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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039808
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144440
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】503106797
【氏名又は名称】株式会社エンターライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹端 洸彩
(72)【発明者】
【氏名】相地 潤
(72)【発明者】
【氏名】南 宗樹
(72)【発明者】
【氏名】内海 一弥
(72)【発明者】
【氏名】小倉 寛規
【テーマコード(参考)】
2C518
【Fターム(参考)】
2C518AA07
2C518CA03
2C518CA10
2C518EA01
2C518EA02
2C518EB01
2C518EB16
2C518FA06
(57)【要約】
【課題】本開示は、遊技者の興趣性を向上させる演出が行われる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】遊技機は、所定演出が実行される第1状態と、前記第1状態から移行可能であって、前記第1状態の進行が有利となる有利度に関する情報を報知する報知演出を実行可能な第2状態とが設けられ、前記第1状態の進行に関する所定条件が成立したことに基づいて、前記第2状態で実行される前記報知演出に登場する1以上の対象を複数の前記対象の中から選択する制御を行うことがある制御部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定演出が実行される第1状態と、前記第1状態から移行可能であって、前記第1状態の進行が有利となる有利度に関する情報を報知する報知演出を実行可能な第2状態とが設けられ、
前記第1状態の進行に関する所定条件が成立したことに基づいて、前記第2状態で実行される前記報知演出に登場する1以上の対象を複数の前記対象の中から選択する制御を行うことがある制御部を備える、
遊技機。
【請求項2】
前記第2状態から前記第1状態へ移行可能であって、
前記制御部は、
前記所定条件が成立するごとに、前記第2状態を経由させてから、または前記第2状態を経由させずに前記第1状態を繰り返し実行することがある、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2状態では、前記報知演出に登場する1以上の前記対象が前記第2状態ごとに異なる場合がある、
請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記報知演出において、前記所定条件が成立する可能性を高める複数の前記対象の組み合わせを報知することがある、
請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
所定数の遊技期間が保障された特定状態を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記特定状態の進行に関する所定条件が成立した際に前記特定状態が残りの遊技期間を有する場合、複数の対象の中から1以上の前記対象を選択する選択処理と、前記選択処理で選択された1以上の前記対象が登場する演出を前記特定状態の残りの遊技期間で実行する実行処理とを実行し、
前記所定条件が成立した際に前記特定状態が残りの遊技期間を有するごとに、前記選択処理および前記実行処理を実行することがある、
遊技機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記所定条件が成立するごとに、保障された遊技期間を再設定して前記特定状態を繰り返し実行することがある、
請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記特定状態では、前記実行処理の演出に登場する1以上の前記対象が前記特定状態ごとに異なる場合がある、
請求項6に記載の遊技機。
【請求項8】
前記制御部は、
前記実行処理の演出において、前記所定条件の成立に関して有益な有益情報を報知することがある、
請求項5に記載の遊技機。
【請求項9】
前記有益情報は、前記所定条件が成立する可能性を高める複数の前記対象の組み合わせである、
請求項8に記載の遊技機。
【請求項10】
複数の前記対象には、前記所定条件の成立を左右する属性が設定され、同じ前記属性が設定された前記対象が複数設けられており、
前記制御部は、
複数の対象の中から1以上の前記対象を選択する場合、前記所定条件が成立する可能性を高める前記属性が設定された前記対象を少なくとも1つ選択することがある、
請求項1または5に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、遊技機の稼働状況に応じた設定値の示唆を行うことで、遊技の幅を広げることが可能な遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-51142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、上記の設定値の示唆などの種々の演出は、画像表示部、ランプ、およびスピーカを含む演出部を用いて行われる。このような演出部を用いた演出を、遊技者の興趣性を向上させる内容とすることについては未だ改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、遊技者の興趣性を向上させる演出が行われる遊技機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、所定演出が実行される第1状態と、前記第1状態から移行可能であって、前記第1状態の進行が有利となる有利度に関する情報を報知する報知演出を実行可能な第2状態とが設けられ、前記第1状態の進行に関する所定条件が成立したことに基づいて、前記第2状態で実行される前記報知演出に登場する1以上の対象を複数の前記対象の中から選択する制御を行うことがある制御部を備える遊技機である。
【0007】
また、第1の側面では、前記第2状態から前記第1状態へ移行可能であって、前記制御部は、前記所定条件が成立するごとに、前記第2状態を経由させてから、または前記第2状態を経由させずに前記第1状態を繰り返し実行することがある遊技機である。
【0008】
また、第1の側面では、前記第2状態では、前記報知演出に登場する1以上の前記対象が前記第2状態ごとに異なる場合がある遊技機である。
【0009】
また、第1の側面では、前記制御部は、前記報知演出において、前記所定条件が成立する可能性を高める複数の前記対象の組み合わせを報知することがある遊技機である。
【0010】
第2の側面は、所定数の遊技期間が保障された特定状態を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記特定状態の進行に関する所定条件が成立した際に前記特定状態が残りの遊技期間を有する場合、複数の対象の中から1以上の前記対象を選択する選択処理と、前記選択処理で選択された1以上の前記対象が登場する演出を前記特定状態の残りの遊技期間で実行する実行処理とを実行し、前記所定条件が成立した際に前記特定状態が残りの遊技期間を有するごとに、前記選択処理および前記演出処理を実行することがある遊技機である。
【0011】
また、第2の側面では、前記制御部は、前記所定条件が成立するごとに、保障された遊技期間を再設定して前記特定状態を繰り返し実行することがある遊技機である。
【0012】
また、第2の側面では、前記特定状態では、前記実行処理の演出に登場する1以上の前記対象が前記特定状態ごとに異なる場合がある遊技機である。
【0013】
また、第2の側面では、前記制御部は、前記実行処理の演出において、前記所定条件の成立に関して有益な有益情報を報知することがある遊技機である。
【0014】
また、第2の側面では、前記有益情報は、前記所定条件が成立する可能性を高める複数の前記対象の組み合わせである遊技機である。
【0015】
また、第1または第2の側面では、複数の前記対象には、前記所定条件の成立を左右する属性が設定され、同じ前記属性が設定された前記対象が複数設けられており、前記制御部は、複数の対象の中から1以上の前記対象を選択する場合、前記所定条件が成立する可能性を高める前記属性が設定された前記対象を少なくとも1つ選択することがある遊技機である。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、遊技者の興趣性を向上させる演出が行われる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】スロットマシンの正面図である。
図2】スロットマシンの構成を模式的に示すブロック図である。
図3】回転リールの図柄の配列の一例を示す図である。
図4】第1遊技状態における状態遷移を説明する図である。
図5】第2遊技状態における状態遷移を説明する図である。
図6】遊技区間の状態遷移を説明する図である。
図7】スロットマシンの動作処理の流れを示すフロー図である。
図8】キャラ紹介演出の第1の表示例である。
図9】キャラ紹介演出の第2の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
本開示の遊技機の実施形態に係るスロットマシン1について、図面を参照して説明する。本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、スロットマシン1の正面を向いて位置している遊技者から見て、スロットマシン1から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向および「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、または上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、スロットマシン1の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0019】
[第1の実施形態]
まず、本実施形態に係るスロットマシン1の第1の実施形態について説明する。
【0020】
<スロットマシンの構成>
図1に示すように、スロットマシン1は筐体10を有する。筐体10の正面には、前面扉100が設けられている。
【0021】
前面扉100の中央部分には、透明性のリール窓200が設けられている。遊技者は、このリール窓200から、後述する複数の回転リール20それぞれの表面に表示された複数の図柄を視認することができる。第1の実施形態では、複数の回転リール20として、筐体10に向かって左から順に配置された、左回転リール20A、中回転リール20B、および右回転リール20Cを備える。
【0022】
リール窓200の上方には、遊技中の各種の演出を行うための液晶画面3、およびスピーカ102が設けられている。
【0023】
液晶画面3は、遊技者の遊技中に各種の演出動画(演出画面)を表示する。
スピーカ102は、所定のBGM(バックグラウンドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)および音声を出力する。
【0024】
リール窓200の右側方と左側方には、前面扉100の枠上に沿って、電飾部103が設けられている。電飾部103は、例えば期待度の高い演出画面が表示されたり、役が入賞したりした場合に、所定のパターンで点灯または消灯する。
【0025】
リール窓200の下方には、遊技に用いる遊技価値としてのメダルのクレジット数、メダルの払い出し枚数、メダルのベット数などを表示するものであって、例えば複数の7セグメントで構成される媒体表示部44が設けられている。
【0026】
筐体10の前面上であって、リール窓200の下方には、前面扉100の前方に向けて突出する操作部4が設けられている。操作部4には、メダル投入部41、ベットスイッチ42、スタートスイッチ43、ストップスイッチ40、演出スイッチ46、および精算スイッチ45が設けられている。
【0027】
メダル投入部41は、操作部4の上面の右側に設けられ、メダルを投入するためのものである。メダル投入部41の投入口付近には、メダルセンサが設けられている。メダルセンサは、投入口へのメダルの投入を検出し、検出信号を後述する制御部6(図2参照)に出力する。
【0028】
ベットスイッチ42は、メダルを設定(ベット)するための操作を受け付けるものである。ベットスイッチ42が操作されると、貯留されたクレジットメダルからメダルがベットされる。第1の実施形態では、ベットスイッチ42は、クレジットメダルから最大投入枚数である「3枚」がベットされるマックスベットスイッチである。
【0029】
スタートスイッチ43は、メダルの投入またはベットスイッチ42の操作を条件に回転リール20を回転させるための操作を受け付けるものである。
【0030】
ストップスイッチ40は、回転リール20の回転を停止させるための操作を受け付けるものである。ストップスイッチ40は、楕円筒形状に形成され、操作部4の左右方向中央に設けられる。また、操作により対応する回転リール20の回転を停止させるため、3個の回転リール20のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ40が設けられている。
【0031】
このストップスイッチ40は、左回転リール20Aを停止させるための左ストップスイッチ40Aと、中回転リール20Bを停止させるための中ストップスイッチ40Bと、右回転リール20Cを停止させるための右ストップスイッチ40Cと、を有している。
【0032】
演出スイッチ46は、ベットスイッチ42の右側に設けられ、遊技者が遊技を行う際に、音量設定、および遊技データの確認などを行うために用いられるものである。また、演出スイッチ46は、遊技中、演出に応じて遊技者により押下されることがある。遊技中に演出スイッチ46が押下された場合、演出に変化が生じる。
【0033】
精算スイッチ45は、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すためのものである。
【0034】
これらの操作部4の各スイッチ付近には、遊技者の操作を検知して制御部6に操作信号を出力するセンサが設けられている。
【0035】
筐体10のうち、操作部4の下方には、メダルの払出口51と、払出口51から払い出されたメダルを貯留するための下皿52とが設けられている。また、筐体10の内部には、メダルの受け入れおよび払い出しを行うホッパーユニット50が設けられている(図2参照)。
【0036】
図2に示すように、スロットマシン1は、回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72を備える。回転リールユニット2、制御部6、RAMクリアボタン71および設定変更ボタン72は、スロットマシン1の主電源をオンおよびオフする電源装置(図示略)などとともに、筐体10の内部に配置されている。
【0037】
回転リールユニット2は、図1および図2に示すように、3つの回転リール20と、3つのステッピングモータ21とを備える。回転リールユニット2は、筐体10の内部において、リール窓200の位置に対応して配置されている。回転リール20それぞれには、図3に示すように、複数の図柄が、当該回転リール20の周方向に沿って間隔を開けて配置されている。ステッピングモータ21は、各回転リール20に対応して設けられており、対応する回転リール20を駆動させる。
【0038】
ステッピングモータ21は、回転リール20の回転中にストップスイッチ40が操作されてから190m秒以内に、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。ステッピングモータ21は、504ステップで1回転する。これにより、回転リール20は、80回転/分の速度で回転する。すなわち、190m秒以内で進めるステップは、127ステップである。
【0039】
これらの回転リール20およびステッピングモータ21は、制御部6における回転リール制御部611(後述)によって、その回転および停止が制御される。
【0040】
RAMクリアボタン71は、制御部6を構成するRAMを初期化するための操作を受け付けるためのボタンである。設定変更ボタン72は、複数段階の設定値のうちのいずれか1つをスロットマシン1に設定する際に、店舗スタッフによって押下されるボタンである。
【0041】
設定値とは、スロットマシン1に投入されたメダルの投入総数に対する、ホッパーユニット50から払い出されたメダルの払出総数の割合を示す出玉率、を表した値である。設定された設定値は、内部抽せんに影響を与える。設定値に応じて、リプレイやベルなどの、各種役の当せん確率が異なるからである。設定値は、店舗開店前に、店舗スタッフによって設定される。
【0042】
<遊技者による遊技の流れ>
遊技者は、必要に応じて、演出スイッチ46を押下してスピーカ102から出力される音量調整、液晶画面3の光度調整を行う。
【0043】
遊技者は、メダル投入部41の投入口からメダルを投入しまたはベットスイッチ42を操作することにより貯留(クレジット)されているメダルを使用して、スロットマシン1にメダルをベットする。スロットマシン1に所定枚数のメダルがベットされると、有効ラインLが有効化される。その後、スタートスイッチ43の操作、すなわち遊技開始が可能となる。
【0044】
図1では、有効ラインLが、右下がりライン、右上がりライン、中段ラインの3本で構成されている場合を例示する。有効ラインLとは、役の入賞を決定するための仮想ラインである。第1の実施形態では、MAX BET(マックスベット)となる3枚ベット(3枚掛け)をした場合に、3本のラインLが有効化される。
【0045】
以下では、ベルやスイカなどのメダルの払い出しのある役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインL上に揃うことのみならず、特殊リプレイ、チャンス目、ボーナスなどの役に対応する図柄の組み合わせが有効ラインL上に揃うことも、「入賞」と表現する。
【0046】
第1の実施形態における1ゲーム(1遊技)とは、遊技者がベットスイッチ42、スタートスイッチ43およびストップスイッチ40を操作して、メダルの払い出し処理を含む遊技の結果を得る一連の動作を云う。
【0047】
具体的には、遊技開始可能な状態でスタートスイッチ43が操作(レバーオン)されると、当せんフラグを決定する内部抽せんが行われるとともに、各回転リール20の回転が開始する。この状態で、ストップスイッチ40のいずれかが操作されると、その操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20が停止する。すべての回転リール20が停止し、有効ラインLに揃った(入賞した)図柄の組み合わせ(役)に応じて、所定枚数のメダルが払い出される。これにより、1ゲームが終了する。
【0048】
遊技者は、上記ゲームを繰り返し行う。ゲームが繰り返されることに応じて遊技が進行していき、液晶画面3の表示やスピーカ102からの音の出力は、遊技進行に応じて変化していく。
【0049】
<遊技状態について>
遊技中は、遊技区間および遊技状態の各種類が設定され、設定された遊技区間および遊技状態の各種類に基づいて内部抽せんが行われる。遊技状態には、図4および図5に示すように、第1遊技状態および第2遊技状態が含まれる。なお、第1遊技状態および第2遊技状態は、排他的に成立する遊技状態ではなく、説明の便宜上区別するために分類した状態にすぎない。
【0050】
第1遊技状態は、図4に示すように、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態を含む。特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態は、排他的に成立する関係にある。
【0051】
特別役非持ち越し状態とは、内部抽せんにより当せんした特別役(一種BBおよび二種BB)の入賞が持ち越されていない状態をいう。特別役非持ち越し状態は、RAMクリアボタン71を用いてRAMが初期化された場合、特別役実施状態に移行してから払い出しメダルの枚数が所定枚数(例えば180枚)を超えた場合などの、所定条件を満たした場合に設定される。特別役持ち越し状態にて特別役が入賞した場合(すなわち所定条件を満たした場合)、第1遊技状態は、一時的ではあるが特別役非持ち越し状態に設定される。
【0052】
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより特別役が当せんしてはいるものの、当該特別役の入賞が持ち越されている状態をいう。つまり、特別役持ち越し状態とは、内部抽せんによって、特別役のフラグが当せんしたが、当該特別役を示す図柄が有効ラインL上に揃っておらず、よって特別役が未だ入賞していない状態をいう。
【0053】
ここで、一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置であって、ビッグボーナスなどが該当する。二種BBは、3枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。二種BBは、二種特別役物に係る役物連続作動装置であって、例えば2枚掛け時に当せんする可能性のある特別役である。特別役では、任意の特別役(例えば一種BB)の入賞が持ち越された状態にある場合、他の特別役(例えば二種BB)の抽せんは行われない。
【0054】
第1遊技状態が特別役非持ち越し状態である場合に特別役が当せんすると、第1遊技状態は、特別役非持ち越し状態から、当せんした当該特別役の入賞が持ち越された状態(特別役持ち越し状態)に移行する。
【0055】
当せんした特別役が入賞すると、第1遊技状態は、特別役持ち越し状態から、特別役非持ち越し状態を一時的に介して特別役実施状態に移行する。一種BBまたは二種BBが入賞したことによって第1遊技状態が特別役実施状態に移行すると、一種BBまたは二種BBによるメダルの払い出し枚数が所定枚数を超えるまで、特別役実施状態が維持される。
【0056】
更に詳細に、特別役実施状態には、一種BB実施状態、二種BB実施状態、およびRB実施状態が含まれる。一種BBが実施されている一種BB実施状態の間に、内部抽せんによってRBが当せんし入賞した場合、特別役実施状態は、一種BB実施状態からRB実施状態に移行する。RB実施状態において12ゲーム消化または特定役が8回入賞することで、特別役実施状態は、一種BB実施状態に移行する。
【0057】
第2遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、図5に示すように、通常状態およびAT状態を含む。通常状態とAT状態とは、排他的に成立する関係にある。
【0058】
通常状態とは、AT状態でない状態、つまりアシスト機能が発生しない状態である。例えば、RAMクリア後やAT終了後などからAT抽せんに当せんするまでの間、第2遊技状態は通常状態に設定される。一例として、遊技区間が有利区間である場合に、AT抽せんは、内部抽せんにより当せんした役(レア役など)に応じて行われる。
【0059】
AT状態とは、内部抽せんにより当せんしたストップスイッチ40の正解押し順(正解操作順)のある押し順役の正解押し順を、液晶画面3やスピーカ102を介して報知するアシスト機能(AT機能)が働いている状態である。AT状態では、内部抽せんで押し順役に当せんした場合は、当該押し順役に対応する正解押し順が報知される。第1の実施形態では、AT状態として、AT準備パートおよびAT本番パートが設けられている。AT本番パートは「特定状態」の一例である。
【0060】
AT準備パートは、遊技区間が有利区間である場合に通常状態でAT抽せんに当せんまたはAT状態へ移行するための天井ゲーム数を消化したときに、通常状態から移行する状態である。
【0061】
AT準備パートでは、移行するバトルパートの種類を決定する種類決定抽せんが行われ、3種類の中からいずれかの種類が決定される。詳細は後述するが、一例として、バトルパートは、種類A、種類B、および種類Cの3種類が設けられている。
【0062】
AT準備パートでは、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する敵のキャラクタ(以下、「敵キャラ」とする)を決定する敵キャラ決定抽せんが行われる。一例として、バトル演出に登場する敵キャラの候補は、バトルパートの種類に応じて予め定められており、種類決定抽せんで決定された種類に応じた候補の中から1体が敵キャラ決定抽せんで決定される。具体的には、バトルパートの種類Aに登場する敵キャラの候補は、敵キャラAおよび敵キャラBの2体であり、敵キャラ決定抽せんで決定されたいずれかが、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する。また、バトルパートの種類Bに登場する敵キャラの候補は、敵キャラC、敵キャラDおよび敵キャラEの3体であり、敵キャラ決定抽せんで決定されたいずれかが、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する。さらに、バトルパートの種類Cに登場する敵キャラの候補は、敵キャラFおよび敵キャラGの2体であり、敵キャラ決定抽せんで決定されたいずれかが、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する。キャラクタは「対象」の一例である。
【0063】
AT準備パートでは、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する味方のキャラクタ(以下、「味方キャラ」とする)の組み合わせを決定する味方キャラ決定抽せんが行われる。一例として、バトル演出に登場する味方キャラの候補は、味方キャラ1から味方キャラ10までの10体であり、味方キャラ決定抽せんで決定された複数の味方キャラが、移行したバトルパートで実行されるバトル演出に登場する。また、AT準備パートでは、味方キャラ決定抽せんで決定された複数の味方キャラが所定場所に集合する演出が液晶画面3に表示される。なお、複数の味方キャラはそれぞれ、末尾の数字に対応するパラメータが付与されている。たとえば、味方キャラ1はパラメータとして「1」、味方キャラ2はパラメータとして「2」が付与されている。
【0064】
ここで、AT準備パートにおいて所定条件が成立した場合は、第3停止時にAT本番パートへの移行を促す演出が行われ、AT準備パートからAT本番パート、具体的には、バトルパートに移行する。一例として、上記の所定条件は、種類決定抽せんで決定された種類のバトルパートへの移行に係る移行役が入賞した場合に成立する。
【0065】
AT本番パートは、バトルパートおよびキャラ紹介パートの2つのパートが設けられている。バトルパートは「第1状態」の一例であり、キャラ紹介パートは「第2状態」の一例である。
【0066】
バトルパートでは、上記のバトル演出が実行される。一例として、バトル演出では、味方キャラ決定抽せんで決定された複数の味方キャラと、敵キャラ決定抽せんで決定された敵キャラとが戦う(バトルする)様子が液晶画面3およびスピーカ102を用いて報知される。バトル演出は「所定演出」および「実行処理の演出」の一例である。
【0067】
ここで、バトルパートでは、バトル演出に登場する敵キャラの種類に応じた保障ゲーム数が定められている。一例として、敵キャラAは「100ゲーム」、敵キャラBは「60ゲーム」、敵キャラCは「50ゲーム」、敵キャラDは「40ゲーム」、敵キャラEは「40ゲーム」、敵キャラFは「30ゲーム」、敵キャラGは「20ゲーム」の保障ゲーム数が定められている。
【0068】
また、バトルパートでは、1ゲームごとの内部抽せんで当せんした役(当せん役)に応じたダメージを敵キャラに与えることができる。たとえば、当せん役がベルの場合には「10ダメージ」、当せん役がレア役の場合には「50ダメージ」を敵キャラに与えることができる。
【0069】
次に、バトルパートの終了条件について説明する。当該終了条件は、バトル勝利とバトル敗北とがある。バトル勝利は、1ゲームごとに、敵キャラに応じて定められたヒットポイント(以下、「敵HP」とする)から当せん役に応じたダメージを減算していき、後述する敗北条件が成立するまでに敵HPを「0」にした場合に成立する終了条件である。なお、敵HPは、バトルパートの保障ゲーム数が多いほど、多く設定されている。そして、バトル勝利となった場合は、バトルパートが繰り返し実行可能となる。バトル勝利は「所定条件が成立」の一例である。
【0070】
バトル敗北は、敗北条件が成立した場合に成立する終了条件である。一例として、敗北条件は、保障ゲーム数がなくなったあとの当せん役に基づいて成立する。つまり、バトル演出は、保障ゲーム数がなくなったあとも、敗北条件が成立するまで継続する。そして、敗北条件は、保障ゲーム数がなくなったあとの当せん役が押し順ベルで、当該押し順ベルに入賞できなかった場合に成立してもよいし、保障ゲーム数がなくなったあとの当せん役が所定のリプレイである場合に成立してもよい。
【0071】
ここで、バトル勝利となったゲームにおいて、保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ある場合、AT本番パートは、バトルパートからキャラ紹介パートへ移行する。一方、バトル勝利となったゲームにおいて、当該の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ない場合は、次のバトルパートの種類、次のバトルパートで実行されるバトル演出に登場する敵キャラおよび味方キャラが設定されたのち、次ゲームから次のバトルパートが開始される。
【0072】
また、バトル敗北となった場合、第2遊技状態は、次ゲームから通常状態に移行する。これにより、AT状態が終了する。
【0073】
キャラ紹介パートでは、バトルパートの進行が有利となる有利度に関する情報、換言すると、バトル勝利に関して有益な有益情報を報知するキャラ紹介演出が実行される。キャラ紹介演出では、上記の有利度に関する情報または有益情報の一例として、バトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせが液晶画面3およびスピーカ102を用いて報知される。キャラ紹介演出は「報知演出」の一例である。
【0074】
第1の実施形態では、バトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせを「キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせ」としている。一例として、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせがバトル演出に登場した場合は、当せん役に応じて敵キャラに与えるダメージが2倍となる。
【0075】
ここで、キャラ紹介演出は、バトルパートの保障ゲーム数の残りゲーム数がなくなるまで実行される。一例として、バトルパートの保障ゲーム数が「60ゲーム」で、40ゲーム目にバトル勝利となった場合は、キャラ紹介演出が「20ゲーム」実行される。そして、保障ゲーム数の残りゲーム数がなくなった場合は、次のバトルパートの種類、次のバトルパートで実行されるバトル演出に登場する敵キャラおよび味方キャラが設定されたのち、次ゲームからバトルパートに移行する。なお、上記のように、キャラ紹介演出は、バトルパートの保障ゲーム数の残りゲーム数がなくなるまで実行されるため、バトルパートの保障ゲーム数は「AT本番パートの保障ゲーム数」と言い換えることもできる。
【0076】
<遊技区間について>
上述した遊技区間とは、アシスト機能に関する処理が行われるか否かを決定するための区間である。図6に示すように、遊技区間は、通常区間と有利区間とを有する。通常区間と有利区間とは排他的な関係にあり、遊技区間は、通常区間または有利区間のいずれかを採り得る。
【0077】
通常区間とは、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行できないが、有利区間への区間移行抽せんが行われる区間である。通常区間にて遊技が行われた結果、当せん役に応じて、遊技区間は通常区間から有利区間へと移行する。なお、第2遊技状態が通常状態である間に、遊技区間は通常区間を採ることができる。
【0078】
有利区間は、アシスト機能に関する処理およびAT抽せんを実行可能な区間である。有利区間には、第2遊技状態が通常状態で進行する有利区間と、AT状態で進行する有利区間とが含まれる。遊技区間が有利区間に移行してから所定の終了条件を満たすまでの間、遊技区間が有利区間である状態は維持される。
【0079】
<制御部の構成>
図2に戻って、制御部6は、主に、メイン制御部61およびサブ制御部63を有する。メイン制御部61は、内部抽せんや回転リール20の制御など、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部63は、メイン制御部61から送信された信号や演出スイッチ46が押下されたことに基づいて、演出に関する制御を行う。制御部6は「制御部」の一例である。
【0080】
メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれは、CPU、RAMおよびROMで構成される。メイン制御部61およびサブ制御部63それぞれのROMには、遊技進行に必要なプログラムが記憶されている。メイン制御部61のRAMには、遊技進行に必要な遊技データが記憶される。遊技データには、内部抽せんの結果、各遊技状態および遊技区間がどの状態または区間であるかを示すデータなどが含まれる。サブ制御部63のRAMには、演出制御に関する各種データなどが記憶される。
【0081】
CPUがROM内のプログラムを読み出して実行することにより、メイン制御部61は、内部抽せん部610、回転リール制御部611、遊技結果判定部612、媒体管理部613、遊技進行制御部614、区間制御部615、および遊技状態制御部616として機能する。サブ制御部63は、演出制御部630として機能する。
【0082】
―内部抽せん部―
内部抽せん部610は、スタートスイッチ43の操作に基づいて内部抽せんを行い、複数の役の少なくともいずれか1つに当選するか否かを決定する。具体的に、内部抽せん部610は、スタートスイッチ43が操作された時の第1遊技状態などに基づいて、内部抽せんテーブル(図示せず)およびスタートスイッチ43が操作された時に取得される乱数に従って内部抽せんを行う。内部抽せん部610は、内部抽せんの結果に基づいて、内部抽せん結果信号を生成する。内部抽せん結果信号は、内部抽せん部610から回転リール制御部611および遊技進行制御部614などに送信される。
【0083】
内部抽せんテーブルは、内部抽せんにより当せんする可能性のある役の情報を示したものである。内部抽せん部610は、内部抽せんテーブルを基に、スタートスイッチ43操作時のRT状態、ボーナス中か否か、設定値、の組み合わせに応じて内部抽せんを行う。なお、内部抽せんテーブルに示された役の情報には、図柄の組み合わせと、その組み合わせに対応する役とが、関連付けて1以上設定されている。当該役には、メダルの払い出しが行われないはずれ役の他、メダルの払い出しのある押し順役が含まれる。
【0084】
AT状態で遊技が行われる場合には、押し順役が内部抽せんにより当せんする場合がある。押し順役が当せんし、その押し順通りにストップスイッチ40が押下された場合には、当該押し順役が入賞し、その役に応じた複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。押し順役が当せんしたにも関わらず、押し順通りにストップスイッチ40が押下されなかった場合には、当該押し順役は入賞しないか、またはその他の役(1枚役など)が入賞する。
【0085】
なお、押し順役は、通常状態中にも当せんしている。通常状態中に押し順役が成立した場合、正解押し順の報知はされないため、押し順役は取りこぼされたり払い出しが1枚となったりする。AT状態中は、正解押し順が報知されるため、複数枚(例えば8枚)のメダルが払い出される。
【0086】
―回転リール制御部―
回転リール制御部611は、スタートスイッチ43または各ストップスイッチ40の操作に基づいて、ステッピングモータ21の駆動を制御し、各回転リール20の回転を開始させる回転開始制御または回転を停止させる回転停止制御を行う。
【0087】
具体的には、回転リール20全ての回転が停止している状態にて、スタートスイッチ43が操作された場合、回転リール制御部611は、回転リール20全ての回転を開始させる。少なくとも1つの回転リール20の回転中に、回転中の回転リール20に対応するストップスイッチ40が操作された場合、回転リール制御部611は、操作されたストップスイッチ40に対応する回転リール20の回転を停止させる。
【0088】
回転停止制御では、回転リール制御部611は、ストップスイッチ40の操作に基づいて、当せん役に対応する図柄の組み合わせが、回転リール20の有効ラインL上に配置されることでその役が入賞するように、回転リール20の回転を停止させることができる。
【0089】
また、回転停止制御では、回転リール制御部611は、当せん役と、各ストップスイッチ40操作時の回転リール20の位置とに応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御とは、当せん役に対応する図柄を有効ラインL上に引き込むようにして、回転リール20の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御とは、当せんしていない役に対応する図柄が有効ラインL上に揃わないように、回転リール20の回転を停止させる制御である。
【0090】
―遊技結果判定部―
遊技結果判定部612は、内部抽せんおよび回転リール20の回転停止制御の各結果に基づいて遊技結果を判定する。遊技結果とは、有効ラインL上に揃った図柄に基づいて、当せん役が入賞したか否かが判定された結果を意味する。具体的には、有効ラインL上に停止した図柄の組み合わせと、予め定められている所定の図柄の組み合わせとが一致した場合に、遊技結果判定部612は、当せん役が入賞したと判定する。
【0091】
―媒体管理部―
媒体管理部613は、クレジット数の増減制御、およびホッパーユニット50によるメダルの払い出し動作の制御を行う。
【0092】
具体的に、媒体管理部613は、メダルがベットされた場合には、メダルのベット数に応じてクレジット数を減少させ、メダルがクレジットされた場合には、クレジット数を増加させる。
【0093】
当せん役が遊技者の操作に基づいて入賞した場合、媒体管理部613は、入賞した役の種類に基づくメダルの払い出し枚数に基づいて、クレジット数を増加させる。
【0094】
また、媒体管理部613は、遊技結果判定部612が判定した遊技結果の他、精算スイッチ45の操作により出力された操作信号に基づいて、ホッパーユニット50を制御する。
【0095】
具体的に、当せん役の入賞により得られたメダルは、先ずはクレジットとして貯留される。メダルを貯留した結果、クレジット数がその上限(例えば50枚)を超えた場合には、上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、貯留中のメダルが一枚以上ある状態で精算スイッチ45が操作された場合、貯留中のメダルの少なくとも一部がホッパーユニット50から払い出される。
【0096】
更に、媒体管理部613は、有利区間において、メダルの差枚数、および/または差枚数の最大値と最小値との差であるレンジ(MY)を算出する。メダルの差枚数および/またはレンジ(MY)は、区間制御部615に送信される。なお、媒体管理部613は、有利区間終了後に、メダルの差枚数および/またはレンジ(MY)をリセットする。
【0097】
―遊技進行制御部―
遊技進行制御部614は、遊技者の操作に基づいて遊技進行を制御する。その際、遊技進行制御部614は、店舗スタッフにより設定された設定値に基づいて、当該遊技者による遊技進行を制御する。
【0098】
また、遊技進行制御部614は、RAMクリアボタン71が押下された場合、メイン制御部61のRAMを初期化することで、遊技データをリセットする。遊技進行制御部614は、設定変更ボタン72が押下された場合、現在の設定値を他の設定値に変更する。
【0099】
―区間制御部―
区間制御部615は、遊技者による遊技の際、複数の遊技区間(通常区間および有利区間)のうちいずれかを設定する。
【0100】
具体的には、区間制御部615は、遊技区間が通常区間である場合に、通常区間の状態を維持するか、それとも有利区間に移行するかの区間移行抽せんを行う。所定の抽せん対象役が当せんした際に、区間移行抽せんを行うか否かの抽せんが行われ、その結果当せんした場合に、区間移行抽せんが行われる。区間移行抽せんに当せんした場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間に設定(移行)する。
【0101】
なお、区間移行抽せんの当せん確率は、設定値に応じて異なっていてもよい。一例としては、設定値に応じて、前記所定の抽せん対象役の当せん確率が異なっているか、または、前記所定の当せん対象役の当せん時に行われる、区間移行抽せんの当せん確率が異なっていることが挙げられる。
【0102】
また、区間制御部615は、遊技区間が有利区間である場合には、有利区間の状態を維持するか、通常区間に移行するかを決定する。例えば、区間制御部615は、遊技区間が有利区間の時に、第2遊技状態がAT状態から通常状態に移行したか否かを判定する。通常状態に移行したと判定した場合、区間制御部615は、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。
【0103】
また、区間制御部615は、有利区間の状態での消化ゲーム数が上限ゲーム数である4000ゲームに達した場合、または、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に達した場合、遊技区間を、有利区間から通常区間に強制的に移行させる。
【0104】
また、区間制御部615は、遊技データがリセットされた場合、リセット直前の遊技区間いかんにかかわらず、遊技区間を通常区間に設定する。
【0105】
―遊技状態制御部―
遊技状態制御部616は、第1遊技状態および第2遊技状態それぞれの設定を行う。
具体的には、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を、特別役非持ち越し状態、特別役持ち越し状態および特別役実施状態のいずれかに設定し、第2遊技状態を、通常状態またはAT状態に設定する。
【0106】
一例として、図4に示すように、遊技状態制御部616は、メイン制御部61のRAMクリアなどの所定条件が満たされた場合は、第1遊技状態を特別役非持ち越し状態に設定する。内部抽せんにより特別役が当せんした直後、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役持ち越し状態に設定する。その特別役が入賞した場合、遊技状態制御部616は、第1遊技状態を特別役実施状態に設定する。
【0107】
また、図5に示すように、遊技状態制御部616は、AT抽せんの結果に基づいて、第2遊技状態をAT状態に設定するか否か(すなわち、ATに当せんしたか否か)を判定する。有利区間の間にAT抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態、具体的には、AT準備パートに設定する。逆に、AT抽せんに当せんしなかった場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態を通常状態に設定することができる。また、ATが終了した場合、遊技状態制御部616は、第2遊技状態をAT状態から通常状態に移行させる。
【0108】
ここで、遊技状態制御部616は、バトル演出において、バトル勝利となった場合、具体的には、バトル勝利となった際に保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ある場合、キャラ紹介演出に登場するキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせを選択する選択抽せんを行う。一例として、遊技状態制御部616は、上記したパラメータの合計値が所定値、たとえば「10」になるように、選択抽せんでキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせを選択する。具体的には、選択抽せんでは、味方キャラ2、3、5の組み合わせ、味方キャラ1、3、6の組み合わせ、または味方キャラ1、9の組み合わせなどが選択される。なお、味方キャラのパラメータを示す1から10までの数字には、各数字に応じた意味合い(例:1から3→サポートキャラ、4から6→遠距離攻撃キャラ、7から10→近距離攻撃キャラ)があり、選択抽せんでは、当該意味合いを踏まえた味方キャラの組み合わせが選択される。そのため、選択抽せんでは、パラメータの合計値が「10」になるとしても、各数字に応じた意味合いから選択されない味方キャラの組み合わせが存在する。つまり、選択抽せんで選択されるパラメータの合計値が「10」になる味方キャラの組み合わせは、各数字に応じた意味合いを踏まえた、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせとなっている。
【0109】
また、遊技状態制御部616は、バトル勝利となるごとに、キャラ紹介パートを経由させてから、またはキャラ紹介パートを経由させずにバトルパートを繰り返し実行する。具体的には、バトル勝利となったゲームにおいて、保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ある場合、遊技状態制御部616は、キャラ紹介パートを経由させてから次のバトルパートを開始させる。また、バトル勝利となったゲームにおいて、保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ない場合、遊技状態制御部616は、キャラ紹介パートを経由させずに次ゲームから次のバトルパートを開始させる。なお、遊技状態制御部616は、バトルパートを開始させるにあたり、当該バトルパートの種類を種類決定抽せんで、当該バトルパートで実行されるバトル演出に登場する敵キャラを敵キャラ決定抽せんで、味方キャラを味方キャラ決定抽せんで決定する。
【0110】
―演出制御部―
演出制御部630は、遊技進行に基づいて、複数種類の演出映像の中から選択された演出映像を液晶画面3に表示させるとともに、その演出映像に応じた効果音やBGMなどをスピーカ102から出力させる。例えば、演出制御部630は、ATやボーナスが当せんした場合、その旨を液晶画面3に表示させるための演出パターンを選択し、当該演出パターンに従って液晶画面3の表示制御およびスピーカ102の音声出力制御を行う。
【0111】
演出制御部630は、AT中、逐次当せんする押し順役の正解押し順の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる(アシスト機能)。
【0112】
また、遊技中に、設定示唆演出の報知条件が満たされた場合、演出制御部630は、当該設定示唆演出の報知を、液晶画面3およびスピーカ102の少なくとも1つに行わせる。この設定示唆演出を、遊技者は、現在遊技中のスロットマシン1がどのような設定値なのかを、把握する材料の1つとすることができる。報知条件としては、レア役当せん時、ボーナスゲームの終了時、AT終了時、などが挙げられる。
【0113】
また、演出制御部630は、遊技状態制御部616による選択抽せんで選択されたキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせが登場するキャラ紹介演出をバトルパートの保障ゲーム数の残りゲーム数で実行する。キャラ紹介演出の具体例については後述する。
【0114】
ここで、サブ制御部63のROMまたはRAMには、キャラ紹介演出に登場する味方キャラそれぞれの画像情報が記憶されている。そして、演出制御部630は、遊技状態制御部616による選択抽せんで選択されたキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせを取得し、当該組み合わせを構成する味方キャラの画像情報を上記のROMまたはRAMから取得する。その後、演出制御部630は、取得した味方キャラの画像情報を組み合わせて、キャラ紹介演出にキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせを登場させる。このように、サブ制御部63は、キャラ紹介演出に登場する味方キャラそれぞれの画像情報を記憶することで、想定される味方キャラの組み合わせの画像情報を記憶する場合に比べて、ROMまたはRAMの容量圧迫を軽減することができる。
【0115】
<AT本番パートにおける遊技の流れ>
図7を用いて、AT本番パートにおける遊技の流れを説明する。一例として、以下の図7に示すフローチャートは、AT本番パートにおけるバトルパートでいずれかの終了条件(バトル勝利またはバトル敗北)が成立した場合に開始される。
【0116】
ステップS10において、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、バトル勝利となったか否かを判定し、バトル勝利となったと判定した場合(ステップS10:YES)はステップS11に進む。一方、制御部6によりバトル勝利となっていない、すなわち、バトル敗北となったと判定された場合(ステップS10:NO)はステップS16に進む。
【0117】
ステップS11において、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、次のバトルパートの保障ゲーム数を決定する。一例として、制御部6は、種類決定抽せんおよび敵キャラ決定抽せんを行い、決定された敵キャラの種類に応じた保障ゲーム数を次のバトルパートの保障ゲーム数に決定する。そして、制御部6は、ステップS12に進む。
【0118】
ステップS12において、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上あるか否かを判定し、「1ゲーム」以上あると判定した場合(ステップS12:YES)はステップS13に進む。一方、制御部6により保障ゲーム数の残りゲーム数が「1ゲーム」以上ないと判定された場合(ステップS12:NO)はステップS15に進む。
【0119】
ステップS13において、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、選択処理を実行する。選択処理では、選択抽せんが行われ、キャラ紹介演出に登場するキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせが選択される。そして、制御部6は、ステップS14に進む。
【0120】
ステップS14において、制御部6は、遊技状態制御部616および演出制御部630の機能として、実行処理を実行する。実行処理では、バトルパートからキャラ紹介パートへ移行され、当該キャラ紹介パートでステップS13の選択処理で選択されたキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせが登場するキャラ紹介演出の報知が、液晶画面3およびスピーカ102を用いて行われる。そして、制御部6は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS14から図7に示すフローチャートの処理を終了した場合、制御部6は、移行したキャラ紹介パートで保障ゲーム数の残りゲーム数がなくなったことに基づいて、次の処理を行う。制御部6は、次のバトルパートで実行されるバトル演出に登場する味方キャラを味方キャラ決定抽せんで決定したのち、当該味方キャラ決定抽せんで決定した味方キャラと、ステップS11で決定した次のバトルパートの種類、敵キャラ、および保障ゲーム数とを設定して、次ゲームから次のバトルパートを開始させる。
【0121】
ステップS15において、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、次のバトルパートで実行されるバトル演出に登場する味方キャラを味方キャラ決定抽せんで決定したのち、当該味方キャラ決定抽せんで決定した味方キャラと、ステップS11で決定した次のバトルパートの種類、敵キャラ、および保障ゲーム数とを設定して、次ゲームから次のバトルパートを開始させる。そして、制御部6は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
【0122】
ステップS16において、制御部6は、第2遊技状態をAT状態から通常状態に移行させる。そして、制御部6は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
【0123】
<キャラ紹介演出の表示例>
図8を用いて、キャラ紹介演出の表示例を説明する。図8は、キャラ紹介演出の第1の表示例である。
【0124】
図8に示すキャラ紹介演出では、味方キャラの組み合わせ300と、星マーク310とが液晶画面3に表示されている。一例として、当該味方キャラの組み合わせ300は、味方キャラ1、9の組み合わせである。また、当該キャラ紹介演出では、星マーク310を表示することで、味方キャラの組み合わせ300がキャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせであることを遊技者に対して報知している。
【0125】
以上をまとめると、スロットマシン1(遊技機)は、バトル演出(所定演出)が実行されるバトルパート(第1状態)と、キャラ紹介パート(第2状態)とが設けられ、バトル演出(所定演出)の進行に関するバトル勝利(所定条件が成立)したことに基づいて、キャラ紹介パート(第2状態)で実行されるキャラ紹介演出(報知演出)に登場する1以上の味方キャラ(対象)を複数の味方キャラ(対象)の中から選択する制御を行う制御部6(制御部)を備えるものである。
【0126】
また、スロットマシン1(遊技機)は、所定数のゲーム数(遊技期間)が保障されたAT本番パート(特定状態)を制御する制御部6(制御部)を備え、制御部6(制御部)は、AT本番パート(特定状態)の進行に関するバトル勝利(所定条件が成立)した際にAT本番パート(特定状態)が残りのゲーム数(遊技期間)を有する場合、複数の味方キャラ(対象)の中から1以上の味方キャラ(対象)を選択する選択処理と、キャラ紹介演出(選択処理で選択された1以上の対象が登場する演出)をAT本番パート(特定状態)の残りのゲーム数(遊技期間)で実行する実行処理とを実行し、バトル勝利(所定条件が成立)した際にAT本番パート(特定状態)が残りのゲーム数(遊技期間)を有するごとに、選択処理および実行処理を実行するものである。
【0127】
<発明の効果>
上記の構成により、第1の実施形態によれば、遊技者の興趣性を向上させる演出が行われるスロットマシン1を提供することができる。また、第1の実施形態によれば、バトル勝利したことに基づいてキャラ紹介演出に登場する1以上の味方キャラが選択されるため、キャラ紹介演出に登場する1以上の味方キャラを予め決定する場合に比べて、キャラ紹介演出に登場する1以上の味方キャラを多様化することができる。
【0128】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、制御部6は、バトル勝利となるごとに、キャラ紹介パートを経由させてから、またはキャラ紹介パートを経由させずにバトルパートを繰り返し実行する。このとき、制御部6は、バトル勝利となるごとに、保障ゲーム数を再設定してAT本番パート、具体的には、バトルパートを繰り返し実行する。これにより、当該スロットマシン1によれば、バトル演出の結果についての遊技者の関心を高めることができる。
【0129】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、AT本番パート、具体的には、キャラ紹介パートでは、キャラ紹介演出に登場する1以上の味方キャラがキャラ紹介パートごとに異なる場合がある。これにより、当該スロットマシン1によれば、キャラ紹介演出についての遊技者の関心を高めることができる。つまり、当該スロットマシン1によれば、キャラ紹介演出に登場する1以上の味方キャラがキャラ紹介パートごとに異なる場合があるため、キャラ紹介パートでの遊技が単調とならず、遊技者の注目度を高めてキャラ紹介パートを飽きにくくすることができる。
【0130】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、制御部6は、キャラ紹介演出において、バトル勝利に関して有益な有益情報を報知する。これにより、当該スロットマシン1によれば、バトル演出およびキャラ紹介演出に関連性を持たせることができる。
【0131】
また、第1の実施形態のスロットマシン1では、有益情報は、バトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせであり、制御部6は、キャラ紹介演出において、当該複数の味方キャラの組み合わせを報知する。これにより、当該スロットマシン1によれば、今後行われるバトル演出に登場する味方キャラの組み合わせに遊技者を一喜一憂させることができる。
【0132】
[第2の実施形態]
次に、本実施形態に係るスロットマシン1の第2の実施形態について、上記の実施形態との重複部分を省略または簡略しつつ説明する。
【0133】
第2の実施形態では、複数の味方キャラおよび敵キャラにはそれぞれ、バトル勝利の可能性を左右する属性が設定されている。一例として、属性は、属性X、属性Y、および属性Zの3種類が設けられている。属性Xは、属性Yに対して有利、属性Zに対して不利である。属性Yは、属性Zに対して有利、属性Xに対して不利である。属性Zは、属性Xに対して有利、属性Yに対して不利である。ここで、味方キャラの属性が敵キャラの属性に対して有利な場合は、当せん役に応じて敵キャラに与えるダメージが2倍となり、不利な場合は、当せん役に応じて敵キャラに与えるダメージが1/2倍となる。なお、属性とは、火、水、または土などのキャラ特有の性質、および剣、槍、または弓などのキャラが装備する武器の種類などを含む概念である。
【0134】
また、属性が設定された味方キャラは、複数設けられている。たとえば、属性Xが設定された味方キャラは味方キャラ1から3、属性Yが設定された味方キャラは味方キャラ4から6、属性Zが設定された味方キャラは味方キャラ7から10である。
【0135】
第2の実施形態では、キャラ紹介演出で登場するバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせを「敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせ」としている。
【0136】
ここで、第2の実施形態では、制御部6は、遊技状態制御部616の機能として、選択抽せんにおいて、バトル勝利となる可能性を高める属性が設定された味方キャラを少なくとも1体選択する。一例として、制御部6は、まず、キャラ紹介演出で味方キャラと対比させる敵キャラを決定する決定抽せんを行う。そして、制御部6は、選択抽せんにおいて、決定抽せんで決定された敵キャラの属性に対して有利な属性が設定された味方キャラの組み合わせを選択する。具体的には、選択抽せんでは、味方キャラ1、2、3の組み合わせ、味方キャラ4、6の組み合わせ、または味方キャラ8、9の組み合わせなどが選択される。なお、味方キャラのパラメータを示す1から10までの数字には、各数字に応じた意味合い(例:1、4、7、10→属性レベル低、2、5、8→属性レベル中、3、6、9→属性レベル強)があり、選択抽せんでは、当該意味合いを踏まえた味方キャラの組み合わせが選択される。そのため、選択抽せんでは、敵キャラの属性に対して有利な属性が設定されていても、各数字に応じた意味合いから選択されない味方キャラの組み合わせが存在する。つまり、選択抽せんで選択される味方キャラの組み合わせは、各数字に応じた意味合いを踏まえた、敵キャラの属性に対して有利な属性が設定された味方キャラの組み合わせとなっている。
【0137】
図9は、キャラ紹介演出の第2の表示例である。
図9に示すキャラ紹介演出では、味方キャラの組み合わせ300と、メッセージ320とが液晶画面3に表示されている。一例として、当該味方キャラの組み合わせ300は、味方キャラ1、2、3の組み合わせである。また、当該キャラ紹介演出では、メッセージ320として「対 敵キャラA」との文字を表示することで、味方キャラの組み合わせ300が敵キャラAに対して相性の良い味方キャラの組み合わせであることを遊技者に対して報知している。
【0138】
上記構成により、第2の実施形態のスロットマシン1によれば、今後行われるバトル演出に登場する味方キャラおよび敵キャラの組み合わせに遊技者を一喜一憂させることができる。また、当該スロットマシン1によれば、属性が設定された味方キャラが複数設けられ、キャラ紹介演出が実行される都度、属性および味方キャラの組み合わせが決定されるため、スロットマシン1の記憶容量を必要以上に圧迫することなく、キャラ紹介演出に登場する味方キャラの組み合わせを多様化することができる。
【0139】
[他の実施形態]
前記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であって、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0140】
前記実施形態では、RT状態の遷移の説明を省略した。AT機では、所定役が当せんしたが入賞していない状態の下でATでの遊技が行われるものであり、その状態の下では、RT状態が遷移しないためである。しかし、所定役が持ち越されていない状態の下では、RT状態は遷移することができることは、言うまでもない。
【0141】
前記実施形態では、ベットスイッチ42が設けられている場合を例示したが、ベットスイッチ42はなくてもよい。
【0142】
前記実施形態の通常状態には、CZが含まれてもよい。また、前記実施形態では、有利遊技状態として、ATやボーナスを例示したが、有利遊技状態には、ARTが含まれてもよい。CZとは、ATへの突入確率やリプレイ確率がCZでない場合よりも高い遊技状態である。ARTは、リプレイ確率が通常状態時よりも高く、かつ、押し順役の正解押し順を報知する遊技状態である。そして、設定値に応じて、AT、CZおよびARTの少なくとも1つへの突入確率が変化してもよい。設定値に応じて、AT、CZおよびARTの性能が変化してもよい。
【0143】
スロットマシン1の機種の仕様によっては、有利区間が上限の4000ゲームに至る前や、有利区間の間にメダルの差枚数が2400枚に至るよりも前に、ATなどである有利遊技状態や有利区間が任意のタイミングにて終了することがあってもよい。
【0144】
設定示唆演出には、画像によるものの他、回転リール20の回転を停止した際に、リール窓200を介して視認できる図柄が特殊な図柄となることなどが、更に含まれてもよい。
【0145】
前記実施形態では、遊技機がATタイプのスロットマシンである場合を例示した。しかし、遊技機は、ARTタイプのスロットマシンなど、AT機以外であっても実現できる。
【0146】
前記実施形態では、AT本番パートとして、バトルパートおよびキャラ紹介パートの2つのパートを設けたが、これに限らず、AT本番パートに3つ以上のパートを設けてもよい。たとえば、AT本番パートの3つ目のパートとして、バトル勝利となったことに基づいてバトルパートまたはキャラ紹介パートから移行可能な上乗せパートを設けてもよい。当該上乗せパートでは、次のバトルパートの保障ゲーム数を上乗せするか否かの上乗せ抽せんが行われ、上乗せ抽せんの結果に応じたゲーム数が次のバトルパートの保障ゲーム数に上乗せされる。なお、当該上乗せパートでは、上記に代えて又は加えて、バトルパートのセット数ストックを決定する抽せんが行われ、当該抽せんの結果に応じたセット数のストックが獲得できることとしてもよい。
【0147】
前記実施形態では、キャラ紹介演出においてバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせが液晶画面3およびスピーカ102を用いて報知されたが、これに限らず、キャラ紹介演出においてバトル勝利となる可能性を高める1体の味方キャラが報知されてもよい。
【0148】
前記実施形態において、キャラ紹介演出でバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせとして、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせと敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせとの双方が液晶画面3およびスピーカ102を用いて報知されてもよい。また、一度のAT本番パートにおけるキャラ紹介パートの実行回数に応じて、キャラ紹介演出の表示内容を異ならせてもよい。たとえば、当該実行回数が1回目から10回目の間は、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせが表示され、11回目以降は、敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせが表示されることとしてもよい。
【0149】
前記実施形態では、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせがバトル演出に登場した場合は、当せん役に応じて敵キャラに与えるダメージが2倍となった。しかし、これに限らず、この場合は、バトルパートにおいて所定の抽せんを実行可能とし、当該抽せんに当せんすると、当せん役に応じたダメージよりも多いダメージを敵キャラに与える特殊攻撃を実行可能としてもよい。また、味方キャラに応じて定められたHPが「0」になることでバトル敗北になる仕様とすると、上記の場合には、キャラ同士の相性が悪い味方キャラの組み合わせに比べて敵キャラの攻撃を回避しやすくなるなど、バトルのやりやすさが向上してもよい。
【0150】
前記実施形態において、一度のAT本番パートにおけるキャラ紹介パートの実行回数が複数回となる場合は、キャラ紹介演出に登場するバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせをキャラ紹介パートごとに異ならせてもよい。この場合は、遊技状態制御部616により、選択抽せんにおいて、過去に選択した組み合わせが避けられ、常に初出のバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせが選択される。
【0151】
前記実施形態において、キャラ紹介演出に登場した複数の味方キャラの組み合わせが当該キャラ紹介演出以降のバトル演出に登場する確率を向上させてもよい。
【0152】
前記実施形態において、キャラ紹介演出で味方キャラの組み合わせ300がバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせであることを遊技者に報知する方法は、図8または図9に示す方法に限られない。たとえば、液晶画面3の背景色を所定の色にすることで、味方キャラの組み合わせ300がバトル勝利となる可能性を高める複数の味方キャラの組み合わせであることを遊技者に報知してもよい。
【0153】
前記実施形態において、キャラ紹介演出に登場する複数の味方キャラの組み合わせに、当該キャラ紹介演出の直前のバトル演出に登場した味方キャラが1体以上含まれることとしてもよい。たとえば、バトル演出に味方キャラ1、5の組み合わせが登場した場合、直後のキャラ紹介演出に登場する複数の味方キャラの組み合わせは、味方キャラ1、3、6の組み合わせ、または味方キャラ1、9の組み合わせなどとなる。
【0154】
前記実施形態において、キャラ紹介演出に登場する敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせを、当該キャラ紹介演出の直前のバトル演出に登場した敵キャラに対応させてもよい。また、キャラ紹介演出に登場する敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせは、当該キャラ紹介演出の実行時点で戦っていない敵キャラに対応させてもよい。
【0155】
前記実施形態では、キャラ紹介演出に登場するキャラは味方キャラであったが、これに代えてまたは加えて、キャラ紹介演出に敵キャラを登場させてもよい。たとえば、キャラ紹介演出の冒頭に敵キャラを登場させ、次いで当該敵キャラに対して相性の良い味方キャラの組み合わせを登場させてもよい。
【0156】
前記実施形態では、相性の良し悪しは、相性が良いまたは悪いの2択であったが、これに限らず、相性の良し悪しの度合を複数段階設けてもよい。たとえば、当該度合として、相性がやや良い「相性:中」と、相性がとても良い「相性:大」との2段階を設けてもよい。そして、この場合は、キャラ同士の相性が良い味方キャラの組み合わせとして、「相性:中」の組み合わせが登場するときと、「相性:大」の組み合わせが登場するときとを分けてもよい。たとえば、一度のAT本番パートにおけるキャラ紹介パートの実行回数が1回目から5回目の間は、「相性:中」の組み合わせをキャラ紹介演出に登場させ、6回目以降は、「相性:大」の組み合わせをキャラ紹介演出に登場させてもよい。また、当該実行回数が所定の数字(例:7)の倍数である場合は、「相性:大」の組み合わせをキャラ紹介演出に登場させ、それ以外は、「相性:中」の組み合わせをキャラ紹介演出に登場させてもよい。なお、相性の良し悪しの度合を複数段階設けた場合は、キャラ紹介演出に登場した味方キャラの組み合わせに応じた相性の度合で設定示唆を行ってもよい。たとえば、キャラ紹介演出を所定回数実行した場合に、「相性:中」よりも相性が良くない「相性:小」の組み合わせの登場割合が所定数以上または「相性:大」の組み合わせの登場割合が所定数未満であるときは設定値が「1」または「2」であること、「相性:中」の組み合わせの登場割合が所定数以上であるときは設定値が「3」または「4」であること、「相性:大」の組み合わせの登場割合が所定数以上であるときは設定値が「5」または「6」であること、「相性:大」の特定の組み合わせが登場したときは設定値が「6」であることを示唆してもよい。
【0157】
前記実施形態において、キャラ紹介パートの実行回数に応じて、遊技者に特典を付与してもよい。当該特典は、所定の画像もしくは映像の表示、設定示唆演出の実行、またはAT状態の継続率の示唆などが想定される。なお、当該特典は、有利区間から通常区間に移行することで消去されてもよいし、されなくてもよい。
【0158】
前記実施形態において、媒体表示部44は、遊技区間が有利区間であって特定の条件が満たされている場合に、遊技区間が有利区間であることを表示してもよい。具体的には、媒体表示部44における7セグメントの一部が点灯することにより、遊技区間が有利区間であることを告知してもよい。
【0159】
前記実施形態では、物理媒体であるメダルの投入および払い出しを行うタイプのスロットマシン1を例示したが、メダルの投入および払い出しは行わずに、メダル数に対応する遊技価値の数をデータ上で管理するタイプのスロットマシン(メダルレス機)に適用してもよい。このようなメダルレス機では、所有中の遊技価値数が遊技者ごとに管理されており、ベットボタンが押されればその所有中のメダル数からベットされる。そのため、ホッパーユニット50を含まずともよい。なお、遊技者の所有する遊技価値は、スロットマシン上で管理されてもよいし、スロットマシンと電気的に接続された遊技価値貸出機上で管理されてもよい。なお、メダルレス機は、「スマートパチスロ」(登録商標)、「管理遊技機」、または「封入式遊技機」などと称されることがある。
【0160】
前記実施形態において、移行するバトルパートの種類を決定する種類決定抽せんが行われるタイミングは限定されない。たとえば、遊技区間が有利区間である場合に通常状態でAT抽せんに当せんもしくは天井ゲーム数を消化したとき、または、バトルパートの保障ゲーム数の消化中もしくは消化後に行われる継続抽せんに当せんしたときに種類決定抽せんが行われてもよい。また、種類決定抽せんと同様に、敵キャラ決定抽せんが行われるタイミングも限定されず、上記のタイミングで種類決定抽せんが行われたことに基づいて、敵キャラ決定抽せんが行われてもよい。なお、バトルパートの種類と敵キャラの種類とを1対1で紐付けて、敵キャラ決定抽せんを行うことなく、種類決定抽せんのみでバトルパートの種類および敵キャラの種類を決定してもよい。
【0161】
前記実施形態において、バトル演出に登場する敵キャラの数は限定されない。たとえば、バトル演出に複数の敵キャラを登場させて、複数の敵キャラと複数の味方キャラとを同時進行でバトルさせてもよいし、1体の敵キャラと複数の味方キャラとを順番にバトルさせてもよい。また、バトル演出に複数の敵キャラを登場させる場合は、1体の敵キャラと複数の味方キャラとのバトル中に、他の敵キャラを登場(乱入)させてもよい。そして、他の敵キャラが乱入した場合は、全ての敵キャラの敵HPを「0」にした場合にバトル勝利としてもよいし、乱入した敵キャラの敵HPを「0」にした場合にバトル勝利としてもよい。
【0162】
前記実施形態において、図7に示すフローチャートの処理順序は限定されない。たとえば、ステップS11とステップS12との処理順序を入れ替えて、ステップS12の処理を先、ステップS11の処理を後に行ってもよい。
【0163】
前記実施形態において、キャラ紹介演出の表示内容は限定されない。たとえば、キャラ紹介演出において、一画面に複数の味方キャラの組み合わせを登場させずに、当該組み合わせを構成する味方キャラを1体ずつ順にスライド方式で登場させてもよい。また、図8に示す星マーク310の数で相性の良さを表現してもよい。たとえば、味方キャラの組み合わせの相性が良いほど、表示される星マーク310の数が多くなってもよい。
【0164】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。さらに、本実施形態の複数の実施形態のうち、1つの実施形態単体でも実施可能である。なお、本実施形態に係るスロットマシン1は、特許請求の範囲において請求項1に記載した内容のみでも実施可能であり、請求項1と他請求項とを組み合わせた内容でも実施可能である。
【符号の説明】
【0165】
1 スロットマシン(遊技機)
6 制御部
図1
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図7
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