜め上向きとなるように、弁箱10および蓋体20の間に非溶接で機械的に締付け固定されている。また、ダイヤフラム60の内周縁部62は、ホルダ50がステム40に対して螺合によって取り付けられることで、当該ダイヤフラム60が外周側に向かって斜め下に傾斜するように、ステム40およびホルダ50の間に非溶接で機械的に締付け固定されている。ダイヤフラム60の外周縁部61および内周縁部62に対する締付け力は、流体漏れが生じず且つダイヤフラムに過度の潰れが生じない範囲で、サイズに応じて適宜設定される。このダイヤフラム60は、キャビティ131の空間を区画している。
【0029】
以下、ダイヤフラム弁1の開閉動作について説明する。
図2および図5はダイヤフラム弁1の開放状態を示しており、図3および図6はダイヤフラム弁1の中間状態を示しており、図4および図7はダイヤフラム弁1の閉鎖状態を示している。開放状態では、ホルダ50のシールリング51は、弁箱10の弁座15から上方に離間して配置されており、第一流路11および第二流路12はキャビティ131の空間を介して互いに連通している。中間状態では、ホルダ50は、開放状態よりも弁座15に接近して配置されており、キャビティ131の空間において第一流路11および第二流路12を連通する流路を絞っている。閉鎖状態では、ホルダ50のシールリング51は弁座15に接触しており、第一流路11と第二流路12とを遮断している。
【0030】
[閉鎖動作]
まず、図2および図5に示す開放状態にあるダイヤフラム弁1において、ハンドル70を弁棒30の軸周りに回転操作し、弁棒30を回転させる。この回転により弁棒30が下降すると、ステム40およびホルダ50は回転を生じずに下降し、ステム40の当接体45がダイヤフラム60の内周縁部62を下方に押し下げることで、ダイヤフラム弁1は、図3および図6に示す中間状態を経て、図4および図7に示す閉鎖状態となる。図6の中間状態では、内周縁部62の位置は外周縁部61の位置に対して略同等の高さ位置(上下位置)にあり、図7の閉鎖状態では、内周縁部62は外周縁部61に対して下方位置に配置される。中間状態における内周縁部62の位置を基準位置とした場合、閉鎖状態では内周縁部62の位置は基準位置よりも1mm未満の範囲で下がった下方位置に配置される。また、中間状態および閉鎖状態では、当接体45は、ダイヤフラム抑235の抑え部237における内周側部分よりも下方に突出した位置に配置される。図6の中間状態および図7の閉鎖状態では、当接体45の下面452は、ダイヤフラム60の内周縁部62を上方から受け、且つ、凸曲面456はダイヤフラム60に応力集中が生じないように当該ダイヤフラム60に当接し得る。ダイヤフラム60は、その外周縁部61および内周縁部62が前述したように独特の締付け固定がなされているので、中間状態および閉鎖状態では、外周縁部61は内周側に向かって斜め上向きに傾斜しており、外周縁部61よりも内周縁部62側の中間部分は内周側に向かって斜め下向きに傾斜しており、中間部分よりも内周側の内周縁部62は中間部分よりも傾斜が緩やかとなっている。このようにダイヤフラム60は強制的に独特形状に湾曲されるので、ダイヤフラム弁1を開放状態および閉鎖状態に操作する際に、ダイヤフラム60からカチカチ音などの異音が発生しにくい。また、角部54がテーパー面455に対してZ軸方向に重なって配置されているので、溶接をしなくても、ダイヤフラム60の内周縁部62を当接体45およびホルダ50の内周側部分で強固に締付け固定できる。なお、本実施形態では、流路を閉鎖する際におけるハンドル70の回転に基づくダイヤフラム60の強制的な変形は、当該ダイヤフラム60が塑性変形を生じずに弾性変形可能な範囲内で行われる。当範囲での変形に留めることで、例えばダイヤフラム60に塑性変形が生じて耐久性が低下することを抑制している。
このようにして、ダイヤフラム弁1は、ホルダ50が弁座15に対して接触して第一流路11および第二流路12の間を閉鎖する。
【0031】
[開放動作]
まず、図4および図7に示す閉鎖状態にあるダイヤフラム弁1において、ハンドル70を弁棒30の軸周りで逆方向に回転操作し、弁棒30を逆方向に回転させる。この回転により弁棒30が上昇すると、ステム40およびホルダ50は回転を生じずに上昇し、ホルダ50がダイヤフラム60の内周縁部62を上方に押し上げ、ダイヤフラム弁1は、図3および図6に示す中間状態とし、更にダイヤフラム60の自己復帰を超えて強制的に上方に押し上げることで、図2および図5に示す開放状態となる。この開放状態では、ダイヤフラム60が上方に自己復帰する場合と比べて、ダイヤフラム60が弁座15から大きく離間されるので、第一流路11および第二流路12の連通領域を拡大できて更なる大流量化を図れる。なお、本実施形態では、流路を開放する際におけるハンドル70の回転に基づくダイヤフラム60の強制的な変形は、当該ダイヤフラム60が塑性変形を生じずに弾性変形可能な範囲内で行われる。当範囲での変形に留めることで、例えばダイヤフラム60に塑性変形が生じて耐久性が低下することを抑制している。図5の開放状態では、内周縁部62の位置は外周縁部61の位置に対して上方位置に配置される。また、開放状態では、当接体45の下面452は、ダイヤフラム抑235の抑え部237における内周側部分に概略沿った上下位置に配置され、ホルダ50の上面53は、ダイヤフラム60の内周縁部62を下方から受けている。そして、開放状態では、ダイヤフラム60は、外周縁部61から内周縁部62にわたって斜め上向きに傾斜した略ドーム形状となる。中間状態における内周縁部62の位置を基準位置とした場合、開放状態では内周縁部62の位置は基準位置よりも1~2mmの範囲で上がった上方位置に配置される。
このようにして、ダイヤフラム弁1は、ホルダ50が弁座15から離間して第一流路11および第二流路12を連通する。
【0032】
本実施形態のダイヤフラム弁1としても記載したように、発明者は、ダイヤフラム60がステム40に固定されたストロークの大きい大流量用のダイヤフラム弁1において、ダイヤフラム60をステム40に溶接するのではなく、機械的に固定し、ダイヤフラム60を機械的に挟む部品の形状を応力分析して、ストロークとシール性、耐久性を兼ね備えたダイヤフラム弁1を発明した。
【0033】
[本実施形態の効果]
本実施形態では、ダイヤフラム弁1は、特に、ダイヤフラム60の外周縁部61が弁箱10および蓋体20の間に機械的に締付け固定され、ダイヤフラム60の内周縁部62がステム40およびホルダ50の間に機械的に締付け固定されるので、ダイヤフラム60を弁棒30の昇降に応じて強制的に昇降させることができ、例えば、前述したようにダイヤフラムの自己復帰によって流量を調整するようなダイヤフラム弁を備える場合と比べて、特にダイヤフラム60の自己復帰を超えて流路開放できるので更なる大流量化を図り得る。また、ダイヤフラム60の外周縁部61および内周縁部62の双方等とも機械的に締付け固定されるので、ダイヤフラム60をステム40などに溶接する必要がなく、ダイヤフラム弁1の製造コストを抑え得る。
【0034】
本実施形態では、特に、当接体45の外径寸法がステム本体41の外径寸法と同じ寸法とされるので、ステム本体41の螺合軸42にホルダ50を螺合する際、ホルダ50および当接体45がダイヤフラム60と共に回転することで、ダイヤフラム60とステム40およびホルダ50との間に摩擦が発生することを低減できる。また、当接体45の外径寸法がステム本体41の外径寸法と同じ寸法とされるので、弁棒30とともにステム40が昇降する際に当接体45が蓋体20などに干渉しない範囲で当接体45のダイヤフラム60に対する当接領域を大きくすることができる。このため、弁箱10の内部を流れる流体の圧力を受けるダイヤフラム60を当接体45の前述した大きな当接領域で受けることができる。
【0035】
本実施形態では、特に、弁箱10および蓋体20は、ダイヤフラム60がステム40側に向かって斜め上向きとなるように当該ダイヤフラム60の外周縁部61を締付け固定し、当接体45は、ダイヤフラム60を受ける平面状の受け面としての下面452と、下面452の外周に連続する凸曲状の凸曲面456とを有しているので、ステム40が下降することで当接体45の下面452がダイヤフラム60の外周縁部61の締め付け固定位置よりも下方に配置される場合には、ステム40側に向かって斜め上向きとなるように外周縁部61が締付け固定されたダイヤフラム60の外周側寄りの部分よりも内周側寄りの部分はステム40側に向かって斜め下向きに湾曲されるが、当接体45に前述した凸曲面456が形成されているので、ダイヤフラム60に応力集中が生じることを抑制できる。
【0036】
本実施形態では、特に、当接体45には、螺合軸42側に向かって斜め上向きに傾斜したテーパー面455が形成され、ホルダ50の上面53および螺合穴52が連続する角部54は、鋭角に形成されていると共にテーパー面455に対してZ軸方向に重なって配置されているので、ホルダ50の角部54を、当接体45のテーパー面455と螺合軸42との間に食い込ませるようにダイヤフラム60の内周縁部62を強固に締付け固定でき、内周縁部62に溶接などしなくても、流体漏れなどのおそれをより低減できる。また、このようにダイヤフラム60の内周縁部62を締付け固定するので、締付け固定部分は外周側に向かって斜め下向きに傾斜するような形状となる。このため、ダイヤフラム60の内周縁部62を下降した際に、ダイヤフラム60の形状に上下反転が生じて異音が発生することを抑制できると共にダイヤフラム60の耐久性の向上を図り得る。
【0037】
本実施形態では、ダイヤフラム60は、その原形が環状平板状であり、ダイヤフラム60の内周縁部62は、ステム40およびホルダ50の昇降に応じて当該ダイヤフラム60の外周縁部61よりも上方位置または下方位置に配置されるので、原形が環状平板状のダイヤフラム60の内周縁部62を外周縁部61よりも上方位置に強制的に配置したり、下方位置に強制的に配置したりするので、例えば、原形が上方に膨出したドーム状のダイヤフラムを用いる場合と比べて、更に異音の発生を抑え得る。
【0038】
[変形例]
前記実施形態では、当接体45の外径寸法は、ステム本体41の外径寸法と同じ寸法とされているが、これに限らず、例えばステム本体41の外径寸法よりも小さい寸法とされていてもよく、また、ステム本体41の昇降作動の妨げにならない構成であれば、当接体45の外径寸法は、ステム本体41の外径寸法よりも大きい寸法とされてもよい。
【0039】
前記実施形態では、ホルダ50の外径寸法は、ステム40の外径寸法よりも大きい寸法とされているが、これに限らず、同等以下の寸法とされてもよい。
【0040】
前記実施形態では、ステム40は、ステム本体41に対して当接体45が回転可能に設けられた構成とされ、ホルダ50を螺合軸42へ螺合する際にダイヤフラム60と共に当接体45が回転してダイヤフラム60に対する摩擦の発生を抑えるようになっているが、このような点を考慮しなくてもダイヤフラム弁1を構成可能であれば、当接体45はステム本体41と一体に形成されていてもよい。一体に形成されたステム40が当接体45に相当する部分(回転不能)を有することになる。
【0041】
前記実施形態では、前述した当接体45のテーパー面455およびホルダ50の鋭角の角部54でダイヤフラム60の内周縁部62を強固に締付け固定する構成となっているが、このようなテーパー面455や鋭角の角部54を有していなくても、ダイヤフラム60の内周縁部62を非溶接で締付け固定可能であれば、これらの構成を備えていなくてもよい。
【0042】
前記実施形態では、弁箱10および蓋体20は、ダイヤフラム60がステム40側に向かって斜め上向きとなるように当該ダイヤフラム60の外周縁部61を締付け固定し、ダイヤフラム60の動作において、ダイヤフラム60の内周縁部62が外周縁部61の位置に対して下方位置に配置される場合でも、ダイヤフラム60が反転することで生じ得る異音を抑制しているが、このような異音を抑制する必要がない場合には、弁箱10および蓋体20は、ダイヤフラム60の外周縁部61を前述した向きに締付け固定しなくてもよく、例えばダイヤフラム60を水平向きとして締付け固定してもよい。
【0043】
前記実施形態では、当接体45には、前述した凸曲面456が形成されているが、凸曲面456がなくてもダイヤフラム60の動作に問題がない場合には、凸曲面456の構成を省略してもよい。
【0044】
前記実施形態では、ダイヤフラム弁1は、半導体製造装置などにおいて用いられる大流量型のメタルダイヤフラム弁として説明したが、半導体市場のほか液晶市場においても利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…ダイヤフラム弁、10…弁箱(本体)、11…第一流路、12…第二流路、13…立上げ部、131…キャビティ、132…底面、133,453…内周面、134…上側部分、135,212…雌ねじ部、136…下側部分、137…環状段部、14…外周面、15…弁座、20…蓋体、21…上側環状蓋部、211…外周部、22…中間環状蓋部、222,232…内周部、23…下側環状蓋部、231,311…雄ねじ部、235…ダイヤフラム抑、236…筒状部、237…抑え部、238,452…下面、239…環状突部、30…弁棒、31…弁棒上部、32…弁棒下部、33…上端部、34…下端部、40…ステム、41…ステム本体、42…螺合軸、43…凹部、45…当接体、451,53…上面、454…外周面、455…テーパー面、456…凸曲面、50…ホルダ、51…シールリング、52…螺合穴、54…角部、60…ダイヤフラム、61…外周縁部、62…内周縁部、70…ハンドル、71…インジケーター、72…孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一流路、第二流路および弁座を有する本体と、
前記本体に螺合して取り付けられる蓋体と、
前記蓋体に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒と、
前記弁棒に連結されると共に前記弁棒に沿った螺合軸を有するステムと、
前記螺合軸に螺合すると共に前記弁座に対して接離して前記第一流路および前記第二流路の間を開閉するホルダと、
前記螺合軸が挿通される環状のダイヤフラムとを備え、
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記螺合軸が挿通されると共に、前記ステム本体に対して回転可能であって前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記ダイヤフラムの外周縁部は、前記本体および前記蓋体の間に機械的に締付け固定され、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記当接体および前記ホルダの間に機械的に締付け固定され
前記当接体の外径寸法は、前記ステム本体の外径寸法と同じ寸法とされるダイヤフラム弁。
【請求項2】
第一流路、第二流路および弁座を有する本体と、
前記本体に螺合して取り付けられる蓋体と、
前記蓋体に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒と、
前記弁棒に連結されると共に前記弁棒に沿った螺合軸を有するステムと、
前記螺合軸に螺合すると共に前記弁座に対して接離して前記第一流路および前記第二流路の間を開閉するホルダと、
前記螺合軸が挿通される環状のダイヤフラムとを備え、
前記ダイヤフラムの外周縁部は、前記本体および前記蓋体の間に機械的に締付け固定され、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの間に機械的に締付け固定され、
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記本体および前記蓋体は、前記ダイヤフラムが前記ステム側に向かって斜め上向きとなるように当該ダイヤフラムの外周縁部を締付け固定し、
前記当接体は、前記ダイヤフラムを受ける平面状の受け面と、前記受け面の外周に連続する凸曲状の凸曲面とを有するダイヤフラム弁。
【請求項3】
第一流路、第二流路および弁座を有する本体と、
前記本体に螺合して取り付けられる蓋体と、
前記蓋体に対して昇降可能に螺合する回転操作可能な弁棒と、
前記弁棒に連結されると共に前記弁棒に沿った螺合軸を有するステムと、
前記螺合軸に螺合すると共に前記弁座に対して接離して前記第一流路および前記第二流路の間を開閉するホルダと、
前記螺合軸が挿通される環状のダイヤフラムとを備え、
前記ダイヤフラムの外周縁部は、前記本体および前記蓋体の間に機械的に締付け固定され、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの間に機械的に締付け固定され、
前記ステムは、前記螺合軸を有するステム本体と、前記ステム本体に対して回転可能に前記螺合軸が挿通されると共に前記ダイヤフラムに当接する当接体とを有し、
前記ホルダは、その上面で開口すると共に前記螺合軸が螺合する螺合穴を有し、
前記当接体には、前記螺合軸側に向かって斜め上向きに傾斜したテーパー面が形成され、
前記ホルダの上面および前記螺合穴が連続する角部は、鋭角に形成されていると共に前記テーパー面に対して上下方向に重なって配置されるダイヤフラム弁。
【請求項4】
前記ダイヤフラムは、その原形が環状平板状であり、
前記ダイヤフラムの内周縁部は、前記ステムおよび前記ホルダの昇降に応じて当該ダイヤフラムの外周縁部よりも上方位置または下方位置に配置される請求項に記載のダイヤフラム弁。