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特開2024-39811経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024039811
(43)【公開日】2024-03-25
(54)【発明の名称】経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20240315BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240315BHJP
【FI】
A01B69/00 303M
A01B69/00 303A
G05D1/02 N
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022144447
(22)【出願日】2022-09-12
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】三宅 康司
(72)【発明者】
【氏名】持田 高志
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB11
2B043AB15
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB06
2B043EA32
2B043EB05
2B043EB12
2B043EB22
2B043EC12
2B043EC13
2B043ED12
2B043EE04
5H301BB01
5H301CC10
5H301EE08
5H301EE28
(57)【要約】
【課題】圃場において作業車両を自動走行させる目標経路の生成作業の作業性を向上させることが可能な経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラムを提供すること。
【解決手段】取得処理部715は、圃場F内の作業車両10の所定位置の位置情報を取得する。登録処理部716は、作業車両10が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、作業車両10が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録する。生成処理部714は、前記基準点に基づいて目標経路Rを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成方法であって、
前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得することと、
前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録することと、
前記基準点に基づいて前記目標経路を生成することと、
を実行する経路生成方法。
【請求項2】
前記所定位置は、前記作業車両の所定動作が実行される位置である、
請求項1に記載の経路生成方法。
【請求項3】
前記作業車両の第1所定動作が実行される第1位置を第1基準点として登録し、前記作業車両の第2所定動作が実行される第2位置を第2基準点として登録し、
前記第1基準点及び前記第2基準点を通る基準線に基づいて、前記目標経路を生成することと、
請求項2に記載の経路生成方法。
【請求項4】
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合に、前記第1位置を前記第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から第2所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第2所定時間経過した場合に、前記第2位置を前記第2基準点として登録する、
請求項3に記載の経路生成方法。
【請求項5】
前記作業車両の第1所定動作が実行される第1位置を第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から走行した走行軌跡に基づいて車両方位角を取得し、
前記第1基準点及び前記車両方位角に基づいて前記目標経路を生成する、
請求項2に記載の経路生成方法。
【請求項6】
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合に、前記第1位置を前記第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から第2所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第2所定時間経過した場合に、前記車両方位角を取得する、
請求項5に記載の経路生成方法。
【請求項7】
前記作業車両が前記第1位置から前記第2所定距離走行するまでの走行軌跡、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから前記第2所定時間経過するまでの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する、
請求項6に記載の経路生成方法。
【請求項8】
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合又は前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合、かつ、その後に前記作業車両の第2所定動作が実行された場合に、前記第1位置から前記第2所定動作が実行された第2位置までの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する、
請求項5に記載の経路生成方法。
【請求項9】
前記所定動作は、前記作業車両に設けられる作業機の昇降動作、前記作業車両の進行方向を切り替える動作、前記作業車両の車速を変更する操作、作業クラッチを切り替える動作、及び、次行程の前記目標経路の基準線を生成するマーカーによる作業又は前記マーカーを収納位置に収納する操作、の少なくともいずれかを含む、
請求項2~8のいずれかに記載の経路生成方法。
【請求項10】
前記所定位置を前記基準点として登録するか否かをユーザーに問い合わせ、
前記ユーザーから登録指示を取得した場合に、前記所定位置を前記基準点として登録する、
請求項1に記載の経路生成方法。
【請求項11】
圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成システムであって、
前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得する取得処理部と、
前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録する登録処理部と、
前記基準点に基づいて前記目標経路を生成する生成処理部と、
を備える経路生成システム。
【請求項12】
圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成プログラムであって、
前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得することと、
前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録することと、
前記基準点に基づいて前記目標経路を生成することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための経路生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する技術が知られている。例えば、オペレータが作業車両に搭乗して圃場内をティーチング走行させながらティーチング開始点(基準始点)とティーチング終了点(基準終点)とを登録する登録操作を行った場合に、基準始点及び基準終点を結ぶ線分を基準線として登録し、当該基準線に対して平行な直進経路(目標経路)を生成する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-067617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前記目標経路を生成するティーチング操作において、オペレータは作業車両をティーチング走行させながら所定の作業(植付作業、刈取作業など)を行う場合がある。作業車両に所定の作業を行わせながら目標経路を生成する場合、オペレータが基準始点及び基準終点を登録する操作を忘れ易くなる。この場合、基準線及び目標経路が生成されないため、オペレータは、再度ティーチング走行させなければならなくなる。このように、従来の技術では、目標経路を生成する作業の作業性が低いという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路の生成作業の作業性を向上させることが可能な経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る経路生成方法は、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成方法である。前記経路生成方法は、前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得することと、前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録することと、前記基準点に基づいて前記目標経路を生成することと、を実行する。
【0007】
本発明に係る経路生成システムは、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成システムである。前記経路生成システムは、取得処理部と登録処理部と生成処理部とを備える。前記取得処理部は、前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得する。前記登録処理部は、前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録する。前記生成処理部は、前記基準点に基づいて前記目標経路を生成する。
【0008】
本発明に係る経路生成プログラムは、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成するプログラムである。前記経路生成プログラムは、前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得することと、前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録することと、前記基準点に基づいて前記目標経路を生成することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圃場において作業車両を自動走行させる目標経路の生成作業の作業性を向上させることが可能な経路生成方法、経路生成システム、及び経路生成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る作業車両の構成を示すブロック図である。
図2A図2Aは、本発明の実施形態に係る作業車両の一例を示す側面図である。
図2B図2Bは、本発明の実施形態に係る作業車両の一例を示す上面図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る操作装置の一例を示す外観図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る作業車両の目標経路の一例を示す図である。
図5A図5Aは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
図5B図5Bは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
図6A図6Aは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される作業画面の一例を示す図である。
図6B図6Bは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される作業画面の一例を示す図である。
図7A図7Aは、本発明の実施形態に係る第1経路生成モードにおける経路生成方法を説明するための図である。
図7B図7Bは、本発明の実施形態に係る第1経路生成モードにおける経路生成方法を説明するための図である。
図8A図8Aは、本発明の実施形態に係る経路生成モードにおける経路生成方法を説明するための図である。
図8B図8Bは、本発明の実施形態に係る経路生成モードにおける経路生成方法を説明するための図である。
図9A図9Aは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
図9B図9Bは、本発明の実施形態に係る操作装置に表示される設定画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る操作装置によって実行される第1経路生成モードに対応する経路生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る操作装置によって実行される第1経路生成モードに対応する経路生成処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、本発明の他の実施形態に係る操作装置に表示される作業画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の他の実施形態に係る作業車両の走行経路の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の他の実施形態に係る操作装置に表示される作業画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
本発明の実施形態に係る自動走行システムは、作業車両10と、衛星(不図示)と、基地局(不図示)とを含んでいる。本実施形態では、作業車両10が田植機である場合を例に挙げて説明する。なお、他の実施形態として、作業車両10は、トラクタ、コンバイン、建設機械、又は除雪車などであってもよい。作業車両10は、圃場F(図4参照)内をオペレータ(ユーザー)の操作に応じて、目標経路Rに従って走行しながら所定の作業(例えば植付作業)を行う。具体的には、作業車両10は、自動操舵に応じて目標経路Rを直進走行し、オペレータによる手動操舵(運転操作)に応じて旋回走行する。作業車両10は、直進経路の自動走行と旋回経路の手動走行とを切り替えながら圃場F内を走行して作業を行う。目標経路Rは、オペレータの操作に基づいて予め生成され、経路データとして記憶されてもよい。
【0013】
作業車両10は、例えば図4に示す圃場Fにおいて、直進走行と旋回走行とを繰り返しながら作業が終了するまで走行する。複数の直進経路のそれぞれは互いに略平行である。図4に示す目標経路Rは一例であって、目標経路Rは、作業車両10のサイズ、作業機14のサイズ、作業内容、圃場Fの形状などに応じて適宜決定される。
【0014】
なお、自動走行システムは、オペレータが操作する操作端末(タブレット端末、スマートフォンなど)を含んでもよい。前記操作端末は、携帯電話回線網、パケット回線網、無線LANなどの通信網を介して作業車両10と通信可能である。例えばオペレータは、前記操作端末において、各種情報(作業車両情報、圃場情報、作業情報など)などを登録する操作を行う。また、オペレータは、作業車両10から離れた場所において、前記操作端末に表示される走行軌跡により、作業車両10の走行状況、作業状況などを把握することが可能である。
【0015】
[作業車両10]
図1及び図2に示すように、作業車両10は、車両制御装置11、記憶部12、走行装置13、作業機14、通信部15、測位装置16、操作装置17などを備える。車両制御装置11は、記憶部12、走行装置13、作業機14、測位装置16、操作装置17などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置16は、無線通信可能であってもよい。また、車両制御装置11及び操作装置17は、無線通信可能であってもよい。
【0016】
初めに、作業車両10の一例である田植機について、図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aは作業車両10(田植機)の側面図であり、図2Bは作業車両10の平面図である。作業車両10は、車体部30、左右一対の前輪132、左右一対の後輪133、作業機14(植付部)などを備える。
【0017】
車体部30の前部に配置されたボンネット134の内部には、エンジン(駆動部)131が配置されている。エンジン131が発生させた動力はミッションケース135を介して前輪132及び後輪133に伝達される。ミッションケース135を介して伝達された動力は、車体部30の後部に配置されたPTO軸37を介して作業機14にも伝達される。なお、PTO軸37には、植付クラッチ(作業クラッチ)(不図示)を介して動力が伝達されるように構成されている。車体部30の前後方向で前輪132と後輪133の間の位置には、オペレータが搭乗する運転座席138が設けられている。
【0018】
運転座席138の前方には、ハンドル137、主変速レバー13L(図3参照)、植付クラッチレバー14L(図2B参照)等の操作具が配置されている。ハンドル137は、作業車両10の舵角を変更するための操作具である。主変速レバー13Lは、「前進」、「後進」、「中立」、「苗継」のポジションを少なくとも選択可能に構成されている。主変速レバー13Lが「前進」の位置に操作されると、作業車両10を前進させる方向に前輪132及び後輪133が回転するように動力が伝達される。主変速レバー13Lが「後進」の位置に操作されると、作業車両10を後進させる方向に前輪132及び後輪133が回転するように動力が駆動される。主変速レバー13Lが「中立」の位置に操作されると、前輪132及び後輪133に対する動力の伝達が遮断される。主変速レバー13Lが「苗継」の位置に操作されると、前輪132、後輪133及びPTO軸37に対する動力の伝達が遮断される。また、植付クラッチレバー14Lが操作されることで、植付クラッチがPTO軸37(即ち作業機14)へ動力を伝達する伝達状態と、植付クラッチがPTO軸37(即ち作業機14)へ動力を伝達しない遮断状態と、を切り替えることができる。
【0019】
作業機14は、車体部30の後方に昇降リンク機構31を介して連結されている。昇降リンク機構31は、トップリンク39及びロワーリンク38等を含む平行リンク構造により構成されている。ロワーリンク38には昇降シリンダ(昇降装置)32が連結されている。昇降シリンダ32を伸縮させることにより、作業機14全体を上下に昇降させることができる。これにより、作業機14を下降させて植付作業を行う下降位置と、作業機14を上昇させて植付作業を行わない上昇位置との間で作業機14の高さを変更させることができる。なお、昇降シリンダ32は油圧シリンダであるが、電動シリンダを用いてもよい。また、シリンダ以外のアクチュエータにより作業機14を昇降させる構成であってもよい。
【0020】
作業機14(植付部)は、植付入力ケース33、複数の植付ユニット34、苗載台35、複数のフロート36などを備えている。
【0021】
各植付ユニット34は、植付伝動ケース41及び回転ケース42を備えている。植付伝動ケース41には、PTO軸37及び植付入力ケース33を介して動力が伝達される。各植付伝動ケース41には、車幅方向の両側に回転ケース42が取り付けられている。各回転ケース42には、作業車両10の進行方向に並べて2つの植付爪43が取り付けられている。これら2つの植付爪43により1条分の植付が行われる。
【0022】
図2Aに示すように、苗載台35は、植付ユニット34の前方上方に配置されており、苗マットを載置可能に構成されている。苗載台35は、往復で横送り移動可能(横方向にスライド可能)に構成されている。また、苗載台35は、苗載台35の往復移動端で苗マットを間欠的に下方に縦送り搬送可能に構成されている。この構成により、苗載台35は、苗マットの苗を各植付ユニット34に対して供給できるようになっている。こうして、作業車両10では、各植付ユニット34に対して苗を順次供給し、連続的に苗の植付けを行うことができる。
【0023】
図2Aに示すフロート36は、作業機14の下部に設けられ、その下面が地面に接地することができるように配置されている。フロート36が地面に接地することにより、苗を植え付ける前の田面が整地される。また、フロート36には、フロート36の揺動角を検出するフロートセンサ(不図示)が設けられている。フロート36の揺動角は、田面と作業機14との距離に対応している。作業車両10は、フロート36の揺動角に基づいて昇降シリンダ32を動作させて作業機14を上下に昇降させることにより、作業機14の対地高さを一定に保つことができる。
【0024】
予備苗台19は、ボンネット134の車幅方向外側に配置されており、予備のマット苗を収容した苗箱を搭載可能である。左右一対の予備苗台19の上部同士は、上下方向及び車幅方向に延びる連結フレーム18によって互いに連結されている。連結フレーム18の車幅方向の中央には、測位装置16が配置されている。
【0025】
測位装置16は、図1に示すように、測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164などを備える。
【0026】
測位制御部161は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部162は、測位制御部161に測位処理を実行させるための測位制御プログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記測位制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部162に記憶される。なお、前記測位制御プログラムは、サーバー(不図示)から通信網を介して測位装置16にダウンロードされて記憶部162に記憶されてもよい。
【0027】
通信部163は、測位装置16を有線又は無線で通信網に接続し、通信網を介して基地局サーバーなどの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0028】
測位用アンテナ164は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0029】
測位制御部161は、測位用アンテナ164が衛星から受信するGNSS信号に基づいて作業車両10の現在位置を算出する。例えば、作業車両10が圃場Fを自動走行する場合に、測位用アンテナ164が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部161は、測位用アンテナ164と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいて作業車両10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部161は、作業車両10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用して作業車両10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GNSS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、作業車両10は、RTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。なお、作業車両10の現在位置は、測位位置(例えば測位用アンテナ164の位置)と同一位置であってもよいし、測位位置からずれた位置であってもよい。
【0030】
通信部15は、作業車両10を有線又は無線で通信網に接続し、通信網を介して外部機器(操作端末など)との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0031】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、車両制御装置11に自動走行処理を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網を介して作業車両10にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作装置17において生成される目標経路Rのデータが記憶されてもよい。
【0032】
操作装置17は、作業車両10に搭乗するオペレータが操作する機器であり、各種情報を表示したり、オペレータの操作を受け付けたりする。具体的には、操作装置17は、各種設定画面を表示させてオペレータから各種の設定操作を受け付けたり、走行中の作業車両10に関する情報を表示させたりする。操作装置17の具体的構成は後述する。
【0033】
車両制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより作業車両10を制御する。また、車両制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行する。
【0034】
具体的には、車両制御装置11は、作業車両10の走行を制御する。例えば、車両制御装置11は、作業車両10の走行モードが手動走行(手動走行モード)の場合に、オペレータの操作(手動操舵)に基づいて作業車両10を手動走行させる。例えば、車両制御装置11は、オペレータによるハンドル操作、変速操作、シフト操作、アクセル操作、ブレーキ操作などの運転操作に対応する操作情報を取得し、当該操作情報に基づいて走行装置13に走行動作を実行させる。
【0035】
また、車両制御装置11は、作業車両10の走行モードが自動走行(自動走行モード)の場合に、測位制御部161により測位される作業車両10の現在位置を示す位置情報(測位情報)に基づいて作業車両10を自動走行させる。例えば、車両制御装置11は、作業車両10が自動走行開始条件を満たし、オペレータから走行開始指示を取得すると、前記測位情報に基づいて作業車両10の自動走行を開始させる。また、車両制御装置11は、予め生成された目標経路R(直進経路)に従って作業車両10を自動走行させる。
【0036】
また、車両制御装置11は、複数の経路生成モード(詳細は後述)のうちいずれかに設定された経路生成モードに応じて生成された目標経路R(直進経路)に従って作業車両10を自動走行させることが可能である。例えばオペレータが第1経路生成モード(「A点+B点」モード)を選択した場合に、車両制御装置11は、第1経路生成モードにより生成された目標経路Rに従って作業車両10を自動走行させる。また、例えばオペレータが第2経路生成モード(「A点+車両方位角」モード)を選択した場合に、車両制御装置11は、第2経路生成モードにより生成された目標経路Rに従って作業車両10を自動走行させる。また、例えばオペレータが第3経路生成モード(「A点+設定方位角」モード)を選択した場合に、車両制御装置11は、第3経路生成モードにより生成された目標経路Rに従って作業車両10を自動走行させる。なお、経路生成モードの設定処理は、操作装置17において実行される。
【0037】
本実施形態に係る自動走行システムは、3つの経路生成モード(第1経路生成モード、第2経路生成モード、第3経路生成モード)を備えているが、本発明はこれに限定されない。前記経路生成モードの詳細については後述する。
【0038】
また、車両制御装置11は、作業車両10が直進経路の終端に到達すると走行モードを手動走行に切り替える。車両制御装置11は、作業車両10が終端に到達したと判定した場合に走行モードを手動走行に切り替えてもよいし、オペレータの操作に応じて走行モードを手動走行に切り替えてもよい。走行モードが手動走行に切り替えられると、例えばオペレータは、手動操舵により作業車両10を旋回走行(手動走行)させる。
【0039】
以上のようにして、車両制御装置11は、オペレータによる操作装置17における操作に応じて走行モードを切り替えて、作業車両10を、自動操舵により直進経路(目標経路R)を自動走行させ、手動操舵により旋回経路を手動走行させる。
【0040】
ここで、作業車両10を自動走行させる目標経路R(直進経路)は、オペレータによる作業(経路生成作業)に基づいて生成される。前記経路生成作業において、従来の技術では、オペレータが作業車両10をティーチング走行させているときに基準始点(A点)及び基準終点(B点)を登録する操作を忘れた場合に目標経路Rが生成されなくなり、オペレータは、再度ティーチング走行させなければならなくなる。このように、従来の技術では、目標経路Rを生成する作業の作業性が低いという問題がある。これに対して、本実施形態の構成によれば、以下に示すように、目標経路Rの生成作業の作業性を向上させることが可能である。以下では、操作装置17の具体的構成について説明する。
【0041】
[操作装置17]
図1に示すように、操作装置17は、操作制御部71、記憶部72、操作表示部73などを備える。操作装置17は、作業車両10に着脱可能な機器であってもよい。また、操作装置17は、オペレータが携帯可能な携帯端末(タブレット端末、スマートフォンなど)であってもよい。また、操作装置17は、車両制御装置11に有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0042】
操作表示部73は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示部と、操作を受け付ける操作ボタン又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部73は、操作制御部71の指示に応じて各種の設定画面、作業画面などを表示する。また、操作表示部73は、前記設定画面、前記作業画面において、オペレータの操作を受け付ける。
【0043】
また、前記操作部は、作業車両10に自動走行を開始させる際にオペレータが走行開始指示を行う自動走行ボタンと、作業車両10と目標経路Rとの位置偏差を補正するオフセット操作(補正操作)を行うオフセットボタンと、前記設定画面及び前記作業画面において選択操作を行う複数の選択ボタンとを含んでいる(いずれも不図示)。
【0044】
操作装置17は、例えば図3に示すように、運転席内のハンドル137付近に設置される。オペレータは、作業車両10に搭乗して操作装置17を操作することが可能である。
【0045】
記憶部72は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部72には、操作装置17に後述の経路生成処理(図10図11参照)を実行させるための経路生成プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記経路生成プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部72に記憶される。なお、前記経路生成プログラムは、サーバー(不図示)から通信網を介して操作装置17にダウンロードされて記憶部72に記憶されてもよい。また、前記経路生成プログラムは、作業車両10の記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部72には、操作装置17において生成される目標経路Rのデータが記憶されてもよい。
【0046】
操作制御部71は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、操作制御部71は、前記ROM又は記憶部72に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作装置17を制御する。
【0047】
具体的には、図1に示すように、操作制御部71は、表示処理部711、受付処理部712、設定処理部713、生成処理部714、取得処理部715、及び登録処理部716などの各種の処理部を含む。なお、操作装置17は、前記CPUで前記経路生成プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記経路生成プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0048】
表示処理部711は、各種情報を操作表示部73に表示させる。例えば、表示処理部711は、各種の設定を行う設定画面及び作業画面(図5図6図9図12図14等)などを操作表示部73に表示させる。
【0049】
受付処理部712は、オペレータによる各種操作を受け付ける。例えば、受付処理部712は、前記設定画面及び前記作業画面において、目標経路Rを生成するための操作、すなわち経路生成作業に関する各種操作をオペレータから受け付ける。
【0050】
設定処理部713は、複数の経路生成モードのうちいずれかの経路生成モードを特定する。なお、前記複数の経路生成モードは、圃場F内の所定の位置に設定される基準点(例えばA点)に基づいて目標経路Rを生成する経路生成モードである。
【0051】
本実施形態に係る前記複数の経路生成モードには、例えば、圃場F内の作業車両10の2つの位置のそれぞれに設定される2つの基準点(A点及びB点)を通る基準線L1に基づいて目標経路Rを生成する第1経路生成モード(「A点+B点」モード)と、圃場F内の作業車両10の1つの位置に設定される基準点(A点)を通り、作業車両10の方位(車両方位)の方向に延伸する基準線L1に基づいて目標経路Rを生成する第2経路生成モード(「A点+車両方位角」モード)と、圃場F内の作業車両10の1つの位置に設定される基準点(A点)を通り、オペレータの設定操作(角度入力操作)に応じて設定される設定方位角(設定角度)の方向に延伸する基準線L1に基づいて目標経路Rを生成する第3経路生成モード(「A点+設定方位角」モード)と、が含まれる。
【0052】
オペレータは前記複数の経路生成モードのうちいずれかの経路生成モードを選択することが可能である。図5Aには、設定画面P1の一例を示している。例えば、オペレータが経路生成作業を行う場合にメニュー画面の作業設定(不図示)を選択すると、表示処理部711は、オペレータによる経路生成モードの選択操作を受け付ける設定画面P1を操作表示部73に表示させる。
【0053】
設定画面P1には、前記第1経路生成モードに対応する「A点+B点」(設定項目K1)と、前記第2経路生成モードに対応する「A点+車両方位角」(設定項目K2)と、前記第3経路生成モードに対応する「A点+設定方位角」(設定項目K3)とのそれぞれが選択可能に表示される。オペレータは、設定画面P1において、前記第1経路生成モード、前記第2経路生成モード、及び前記第3経路生成モードのうちいずれかの経路生成モードを選択する。
【0054】
設定処理部713は、前記複数の経路生成モードのうちオペレータにより選択された経路生成モードを特定する。そして、生成処理部714は、設定処理部713により特定される前記経路生成モードにより目標経路Rを生成する。具体的には、生成処理部714は、基準点(A点)を通る基準線L1を含む目標経路Rを生成する。
【0055】
[経路生成方法の具体例]
次に、前記第1経路生成モード、前記第2経路生成モード、及び前記第3経路生成モードのそれぞれにおける目標経路Rの生成方法の具体例を説明する。
【0056】
[第1経路生成モード]
設定画面P1(図5A参照)においてオペレータが「A点+B点」(設定項目K1)を選択して決定ボタンK0を押下すると、表示処理部711は、オペレータによる手動/自動モード(「手動登録」、「自動登録」)の選択操作を受け付ける設定画面P2(図5B参照)を操作表示部73に表示させる。設定画面P2において、オペレータが「手動登録」(設定項目K11)を選択して決定ボタンK0を押下すると、受付処理部712がオペレータの選択操作を受け付け、設定処理部713は前記第1経路生成モード(手動登録)を特定する。また、設定画面P2において、オペレータが「自動登録」(設定項目K12)を選択して決定ボタンK0を押下すると、受付処理部712がオペレータの選択操作を受け付け、設定処理部713は前記第1経路生成モード(自動登録)を特定する。
【0057】
設定処理部713が前記第1経路生成モード(手動登録)を特定すると、表示処理部711は、基準線L1を設定する設定操作をオペレータから受け付ける作業画面D1(図6A参照)を操作表示部73に表示させる。
【0058】
手動登録による第1経路生成モードでは、オペレータは、圃場F内において作業車両10を任意の位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する(図6A参照)。例えば、オペレータは、作業車両10を圃場Fの外周端部に移動させてA点登録ボタンKaを押下する。オペレータがA点登録ボタンKaを押下すると、設定処理部713は作業車両10の現在位置を第1基準点(A点)として登録する。設定処理部713がA点を登録すると、表示処理部711は、第2基準点(B点)の登録操作を受け付ける作業画面D1(図6B参照)を操作表示部73に表示させる。オペレータは、作業車両10に走行及び作業させたい方向(目標方向)に、作業車両10を手動走行させる(図7A参照)。具体的には、オペレータは、作業車両10が作業領域で作業する際の作業方向(例えば植付方向)に平行な方向に作業車両10を直進走行させる。なお、作業車両10を手動走行させる際に、オペレータは作業機14を下降させて作業車両10に植付作業を行わせてもよい。その後、オペレータは、任意の位置(例えば圃場Fの外周端部)においてB点登録ボタンKb(図6B参照)を押下する。オペレータがB点登録ボタンKbを押下すると、設定処理部713は作業車両10の現在位置を第2基準点(B点)として登録する。
【0059】
設定処理部713は、A点及びB点の位置情報を取得すると、A点及びB点を通る直線を基準線L1として設定する(図7A参照)。なお、設定処理部713は、作成した基準線L1の位置及び方位の少なくともいずれかを調整可能であってもよい。例えば、設定処理部713は、作成した基準線L1を作業画面D1に表示させて、オペレータから登録操作を受け付けた場合に基準線L1を設定(登録)する。一方、設定処理部713は、オペレータから基準線L1の位置及び方位の少なくともいずれかを変更する操作(例えば、画面のタッチ操作など)を受け付けると、操作に応じて基準線L1の位置及び方位の少なくともいずれかを調整する。設定処理部713は、B点を登録する操作を受け付けた場合に、基準線L1を登録するか又は調整するかの選択画面を表示させてもよい。生成処理部714は、基準線L1と、基準線L1に平行な複数の直線とを含む走行経路(目標経路R)を生成する。例えば、生成処理部714は、予め設定される作業幅(作業機14の横幅)及びラップ幅(隣接する作業済領域と重なる幅)に基づいて複数の平行な直線を、基準線L1を中心として左右、又は、オペレータの指示若しくは設定条件により左右いずれか一方に等間隔に生成する(図7B参照)。生成処理部714は、生成した目標経路Rを記憶部72に登録するとともに、操作表示部73に表示させる。
【0060】
これに対して、設定処理部713が前記第1経路生成モード(自動登録)を特定すると(図5B参照)、操作制御部71は、第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を自動的に登録して目標経路Rを生成する。
【0061】
具体的には、取得処理部715が、作業車両10の所定位置の位置情報を取得する。例えば、取得処理部715は、作業車両10の所定動作が実行される位置の位置情報を取得する。前記所定動作は、例えば、作業機14の昇降動作、作業車両10の旋回動作などである。例えば、オペレータが圃場F内において作業車両10を植付作業の開始位置に移動させて作業機14を下降(第1所定動作)させる操作を行うと、取得処理部715は、当該操作を受け付けた時点の作業車両10の現在位置(第1位置)の位置情報を取得する。なお、取得処理部715は、フロート36が地面に接地したことが検出された時点の作業車両10の現在位置(第1位置)の位置情報を取得してもよい。
【0062】
また、例えば、オペレータが作業車両10を植付作業の最初の経路において手動走行させながら植付作業を行わせた後に、作業車両10を旋回又は作業機14を上昇(第2所定動作)させる操作を行うと、取得処理部715は、当該操作を受け付けた時点の作業車両10の位置(第2位置)の位置情報を取得する。なお、取得処理部715は、ハンドル137の操舵角が所定角度以上となった時点又はフロート36が地面から離れたことが検出された時点の作業車両10の現在位置(第2位置)の位置情報を取得してもよい。
【0063】
登録処理部716は、作業車両10の第1所定動作(作業機14の下降動作など)が実行された第1位置を第1基準点(A点)として登録し、作業車両10の第2所定動作(作業車両10の旋回動作、作業機14の上昇動作など)が実行された第2位置を第2基準点(B点)として登録する。
【0064】
また、登録処理部716は、作業車両10が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、作業車両10が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録してもよい。具体的には、登録処理部716は、作業車両10が前記第1位置から第1所定距離走行した場合、又は、作業車両10が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合に、前記第1所定動作に対応する前記第1位置を第1基準点(A点)として登録する。例えば図8Aに示すように、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第1所定距離に到達した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録する。
【0065】
他の実施形態として、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第1所定時間が経過した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録してもよい。また、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第1所定距離に到達した場合、かつ、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第1所定時間が経過した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録してもよい。
【0066】
また、登録処理部716は、作業車両10が前記第1位置から第2所定距離走行した場合又は作業車両10が前記第1位置の時点から第2所定時間経過した場合に、前記第2所定動作に対応する前記第2位置を第2基準点(B点)として登録してもよい。例えば図8Bに示すように、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第2所定距離(但し、第2所定距離>第1所定距離とする。)に到達した場合に、登録処理部716は、位置p2を第2基準点(B点)として登録する。
【0067】
他の実施形態として、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第2所定時間(但し、第2所定時間>第1所定時間とする。)が経過した場合に、登録処理部716は、位置p2を第2基準点(B点)として登録してもよい。また、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第2所定距離に到達した場合、かつ、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第2所定時間が経過した場合に、登録処理部716は、位置p2を第2基準点(B点)として登録してもよい。
【0068】
生成処理部714は、登録処理部716により登録される基準点に基づいて目標経路Rを生成する。具体的には、生成処理部714は、作業車両10の所定動作が実行された位置に対応する第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を通る基準線L1に基づいて目標経路Rを生成する。
【0069】
なお、前記第1所定距離は、例えば1~3mに設定され、前記第2所定距離は、例えば7~10mに設定される。また、前記第1所定距離及び前記第2所定距離は、圃場Fの幅Laに応じて設定されてもよい。例えば、前記第1所定距離は、「La×0.2」(m)に設定され、前記第2所定距離は、「La×0.8」(m)に設定されてもよい。また、前記第1所定時間は、例えば2~3秒に設定され、前記第2所定時間は、例えば5秒以上に設定されてもよい。また、前記第1所定時間及び前記第2所定時間は、圃場Fの幅La及び作業車両10の車速に応じて設定されてもよい。
【0070】
また、前記所定動作は、作業機14の昇降動作、作業車両10の進行方向を切り替える動作、作業車両10の車速を変更する操作、作業クラッチを切り替える動作、後車輪のサイドクラッチを切り替える動作(入切動作)、シートスイッチのON/OFF動作、及び、次行程の目標経路Rの基準線L1を生成するマーカーによる作業又は前記マーカーを収納位置に収納する操作、の少なくともいずれかを含む。また、前記1所定動作と前記第2所定動作とは、同じ種別の動作(例えば、作業機14の昇降動作など)であってもよいし、異なる種別の動作(例えば、作業機14の昇降動作と進行方向の切替動作など)であってもよい。なお、前記マーカーによる作業は、例えば圃場Fにおいて次行程の走行経路の目印を前記マーカーにより引く(圃場Fに跡又は溝を付ける)動作(マーカー動作)であり、前記マーカーを収納位置に収納する操作は、マーカー動作が終了した後に前記マーカーを収納位置へ収納する動作である。また、他の実施形態として、前記マーカーによる作業は、目印が引かれた位置を次行程の走行経路(基準線L1)に設定する作業であってもよい。
【0071】
前記第1経路生成モードによれば、圃場Fの両端部の2点(A点及びB点)を通る基準線L1により目標経路Rを生成することができるため、作業車両10による作業精度を向上させることができる。
【0072】
[第2経路生成モード]
設定画面P1(図9A参照)においてオペレータが「A点+車両方位角」(設定項目K2)を選択して決定ボタンK0を押下すると、表示処理部711は、A点を基準として基準線L1を設定するか、又は、走行軌跡を基準として基準線L1を設定するかの選択操作を受け付ける設定画面P3(図9B参照)を操作表示部73に表示させる。設定画面P3において、オペレータが「A点基準」(設定項目K31)を選択して決定ボタンK0を押下すると、受付処理部712がオペレータの選択操作を受け付け、設定処理部713は前記第2経路生成モード(A点基準)を特定する。また、設定画面P3において、オペレータが「走行軌跡基準」(設定項目K32)を選択して決定ボタンK0を押下すると、受付処理部712がオペレータの選択操作を受け付け、設定処理部713は前記第2経路生成モード(走行軌跡基準)を特定する。
【0073】
設定処理部713が前記第2経路生成モード(A点基準)を特定すると、表示処理部711は、基準線L1を設定する設定操作をオペレータから受け付ける作業画面D1(図6A参照)を操作表示部73に表示させる。オペレータは、圃場F内において作業車両10を任意の位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する(図6A参照)。例えば、オペレータは、作業車両10を圃場Fの作業開始位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する。オペレータがA点登録ボタンKaを押下すると、設定処理部713は作業車両10の位置(現在位置)を基準点(A点)として登録する。設定処理部713は、A点を登録すると、A点を通り作業車両10の現在の方位(車両方位角)の方向に延伸する直線を基準線L1として設定する。また、設定処理部713は、基準方位(例えば北)に対する角度である車両方位角を設定する。なお、設定処理部713は、作成した基準線L1の方位を調整可能であってもよい。例えば、設定処理部713は、作成した基準線L1を作業画面D1に表示させて、オペレータから登録操作を受け付けた場合に基準線L1を設定(登録)する。一方、設定処理部713は、オペレータから基準線L1の方位を変更する操作(例えば、画面のタッチ操作など)を受け付けると、操作に応じて基準線L1の方位を調整する。設定処理部713は、A点を登録する操作を受け付けた場合に、基準線L1を登録するか又は調整するかの選択画面を表示させてもよい。
【0074】
生成処理部714は、基準線L1と、基準線L1に平行な複数の直線とを含む走行経路(目標経路R)を生成する(図7B参照)。生成処理部714は、生成した目標経路Rを記憶部72に登録するとともに、操作表示部73に表示させる。
【0075】
これに対して、設定処理部713が前記第2経路生成モード(走行軌跡基準)を特定すると、操作制御部71は、基準線(A点)と、基準点(A点)から作業車両10が走行した走行軌跡とに基づいて目標経路Rを生成する。
【0076】
具体的には、取得処理部715が、作業車両10の所定位置の位置情報を取得する。取得処理部715は、前記[第1経路生成モード]と同様に、作業車両10の所定位置を取得する。例えば、取得処理部715は、作業車両10の所定動作(作業機14の昇降動作など)が実行される位置の位置情報を取得する。例えば、オペレータが圃場F内において作業車両10を植付作業の開始位置に移動させて作業機14を下降(第1所定動作)させる操作を行うと、取得処理部715は、当該操作を受け付けた時点の作業車両10の現在位置(第1位置)の位置情報を取得する。
【0077】
また、例えば、オペレータが作業車両10を植付作業の最初の経路において手動走行させながら植付作業を行わせた後に、作業車両10を旋回又は作業機14を上昇(第2所定動作)させる操作を行うと、取得処理部715は、作業車両10が前記第1位置から走行した走行軌跡に基づいて車両方位角を取得する。例えば、取得処理部715は、作業車両10が前記第1位置から第2所定距離走行した場合、又は、作業車両10が前記第1位置で走行を開始してから第2所定時間経過した場合に、前記車両方位角を取得する。また、例えば、取得処理部715は、前記第1位置から、作業車両10が第2所定距離走行するまで又は第2所定時間経過するまでの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する。
【0078】
また、作業車両10が前記第1位置から第1所定距離走行した場合又は作業車両10が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合、かつ、その後に作業車両10の第2所定動作(作業車両10の旋回動作、作業機14の上昇動作など)が実行された場合に、取得処理部715は、前記第1位置を基準として、前記第1位置から前記第2所定動作が実行された第2位置までの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する。他の実施形態として、取得処理部715は、前記第1位置から所定距離走行後又は所定時間経過後の位置までの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得してもよい。
【0079】
登録処理部716は、前記[第1経路生成モード]と同様に、作業車両10の第1所定動作(作業機14の下降動作など)が実行される第1位置を第1基準点(A点)として登録する。例えば図8Aに示すように、登録処理部716は、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第1所定距離に到達した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録する。
【0080】
他の実施形態として、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第1所定時間が経過した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録してもよい。また、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点の作業車両10の位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0が第1所定距離に到達した場合、かつ、作業機14が下降して植付作業が可能になった時点から第1所定時間が経過した場合に、登録処理部716は、位置p1を第1基準点(A点)として登録してもよい。
【0081】
生成処理部714は、登録処理部716により登録される第1基準点(A点)と、取得処理部715により取得される前記走行軌跡に応じた車両方位角とに基づいて目標経路Rを生成する。具体的には、設定処理部713は、作業車両10の所定動作が実行された位置に対応する第1基準点(A点)を通り前記走行軌跡の車両方位角(平均車両方位角)のの方向に延伸する直線を基準線L1として設定する。生成処理部714は、基準線L1と、基準線L1に平行な複数の直線とを含む走行経路(目標経路R)を生成する。
【0082】
なお、走行軌跡基準による第2経路生成モードにおいて、操作制御部71は、オペレータからA点登録ボタンKaを押下する操作を受け付けて作業車両10の現在位置を第1基準点(A点)として登録し、第1基準点(A点)と、前記走行軌跡の車両方位角(平均車両方位角)とに基づいて基準線L1及び目標経路Rを生成してもよい。
【0083】
[第3経路生成モード]
設定画面P1(図5A参照)においてオペレータが「A点+設定方位角」(設定項目K3)を選択して決定ボタンK0を押下すると、受付処理部712がオペレータの選択操作を受け付け、設定処理部713は前記第3経路生成モードを特定する。
【0084】
前記第3経路生成モードでは、設定処理部713は、基準方位(例えば北)に対する角度である設定方位角を設定する。例えば、表示処理部711は、設定画面(不図示)に角度を入力する入力欄を表示させ、受付処理部712は、オペレータから角度の入力操作を受け付ける。オペレータは、所望の角度を入力する。設定処理部713は、オペレータにより入力された角度を設定方位角に設定する。
【0085】
設定処理部713が設定方位角を設定すると、表示処理部711は、基準線L1を設定する設定操作をオペレータから受け付ける作業画面D1(図6A参照)を操作表示部73に表示させる。オペレータは、圃場F内において作業車両10を任意の位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する。例えば、オペレータは、作業車両10を圃場Fの作業開始位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する(図6A参照)。オペレータがA点登録ボタンKaを押下すると、設定処理部713は作業車両10の現在位置を基準点(A点)として登録する。設定処理部713は、A点を登録すると、A点を通り前記設定方位角の方向に延伸する直線を基準線L1として設定する。なお、設定処理部713は、作成した基準線L1の方位を調整可能であってもよい。例えば、設定処理部713は、作成した基準線L1を作業画面D1に表示させて、オペレータから登録操作を受け付けた場合に基準線L1を設定(登録)する。一方、設定処理部713は、オペレータから基準線L1の方位を変更する操作(例えば、画面のタッチ操作など)を受け付けると、操作に応じて基準線L1の方位を調整する。設定処理部713は、A点を登録する操作を受け付けた場合に、基準線L1を登録するか又は調整するかの選択画面を表示させてもよい。生成処理部714は、基準線L1と、基準線L1に平行な複数の直線とを含む走行経路(目標経路R)を生成する。生成処理部714は、生成した目標経路Rを記憶部72に登録するとともに、操作表示部73に表示させる。
【0086】
このように、前記第3経路生成モードでは、操作制御部71は、オペレータから前記基準方位に対する角度の入力操作を受け付け、オペレータにより入力された角度(設定方位角)に基づいて目標経路Rを生成する。
【0087】
操作制御部71は、以上のようにして、複数の経路生成モード(第1経路生成モード、第2経路生成モード、及び第3経路生成モード)のうちオペレータにより選択された経路生成モードにより目標経路Rを生成する。
【0088】
目標経路Rが生成された後、オペレータは、圃場F内において作業車両10に自動走行を開始させる指示(走行開始指示)を行う。例えば作業車両10が自動走行開始条件を満たし自動走行可能な状態になった場合に、オペレータは走行開始指示を行うことが可能になる。車両制御装置11は、オペレータの走行開始指示を取得すると、設定された経路生成モードに応じた目標経路Rに従って自動走行処理を実行する。
【0089】
具体的には、車両制御装置11は、作業車両10が自動走行開始条件を満たすと、オペレータは、操作表示部73の自動走行ボタン(不図示)を押下して走行開始指示を行う。車両制御装置11は、走行開始指示を受け付けると、作業車両10を、設定された前記経路生成モードにより生成された目標経路Rに沿うように作業車両10の自動操舵を開始する。これにより、車両制御装置11は、作業車両10を直進経路に沿って自動操舵により自動走行させる。
【0090】
車両制御装置11は、作業車両10が自動走行を開始すると、作業画面を操作装置17に表示させる。例えば、操作装置17は、車両制御装置11から取得する情報(走行情報など)に基づいて、操作表示部73の作業画面に、作業車両10の位置、直進経路、作業済領域(作業状況)、案内情報(操作ガイダンス情報)などを表示させる。
【0091】
また、車両制御装置11は、直進経路の終端において自動操舵を終了させる。例えば、車両制御装置11は、作業車両10が自動操舵により直進走行して作業経路(直進経路)の終端に近づくとオペレータに案内情報を報知し、オペレータの操作に応じて自動操舵を終了させる。なお、各作業経路の終端の位置は、圃場Fの端部から所定距離だけ内側に入った位置、オペレータが予め指定した位置、直前の作業済経路においてオペレータが自動走行から手動走行に切り替えた位置に並ぶ位置(手動に切り替えた位置を通り作業済経路に垂直な線と作業経路とが交わる位置、又は、手動に切り替えた位置を通り圃場Fの端辺に平行な線と作業経路とが交わる位置)、基準線L1のB点を通り基準線L1に垂直な線と作業経路とが交わる位置などである。
【0092】
[経路生成処理]
以下、操作装置17の操作制御部71によって実行される前記経路生成処理の一例について説明する。なお、本発明は、操作装置17が前記経路生成処理の一部又は全部を実行する経路生成方法の発明、又は、当該経路生成方法の一部又は全部を操作装置17に実行させるための経路生成プログラムの発明として捉えてもよい。また、一又は複数のプロセッサーが前記経路生成処理を実行してもよい。
【0093】
図10は、前記第1経路生成モード(「A点+B点」モード)に対応する前記経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
ステップS1において、操作制御部71は、オペレータから「A点+B点」モードのうち「自動登録」モードの選択操作を受け付けたか否かを判定する。例えば設定画面P1(図5B参照)において、オペレータは、自らの登録操作(手動)により第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を登録して目標経路Rを生成することを希望する場合に「手動登録」(設定項目K11)を選択し、作業車両10の所定動作に応じて自動で第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を登録して目標経路Rを生成することを希望する場合に「自動登録」(設定項目K12)を選択する。操作制御部71は、オペレータから「自動登録」モードの選択操作を受け付けると(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。一方、操作制御部71は、オペレータから「手動登録」モードの選択操作を受け付けると(S1:No)、処理をステップS11に移行させる。
【0095】
ステップS2において、操作制御部71は、作業機14が地面に接地したか否かを判定する。具体的には、オペレータが圃場F内において作業車両10を植付作業の開始位置に移動させて作業機14を下降(第1所定動作)させる操作を行うと、作業機14が下降してフロート36が地面に接地する。また、オペレータは、作業機14を下降させると主変速レバー13Lなどを操作して作業車両10の手動走行を開始する。操作制御部71は、フロート36が地面に接地したことを示す検出信号を作業機14又はフロートセンサから取得すると(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。操作制御部71は、フロート36が地面に接地したことを示す検出信号を取得するまで待機する(S2:No)。作業機14を下降させる動作は、本発明の所定動作の一例である。
【0096】
ステップS3において、操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達したか否かを判定する。具体的には、操作制御部71は、作業車両10が作業機14を下降させて走行を開始した位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0(図8A参照)が第1所定距離に到達したか否かを判定する。操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達したと判定すると(S3:Yes)、処理をステップS4に移行させる。操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達するまで待機し(S3:No)、作業車両10はオペレータによる手動走行を継続する。
【0097】
ステップS4において、操作制御部71は、位置p1(第1位置)を第1基準点(A点)として登録する(図8A参照)。すなわち、操作制御部71は、前記第1所定動作が行われた位置p1を、作業車両10が第1所定距離だけ走行した時点で第1基準点(A点)として登録する。他の実施形態として、操作制御部71は、前記第1所定動作が行われた位置p1を、作業車両10が位置p1で走行を開始してから第1所定時間が経過した時点で第1基準点(A点)として登録してもよい。
【0098】
ステップS5において、操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達したか否かを判定する。具体的には、操作制御部71は、作業車両10が作業機14を下降させて走行を開始した位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0(図8B参照)が第2所定距離(但し、第2所定距離>第1所定距離)に到達したか否かを判定する。操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達したと判定すると(S5:Yes)、処理をステップS6に移行させる。操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達するまで待機し(S5:No)、作業車両10はオペレータによる手動走行を継続する。
【0099】
ステップS6において、操作制御部71は、作業車両10が旋回動作を行ったか否かを判定する。具体的には、オペレータが圃場F内において作業車両10を第1位置p1から走行させて圃場Fの端部において旋回操作を行う。操作制御部71は、作業車両10のハンドル137の操舵角が所定角度以上となったことを示す検出信号を走行装置13から取得すると、作業車両10が旋回動作を行ったと判定して(S6:Yes)、処理をステップS7に移行させる。作業車両10が旋回動作を行うまで待機する(S6:No)。前記旋回動作は、本発明の所定動作の一例である。
【0100】
ステップS7において、操作制御部71は、位置p2(第2位置)を第2基準点(B点)として登録する(図8A参照)。例えば、操作制御部71は、ハンドル137の操舵角が所定角度以上となった時点の作業車両10の位置p2を第2基準点(B点)として登録する。すなわち、操作制御部71は、前記第2所定動作が行われた位置p2を、作業車両10が第2所定距離だけ走行した時点で第2基準点(B点)として登録する。他の実施形態として、操作制御部71は、前記第2所定動作が行われた位置p2を、作業車両10が位置p1で走行を開始してから第2所定時間が経過した時点で第2基準点(B点)として登録してもよい。
【0101】
ステップS8において、操作制御部71は、第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を通る基準線L1を生成するとともに、基準線L1に平行な複数の直線を含む目標経路Rを生成する(図7B参照)。
【0102】
ステップS1において、操作制御部71は、オペレータから「手動登録」モード(図5B参照)の選択操作を受け付けると(S1:No)、ステップS11において、オペレータから第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、オペレータは、圃場F内において作業車両10を任意の位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する(図6A参照)。オペレータがA点登録ボタンKaを押下すると、操作制御部71は、第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けて(S11:Yes)、処理をステップS12に移行させる。操作制御部71は、第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けるまで待機する(S11:No)。
【0103】
ステップS12において、操作制御部71は、位置p1(第1位置)を第1基準点(A点)として登録する(図8A参照)。
【0104】
ステップS13において、操作制御部71は、オペレータから第2基準点(B点)を登録する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、オペレータは、作業車両10に走行及び作業させたい作業方向(例えば植付方向)に平行な方向に、作業車両10を直進走行させる(図7A参照)。オペレータは、任意の位置(例えば圃場Fの外周端部)においてB点登録ボタンKb(図6B参照)を押下する。オペレータがB点登録ボタンKbを押下すると、操作制御部71は、第2基準点(B点)を登録する操作を受け付けて(S13:Yes)、処理をステップS14に移行させる。操作制御部71は、第2基準点(B点)を登録する操作を受け付けるまで待機する(S13:No)。
【0105】
ステップS14において、操作制御部71は、位置p2(第2位置)を第2基準点(B点)として登録する(図7A参照)。ステップS14の後、操作制御部71は、処理をステップS8に移行させる。ステップS8において、操作制御部71は、第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を通る基準線L1を生成するとともに、基準線L1に平行な複数の直線を含む目標経路Rを生成する(図7B参照)。
【0106】
以上のようにして、操作制御部71は、前記第1経路生成モード(「A点+B点」モード)に対応する前記経路生成処理を実行する。
【0107】
図11は、前記第2経路生成モード(「A点+車両方位角」モード)に対応する前記経路生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0108】
ステップS21において、操作制御部71は、オペレータから「A点+車両方位角」モードのうち「走行軌跡基準」モードの選択操作を受け付けたか否かを判定する。例えば設定画面P3(図9B参照)において、オペレータは、第1基準点(A点)における作業車両10の車両方位角に基づいて目標経路Rを生成することを希望する場合に「A点基準」(設定項目K31)を選択し、第1基準点(A点)からの作業車両10の走行軌跡に応じた車両方位角に基づいて目標経路Rを生成することを希望する場合に「走行軌跡基準」(設定項目K32)を選択する。操作制御部71は、オペレータから「走行軌跡基準」モードの選択操作を受け付けると(S21:Yes)、処理をステップS22に移行させる。一方、操作制御部71は、オペレータから「A点基準」モードの選択操作を受け付けると(S21:No)、処理をステップS31に移行させる。
【0109】
ステップS22において、操作制御部71は、作業機14が地面に接地したか否かを判定する。具体的には、オペレータが圃場F内において作業車両10を植付作業の開始位置に移動させて作業機14を下降(第1所定動作)させる操作を行うと、作業機14が下降してフロート36が地面に接地する。また、オペレータは、作業機14を下降させると主変速レバー13Lなどを操作して作業車両10を手動走行させる。操作制御部71は、フロート36が地面に接地したことを示す検出信号を作業機14又はフロートセンサから取得すると(S22:Yes)、処理をステップS23に移行させる。操作制御部71は、フロート36が地面に接地したことを示す検出信号を取得するまで待機する(S22:No)。
【0110】
ステップS23において、操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達したか否かを判定する。具体的には、操作制御部71は、作業車両10が作業機14を下降させて走行を開始した位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0(図8A参照)が第1所定距離に到達したか否かを判定する。操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達したと判定すると(S23:Yes)、処理をステップS24に移行させる。操作制御部71は、作業車両10が第1所定距離に到達するまで待機し(S23:No)、作業車両10はオペレータによる手動走行を継続する。
【0111】
ステップS24において、操作制御部71は、位置p1(第1位置)を第1基準点(A点)として登録する(図8A参照)。すなわち、操作制御部71は、前記第1所定動作が行われた位置p1を、作業車両10が第1所定距離だけ走行した時点で第1基準点(A点)として登録する。他の実施形態として、操作制御部71は、前記第1所定動作が行われた位置p1を、作業車両10が位置p1で走行を開始してから第1所定時間が経過した時点で第1基準点(A点)として登録してもよい。
【0112】
ステップS25において、操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達したか否かを判定する。具体的には、操作制御部71は、作業車両10が作業機14を下降させて走行を開始した位置p1(第1位置)から作業車両10の走行距離L0(図8B参照)が第2所定距離(但し、第2所定距離>第1所定距離)に到達したか否かを判定する。操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達したと判定すると(S25:Yes)、処理をステップS26に移行させる。操作制御部71は、作業車両10が第2所定距離に到達するまで待機し(S25:No)、作業車両10はオペレータによる手動走行を継続する。
【0113】
ステップS26において、操作制御部71は、作業車両10が旋回動作を行ったか否かを判定する。具体的には、オペレータが圃場F内において作業車両10を第1位置p1から走行させて圃場Fの端部において旋回操作を行う。操作制御部71は、作業車両10のハンドル137の操舵角が所定角度以上となったことを示す検出信号を走行装置13から取得すると、作業車両10が旋回動作を行ったと判定して(S26:Yes)、処理をステップS27に移行させる。作業車両10が旋回動作を行うまで待機する(S26:No)。
【0114】
ステップS27において、操作制御部71は、車両方位角を取得する。具体的には、操作制御部71は、位置p1(第1位置)を基準として、前記第1所定動作が実行されてから(第1位置p1から)、作業車両10が第2所定距離走行するまで又は第2所定時間が経過するまでの走行軌跡(図8Bの走行距離L0の走行軌跡)に対応する車両方位角の平均値(平均車両方位角)を、前記車両方位角として取得する。
【0115】
ステップS28において、操作制御部71は、第1基準点(A点)及び前記車両方位角に基づいて基準線L1を生成するとともに、基準線L1に平行な複数の直線を含む目標経路Rを生成する。例えば、操作制御部71は、第1基準点(A点)を通り前記車両方位角の方向に延伸する直線を基準線L1として設定し、基準線L1から目標経路Rを生成する。
【0116】
ステップS21において、操作制御部71は、オペレータから「A点基準」モードの選択操作を受け付けると(S21:No)、ステップS31において、オペレータから第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、オペレータは、圃場F内において作業車両10を任意の位置に移動させてA点登録ボタンKaを押下する(図6A参照)。オペレータがA点登録ボタンKaを押下すると、操作制御部71は、第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けて(S31:Yes)、処理をステップS32に移行させる。操作制御部71は、第1基準点(A点)を登録する操作を受け付けるまで待機する(S31:No)。
【0117】
ステップS32において、操作制御部71は、位置p1(第1位置)を第1基準点(A点)として登録する(図8A参照)。
【0118】
ステップS33において、操作制御部71は、位置p1における作業車両10の現在の方位(車両方位角)を取得する。ステップS33の後、操作制御部71は、処理をステップS28に移行させる。ステップS28において、操作制御部71は、第1基準点(A点)を通り位置p1における作業車両10の前記車両方位角の方向に延伸する直線を基準線L1として設定し、基準線L1から目標経路Rを生成する。
【0119】
以上のようにして、操作制御部71は、前記第2経路生成モード(「A点+車両方位角」モード)に対応する前記経路生成処理を実行する。
【0120】
以上説明したように、本実施形態に係る操作装置17は、圃場Fにおいて作業車両10を自動走行させる目標経路Rを生成する。具体的には、操作装置17は、圃場F内の作業車両10の所定位置の位置情報を取得し、作業車両10が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、作業車両10が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録し、前記基準点に基づいて目標経路Rを生成する。
【0121】
例えば、操作装置17は、作業車両10の第1所定動作(例えば作業機14の下降動作)が実行される第1位置p1(図8A参照)を第1基準点(A点)として登録し、作業車両10の第2所定動作(例えば作業車両10の旋回動作)が実行される第2位置p2(図8B参照)を第2基準点(B点)として登録し、A点及びB点を通る基準線L1に基づいて目標経路Rを生成する(図7A及び図7B参照)。
【0122】
また例えば、操作装置17は、作業車両10の第1所定動作(例えば作業機14の下降動作)が実行される第1位置p1(図8A参照)を第1基準点(A点)として登録し、作業車両10が第1位置p1から走行した走行軌跡に基づいて車両方位角(例えば車両方位角の平均値)を取得し、A点及び前記車両方位角に基づいて目標経路Rを生成する。
【0123】
上記構成によれば、例えばオペレータがA点及びB点を登録する操作を行ったり、車両方位角を入力する操作を行ったりする必要がない。また、作業車両10が所定位置から所定距離走行した場合、又は、作業車両10が所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に所定位置を基準点として登録する構成を備えるため、オペレータが意図しない作業車両10の挙動に応じた位置が基準点として登録されてしまうことを防ぐことができる。よって、目標経路Rの生成作業の作業性を向上させることが可能となる。
【0124】
[他の実施形態]
本発明は上述の実施形態に限定されない。以下、本発明の他の実施形態について説明する。
【0125】
上述したように、操作装置17は、オペレータの登録操作により第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を登録する機能(図5Bの「手動登録」モード)を有する。本発明の他の実施形態として、操作制御部71は、手動登録モードにおいて、オペレータが登録操作を忘れていると判定した場合に、オペレータに登録操作を促してもよい。例えば、オペレータがA点を登録(図6A参照)した後に作業車両10を手動走行(直進走行)させて圃場Fの端部においてB点を登録する操作(図6B参照)を忘れて作業車両10を旋回させた場合に、操作制御部71は、オペレータがB点の登録操作を忘れていると判定して、作業画面D1(図12参照)にB点の登録操作を促すメッセージを表示させる。
【0126】
オペレータは、前記メッセージを確認すると、例えばB点として登録する位置に作業車両10を移動させてB点登録ボタンKb(図12参照)を押下する。
【0127】
また、操作制御部71は、図12に示すように、B点の自動登録を受け付ける自動登録ボタンKcを表示させてもよい。オペレータが自動登録ボタンKcを押下すると、操作制御部71は、作業車両10が旋回動作を開始した位置、又は、作業機14の上昇動作を開始した位置をB点として登録する。
【0128】
なお、操作制御部71は、オペレータがA点の登録操作を忘れていると判定した場合にも、同様に、作業画面D1にA点の登録操作を促すメッセージ及び自動登録ボタンKcを表示させてもよい。例えば、操作制御部71は、A点の登録操作を受け付けていない状態で作業車両10が手動走行を開始し、所定距離走行した場合又は所定時間経過した場合に、前記メッセージ及び自動登録ボタンKcを表示させる。
【0129】
ところで、第1基準点(A点)及び第2基準点(B点)を自動登録する「自動登録」モードの場合に、オペレータが意図しない位置がA点及びB点として登録されてしまうことが考えられる。例えば図13に示すように、オペレータが作業車両10を圃場Fの出入口から圃場F内に進入させ、作業を開始する位置p3まで手動走行させる場合に、圃場F内に進入した作業車両10を旋回させたり作業機14を下降させたりする動作に応じて位置p1がA点として登録され、直進走行後に作業車両10を旋回させたり作業機14を上昇させたりする動作に応じて位置p2がB点として登録されてしまうことが考えられる。位置p1、p2がA点及びB点として登録されてしまうと、オペレータが意図しない目標経路Rが生成されてしまう問題が生じる。
【0130】
そこで、本発明の他の実施形態として、操作制御部71は、所定動作に応じた所定位置を、基準線L1における基準点として登録するか否かをオペレータに問い合わせて、オペレータから登録指示を取得した場合に前記所定位置を基準点として登録する構成を備えてもよい。
【0131】
例えば図14に示すように、操作制御部71は、作業画面D1において、位置p1で所定動作が行われた場合に位置p1をA点として登録するか否かを問い合わせるメッセージを表示させる。操作制御部71は、オペレータが「はい(登録する)」を選択した場合に位置p1をA点として登録し、オペレータが「いいえ(キャンセルする)」を選択した場合には位置p1をA点として登録せず、位置p1の情報を削除する。図14に示す例では、オペレータは、作業画面D1において、位置p1、p2を基準点として登録せず、位置p3、p4を基準点(A点及びB点)として登録する指示を行う。これにより、オペレータが意図しない位置が基準点として登録されて目標経路Rが生成されてしまうことを防ぐことができる。
【0132】
なお、前記第2経路生成モード(「A点+車両方位角」モード)においても同様に、操作制御部71は、走行軌跡に基づいて算出した車両方位角を登録するか否かをオペレータに問い合わせてもよい。
【0133】
本発明の作業車両10は、旋回時にも自動走行可能であってもよい。この場合、目標経路Rには、直進経路及び旋回経路が含まれる。また、作業車両10において、オペレータが旋回時の自動走行及び手動走行を切り替え可能であってもよい。また、作業車両10は、無人で目標経路Rを自動走行してもよい。この場合、オペレータは、操作端末を遠隔操作して走行開始指示などを行ってもよい。また、遠隔操作に利用される操作端末は、本実施形態に係る操作装置17であってもよいし、操作装置17の各処理部を備えてもよい。
【0134】
本発明の経路生成システムは、操作装置17単体で構成されてもよいし、操作装置17に含まれる各処理部を備えたサーバーで構成されてもよい。また、前記経路生成システムは、操作装置17を備える作業車両10で構成されてもよい。
【0135】
[発明の付記]
以下、実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0136】
<付記1>
圃場において作業車両を自動走行させる目標経路を生成する経路生成方法であって、
前記圃場内の前記作業車両の所定位置の位置情報を取得することと、
前記作業車両が前記所定位置から所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記所定位置で走行を開始してから所定時間経過した場合に、前記所定位置を基準点として登録することと、
前記基準点に基づいて前記目標経路を生成することと、
を実行する経路生成方法。
【0137】
<付記2>
前記所定位置は、前記作業車両の所定動作が実行される位置である、
付記1に記載の経路生成方法。
【0138】
<付記3>
前記作業車両の第1所定動作が実行される第1位置を第1基準点として登録し、前記作業車両の第2所定動作が実行される第2位置を第2基準点として登録し、
前記第1基準点及び前記第2基準点を通る基準線に基づいて、前記目標経路を生成することと、
付記2に記載の経路生成方法。
【0139】
<付記4>
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合に、前記第1位置を前記第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から第2所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第2所定時間経過した場合に、前記第2位置を前記第2基準点として登録する、
付記3に記載の経路生成方法。
【0140】
<付記5>
前記作業車両の第1所定動作が実行される第1位置を第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から走行した走行軌跡に基づいて車両方位角を取得し、
前記第1基準点及び前記車両方位角に基づいて前記目標経路を生成する、
付記2に記載の経路生成方法。
【0141】
<付記6>
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合に、前記第1位置を前記第1基準点として登録し、
前記作業車両が前記第1位置から第2所定距離走行した場合、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第2所定時間経過した場合に、前記車両方位角を取得する、
付記5に記載の経路生成方法。
【0142】
<付記7>
前記作業車両が前記第1位置から前記第2所定距離走行するまでの走行軌跡、又は、前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから前記第2所定時間経過するまでの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する、
付記6に記載の経路生成方法。
【0143】
<付記8>
前記作業車両が前記第1位置から第1所定距離走行した場合又は前記作業車両が前記第1位置で走行を開始してから第1所定時間経過した場合、かつ、その後に前記作業車両の第2所定動作が実行された場合に、前記第1位置から前記第2所定動作が実行された第2位置までの走行軌跡に対応する車両方位角の平均値を、前記車両方位角として取得する、
付記5~7のいずれかに記載の経路生成方法。
【0144】
<付記9>
前記所定動作は、前記作業車両に設けられる作業機の昇降動作、前記作業車両の進行方向を切り替える動作、前記作業車両の車速を変更する操作、作業クラッチを切り替える動作の少なくともいずれかを含む、
付記2~8のいずれかに記載の経路生成方法。
【0145】
<付記10>
前記所定位置を前記基準点として登録するか否かをユーザーに問い合わせ、
前記ユーザーから登録指示を取得した場合に、前記所定位置を前記基準点として登録する、
付記1~9のいずれかに記載の経路生成方法。
【符号の説明】
【0146】
10 :作業車両
11 :車両制御装置
12 :記憶部
13 :走行装置
14 :作業機
15 :通信部
16 :測位装置
17 :操作装置
71 :操作制御部
72 :記憶部
73 :操作表示部
711 :表示処理部
712 :受付処理部
713 :設定処理部
714 :生成処理部
715 :取得処理部
716 :登録処理部
F :圃場
L0 :走行距離
L1 :基準線
R :目標経路
p1 :第1位置
p2 :第2位置
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14