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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003980
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】防災照明器具および防災照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/115 20200101AFI20240109BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20240109BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20240109BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/16
H05B47/11
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103377
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 弘明
(72)【発明者】
【氏名】前田 忠司
(72)【発明者】
【氏名】石井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】鶴留 和幸
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA21
3K273QA24
3K273QA25
3K273SA04
3K273SA08
3K273SA20
3K273SA21
3K273SA32
3K273SA33
3K273SA37
3K273SA48
3K273SA57
3K273TA12
3K273TA13
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA52
3K273TA71
3K273UA22
3K273UA29
(57)【要約】
【課題】構造を簡易化することができる防災照明器具および防災照明システムを提供すること。
【解決手段】防災照明器具は、LED光源と、バッテリと、商用電源からの電力をもとにバッテリを充電する充電回路と、バッテリの電荷を利用してLED光源を点灯させる点灯回路と、バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出回路と、バッテリの電荷を利用して外部のセンサ機器に給電するとともに、センサ機器からセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づいて点灯信号を通知する通信給電回路と、商用電源からの電力供給の有無を検出する停電検出回路と、停電検出回路により停電信号が通知され、且つ、通信給電回路により点灯信号が通知されると、バッテリからの電源をもとに点灯回路にて電力を生成してLED光源を点灯させる制御回路と、を備えたものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源と、
バッテリと、
商用電源からの電力をもとに前記バッテリを充電する充電回路と、
前記バッテリの電荷を利用して前記LED光源を点灯させる点灯回路と、
前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出回路と、
前記バッテリの電荷を利用して外部のセンサ機器に給電するとともに、前記センサ機器からセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づいて点灯信号を通知する通信給電回路と、
商用電源からの電力供給の有無を検出する停電検出回路と、
前記停電検出回路により停電信号が通知され、且つ、前記通信給電回路により前記点灯信号が通知されると、前記バッテリからの電源をもとに前記点灯回路にて電力を生成して前記LED光源を点灯させる制御回路と、を備えた
防災照明器具。
【請求項2】
前記通信給電回路は、
商用電源からの電力供給が有る場合、前記センサ機器への給電を停止するとともに、前記センサ情報の受信を停止し、
商用電源からの電力供給が無い場合、前記センサ機器への給電を開始するとともに、前記センサ情報を受信する
請求項1に記載の防災照明器具。
【請求項3】
前記通信給電回路は、
前記LED光源を点灯開始してから予め設定された一定時間の間は、前記センサ機器に電力の給電を開始せず、前記センサ情報を受信しない
請求項2に記載の防災照明器具。
【請求項4】
前記通信給電回路は、
前記センサ情報に基づいて、照度値が予め設定された閾値以下、且つ、人の存在が有りと判定した場合、前記制御回路に前記点灯信号を通知する
請求項1~3のいずれか一項に記載の防災照明器具。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の防災照明器具と、
前記防災照明器具および一般照明器具の外部に設けられ、商用電源からの電力供給が有る場合は前記一般照明器具へ情報を伝達する前記センサ機器と、を備えた
防災照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、防災照明器具および防災照明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、防災照明器具を備える照明システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の防災照明器具は、外部電源からの電力供給が停止した場合の非常時に非常用電源である二次電池を用いて点灯するものである。この防災照明器具は、光源と、光源の点灯動作を行う点灯ユニットと、センサを有し外部の装置と無線通信するモジュールと、を備える。そして、点灯ユニットは、モジュールから受け取ったセンサ情報に基づいて、光源の状態を変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6859793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では防災照明器具にセンサが搭載されているため、センサが搭載されていない防災照明器具に比べて構造が複雑になるという課題があった。
【0006】
本開示は、以上のような課題を解決するためになされたもので、構造を簡易化することができる防災照明器具および防災照明システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る防災照明器具は、LED光源と、バッテリと、商用電源からの電力をもとに前記バッテリを充電する充電回路と、前記バッテリの電荷を利用して前記LED光源を点灯させる点灯回路と、前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出回路と、前記バッテリの電荷を利用して外部のセンサ機器に給電するとともに、前記センサ機器からセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づいて点灯信号を通知する通信給電回路と、商用電源からの電力供給の有無を検出する停電検出回路と、前記停電検出回路により停電信号が通知され、且つ、前記通信給電回路により前記点灯信号が通知されると、前記バッテリからの電源をもとに前記点灯回路にて電力を生成して前記LED光源を点灯させる制御回路と、を備えたものである。
【0008】
また、本開示に係る防災照明システムは、上記の防災照明器具と、前記防災照明器具および一般照明器具の外部に設けられ、商用電源からの電力供給が有る場合は前記一般照明器具へ情報を伝達する前記センサ機器と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る防災照明器具および防災照明システムによれば、外部のセンサ機器からセンサ情報を受信する構成となっており、防災照明器具にセンサを搭載する必要がないので、防災照明器具の構造を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る防災照明器具を備えた防災照明システムを示す図である。
図2】実施の形態に係る防災照明器具に搭載された防災照明装置を示す図である。
図3】実施の形態に係る防災照明器具の動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態に係る防災照明器具を備えた防災照明システムの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る防災照明器具2を備えた防災照明システム100を示す図である。防災照明システム100は、複数の防災照明器具2と、複数のセンサ機器3と、複数の一般照明器具4とを備えている。なお、防災照明器具2、複数のセンサ機器3、および、一般照明器具4の数は任意の数であり、それぞれ単数でもよい。防災照明器具2は、それぞれ商用電源1aに接続されている。一般照明器具4およびセンサ機器3は、それぞれ商用電源1bに接続されている。商用電源1a、1bは、例えば分電盤から提供される。一般照明器具4は、それぞれセンサ機器3とセンサ情報を伝送する第一配線10で接続されている。ここで、センサ機器3は、例えば、照度センサ、人感センサ、あるいは画像センサである。防災照明器具2は、それぞれセンサ機器3からのセンサ情報を伝送するとともにセンサ機器3へ電力供給する第二配線11で接続されている。ここで、第二配線11は、例えば火災を鑑みた耐火配線である。なお、第一配線10および第二配線11で接続された防災照明器具2とセンサ機器3と一般照明器具4とを一組として、同一組内の防災照明器具2とセンサ機器3と一般照明器具4とが近くに配置されている。
【0013】
図2は、実施の形態に係る防災照明器具2に搭載された防災照明装置5を示す図である。防災照明器具2は、防災照明装置5と、LED光源6と、バッテリ7とを備えている。防災照明装置5は、充電回路5aと、点灯回路5bと、停電検出回路5cと、制御回路5dと、バッテリ電圧検出回路5eと、通信給電回路5fとを備えている。充電回路5aは、商用電源1aによってバッテリ7を充電する回路である。点灯回路5bは、バッテリ7の電荷を利用してLED光源6を点灯させる回路である。停電検出回路5cは、商用電源1aからバッテリ7への電力供給がなくなったことを制御回路5dおよび通信給電回路5fに知らせる回路である。通信給電回路5fは、バッテリ7の電荷を利用して外部のセンサ機器3に電力供給するとともに、外部のセンサ機器3からセンサ情報を受信し、そのセンサ情報に外部のセンサ機器3を点灯させる情報が含まれている場合、その旨を制御回路5dに知らせる回路である。ここで、センサ情報には、少なくとも照度値情報および人検知情報が含まれている。また、外部のセンサ機器3とは、防災照明器具2の外部に設けられたセンサ機器3という意味である。また、外部のセンサ機器3は、接続された一般照明器具4が照明する部屋の例えば床での照度値を検出する。バッテリ電圧検出回路5eは、バッテリ7の電圧を検出する回路である。
【0014】
制御回路5dは、充電回路5a、点灯回路5b、停電検出回路5c、バッテリ電圧検出回路5e、および、通信給電回路5fに接続されている。
【0015】
制御回路5dは、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。制御回路5dが専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。図2に示す制御回路5d以外の回路の各回路の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。制御回路5dがCPUの場合は、制御回路5dの機能はソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアおよびファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。制御回路5dは、メモリに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各機能を実現する。メモリとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、あるいは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。制御回路5dはハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせによって、各機能を実現することができる。
【0016】
以下、制御回路5dが商用電源1aから電力供給を受けている場合および受けていない場合の基本動作について説明する。
【0017】
商用電源1aは送電(オン)しており、制御回路5dが商用電源1aから電力供給を受けている場合は、制御回路5dが停電検出回路5cから停電信号の通知を受けない。この期間中、商用電源1aからの電力供給を受け起動した制御回路5dは、充電回路5aを用いてバッテリ7を充電するとともに、点灯回路5bをオフすることでLED光源6を消灯させる。
【0018】
一方、商用電源1aは停電(オフ)しており、制御回路5dが商用電源1aから電力供給を受けていない場合は、停電検出回路5cが停電を検出し、制御回路5dおよび通信給電回路5fに停電信号を通知する。この時、制御回路5dおよび通信給電回路5fは、充電されたバッテリ7からの電力供給を受け動作している。通信給電回路5fは、バッテリ7から供給される電源をもとにして外部のセンサ機器3に電力供給するとともに、外部のセンサ機器3からセンサ情報を受信する。通信給電回路5fは、センサ情報に基づいて、照度値が予め設定された閾値Thl以下、且つ、人の存在が有りと判定した場合、制御回路5dに点灯信号を通知する。制御回路5dは、停電信号と点灯信号との双方を受信した場合、バッテリ7から供給される電源をもとに点灯回路5bにて電力を生成してLED光源6を点灯させる。この時、LED光源6はバッテリ7の電荷を利用して点灯する。このように、商用電源1aが停電し、避難等に必要な照度値(例えば、非常灯法規となる、建築基準法施行令第百二十六条の五・建設省告示第千八百三十号によって定められた、床面で2Lx以上の照度値)がなく、且つ、人が居るときに、LED光源6を点灯させることで、電池の電荷量を有効活用でき本当に必要な場合の避難等に役立てる機会が増える。
【0019】
バッテリ電圧検出回路5eは、バッテリ7の放電末期に点灯回路5bが発熱することを防止するため、バッテリ7の電圧を検出し、バッテリ7の電圧が閾値Thv以下(例えば放電基準電圧)になった場合に制御回路5dに指令を出す。指令を受けた制御回路5dは、点灯回路5bを停止させる。こうして、点灯回路5bの発熱を防止する。
【0020】
図3は、実施の形態に係る防災照明器具2の動作を示すフローチャートである。以下、防災照明器具2の動作について、図3を用いて説明する。
【0021】
(ステップS0)
初期状態として、商用電源1aが送電状態、つまり商用電源1aから防災照明器具2に電力供給が有る状態となっており、LED光源6が不点灯である。
【0022】
(ステップS1)
防災照明装置5のバッテリ電圧検出回路5eは、バッテリ電圧が閾値Thv(例えば放電基準電圧)を超えているかどうか判定する。バッテリ電圧検出回路5eが、バッテリ電圧が閾値Thvを超えていると判定した場合(YES)、処理はステップS2へ進む。一方、バッテリ電圧検出回路5eが、バッテリ電圧が閾値Thv以下であると判定した場合(NO)、処理はステップS12へ進む。
【0023】
(ステップS2)
停電検出回路5cは、商用電源1aが停電状態、つまり商用電源1aから防災照明器具2に電力供給が無い状態かどうか判定する。停電検出回路5cが、商用電源1aが停電状態であると判定した場合(YES)、処理はステップS3へ進む。一方、停電検出回路5cが、商用電源1aが停電状態ではないと判定した場合(NO)、処理はステップS12へ進む。
【0024】
(ステップS3)
停電検出回路5cは、制御回路5dおよび通信給電回路5fに停電信号を通知する。その後、処理はステップS4へ進む。
【0025】
(ステップS4)
通信給電回路5fは、バッテリ7の電荷を利用して外部のセンサ機器3に電力供給(電圧印加)を開始するとともに、外部のセンサ機器3からセンサ情報を受信する。その後、処理はステップS5へ進む。
【0026】
(ステップS5)
制御回路5dは、外部のセンサ機器3が防災照明器具2に接続されているかどうか判定する。具体的には、制御回路5dは、通信給電回路5fから出力電流が閾値Thi(例えば、各種センサの駆動に必要とする数mA~30mA程度の任意の値)を超えていれば、外部のセンサ機器3が防災照明器具2に接続されていると判定する。制御回路5dが、外部のセンサ機器3が防災照明器具2に接続されていると判定した場合(YES)、処理はステップS6へ進む。一方、制御回路5dが、外部のセンサ機器3が防災照明器具2に接続されていないと判定した場合(NO)、処理はステップS9へ進む。
【0027】
(ステップS6)
通信給電回路5fは、外部のセンサ機器3から受信したセンサ情報に含まれた照度値情報に基づいて、照度値が予め設定された閾値Thl(例えば、非常灯法規となる、建築基準法施行令第百二十六条の五・建設省告示第千八百三十号によって定められた、床面で2Lx以上の照度値)未満かどうか判定する。通信給電回路5fが、照度値が閾値Thl未満であると判定した場合(YES)、処理はステップS7へ進む。一方、通信給電回路5fが、照度値が閾値Thl以上であると判定した場合(NO)、処理はステップS14へ進む。
【0028】
(ステップS7)
通信給電回路5fは、外部のセンサ機器3から受信したセンサ情報に含まれた人検知情報に基づいて、人の存在が有りかどうか判定する。通信給電回路5fが、人の存在が有りと判定した場合(YES)、処理はステップS8へ進む。一方、通信給電回路5fが、人の存在が無しと判定した場合(NO)、処理はステップS14へ進む。
【0029】
(ステップS8)
通信給電回路5fは、制御回路5dに点灯信号を通知する。その後、処理はステップS9へ進む。
【0030】
(ステップS9)
制御回路5dは、バッテリ7から供給される電源をもとに点灯回路5bにて電力を生成してLED光源6を点灯させる。その後、処理はステップS10へ進む。
【0031】
(ステップS10)
通信給電回路5fは、外部のセンサ機器3への電力供給(電圧印加)を停止する。その後、処理はステップS11へ進む。
【0032】
(ステップS11)
制御回路5dは、LED光源6の点灯時間が予め設定された一定時間を超えているかどうか判定する。制御回路5dが、LED光源6の点灯時間が一定時間を超えていると判定した場合(YES)、処理はステップS1へ戻る。一方、制御回路5dが、LED光源6の点灯時間が一定時間を超えていないと判定した場合(NO)、処理はステップS11を繰り返す。つまり、通信給電回路5fは、LED光源6を点灯開始してから一定時間の間は、外部のセンサ機器3への電力供給を開始せず、且つ、外部のセンサ機器3からセンサ情報を受信しない。
【0033】
(ステップS12)
制御回路5dは、LED光源6を不点灯させる。具体的には、制御回路5dは、LED光源6が不点灯かどうか判定し、点灯していると判定した場合は不点灯させ、不点灯であると判定した場合は不点灯を継続する。その後、処理はステップS13へ進む。
【0034】
(ステップS13)
制御回路5dは、充電回路5aを用いてバッテリ7を充電させる。その後、処理はステップS1へ戻る。
【0035】
(ステップS14)
制御回路5dは、LED光源6を不点灯させる。具体的には、制御回路5dは、LED光源6が不点灯かどうか判定し、点灯していると判定した場合は不点灯させ、不点灯であると判定した場合は不点灯を継続する。その後、処理はステップS1へ戻る。
【0036】
図4は、実施の形態に係る防災照明器具2を備えた防災照明システム100の概要を示す図である。実施の形態に係る防災照明システム100では、図4に示すように、センサ機器3にて商用電源1bからの電力供給が有る場合(常用時)はセンサ機器3から一般照明器具4へ、センサ機器3にて商用電源1bからの電力供給が無い場合(非常時)はセンサ機器3から防災照明器具2へ、それぞれセンサ情報を伝送できる構成を取る。そうすることで、防災照明器具2にセンサを搭載する必要がなく、複数の防災照明器具2でセンサを共有することで高価であるセンサの数を減らし、従来のセンサ搭載の防災照明器具を用いる場合よりも安価で同様の効果を提供することが可能となる。そして、電池の電荷量を有効活用でき、商用電源1bからの電力供給が無い場合にLED光源6の点灯時間が短くなることを抑制することができる。
【0037】
なお、実施の形態に係る防災照明器具2および防災照明システム100は、その特徴を失わない範囲において様々な変形をなし得る。例えば、照明器具およびセンサ機器等の数は限定されない。
【0038】
以上、実施の形態に係る防災照明器具2は、LED光源6と、バッテリ7と、商用電源1aからの電力をもとにバッテリ7を充電する充電回路5aと、バッテリ7の電荷を利用してLED光源6を点灯させる点灯回路5bと、バッテリ7の電圧を検出するバッテリ電圧検出回路5eと、バッテリ7の電荷を利用して外部のセンサ機器3に電力供給するとともに、センサ機器3からの情報を受信し、該センサ情報に基づいて点灯信号を通知する通信給電回路5fと、商用電源1aからの電力供給の有無を検出する停電検出回路5cと、停電検出回路5cにより停電信号が通知され、且つ、通信給電回路5fにより点灯信号が通知されると、バッテリ7からの電源をもとに点灯回路5bにて電力を生成してLED光源6を点灯させる制御回路5dと、を備えたものである。
【0039】
実施の形態に係る防災照明器具2によれば、外部のセンサ機器3からセンサ情報を受信する構成となっており、防災照明器具2にセンサを搭載する必要がないので、防災照明器具2の構造を簡易化することができる。また、防災照明システム100が複数の防災照明器具2を備える場合において、複数の防災照明器具2でセンサを共有することで高価であるセンサの数を減らすことができるので、コストを低減することができる。
【0040】
また、実施の形態に係る防災照明器具2において、通信給電回路5fは、商用電源1bからの電力供給が有る場合、センサ機器3への給電を停止するとともに、センサ情報の受信を停止し、商用電源1bからの電力供給が無い場合、センサ機器3への給電を開始するとともに、センサ情報を受信するものである。
【0041】
実施の形態に係る防災照明器具2によれば、商用電源1bから電力供給があるときは、バッテリの電荷を利用した外部のセンサ機器3への給電を停止し、バッテリの電荷量の低下を抑制してバッテリの電荷量を保つ。そうすることで、商用電源1bからの電力供給が無い場合にLED光源6の点灯時間が短くなることを抑制することができる。
【0042】
また、実施の形態に係る防災照明器具2において、通信給電回路5fは、LED光源6を点灯開始してから予め設定された一定時間の間は、センサ機器3に電力の給電を開始せず、センサ情報を受信しないものである。
【0043】
実施の形態に係る防災照明器具2によれば、センサ機器3に応じてLED光源6を点灯させた場合、一定時間、照度値および人検知情報は変更しないことが想定される。このとき、センサ機器3への給電およびセンサ情報の受信を行うと、バッテリの電荷量を消費するのにも関わらず、センサ情報がLED光源6の点灯条件の変更に与える影響が低い。そのため、センサ機器3への給電を開始せず、センサ情報を受信しないことでバッテリの電荷量の低下を抑制し、LED光源6の点灯時間が短くなることを抑制することができる。
【0044】
また、実施の形態に係る防災照明器具2において、通信給電回路5fは、センサ情報に基づいて、照度値が予め設定された閾値以下、且つ、人の存在が有りと判定した場合、制御回路5dに点灯信号を通知するものである。
【0045】
非常灯は、地震などの災害によって商用電源からの給電が停止した時に用いられる。しかしながら、照明器具の周りに人がいない場合、点灯されたLED光源を利用する人がおらず、また、照度値が一定値以上の場合はLED光源がなくとも照度がある。このとき、照明器具は、バッテリの電荷量を消費してLED光源を点灯させているが、災害などにおける避難に対する寄与度が低い。そこで、実施の形態に係る防災照明器具2によれば、防災照明器具2の周りに人がおり、周囲の照度が低い場合にLED光源6を点灯させることで、災害における避難に寄与することができる。また、バッテリの電荷量の低下を抑制することができるので、LED光源6の点灯が短くなることを抑制することができる。
【0046】
また、実施の形態に係る防災照明システム100は、上記の防災照明器具2と、防災照明器具2および一般照明器具4の外部に設けられ、商用電源1bからの電力供給が有る場合は一般照明器具4へ情報を伝達するセンサ機器3と、を備えたものである。
【0047】
実施の形態に係る防災照明システム100によれば、外部に設けられた一般照明器具用のセンサ機器を用いて、商用電源1bからの給電が停止した時のセンサ機器3への給電およびセンサ情報の受信を行うことで、防災照明器具2の構成が簡易になる。
【0048】
なお、実施の形態に係る防災照明システム100において、センサ機器3は、照度センサ、人感センサあるいは画像センサであると記載したが、それに限定されない。たとえば、センサ機器3は、音声センサまたは振動センサでもよく、防災照明器具2の周囲の環境を計測するものであればよい。センサ機器3が音声センサである場合、たとえば、騒音値を閾値としてLED光源6の点灯および消灯を制御させてもよいし、特定の語句をトリガーとしてLED光源6の点灯および消灯を制御させてもよい。また、センサ機器3が振動センサである場合、たとえば、加速度を閾値としてLED光源6の点灯および消灯を制御させてもよい。
【0049】
実施の形態に係る防災照明システム100は、防災照明器具2の外側にセンサ機器3が配置されているため、防災照明器具2を共通にしてさまざまなセンサ機器3と組み合わせて防災照明器具の点灯および消灯の制御が可能である。
【0050】
また、従来の照明器具は、照明器具にセンサ機器が取り付けられており、照明器具の設置位置がセンサの検出範囲によって制限を受けるおそれがあった。一方、実地の形態に係る防災照明システム100は、防災照明器具2の外側にセンサ機器3が取り付けられているため、防災照明器具2の設置位置の制限が緩和される。
【0051】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0052】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0053】
(付記1)
LED光源と、
バッテリと、
商用電源からの電力をもとに前記バッテリを充電する充電回路と、
前記バッテリの電荷を利用して前記LED光源を点灯させる点灯回路と、
前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出回路と、
前記バッテリの電荷を利用して外部のセンサ機器に給電するとともに、前記センサ機器からセンサ情報を受信し、該センサ情報に基づいて点灯信号を通知する通信給電回路と、
商用電源からの電力供給の有無を検出する停電検出回路と、
前記停電検出回路により停電信号が通知され、且つ、前記通信給電回路により前記点灯信号が通知されると、前記バッテリからの電源をもとに前記点灯回路にて電力を生成して前記LED光源を点灯させる制御回路と、を備えた
防災照明器具。
(付記2)
前記通信給電回路は、
商用電源からの電力供給が有る場合、前記センサ機器への給電を停止するとともに、前記センサ情報の受信を停止し、
商用電源からの電力供給が無い場合、前記センサ機器への給電を開始するとともに、前記センサ情報を受信する
付記1に記載の防災照明器具。
(付記3)
前記通信給電回路は、
前記LED光源を点灯開始してから予め設定された一定時間の間は、前記センサ機器に電力の給電を開始せず、前記センサ情報を受信しない
付記2に記載の防災照明器具。
(付記4)
前記通信給電回路は、
前記センサ情報に基づいて、照度値が予め設定された閾値以下、且つ、人の存在が有りと判定した場合、前記制御回路に前記点灯信号を通知する
付記1~3のいずれか一項に記載の防災照明器具。
(付記5)
付記1~4のいずれか一項に記載の防災照明器具と、
前記防災照明器具および一般照明器具の外部に設けられ、商用電源からの電力供給が有る場合は前記一般照明器具へ情報を伝達する前記センサ機器と、を備えた
防災照明システム。
【符号の説明】
【0054】
1a 商用電源、1b 商用電源、2 防災照明器具、3 センサ機器、4 一般照明器具、5 防災照明装置、5a 充電回路、5b 点灯回路、5c 停電検出回路、5d 制御回路、5e バッテリ電圧検出回路、5f 通信給電回路、6 LED光源、7 バッテリ、10 第一配線、11 第二配線、100 防災照明システム。
図1
図2
図3
図4